JP4713161B2 - 熱伝導性グリス - Google Patents

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Description

本発明は、電子部品にて発生する熱を外部へ効果的に放散させる目的に使用される熱伝導性グリスに関する。
電気機器に使用される各種電子部品の多くは、使用中に熱を発生するため、その電子部品を適切に機能させるには発生する熱を取り除く必要がある。そこで従来から、熱伝導性グリスや熱伝導性シートなどの熱伝導性材料が広く用いられている。熱伝導性グリスは、電子部品の発熱部と冷却部品の間に充填または塗布されることによって電子部品の発熱を冷却部品へと伝達する。
熱伝導性グリスとしては、従来から、シリコーンオイルを基油とし、熱伝導性充填剤として無機粉末を含有した熱伝導性シリコーングリスが広く知られている(特許文献1)。しかし、シリコーンオイルを基油に用いた熱伝導性グリスは、グリスから分離あるいは滲み出したシリコーンオイルがその周辺部を汚染することがあった(特許文献2)。また、シリコーンオイルに含まれる低分子シロキサンが熱によって二酸化ケイ素(SiO2)、炭化ケイ素(SiC )などの絶縁物として析出した結果、電気機器、電子部品に不具合をもたらすことがあった(特許文献3,4)。そこで近年、シリコーンオイル以外のオイルを基油として使用した熱伝導性グリスが提案されている。
特開平10−110179号公報 特開平3−162493号公報 特開平3−106996号公報 特開2002−201483号公報
熱伝導性グリスの熱伝導性を向上させるには、基油中に熱伝導性充填剤を高い密度で充填する必要がある。一方、電子部品の発熱部と冷却部品との間に塗布される熱伝導性グリスは、同程度の熱伝導性を有するグリス同士で比較した場合、厚さが薄くなるほどその熱抵抗が低くなり、熱伝導量を向上させることができる。従って、熱伝導の観点からグリスは薄膜に形成することが望ましい。
しかし、従来の熱伝導性グリスの基油に、無機粉末を高密度に充填すると、得られた熱伝導性グリスが硬くなり、グリスを薄膜に形成することが困難となった。その結果、塗布した状態での熱伝導性グリスの熱抵抗が悪化することがあった。
より詳細には、熱伝導性充填剤を高密度に充填したグリスは粘度が大きくなるか、ちょう度(JIS K2220 参照)が小さくなるため、ディスペンス性が悪化する。ディスペンス性とは、塗布面上での拡がり易さ、流動性、付着性などのグリスを塗布する際の作業性の良さを意味する。従って、ディスペンス性が悪化すると、シリンジなどの塗布装置からのグリスの吐出が困難になり、或いは、グリスを発熱体の上に薄く塗布することが困難になる。そのため、一定体積のグリスを接触面に吐出し、一定荷重をかけて押しつぶしたときの薄膜化のしやすさの指標となる圧縮性は、ディスペンス性の悪化とともに、低下する。
従って、本発明の目的は、熱伝導性充填剤を高充填することによる高い熱伝導性と、良好なディスペンス性および圧縮性とを兼ね備えた熱伝導性グリスを提供することにある。
請求項1に記載の発明の熱伝導性グリスは、電子部品の発熱部と冷却部品の間に充填または塗布されることによって電子部品の発熱を冷却部品へ伝達する熱伝導性グリスであって、A )不飽和ジカルボン酸ジブチルエステルとα−オレフィンとのコポリマーからなり、40℃における粘度が112〜770mm/sである基油と、B )前記基油中に、充填された熱伝導性充填剤とを含有することを特徴とする。
不飽和ジカルボン酸ジブチルエステルとα−オレフィンのコポリマーを使用すると、熱伝導性グリスに熱伝導性充填剤を高充填しても、より良好なディスペンス性、より良好な圧縮性を備えた熱伝導性グリスを提供することができる。また、シリコーンオイルを基油として使用していないため、低分子シロキサンの飛散による接点障害などの問題が発生しない。
請求項2に記載の発明の熱伝導性グリスは、請求項1に記載の発明において、回転粘度計を用い、室温下、回転数10rpmの条件で測定される前記熱伝導性グリスの粘度が82〜331Pa・sの範囲にあることを特徴とする。
請求項3に記載の発明の熱伝導性グリスは、請求項1又は2に記載の発明において、JIS−K2220に記載の方法によって測定される1/4ちょう度が62〜92の範囲にあることを特徴とする。
請求項4に記載の発明の熱伝導性グリスは、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、ASTM D5470準拠の熱抵抗測定機において、荷重4kgの重りを載せて、断面積1cm の銅製ブロック上の熱伝導性グリスを押しつぶしたとき、厚みが10〜20μmとなる圧縮性を有することを特徴とする。
請求項に記載の発明の熱伝導性グリスは、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明において、コポリマーの40℃における粘度が112〜340mm/sであることを特徴とする。
基油の粘度が112〜340mm/sである場合には、グリスの粘度がより適切である。
請求項に記載の発明の熱伝導性グリスは、請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱伝導性グリスにおいて、熱伝導性充填剤が酸化亜鉛、酸化アルミニウム、窒化ホウ素のうちの少なくとも一種以上であることを特徴とする。
請求項に記載の発明の熱伝導性グリスは、請求項1〜のいずれか一項に記載の発明において、熱伝導性充填剤は酸化亜鉛であり、同熱伝導性充填剤は82〜87.5重量%の割合で充填されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明の熱伝導性グリスは、請求項1〜のいずれか一項に記載の発明において、熱伝導性充填剤は窒化ホウ素であり、同熱伝導性充填剤は47.6重量%の割合で充填されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明の熱伝導性グリスは、請求項1〜のいずれか一項に記載の発明において、熱伝導性充填剤は酸化アルミニウムであり、同熱伝導性充填剤は87.5重量%の割合で充填されていることを特徴とする。
上記構成によれば、より高い熱伝導性と良好なディスペンス性とを併せ備えた熱伝導性グリスを提供することができる。
以下、本発明を実施する最良の形態について詳細に説明する。
本実施形態における熱伝導性グリスは、A )不飽和ジカルボン酸ジブチルエステルとα−オレフィンとのコポリマーからなり、40℃における粘度が112〜770mm/sである基油と、B )前記基油中に、充填された熱伝導性充填剤とを含有することを特徴とする。
本発明の熱伝導性グリスは、基油として、不飽和ジカルボン酸エステルとα−オレフィンとのコポリマーを、5〜55重量%にて含有する。使用される不飽和ジカルボン酸エステルとしては、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸などのエステルが挙げられる。これらの中でマレイン酸及びフマル酸のエステルが好適である。不飽和ジカルボン酸エステルのアルコール成分の炭素原子数は好適には3〜10個である。不飽和ジカルボン酸エステルが不飽和ジカルボン酸ジブチルエステルであると、熱伝導性グリスは良好な流動性を示すので好適である。α−オレフィンの炭素原子数は好適には6〜16個である。α−オレフィンが非分岐鎖であるコポリマーは、低温でも良好な流動性
を示すため、分岐鎖であるコポリマーよりも好適である。
前記コポリマーの40℃における粘度は、100〜1000mm/s(測定方法はASTM D−445に準拠)、好適には112〜770mm/s、最適には112〜340mm/sである。基油であるコポリマーの粘度が112mm/s未満であると、得られたグリスから基油が分離しやすいため不適切である。さらに、粘度が112mm/s未満であると高温で基油が蒸発し易いため、グリス中の含油量が低下して、冷却部品との接触面に割れや空気層などが生じ、放熱特性を低下させてしまうことがある。一方、基油であるコポリマーの粘度が770mm/sを超えると、熱伝導性充填剤としての無機粉末を高密度に充填することが困難になることに加え、粘度自体の増加によりグリスのディスペンス性も悪化する。
本発明の熱伝導性グリスは、熱伝導性充填剤として、無機粉末95〜45重量%を含有する。45重量%未満では充分な放熱性が得られない。また、95重量%を超えるとグリスが硬くなりすぎ、ディスペンス性が悪化してしまう。無機粉末は酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、ダイヤモンド、アルミニウム、銀、銅、黒鉛のうちの少なくとも一種以上であることが好ましい。しかし、これらに限定されるものではなく、他の充填剤の使用又は併用をしてもよい。また、無機粉末の平均粒径も特に限定されるものではないが、平均粒径は20μm以下であることが好ましく、5μm以下であるとさらに好ましい。平均粒径が20μmより大きくなると、グリスの圧縮性が悪くなり熱伝導性が低下しまう。また、2種類以上の異なる平均粒径の無機粉末を組み合わせて使用してもよい。無機粉末の粒度分布についても、特に限定されるものではない。熱伝導性グリスに電気絶縁性が要求される場合には、通常、電気絶縁性の無機粉末を用いる。
本発明の熱伝導性グリスは、充填性の向上を目的として、界面活性剤を含有していてもよい。界面活性剤を添加することにより、無機粉末の充填率が向上し、グリスの熱伝導性を高めることが可能である。また、界面活性剤を加えることによって、グリスのより良好なディスペンス性、より良好な圧縮性を得ることができる。界面活性剤としては、非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。非イオン界面活性剤はグリスの電気的特性に影響を及ぼさないため、例えば電気絶縁性が要求される場合には特に好ましい。非イオン性界面活性剤には、例えばポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが挙げられる。
なお熱伝導性グリスには、必要に応じて酸化防止剤、腐食防止剤、錆止め剤、増粘剤、増ちょう剤、顔料、染料、消泡剤、可塑剤、溶剤等の各種添加物を配合することも可能である。
本発明の熱伝導性グリスは、A )不飽和ジカルボン酸エステルとα−オレフィンとのコポリマーと、B )無機粉末、更に必要に応じて界面活性剤や各種添加物を、プラネタリーミキサー、トリミックスなどの混合機で、室温あるいは必要に応じて加熱しながら混練して得ることができる。更にこの混合物を均一に混練するには、高せん断力をかけて混練すれば良く、混練装置としては三本ロール、コロイドミルなどが挙げられる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を何ら制限するものではない。
A )不飽和ジカルボン酸エステルとα−オレフィンとのコポリマーとして不飽和ジカルボン酸ジブチルエステルとα−オレフィンのコポリマー「ケッチェンルブ(Ketjenlube)
115 」(アクゾノーベル(AKZO NOBEL)社製、40℃における粘度:112mm/s)100重量部(16.4重量%)に対して、B )無機粉末として酸化亜鉛(平均粒径0.4 μm)500重量部(82.0重量%)、さらに非イオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンオレイルエーテル)10重量部(1.6重量%)をプラネタリーミキサーに投入し、室温で1時間撹拌混合し、熱伝導性グリスを作製した。
実施例2では無機粉末の分量を増加させた以外は実施例1と同様である。基油のコポリマーと熱伝導性充填剤の重量百分率は表1に示す通りである。
実施例3では無機粉末の分量を増加させた以外は実施例1と同様である。基油のコポリマーと熱伝導性充填剤の重量百分率は表1に示す通りである。
基油のコポリマーとして不飽和ジカルボン酸ジブチルエステルとα−オレフィンのコポリマー「ケッチェンルブ135 」(アクゾノーベル社製、40℃における粘度:340mm/s)100重量部(16.4重量%)に対して、熱伝導性充填剤として酸化亜鉛(平均粒径0.4 μm)500重量部(82.0重量%)、さらに非イオン性界面活性剤10重量部(1.6重量%)となるようにプラネタリーミキサーに各材料を投入し、室温で1時間撹拌混合し、熱伝導性グリスを作製した。
基油のコポリマーとして不飽和ジカルボン酸ジブチルエステルとα−オレフィンのコポリマー「ケッチェンルブ215 」(アクゾノーベル社製、40℃における粘度:120mm/s)100重量部(16.4重量%)に対して、熱伝導性充填剤として酸化亜鉛(平均粒径0.4 μm)500重量部(82.0重量%)、さらに非イオン性界面活性剤10重量部(1.6重量%)となるようにプラネタリーミキサーに各材料を投入し、室温で1時間撹拌混合し、熱伝導性グリスを作製した。
基油のコポリマーとして不飽和ジカルボン酸ジブチルエステルとα−オレフィンのコポリマー「ケッチェンルブ165 」(アクゾノーベル社製、40℃における粘度:770mm/s)100重量部(16.4重量%)に対して、熱伝導性充填剤として酸化亜鉛(平均粒径0.4 μm)500重量部(82.0重量%)、さらに非イオン性界面活性剤10重量部(1.6重量%)となるようにプラネタリーミキサーに各材料を投入し、室温で1時間撹拌混合し、熱伝導性グリスを作製した。
基油のコポリマーとして、実施例1〜3で使用したものと同一のケッチェンルブ115 を100重量部(47.6重量%)にて、及び、熱伝導性充填剤としては窒化ホウ素(平均粒径0.3 μm)100重量部(47.6重量%)を使用した。さらに非イオン性界面活性剤を10重量部(4.8重量%)にて使用し、基油、熱伝導性充填剤、及び界面活性剤をプラネタリーミキサーに投入し、室温で1時間撹拌混合し、熱伝導性グリスを作製した。
基油のコポリマーとして、実施例1〜3で使用したものと同一のケッチェンルブ115 を100重量部(12.3重量%)にて、及び熱伝導性充填剤として酸化アルミニウム(平均粒径1 μm)700重量部(87.5重量%)を使用した。さらに非イオン性界面活性剤10重量部(1.2重量%)を使用し、基油、熱伝導性充填剤、及び界面活性剤をプラ
ネタリーミキサーに投入し、室温で1時間撹拌混合し、熱伝導性グリスを作製した。
(比較例1)
基油として、液状ポリブテン「LV-50 」(新日本石油製、40℃における粘度:110mm/s)100重量部(16.4重量%)に対して、熱伝導性充填剤として酸化亜鉛(平均粒径0.4 μm)500重量部(82.0重量%)、さらに非イオン性界面活性剤10重量部となるようにプラネタリーミキサーに各材料を投入し、室温で1時間撹拌混合し、熱伝導性グリスを作製した。
(比較例2)
基油として、エチレンアルファオレフィンオリゴマー「HC-20 」(三井化学製、40℃における粘度:155mm/s)100重量部(16.4重量%)に対して、熱伝導性充填剤として酸化亜鉛(平均粒径0.4 μm)500重量部(82.0重量%)、さらに非イオン性界面活性剤10重量部となるようにプラネタリーミキサーに各材料を投入し、室温で1時間撹拌混合し、熱伝導性グリスを作製した。
(比較例3)
基油として、ポリアルファオレフィン「PAO10 」(シェブロンフィリップスケミカル社製、40℃における粘度:65.3mm/s)100重量部(16.4重量%)に対して、熱伝導性充填剤として酸化亜鉛(平均粒径0.4 μm)500重量部(82.0重量
%)、さらに非イオン性界面活性剤10重量部となるようにプラネタリーミキサーに各材料を投入し、室温で1時間撹拌混合し、熱伝導性グリスを作製した。
(比較例4)
基油として、ジフェニルエーテル「LB-100」(松村石油研究所製、40℃における粘度:102mm/s)100重量部(16.4重量%)に対して、熱伝導性充填剤として酸化亜鉛(平均粒径0.4 μm)500重量部(82.0重量%)、さらに非イオン性界面活性剤10重量部(1.6重量%)となるようにプラネタリーミキサーに各材料を投入し、室温で1時間撹拌混合し、熱伝導性グリスを作製した。
(比較例5)
基油として、液状ポリブテン「LV-50 」(新日本石油製、40℃における粘度:110mm/s)100重量部(47.6重量%)に対して、B )無機粉末として窒化ホウ素(平均粒径0.3 μm)100重量部(47.6重量%)、さらに非イオン性界面活性剤10重量部(4.8重量%)となるようにプラネタリーミキサーに各材料を投入し、室温で1時間撹拌混合し、熱伝導性グリスを作製した。
(比較例6)
基油として、エチレンアルファオレフィンオリゴマー「HC-20 」(三井化学製、40℃における粘度:155mm/s)100重量部(47.6重量%)に対して、B )無機粉末として窒化ホウ素(平均粒径0.3 μm)100重量部(47.6重量%)、さらに非イオン性界面活性剤10重量部(4.8重量%)となるようにプラネタリーミキサーに各材料を投入し、室温で1時間撹拌混合し、熱伝導性グリスを作製した。
(比較例7)
基油として、液状ポリブテン「LV-50 」(新日本石油製、40℃における粘度:110mm/s)100重量部(12.3重量%)に対して、B )無機粉末として酸化アルミニウム(平均粒径1 μm)700重量部(87.5重量%)、さらに非イオン性界面活性剤10重量部(1.2重量%)となるようにプラネタリーミキサーに各材料を投入し、室温で1時間撹拌混合し、熱伝導性グリスを作製した。
(比較例8)
基油として、エチレンアルファオレフィンオリゴマー「HC-20 」(三井化学製、40℃における粘度:155mm/s)100重量部(12.3重量%)に対して、B )無機粉末として酸化アルミニウム(平均粒径1 μm)700重量部(87.5重量%)、さらに非イオン性界面活性剤10重量部(1.2重量%)となるようにプラネタリーミキサーに各材料を投入し、室温で1時間撹拌混合し、熱伝導性グリスを作製した。
上記比較例1,4,5,7では、基油としてα−オレフィンを含まないオリゴマーを使用して、熱伝導性充填剤として酸化亜鉛を用いた場合(比較例1,4)、窒化ホウ素を用いた場合(比較例5)、酸化アルミニウムを用いた場合(比較例7)についてそれぞれ熱伝導性グリスを作製した。
比較例2,3,6,8では、基油としてアルファオレフィンを含むオリゴマーであるが、不飽和ジカルボン酸ジブチルエステルとα−オレフィンのコポリマーではないオリゴマーを使用して、熱伝導性充填剤として酸化亜鉛を用いた場合(比較例2,3)、窒化ホウ素を用いた場合(比較例6)、酸化アルミニウムを用いた場合(比較例8)についてそれぞれ熱伝導性グリスを作製した。
実施例1〜8及び比較例1〜8にて得られた熱伝導性グリスの特性を表1,2に示す。熱伝導性グリスの特性評価にあたり、圧縮性、ディスペンス性、及び熱抵抗を指標として用いた。圧縮性は粘度及び1/4 ちょう度(JIS-K2220 )から、ディスペンス性は実際にディスペンスノズル(口径1.6mm)から吐出可能か否かによって、熱抵抗は以下に記載する方法によって測定した。各指標の測定方法をより詳細に記載する。
粘度はブルックフィールド型回転粘度計を用い、室温下で、回転数10rpmにて測定した。ちょう度は、JIS-K2220 に記載されている方法によって測定されたものであり、円錐状のプローブをグリスに侵入させたときの深さによって表される数値である。
熱抵抗は、図1に示すような熱抵抗測定機にて測定した。熱抵抗測定の詳細を以下に示す(ASTM D5470準拠)。試料10を断熱材11上に設置された断面積1cmの銅製ブロック12の上に吐出し、上方の銅製ブロック13で挟み、荷重4kgの重り14を乗せて押しつぶす。充分に押しつぶれた状態での試料厚みを測定した。下方の銅製ブロック12内にはヒーター(発熱量25W)が内蔵されている。上方の銅製ブロック13はファン付きのヒートシンク15に接続されており、放熱を促す。荷重をかけながらヒーターを発熱させ、温度が定常状態になった時点での下方の銅製ブロック12と上方の銅製ブロック13の温度を測定し、式(1)から試料の熱抵抗を求めた。
熱抵抗=(θj1−θj0)/ 発熱量Q (1)
式(1)において、θj1は下方の銅製ブロック12の温度、θj0は上方の銅製ブロック13の温度、発熱量Qは25Wである。
なお、熱抵抗測定時に一定荷重を加えた際の試料厚みからも、熱伝導性グリスの圧縮性を評価することができる。
Figure 0004713161
Figure 0004713161
表中に示された特性をより詳細に説明する。
熱伝導性充填剤として酸化亜鉛を用いた場合である、実施例1〜6と比較例1〜4とを比較する。実施例1〜6では、圧縮性が良好となる粘度及びちょう度を保ちつつ、ディスペンス性が良好であり、熱抵抗が0.15℃/W以下と熱伝導性に優れた熱伝導性グリスが得られた。ここで、圧縮性の良好となる粘度は、一般には約50〜350Pa・s程度であるが、必ずしも粘度がこの範囲にあればよいというものではなく、材料によって同粘度でも圧縮性が異なる場合はある。基油の粘度が770mm2/sであった実施例6ではグリスの粘度が他の実施例よりも高いため、基油の粘度は112 〜770mm2/sであることが好適である
が、112 〜340mm2/sの範囲がより好適であることが判明した。一方、比較例1〜4で得られたグリスは、ディスペンス性は良好であったが、熱抵抗測定時の荷重が加えられても試料10の厚みは実施例の場合よりも厚く、充分に圧縮されないことから、圧縮性に乏しいことが判明した。さらに、熱抵抗が0.22℃/W以上となり、実施例1〜6に比べて熱伝導性に劣っていた。
次に熱伝導性充填剤として窒化ホウ素を用いた場合である、実施例7と比較例5,6とを比較する。実施例、比較例ともにディスペンス性が良好であったが、比較例5,6では熱抵抗測定時の荷重を加えた状態での圧縮性が実施例7に比べて劣り、その結果、グリスの熱抵抗も比較例の方が高かったのに対し、実施例では熱抵抗が0.20℃/W以下の優れた熱伝導性グリスが得られた。
次に熱伝導性充填剤として酸化アルミニウムを使用する場合である、実施例8と比較例7,8を比較する。実施例8では良好であったディスペンス性が、比較例8では悪かった。また、いずれの比較例でも熱抵抗測定時の荷重を加えた状態での圧縮性が実施例8よりも乏しく、その結果、熱抵抗がより高かった。また、比較例8ではグリスの粘度も際立って高かった。
熱抵抗測定機の概略を示す側面図。
符号の説明
10…試料、11…断熱材、12,13…銅製ブロック、14…重り、15…ヒートシンク。

Claims (9)

  1. 電子部品の発熱部と冷却部品の間に充填または塗布されることによって電子部品の発熱を冷却部品へ伝達する熱伝導性グリスであって、
    A )不飽和ジカルボン酸ジブチルエステルとα−オレフィンとのコポリマーからなり、40℃における粘度が112〜770mm/sである基油と、B )前記基油中に、充填された熱伝導性充填剤とを含有する熱伝導性グリス。
  2. 回転粘度計を用い、室温下、回転数10rpmの条件で測定される前記熱伝導性グリスの粘度が82〜331Pa・sの範囲にある請求項1に記載の熱伝導性グリス。
  3. JIS−K2220に記載の方法によって測定される1/4ちょう度が62〜92の範囲にある請求項1又は2に記載の熱伝導性グリス。
  4. ASTM D5470準拠の熱抵抗測定機において、荷重4kgの重りを載せて、断面積1cm の銅製ブロック上の熱伝導性グリスを押しつぶしたとき、厚みが10〜20μmとなる圧縮性を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱伝導性グリス。
  5. 前記コポリマーの40℃における粘度が112〜340mm/sであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の熱伝導性グリス。
  6. 前記熱伝導性充填剤は、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、窒化ホウ素のうちの少なくとも一種以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱伝導性グリス。
  7. 前記熱伝導性充填剤は酸化亜鉛であり、同熱伝導性充填剤は82〜87.5重量%の割合で充填されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の熱伝導性グリス。
  8. 前記熱伝導性充填剤は窒化ホウ素であり、同熱伝導性充填剤は47.6重量%の割合で充填されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の熱伝導性グリス。
  9. 前記熱伝導性充填剤は酸化アルミニウムであり、同熱伝導性充填剤は87.5重量%の割合で充填されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の熱伝導性グリス。
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