JP4713653B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
本発明は、車両の挙動を検出する車両挙動センサを備える電動パワーステアリング装置に関する。
運転者の操舵力を軽減する電動パワーステアリング装置(EPS:Electric Power Steering)を備える車両が知られており、このような車両には、電動パワーステアリング装置を制御するためのEPS_ECU(Electronic Control Unit)が備わっている。
また、ABS(Anti Lock Brake System)やTCS(Traction Control System)を組み合わせて、車両挙動を制御するVSA(Vehicle Stability Assist)機能が備わる場合、車両には、車両の挙動を制御するためのVSA_ECUが備わっている。
また、ABS(Anti Lock Brake System)やTCS(Traction Control System)を組み合わせて、車両挙動を制御するVSA(Vehicle Stability Assist)機能が備わる場合、車両には、車両の挙動を制御するためのVSA_ECUが備わっている。
EPS_ECUは、車両の走行状態(旋回、直進)や車速など、車両の挙動に応じて電動パワーステアリング装置を制御し、操舵補助力を発生して運転者の操舵力を軽減するとともに、操向ハンドルの操作方向に対する反力を付与する制御をする。
そのために、電動パワーステアリング装置を備える車両には、車両の挙動を検出する車両挙動センサを備える車両挙動検出システムを有する。そして、車両挙動検出システムには、車両の旋回を検出するため、車両挙動センサとしてのヨーレートセンサ(本発明における「車両挙動センサ」に対応)、舵角センサ、横加速度センサ、前後加速度センサなどが備わっている。
そのために、電動パワーステアリング装置を備える車両には、車両の挙動を検出する車両挙動センサを備える車両挙動検出システムを有する。そして、車両挙動検出システムには、車両の旋回を検出するため、車両挙動センサとしてのヨーレートセンサ(本発明における「車両挙動センサ」に対応)、舵角センサ、横加速度センサ、前後加速度センサなどが備わっている。
舵角センサとして、操向ハンドルの相対的な角度変化量を検出値とするセンサ(例えば、ロータリエンコーダ)を用いる場合がある。この場合、EPS_ECUは、例えば、操向ハンドルが中立位置(以下、舵角中点)にあるときを基準点として、基準点からの角度変化量によって操向ハンドルの舵角を算出できる。
そのため、EPS_ECUは、基準点としての舵角中点を学習する必要がある。そして、舵角中点の学習には、ヨーレートセンサが検出するヨーレートが利用される。
そして、舵角中点の学習の精度を向上するため、ヨーレートセンサには、ヨーレートを精度よく検出することが要求される。
そのため、EPS_ECUは、基準点としての舵角中点を学習する必要がある。そして、舵角中点の学習には、ヨーレートセンサが検出するヨーレートが利用される。
そして、舵角中点の学習の精度を向上するため、ヨーレートセンサには、ヨーレートを精度よく検出することが要求される。
また、ヨーレートセンサには、特許文献1に記載されたような半導体素子を使用したものがあり、このようなヨーレートセンサは、その温度変化に伴う検出値の変動が大きいという特性がある。車両の走行によってヨーレートセンサの温度は逐次変化することから、走行状態の車両のヨーレートを精度よく検出するために、車両が旋回状態ではなくヨーレートが0の状態におけるヨーレートセンサの中点を適宜学習して利用することが好適である。
さらに、特許文献2には、ヨーレートセンサからの信号にもとづいて、操向ハンドルに付与する反力を補正する技術が記載されている。
特許文献2に開示される技術によると、ヨーレートセンサの検出値にもとづいて操向ハンドルに付与する反力を補正しているが、その元になるヨーレートセンサの検出値を中点補正した時点のヨーレートセンサの温度と、現在のヨーレートセンサの温度との差が大きいときは、中点補正されたヨーレートの値であっても、精度が低下しており、それにもとづく操向ハンドルに付与する反力の補正は、左右の同一ヨーレートの値に対して、異なる値の反力制御を行ってしまい、運転者に対して違和感を与えるという可能性がある。
そこで、本発明は、車両挙動センサの中点学習時の温度と現在の温度との変化が大きいときに、前記車両挙動センサの検出値に応じて行う制御の補正において、運転者に違和感を与えないような電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために請求項1に係る発明は、転舵輪に舵角を与える操舵系に動力を付加する電動機と、操舵系に作用する手動操舵力を検出する操舵力検出手段と、車両挙動を検出する車両挙動センサと、少なくとも操舵力検出手段の出力にもとづいて操舵補助力を電動機に発生させるための制御手段とを備え、制御手段が、操舵補助力の操舵反力成分の制御において車両挙動センサの検出値に応じて制御の補正をする電動パワーステアリング装置であって、車両挙動センサの温度を検出する車両挙動センサ温度検出手段と、車両挙動センサからの信号を中点値として取得して記憶する中点値記憶手段と、車両挙動センサからの信号を中点値として取得する際の車両挙動センサの温度を取得して中点学習時の温度として記憶する中点学習時温度記憶手段と、を備え、制御手段は、中点学習時の車両挙動センサの温度と、現在の車両挙動センサの温度との差に応じて、車両挙動センサの検出値に応じて行う制御の補正の際の補正量を調節することを特徴とする。
そして、請求項2に記載のように、中点学習時の車両挙動センサの温度と、現在の車両挙動センサの温度との差が大きいほど、車両挙動センサの検出値に応じて行う制御の補正の際の補正量を小さくすることが望ましい。
請求項1に係る発明によると、制御手段は、中点学習時の車両挙動センサの温度と、現在の車両挙動センサの温度との差に応じて、車両挙動センサの検出値に応じて行う制御の補正の際の補正量を調節する。従来では、ヨーレートセンサの温度変化に伴ってヨーレートセンサの検出値が変動した場合(ヨーレートセンサの中点が正しくない場合)は、正しくないヨーレート中点補正を受けた補正済みのヨーレートを用いて、例えば、操向ハンドルの回動操作に対する操作反力の補正制御(ヨーレート反力制御)をすると、左右の同一ヨーレートの値に対して、異なる値の反力制御を行ってしまい、運転者に対して違和感を与えるという可能性がある。
しかし、本発明のように操向ハンドルの回動操作に対する操作反力の補正制御における補正量を調節することにより、中点学習時の車両挙動センサの温度と、現在の車両挙動センサの温度との差が大きくて、中点補正されたヨーレートの精度が低下しているときには、補正量を小さく制限することにより、左右の同一ヨーレートの値に対して異なる値の反力制御の度合いも小さくなり、運転者に対して違和感を与えない。
しかし、本発明のように操向ハンドルの回動操作に対する操作反力の補正制御における補正量を調節することにより、中点学習時の車両挙動センサの温度と、現在の車両挙動センサの温度との差が大きくて、中点補正されたヨーレートの精度が低下しているときには、補正量を小さく制限することにより、左右の同一ヨーレートの値に対して異なる値の反力制御の度合いも小さくなり、運転者に対して違和感を与えない。
本発明によれば、前記車両挙動センサの検出値に応じて行う制御の補正において、車両挙動センサの中点学習時の温度と、現在の温度との変化が大きい場合にも運転者に違和感を与えないような電動パワーステアリング装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置について、適宜図を参照して説明する。
まず、図1を参照しながら、適宜、図2を参照して、EPS_ECU20,VSA_ECU30を含む車両1内部の要部について説明する。
まず、図1を参照しながら、適宜、図2を参照して、EPS_ECU20,VSA_ECU30を含む車両1内部の要部について説明する。
図1に示すように車両1は、転舵機構、電動パワーステアリング装置5、エンジン(図示せず)を制御するエンジン制御ECU13、電動パワーステアリング装置5の制御機能部であるEPS_ECU20、制動制御を含むABS機能とTCS機能を組み合わせて車両挙動を制御するVSA_ECU30などを備えている。
(車両の転舵機構)
まず、図1を参照して、適宜、図3を参照しながら車両1の電動パワーステアリング装置5を含む転舵機構(操舵系)について説明する。
車両1の転舵機構は、ラックアンドピニオン機構(図示せず)のラック軸(図示せず)のラック歯(図示せず)に噛合するピニオンギア(図示せず)と一体に回転動作するピニオン軸11に、ステアリング軸12が、ユニバーサルジョイントを介して接続され、さらに、ステアリング軸12に操向ハンドル21が取り付けられて構成されている。
そして、運転者が操向ハンドル21を回動操作すると、ピニオンギアが回転してラック軸を左右方向に移動し、ラック軸に連結される転舵輪である前方の車輪2FL,2FRが転舵する。
まず、図1を参照して、適宜、図3を参照しながら車両1の電動パワーステアリング装置5を含む転舵機構(操舵系)について説明する。
車両1の転舵機構は、ラックアンドピニオン機構(図示せず)のラック軸(図示せず)のラック歯(図示せず)に噛合するピニオンギア(図示せず)と一体に回転動作するピニオン軸11に、ステアリング軸12が、ユニバーサルジョイントを介して接続され、さらに、ステアリング軸12に操向ハンドル21が取り付けられて構成されている。
そして、運転者が操向ハンドル21を回動操作すると、ピニオンギアが回転してラック軸を左右方向に移動し、ラック軸に連結される転舵輪である前方の車輪2FL,2FRが転舵する。
電動パワーステアリング装置5は、運転者が操向ハンドル21を回動操作するときの操舵力を軽減する操舵補助力(補助操舵トルク)を発生し、転舵機構に付与する電動機23を備えている。
この電動機23の出力軸に直結したギアが、ピニオン軸11に設けられたウォームホイールギアと噛合し、運転者が操向ハンドル21を回動操作したときに、電動機23の出力軸の回転によってピニオン軸11に対する補助操舵トルクを発生して操舵力を軽減する。
この電動機23の出力軸に直結したギアが、ピニオン軸11に設けられたウォームホイールギアと噛合し、運転者が操向ハンドル21を回動操作したときに、電動機23の出力軸の回転によってピニオン軸11に対する補助操舵トルクを発生して操舵力を軽減する。
また、電動パワーステアリング装置5の制御部であるEPS_ECU20は、CPU(Central Processing Unit)20a(図3参照)、ROM(Read Only Memory)20c(図3参照)、RAM(Random Access Memory)20d(図3参照)、書き込み可能な不揮発メモリ20f(図3参照)、入出力インタフェース(図示せず)、それらを接続するバス20b、入出力インタフェース回路などを備えるマイクロコンピュータおよび周辺回路(図3中、「入出力インタフェース回路20g」と表示)などから構成され、例えば、ROM20cに格納されたプログラムをCPUが実行して電動機23を、電動機駆動回路22を介して駆動制御する。
ちなみに、電動機駆動回路22は、ブラシレスモータである電動機23に電力を供給するためのスイッチング素子を含む電源回路である。
なお、電動機23には、電動機23の回転角を検出する回転角センサ25が設けられ、その信号がEPS_ECU20に入力されている。回転角センサ25としては、例えば、レゾルバが用いられる。
ちなみに、電動機駆動回路22は、ブラシレスモータである電動機23に電力を供給するためのスイッチング素子を含む電源回路である。
なお、電動機23には、電動機23の回転角を検出する回転角センサ25が設けられ、その信号がEPS_ECU20に入力されている。回転角センサ25としては、例えば、レゾルバが用いられる。
前記したピニオン軸11には、トルクセンサ(操舵力検出手段)STrqが取り付けられ、運転者が操向ハンドル21を回動操作するときの操舵トルクを検出して、トルク信号がEPS_ECU20に入力される。
そして、EPS_ECU20は、後記するように、VSA_ECU30からCAN(Controller Area Network)通信線50を介して、舵角δ、補正されたヨーレートγ*、横方向加速度αX、車速VSなどの情報を取得し、前記した電動機23の回転角、操舵トルクの情報も用いて車両の走行状態(旋回、直進)や車速など、車両の挙動に応じて電動機23を制御し、操舵補助力を発生して運転者の操舵力を軽減するとともに、操向ハンドル21の回動操作方向に対する反力を付与する制御をする。
この反力を付与する制御において、EPS_ECU20は、実ヨーレート(後記するヨーレート中点補正をして補正されたヨーレートγ*)を用いる。
EPS_ECU20における操舵補助力および操舵反力の制御の詳細については後記する。
そして、EPS_ECU20は、後記するように、VSA_ECU30からCAN(Controller Area Network)通信線50を介して、舵角δ、補正されたヨーレートγ*、横方向加速度αX、車速VSなどの情報を取得し、前記した電動機23の回転角、操舵トルクの情報も用いて車両の走行状態(旋回、直進)や車速など、車両の挙動に応じて電動機23を制御し、操舵補助力を発生して運転者の操舵力を軽減するとともに、操向ハンドル21の回動操作方向に対する反力を付与する制御をする。
この反力を付与する制御において、EPS_ECU20は、実ヨーレート(後記するヨーレート中点補正をして補正されたヨーレートγ*)を用いる。
EPS_ECU20における操舵補助力および操舵反力の制御の詳細については後記する。
(エンジン制御ECU)
エンジン制御ECU13は、図示しないCPU、ROM、RAM、入出力インタフェースなどを備えるマイクロコンピュータおよび周辺回路、燃料インジェクタを駆動するFI駆動回路などから構成され、図示省略のアクセルポジションセンサ、クランクパルスセンサ、TDCセンサなどエンジン制御に必要な各種のセンサ信号が入力される。その中には吸気温度(以下では、「外気温度」と称する)を検出する吸気温度センサSTAir(図1参照)も含まれている。そして、ROMに格納されるプログラムをCPUが実行し、エンジンの出力を制御したり、VSA_ECU30などで必要な情報、例えば、エンジン回転速度や外気温度TAir(図2参照)などを後記するCAN通信で出力したりする。
エンジン制御ECU13は、図示しないCPU、ROM、RAM、入出力インタフェースなどを備えるマイクロコンピュータおよび周辺回路、燃料インジェクタを駆動するFI駆動回路などから構成され、図示省略のアクセルポジションセンサ、クランクパルスセンサ、TDCセンサなどエンジン制御に必要な各種のセンサ信号が入力される。その中には吸気温度(以下では、「外気温度」と称する)を検出する吸気温度センサSTAir(図1参照)も含まれている。そして、ROMに格納されるプログラムをCPUが実行し、エンジンの出力を制御したり、VSA_ECU30などで必要な情報、例えば、エンジン回転速度や外気温度TAir(図2参照)などを後記するCAN通信で出力したりする。
(VSA_ECU)
次に、図2を参照しながらVSA_ECU30について説明する。
VSA_ECU30は、図2に示すようにCPU30a、ROM30c、RAM30d、書き換え可能な不揮発メモリ(中点値記憶手段)30f、入出力インタフェース(図示せず)、それらを接続するバス30bなどを備えるマイクロコンピュータおよび周辺回路(図2中、「入出力インタフェース回路30g」と表示)などから構成され、ROMに格納されるプログラムをCPU30aが実行し、車両挙動を制御する。VSA_ECU30は、例えば、エンジンルーム3に配置されている。
次に、図2を参照しながらVSA_ECU30について説明する。
VSA_ECU30は、図2に示すようにCPU30a、ROM30c、RAM30d、書き換え可能な不揮発メモリ(中点値記憶手段)30f、入出力インタフェース(図示せず)、それらを接続するバス30bなどを備えるマイクロコンピュータおよび周辺回路(図2中、「入出力インタフェース回路30g」と表示)などから構成され、ROMに格納されるプログラムをCPU30aが実行し、車両挙動を制御する。VSA_ECU30は、例えば、エンジンルーム3に配置されている。
VSA_ECU30には、転舵輪である前方の車輪2FL,2FRの舵角δ(図2参照)を検出する舵角センサSHAからの信号、車両1の各車輪2FL,2FR,2RL,2RRの車輪速を検出する車輪速センサSVWFL,SVWFR,SVWRL,SVWRRからの各車輪速VW(図2参照)を示す信号、エンジンルーム3内に配置されたヨーレートセンサ(車両挙動センサ)SYから検出値であるヨーレートγ(図2参照)を示す信号、ヨーレートセンサSYの温度を検出する温度センサ(車両挙動センサ温度検出手段)STYからのヨーレートセンサ温度TY(図2参照)を示す信号、車両1の横方向の加速度を検出する横加速度センサSαXからの横方向加速度αX(図2参照)を示す信号などが入力される。
ここで、ヨーレートセンサ温度TYが、特許請求の範囲に記載の「車両挙動センサの温度」に対応する。
以下、車輪2FL,2FR,2RL,2RR、車輪速センサSVWFL,SVWFR,SVWRL,SVWRRおよび後記するブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRは、区別する必要がない限り、単に「車輪2」、「車輪速センサSVW」、「ブレーキ装置B」と称する。
ちなみに、車輪速センサSVWは、車輪2の回転速度を単位時間当たりのパルス数として検出するセンサである。
また、周辺回路として代表的に、入出力インタフェース回路30gで示したものには、センサ信号の信号処理回路、例えば、フィルタ回路、CAN通信用の信号処理部も含んでいる。
以下、車輪2FL,2FR,2RL,2RR、車輪速センサSVWFL,SVWFR,SVWRL,SVWRRおよび後記するブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRは、区別する必要がない限り、単に「車輪2」、「車輪速センサSVW」、「ブレーキ装置B」と称する。
ちなみに、車輪速センサSVWは、車輪2の回転速度を単位時間当たりのパルス数として検出するセンサである。
また、周辺回路として代表的に、入出力インタフェース回路30gで示したものには、センサ信号の信号処理回路、例えば、フィルタ回路、CAN通信用の信号処理部も含んでいる。
なお、ヨーレートセンサSYおよび温度センサSTYは、例えば、VSA_ECU30に組み込まれている。そして、ヨーレートセンサSYは、例えば、半導体素子を用いたものであり、ヨーレートセンサSYの温度変化に伴い検出値の変動がありうるものである。
VSA_ECU30は、各車輪2FL,2FR,2RL,2RRに設けられた各ブレーキ装置B(図1中、「BFL,BFR,BRL,BRR」と表示)に、個別に油圧を供給してブレーキ制御する油圧回路31に含まれる制御バルブ(図示せず)を駆動する油圧回路制御部31aと通信可能に接続され、油圧回路制御部31aへ制御信号を出力したり、油圧回路制御部31aから油圧信号を受信したりして、油圧回路制御部31aを介して、各ブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRを制御する。
VSA_ECU30は、EPS_ECU20とCAN通信線50で接続され、互いにデータの受け渡しが可能に構成されている。VSA_ECU30は、CAN通信線50を介して、EPS_ECU20へ舵角δ、補正されたヨーレートγ*、横方向加速度αX、車速VSなどの情報を出力し、必要に応じて、CAN通信線50を介してエンジン制御ECU13に出力抑制指令情報を出力する。逆に、VSA_ECU30は、CAN通信線50を介してEPS_ECU20から操舵トルクTrqの情報を取得する。
VSA_ECU30は、EPS_ECU20とCAN通信線50で接続され、互いにデータの受け渡しが可能に構成されている。VSA_ECU30は、CAN通信線50を介して、EPS_ECU20へ舵角δ、補正されたヨーレートγ*、横方向加速度αX、車速VSなどの情報を出力し、必要に応じて、CAN通信線50を介してエンジン制御ECU13に出力抑制指令情報を出力する。逆に、VSA_ECU30は、CAN通信線50を介してEPS_ECU20から操舵トルクTrqの情報を取得する。
次に、図2を参照しながらVSA_ECU30におけるヨーレートセンサSYからの信号の中点値、つまり、車両1のヨーレートγが0の状態においてヨーレートセンサSYからの検出値を学習する中点学習の方法について説明する。
VSA_ECU30のCPU30aは、ROM30cに格納されているプログラムを実行することにより実現される機能構成部として、車速演算部41、中点学習条件成立判定部42、中点決定部43、学習中点記憶部(中点値記憶手段、中点学習時温度記憶手段)44、ヨーレート補正部45、VSA制御部46を含んでいる。
VSA_ECU30のCPU30aは、ROM30cに格納されているプログラムを実行することにより実現される機能構成部として、車速演算部41、中点学習条件成立判定部42、中点決定部43、学習中点記憶部(中点値記憶手段、中点学習時温度記憶手段)44、ヨーレート補正部45、VSA制御部46を含んでいる。
車速演算部41は、各車輪速センサSVWからの車輪速VWを示す信号を読み込み、車両1の車速VSを算出し、中点学習条件成立判定部42、VSA制御部46に出力する。
中点学習条件成立判定部42は、ROM30cに予め格納された中点学習条件データ42aを有し、現在の車速VS、舵角δ、操舵トルクTrqおよび検出値であるヨーレートγにもとづいて、ヨーレートセンサSYの中点学習条件が成立しているか否かを判定し、成立している場合に、中点決定部43に中点学習許可の信号を出力する。そうでない場合は、中点決定部43に中点学習許可の信号を出力しない。
中点学習条件成立判定部42は、ROM30cに予め格納された中点学習条件データ42aを有し、現在の車速VS、舵角δ、操舵トルクTrqおよび検出値であるヨーレートγにもとづいて、ヨーレートセンサSYの中点学習条件が成立しているか否かを判定し、成立している場合に、中点決定部43に中点学習許可の信号を出力する。そうでない場合は、中点決定部43に中点学習許可の信号を出力しない。
前記中点学習条件は、以下の条件A、条件Bのいずれかが満足されたとき、中点学習条件成立判定部42において中点学習条件が成立していると判定される。
《条件A》
車両1が所定時間ΔTstに亘って停車しているときに、車両1が停車してから、所定時間ΔTstより短い所定時間ΔTyawが経過したとき。
《条件B》
1.ヨーレートγの変動幅が所定値ΔYAW1以内。
2.操舵トルクTrqが所定値TRQ1以内。
3.舵角δの変動幅が所定値Δθ1以内。
4.車速VSが所定値VEL1以上。
5.1.〜4.の状態が時間ΔT1に亘って継続。
《条件A》
車両1が所定時間ΔTstに亘って停車しているときに、車両1が停車してから、所定時間ΔTstより短い所定時間ΔTyawが経過したとき。
《条件B》
1.ヨーレートγの変動幅が所定値ΔYAW1以内。
2.操舵トルクTrqが所定値TRQ1以内。
3.舵角δの変動幅が所定値Δθ1以内。
4.車速VSが所定値VEL1以上。
5.1.〜4.の状態が時間ΔT1に亘って継続。
なお、条件Aの車両1が停車しているときの所定時間ΔTst,ΔTyaw、条件Bの各所定値(ΔYAW1,TRQ1,Δθ1,VEL1,ΔT1)は、車両1に要求される性能、舵角センサSHAおよびヨーレートセンサSYの感度などにもとづいて適宜設定すればよい。
中点決定部43は、中点学習条件成立判定部42から中点学習許可の信号を受けたとき、外気温度TAirとヨーレートセンサ温度TYを比較して、外気温度TAirとヨーレートセンサ温度TYの差が閾値εTYよりも小さければ、検出値である現在のヨーレートγをヨーレート中点値γ0として学習中点記憶部44に出力する。また、そのときのヨーレートセンサ温度TYを、中点学習時温度TY *として、学習中点記憶部44に出力する。
学習中点記憶部44は、中点決定部43から出力されたヨーレート中点値γ0を不揮発メモリ30fの中点データ部44aに記憶させるとともに、中点学習時温度TY *を不揮発メモリ30fの中点学習時温度データ部44bに記憶させる。ヨーレート補正部45は、検出値である現在のヨーレートγに対して中点補正をして補正されたヨーレートγ*をVSA制御部46に出力する。また、ヨーレート補正部45は、中点補正されたヨーレートγ*、中点学習時温度TY *、および現在のヨーレートセンサ温度TYをCAN通信を介してEPS_ECU20に出力する。
学習中点記憶部44は、中点決定部43から出力されたヨーレート中点値γ0を不揮発メモリ30fの中点データ部44aに記憶させるとともに、中点学習時温度TY *を不揮発メモリ30fの中点学習時温度データ部44bに記憶させる。ヨーレート補正部45は、検出値である現在のヨーレートγに対して中点補正をして補正されたヨーレートγ*をVSA制御部46に出力する。また、ヨーレート補正部45は、中点補正されたヨーレートγ*、中点学習時温度TY *、および現在のヨーレートセンサ温度TYをCAN通信を介してEPS_ECU20に出力する。
VSA制御部46は、車速VS、中点補正されたヨーレートγ*、舵角δ、横方向加速度αXにもとづいて、油圧回路31を介して各車輪2のブレーキ装置Bを制御して、車両1のVSA制御をしたり、運転者がブレーキペダルPB(図1参照)を操作したとき、油圧回路31を介して制動制御をし、そのとき各車輪2の車輪速VWを監視し、車輪2のロックを防止するようにABS制御を行ったりする。
(EPS_ECUにおける操舵補助力および操舵反力の制御)
次に、図3、図4を参照しながらEPS_ECU20における操舵補助力および操舵反力の制御の詳細について説明する。
EPS_ECU20は、基本制御部51、操舵反力制御部52、減算器53、および駆動電流制御部54を有しており、最終的に減算器53において電動機23に発生させる操舵補助力に対応する目標電流Itが算出される。
次に、図3、図4を参照しながらEPS_ECU20における操舵補助力および操舵反力の制御の詳細について説明する。
EPS_ECU20は、基本制御部51、操舵反力制御部52、減算器53、および駆動電流制御部54を有しており、最終的に減算器53において電動機23に発生させる操舵補助力に対応する目標電流Itが算出される。
基本制御部51は、操向ハンドル21(図1参照)に入力される手動操舵力に応じて、電動機23に発生させる操舵補助力に対応する目標電流Itの元になるベース電流Ibを算出するとともに、そのベース電流Ibに対して所要の補正を行ってアシスト電流Iaを求めるものである。基本制御部51は、ベース電流演算部61と、転舵系のイナーシャを補償するイナーシャ補償部62と、転舵系のダンピングを補償するダンパ補償部63とを備えている。
ベース電流演算部61では、トルクセンサSTrqによる操舵トルクTrq、および、CAN通信を介してVSA_ECU30から取得した車速VSにもとづいてベース電流Ibを求める。イナーシャ補償部62では、操舵トルクセンサSTrqによる操舵トルクTrqの時間微分値、および車速VSにもとづいてイナーシャ補正値を算出して、ベース電流Ibを補正する。ダンパ補償部63では、回転角センサ25による回転角θを電動機速度算出部64にて時間微分して得た電動機角速度ω、および前記した車速VSにもとづいてダンピング補正値を算出して、ベース電流Ibを補正する。
操舵反力制御部52は、ヨーレート反力補正電流演算部65とヨーレート反力制限部66を有して構成されている。ヨーレート反力補正電流演算部65は、基本的に、CAN通信を介してVSA_ECU30から取得した中点補正されたヨーレートγ*に応じて、電動機23に発生させる操舵補助力の反力成分に対応するヨーレート反力補正電流Iyを算出する。
ここで、ヨーレート反力補正電流演算部65における、中点補正されたヨーレートγ*に応じて、電動機23に発生させる操舵補助力の反力成分に対応するヨーレート反力補正電流Iyを算出することが、特許請求の範囲に記載の「車両挙動センサの検出値に応じて制御の補正をする」に対応する。
ここで、ヨーレート反力補正電流演算部65における、中点補正されたヨーレートγ*に応じて、電動機23に発生させる操舵補助力の反力成分に対応するヨーレート反力補正電流Iyを算出することが、特許請求の範囲に記載の「車両挙動センサの検出値に応じて制御の補正をする」に対応する。
ヨーレート反力制限部66は、中点学習時のヨーレートセンサ温度TY *と現在のヨーレートセンサ温度TYとの差に対して予め設定された関数データまたはマップを有している。ちなみに、この関数データまたはマップデータ66aは、ROM20cの記憶領域の一部に格納されたものである。
図4に示すように、関数データまたはマップデータ66aは、横軸が中点学習時のヨーレートセンサ温度TY *と現在のヨーレートセンサ温度TYとの差(図4中、|現在温度TY−学習時温度TY *|と表示)を示し、縦軸はヨーレート反力補正電流Iyに乗じるヨーレート反力補正制限係数Cを示す。
このヨーレート反力補正制限係数Cは、|現在温度TY−学習時温度TY *|が0のとき、1.0となり、|現在温度TY−学習時温度TY *|が増大するにつれてヨーレート反力補正制限係数Cは低減し、所定の|現在温度TY−学習時温度TY *|の値で、飽和するように設定されている。
図4に示すように、関数データまたはマップデータ66aは、横軸が中点学習時のヨーレートセンサ温度TY *と現在のヨーレートセンサ温度TYとの差(図4中、|現在温度TY−学習時温度TY *|と表示)を示し、縦軸はヨーレート反力補正電流Iyに乗じるヨーレート反力補正制限係数Cを示す。
このヨーレート反力補正制限係数Cは、|現在温度TY−学習時温度TY *|が0のとき、1.0となり、|現在温度TY−学習時温度TY *|が増大するにつれてヨーレート反力補正制限係数Cは低減し、所定の|現在温度TY−学習時温度TY *|の値で、飽和するように設定されている。
そして、ヨーレート反力制限部66は、CAN通信を介してVSA_ECU30から取得した中点学習時のヨーレートセンサ温度TY *と現在のヨーレートセンサ温度TYとの差を算出し、その差を参照して前記した関数データまたはマップデータ66aにもとづいて、ヨーレート反力補正制限係数Cを決定する。さらに、ヨーレート反力制限部66は、ヨーレート反力補正電流Iyに、前記決定したヨーレート反力補正制限係数Cを乗じて、補正されたヨーレート反力補正電流Iy*を減算器53に出力する。
ここで、ヨーレート反力制限部66において、中点学習時のヨーレートセンサ温度TY *と現在のヨーレートセンサ温度TYとの差を算出し、その差を参照して前記した関数データまたはマップデータ66aにもとづいて得られたヨーレート反力補正制限係数Cをヨーレート反力補正電流Iyに乗じことは、特許請求の範囲に記載の「前記中点学習時の前記車両挙動センサの温度と、現在の前記車両挙動センサの温度との差に応じて、前記車両挙動センサの検出値に応じて行う制御の補正の際の補正量を調節する」に対応する。
ここで、ヨーレート反力制限部66において、中点学習時のヨーレートセンサ温度TY *と現在のヨーレートセンサ温度TYとの差を算出し、その差を参照して前記した関数データまたはマップデータ66aにもとづいて得られたヨーレート反力補正制限係数Cをヨーレート反力補正電流Iyに乗じことは、特許請求の範囲に記載の「前記中点学習時の前記車両挙動センサの温度と、現在の前記車両挙動センサの温度との差に応じて、前記車両挙動センサの検出値に応じて行う制御の補正の際の補正量を調節する」に対応する。
基本制御部51では、アシスト電流Iaが、手動操舵トルクが増大するのに応じて大きくなるように設定され、操舵反力制御部52では、ヨーレート反力補正電流Iyが、実ヨーレート(補正されたヨーレート)γ*の絶対値が増大するのに応じて、ヨーレート反力補正電流Iyの絶対値も大きくなるように設定される。この結果、運転者が操向ハンドル21に大きな手動操舵力を与えても、実ヨーレートγ*が大きい場合には、電動機23の操舵補助力が減少して運転者に与える操舵反力が大きくなる。すなわち、操向ハンドル21が重くなり、これにより車両1の不安定性を運転者に察知させつつ、運転者の操向ハンドル21の回動操作を抑制して、車両1の走行安定性を向上させるとともに運転者の操作性を向上させることができる。
減算器53では、基本制御部51から入力されたアシスト電流Iaからヨーレート反力補正電流Iy*が減算されて、目標電流Itが、駆動電流制御部54に入力される。
駆動電流制御部54では、電動機23に電動機駆動回路22から供給されるU相、V相、W相の実電流(図3中、「IU,IV,IW」で表示)と目標電流Itとの偏差が小さくなるように電動機23に電動機駆動回路22から供給する電流を制御する。具体的には、駆動電流制御部54は、前記偏差が小さくなるように電動機駆動回路22に含まれるスイッチング素子に入力するデューティ信号を制御する。
本実施形態によれば、EPS_ECU20におけるヨーレート反力制限部66は、ヨーレートセンサSYの中点学習をしたときのヨーレートセンサ温度TY *と現在のヨーレートセンサ温度TYとの差が大きいほど、ヨーレートセンサ温度TY *時に学習した中点値γ0にもとづいて補正された実ヨーレートγ*に応じてヨーレート反力補正電流演算部65において算出されたヨーレート反力補正電流Iyを小さくするように制限する。
従って、ヨーレートセンサSYの温度変化に伴ってヨーレートセンサSYの検出値が変動した場合(ヨーレートセンサSYの中点が正しくない場合)は、正しくないヨーレート中点補正を受けた補正済みのヨーレートγ*を用いて、操向ハンドル21の回動操作に対する操作反力の補正制御(ヨーレート反力制御)をして、左右の同一ヨーレートの値に対して、異なる値の反力制御を行ってしまい、運転者に対して違和感を与えるということを防止できる。
従って、ヨーレートセンサSYの温度変化に伴ってヨーレートセンサSYの検出値が変動した場合(ヨーレートセンサSYの中点が正しくない場合)は、正しくないヨーレート中点補正を受けた補正済みのヨーレートγ*を用いて、操向ハンドル21の回動操作に対する操作反力の補正制御(ヨーレート反力制御)をして、左右の同一ヨーレートの値に対して、異なる値の反力制御を行ってしまい、運転者に対して違和感を与えるということを防止できる。
また、本実施形態では、VSA_ECU30において、ヨーレートセンサSYの中点学習を行うものとしたがそれに限定されるものではない。VSA_ECU30は検出値であるヨーレートγを、CAN通信線50を介して、EPS_ECU20に送信し、EPS_ECU20側で前記したような方法で中点学習し、中点補正されたヨーレートγ*を、CAN通信線50で他のECU、例えば、VSA_ECU30に送信し、VSA制御に用いても良い。また、ヨーレートセンサSYの検出値であるヨーレートγを直接EPS_ECU20に入力し、EPS_ECU20側で前記したような方法で中点学習し、中点補正されたヨーレートγ*を、CAN通信線50で他のECU、例えば、VSA_ECU30に送信し、VSA制御に用いても良い。
特許請求の範囲における「車両挙動センサの温度」は、本実施形態では、ヨーレートセンサ温度TYとしたが、ヨーレートセンサSYそのものの温度でも、ヨーレートセンサSYが置かれる環境の温度でも良い。
さらに、EPS_ECU20のCPU20aの操舵反力制御部52としては、ヨーレートγ*に応じて操舵補助力の反力成分を制御するものとしたが、特開2006−256425号公報に記載のように、さらに、舵角δにも応じて操舵補助力の反力成分を制御するように操舵補助力の反力成分の制御を加えても良い。
1 車両
3 エンジンルーム
5 電動パワーステアリング装置
20 EPS_ECU
21 操向ハンドル
30 VSA_ECU
30f 不揮発メモリ(中点値記憶手段、中点学習時温度記憶手段)
42 中点学習条件成立判定部
42a 中点学習条件データ
43 中点決定部
44 学習中点記憶部(中点値記憶手段、中点学習時温度記憶手段)
44a 中点データ部
45 ヨーレート補正部
46 VSA制御部
50 CAN通信線
51 基本制御部
52 操舵反力制御部
65 ヨーレート反力補正電流演算部
66 ヨーレート反力制限部
66a 関数データまたはマップデータ
SY ヨーレートセンサ(車両挙動センサ)
SHA 舵角センサ
STY 温度センサ(車両挙動センサ温度検出手段)
STrq トルクセンサ(操舵力検出手段)
STAir 吸気温度センサ
TY ヨーレートセンサ温度(車両挙動センサの温度)
TAir 外気温度
Trq 操舵トルク
γ ヨーレート
VS 車速
δ 舵角
3 エンジンルーム
5 電動パワーステアリング装置
20 EPS_ECU
21 操向ハンドル
30 VSA_ECU
30f 不揮発メモリ(中点値記憶手段、中点学習時温度記憶手段)
42 中点学習条件成立判定部
42a 中点学習条件データ
43 中点決定部
44 学習中点記憶部(中点値記憶手段、中点学習時温度記憶手段)
44a 中点データ部
45 ヨーレート補正部
46 VSA制御部
50 CAN通信線
51 基本制御部
52 操舵反力制御部
65 ヨーレート反力補正電流演算部
66 ヨーレート反力制限部
66a 関数データまたはマップデータ
SY ヨーレートセンサ(車両挙動センサ)
SHA 舵角センサ
STY 温度センサ(車両挙動センサ温度検出手段)
STrq トルクセンサ(操舵力検出手段)
STAir 吸気温度センサ
TY ヨーレートセンサ温度(車両挙動センサの温度)
TAir 外気温度
Trq 操舵トルク
γ ヨーレート
VS 車速
δ 舵角
Claims (2)
- 転舵輪に舵角を与える操舵系に動力を付加する電動機と、前記操舵系に作用する手動操舵力を検出する操舵力検出手段と、車両挙動を検出する車両挙動センサと、少なくとも前記操舵力検出手段の出力にもとづいて操舵補助力を前記電動機に発生させるための制御手段とを備え、前記制御手段が、前記操舵補助力の操舵反力成分の制御において前記車両挙動センサの検出値に応じて制御の補正をする電動パワーステアリング装置であって、
前記車両挙動センサの温度を検出する車両挙動センサ温度検出手段と、
前記車両挙動センサからの信号を中点値として取得して記憶する中点値記憶手段と、
前記車両挙動センサからの信号を中点値として取得する際の前記車両挙動センサの温度を取得して中点学習時の温度として記憶する中点学習時温度記憶手段と、を備え、
前記制御手段は、前記中点学習時の前記車両挙動センサの温度と、現在の前記車両挙動センサの温度との差に応じて、前記車両挙動センサの検出値に応じて行う制御の補正の際の補正量を調節することを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 前記中点学習時の前記車両挙動センサの温度と、現在の前記車両挙動センサの温度との差が大きいほど、前記車両挙動センサの検出値に応じて行う制御の補正の際の補正量を小さくすることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
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