JP4713921B2 - 超音波診断装置及び超音波信号処理プログラム - Google Patents

超音波診断装置及び超音波信号処理プログラム Download PDF

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Description

本発明は、組織から得られるエコー信号から、当該組織中の微小構造物を抽出でき、又は当該微小構造物の定量的に解析することができる超音波診断装置等に関する。
超音波診断は、超音波プローブを体表から当てるだけの簡単な操作で心臓の拍動や胎児の動きの様子がリアルタイム表示で得られ、かつ安全性が高いため繰り返して検査が行えるほか、システムの規模がX線、CT、MRIなど他の診断機器に比べて小さく、ベッドサイドへ移動していっての検査も容易に行えるなど簡便である。また、超音波診断装置は、それが具備する機能の種類によって様々に異なるが、小型なものは片手で持ち運べる程度のものが開発されており、超音波診断はX線などのように被曝の影響がなく、産科や在宅医療等においても使用することができる。検査者は、この超音波診断装置によって取得された超音波画像から様々な診断情報(例えば、視認可能な腫瘍の大きさ、心筋の壁厚、もしくは心臓の動態など)を読み取り、その疾病の重症度などの診断を行う。この様な超音波画像を用いた診断は、超音波画像診断と呼ばれる。
超音波画像診断の一つに、肝臓の硬変度の診断がある。肝細胞の破壊と再生が繰り返されると肝臓内に繊維化組織が増え、次第に肝細胞数が減り、肝臓が硬く縮小した状態は肝硬変と呼ばれている。肝硬変に移行する初期の段階は、患者の自覚症状もない上に、超音波診断画像で微小な繊維化構造を観察することは難しい。しかしながら症状が悪くなるにつれ、超音波画像において肝臓実質のスペックルパターンの不均一さが視認できるようになるため、医療現場ではこの不均一さを目視観察することで、肝硬変の兆候を判断する基準としている。
ここで、超音波診断画像に現れるスペックルパターンとは、無数の散乱体が超音波の解像度以下の細かさで分布しているときに、散乱波の無数の重畳によってエコー信号強度に高い部分と低い部分とが生じる現象である。これは、いわゆる干渉縞に近い物理現象であり、そのパターン自体は臓器の構造を直接に反映するものではないことは良く知られている。上記の肝硬変の観察も、スペックルパターンが繊維化組織の構造の様子を直接は反映していない。それにも関わらず、肝硬変の重症度が増すにつれて特徴的な視覚的パターンを呈し、これが診断に利用されていることは興味深い事実である。
ところで、上述のスペックルパターンを用いた診断に代表される医師の経験的な判断による診断が、人間のどのような認識パターンの元で行われているのか、という疑問を客観的に且つ科学的に解明しようという研究が、既にいくつかなされている(例えば、非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3参照)。これらの研究によれば、肝硬変の進行に伴って発生する結節と繊維化組織が徐々に大きくなってゆく過程で、超音波パルスに対しても構造物として認知されるレベルの大きさに徐々に変化してゆくため、スペックルパターンは徐々に構造物としての情報が増えていき、これにつれてパターンが徐々に変化してゆくと考察されている。
また、肝硬変の進行度を定量化しようという試みもいくつかなされている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)これらの試みは、スペックルパターンの統計的性質に基づくものであり、例えば次のようなものである。
図14(a)のグラフは、正常な肝臓実質部から反射されるエコー信号の輝度値の確率密度分布を示す。ここで「正常」という意味は、繊維化組織などの構造物が存在せず、超音波の解像度以下の微小な散乱組織からなることを意味している。確率・統計の観点から言えば、散乱体がランダムに分布しているならば、それらの散乱体から反射されるエコー信号の強度である振幅値の確率密度分布P(x)は、で表されるレイリー分布に従う。ここでσ2はサンプルの分散を表し、平均0と規格化されている。正常な肝臓も同様に、確率密度関数は図14(a)で示す曲線51のようにレイリー分布を呈する。しかし肝臓に上述のような繊維化構造が増加していくと、そのスペックルパターンは構造物を反映するようになり、ランダムとは言えなくなる。その結果、輝度の確率密度関数は、図14(b)の曲線52に示すごとく、レイリー分布から逸脱する。
このように、肝臓が正常であるか、異常であるかの判断は、エコー信号強度の確率密度分布曲線が呈する概形を観察することにより可能となる。
Yamaguchi T, Hachiya H, "Modeling of the Cirrhotic Liver Considering the Liver Lobule Structure", Jpn, J. App;. Phys. Vol.38 (1999) pp. 3382-3392 大塚、山口、蜂屋著"病変肝の超音波Bモード画像のシミュレーションによる検討", 信学技報, US96-16 (1996-06), pp.15-22 菊池恒夫、中澤敏弘 他著"超音波診断装置のエコー波形スペクトル形状による間疾患定量診断技術の開発", 日超医基礎技術研究会, BT-2000-31, pp.9-15 (2001) 特開2001−238884号公報 特開2003−61964号公報 特開2004−321582号公報
しかしながら、従来の超音波診断においては、次のような問題がある。
まず、一般に確率統計解析を行う際には、解析に用いるサンプルは互いに独立である必要があり、従来の超音波診断装置においても、サンプルの独立性を前提としている。しかしながら、超音波診断装置においては、サンプルは互いに独立でないことが通常である。ここで、デジタル信号処理装置である超音波診断装置の場合のサンプルとは、被検体から得られる受信信号の個々の時系列信号を指す。
すなわち、例えば、受信信号が空間的には異なる位置であるとみなされ、図15(a)に示すように配置される場合においても、個々の信号が含んでいる情報は、図15(b)のような領域まで至り、空間的に重複した場所の情報を一部共有することになる。この重複の度合いは、超音波パルスの周波数は波数、あるいは走査線の密度によって異なってくる。その結果、サンプル間の独立を前提とする信号処理を行う場合、その矛盾を原因とする空間分解能の低下等の不具合を招く場合がある。
また、言うまでもなく統計解析には複数のサンプルが必要である。しかも精度(検出力)を挙げるためには、サンプル数はある程度多いことが望ましい。しかしながら、従来の超音波診断装置における複数の受信信号を用いたある1点の代表値を求めるという演算は、手法的には空間フィルタに類似するため、注目するある点の代表値が、近傍の特異値の影響を受けてしまう場合には、空間分解の低下が発生する可能性がある。
すなわち、例えば信号サンプルが図16(a)のごとく配置されているとして、1点のみ解析を乱す特異値が含まれるとする(中央の二重丸)。いま、所定の解析を3×3の領域(図中の四角)で行うとすると、解析領域に特異値が含まれるケースは図16(b)のように広い領域となり、解析結果の空間分解能は低下することになる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、従来に比してより独立性の高いサンプルの組を超音波受信信号の中から選択することで統計解析の精度を向上させ、より高い空間分解能にて組織性状診断情報を提示することができ、また、解析領域に特異値が含まれる場合であっても、好適な空間分解能で解析結果を提示することができる超音波診断装置及び超音波信号処理プログラムを提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するため、次のような手段を講じている。
本発明の第1の視点は、被検体内を超音波走査し超音波画像を取得する超音波診断装置において、前記被検体に対し超音波を送信し、当該被検体内の複数のサンプル位置のそれぞれに対応するエコー信号を取得するエコー信号取得手段と、取得された前記エコー信号のうち情報が互いに独立となる程度に離れた位置に対応するエコー信号によって構成されるサンプル群を、前記各サンプル位置に関して抽出する信号処理手段と、抽出された前記サンプル群を用いて、前記各サンプル位置に関する統計量を計算する計算手段と、計算された前記各サンプル位置に関する統計量に基づいて第1の画像を生成する画像生成手段と、前記第1の画像を表示する表示手段と、を具備することを特徴とする超音波診断装置である。
本発明の第2の視点は、コンピュータに、被検体内の複数のサンプル位置のそれぞれに対応して取得されるエコー信号のうち情報が互いに独立となる程度に離れた位置に対応するエコー信号によって構成されるサンプル群を、前記各サンプル位置に関して抽出させる抽出機能と、抽出された前記サンプル群を用いて、前記各サンプル位置に関する統計量を計算させる計算機能と、計算された前記各サンプル位置に関する統計量に基づいて第1の画像を生成させる画像生成機能と、前記第1の画像を表示させる表示機能と、を実現させる超音波信号処理プログラムである。
以上本発明によれば、従来に比してより独立性の高いサンプルの組を超音波受信信号の中から選択することで統計解析の精度を向上させ、より高い空間分解能にて組織性状診断情報を提示することができ、また、解析領域に特異値が含まれる場合であっても、好適な空間分解能で解析結果を提示することができる超音波診断装置及び超音波信号処理プログラムを実現することができる。
以下、本発明の第1実施形態及び第2実施形態を図面に従って説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。また、各実施形態においては説明を具体的とするため、診断対象は肝臓であるとする。しかしながら、これに拘泥されることなく、本発明に係る技術的手法は、例えば膵臓等の他の臓器に対しても有効である。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る超音波診断装置1のブロック構成図を示している。同図に示すように、本超音波診断装置10は、超音波プローブ12、入力装置13、モニター14、超音波送信ユニット21、超音波受信ユニット22、Bモード処理ユニット23、ドプラ処理ユニット24、画像生成回路25、信号解析ユニット26、制御プロセッサ(CPU)27、記憶部28、インタフェース部29を具備している。以下、個々の構成要素の機能について説明する。
超音波プローブ12は、超音波送信ユニット21からの駆動信号に基づき超音波を発生し、被検体からの反射波を電気信号に変換する複数の圧電振動子、当該圧電振動子に設けられる整合層、当該圧電振動子から後方への超音波の伝播を防止するバッキング材等を有している。当該超音波プローブ12から被検体Pに超音波が送信されると、当該送信超音波は、体内組織の音響インピーダンスの不連続面で次々と反射され、エコー信号として超音波プローブ12に受信される。このエコー信号の振幅は、反射することになった反射することになった不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。また、送信された超音波パルスが、移動している血流や心臓壁等の表面で反射された場合のエコーは、ドプラ効果により移動体の超音波送信方向の速度成分を依存して、周波数偏移を受ける。
入力装置13は、装置本体11に接続され、オペレータからの各種指示、条件、関心領域(ROI)の設定指示、種々の画質条件設定指示等を装置本体11にとりこむための各種スイッチ、ボタン、トラックボール13s、マウス13c、キーボード13d等を有している。例えば、操作者が入力装置13の所定のボタンを操作することで、後述する統計解析やこれによって得られる結果の所定形態による表示が実行される。
モニター14は、画像生成回路25からのビデオ信号に基づいて、生体内の形態学的情報や、血流情報を画像として表示する。
超音波送信ユニット21は、図示しないトリガ発生回路、遅延回路およびパルサ回路等を有している。パルサ回路では、所定のレート周波数fr Hz(周期;1/fr秒)で、送信超音波を形成するためのレートパルスが繰り返し発生される。また、遅延回路では、チャンネル毎に超音波をビーム状に集束し且つ送信指向性を決定するのに必要な遅延時間が、各レートパルスに与えられる。トリガ発生回路は、このレートパルスに基づくタイミングで、プローブ12に駆動パルスを印加する。
なお、超音波送信ユニット21は、制御プロセッサ27の指示に従って所定のスキャンシーケンスを実行するために、送信周波数、送信駆動電圧等を瞬時に変更可能な機能を有している。特に送信駆動電圧の変更については、瞬間にその値を切り替え可能なリニアアンプ型の発信回路、又は複数の電源ユニットを電気的に切り替える機構によって実現される。
超音波受信ユニット22は、図示していないアンプ回路、A/D変換器、加算器等を有している。アンプ回路では、プローブ12を介して取り込まれたエコー信号をチャンネル毎に増幅する。A/D変換器では、増幅されたエコー信号に対し受信指向性を決定するのに必要な遅延時間を与え、その後加算器において加算処理を行う。この加算により、エコー信号の受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調され、受信指向性と送信指向性とにより超音波送受信の総合的なビームが形成される。
Bモード処理ユニット23は、送受信ユニット21からエコー信号を受け取り、対数増幅、包絡線検波処理などを施し、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータを生成する。このデータは、画像生成回路25に送信され、反射波の強度を輝度にて表したBモード画像としてモニター14に表示される。
ドプラ処理ユニット24は、送受信ユニット21から受け取ったエコー信号から速度情報を周波数解析し、ドプラ効果による血流や組織、造影剤エコー成分を抽出し、平均速度、分散、パワー等の血流情報を多点について求める。得られた血流情報は画像生成回路25に送られ、平均速度画像、分散画像、パワー画像、これらの組み合わせ画像としてモニター14にカラー表示される。
画像生成回路25は、超音波スキャンの走査線信号列を、テレビなどに代表される一般的なビデオフォーマットの走査線信号列に変換することで表示画像としての超音波診断画像を生成し、これをビデオ信号としてモニター14に出力する。画像生成回路25は、画像データを格納する記憶メモリを搭載しており、例えば診断の後に操作者が検査中に記録された画像を呼び出すことが可能となっている。
信号処理部26は、超音波受信ユニット22直後の出力信号(radio frequency (RF)信号と呼ばれる)、もしくはBモード処理部23通過後の画像輝度信号(生データ)を読み込み、後述する統計解析処理を行い、その結果を画像処理ユニット25を経由して表示部に表示する、あるいは記憶媒体に保存する、もしくはネットワークインターフェース29を経由して外部のPC、プリンタなどに転送可能となっている。本信号処理部26によって処理を受けたRF信号はBモード処理部23へ、又は本信号処理部26によって処理を受けた生データは画像生成回路25へ、それぞれ出力される。
制御プロセッサ27は、情報処理装置(計算機)としての機能を持ち、本超音波診断装置本体の動作を制御する制御手段である。制御プロセッサ27は、記憶部28から画像生成・表示等を実行するための制御プログラムを読み出して自身が有するメモリ上に展開し、各種処理に関する演算・制御等を実行する
記憶部28は、後述のスキャンシーケンス、画像生成。表示処理を実行するための制御プログラムや、診断情報(患者ID、医師の所見等)、診断プロトコル、送受信条件、統計解析プログラム、サンプル抽出パターン設定プログラムその他のデータ群が保管されている。また、必要に応じて、画像メモリ26中の画像の保管などにも使用される。記憶部28のデータは、インタフェース回路30を経由して外部周辺装置へ転送することも可能となっている。
インタフェース部29は、入力装置13、ネットワーク、新たな外部記憶装置(図示せず)に関するインタフェースである。当該装置によって得られた超音波画像等のデータや解析結果等は、インタフェース部29よって、ネットワークを介して他の装置に転送可能である。
(エコー信号統計解析機能)
次に、本超音波診断装置1が有するエコー信号統計解析機能について説明する。本エコー信号統計解析機能は、超音波診断において統計解析処理(例えば、スペックルパターンの統計処理等)を実施する場合に、サンプルを事象として独立化させることで、当該統計解析処理の信憑性をより向上させるものである。なお、本実施形態の対象となる診断部位は、正常時には比較的均質な組織構造を持つ、肝臓、膵臓、心筋などに応用が可能であるが、説明を具体的にするため、以下肝臓の肝硬変重症度を診断する場合を例とする。
まず、超音波診断における典型的な統計解析処理について説明する。超音波診断における統計解析処理おいては、診断画像から組織性状を定量化する手法として、「検定」という統計的手法を用いる。これは、母集団の性質について1つの仮説を立て、標本の性質を調べることによって、この仮説を棄却するがしないかを判定するという手法である。画像上のスペックルパターンを用いた肝臓の組織診断を例にとれば次のようである。
まず、肝臓(母集団)が正常であると仮説を立てる。これは、肝臓から得られるエコー信号の振幅の統計情報が、レイリー分布に従うか否かを判定するのが検定ということと同等である。肝臓のエコー信号のうち、N個のサンプルから計算した平均値をμ、分散をσ1 2とする。
次に、上記の平均値μを、以下の式に代入して求めた分散値をσ2 2とする。
σ2 2 = (4/π ― 1)μ (1)
サンプルの確率密度分布が「レイリー分布に従う」という仮定が成り立つときのみσ1 2とσ2 2 は一致する。
ここで以下の評価関数を定める。
1 2/σ2 2 (2)
すなわち、N個のサンプルがスペックルパターンのみから構成されるのであれば、Cは1に近づき、サンプルの中に微小構造物が含まれる割合が大きくなるにしたがって、Cは1より増大していく。従って、肝臓内の局所に関心領域(ROI)を設けて、その中の信号サンプルに対してCを計算すれば、前記局所領域が正常であるか異常であるかの判定の指標となり得る。ただし、ここで注意すべきことは、計算結果Cが1より十分大きくなった場合、それが偶然起こったことなのか否かを判断しなくてはならないということである。この判定に「検定」を用いる。
上式(2)は修正χ二乗分布と呼ばれる式と同様であり、修正χ二乗分布を検定方法は検定の基本的な手法として広く用いられている。すなわち、検定に際して、ある有意水準P(通例5%が用いられる)を定めると、図2のように有意水準から外れる臨界値C が決まる。式(2)で計算した値Cは1より大きいだけでは異常と判定するには不十分で、この臨界値C より大きい値(例えば1.3など)をとった際に、初めて異常であることが確からしい、と判定する。この臨界値C は、サンプル数Nのよって異なり、普通は統計の参考書等に記載されている分布表より読み取る。例えば分布表より、有意水準P=0.05でサンプル数N=120の時、臨界値C は1.22であることが判る。
しかしながら、発明者は、超音波エコー信号の性質上、以下のような不都合が生じることを見出した。
図3は、前述の臨界値C のサンプル数による変化を示したグラフである。理論値36は、サンプル数無限大にて1に収束する減少関数である。エコー信号から計算した値35は、図3のごとく、同様な現象関数となっているが、理論値と一致しない。これは、エコー信号の統計量は「見かけのサンプル数」が小さくなっているといえる。例えば、臨界値C が1.2となるのは理論上はサンプル数が約150の場合であるが、エコー信号の結果だとサンプル数は500個必要である。
理論値は、個々のサンプルが互いに独立な事象を仮定しているので、換言すれば、通常の超音波診断装置において得られるエコー信号のサンプルは、「自由度が少ない」ことを示している。これは、超音波の送受信ビームがある程度の幅を持っていることを考えると、隣り合うサンプルにある程度重複した情報が含まれていると考えるのは妥当である。従って、「個々のサンプルを互いに独立な事象」とする要請は、厳密には満たされていない。
そこで、本超音波診断装置は、この不具合を改善するため、超音波走査によって得られるエコー信号を用いて従来とは異なるリサンプリングを行うことで、個々のサンプルを互いに独立な事象とする要請を満たすサンプルを生成し、これを用いて信憑性の高い統計解析処理を実現するものである。
図4は、信号解析ユニット26が入力する(スキャンコンバートされる前の)エコー信号を概念的に示した図である。なお、実際に信号解析ユニット26が入力するエコー信号は、時系列に並べられた1次元のデータ群である場合が多い。しかしながら、ここでは、説明の便宜のため、信号解析ユニット26が入力するエコー信号は、図4に示すように走査線ごとに区切って配置された2次元データとする。また、図4において、縦方向が1走査線の深度を表し、そのサンプル数がM個であるとし、同様に、横方向は走査線数を示し、走査線数はN本であるとする。
図5は、本超音波診断装置が実行するリサンプリングに用いられるサンプル抽出パターンの一例を示した図であり、黒部分が解析中心エコーデータ、黒色および斜線が統計に用いるサンプルを示している。同図においては、解析中心エコーデータ及び統計に用いられるサンプル群は、情報が互いに独立となる程度にはなれた位置に存在している。
信号解析ユニット26は、図4に例示された各エコー信号を解析中心エコーデータとし、図5に示したサンプル抽出パターンに従って抽出されたサンプル群を用いて、各エコー信号に関する統計量計算を実行する。すなわち、信号解析ユニット26は、サンプル数を5×5=25個とし、解析中心エコーデータに対して間引きを走査線方向に1個おき、深度方向に2個おきに行うことでサンプル群を抽出する。制御プロセッサ27は、抽出されたサンプル群を用いて解析中心エコーデータに関する統計量計算を、図4に示す各エコー信号について実行し、その結果を画像生成回路25に送り出す。画像生成回路25は、信号解析ユニット26において計算された各エコー信号についての統計量をエコー信号と同様に空間的に再配置することで、通常の超音波画像と同様な形態を持つ統計解析画像を生成する。これにより、統計解析による組織性状診断の結果を、診断画像に即した形態情報を保持したままで統計解析画像として提供することができる。
こうして得られる統計解析画像は、情報が互いに独立となる程度にはなれた位置に存在するエコーサンプルを用いて生成されるものである。従って、通常の超音波画像に比して組織の境界等を鮮明に映像化でき、当該画像自体の臨床的価値も高いと言える。
なお、超音波走査によるエコー信号を間引く個数や位置を定義するサンプル抽出パターンは、超音波の送受信条件(周波数、波数、走査線密度など)によって異なる。従って、操作性の観点から、送受信条件毎に対応する予め設定された抽出パターンを記憶部28に記憶しておき、送受信条件が設定される度に自動的に対応する抽出パターンが自動的に選択されるようにすることが好ましい。しかしながら、これに拘泥されず、必要に応じて任意の抽出パターンを入力装置13からのマニュアル操作により選択可能な構成としてもよい。
図6は、超音波走査によるエコー信号を2つおきに間引くサンプル抽出パターンによって得られる、臨界値C の変化を示したグラフである。同図に示すように、この結果は点線で示す理論値とほぼ一致するのがわかる。すなわち、情報が互いに独立となる程度にはなれた位置に存在するエコーサンプルの集合を統計解析処理の対象とすれば、自由度を理論値同等とすることができ、通常の検定手法とその表値(例えば、超音波診断における従来の統計解析手法等)をそのまま利用することが可能となる。
(動作)
図7は、本超音波診断装置1の上記統計解析処理における動作の流れを示したフローチャートである。
図7において、まず、超音波画像を取得・生成する通常の検査において入力装置13を操作することにより、統計解析モードに遷移する(ステップS1、ステップS2)。当該モード遷移の後、記憶部28から統計解析処理プログラムが読み出され、制御プロセッサ27のメモリ上に展開される。操作者は、超音波プローブ12を移動させながら当該被検体を超音波走査することで、統計解析処理の対象とする超音波画像を描出させ(ステップS3)、フリーズボタンを操作することにより当該画像をポーズさせる(ステップS4)。
次に、操作者が入力装置13の所定ボタンを操作することで、統計解析処理が開始される(ステップS5)。
図8は、図7のステップS5において実行される処理の流れを示したフローチャートである。同図において、まず、信号解析ユニット26は、起動されたプログラムに従って、画像生成回路25においてスキャンコンバートされる前のエコー信号(例えば、RF信号や生データ)を入力する(ステップS51)。また、制御プロセッサ27は、ステップS1の通常の検査において設定される送受信条件に基づいて、記憶部28から当該条件に対応するサンプル抽出パターンを呼び出し、これに基づくサンプル群の抽出処理(エコー信号の間引き処理)を各々のエコー信号について実行する(ステップS52、S53)。また、制御プロセッサ27は、抽出されたサンプル群を用いて、各々のエコー信号についての統計量を計算する(ステップS54)。
次に、計算された各エコー信号についての統計量を被検体内に対応するように空間的に再配置することで、通常の超音波画像と同様な形態を持つ統計解析画像を生成する(ステップS55)。
生成された統計解析画像は、モニター14において例えば図9に示す形態にて並列表示される(ステップS6)。なお、同図において、41は通常の超音波画像、42は統計解析画像をそれぞれ示す。また、表示形態は図9に示す並列表示に拘泥されず、例えば必要に応じて片方のみの選択的表示、又は色調を変えた通常の超音波画像41と統計解析画像42とを重畳表示することも可能となっている。さらに、サンプル数が25個の場合の臨界値C も予め記憶媒体28に記憶されているので、これとステップS55における計算により得られた解析結果とを比較し、結果が有意に高い場合は、赤で表示する等の閾値処理に基づく選択的表示を行うようにしてもよい。
次に、他の超音波画像を当該解析処理の対象とするか否かを判定し(ステップS7)、他の画像を対象とする場合には、ステップS3〜S6までの処理が繰り返し実行される。一方、他の画像を対象とする場合には、一連の解析処理を終了する。
ところで、現在統計解析が可能な設定条件となっているか否かは最小限監視することが好ましい。この監視は、予め当該送受信条件に対応するサンプル抽出パターンが記憶されているか否かを判定することで実現することができる。上記図7に従う例では、制御プロセッサ27がステップS1において実行される検査での送受信条件に基づいて当該監視を実行し、対応するサンプル抽出パターンが記憶部28に存在しない場合には、ステップS2における解析モードへの遷移を禁止するようになっている。なお、この監視を必要としない場合には、ステップS2における処理を省略することができる。
また、上記図7の例は、超音波走査により通常の超音波画像を取得した後に所望の画像を選択し、これに対して統計解析処理を実行するものである。しかしながら、本統計解析処理は、理想的には超音波走査時においてリアルタイムで実行されることが好ましい場合もある。係る場合には、超音波走査によって取得されるエコー信号に対して、ステップS5、ステップS6の処理が通常の超音波画像生成/表示処理と並行して実行されることになる。
また、上記の手法で得られた母集団(すなわち、統計解析画像を構成するデータ)の分散値σ0 2あるいは関心領域の分散値σ1 2、もしくはその平方根(標準偏差)、あるいは平均値μは表示部に表示することが可能である。
さらに、統計解析を行って平均値、分散値を求めた各領域のサンプルデータは、言うまでもなく図14(a)、(b)に示したような確率密度分布で表される。本発明では、解析後に操作者が指定した画像上の1点あるいは局所領域についての確率密度曲線を別画面にて表示することが可能である。
以上述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
本超音波診断装置においては、所定のパターンに従って、超音波走査によって得られるエコー信号からサンプル群を抽出ことで、統計解析処理に好適となるようにサンプルを適正化する。また、当該適正化されたサンプルを用いた統計解析画像の生成、各種統計量の計算を実行し、これらを臨床情報として提示する。従って、サンプル間の独立という前提と矛盾のない信号処理を実現することができ、信憑性の高い診断画像、定量的解析結果を提供することができる。その結果、超音波診断の際に、目視ではスペックルパターンとの分別が難しい、超音波パルスの分解能の限界に近い構造物の存在を、統計的な性質を用いて抽出することができ、肝硬変の重症度の診断をより容易に行うことが可能となる。
また、統計解析の結果として得られた統計解析画像、各種統計量は、単独で又は通常の超音波画像に基づく情報と共に所定の形態で提示される。従って、操作者に対し、新たな医療的情報を好適な形態にて提示することができる。その結果、医療行為の質の向上に寄与することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態は、当該送受信条件に対応する複数のサンプル抽出パターンの中から最も信頼性の高いものを選択し用いることで、第1実施形態において説明したエコー信号統計解析をさらに好適に実行するものである。
図10(a)〜(e)は、本実施形態におけるエコー信号統計解析の概念を説明するための図である。同図に示すように、本超音波診断装置1は、所定の送受信条件に対応する複数のサンプル抽出パターンとして、図10(a)に示すような解析対象より左上領域を対象とした25個のサンプル群(62)、図10(b)に示すような解析対象より右上領域を対象とした25個のサンプル群(64)、図10(c)に示すような解析対象のエコーデータを中心とした25個のサンプル群(61)、図10(d)に示すような解析対象より左下領域を対象とした25個のサンプル群(63)、図10(e)に示すような解析対象より右下領域を対象とした25個のサンプル群(65)、の5種類を有するものとする。
図11は、本実施形態に係る統計解析処理(図5のステップS5に対応))の流れを示したフローチャートである。同図において、まず、起動されたプログラムに従って、画像生成回路25においてスキャンコンバートされる前のエコー信号(例えば、RF信号や生データ)が信号解析ユニット26に入力される(ステップS101)。信号解析ユニット26は、通常の検査において設定される送受信条件に基づいて、図10(a)〜(e)に示す複数のサンプル抽出パターンを記憶部28から呼び出し、それぞれに基づくサンプル群の抽出処理を実行する(ステップS102、S103)。従って、第1実施形態が1つのエコーデータに対して1回の統計解析を行うのに対して、本実施形態では、図10に示すパターンに従って5回の異なるサンプル群に対して実行される。
次に、制御プロセッサ27は、各抽出パターンに基づくサンプル(各々のエコー信号)を入力し、これら基づいて統計量である評価関数Cを抽出パターン毎に計算する(ステップS104)。
次に、制御プロセッサ27は、得られた抽出パターン毎の評価関数Cの中から適当なものを代表値とする(ステップS105)。例えば、複数の評価関数Cのうちの最小値に対応するパターンによる統計解析結果を、当該解析対象となるエコーデータの代表値とすることができる。これは、次の理由による。すなわち、もし解析対象となるエコーデータの近傍に、血管などの構造物が局所的に存在した場合、上記61〜65のいずれかの解析結果のみが大きくなる。或いは上記61〜65の結果のいずれかが臨界値C より低い場合、少なくともこの解析対象となるエコーデータは正常の領域にあると推定される。一方、前記61〜65全ての解析結果が臨界値C より高い場合は、解析対象となるエコーデータは明らかに、びまん的に変性した領域内にあることが推定される。
図12は、通常の肝臓のBモード画像であり、図13は、本実施形態に係る統計解析処理によって得られる統計解析画像である。各図中71は肝臓と肝臓上部にある腹膜や脂肪層との境界である。通常の手法では図12に示すように境界がぼやけてしまう。一方、本実施形態に係る統計解析画像であれば、図13に示すように、通常の手法に比して境界を鮮鋭に描出することができる。
なお、ステップS106における代表値判定は、上記「最小値を採る」手法に拘泥することなく、様々選択が可能である。例えば、解析結果の平均値、臨界値C2 Lより低い結果のみの平均値、などが選択可能となっている。
また、本実施形態では、図10に示す5種類の抽出パターンを用いたが、これに拘泥されず、例えばさらに種類を増やすことも可能である。
以上述べた構成によれば、各々のエコー信号について、複数のサンプル抽出パターンを用いたエコー信号統計解析を行い、その結果から、最も客観性の高い統計解析結果の選択、及び対象領域がびまん的に変性しているか否かの推定等を実行する。従って、解析領域に特異値が含まれる場合であっても、これに左右されず好適でより客観性の高いエコー信号統計解析を実現することができる。その結果、超音波診断の際に、目視ではスペックルパターンとの分別が難しい、超音波パルスの分解能の限界に近い構造物の存在を、統計的な性質を用いて抽出し、肝硬変の重症度の診断をより容易に行うことが可能となる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。具体的な変形例としては、例えば、各実施形態に係る各機能は、当該処理を実行するプログラムをワークステーション等のコンピュータにインストールし、これらをメモリ上で展開することによっても実現することができる。このとき、コンピュータに当該手法を実行させることのできるプログラムは、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの記録媒体に格納して頒布することも可能である。
また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
以上本発明によれば、従来に比してより独立性の高いサンプルの組を超音波受信信号の中から選択することで統計解析の精度を向上させ、より高い空間分解能にて組織性状診断情報を提示することができ、また、解析領域に特異値が含まれる場合であっても、好適な空間分解能で解析結果を提示することができる超音波診断装置及び超音波信号処理プログラムを実現することができる。
図1は、第1実施形態に係る超音波診断装置1のブロック構成図を示している。 図2は、エコー信号統計解析機能の概念を説明するための図であり、信号の確率密度を示したグラフである。 図3は、臨界値C のサンプル数による変化を示したグラフである。 図4は、信号解析ユニット26が入力する(スキャンコンバートされる前の)エコー信号を概念的に示した図である。 図5は、本超音波診断装置が実行するリサンプリングに用いられるサンプル抽出パターンの一例を示した図である。 図6は、超音波走査によるエコー信号を2つおきに間引くサンプル抽出パターンによって得られる、臨界値C の変化を示したグラフである。 図7は、本超音波診断装置1の上記統計解析処理における動作の流れを示したフローチャートである。 図8は、図7のステップS5において実行される処理の流れを示したフローチャートである。 図9は、統計解析処理によって得られる画像及び通常の超音波画像の表示形態の一例を示した図である。 図10(a)〜(e)は、第2実施形態におけるサンプル適正化の概念を説明するための図である。 図11は、第2実施形態に係る統計解析処理の流れを示したフローチャートである。 図12は、通常の肝臓のBモード画像である。 図13は、第2実施形態に係る統計解析処理によって得られる統計解析画像である。 図14(a)は、正常な肝臓の信号強度の確率密度関数を示したグラフである。図14(b)は、正常な肝臓と異常な肝臓との信号強度の確率密度分布の違いを示した図である。 図15(a)、(b)は、受信信号の非独立性を説明するための概念図である。 図16(a)、(b)は、特異点を含む受信信号を用いた解析結果の空間分解能の低下を説明するための概念図である。
符号の説明
10…超音波診断装置、12…超音波プローブ、13…入力装置、14…モニター、21…超音波送信ユニット、22…超音波受信ユニット、23…Bモード処理ユニット、24…ドプラ処理ユニット、25…画像生成回路、26…信号処理ユニット、27…制御プロセッサ(CPU)、28…記憶部、29…インタフェース部

Claims (9)

  1. 被検体内を超音波走査し超音波画像を取得する超音波診断装置において、
    前記被検体に対し超音波を送信し、当該被検体内の複数のサンプル位置のそれぞれに対応するエコー信号を取得するエコー信号取得手段と、
    取得された前記エコー信号のうち情報が互いに独立となる程度に離れた位置に対応するエコー信号によって構成されるサンプル群を、前記各サンプル位置に関して抽出する信号処理手段と、
    抽出された前記サンプル群を用いて、前記各サンプル位置に関する統計量を計算する計算手段と、
    計算された前記各サンプル位置に関する統計量に基づいて第1の画像を生成する画像生成手段と、
    前記第1の画像を表示する表示手段と、
    を具備することを特徴とする超音波診断装置。
  2. サンプル抽出パターンを超音波送受信条件毎に記憶する記憶手段をさらに具備し、
    前記信号処理手段は、
    前記超音波走査において用いられる送受信条件に対応するサンプル抽出パターンを選択し、
    選択された前記サンプル抽出パターンに基づいて取得された前記エコー信号を間引くことで、前記サンプル群の抽出を実行すること、
    を特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  3. 超音波送受信条件毎に複数種のサンプル抽出パターンを記憶する記憶手段をさらに具備し、
    前記信号処理手段は、
    前記超音波走査において用いられる送受信条件に基づいて前記複数種のサンプル抽出パターンを選択し、
    前記選択された複数種のサンプル抽出パターンのそれぞれを用いて取得された前記エコー信号を間引くことで、前記各サンプル位置に関する前記サンプル群を前記サンプル抽出パターン毎に抽出し、
    前記計算手段は、
    前記サンプル抽出パターン毎に抽出された前記サンプル群を用いて、前記各サンプル位置に関する統計量を前記サンプル抽出パターン毎に計算し、
    所定の基準に基づいて、前記サンプル抽出パターン毎に計算された前記統計量から前記各サンプル位置に関する代表値を選択し、
    前記画像生成手段は、前記各サンプル位置に関する代表値に基づいて、前記第1の画像を生成すること、
    を特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  4. 前記所定の基準は、前記各サンプル抽出パターンに対応するサンプル群の振幅の平均値と分散の比とが、レイリー分布に最も近似する前記各サンプル抽出パターンに対応する統計量を前記代表値として選択するものであることを特徴とする請求項3記載の超音波診断装置。
  5. 前記サンプル抽出パターンは、ランダム且つ所定数以上存在する微小反射体を含む試験体に対し超音波を送信し、当該試験体から得られるエコー信号の強度又は振幅の相関が統計解析的に十分小さい位置関係にあるエコー信号を抽出するように、超音波送受信条件毎に生成されたものであることを特徴とする請求項2乃至4のうちいずれか一項記載の超音波診断装置。
  6. 前記サンプル抽出パターンをマニュアル設定する設定手段をさらに具備し、
    前記信号処理手段は、前記マニュアル設定されたサンプル抽出パターンに基づいて取得された前記エコー信号を間引くことで、前記サンプル群の抽出を実行すること、
    を特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  7. 前記表示手段は、前記統計解析値を前記被検体の複数の位置と空間的に対応するように再構成することで、前記第1の画像を生成することを特徴とする請求項1乃至56うちいずれか一項記載の超音波診断装置。
  8. 前記画像生成手段は、前記エコー信号取得手段によって取得されたエコー信号に基づいて第2の画像を生成し、
    前記表示手段は、前記第1の画像と前記第2の画像とを、並列、重畳その他所定の形態にて同時に表示すること、
    を特徴とする請求項1乃至7記載の超音波診断装置。
  9. コンピュータに、
    被検体内の複数のサンプル位置のそれぞれに対応して取得されるエコー信号のうち情報が互いに独立となる程度に離れた位置に対応するエコー信号によって構成されるサンプル群を、前記各サンプル位置に関して抽出させる抽出機能と、
    抽出された前記サンプル群を用いて、前記各サンプル位置に関する統計量を計算させる計算機能と、
    計算された前記各サンプル位置に関する統計量に基づいて第1の画像を生成させる画像生成機能と、
    前記第1の画像を表示させる表示機能と、
    を実現させる超音波信号処理プログラム。
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