JP4714997B2 - 圧着装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品に用いる積層体を圧着成形する圧着装置に係るもので、特にセラミックグリーンシートを複数枚重ねて多層化した積層体を圧着して成形する圧着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来の圧着装置について、図面を参照しながら説明する。
【0003】
図4は従来の圧着装置の正面図である。
【0004】
図4において、1は圧着装置全体を支える筐体で、その中央部分にシリンダー2を有し、かつ端部に一対以上の支柱3を有するものである。この支柱3は複数個の支柱固定ナット4によって筐体1に固定されている。5はラムで、シリンダー2の内部に送られた圧力媒体(図示せず)により上下し、その上面に取り付けられたスライド6に圧力を伝達する加圧手段である。スライド6は軸受けであるブッシュ7によって支柱3を上下に摺動することができる摺動機構である。8はスライド6の上面に取り付けられた下型である。9はボルスターであり、その下面に上型10が取り付けられている。そしてこのボルスター9は、ボルスター固定ナット11によって上型10の下面と下型8の上面とが平行になるように支柱3に固定されているものである。また、ボルスター固定ナット11はスライド6がブッシュ7を介して上下できるガイドシャフトになっている。12は下型8の上面に載置され上型10とで圧着、成形される積層体である。
【0005】
以上のように構成された従来の圧着装置について、以下にその動作を説明する。
【0006】
まず、積層仮圧着工程で作られた複数のセラミックグリーンシートからなる積層体12を下型8の上面に載置する。
【0007】
次に、シリンダー2に圧力媒体が供給されてラム5が押し上げられ、スライド6に取付けられた下型8が上昇する。
【0008】
さらに、積層体12を上型10と下型8との間に挟み込み、所定の圧力で所定時間加圧し圧着するものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように構成された従来の圧着装置は、積層体12を上型10と下型8とで挟んで圧力をかけるとき、下方から大きな荷重を受け、ボルスター9がたわんで中心部が浮き上がり圧力が弱くなる。このため、圧着成形された積層体12は、積層体12の端部が積層体12の中心部より大きな圧力を受けるため、この端部が中心部よりも薄くなるという課題を有していた。
【0010】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、厚みの均一な積層体を成形することができる圧着装置を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有する。
【0012】
本発明の請求項1に記載の発明は、下型を二重構造とし、その間の中心部分にスペーサーを挟み込み、下型の中央部を上方向に湾曲させた状態で積層体を成形するという構成を有しており、これにより、圧力を積層体に均一に加えることができ、積層体の端部が薄くなることはなく厚みを均一にすることができるという作用効果が得られる。
【0013】
本発明の請求項2に記載の発明は、上型を二重構造とし、その間の中心部分にスペーサーを挟み込み、上型の中央部を下方向に湾曲させた状態で積層体を成形するという構成を有しており、これにより、圧力を積層体に均一に加えることができ、積層体の端部が薄くなることはなく厚みを均一にすることができるという作用効果が得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施の形態における圧着装置の正面図である。
【0015】
図1において、1は圧着装置全体を支える筐体で、その中央部分にシリンダー2を有し、かつ端部に一対以上の支柱3を有するものである。この支柱3は複数個の支柱固定ナット4によって筐体1に固定されている。5はラムで、シリンダー2の内部に送られた圧力媒体(図示せず)により上下し、その上面に取り付けられたスライド6に圧力を伝達する加圧手段である。スライド6は軸受けであるブッシュ7によって支柱3を上下に摺動することができる摺動機構である。8は下型ベース13を介してスライド6の上面に取り付けられた下型である。この下型8は、両端から加圧することによって中央部を上方向に湾曲させ、たわみを持たせることができるものである。9はボルスターであり、その下面に上型10が取り付けられている。そして、このボルスター9は、ボルスター固定ナット11によって上型10の下面と下型ベース13の上面とが平行になるように支柱3に固定されているものである。また、ボルスター固定ナット11はスライド6がブッシュ7を介して上下できるガイドシャフトになっている。12は下型8の上面に載置され上型10とで圧着、成形される積層体である。
【0016】
以上のように構成された本発明の一実施の形態の圧着装置について、以下にその動作を説明する。
【0017】
まず、積層仮圧着工程で作られた複数のセラミックグリーンシートからなる積層体12を下型8の上面に載置する。
【0018】
次に、シリンダー2に圧力媒体が供給されてラム5が押し上げられ、スライド6に取付けられた下型ベース13および下型8が上昇する。
【0019】
次に、下型8を両端から加圧することによってこの下型8の中央部を上方向に湾曲させ、たわみを持たせながら、積層体12を上型10と下型8との間に挟み込み、所定の圧力で所定時間加圧して圧着するものである。
【0020】
このようにして積層体12を圧着すると、ボルスター9が上方向に凸状にたわんで中央部の圧力が低下する。一方、下型8を両端から加圧すると、この下型8の中心部が上方向に盛り上がって表面が凸状となるため、ボルスター9のたわみに対してほぼ平行に圧力がかかり、間に挟み込んだ積層体12に加わる圧力が中心部と端部とで一定となり、積層体の厚みが均一に形成されるものである。
【0021】
なお、本発明の一実施の形態では、下型8を上方に湾曲させたが、上型10の中心部を下方向に加圧して、上型10の中央部を下方向に湾曲させて圧力をかけても同様の効果が得られるものである。
【0022】
以下、下型8の中央部を上方に湾曲させる方法、上型10の中央部を下方向に湾曲させる方法について説明する。
【0023】
図2はその圧着装置の正面図、図3は同装置の要部拡大図である。
【0024】
図2において、1は圧着装置全体を支える筐体で、その中央部分にシリンダー2を有し、かつ端部に一対以上の支柱3を有するものである。この支柱3は複数個の支柱固定ナット4によって筐体1に固定されている。5はラムで、シリンダー2の内部に送られた圧力媒体(図示せず)により上下し、その上面に取り付けられたスライド6に圧力を伝達する加圧手段である。スライド6は軸受けであるブッシュ7によって支柱3を上下に摺動することができる摺動機構である。8はスペーサー14を介して下型ベース13の上面に取り付けられた下型である。このとき、下型8と下型ベース13とは、図3に示すように、両端部をピン15で固定されて二重構造になっている。そのため、下型8の中央部は上方向にやや湾曲し、たわんだ状態になっている。そして、この間にスペーサー14を挿入して、下型8に一定のたわみを持たせることができるものである。9はボルスターであり、その下面に上型10が取り付けられている。そして、このボルスター9は、ボルスター固定ナット11によって上型10の下面と下型ベース13の上面とが平行になるように支柱3に固定されているものである。また、ボルスター固定ナット11はスライド6がブッシュ7を介して上下できるガイドシャフトになっている。12は下型8の上面に載置され上型10とで圧着、成形される積層体である。
【0025】
以下にその動作を説明する。
【0026】
まず、積層仮圧着工程で作られた複数のセラミックグリーンシートからなる積層体12を下型8の上面に載置する。このとき下型8の下面、すなわち下型ベース13の上面にスペーサー14が載置されているため、下型8の中央部は上方向にやや湾曲し、たわんだ状態になっている。このようにスペーサー14を挿入することにより、下型8に一定のたわみを持たせることができるものである。
【0027】
次に、シリンダー2に圧力媒体が供給されてラム5が押し上げられ、スライド6に取り付けられた下型ベース13および下型8が上昇する。
【0028】
さらに、積層体12は上型10と下型8とに挟まれ、所定の圧力で所定時間加圧されて圧着されるものである。
【0029】
ここで、複数のセラミックグリーンシートからなる積層体12の圧着成形に使用する上型10、下型8および下型ベース13はそれぞれ焼入れ硬化処理したものを使用し、それぞれ硬度HRC(ロックウェルスケール)50以上であるものが望ましい。また、スペーサー14よりも軟らかい材料を使用すると、圧力を加えた時にスペーサー14が下型8と上型10にめり込み、複数回圧力を加えると、下型8の表面の形状を保つことができない。
【0030】
実際の条件として、複数のセラミックグリーンシートからなる積層体12は、150mm角の厚さ1mm、下型8は260mm角の厚さ30mm、下型ベース13は300mm角の厚さ60mmで、これに120tの荷重を加える場合、スペーサー14として直径110mm、厚さ40μmの円形のものを挟み込み加圧すると、圧着成形された積層体の厚みバラツキは11μm以下であった。このようにして成形した積層体を用いて電子部品を製造すると、積層体の厚みバラツキの影響を受けることなく、電子部品を製造することができるものである。
【0031】
なお、下型8を二重構造とし、その間の中心部分にスペーサー14を挟み込むのは、下型8に限らず、上型10、下型8の両方でもあるいはどちらか一方でもかまわないが、下型8を二重構造とすると、たわみ加減を容易に調整しやすくなるものである。
【0032】
【発明の効果】
以上のように本発明の圧着装置は、下型を二重構造とし、その間の中心部分にスペーサーを挟み込み、下型の中央部を上方向に湾曲させた状態で積層体を成形するという構成により、圧力を積層体に均一に加えることができ、積層体の厚みを均一にすることができるという効果を奏する。
【0033】
また、上型および下型の少なくとも一方は二重構造でこの間にスペーサーを備えた構成により、スペーサーの厚みや硬度等の条件を変えるだけで上型および下型の湾曲の大きさを容易に調整することができるという効果を奏する。
【0034】
また、二重構造の型は二枚とも焼入れ硬化処理を施すことにより、型の硬度が大きくなるため、間にスペーサーを入れて圧力を加えても、この型が摩耗しにくいという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態における圧着装置の正面図
【図2】 本発明の一実施の形態における圧着装置の正面図
【図3】 同圧着装置の要部拡大図
【図4】 従来の圧着装置の正面図
【符号の説明】
1 筐体
2 シリンダー
3 支柱
4 支柱固定ナット
5 ラム
6 スライド
7 ブッシュ
8 下型
9 ボルスター
10 上型
11 ボルスター固定ナット
12 積層体
13 下型ベース
14 スペーサー
Claims (2)
- 積層体を成形する上型および下型と、この上型および下型を挟み込んで圧力をかける加圧手段と、この加圧手段を上下に動かす上下摺動機構とを備え、前記下型を二重構造とし、その間の中心部分にスペーサーを挟み込み、前記下型の中央部を上方向に湾曲させた状態で前記積層体を成形する圧着装置。
- 積層体を成形する上型および下型と、この上型および下型を挟み込んで圧力をかける加圧手段と、この加圧手段を上下に動かす上下摺動機構とを備え、前記上型を二重構造とし、その間の中心部分にスペーサーを挟み込み、前記上型の中央部を下方向に湾曲させた状態で前記積層体を成形する圧着装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001034920A JP4714997B2 (ja) | 2001-02-13 | 2001-02-13 | 圧着装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Family Applications (1)
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JPS61169211A (ja) * | 1985-01-23 | 1986-07-30 | 松下電器産業株式会社 | セラミツク積層基板の製造方法 |
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- 2001-02-13 JP JP2001034920A patent/JP4714997B2/ja not_active Expired - Fee Related
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