JP2005198409A - 左右操舵輪独立駆動式電気自動車のモータ入出力係数修正装置 - Google Patents

左右操舵輪独立駆動式電気自動車のモータ入出力係数修正装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005198409A
JP2005198409A JP2004001804A JP2004001804A JP2005198409A JP 2005198409 A JP2005198409 A JP 2005198409A JP 2004001804 A JP2004001804 A JP 2004001804A JP 2004001804 A JP2004001804 A JP 2004001804A JP 2005198409 A JP2005198409 A JP 2005198409A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
input
steering
motor
output
wheels
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004001804A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Miura
雅博 三浦
Hiroto Nakajima
廣人 中嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2004001804A priority Critical patent/JP2005198409A/ja
Publication of JP2005198409A publication Critical patent/JP2005198409A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】左右操舵輪を個々のモータで駆動する電気自動車の両モータの入出力特性を、走行スペースなしでも、且つ、路面の影響なしに、実特性に一致するよう修正可能にする。
【解決手段】先ずステアリングホイールを中立位置にロックする(S1,S2)。S3,S4で左右非操舵輪(左右後輪)を固定して電気自動車を停車状態にする。S5で左右操舵輪(左右前輪)のモータに同じ入力(電圧)指令を印加し、左右操舵輪(左右前輪)に非回転状態のまま駆動力を付与する。S6で、左右前輪間における駆動力差に起因した操舵系へのキックバックトルクTstをチェックし、これが大きい時、S7,S8で、Tstから左右前輪モータトルクの平均値Tavを求め、上記同じモータ入力(電圧)指令値のもとで左右操舵輪モータトルクが共に上記の平均値Tavとなるようなモータ入出力係数をもって左右操舵輪モータの修正後入出力係数とし、これを基にモータの目標駆動力に対する入力指令値を求める。
【選択図】図2

Description

本発明は、左右操舵輪を個々の電動モータで独立に駆動する電気自動車において、電動モータの入力(電圧など)指令値に対する出力値(出力目標値)の変化特性(モータ入出力係数)がバラツキを持っていたりしても、左右操舵輪の駆動力を狙い通りに制御可能になるようモータ入出力係数を修正する技術に関するものである。
電気自動車は、車内スペ―スの確保や、走行性能の向上を目的として、少なくとも一対の左右輪を車体床下に設けた駆動モータで独立に駆動する独立駆動方式が広く採用されている。
ところで、電動モータが入力指令値に対する出力値(出力目標値)の変化特性を表したモータ入出力係数のバラツキ等により、入力指令値に対応した正確なトルクなどの出力値を出力し得ない場合、この出力値が出力目標値から大きく乖離して各車輪の駆動力を狙い通りに制御し得ない。
図4につき付言するに、電動モータが入力(駆動電圧)指令値Vと、出力(トルク)目標値Tとの間に、αで示すモータ入出力係数を持った入出力特性Aのものである場合、これに基づき出力(トルク)目標値T0から入力(駆動電圧)指令値V0を求めて電動モータに指令することになる。
ところで、実際は電動モータの入出力特性がAではなくてBのようなものであり、モータ入出力係数がβである場合、電動モータが入力(駆動電圧)指令値V0を受けて実際に発生する出力(トルク)はT1で示すごときものとなり、目標とすべきT0との間にΔT01の誤差を持ったものとなり、車輪の駆動力を狙い通り正確に制御し得ない。
左右輪の駆動力を狙い通りに制御し得ない場合は、直進走行を希望しているのに左右輪間で駆動力差が発生し電気自動車の直進性が阻害されたり、運転者が操舵により旋回走行を希望している間において左右輪駆動力差が当該旋回走行にマッチしたものにならず、運転者の操舵操作通りの旋回走行を行わせることが困難になる。
このような場合、運転者は操舵系に、左右操舵輪の駆動力差に対抗する操舵トルクを入力して、車両の進行方向を一定に保とうとしたり、予定の旋回軌跡をたどるようにするが、かかる操舵トルクは、運転者に余計な負担を強いたり、操舵系に余計な負荷を生じさせることになり、電気自動車の運転上好ましくない。
そこで、上記左右輪駆動力差を解消する作業が必要となり、そのためには、左右駆動輪に係わる各電動モータを単体で上記出力誤差が生じないよう厳密に調整、管理し、それらを組み合わせて左右輪に用いることが要求される。
しかし、各電動モータをかように単体で調整、管理しようとすると、これら調整および管理に多大の工数がかかり、コスト高になるという問題がある。
左右駆動輪間の駆動力差を解消する別の対策としては従来、例えば特許文献1に記載のごときものが知られている。
この対策は、左右輪間に駆動力差が生じている場合、運転者が進行方向を一定に保持するため操舵系に入力している操舵トルクを検出し、検出した操舵トルク等から左右輪の駆動力差を演算し、ECU(駆動力制御装置)が、この駆動力差を解消するよう駆動モータへの一次電流を制御して、運転者が操舵系に操舵トルクを入力しないでも車両の進行方向を一定に保持し得るようにしたものである。
特開平9−84215号公報
しかし、上記従来のような対策にあっては、以下に説明するような問題を生ずる。
つまり、運転者が進行方向を一定に保持するため操舵系に入力している操舵トルクを検出して制御に資することから、車両走行可能であることが条件となり、しかも、上記操舵トルクのサンプリングのため一定時間走行しなければならなかったり、必要充分なサンプリングデータの確保のための或る程度の走行区間が必要であって、大きな走行スペースを要するという問題がある。
さらに従来の対策では、上記の走行中に路面凹凸などによる操舵トルクの瞬間的な変動や、操舵トルクにノイズ性の変動が加わるため、これらの外乱を相殺すべくサンプリングの平均値を取るものの、外乱等が多い場合には正確な駆動力差を求めることができず、所期の目的を達成し得ないのが実情である。
本発明は、左右操舵輪を独立に駆動する電気自動車の場合、これら操舵輪間にモータ駆動力の差が存在すると、これに伴って操舵輪にトー方向力が発生し、これが操舵系にキックバックトルクとなって現れるとの事実認識に基づき、
左右比操舵輪を回転不能にした電気自動車の停車状態で左右操舵輪にモータ駆動力を付与し(停車状態のため、左右操舵輪は回転することなく駆動力を付与されるのみ)、この時に検出したキックバックトルクを用いて左右操舵輪のモータ入出力係数を修正することにより、車両を走行させることなく当該修正を行い得るようにして、上記の問題をことごとく解消した左右操舵輪独立駆動式電気自動車のモータ入出力係数修正装置を提案することを目的とする。
この目的のため本発明による左右操舵輪独立駆動式電気自動車のモータ入出力係数修正装置は、請求項1に記載のごとくに構成する。
先ず前提となる左右操舵輪独立駆動式電気自動車は、ステアリング操作部への操舵入力により転舵される左右操舵輪を個々の電動モータで独立に駆動するもので、更に、これら各電動モータの入力指令値を出力目標値から、これら入力指令値および出力目標値間における予定のモータ入出力係数に基づき決定するものである。
本発明においては、かかる電気自動車に対し、ステアリング操作部ロック手段と、非操舵輪固定手段と、操舵輪駆動手段と、キックバックトルク検出手段と、モータ入出力係数修正手段とを設ける。
ステアリング操作部ロック手段は、前記ステアリング操作部を操舵入力に応動しないようロックし、
非操舵輪固定手段は、左右非操舵輪を回転不能に固定し、
操舵輪駆動手段は、該手段により左右非操舵輪を回転不能に固定した電気自動車の停車状態で、左右操舵輪を個々の電動モータで同じ入力指令値により駆動する。
キックバックトルク検出手段は、これら手段によるステアリング操作部のロック状態および左右操舵輪の駆動状態で左右操舵輪に発生したトー方向力に伴う、ステアリング操作部へのキックバックトルクを検出し、
モータ入出力係数修正手段は、この手段で検出したキックバックトルク値が小さくなるよう前記予定のモータ入出力係数を修正する。
かかる本発明のモータ入出力係数修正装置においては、ステアリング操作部を操舵入力に応動しないようロックした状態で、且つ、左右非操舵輪を回転不能に固定した電気自動車の停車状態で、左右操舵輪を個々の電動モータで同じ入力指令値により駆動し、これにより、停車状態のため回転しないが左右操舵輪に駆動力を付与する。
このとき、同じ入力指令値なのに左右操舵輪間に駆動力差があると、この駆動力差により左右操舵輪にトー方向力が発生し、これに伴ってステアリング操作部へキックバックトルクが伝わる。
本発明においては、このキックバックトルク(左右操舵輪の駆動力差)が小さくなるよう予定のモータ入出力係数を修正する。
よって本発明においては、電気自動車の停車状態で、左右操舵輪間のモータ駆動力差が解消されるよう当該修正を行い得ることとなり、
モータ入出力係数を修正するために大きな走行スペースが必要になることがないと共に、当該修正中に路面凹凸などによるキックバックトルクの瞬間的な変動が発生したり、キックバックトルクにノイズ性の変動が加わることがなくて、高精度、且つ、安価にモータ入出力係数の修正を行うことができる。
以下本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例になるモータ入出力係数修正装置を具えた左右操舵輪独立駆動式電気自動車1のパワートレーンを示し、本実施例においては、左右前輪2L,2Rを操舵輪とし、左右後輪3L,3Rを非操舵輪とし、左右前輪2L,2Rを個々の電動モータ4L,4Rにより駆動して電気自動車1を走行させるものとする。
従って電動モータ4L,4Rは、本発明における操舵輪駆動手段に相当する。
これがため、左右前輪2L,2Rに駆動軸5L,5Rを介して対応する電動モータ4L,4Rを駆動結合し、左右前輪2L,2Rは更に、それぞれのナックルアーム6L,6Rから延在するサイドロッド7L,7R間に架設したタイロッド7を介して相互にトー方向に連結する。
タイロッド7は、ラック&ピニオン式ステアリングギヤ8およびステアリングシャフト9を介して、ステアリング操作部であるステアリングホイール10に駆動結合する。
これにより、運転者がステアリングホイール10を操舵するとき、操舵入力がステアリングシャフト9を経てステアリングギヤ8のピニオン(図1では図示せず)に至り、このピニオンがラック(図1では図示せず)およびタイロッド7をストロークさせることで、左右前輪2L,2Rをステアリングホイール10の操舵方向へ、また、その操舵角だけ転舵することができる。
非操舵輪である左右後輪3L,3Rを本実施例では非駆動輪とし、これらに対する電動モータを設けないこととするが、これら左右後輪3L,3Rのブレーキユニット11L,11Rを操作して左右後輪3L,3Rを制動、固定する後輪ブレーキアクチュエータ12を設ける。
この後輪ブレーキアクチュエータ12は本発明における非操舵輪固定手段に相当し、周知のパーキングブレーキレバーに対し並列的に設け、パーキングブレーキ装置を利用して左右後輪3L,3Rを制動、固定するようになすのが好適である。
左右前輪2L,2Rの電動モータ4L,4Rに共通な電源としてバッテリ13を設け、電動モータ4L,4Rはそれぞれ、インバータ14による制御下でバッテリ13からの電力を受けてモータ出力(トルク)目標値を発生するよう駆動されるものとする。
インバータ14は、コントローラ15から上記モータ出力(トルク)目標値に対応したモータ入力(駆動電圧)指令値V(便宜上、両モータ4L,4Rに共通な1つの符号で示した)を受け、バッテリ13からの電圧をこれらモータ入力(駆動電圧)指令値Vに相当する電圧に制御して対応する電動モータ4L,4Rに印加し、モータ4L,4Rの出力トルクをそれぞれ上記モータ出力(トルク)目標値に一致させるものとする。
コントロールユニット15が、左右前輪2L,2Rの上記モータ出力(トルク)目標値、および、これに対応した上記モータ入力(駆動電圧)指令値Vを求め得るよう、そして、本発明が狙いとするモータ入出力係数の修正を行い得るよう、このコントロールユニット15には、
ステアリングホイール10の操舵角θを検出する操舵角センサ16からの信号と、
車速VSPを検出する車速センサ17からの信号と、
アクセルペダル踏み込み量APOを検出するアクセル開度センサ18からの信号と、
後輪ブレーキアクチュエータ12の作動により左右後輪3L,3Rが制動、ロックされているのを検知する後輪ロック検知センサ19からの信号と、
左右前輪2L,2Rからステアリングシャフト9への後述するキックバックトルクTstを検出するキックバックトルクセンサ20(キックバックトルク検出手段に相当する)からの信号とを入力する。
本実施例においては更に、本発明が狙いとするモータ入出力係数の修正を行い得るようにするために、ステアリングホイール10を、操舵入力に応動しないようロックするステアリング操作部ロック機構21(ステアリング操作部ロック手段)を設け、これを後述するごとくに作動させる。
ここでステアリング操作部ロック機構21は、周知のステアリングロック機構を利用して、これを電磁的に作動させるようなものであるのが有効である。
コントローラ15は、基本的にはアクセルペダル踏み込み量(アクセル開度)APOおよび車速VSPに基づいて左右前輪4L,4Rの出力(トルク)目標値を算出し、これらモータ出力(トルク)目標値に対応したモータ入力(電圧)指令値Vをインバータ14へ出力するが、
例えば車両挙動を目標挙動に一致させるなどの要求に応じこれらのモータ出力(トルク)目標値、従ってモータ入力(電圧)指令値Vを補正するものとする。
コントローラ15は、上記のごとく左右前輪4L,4Rの出力(トルク)目標値に対応したモータ入力(電圧)指令値Vを求めるに際し、基本的には図3に示した、モータ入出力係数がαの予定のモータ入出力特性A(図4に同符号で示すと同じもの)を基に、前記モータ出力(トルク)目標値T0(便宜上、左右前輪電動モータの目標値を同じ符号で示した)を達成するための左右前輪電動モータ4L,4Rのモータ入力(駆動電圧)指令値V0(便宜上、左右前輪電動モータの目標値を同じ符号で示した)を求め、これらをインバータ14に供給して両電動モータ4L,4Rを上記のモータ出力(トルク)目標値T0が達成されるよう駆動する。
これにより電気自動車1を、アクセル開度APOおよび車速VSPに応じた所定の駆動力で走行させ得ると共に、車両の実挙動が目標挙動に一致するよう走行させることができる。
ところで、上記のごとくモータ出力(トルク)目標値からモータ入力(駆動電圧)指令値を求めるときに用いるモータ入出力係数αが、図3に例示するように実際のモータ入出力係数β,γ(βは、図4に示すと同じもので、例えば左前輪電動モータ4Lの係数、γが右前輪電動モータ4Rの係数とし、また、β,γに対応するモータ入出力特性をB,Cで示した)と違う場合、同じモータ入力(駆動電圧)指令値V0に対して左右前輪電動モータ4L,4Rが異なるモータ出力(トルク)T1,T2を発生することになる。
この場合、左右前輪電動モータ4L,4Rがモータ入力(駆動電圧)指令値に対応した正確なトルクを出力し得ないこととなり、この出力トルク値が出力目標値から大きく乖離して左右前輪2L,2Rの駆動力を狙い通りに制御し得ず、電気自動車1を運転者の操舵操作通りに直進走行または旋回走行させることができない。
そこで本実施例においては、コントローラ15が上記の作用に加えて、図2に示す制御プログラムを実行することにより、上記の問題が生じないよう左右前輪電動モータ4L,4Rのモータ入力(駆動電圧)指令値を求めるときに用いるモータ入出力係数α(図3参照)を以下のごとくに修正する。
なお図2の制御プログラムは、上記した通常走行モードとは異なり、電気自動車1を例えば修理工場内などに停車させたまま、以下のようにモータ入出力係数修正モードで運転させて実行する。
先ず図2のステップS1においては、ステアリングホイール操舵角θを読み込み、これが略0度か否かにより左右前輪2L,2Rが中立位置か否かをチェックする。
ステアリングホイール操舵角θが略0度でなければ、制御を元に戻して待機し、ステアリングホイール操舵角θが略0度になった時にステップS2で、ステアリングロック機構21を作動させ、ステアリングホイール10を回転操作不能状態にロックする。
次のステップS3においては、アクチュエータ12の作動により左右後輪3L,3Rを固定して電気自動車1の停車状態を保持するよう、アクチュエータ12に指令を発する。
次いでステップS4において、アクチュエータ12の作動による左右後輪3L,3Rの固定が確実になされているか否かをチェックし、なされていなければ以後の作業中に電気自動車1が発進するから、制御をステップS1に戻して、アクチュエータ12の作動による左右後輪3L,3Rの固定が確実になされるまで待機する。
ステップS4でアクチュエータ12の作動による左右後輪3L,3Rの固定が確実になされていると判定した時に制御を次のステップS5に進める。
このステップS5でコントローラ15は、例えば図3にV0で示すような同じモータ入力(駆動電圧)指令値を左右前輪電動モータ4L,4Rに出力するようインバータ14に指令し、停車状態のため回転しないが、左右前輪2L,2Rに駆動力を付与する。
かように左右前輪電動モータ4L,4Rへ同じモータ入力(駆動電圧)指令値V0が印加される場合、両モータの実入出力係数が同じα(図3参照)であれば左右前輪電動モータ4L,4Rの駆動力(左右前輪トルク)も同じになる筈である。
しかして、左右前輪電動モータ4L,4Rの実入出力係数がそれぞれ、バラツキなどにより図3にβ,γで例示するように異なっている場合、左右前輪電動モータ4L,4Rの出力(左右前輪トルク)はそれぞれ図3にT1,T2で示すように異なる。
かように左右前輪電動モータ4L,4Rの出力(左右前輪トルク)が異なると、左右前輪2L,2Rに両者の駆動力差に応じたトー方向力が発生し、これがステアリングギヤ8およびステアリングシャフト9を介しキックバックトルクTstとなってステアリングホイール10へ向かう。
ところで、ステップS2においてステアリングホイール10を回転不能にロックしているから、ステアリングシャフト9にキックバックトルクTstが発生することとなる。
本実施例では、左右前輪電動モータ4L,4Rの出力(左右前輪トルク)差を表すキックバックトルクTstをセンサ20で検出し、これによるキックバックトルク検出値Tstが微少設定値未満か否かにより左右前輪電動モータ4L,4Rの出力(左右前輪トルク)差がないかどうかをステップS6でチェックする。
ステップS6でキックバックトルク検出値Tstが微少設定値未満であると判定する時は、左右前輪電動モータ4L,4Rの出力(左右前輪トルク)差が存在しないから、制御をそのまま終了して左右前輪電動モータ4L,4Rの入出力係数を修正しない。
ステップS6でキックバックトルク検出値Tstが微少設定値以上であると判定する場合、左右前輪電動モータ4L,4Rの出力(左右前輪トルク)が異なるから、以下のようにして左右前輪電動モータ4L,4Rの入出力係数を修正する。
ステップS7においては、キックバックトルク検出値Tstから左右前輪電動モータ4L,4Rの出力(左右前輪トルク)T1,T2の平均値Tav(図3参照)を、以下の要領で求める。
図5は、左右前輪電動モータ4L,4Rの出力(左右前輪トルク)T1,T2と、その偏差ΔFと、両者の平均値Tavとのベクトル関係を示し、図6は、平均値Tavを求める時に用いる各部の寸法を示す。
図6に示すように、ステアリングギヤ8を構成するラック8rおよびピニオン8pのうちラック8rの軸力をFs、ピニオン8pのピッチ円半径をaとすると、ラック軸力FsおよびキックバックトルクTst間には次式が成立する。
Fs=Tst×a ・・・(1)
また左右前輪駆動力差ΔFが作用している場合の仮想キングピン軸Kp周りのモーメントMは、車輪中心Oから仮想キングピン軸Kpまでの距離をL、仮想キングピン軸Kpからサイドロッド連節点までの距離をRとすれば、
左右前輪駆動力差ΔFによる仮想キングピン軸Kp周りのモーメントMが
M=ΔF×L ・・・(2)
で表され、ラック軸力Fsによる仮想キングピン軸Kp周りのモーメントMが
M=Fs×R ・・・(3)
で表される。
これら(2)式および(3)式から、左右前輪駆動力差ΔFは
ΔF=Fs×(R/L) ・・・(4)
で表され、この(4)式および前記(1)式から左右前輪駆動力差ΔFは
ΔF=R・Tst/(L・a) ・・・(5)
となる。
一方で、図5から明らかなように左右前輪駆動力T1,T2の平均値Tavは、
Tav=T1+(ΔF/2) ・・・(6)
である。
従って、先ずキックバックトルク検出値Tstを(5)式に代入して左右前輪駆動力差ΔFを求め、このようにして求めた左右前輪駆動力差ΔFを(6)式に代入して左右前輪駆動力T1,T2の平均値Tavを求めることができる。
次のステップS8においては、左右前輪トルクT1,T2の平均値Tavに基づき左右前輪電動モータ4L,4Rの入出力係数を、キックバックトルク検出Tstが小さくなるよう修正する。
この修正に当たっては図3に例示するごとく、ステップS5で指令したモータ入力(駆動電圧)指令値V0のもとで左右前輪電動モータ4L,4Rの出力(左右前輪トルク)が共に上記の平均値Tavとなるようなモータ入出力特性Dに対応した入出力係数δをもって左右前輪電動モータ4L,4Rの入出力係数とする。
よってステップS8は、モータ入出力係数修正手段に相当する。
以上により左右前輪電動モータ4L,4Rの入出力係数の修正(α→δ)は終了するが、この終了後に電気自動車1を通常走行させるに当たり、コントローラ15は、ステアリングロック機構21を非作動にしステアリングホイール10を回転操作可能にすると共にアクチュエータ12の非作動により左右後輪3L,3Rの固定を解除する。
この状態でコントローラ15は、上記のように修正したモータ入出力係数δに対応する入出力特性Dを基に、前記のごとく求めた左右前輪4L,4Rの出力(トルク)目標値T0(図3参照、ただし便宜上、両輪で同じ値として示した)から、これを達成するためのモータ入力(電圧)指令値V1を求めてインバータ14へ出力する。
ところで本実施例においては、左右前輪電動モータ4L,4Rの入出力係数を上記のように修正してモータ入力(電圧)指令値の決定に資するから、当該モータ入出力係数のバラツキなどによる左右操舵輪(左右前輪)駆動力の誤差を小さくすることができ、運転者がステアリング操作により指令した通りの走行を実現することができる。
しかも上記モータ入出力係数の修正に際し、左右非操舵輪(左右後輪)3L,3Rを回転不能に固定した電気自動車1の停車状態で、左右操舵輪(左右前輪)2L,2Rに同じモータ入力(駆動電圧)指令値を印加して駆動力を与えることにより当該修正を行うことから、
モータ入出力係数を修正するために走行スペースが一切不要であると共に、当該修正中に路面凹凸などによるキックバックトルクの瞬間的な変動が発生したり、キックバックトルクにノイズ性の変動が加わることがなくて、高精度、且つ、安価にモータ入出力係数の修正を行うことができる。
また上記モータ入出力係数の修正に際し、左右操舵輪2L,2Rを個々の電動モータ4L,4Rで同じ入力指令値V0により駆動する(ステップS5)と共に、ステアリングホイール(ステアリング操作部)10を回転しないようロックした(ステップS2)状態で、左右操舵輪2L,2Rからステアリングシャフト9へのキックバックトルクTstを検出し、これから左右前輪電動モータの出力(左右前輪トルク)T1,T2の平均値Tavを求め(ステップS7)、次に、上記同じ入力指令値V0のもとで左右前輪電動モータ4L,4Rの出力(左右前輪トルク)が共に上記の平均値Tavとなるようなモータ入出力係数δをもって左右前輪電動モータ4L,4Rの入出力係数とする(ステップS8)から、
キックバックトルクTstを検出し、これから左右前輪電動モータの出力(左右前輪トルク)T1,T2の平均値Tavを求めるだけの簡単な手法で安価に上記の修正を行うことができる。
また、モータ入出力係数の修正に際して行うステアリングホイール(ステアリング操作部)10のロックを、操舵角θが略0度の時(ステップS1)、つまり左右前輪が中立位置の時に実行することから、
上記モータ入出力係数の修正に際し、操舵に伴うモータ駆動力の差を考慮する必要がなく、当該修正を比較的簡単に行うことができて、時間的にもコスト的にも大いに有利である。
更に、キックバックトルク検出値Tstが設定値未満の微少値である時は、モータ入出力係数の修正を禁止する(ステップS6)ことから、
キックバックトルクの検出誤差に応答して不要なモータ入出力係数の修正が行われるのを回避することができる。
なお図2の制御プログラムには盛り込まなかったが、図1に示すように左右前輪電動モータ4L,4Rの出力トルクを検出するトルクセンサ22L,22Rを設け、これらによるモータ4L,4Rの出力トルク検出値が設定値以上である時は前記モータ入出力係数の修正を禁止し、
これによりモータ4L,4Rの回路保全を図るようにしたり、停車状態で左右操舵輪(左右前輪)2L,2Rがスリップするようなモータ4L,4Rの出力トルクなのに入出力係数の修正が行われて、その誤修正が発生することのないよう構成することもできる。
また上記実施例では、電気自動車1を例えば修理工場内の床面上に置き、左右後輪のロックにより停車させておくことから、図2のステップS5において例えば図3にV0で示すような同じモータ入力(駆動電圧)指令値を左右前輪電動モータ4L,4Rに出力するようインバータ14に指令して左右前輪2L,2Rに駆動力を付与した時、これら左右前輪2L,2Rは回転せず、左右前輪2L,2Rが回転しない状態でモータ4L,4Rの入出力係数の修正を行うこととしたが、
その代わりに、電気自動車1をシャシーダイナモの回転ドラム上に乗せ、左右後輪のロックにより停車させておくが、左右前輪2L,2Rに上記の駆動力を付与した時これら左右前輪2L,2Rが回転するようになし、このように左右前輪2L,2Rが回転している状態でもモータ4L,4Rの入出力係数の修正を行うことができるのは言うまでもない。
本発明の一実施例になるモータ入出力係数修正装置を具えた左右操舵輪独立駆動式電気自動車の制御系を模式的に示す平面図である。 同モータ入出力係数修正装置を成す図1のコントローラが実行すべきモータ入出力係数修正プログラムを示すフローチャートである。 同モータ入出力係数修正プログラムによる修正要領を示すモータ入出力特性の線図である。 モータ入出力係数がずれた場合におけるモータ出力トルクの偏差の発生状況を説明するモータ入出力特性線図である。 左右前輪電動モータによる左右前輪駆動力と、その偏差と、両者の平均値とのベクトル関係を示した説明図である。 左右前輪駆動力の平均値を求める時に用いる各部の寸法を示す、寸法線図である。
符号の説明
1 左右操舵輪独立駆動式電気自動車
2L,2R 左右前輪(左右操舵輪)
3L,3R 左右後輪
4L,4R 電動モータ
5L,5R 駆動軸
6L,6R ナックルアーム
7 タイロッド
8 ラック&ピニオン式ステアリングギヤ
9 ステアリングシャフト
10 ステアリングホイール(ステアリング操作部)
11L,11R 左右後輪ブレーキユニット
12 後輪ブレーキアクチュエータ
13 バッテリ
14 インバータ
15 コントローラ
16 操舵角センサ
17 車速センサ
18 アクセル開度センサ
19 後輪ロック検知センサ
20 キックバックトルクセンサ(キックバックトルク検出手段)
21 ステアリング操作部ロック機構(ステアリング操作部ロック手段)
22L,22R モータトルクセンサ

Claims (5)

  1. ステアリング操作部への操舵入力により転舵される左右操舵輪を個々の電動モータで独立に駆動し、これら各電動モータの入力指令値を出力目標値から、これら入力指令値および出力目標値間における予定のモータ入出力係数に基づき決定するようにした左右操舵輪独立駆動式電気自動車において、
    前記ステアリング操作部を、操舵入力に応動しないようロックするステアリング操作部ロック手段と、
    左右非操舵輪を回転不能に固定する非操舵輪固定手段を設け、
    該手段により左右非操舵輪を回転不能に固定した電気自動車の停車状態で、前記左右操舵輪を個々の電動モータで同じ入力指令値により駆動する操舵輪駆動手段と、
    これら手段によるステアリング操作部のロック状態および左右操舵輪の駆動状態で左右操舵輪に発生したトー方向力に伴う、前記ステアリング操作部へのキックバックトルクを検出するキックバックトルク検出手段と、
    この手段で検出したキックバックトルク値が小さくなるよう前記予定のモータ入出力係数を修正するモータ入出力係数修正手段とを具備して成ることを特徴とする左右操舵輪独立駆動式電気自動車のモータ入出力係数修正装置。
  2. 請求項1に記載のモータ入出力係数修正装置において、
    前記モータ入出力係数修正手段は、前記キックバックトルク検出手段により検出したキックバックトルク値から左右操舵輪のモータ駆動力平均値を演算し、前記同じ入力指令値のもとで左右操舵輪のモータ駆動力がそれぞれこの平均値となるよう前記予定のモータ入出力係数を修正するよう構成したことを特徴とする左右操舵輪独立駆動式電気自動車のモータ入出力係数修正装置。
  3. 請求項1または2に記載のモータ入出力係数修正装置において、
    前記ステアリング操作部ロック手段は、前記ステアリング操作部を中立位置において操舵入力に応動しないようロックするものであることを特徴とする左右操舵輪独立駆動式電気自動車のモータ入出力係数修正装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のモータ入出力係数修正装置において、
    前記モータ入出力係数修正手段は、前記キックバックトルク検出手段で検出したキックバックトルク値が設定範囲内の微少値である時、前記モータ入出力係数の修正を禁止するよう構成したことを特徴とする左右操舵輪独立駆動式電気自動車のモータ入出力係数修正装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のモータ入出力係数修正装置において、
    前記モータ入出力係数修正手段は、前記電動モータの出力トルクが設定値以上である時、前記モータ入出力係数の修正を禁止するよう構成したことを特徴とする左右操舵輪独立駆動式電気自動車のモータ入出力係数修正装置。
JP2004001804A 2004-01-07 2004-01-07 左右操舵輪独立駆動式電気自動車のモータ入出力係数修正装置 Pending JP2005198409A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004001804A JP2005198409A (ja) 2004-01-07 2004-01-07 左右操舵輪独立駆動式電気自動車のモータ入出力係数修正装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004001804A JP2005198409A (ja) 2004-01-07 2004-01-07 左右操舵輪独立駆動式電気自動車のモータ入出力係数修正装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005198409A true JP2005198409A (ja) 2005-07-21

Family

ID=34817209

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004001804A Pending JP2005198409A (ja) 2004-01-07 2004-01-07 左右操舵輪独立駆動式電気自動車のモータ入出力係数修正装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005198409A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013162559A (ja) * 2012-02-01 2013-08-19 Toyota Motor Corp 車両制御装置
JP2014230341A (ja) * 2013-05-21 2014-12-08 Ntn株式会社 モータ制御装置
JP2016101021A (ja) * 2014-11-25 2016-05-30 Ntn株式会社 電気自動車のモータ駆動装置
JP2017153358A (ja) * 2017-04-14 2017-08-31 Ntn株式会社 モータ制御装置用外部接続装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013162559A (ja) * 2012-02-01 2013-08-19 Toyota Motor Corp 車両制御装置
JP2014230341A (ja) * 2013-05-21 2014-12-08 Ntn株式会社 モータ制御装置
JP2016101021A (ja) * 2014-11-25 2016-05-30 Ntn株式会社 電気自動車のモータ駆動装置
WO2016084771A1 (ja) * 2014-11-25 2016-06-02 Ntn株式会社 電気自動車のモータ駆動装置
JP2017153358A (ja) * 2017-04-14 2017-08-31 Ntn株式会社 モータ制御装置用外部接続装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3853943B2 (ja) 車両のステアリング装置
US7957867B2 (en) Steering system of vehicle
JP5365084B2 (ja) 車両用操舵制御装置及び車両用操舵制御方法
US20080281490A1 (en) Methods, systems, and computer program products for steering travel limit determination for electric power steering
JP3819261B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2009512590A (ja) 自動車の制御補助システム
CN111591341B (zh) 电动助力转向装置
US6896091B2 (en) Vehicular steering control apparatus and method
JP5893486B2 (ja) 電気自動車
JP4713653B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JPH0717290A (ja) 自動車用走行安定性制御装置
JP4300103B2 (ja) 車両の操舵制御装置
JP3755273B2 (ja) 操舵制御装置
JP2005198409A (ja) 左右操舵輪独立駆動式電気自動車のモータ入出力係数修正装置
KR102585082B1 (ko) 전동식 파워 스티어링 시스템의 걸림감 보상 장치 및 방법
JP3719193B2 (ja) 舵角比可変装置
JP5640930B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
US10322745B2 (en) Torque steering mitigation for electric power steering
JP4871370B2 (ja) 車両挙動センサの中点学習方法と車両挙動検出システム
JPH11208493A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP3715441B2 (ja) 車両の操舵装置
JP3166388B2 (ja) 操舵力制御装置
KR102552648B1 (ko) Sbw 시스템의 조향휠 반력 토크 신호 생성 장치 및 방법, 그를 포함하는 sbw 조향 장치
JPH1159457A (ja) 車両用操舵装置
JP2011084157A (ja) 電動パワーステアリング装置