(実施形態1)
図1は本発明による実施形態1のLED照明装置の構成図、図2は同LED照明装置における信号発振部の出力信号の波形図、図3は同LED照明装置の通信時の動作波形図、図4は同LED照明装置の非通信時の動作波形図である。
図1に示すように、本実施形態1のLED照明装置1は、LED(発光ダイオード)10により構成される照明用の光源を備え、この光源の光出力に、送信情報に対応する送信信号を含めるものである。図1の例では、外部の直流電源11とLED10のアノードとの間に接続される抵抗12と、LED10のカソードとグランドとの間に接続され、後述の変調信号選択部19からの信号に応じて、上記光源に対する直流電力の供給制御をしてその光源を駆動するスイッチ素子13(図ではFET)とが具備されているほか、タイマ14と、記憶部15と、送信信号入力部16と、信号発振部17,18と、変調信号選択部19とが具備されている。ここで、直流電源11は、定電源であるとする。
タイマ14は、予め設定された一定時間の計時をし、一定時間の経過毎にタイムアップ信号を出力するものである。
記憶部15は、例えば不揮発性の半導体記憶装置などにより構成され、例えば固定の上記送信情報を記憶するものである。
送信信号入力部16は、タイマ14からタイムアップ信号が出力される毎に、記憶部15に記憶されている送信情報を読み出して入力し、その送信情報に対応する送信信号を出力するものである。例えば、送信情報のビットデータの“1”をHighで示し、“0”をLowで示す送信信号が出力される。なお、上記論理は逆でもよいことは言うまでもない。
信号発振部17,18(信号出力手段)は、上記送信信号とは別にその周波数よりも高く、上記光源の光出力(平均消費電力)を視覚的に同様の出力にする互いに異なる一定周波数の高周波の信号をそれぞれ常時出力するものである(図2参照)。例えば、信号発振部17,18から出力される信号のデユーティ比は、ともに50%に設定される。なお、信号発振部17,18の双方のデユーティ比は50%に限らず、任意に設定可能であり、また必ずしも全く同一のデユーティ比でなくてもよく、光源の光出力(平均消費電力)を視覚的に同様の出力にするデユーティ比であれば異なっていてもよい。
変調信号選択部19(出力切替手段)は、上記送信情報を送信する通信時には、図3に示すように、送信信号入力部16からの送信信号に応じて、信号発振部17,18からそれぞれ出力される信号のうち一方の信号と他方の信号とに切り替えて出力する一方、上記送信情報を送信しない非通信時には、図4に示すように、信号発振部17,18からそれぞれ出力される信号のうち予め定められた一つの信号を出力するものである。図1の例では、一方の入力端子が信号発振部17の出力に接続され他方の入力端子が送信信号入力部16の出力に接続されるアンド回路19aと、一方の入力端子が信号発振部18の出力に接続され他方のアクティブローの入力端子が送信信号入力部16の出力に接続されるアンド回路19bと、これら双方のアンド回路19a,19bの両出力端子と両入力端子がそれぞれ接続されるOR回路19cとにより構成されている。これにより、変調信号選択部19は、通信時には、送信信号が一定値以上のHighの場合に信号発振部17からの信号を切替出力し、送信信号がLowの場合に信号発振部18からの信号を切替出力する一方、非通信時には、信号発振部18からの信号を切替出力することになる。なお、本発明の出力切替手段は、上記構成に限らず、非通信時には、信号発振部17からの信号を出力するものでもよく、また、複数の信号出力手段として、信号発振部17,18とは別の信号発振部をさらに備え、非通信時には、その別の信号発振部からの信号を出力するものでもよい。
図5は同LED照明装置からの送信信号を受信する受光器の構成図、図6は同受光器の動作説明図、図7は上記LED照明装置および受光器の一使用例を示す図である。
図5に示すように、受光器2は、受光した光の強弱に応じて電気信号を発生するPINフォトダイオードなどの光センサ部2aと、この出力の信号を増幅する増幅部2bと、この増幅部2bにより増幅された信号(図6の「復調部入力波形」)を上記送信信号(同図の「復調部出力波形」)に復調する信号復調部2cと、この信号復調部2cにより復調された送信信号を出力する信号出力部2dとにより構成されている。信号復調部2cは、復調部入力波形の周波数を判別し、その周波数の違いにより復調部出力波形の波高値を決定する。
次に、上記構成のLED照明装置1および受光器2の動作について説明する。LED照明装置1において、タイマ14からタイムアップ信号が出力されると、通信時の動作モードに移行し、送信信号入力部16により、記憶部15に記憶されている送信情報が読み出されて、送信信号が出力される。続いて、変調信号選択部19により、送信信号入力部16からの送信信号に応じて、信号発振部17,18からそれぞれ出力される信号のうち一方の信号と他方の信号とが切替出力される。これにより、スイッチ素子13が、変調信号選択部19からの信号に応じて、上記光源に対する直流電力の供給制御をしてその光源を駆動する。
一方、受光器2において、光センサ部2aにより上記光源からの光が受光されると、増幅部2bにより光センサ部2aの出力の信号が増幅され、信号復調部2cによりその増幅された信号が送信信号に復調されて信号出力部2dから出力される。
この後、LED照明装置1において、上記送信信号の送信が完了すると、非通信時の動作モードに移行し、変調信号選択部19により、信号発振部17,18からそれぞれ出力される信号のうち予め定められた一つの信号が出力される。これにより、スイッチ素子13が、変調信号選択部19からの予め定められた一つの信号に応じて、上記光源に対する直流電力の供給制御をしてその光源を駆動する。
一方、受光器2において、光センサ部2aにより上記光源からの光が受光されても、周波数の違いがなく、信号発振部18の周波数による一定の周波数となるので、信号復調部2cの出力は一定(図4の例ではLow状態)となる。
以上、本実施形態1によれば、通信時には、送信信号に応じて、信号発振部17,18からそれぞれ出力される信号のうち一方の信号と他方の信号とに切り替えて光源を駆動するので、通信中の光源の光出力を視覚的に一定にすることができる。しかも、非通信時にも、光源の光出力を視覚的に同様の出力にする互いに異なる周波数の信号のうち一つの信号を基に光源を駆動するので、通信時と非通信時とにおいても、光源の光出力を視覚的に一定にすることができるため、非通信時の光出力に比べて通信時の光出力が低下しないように光源を駆動することができる。要するに、通信時および非通信時において、高周波点灯で、光源での電力量を一定にし、明るさを一定に保つことができる。
また、上記LED照明装置1および受光器2によれば、図7の例に示すような使用が可能となる。図7の例では、天井に設置されたLED照明装置1により、通信、非通信に関わらず視覚的に安定な照明を確保することができ、受光器2を携帯する利用者がLED照明装置1からの送信情報をその受光器2で受信することができる。
なお、実施形態1において、LED照明装置1は、タイマ14を備える構成になっているが、タイマ14に代えて、図8に示すように、リモコン送信部3からのリモコン信号を受信するリモコン受光部14Aを備え、送信信号入力部16が、リモコン受光部14Aにより受信されたリモコン信号から得られるリモコンコードを基に、記憶部15に記憶されている送信情報を読み出して入力し、その送信情報に対応する送信信号を出力する構成でもよい。また、外部スイッチなどでもよい。
また、LED照明装置1は、記憶部15を備える構成になっているが、記憶部15に代えて、外部から送信情報を入力する情報入力部を備える構成でもよい。
さらに、LED照明装置1において、送信信号入力部16が、通信時に、図9に示すように、送信情報に対応する送信信号(図では「受光データ」)の前後にその送信信号を挟み込み、送信情報の開始点と終了点とを示す特定の信号を加えるようにしてもよい。これにより、送信信号の開始点のレベルに関係なく、全ての送信情報を欠落無く受信することが可能となる。
(実施形態2)
図10は本発明による実施形態2のLED照明装置の構成図、図11は同LED照明装置における電源監視部の入出力波形図、図12,図13は同LED照明装置の動作波形図である。
本実施形態2のLED照明装置1は、実施形態1との第1の相違点として、図10に示すように、交流電源11aおよびこの交流電力を光源に対する直流電力に全波整流する整流部11bにより構成される直流電源11と、整流部11bからの直流電力が光源の点灯しきいレベル(図11の「LED駆動必要電流」)以上になったか否かの監視をする電源監視部20とをさらに備える構成になっている。電源監視部20は、点灯しきいレベル以上になったとの監視結果が得られる場合にHighの信号を出力し(図11の「送信可能区間」)、点灯しきいレベル以上になったとの監視結果が得られない場合にLowの信号を出力する(同図の「送信禁止区間」)。
そして、第2の相違点として、変調信号選択部19(出力切替手段,出力手段)は、図12に示すように、電源監視部20により光源の点灯しきいレベル以上になったとの監視結果が得られる場合(図12の「送信可能区間」)には、当該変調信号選択部19からスイッチ素子13への信号の出力を許容する。つまり、送信信号入力部16からの送信信号(同図の「送信信号入力部信号」)に応じて、信号発振部17,18からそれぞれ出力される信号のうち一方の信号と他方の信号とが切替出力される(同図の「FET駆動」)。一方、点灯しきいレベル以上になったとの監視結果が得られない場合(同図の「送信禁止区間」)、変調信号選択部19は、当該変調信号選択部19からスイッチ素子13への信号の出力を禁止する。
また、送信信号入力部16は、図13に示すように、タイマ14からのタイムアップ信号(図13の「タイマカウントアップ信号」)に応じて、タイムアップ信号が出力された時点(t1,t3)直後の電源監視部20の出力信号(同図の「電源監視部出力信号」)による送信可能区間の開始時点(t2,t4)から、その送信可能区間内で送信信号を送信するようになっている。
上記構成のLED照明装置1では、タイマ14からタイムアップ信号が出力されると、通信時の動作モードに移行し、送信信号入力部16により、記憶部15に記憶されている送信情報が読み出されて、電源監視部20の出力信号の立ち上がり時点から送信信号が出力される。そして、変調信号選択部19により、送信信号入力部16からの送信信号に応じて、信号発振部17,18からそれぞれ出力される信号のうち一方の信号と他方の信号とが切替出力される。これにより、スイッチ素子13が、変調信号選択部19からの信号に応じて、上記光源に対する直流電力の供給制御をしてその光源を駆動する。
続いて、送信可能区間内で送信信号の送信を完了した後、電源監視部20の出力信号がLowの信号になると、変調信号選択部19により、スイッチ素子13への信号の出力が禁止される。
以上、本実施形態2によれば、整流部11bからの直流電力で光源が点灯できる期間に送信信号を送信することができる。また、商用AC電源供給で駆動可能であるため、適用範囲が格段に広がる。
なお、実施形態2において、LED照明装置1は、一つの送信可能区間内で1回のタイムアップ信号に応じた送信信号の送信が完了する場合の構成になっているが、一つの送信可能区間内で1回のタイムアップ信号に応じた送信信号の送信が完了しない場合には、タイムアップ信号が出力された後の電源監視部20の出力信号の立ち上がり時点から送信信号を、電源監視部20の出力信号がLowの信号になる間送信を中断しながら送信するようにすればよい。この場合、送信信号は、複数のパケットないしセルに分割されることになる。
(実施形態3)
図14は本発明による実施形態3のLED照明装置の構成図、図15は同LED照明装置の動作波形図である。
本実施形態3のLED照明装置1は、実施形態1との相違点として、図14に示すように、スイッチ素子13の制御端子(ゲート)に入力される各信号のデューティ比を所望(任意)のデューティ比に変化させるDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)21をさらに備えることを特徴とする。図14の例では、DSP21は、変調信号選択部19とスイッチ素子13のゲートとの間に介設されている。
ここで、実施形態1では、信号発振部17,18を一般的な正弦波または矩形波の発振信号を発生する発振器で構成しているため、双方のデューティ比はともに50%になる。本実施形態3では、図15に示すように、そのような信号発振部17,18からの50%のデューティ比の信号(図15の「DSP前段信号」)を、周波数を変えずに所望のデューティ比の信号(同図の「DSP後段信号」)に変換するべく、DSP21をさらに設けてある。なお、図15の例では、DSP21により、90%のオン・デューティ比(A/(A+B)×100)の信号に変換されている。
上記構成の本実施形態3によれば、スイッチ素子13に入力される各信号のデューティ比をDSP21で所望のデューティ比に増大させることにより、光源の光出力を増大させることができる一方、DSP21で所望のデューティ比に減少させることにより、光源の光出力を減少(A:B=0:10の消灯含む)させることができる。これにより、演出性・利便性の向上が期待できる。
なお、実施形態3の変形例として、信号発振部17,18の出力が矩形波(デジタル信号)である場合、図16に示すように、信号発振部17,18の出力と変調信号選択部19の入力との間にそれぞれDSP21,21を介設しても、実施形態3と同様の効果を得ることができる。
また、信号発振部17,18の出力が正弦波(アナログ信号)であっても、図17に示すように、信号発振部17,18の後段に、正弦波信号を矩形波信号に整形するデジタル波形変換部22,22をそれぞれ設けることにより、デジタル波形変換部22,22の出力と変調信号選択部19の入力との間にそれぞれDSP21,21を介設することができる。
(実施形態4)
図18は本発明による実施形態4のLED照明装置の構成図、図19は同LED照明装置の動作波形図である。
本実施形態4のLED照明装置1は、実施形態2との相違点として、図18に示すように、スイッチ素子13の制御端子に入力される各信号のデューティ比を所望のデューティ比に変化させるDSP21をさらに備えることを特徴とする。
図18の例では、DSP21は、変調信号選択部19とスイッチ素子13のゲートとの間に介設され、図19に示すように、信号発振部17,18からの50%のデューティ比の信号(図19の「DSP前段信号」)を、周波数を変えずに所望のデューティ比の信号(同図の「DSP後段信号」)に変換するようになっている。なお、図19の例では、DSP21により、90%のオン・デューティ比の信号に変換されている。
上記構成の本実施形態4によれば、スイッチ素子13に入力される各信号のデューティ比をDSP21で所望のデューティ比に増大させることにより、光源の光出力を増大させることができる一方、DSP21で所望のデューティ比に減少させることにより、光源の光出力を減少(消灯含む)させることができる。これにより、演出性・利便性の向上が期待できる。
なお、実施形態4の変形例として、信号発振部17,18の出力が矩形波である場合、図20に示すように、信号発振部17,18の出力と変調信号選択部19の入力との間にそれぞれDSP21,21を介設しても、実施形態4と同様の効果を得ることができる。
また、信号発振部17,18の出力が正弦波であっても、図21に示すように、信号発振部17,18の後段に、デジタル波形変換部22,22をそれぞれ設けることにより、デジタル波形変換部22,22の出力と変調信号選択部19の入力との間にそれぞれDSP21,21を介設することができる。
(実施形態5)
図22は本発明による実施形態5のLED照明装置の構成図、図23は同LED照明装置の動作波形図である。
本実施形態5のLED照明装置1は、実施形態1との相違点として、図22に示すように、例えばデューティ比の任意設定が可能となる予め定められた周波数のPWM(Pulse Width Modulation)の調光制御信号を出力する調光制御部23と、調光制御信号が光源の点灯しきいレベル以上に相当する場合には、変調信号選択部19からスイッチ素子13への信号の出力を許容する一方、調光制御信号が光源の点灯しきいレベル未満に相当する場合には、変調信号選択部19からスイッチ素子13への信号の出力を禁止する出力制御部24とをさらに備えることを特徴とする。なお、出力制御部24は、変調信号選択部19に含まれる構成でもよいことは言うまでもない。
図22の例では、出力制御部24は、変調信号選択部19および調光制御部23の両出力を両入力端子に入力するAND回路により構成されている。これにより、図23に示すように、調光制御信号(図23の「調光制御部出力信号」)が光源の点灯しきいレベル以上に相当する場合(同図のHighとなる「送信可能区間」)には、変調信号選択部19からスイッチ素子13への信号の出力が許容される。一方、調光制御信号が光源の点灯しきいレベル未満に相当する場合(同図のLowとなる「送信禁止区間」)には、変調信号選択部19からスイッチ素子13への信号の出力が禁止される。
また、送信信号入力部16は、図23に示すように、タイマ14からのタイムアップ信号(図23の「タイマカウントアップ信号」)に応じて、タイムアップ信号が出力された時点(t1,t3)直後の調光制御部23の調光制御信号による送信可能区間の開始時点(t2,t4)から、その送信可能区間内で送信信号を送信するようになっている。
上記構成のLED照明装置1では、タイマ14からタイムアップ信号が出力されると、通信時の動作モードに移行し、送信信号入力部16により、記憶部15に記憶されている送信情報が読み出されて、調光制御部23の調光制御信号の立ち上がり時点から送信信号が出力される。そして、変調信号選択部19により、送信信号入力部16からの送信信号に応じて、信号発振部17,18からそれぞれ出力される信号のうち一方の信号と他方の信号とが切替出力され、出力制御部24を経由して、スイッチ素子13に出力される。これにより、スイッチ素子13が、変調信号選択部19からの信号に応じて、上記光源に対する直流電力の供給制御をしてその光源を駆動する。
続いて、送信可能区間で送信信号の送信を完了した後、調光制御部23の調光制御信号がLowの信号になると、出力制御部24により、変調信号選択部19からスイッチ素子13への信号の出力が禁止される。
以上、本実施形態5によれば、調光制御部23からの調光制御信号で光源が点灯できる期間に、送信信号を送信することができる。また、光源の光出力を任意に変化させることが可能となり、演出性・利便性の向上が期待できる。
なお、実施形態5の変形例として、一つの送信可能区間内で1回のタイムアップ信号に応じた送信信号の送信が完了しない場合には、タイムアップ信号が出力された後の調光制御部23の調光制御信号の立ち上がり時点から送信信号を、調光制御部23の調光制御信号がLowの信号になる間送信を中断しながら送信するようにすればよい。
(実施形態6)
図24は本発明による実施形態6のLED照明装置の構成図、図25は同LED照明装置の動作波形図である。
本実施形態6のLED照明装置1は、実施形態2との相違点として、図24に示すように、例えばデューティ比の任意設定が可能となる予め定められた周波数のPWMの調光制御信号を出力する調光制御部23と、調光制御信号が光源の点灯しきいレベル以上に相当する場合には、変調信号選択部19からスイッチ素子13への信号の出力を許容する一方、調光制御信号が光源の点灯しきいレベル未満に相当する場合には、変調信号選択部19からスイッチ素子13への信号の出力を禁止する出力制御部24とをさらに備えることを特徴とする。
図24の例では、出力制御部24は、変調信号選択部19および調光制御部23の両出力を両入力端子に入力するAND回路により構成されている。これにより、図25に示すように、調光制御信号(図25の「調光制御部出力信号」)が光源の点灯しきいレベル以上に相当する場合(同図のHighとなる「送信可能区間」)には、変調信号選択部19からスイッチ素子13への信号の出力が許容される。一方、調光制御信号が光源の点灯しきいレベル未満に相当する場合(同図のLowとなる「送信禁止区間」)には、変調信号選択部19からスイッチ素子13への信号の出力が禁止される。
また、送信信号入力部16は、図25に示すように、タイマ14からのタイムアップ信号(図25の「タイマカウントアップ信号」)に応じて、タイムアップ信号が出力された時点(t1,t3)直後の調光制御信号による送信可能区間の開始時点(t2)、またはこの開始時点が電源監視部20の出力信号による送信禁止区間内にある場合には電源監視部20の出力信号による次の送信可能区間の開始時点(t4)から、送信信号を送信するようになっている。
上記構成のLED照明装置1では、タイマ14からタイムアップ信号が出力されると、通信時の動作モードに移行し、送信信号入力部16により、記憶部15に記憶されている送信情報が読み出されて、調光制御信号による送信可能区間の開始時点またはそれ以降の電源監視部20の出力信号による送信可能区間の開始時点から送信信号が出力される。そして、変調信号選択部19により、送信信号入力部16からの送信信号に応じて、信号発振部17,18からそれぞれ出力される信号のうち一方の信号と他方の信号とが切替出力され、出力制御部24を経由して、スイッチ素子13に出力される。これにより、スイッチ素子13が、変調信号選択部19からの信号に応じて、上記光源に対する直流電力の供給制御をしてその光源を駆動する。
続いて、送信信号の送信を完了した後、調光制御部23の調光制御信号がLowの信号になると、出力制御部24により、変調信号選択部19からスイッチ素子13への信号の出力が禁止される。
以上、本実施形態6によれば、調光制御部23からの調光制御信号で光源が点灯できる期間に、送信信号を送信することができる。また、光源の光出力を任意に変化させることが可能となり、演出性・利便性の向上が期待できる。
なお、実施形態6の変形例として、一つの送信可能区間内で1回のタイムアップ信号に応じた送信信号の送信が完了しない場合には、送信信号を、電源監視部20の出力信号および調光制御部23の調光制御信号による両送信禁止区間の間送信を中断しながら送信するようにすればよい。
(実施形態7)
図26は本発明による実施形態7のLED照明装置の構成図、図27は同LED照明装置の動作波形図である。
本実施形態7のLED照明装置1は、実施形態5との相違点として、図26に示すように、スイッチ素子13の制御端子に入力される各信号のデューティ比を所望のデューティ比に変化させるDSP21をさらに備えることを特徴とする。
図26の例では、DSP21は、出力制御部24の出力とスイッチ素子13のゲートとの間に介設され、図27に示すように、信号発振部17,18からの50%のデューティ比の信号を、周波数を変えずに所望のデューティ比の信号に変換するようになっている。なお、図27(b)の例では、DSP21により、90%のオン・デューティ比の信号に変換されている。
上記構成の本実施形態7によれば、スイッチ素子13に入力される各信号のデューティ比をDSP21で所望のデューティ比に増大させることにより、光源の光出力を増大させることができる一方、DSP21で所望のデューティ比に減少させることにより、光源の光出力を減少(消灯含む)させることができる。よって、実施形態5と比較してより高い光出力が可能となる。
(実施形態8)
図28は本発明による実施形態8のLED照明装置の構成図、図29は同LED照明装置の動作波形図である。
本実施形態8のLED照明装置1は、実施形態6との相違点として、図28に示すように、スイッチ素子13の制御端子に入力される各信号のデューティ比を所望のデューティ比に変化させるDSP21をさらに備えることを特徴とする。
図28の例では、DSP21は、出力制御部24の出力とスイッチ素子13のゲートとの間に介設され、図29に示すように、信号発振部17,18からの50%のデューティ比の信号を、周波数を変えずに所望のデューティ比の信号に変換するようになっている。なお、図29(b)の例では、DSP21により、90%のオン・デューティ比の信号に変換されている。
上記構成の本実施形態8によれば、スイッチ素子13に入力される各信号のデューティ比をDSP21で所望のデューティ比に増大させることにより、光源の光出力を増大させることができる一方、DSP21で所望のデューティ比に減少させることにより、光源の光出力を減少(消灯含む)させることができる。よって、実施形態6と比較してより高い光出力が可能となる。
(実施形態9)
図30は本発明による実施形態9のLED照明装置の構成図、図31は同LED照明装置の動作波形図である。
本実施形態9のLED照明装置1は、実施形態3との相違点として、図30に示すように、タイマ14に代えて、例えば赤外線や近赤外線を利用して所定の検知範囲内で人を検知したときに所定パルス幅の人検知信号(図31参照)を出力する人検知センサ25を備え、本実施形態9の特徴として、DSP21が、人検知センサ25からの人検知信号に応じて、スイッチ素子13の制御端子に入力される各信号のデューティ比を予め定められた点灯レベルのデューティ比(例えば50%)に設定する構成となっている。
ここで、送信信号入力部16は、人検知センサ25がタイマ14に代えて設けられるので、人検知センサ25から人検知信号が出力される毎に、記憶部15に記憶されている送信情報を読み出して入力し、その送信情報に対応する送信信号を出力することになる。図31の例では、人検知信号の立ち上がり時点毎に1回、記憶部15に記憶されている送信情報を読み出して入力し、その送信情報に対応する送信信号を出力するように構成されている。また、1回の人検知信号に応じた送信信号が出力されている間に発生した人検知信号は無効とされる構成になっている。
また、図31の例では、DSP21は、少なくとも人検知センサ25からの人検知信号に応じて送信信号が出力されている通信時の間、スイッチ素子13の制御端子に入力される各信号のデューティ比を予め定められた点灯レベルのデューティ比に設定している。そして、DSP21は、上記人検知信号に応じた送信信号の送信完了時点で、その送信信号の送信直前のオン・デューティ比(図31の例では0%)に戻している。
上記構成の本実施形態9によれば、通信時にはスイッチ素子13に入力される各信号のデューティ比が予め定められた点灯レベルのデューティ比になるので、通信開始直前の光源の照明状態がどのような状態であっても、通信が可能となる。
また、DSP21が、人検知センサ25からの人検知信号に応じて、スイッチ素子13の制御端子に入力される各信号のデューティ比を、通信に必要な最小時間、通信可能な最小の点灯レベルのデューティ比に設定するようにすれば、通信開始直前の光源の照明状態が消灯状態であっても、通信による光源の変化を抑制することができる。
なお、実施形態9では、タイマ14に代えて人検知センサ25が設けられる構成になっているが、本発明のトリガ手段は、人検知センサ25に限らず、タイマ14でも、また図8に示したリモコン受光部14Aでも、あるいはスケジューラや、図32に示す外部信号入力部26などでもよい。要するに、本発明のトリガ手段は、通信の開始タイミングを決める所定のトリガ信号を出力するものであればよい。また、図32の例に示すように、記憶部15は必ずしも必要ではなく、外部信号入力部26が外部から上記トリガ信号を兼ねる送信信号を入力し、その送信信号を送信信号入力部16に出力する構成でもよい。これらいずれも場合でも、実施形態9と同様の効果を奏することができる。
(実施形態10)
図33は本発明による実施形態10のLED照明装置の構成図、図34は同LED照明装置の動作波形図である。
本実施形態10のLED照明装置1は、実施形態4との相違点として、図33に示すように、タイマ14に代えて実施形態9と同様の人検知センサ25を備え、DSP21が、人検知センサ25からの人検知信号に応じて、スイッチ素子13の制御端子に入力される各信号のデューティ比を予め定められた点灯レベルのデューティ比(例えば50%)に設定することを特徴とする。
ここで、送信信号入力部16は、人検知センサ25がタイマ14に代えて設けられるので、人検知センサ25から人検知信号が出力される毎に、記憶部15に記憶されている送信情報を読み出して入力し、その送信情報に対応する送信信号を出力することになる。図34の例では、人検知センサ25からの人検知信号に応じて、人検知信号の立ち上がり時点、またはこの時点が電源監視部20の出力信号による送信禁止区間内にある場合には次の送信可能区間の開始時点で1回、記憶部15に記憶されている送信情報を読み出して入力し、その送信情報に対応する送信信号を出力するように構成されている。また、1回の人検知信号に応じた送信信号が出力されている間に発生した人検知信号は無効とされる構成になっている。
また、図34の例では、DSP21は、少なくとも人検知センサ25からの人検知信号に応じて送信信号が出力されている通信時の間、スイッチ素子13の制御端子に入力される各信号のデューティ比を予め定められた点灯レベルのデューティ比に設定している。そして、DSP21は、上記人検知信号に応じた送信信号の送信完了時点で、その送信信号の送信直前のオン・デューティ比(図34の例では0%)に戻している。
上記構成の本実施形態10によれば、通信時にはスイッチ素子13に入力される各信号のデューティ比が予め定められた点灯レベルのデューティ比になるので、通信開始直前の光源の照明状態がどのような状態であっても、通信が可能となる。
また、DSP21が、人検知センサ25からの人検知信号に応じて、スイッチ素子13の制御端子に入力される各信号のデューティ比を、通信に必要な最小時間、通信可能な最小の点灯レベルのデューティ比に設定するようにすれば、通信開始直前の光源の照明状態が消灯状態であっても、通信による光源の変化を抑制することができる。
なお、実施形態10の変形例として、人検知センサ25に限らず、タイマ14、リモコン受光部14A、スケジューラまたは外部信号入力部26などを設ける構成でもよい。また、記憶部15は必ずしも必要ではなく、例えば、外部信号入力部26が外部からトリガ信号を兼ねる送信信号を入力し、その送信信号を送信信号入力部16に出力する構成でもよい。
(実施形態11)
図35は本発明による実施形態11のLED照明装置の構成図、図36は同LED照明装置の動作波形図である。
本実施形態11のLED照明装置1は、実施形態5との相違点として、図35に示すように、タイマ14に代えて実施形態9と同様の人検知センサ25を備え、調光制御部23が、人検知センサ25からの人検知信号に応じて、調光制御信号を点灯レベルの調光制御信号に設定することを特徴とする。
ここで、送信信号入力部16は、人検知センサ25がタイマ14に代えて設けられるので、人検知センサ25から人検知信号が出力される毎に、記憶部15に記憶されている送信情報を読み出して入力し、その送信情報に対応する送信信号を出力することになる。図36の例では、人検知センサ25からの人検知信号に応じて、人検知信号の立ち上がり時点(照明制御信号も立ち上がり時点となる)で1回、記憶部15に記憶されている送信情報を読み出して入力し、その送信情報に対応する送信信号を出力するように構成されている。また、人検知信号に応じた送信信号は、調光制御部23の調光制御信号による互いに隣り合う2つの送信可能区間に分割されて送信され、当該送信信号が出力されている間に発生した人検知信号は無効とされる構成になっている。
また、図36の例では、調光制御部23は、人検知センサ25からの人検知信号に応じて、調光制御信号(図36の「調光制御部出力波形」)を、所定のオン・デューティ比の点灯レベルの調光制御信号に設定している。そして、調光制御部23は、人検知センサ25からの人検知信号に応じた上記送信信号の送信完了時点で、その送信信号の送信直前のオン・デューティ比(図36の例では0%)の調光制御信号に戻している。
上記構成の本実施形態11によれば、通信時には調光制御部23が調光制御信号を点灯レベルの調光制御信号に設定するので、通信開始直前の光源の照明状態がどのような状態であっても、通信が可能となる。
また、調光制御部23が、人検知センサ25からの人検知信号に応じて、通信に必要な最小時間、調光制御信号を点灯レベルの調光制御信号にすることにより、通信開始直前の光源の照明状態が消灯状態であっても、通信による光源の変化を抑制することができる。
なお、実施形態11の変形例として、人検知センサ25に限らず、タイマ14、リモコン受光部14A、スケジューラまたは外部信号入力部26などを設ける構成でもよい。また、記憶部15は必ずしも必要ではなく、例えば、外部信号入力部26が外部からトリガ信号を兼ねる送信信号を入力し、その送信信号を送信信号入力部16に出力する構成でもよい。
(実施形態12)
図37は本発明による実施形態12のLED照明装置の構成図、図38は同LED照明装置の動作波形図である。
本実施形態12のLED照明装置1は、実施形態6との相違点として、図37に示すように、タイマ14に代えて実施形態9と同様の人検知センサ25を備え、調光制御部23が、人検知センサ25からの人検知信号に応じて、調光制御信号を点灯レベルの調光制御信号に設定することを特徴とする。
ここで、送信信号入力部16は、人検知センサ25がタイマ14に代えて設けられるので、人検知センサ25から人検知信号が出力される毎に、記憶部15に記憶されている送信情報を読み出して入力し、その送信情報に対応する送信信号を出力することになる。図38の例では、人検知センサ25からの人検知信号に応じて、この人検知信号の立ち上がり時点またはこの時点が電源監視部20の出力信号による送信禁止区間内にある場合には次の送信可能区間の開始時点で1回、記憶部15に記憶されている送信情報を読み出して入力し、その送信情報に対応する送信信号を出力するように構成されている。また、人検知信号に応じた送信信号は、調光制御部23の調光制御信号による互いに隣り合う2つの送信可能区間に分割されて送信され、当該送信信号が出力されている間に発生した人検知信号は無効とされる構成になっている。
また、図38の例では、調光制御部23は、人検知センサ25からの人検知信号に応じて、この人検知信号の立ち上がり時点またはこの時点が電源監視部20の出力信号による送信禁止区間内にある場合には次の送信可能区間の開始時点で、調光制御信号を、所定のオン・デューティ比の点灯レベルの調光制御信号に設定している。そして、調光制御部23は、人検知センサ25からの人検知信号に応じた送信信号の送信完了時点で、その送信信号の送信直前のオン・デューティ比(図38の例では0%)の調光制御信号に戻している。
上記構成の本実施形態12によれば、通信時には調光制御部23が調光制御信号を点灯レベルの調光制御信号に設定するので、通信開始直前の光源の照明状態がどのような状態であっても、通信が可能となる。
また、調光制御部23が、人検知センサ25からの人検知信号に応じて、通信に必要な最小時間、調光制御信号を点灯レベルの調光制御信号にすることにより、通信開始直前の光源の照明状態が消灯状態であっても、通信による光源の変化を抑制することができる。
なお、実施形態12の変形例として、人検知センサ25に限らず、タイマ14、リモコン受光部14A、スケジューラまたは外部信号入力部26などを設ける構成でもよい。また、記憶部15は必ずしも必要ではなく、例えば、外部信号入力部26が外部からトリガ信号を兼ねる送信信号を入力し、その送信信号を送信信号入力部16に出力する構成でもよい。