JP4715037B2 - プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法 - Google Patents
プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4715037B2 JP4715037B2 JP2001166587A JP2001166587A JP4715037B2 JP 4715037 B2 JP4715037 B2 JP 4715037B2 JP 2001166587 A JP2001166587 A JP 2001166587A JP 2001166587 A JP2001166587 A JP 2001166587A JP 4715037 B2 JP4715037 B2 JP 4715037B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- plasma display
- display panel
- luminance
- dielectric layer
- time
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はプラズマディスプレイパネル、特に対向3電極面放電型ACプラズマディスプレイパネルおよびその製造方法に関わり、動作特性の安定化および経時変化の改善を図るため、特に誘電体層および保護層に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プラズマディスプレイパネルは、ガス放電によって発生した紫外線によって蛍光体を励起発光させ、画像表示するディスプレイである。その放電の形成手法から交流(AC)型と直流(DC)型に分類することが出来る。AC型の特徴は、輝度、発光効率、寿命の点でDC型より優れている点である。さらに、AC型の中でも反射型面放電タイプは輝度、発光効率の点で特に際だっているため、このタイプが最も一般的である。
【0003】
図4に従来の一例として、反射型AC面放電プラズマディスプレイパネルの画素の一部の断面図を示す。以下に、この構造及び動作について説明する。透明絶縁性基板(最も一般的にはガラス板が使用される)401上に透明電極(ITOやSnO2が使用される)402が複数本形成されている。ただし、この透明電極402ではシート抵抗が高く、大型パネルにおいては全画素に十分な電力を供給することが出来ないため、透明電極402上に銀の厚膜やアルミニウム薄膜やクロム/銅/クロム(Cr/Cu/Cr)の積層薄膜によるバス電極403が形成されている。このバス電極403によって、見かけ上透明電極402のシート抵抗が下がる。これらの電極上に透明な誘電体層(低融点ガラスが使用される)404および酸化マグネシウム(MgO)からなる保護層405が形成されている。誘電体層404は、AC型プラズマディスプレイ特有の電流制限機能を有しており、DC型に比べて長寿命にできる要因となっている。
【0004】
この前面側基板401に対して、もう一方の後面側基板の透明絶縁性基板406上には画像データを書き込むデータ電極407、下地誘電体層408、隔壁409および蛍光体層410が形成されている。ここで、データ電極407および隔壁409は、透明電極402と互いに直交するよう配置されており、また2本の隔壁409で囲まれた空間でもって放電セル411を形成しており、放電セル411内には放電ガスとしてネオン(Ne)とキセノン(Xe)の混合ガスがおよそ66.7kPa(500Torr)の圧力で充填されている。さらに隔壁409は、隣接する放電セル間を仕切り、誤放電や光学的クロストークを防ぐ役割をしている。
【0005】
この透明電極402間に、数十kHz〜数百kHzのAC電圧を印加して放電セル411内に放電を発生させ、励起されたXe原子からの紫外線によって蛍光体層410を励起し可視光を発生させて表示動作を行う。
【0006】
このようなプラズマディスプレイパネルにおいて、XeとNeからなる放電ガスにArを添加して発光効率を向上させるものが提案されている(特開2000−156164号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
プラズマディスプレイパネルの抱える問題の1つである経時的な輝度劣化がある。この原因は、蛍光体のプラズマダメージによる劣化、およびMgO保護層のスパッタによる二次電子放出係数の低下、および放電ガスに混入した不純ガスによる保護層および蛍光体表面の汚染などである。
【0008】
上記の従来例では、放電ガスにArを添加することにより、ペニング効果によって放電開始電圧を低減することができる、あるいは同じ放電電圧であればより高輝度にできる。しかし、従来例では動作初期の輝度は高くできるが、上記のような原因による経時的な輝度の減少を防ぐことはできない。
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、(1)放電空間に徐々にペニング効果のあるガスを供給して、経時的な輝度劣化のないプラズマディスプレイを提供すること、(2)放電空間に混入した不純ガスを不活性化して経時的な輝度劣化のないプラズマディスプレイを提供すること、および、(3)上記のプラズマディスプレイを製造する製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達するため、請求項1の発明のプラズマディスプレイパネルは、放電空間を介して対向する一対の基板の内、少なくとも一方の基板上に導電性電極とそれを覆う酸化ビスマスまたは酸化燐を含有するガラスからなる誘電体層と、金属酸化物からなる保護層を順次積層した構造を有し、前記誘電体層の前記保護層側にAr原子密度の高い領域が存在することを特徴とするものであり、ペニング効果のある不純物原子が経時的に徐々に放電空間内に供給されるため輝度劣化の無いプラズマディスプレイパネルを提供できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のいくつかの実施形態を添付の図面を参照して説明する。
【0031】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施形態に係わるプラズマディスプレイパネル100の断面斜視図である。このプラズマディスプレイパネル100は、表示面側ガラス基板101上ITOまたは酸化スズ(SnO2)などの透明導電性材料からなる表示電極102および銀(Ag)厚膜(厚み:2μm〜10μm)、アルミニウム(Al)薄膜(厚み:0.1μm〜1μm)またはCr/Cu/Cr積層薄膜(厚み:0.1μm〜1μm)で構成したバス電極103を順次積層し、さらに酸化鉛(PbO)または酸化ビスマス(Bi2O3)または酸化燐(PO4)を主成分とする低融点ガラス(厚み20μm〜50μm)からなる誘電体層104をスクリーン印刷によって形成されている。続いて、ガラス基板101を市販のイオン注入装置に配置する。アルゴン(Ar)イオンをドーズ量と加速電圧を−0.1kV〜−400kVの範囲で同時に操作して誘電体層104表面に注入する。Arイオンは誘電体層104の表面近傍に注入され、注入される深さの範囲は1nm〜2000nm(ナノ・メートル)である。ここで、2次イオン質量分析(SIMS)によって誘電体層104に注入したAr量を定量したところ、誘電体表面から深さ方向でのAr原子の分布の様子は、図2(a)に示すような形であることが判明した。また、Ar原子密度の最大値の値は2×1020個/cm3以上2×1021個/cm3以下の範囲であった。次に、誘電体層104をプラズマによる損傷から保護するMgOからなる保護層105(厚み:100nm〜1000nm)が電子ビーム蒸着法により形成されている。以上のようにして表示面側の基板を構成した。
【0032】
一方、背面側のガラス基板106上には銀(Ag)厚膜(厚み:2μm〜10μm)、アルミニウム(Al)薄膜(厚み:0.1μm〜1μm)またはCr/Cu/Cr積層薄膜(厚み:0.1μm〜1μm)からなるアドレス電極107、隔壁108、カラー表示のための3色(赤:R、緑:G、青:B)の蛍光体層109R、109G、109Bが順次積層して設けられている。隔壁108によって放電空間110がライン方向にサブピクセルSU毎に区画され、かつ放電空間110の間隙寸法が所定の一定値をとるようになっている。ここで1つの画素(ピクセル)は、ライン方向に並んでR,G,Bの各色で発光する3つのサブピクセルSUで構成されている。また、図3に示すように、アドレス電極107上に酸化鉛(PbO)または酸化ビスマス(Bi2O3)または酸化燐(PO4)を主成分とする低融点ガラス(厚み5μm〜20μm)からなる下地誘電体層301を形成してもよい。下地誘電体層301は、蛍光体層109R,G,Bの密着性を改善するものであり、無いとプラズマディスプレイパネルが動作しないというものではない。
【0033】
上記のようにして得られた表示面側ガラス基板101と背面側ガラス基板106を、表示電極102とアドレス電極107とが互いに直交するように隔壁108を介して対向させ、周囲を気密封止し、放電空間110内にNeとXeの混合ガスからなる放電ガスが所定の圧力および混合比で充填し、プラズマディスプレイパネル(1)100を作製した。
【0034】
比較のために、上記のプラズマディスプレイパネル(1)100において誘電体層100にArイオンを注入せず、他の構成要素はパネル(1)100と全く同様にして比較用プラズマディスプレイパネル(A)を作製した。
【0035】
パネル(1)および(A)について、連続動作させて発光輝度の経時変化を調べた。その結果、5000時間経過後でのパネル(1)の輝度は、動作初期の値に比べて90%に減少したのに対して、パネル(A)は60%にまで減少した。
【0036】
図2(a)において、プラズマドーピング時にドーピング量を制御し、Ar原子密度の最大値の値を1×1018個/cm3以上8×1021個/cm3以下の範囲で変化させたプラズマディスプレイパネル100を作製したが、上記と同様な効果を得た。Ar原子密度の最大値の値を1×1018個/cm3より小さくすると、5000時間経過後での輝度は、初期の70%以下に低下した。また、Ar原子密度の最大値の値が1×1018個/cm3以上2×1020個/cm3以下の範囲では、Ar原子密度を増加するにつれて輝度低下率は減少するが、2×1021個/cm3以上にすると、Arイオンを注入した誘電体層104の領域に気泡のような空洞部が発生し、5000時間経過後での輝度は、逆に初期の70%以下に低下してしまった。
【0037】
イオン注入時のドーズ量および加速電圧を制御して、図2(b)〜(f)に示すようなAr原子密度分布を示すプラズマディスプレイパネル100を作製したが、何れの場合も上記と同様な結果を得た。この時、Ar原子密度分布のピーク値は1×1018個/cm3以上2×1021個/cm3以下の範囲であった。
【0038】
このように、誘電体層104に上記のような不純物イオン、例えばArイオンを注入することにより、プラズマディスプレイパネル100の経時的な輝度低下率が減少した理由としては、以下のように考えている。誘電体層104中に注入されたAr原子は、拡散により除々に放電空間110に放出されていく。従って、ArがNe−Xe混合ガスからなる放電ガスに混入する事により、ペニング効果によって放電開始電圧が減少する、すなわち効率が上がる。つまり、Arの混入が経時的に増加することにより、蛍光体層109や保護層105の劣化による効率低下を補填し、その結果、プラズマディスプレイパネルの大きな課題であった輝度の低下が抑えられたものと考えられる。
【0039】
誘電体層104に注入される不純物原子は、放電ガスに対してペニング効果を与えるものであれば良く、放電ガスとしてNe−Xeの混合ガスを使用している場合はArの他にHeを使用しても良く、ArとHeを同時に注入してもよい。放電ガスにHe−Xeを使用している場合は、誘電体層104に注入される不純物原子としてはNeが好ましい。
【0040】
また、誘電体層104への不純物原子の注入は、イオン注入機の他に市販のイオンシャワードーピング装置を用いてもよい。
【0041】
(実施の形態2)
本発明の第2の実施形態では、第1の実施形態で作製したプラズマディスプレイパネル100において、誘電体層104形成後イオン注入せず、保護層(MgO)105の形成後、第1の実施の形態と同様にして保護層105に不純物原子としてArイオンをイオン注入したプラズマディスプレイパネル(2)を構成した。尚、MgO層105中の膜厚方向のAr原子密度をSIMSにて評価したところ、図2(a)の分布形状をしていた。但し、Ag原子密度のピーク値における深さは概ね1nm〜200nmで、ピーク値は2×1020個/cm3〜2×1021個/cm3であった。その他の各構成要素は第1の実施形態で説明したものと同様であり、それらの説明はここでは省略する。
【0042】
このパネル(2)を実施の形態1と同様にして発光輝度の経時変化を調べたところ、5000時間経過後では輝度は初期値の80%に低下した。第1の実施の形態で作製した比較パネル(A)に比べて輝度の低下率は小さく、経時変化が小さくなっていることが確認できた。
【0043】
また、Arイオン注入時のドーズ量を制御してピーク値を様々に変化したプラズマディスプレイパネルを作製し、同様にして経時変化を調べたところ、ピーク値が1×1018個/cm3以下では、5000時間経過後の輝度は初期値の62%に低下することが判明した。しかし、ピーク値が1×1018個/cm3を越えると5000時間経過後の輝度は増加し始め、2×1020個/cm3〜2×1021個/cm3の範囲では輝度はほぼ最大となった。ピーク値が2×1020個/cm3を越えると、今度は逆に輝度は急減し、5000時間経過後の輝度は初期値の70%以下となることが判明した。この時のパネルを分解してMgO膜105表面をSEM観察したところ、MgO膜105が深く削れているのが確認できた。つまり、Ar原子をMgO膜105中に含ませることにより、時間経過とともに放電空間110内にArが放出されてペニング効果によって経時的な輝度低下は減少する。しかし、余りに多く注入するとMgO膜105の構造を破壊し脆くしてしまい、パネルを動作することによってMgO膜105がスパッタされて削られ、MgO膜105の二次電子放出係数が低下し、輝度低下が顕著になったと思われる。
【0044】
以上の結果より、保護層105中に含まれる不純物原子のピーク密度は、好ましくは1×1018個/cm3より大きく、2×1021個/cm3以下、より好ましくは2×1020個/cm3以上2×1021個/cm3以下である。
【0045】
保護層105に注入される不純物原子は、放電ガスに対してペニング効果を与えるものであれば良く、放電ガスとしてNe−Xeの混合ガスを使用している場合はArの他にHeを使用しても良く、ArとHeを同時に注入してもよい。放電ガスにHe−Xeを使用している場合は、保護層105に注入される不純物原子としてはNeが好ましい。
【0046】
(実施の形態3)
実施の形態1で作製したプラズマディスプレイパネル100において、実施の形態1と同条件にて誘電体層104にArイオンを注入した後、MgO保護層105(膜厚:0.5μm)形成し、さらに実施の形態2と同条件にてMgO保護層105(膜厚:0.5μm)にArイオンを注入したプラズマディスプレイパネル(3)を作製した。その他の各構成要素は第1の実施形態で説明したものと同様であり、それらの説明はここでは省略する。
【0047】
このパネル(3)を実施の形態1と同様にして発光輝度の経時変化を調べたところ、5000時間後の輝度は初期値の93%であり、パネル(1)および(2)に比べて優れていた。この原因は、時間経過とともに放電空間110に放出されるAr原子数がパネル(1)および(2)に比べて多かったためと思われる。
【0048】
(実施の形態4)
実施の形態1で作製したプラズマディスプレイパネル100において、誘電体層104にArイオンを注入せずに表示面側の基板を構成し、図3に示すように背面側のガラス基板106上においてアドレス電極107および下地誘電体層301を形成した後、下地誘電体層301にArイオンを第一の実施の形態と同様にして注入したプラズマディスプレイパネル(4)を作製した。尚、下地誘電体層301中の膜厚方向のAr原子密度をSIMSにて評価したところ、図2(a)の分布形状をしていた。但し、Ag原子密度のピーク値における深さは概ね1nm〜2000nmで、ピーク値は2×1020個/cm3以上2×1021個/cm3以下の範囲であった。その他の各構成要素は第1の実施形態で説明したものと同様であり、それらの説明はここでは省略する。
【0049】
このパネル(4)を実施の形態1と同様にして発光輝度の経時変化を調べたところ、5000時間後の輝度は初期値の85%であり、何も注入しなかった比較パネル(A)に比べて優れていることが判明した。
【0050】
また、この時の背面側基板と第1の実施形態で作製した誘電体層104にArを注入した表示面側基板を用いてプラズマディスプレイパネルを構成し、発光輝度の経時変化を調べたところ、5000時間後の輝度は初期値の93%であった。
【0051】
また、この時の背面側基板と第2の実施形態で作製した保護層105にArを注入した表示面側基板を用いてプラズマディスプレイパネルを構成し、発光輝度の経時変化を調べたところ、5000時間後の輝度は初期値の88%であった。
【0052】
また、この時の背面側基板と第3の実施形態で作製した保護層105にArを注入した表示面側基板を用いてプラズマディスプレイパネルを構成し、発光輝度の経時変化を調べたところ、5000時間後の輝度は初期値の95%であった。
【0053】
下地誘電体層301に注入される不純物原子は、放電ガスに対してペニング効果を与えるものであれば良く、放電ガスとしてNe−Xeの混合ガスを使用している場合はArの他にHeを使用しても良く、ArとHeを同時に注入してもよい。放電ガスにHe−Xeを使用している場合は、下地誘電体層301に注入される不純物原子としてはNeが好ましい。
【0054】
(実施の形態5)
実施の形態1で作製したプラズマディスプレイパネル100において、誘電体層104にArイオンを注入せずに表示面側の基板を構成し、図1に示すように背面側のガラス基板106上において隔壁108を形成した後、隔壁108にArイオンを第一の実施の形態と同様にして注入したプラズマディスプレイパネル(5)を作製した。尚、隔壁108中の膜厚方向のAr原子密度をSIMSにて評価したところ、図2(a)の分布形状をしていた。但し、Ag原子密度のピーク値における深さは概ね1nm〜2000nmで、ピーク値は2×1020個/cm3以上2×1021個/cm3以下の範囲であった。その他の各構成要素は第1の実施形態で説明したものと同様であり、それらの説明はここでは省略する。
【0055】
このパネル(5)を実施の形態1と同様にして発光輝度の経時変化を調べたところ、5000時間後の輝度は初期値の90%であり、何も注入しなかった比較パネル(A)に比べて優れていることが判明した。
【0056】
またこの時の背面側基板と第1の実施形態で作製した誘電体層104にArを注入した表示面側基板を用いてプラズマディスプレイパネルを構成し、発光輝度の経時変化を調べたところ、5000時間後の輝度は初期値の95%であった。
【0057】
また、この時の背面側基板と第2の実施形態で作製した保護層105にArを注入した表示面側基板を用いてプラズマディスプレイパネルを構成し、発光輝度の経時変化を調べたところ、5000時間後の輝度は初期値の92%であった。
【0058】
また、この時の背面側基板と第3の実施形態で作製した保護層105にArを注入した表示面側基板を用いてプラズマディスプレイパネルを構成し、発光輝度の経時変化を調べたところ、5000時間後の輝度は初期値の97%であった。
【0059】
隔壁108に注入される不純物原子は、放電ガスに対してペニング効果を与えるものであれば良く、放電ガスとしてNe−Xeの混合ガスを使用している場合はArの他にHeを使用しても良く、ArとHeを同時に注入してもよい。放電ガスにHe−Xeを使用している場合は、隔壁108に注入される不純物原子としてはNeが好ましい。
【0060】
(実施の形態6)
実施の形態1で作製したプラズマディスプレイパネル100において、誘電体層104にArイオンを注入せずに表示面側の基板を構成し、図に示すように背面側のガラス基板106上において下地誘電体層111および隔壁108にArイオンを第1の実施の形態と同様にして注入したプラズマディスプレイパネル(6)を作製した。その他の各構成要素は第1の実施形態で説明したものと同様であり、それらの説明はここでは省略する。
【0061】
このパネル(6)を実施の形態1と同様にして発光輝度の経時変化を調べたところ、5000時間後の輝度は初期値の93%であり、パネル(4)および(5)に比べて優れていることが判明した。この原因は、時間経過とともに放電空間110に放出されるAr原子数がパネル(4)および(5)に比べて多かったためと思われる。
【0062】
またこの時の背面側基板と第1の実施形態で作製した誘電体層104にArを注入した表示面側基板を用いてプラズマディスプレイパネルを構成し、発光輝度の経時変化を調べたところ、5000時間後の輝度は初期値の97%であった。
【0063】
また、この時の背面側基板と第2の実施形態で作製した保護層105にArを注入した表示面側基板を用いてプラズマディスプレイパネルを構成し、発光輝度の経時変化を調べたところ、5000時間後の輝度は初期値の95%であった。
【0064】
また、この時の背面側基板と第3の実施形態で作製した保護層105にArを注入した表示面側基板を用いてプラズマディスプレイパネルを構成し、発光輝度の経時変化を調べたところ、5000時間後の輝度は初期値の98〜99%であった。
【0065】
(実施の形態7)
実施の形態1で作製したプラズマディスプレイパネル100において、充填した放電ガスに体積比10ppm〜1%の範囲でSiH4を混合したパネル(7)を作製した。その他の各構成要素は第1の実施形態で説明したものと同様であり、それらの説明はここでは省略する。
【0066】
このパネル(7)を実施の形態1と同様にして発光輝度の経時変化を調べたところ、何れも5000時間後の輝度は初期値の95%であり、SiH4を混合しなかったパネル(1)に比べて優れていることが判明した。この原因について以下のように考えている。
【0067】
時間経過とともに保護層105や蛍光体層109R,G,B表面に吸着しているH2OやCO2、誘電体層104や下地誘電体層301や隔壁108中に含まれる炭化水素ガスが徐々に放電空間110に放出され、これらの不純ガスが放電ガスに混入することによってパネルの輝度は劣化する。しかし、放電空間110のプラズマにおいて、これらのガスと反応し、より結合エネルギの大きいガス化しない固体物に変える働きを有するガスを混合させることにより、不純ガス分子が放電空間110内に浮遊することを抑制し、パネルの輝度劣化を防ぐことができる。H2O、CO2、炭化水素のような不純ガスを構成する原子(酸素原子、炭素原子)と強い結合エネルギで結合する原子はSiやGeである(Si−C結合、Si−O結合、Ge−C結合、Ge−O結合を形成する)。従って、SiH4を混合したパネル(7)が、混合しなかったパネル(1)より輝度劣化が少なかった原因は、放電空間110内でSiH4および不純ガス分子が解離し、Si−O結合やSi−C結合を形成して蛍光体層109R,G,Bや保護層105表面に固着したためと思われる。
【0068】
放電ガスに混入させるガスとしては、SiH4の他に、Si2H6、Si3H8,SiF4、SiH2F2、SiH3F、SiHF3、SiCl4、SiHCl3、SiH2Cl2、SiH3Cl、GeH4、Ge2H6、GeF4、Ge2F6、GeH3F、GeH2F2、GeHF3などを使用してもよい。
【0069】
第1〜第7の実施形態において、各部に注入される不純物原子はAr一種類だけでなく、種類の異なる原子を混合してもよい。また、誘電体層104や保護層105、下地誘電体層301や隔壁108それぞれにおいて含まれる不純物原子の種類が異なっていてもよいし、混合比を変えて種類の異なる原子を含ませてもよい。
【0070】
以上から分かるように、本発明のプラズマディスプレイパネルは輝度の経時変化が無く、動作が高安定である。
【0071】
【発明の効果】
本発明によれば、輝度の経時変化が無く、安定性に優れ長寿命のプラズマディスプレイパネルを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のある実施形態におけるプラズマディスプレイパネルの構成を模式的に示す断面斜視図
【図2】本発明のある実施形態において使用した誘電体層または保護層または下地誘電体層または隔壁中の不純物原子密度の分布の様子を示す図
【図3】本発明の別の実施形態におけるプラズマディスプレイパネルの構成を模式的に示す断面斜視図
【図4】従来のプラズマディスプレイパネルの構成を模式的に示した断面図
【符号の説明】
100 プラズマディスプレイパネル
101 表示面側ガラス基板
102 表示電極
103 バス電極
104 誘電体層
105 保護層
106 背面側ガラス基板
107 アドレス電極
108 隔壁
109R 蛍光体層(赤)
109G 蛍光体層(緑)
109B 蛍光体層(青)
110 放電空間
301 下地誘電体層
Claims (1)
- 放電空間を介して対向する一対の基板の内、少なくとも一方の基板上に導電性電極とそれを覆う酸化ビスマスまたは酸化燐を含有するガラスからなる誘電体層と、金属酸化物からなる保護層を順次積層した構造を有し、前記誘電体層の前記保護層側にAr原子密度の高い領域が存在することを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001166587A JP4715037B2 (ja) | 2001-06-01 | 2001-06-01 | プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001166587A JP4715037B2 (ja) | 2001-06-01 | 2001-06-01 | プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法 |
Publications (3)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002358898A JP2002358898A (ja) | 2002-12-13 |
| JP2002358898A5 JP2002358898A5 (ja) | 2010-02-04 |
| JP4715037B2 true JP4715037B2 (ja) | 2011-07-06 |
Family
ID=19009105
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001166587A Expired - Fee Related JP4715037B2 (ja) | 2001-06-01 | 2001-06-01 | プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP4715037B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012032690A (ja) | 2010-08-02 | 2012-02-16 | Seiko Epson Corp | 光学物品およびその製造方法 |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP3126976B2 (ja) * | 1990-05-31 | 2001-01-22 | 富士通株式会社 | プラズマディスプレイパネルの製造方法 |
| JPH11354035A (ja) * | 1998-06-05 | 1999-12-24 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | プラズマディスプレイパネル及びその製造方法 |
| JP2000011893A (ja) * | 1998-06-23 | 2000-01-14 | Fujitsu Ltd | ガス放電表示パネルとその製造方法 |
-
2001
- 2001-06-01 JP JP2001166587A patent/JP4715037B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2002358898A (ja) | 2002-12-13 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP4073201B2 (ja) | プラズマディスプレイパネル及びそれを備えた画像表示装置 | |
| KR100724057B1 (ko) | 플라즈마 디스플레이 패널 | |
| US6291943B1 (en) | Gas discharge panel and gas light-emitting device | |
| JP2002373588A (ja) | プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法 | |
| US7061181B2 (en) | Gas discharge panel and its production method | |
| JP3178816B2 (ja) | ガス放電表示装置 | |
| JP4715037B2 (ja) | プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法 | |
| EP1758144A2 (en) | Plasma display panel | |
| JP4100187B2 (ja) | プラズマディスプレイパネル | |
| US20070120486A1 (en) | Plasma display panel | |
| KR100730182B1 (ko) | 표시 장치 | |
| JP4281155B2 (ja) | 表示パネル及び表示装置 | |
| JP2002170494A (ja) | 気体放電表示装置及び放電灯 | |
| JP2009217940A (ja) | プラズマディスプレイ装置 | |
| KR100696506B1 (ko) | 평판 디스플레이 장치 | |
| KR100542223B1 (ko) | 플라즈마 디스플레이 패널 | |
| US20060202621A1 (en) | Plasma display panel (PDP) | |
| JP2005135828A (ja) | プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法 | |
| KR100269358B1 (ko) | 가스방전표시장치 | |
| KR100741080B1 (ko) | 디스플레이 장치의 제조방법 | |
| JP4299922B2 (ja) | 放電式表示パネル及び表示装置 | |
| KR100290838B1 (ko) | 가스방전표시장치 | |
| KR200262582Y1 (ko) | 전광판용 교류구동형 플라즈마 표시소자의 다기능 하판구조 | |
| JP2755005B2 (ja) | プラズマディスプレイパネル | |
| KR20010001936A (ko) | 가스 방전 표시장치 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080513 |
|
| RD01 | Notification of change of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421 Effective date: 20080612 |
|
| RD01 | Notification of change of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421 Effective date: 20091119 |
|
| A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20091210 |
|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100610 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100615 |
|
| A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100727 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20101026 |
|
| A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20101126 |
|
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110301 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110314 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140408 Year of fee payment: 3 |
|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |