JP4712829B2 - シミュレーション装置、シミュレーション方法、シミュレーションプログラム及び記録媒体 - Google Patents

シミュレーション装置、シミュレーション方法、シミュレーションプログラム及び記録媒体 Download PDF

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本発明は、シミュレーションシステムに関し、さらに詳しくは、マルチエージェントモデルを用いて企業の人事システムのモデル化を行なうシミュレーションシステムとシミュレーション方法に関するものである。
近年、知識社会化、高スピード化、グローバリゼーション等の進展により、企業経営をとりまく環境の不透明性や不確実性が高まっている。そのような中、企業が永続的に成長していくためには、人材が価値の源泉となることは明らかである。従って、成長に向けた人材投資が極めて重要となる。そのためには、各組織、個人が持つ知識、技術の相乗効果により、更に高い付加価値を提供できる仕組みづくりが必要である。
しかしながら、低成長環境下の現在では、労働分配率を上げることなく、社員全員の期待に応えることは難しく、人事制度のあり方や昇進・昇格あるいは降格、更には、入社・退社率等によっても、賃金分配結果が大きく変わることが予想される。そのような環境下で、企業が持続成長を可能とするために、どのような人事システムが有効かを示すシナリオを提示して、経営者の意思決定を支援するツールの実現が望まれているが、これについての研究、開発はあまり成されていなかった。
従来技術として、特許文献1には、処理装置内にシミュレーション条件を入力する手段、経営シミュレーション手段等を備え、記憶装置内にこれらの手段を実行するための計算順序、計算式、既計算数値等を提供する複数のモジュールを備え、各手段とモジュールが協働してシミュレーションを実行する経営意思決定支援システムについて開示されている。
特開2001−125962公報
しかしながら、一般的には単年度だけでの測定や平均モデル等を用いてシミュレーションが行われていることが多いが、企業業績、人事制度間での影響が相互に発生するため、単純な平均等を利用したモデルでは業績変動による賃金の伸び悩みや、年齢構成による賃金バランスの偏り等の賃金のあり方に関わる将来のリスクを予見できない。
また、特許文献1に開示されている従来技術は、シミュレーション結果として財務諸表等に数値を一覧した表が出力され、その表に表示された数値に基づいて企業診断及び経営の意思決定を行なう必要がある。そのため、診断に専門的な判断能力や知識を必要とするため、意思決定までに多くの時間を要するといった問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、個々の社員に着目したデータ構造上で、将来起こりうる経営上の変化、制度変更等をサブモジュールとして用意し、シミュレーションを実行することで、個別の構成員モデル結果データの積み重ね、全体の状況、変化を把握し、企業・組織診断と意思決定の迅速化を可能としたシミュレーションシステムを提供することを目的とする。
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1の発明は、複数の構成員を含む組織体のモデル化を行い、該モデルに対して各種シナリオ分析を行うシミュレーション装置であって、外部から入力された、各構成員をモデル化したエージェント群を定義するための、構成員個人の少なくとも等級年齢を含む属性情報及び、少なくとも前記組織体の利益及び総人件費との和としての付加価値、前記組織体のモデルに含まれる前記エージェントの数を格納する記憶手段と、前記付加価値の初期値を、所定の率で単調に増加あるいは減少させるか、または周期関数によって周期的に変動させる処理を行う付加価値変動手段と、前記記憶手段から読み出した前記属性情報に基づいてモデル化したエージェントについて、予め設定した前記等級毎の昇降格確率と、各エージェントについてランダムに生成した値と、に基づいて、予め設定した各等級ごとの昇降格人数を満たすまで、各エージェントについて降格処理、又は/及び、昇格処理を行う昇降格シミュレーション、前記付加価値変動手段による前記付加価値の変動に合わせて、変動後の前記付加価値に対する、前記総人件費の割合である労働分配率が一定となるように前記エージェントを増加させる採用シミュレーション、各エージェントの前記属性情報に応じて予め設定された給与額と、該給与額に前記付加価値の変動に基づいて変動させる賞与月数を掛け合わせて算出する賞与額と、からなる各エージェントに係る人件費を算出する人件費決定シミュレーション、過去のデータに基づいて年齢別又は等級別に設定した離職率を用いてランダムにエージェントを離職させる離職シミュレーション、を実行するシミュレーション実行手段と、前記採用シミュレーション及び前記離職シミュレーションによって得られる前記エージェント数に基づく前記組織体の構成員数と、前記昇降格シミュレーションによって得られた各エージェントの等級と、前記構成員数と、に基づく各等級別の構成員数及び等級別の構成割合と、前記人件費決定シミュレーションによって得られた各エージェントに係る人件費と、を出力する出力手段と、を備えたことを特徴とするシミュレーション装置を特徴とする。
マルチエージェントシステムは、複数のエージェント(サブモジュール)から構成されるシステムであり、個々のエージェントやモノリシックなシステムでは困難な課題をシステム全体として達成することができる。本発明では、シミュレーション条件と初期値データを入力して、それらのデータに基づいてサブモジュール実行手段により各サブモジュール(サブルーチン)に係るシミュレーションを実行してシミュレーション結果を可視化して出力することにより、組織体が持続成長可能とするために、どのような人事システムが有効かを示すシナリオを提示すると共に、意思決定を支援する情報を提供することができる。
シミュレーションを実行するときは、各サブモジュールに係る条件を予め設定しておく必要がある。それらの条件はパターンとして入力される。また、必要に応じてシミュレーションの途中でパラメータを変更することも可能である。本発明では、昇降格パターン、採用パターン、付加価値変動パターン、人件費決定・分配パターン、離職パターン、及びシミュレーション年数の少なくとも1つをシミュレーション条件として入力するので、採用戦略、離職率、給与制度、昇格制度等、関連する制度を変更した場合の将来状況を動的に(確率的に)確認することができ、意思決定を支援する情報を提供することができる。また、業績のリスクをシミュレーションに織り込むことで、例えば、最低限80%程度の構成員に、**円以上の賃金を支給するためには、ビジネスとして*円〜**円程度のリスクを許容することができる等、経営の意思決定を支援する情報を提供することができる。
本発明のシミュレーションシステムでは、マルチエージェントモデルとして、昇格又は降格に係るシミュレーションを実行する昇降格サブモジュールと、構成員の採用に係るシミュレーションを実行する採用サブモジュールと、付加価値を変動させてシミュレーションを実行する付加価値変動サブモジュールと、人件費の決定、分配に係るシミュレーションを実行する人件費決定・分配サブモジュールと、構成員の離職に係るシミュレーションを実行する離職サブモジュールと、を備え、各サブモジュールは入力されたシミュレーション条件と初期値データに基づき実行し、且つ所定のルールに従ってシミュレーションが実行される。これにより、組織体の構成員に係る人事システムのモデル化を迅速に実行することができる。
組織体の業種や業績、或いは社会環境により採用パターンを決める場合が多い。例えば、業績が順調で社会環境が良いほうに向いている場合、毎年、採用人員を増加させる単調増加パターンでもよい。しかし、業績が停滞又は下降した場合は、付加価値の増加に合わせて労働分配率が一定となるように構成員を採用するほうが良い場合もある。そこで本発明では、これらのパターンを組織体の業種や業績、或いは社会環境により選択可能とした。これにより、組織体の業績により臨機応変に採用パターンを選択することができる。
人件費は大きく分けて、給与と賞与に分けることができる。給与については各組織体ごとに異なる給与制度が存在する。また、賞与については、大きく分けて成果に連動して変化する成果連動方式と、成果に関係なく予め決定しておく固定方式がある。本発明では、給与については各組織体の給与制度に従い設定し、賞与については、成果連動方式と固定方式を選択可能とした。これにより、各組織体に最適な人件費を決定して、それを適正に分配することができる。
付加価値は売上高から外部への支払額を引いた、所謂、利益と人件費の和として表される。従って、付加価値は内部条件及び外部条件の変動により大きく左右される。この付加価値の変動パターンとして、単純に増加する単純上昇パターンと、周期的に変動する周期変動パターンと、業績が下降する下降パターンがある。そこで本発明では、これらのパターンをシミュレーションを行なう対象組織体、目的にあわせてパラメータを設定する。これにより、付加価値の変動パターンを組織体の状況に応じて臨機応変に選択することができる。
本発明では、離職パターンを年齢別と等級別に設定した離職率を用いて離職させる。どちらの離職パターンを選択するかは、組織体が任意に選択することができる。これにより、離職する構成員に応じて最適な離職パターンを選択することができる。
請求項2は、前記シミュレーション実行手段によって実行される前記各シミュレーションの一周期を前記組織体活動の単位期間と見做し、前記シミュレーション実行手段は、予め設定されたシミュレーション期間に到達するまで前記各シミュレーションを繰り返して実行することを特徴とする。
シミュレーション条件や初期値データは、基本的に1年周期で更新される。従って、シミュレーションを実行したときの1ステップは、当然組織体活動の1年に相当する。これにより、長期に亘るシミュレーションを短時間で実行することができる。
請求項2は、前記シミュレーション実行手段によって実行される前記各シミュレーションの一周期を前記組織体の活動の単位期間と見做し、前記シミュレーション実行手段は、予め設定されたシミュレーション期間に到達するまで前記各シミュレーションを繰り返して実行するシミュレーション装置を特徴とする。
請求項3は、前記シミュレーション実行手段は、前記昇降格シミュレーションにおいて、各エージェントについてランダムに生成した値が当該エージェントに係る等級の降格確率以下である場合に、該エージェントを降格処理することを特徴とする。
請求項4は、前記シミュレーション実行手段は、前記昇降格シミュレーションにおいて、前記昇格人数に相当する数のエージェントをランダムに下位等級より昇格させることを特徴とする。
請求項5は、前記シミュレーション実行手段は、前記人件費決定シミュレーションにおいて、前記労働分配率とから求められる前記総人件費から、全てのエージェントについての給与の総和を引いた値と、前記給与の総和との割合から得られる賞与月数に、前記給与を掛けあわせることによって前記賞与を算出する請求項1に記載のシミュレーション装置を特徴とする
上記請求項3、4、5は、企業毎の業務内容によって異なる組織化の度合いをモデル化するために、比率で部門数を表す。例えば、単純で大規模な作業を行うような企業では100人程度の作業者に対し管理者1人というところもあれば、2〜3人に1人が係長という場合もある。これは業種・業態によって異なり、基本的に階層の幅が増えていく(深さは業務内容が変化しない限り変わらない)ということで、このような設定方法とした。また、ランダムとして設定しているのは、結果的に年収や昇格の状況等の幅等を確率的に見るためである。シミュレーションを行う際には、内容にもよるが、同じ100年程度のシミュレーションを、それぞれ100回程度繰り返し行い、制度の仕組み的にどのような挙動を示すかをチェックしている。
請求項6は、外部から入力された、各構成員をモデル化したエージェント群を定義するための、構成員個人の少なくとも等級、年齢を含む属性情報及び、少なくとも前記組織体の利益及び総人件費の和である付加価値と、前記組織体のモデルに含まれる前記エージェントの数と、を格納する記憶手段を備え、複数の構成員を含む組織体のモデル化を行い、該モデルに対して各種シナリオ分析を行うシミュレーション装置におけるシミュレーション方法であって、前記シミュレーション装置が有する付加価値変動手段が、前記付加価値の初期値に対して、所定の率で単調に増加あるいは減少させるか、または周期関数によって周期的に変動させる処理を行うステップと、前記記憶手段から読み出した前記属性情報に基づいてモデル化したエージェントについて、前記シミュレーション装置が有する前記シミュレーション実行手段が、予め設定した前記等級毎の昇降格確率と、各エージェントについてランダムに生成した値と、に基づいて、予め設定した各等級ごとの昇降格人数を満たすまで、各エージェントについて降格処理、又は/及び、昇格処理を行う昇降格シミュレーション、前記付加価値変動手段による前記付加価値の変動に合わせて、変動後の前記付加価値に対する、前記総人件費の割合である労働分配率が一定となるように前記エージェントを増加させる採用シミュレーション、各エージェントの前記属性情報に応じて予め設定された給与額と、該給与額に前記付加価値の変動に基づいて変動させる賞与月数を掛け合わせて算出する賞与額と、からなる各エージェントに係る人件費を算出する人件費決定シミュレーション、過去のデータに基づいて年齢別又は等級別に設定した離職率を用いてランダムにエージェントを離職させる離職シミュレーション、を実行するステップと、前記シミュレーション装置が有する出力手段が、前記採用シミュレーション及び前記離職シミュレーションによって得られる前記エージェント数に基づく前記組織体の構成員数と、前記昇降格シミュレーションによって得られた各エージェントの等級と、前記構成員数と、に基づく各等級別の構成員数及び等級別の構成割合と、前記人件費決定シミュレーションによって得られた各エージェントに係る人件費と、を出力するステップと、を有するシミュレーション方法を特徴とする。
また、請求項7の発明は、請求項6に記載のシミュレーション方法を、コンピュータに実行させるためのシミュレーションプログラムを特徴とする。
また、請求項8の発明は、請求項7に記載のプログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体を特徴とする。
本発明によれば、シミュレーション条件と初期値データを入力して、それらのデータに基づいてサブモジュール実行手段により各サブモジュール(サブルーチン)に係るシミュレーションを実行してシミュレーション結果を可視化して出力することにより、組織体が持続成長可能とするために、どのような人事システムが有効かを示すシナリオを提示すると共に、意思決定を支援する情報を提供することができる。
また、昇降格パターン、採用パターン、付加価値変動パターン、人件費決定・分配パターン、離職パターン、及びシミュレーション年数の少なくとも1つをシミュレーション条件として入力するので、採用戦略、離職率、給与制度、昇格制度等、関連する制度を変更した場合の将来状況を動的に(確率的に)確認することができ、意思決定を支援する情報を提供することができる。また、業績のリスクをシミュレーションに織り込むことで、例えば、最低限80%程度の構成員に、**円以上の賃金を支給するためには、ビジネスとして*円〜**円程度のリスクを許容することができる等、経営の意思決定を支援する情報を提供することができる。
また、各サブモジュールは入力されたシミュレーション条件と初期値データに基づき、且つ所定のルールに従ってシミュレーションが実行されるので、組織体の構成員に係る人事システムのモデル化を迅速に実行することができる。
また、年功序列により昇格が行われる組織体に係る人事システムにも適用することができ、成果主義と年功制度の二つのフレームを用意することによってほとんどの人事制度に対応することができる。
また、本発明では、実績より査定点の分布確率モデルを作成し、ランダムで個人別の査定(号俸の伸び率)を決定する。そのとき、等級と号俸によりマトリックスを組んで作成した給与テーブルの号俸を引き上げたときに号俸の上限に達している場合は、更に等級を引き上げるので、査定の公平性が維持できると共に、査定と給与テーブルとの関連性を密にすることができる。
また、採用パターンを組織体の業種や業績、或いは社会環境により選択可能としたので、組織体の業績により臨機応変に採用パターンを選択することができる。
また、付加価値の変動パターンをシミュレーションを行なう対象組織体、目的にあわせてパラメータを設定するので、付加価値の変動パターンを組織体の状況に応じて臨機応変に選択することができる。
また、給与については各組織体の給与制度に従い設定し、賞与については、成果連動方式と固定方式を選択可能としたので、様々なパターンを選択してシミュレーションを行うことで、人件費、人件費分配に関しての意思決定を支援することができる。
また、本発明では、離職パターンを年齢別と等級別に設定した離職率を用いて離職させる。どちらの離職パターンを選択するかは、組織体が任意に選択することができるので、離職する構成員に応じて最適な離職パターンを選択することができる。
また、シミュレーション条件や初期値データは、基本的に1年周期で更新される。従って、シミュレーションを実行したときの1ステップは、当然組織体活動の1年に相当するので、長期に亘るシミュレーションを短時間で実行することができる。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の実施形態に係るシミュレーションモデルの概念を説明する概念図である。本実施形態では、個々の社員の昇格・年収の状況について分析を行うため、マルチエージェントモデルを用いて会社の人事システムのモデル化を行った。会社モデル10では、各社員9を社員エージェント3としてモデル化し、付加価値1、人件費2、採用4、離職5、及び昇降格6を夫々サブモジュールとしてシミュレーションを実行した。シミュレーション中での1ステップを企業活動の1年として、採用(新卒・中途)、離職、昇降格、付加価値の変動、人件費決定・分配、シミュレーション年数をシミュレーション条件7として入力した。そして会社モデル10からのシミュレーション結果8として、人員数、年収、人員構成、労働分配率として出力する。
即ち、シミュレーション条件や初期値データは、基本的に1年周期で更新される。従って、シミュレーションを実行したときの1ステップは、当然企業活動の1年に相当する。これにより、長期に亘るシミュレーションを短時間で実行することができる。
図2は本発明の実施形態に係るシミュレーションシステムの各機能を示す機能ブロック図である。このシミュレーションシステム100は、マルチエージェントモデルを用いて会社(組織体)の社員(構成員)に係る人事システムのモデル化を行なうシミュレーションシステム100であって、シミュレーションを実行する上での条件を入力するシミュレーション条件入力手段20と、社員個人及び業績に係る初期値データ、シミュレーションの途中経過及びシミュレーション結果を格納するデータベース(DB)24と、データベース24に格納されている初期値データを読み込む初期値データ読込手段21と、各アイテムごとに設けたサブモジュールに係るシミュレーションを実行するサブモジュール実行手段22と、サブモジュール実行手段22により実行されたシミュレーション結果を出力する出力手段23と、各手段を制御する制御手段25と、を備え、制御手段25は、シミュレーション条件入力手段20により入力された条件及び初期値データ読込手段21により読み込まれた各初期値データに基づいて、サブモジュールの処理パターンを切り替えて各アイテムごとのサブモジュールに係るシミュレーションを実行し、シミュレーションの結果を可視化して出力手段23により出力する。
尚、サブモジュール実行手段22は、所定のモデルに従って昇格又は降格に係るシミュレーションを実行する昇降格サブモジュール22aと、所定のルールに従って社員の採用に係るシミュレーションを実行する採用サブモジュール22bと、所定のルールに従って付加価値を変動させてシミュレーションを実行する付加価値変動サブモジュール22cと、各企業ごとに異なる人事制度に応じた個別モデルを作成して人件費の決定、分配に係るシミュレーションを実行する人件費決定・分配サブモジュール22dと、所定のルールに従って社員の離職に係るシミュレーションを実行する離職サブモジュール22eと、を少なくとも備えている。図2ではサブモジュールをSMと標記している。
また、シミュレーション条件入力手段20は、過去の昇降格実績データを元に等級ごとに昇降格確率を設定する昇降格パターンと、過去の採用実績データを元に新卒採用、中途採用の採用比率を設定する採用パターンと、初年度の付加価値に対して複数の成長パターンを設定する付加価値変動パターンと、業績連動方式又は固定方式の賃金制度をモデルとする人件費決定・分配パターンと、過去の離職率データを元に複数のパターンを設定する離職パターンと、どの年度までシミュレーションを実行するかを設定するシミュレーション年数と、をシミュレーション条件として入力する。
即ち、マルチエージェントシステムは、複数のエージェント(サブモジュール22)から構成されるシステムであり、個々のエージェントやモノリシックなシステムでは困難な課題をシステム全体として達成することができる。本実施形態では、シミュレーション条件入力手段20からシミュレーション条件を入力し、初期値データ読込手段21から初期値データを入力して、それらのデータに基づいてサブモジュール実行手段22により各サブモジュール22a〜22e(サブルーチン)に係るシミュレーションを実行することにより、シミュレーション結果を可視化して出力手段23より出力する。これにより、会社が持続成長可能とするために、どのような人事システムが有効かを示すシナリオを提示すると共に、意思決定を支援する情報を提供することができる。
尚、シミュレーションを実行するときは、各サブモジュールに係る条件を予め設定しておく必要がある。それらの条件はパターンとして入力される。本実施形態では、シミュレーションを実行するときは、各サブモジュールに係る条件を予め設定しておく必要がある。それらの条件はパターンとして入力される。本発明では、昇降格パターン、採用パターン、付加価値変動パターン、人件費決定・分配パターン、離職パターン、及びシミュレーション年数の少なくとも1つをシミュレーション条件として入力するので、採用戦略、離職率、給与制度、昇格制度等、関連する制度を変更した場合の将来状況を動的に(確率的に)確認することができ、意思決定を支援する情報を提供することができる。また、業績のリスクをシミュレーションに織り込むことで、例えば、最低限80%程度の構成員に、**円以上の賃金を支給するためには、ビジネスとして*円〜**円程度のリスクを許容することができる等、経営の意思決定を支援する情報を提供することができる。
また、本実施形態のシミュレーションシステム100では、マルチエージェントモデルとして、昇格又は降格に係るシミュレーションを実行する昇降格サブモジュール22aと、社員の採用に係るシミュレーションを実行する採用サブモジュール22bと、付加価値を変動させてシミュレーションを実行する付加価値変動サブモジュール22cと、人件費の決定、分配に係るシミュレーションを実行する人件費決定・分配サブモジュール22dと、社員の離職に係るシミュレーションを実行する離職サブモジュール22eと、を備え、各サブモジュールは入力されたシミュレーション条件と初期値データに基づき実行し、且つ所定のルールに従ってシミュレーションが実行される。これにより、会社の社員に係る人事システムのモデル化を迅速に実行することができる。
図3は本発明のシミュレーションシステム全体の動作を説明するフローチャートである。図2を参照して説明する。
シミュレーション条件入力手段20から図2で説明した各シミュレーション条件を入力する(S1)。次に初期値データ読込手段21により、データベース24に格納されている年齢、等級、評価等の社員初期値データや付加価値といった業績初期値データを読み込む(S2)。次に全社員に対して(S3)、昇降格サブモジュールのシミュレーションを実行し(S4)、採用サブモジュールのシミュレーションを実行し(S5)、付加価値変動サブモジュールのシミュレーションを実行し(S6)、人件費決定・分配サブモジュールのシミュレーションを実行し(S7)、離職サブモジュールのシミュレーションを実行する(S8)。これらのサブモジュールのシミュレーションを実行することにより、一人の社員の1年間のシミュレーション結果が出力手段23からファイル、グラフとして出力され(S9)、ディスプレイに結果が表示される(S10)。ここで、シミュレーション条件入力手段20で設定したシミュレーション年数に達していない場合は(S11でNO)、ステップS3に戻って次の社員のシミュレーションを実行する。尚、ステップS3では、同じ社員についてシミュレーション年数に達するまでシミュレーションを継続して実行しても構わない。
次に、各サブモジュールについて詳細を説明する。
図4は本発明に係る昇降格サブモジュール22aの全体動作を説明するフローチャートである。まず、実績より組織規模対部門数の比率を算出しておき、部門数を設定する(S20)。次に、実績より組織規模対役員数の比率を算出しておき、役員数を設定する(S21)。次に、実績より組織規模対部長数の比率を算出しておき、部長数を設定する(S22)。次に、実績より部門数対係長数の比率を算出しておき、係長数を設定する(S23)。その後、後述する降格処理(S24)、昇格処理(S25)のシミュレーションを実行する。
即ち、昇降格を行う場合は、実績により組織規模、部門数の比率を算出しておき部門数を設定する。また、各役職ごとに昇降格人数の比率を算出しておき人数を設定する。
図5は図4のステップS24に係る降格処理の動作を説明するフローチャートである。まず、全社員に対して(S36)乱数で生成した値が、自分の所属する等級の降格確率以下であるか否かを検証する(S37)。もし降格確率以下であれば(S37でYES)等級を下げる(S38)。一方、ステップ37で降格確率以下でなければ(S37でNO)等級を下げずに終了する。そして、この処理をシミュレーション年数に達するまで継続する(S39)。
図6は図4のステップS25に係る昇格処理の動作を説明するフローチャートである。図4のステップS20〜S23により昇格人数を予め決定しておく(S30)。次に全社員に対して(S31)、ステップS30で決定した昇格人数分を下位等級より昇格させるため、乱数を発生させて、その乱数に該当する場合は(S32でYES)その社員の等級を上げる(S33)。乱数に該当しない場合(S32でNO)は等級はそのままとする。
上記図4〜6は、企業毎の業務内容によって異なる組織化の度合いをモデル化するために、比率で部門数を表す。例えば、単純で大規模な作業を行うような企業では100人程度の作業者に対し管理者1人というところもあれば、2〜3人に1人が係長という場合もある。これは業種・業態によって異なり、基本的に階層の幅が増えていく(深さは業務内容が変化しない限り変わらない)ということで、このような設定方法とした。また、ランダムとして設定しているのは、結果的に年収や昇格の状況等の幅等を確率的に見るためである。シミュレーションを行う際には、内容にもよるが、同じ100年程度のシミュレーションを、それぞれ100回程度繰り返し行い、制度の仕組み的にどのような挙動を示すかをチェックしている。
尚、年功的選抜モデルの場合は、ステップS32で等級をあげる場合、乱数ではなく、昇格人数分を年齢の高い順に下位等級より昇格させる。即ち、企業の人事制度に応じて昇格させる場合、年功序列により昇格が行われる場合もある。このような場合は、年功的選抜モデルを備え、昇格人数分を年齢の高い順に下位等級より昇格させる。これにより、年功序列により昇格が行われる企業に係る人事システムにも適用することができる。
図7は図4のステップS25に係る昇格処理の中で年功序列モデルについて説明するフローチャートである。先ず、対象となる社員の実績により査定点の分布確率モデルを作成し、個人別の査定をランダムに決定する(S41)。ここで分布確率モデルとして、査定(例えば、0〜4)に対する伸び率(0、1、1、2、3)をテーブル化しておく。決定された査定に応じた伸び率を給与テーブルに当てはめて号俸を引き上げる(S42)。その結果、給与テーブル上で号俸の上限に達している場合に(S43でYES)、更に等級を引き上げる(S44)。このシミュレーションをシミュレーション年数に達するまで繰り返す(S45)。
即ち、このモデルでは、実績より査定点の分布確率モデルを作成し、ランダムで個人別の査定(号俸の伸び率)を決定する。そのとき、等級と号俸によりマトリックスを組んで作成した給与テーブルの号俸を引き上げたときに号俸の上限に達している場合は、更に等級を引き上げる。これにより、査定の公平性が維持できると共に、査定と給与テーブルとの関連性を密にすることができる。
また、図2に示す採用サブモジュール22bは、過去の実績値より新卒採用率、中途採用率を算出して社員の伸びを設定する単調増加パターンと、付加価値の増加に合わせて労働分配率が一定となるように社員を採用する付加価値連動パターンと、を備え、単調増加パターン又は付加価値連動パターンの何れか一方のルールに基づいて社員を採用する。即ち、会社の業種や業績、或いは社会環境により採用パターンを決める場合が多い。例えば、業績が順調で社会環境が良いほうに向いている場合、毎年、採用人員を増加させる単調増加パターンでもよい。しかし、業績が停滞又は下降した場合は、付加価値の増加に合わせて労働分配率が一定となるように社員を採用するほうが良い場合もある。そこで本実施形態では、これらのパターンを会社の業種や業績、或いは社会環境により選択可能とした。これにより、会社の業績により臨機応変に採用パターンを選択することができる。
また、図2に示す付加価値変動サブモジュール22cは、前年度付加価値に対して単純に複利増加するように設定する単純上昇パターンと、周期関数により周期的に業績に変動を与える周期変動パターンと、単純上昇パターンとは逆に設定した率で業績が下降するように設定する下降パターンと、を備え、単純上昇パターン、又は周期変動パターン、又は下降パターンの何れか一つのルールに基づいて付加価値を変動させる。即ち、付加価値は売上高から外部への支払額を引いた、所謂、利益と人件費の和として表される。従って、付加価値は内部条件及び外部条件の変動により大きく左右される。この付加価値の変動パターンとして、単純に増加する単純上昇パターンと、周期的に変動する周期変動パターンと、業績が下降する下降パターンがある。そこで本実施形態では、これらのパターンをシミュレーションを行なう対象企業、目的にあわせてパラメータを設定する。これにより、付加価値の変動パターンを企業の状況に応じて臨機応変に選択することができる。
また、図2に示す人件費決定・分配サブモジュール22dは、サブモジュールを構成する給与については、各組織体ごとに異なる給与制度のモデルに基づいて算定し、賞与については、成果に連動して変化する成果連動方式、又は予め設定した賞与月数に個人別の基礎給与を掛けて賞与額とする固定方式に基づいて算定する。即ち、人件費は大きく分けて、給与と賞与に分けることができる。給与については各企業ごとに異なる給与制度が存在する。また、賞与については、大きく分けて成果に連動して変化する成果連動方式と、成果に関係なく予め決定しておく固定方式がある。本発明では、給与については各企業の給与制度に従い設定し、賞与については、成果連動方式と固定方式を選択可能とした。これにより、各企業に最適な人件費を決定して、それを適正に分配することができる。
図8は本発明に係る成果連動方式の動作を説明するフローチャートである。まず、各企業の人件費総額を決定する(S50)。次に、等級、号俸、年齢等によって決まる基礎給与の12ヶ月分を全社員分合算して既払い給与総額とする(S51)。次に、賞与月数を設定するために、賞与月数=(人件費総額−既払い給与)/基礎給与合計の式から計算する(S52)。そして、全社員について繰り返し処理を行う(S53)。その結果、個人別賞与額が、賞与額=基礎給与×賞与月数から導かれる(S54)。この処理をシミュレーション年数に達するまで繰り返す(S55)。
また、図2の離職サブモジュール22eは、過去の実績を元に年齢別に設定した離職率を用いてランダムに社員を離職させる年齢別離職率パターンと、過去の実績を元に等級別に設定した離職率を用いてランダムに社員を離職させる等級別離職率パターンと、を備え、年齢別離職率パターン又は等級別離職率パターンの何れか一方のルールに基づいて社員を離職させる。即ち、本実施形態では、離職パターンを年齢別と等級別に設定した離職率を用いて離職させる。どちらの離職パターンを選択するかは、企業が任意に選択することができる。これにより、離職する社員に応じて最適な離職パターンを選択することができる。
本発明は、上述した実施形態のみに限定されたものではない。上述した実施形態のシミュレーションシステムを構成する各機能をそれぞれプログラム化し、あらかじめCD−ROM等の記録媒体に書き込んでおき、コンピュータに搭載したCD−ROMドライブのような媒体駆動装置にこのCD−ROM等を装着して、これらのプログラムをコンピュータのメモリあるいは記憶装置に格納し、それを実行することによって、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体も本発明を構成することになる。尚、プログラムを格納する記録媒体としては半導体媒体(例えば、ROM、不揮発性メモリカード等)、光媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD等)、磁気媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等のいずれであってもよい。
また、ロードしたプログラムを実行することにより上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と協働して処理することによって上述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等を介して接続されたサーバコンピュータの記憶装置にプログラムを格納しておき、インターネット等を通じて他のコンピュータに転送することもできる。この場合、このサーバコンピュータの記憶装置も本発明の記録媒体に含まれる。
なお、コンピュータでは、可搬型の記録媒体上のプログラム、または転送されてくるプログラムを、コンピュータに接続した記録媒体にインストールし、そのインストールされたプログラムを実行することによって上述した実施形態の機能が実現される。
図9は昇降格制度のキャリアツリーを表し、年功序列的な制度、階層構造を表した図である。上段横軸は役職を表し、右側に行くほど昇格することを表している。また、四角に囲まれた数字は入社からの年数と昇格した人数を表す。例えば、「6/8」の場合は、入社から6年目に8人昇格したことを表す。また、四角に囲まれた数字から出ている矢印の下の数字は離職率を表す。例えば、「.13」は次の等級に上がる前に13%の人が離職したことを表している。ここで、入社から退職までの軌跡(a〜j)について一人の社員の場合について説明する。入社したときは14名が入社し、次の等級に上がる前に、29%の人が離職した(a)。残った人の中から6年目で8名が役職Aとなり、次の等級に上がる前に13%の人が離職した(b)。更に、11年目で3名が役職Bとなり次の等級に上がる前に33%の人が離職した(c)。更に、14年目で2名が役職Dとなり次の等級に上がる前に50%の人が離職した(d)。更に、21年目で1名が役職Eとなり(e)、更に、24年目で1名が役職Fとなり(f)、更に、26年目で1名が役職Gとなり(g)、その後、年齢により役職定年となり27年目で1名が役職Fとなり(h)、更に、29年目で1名が役職Dとなり(i)、更に、30年目で1名が役職Cとなった(j)。
このように、このキャリアツリーにより、入社から退職までの軌跡が予測できる。また、各役職ごとの滞留率が一目で確認できるため、人事の改善点に対するシナリオを示すことができる。
図10は昇降格制度のキャリアツリーを表し、成果主義の人材登用を行なった場合の図である。この図から明らかなように、ダイナミックな昇格、異動が行なわれ、役職の低年齢化による抜擢人事が実行されているのがわかる。即ち、役職Eでは最も早い人で入社から9年目で昇格している。また、最も遅い人でも入社から17年目で到達している。更に、役職Gには入社から15年で到達しており、図9の場合に比べて10年以上も早いことがわかる。
図11は付加価値連動の人件費決定方法をグラフ化した図である。横軸に給与基礎給に対する付加価値の指数を示し、縦軸に給与基礎給に対する人件費の指数を示す。この図からわかるとおり、付加価値が大きくなると共に人件費が上昇している。
以下に、本発明に係るシミュレーションシステム100によりシミュレーションした結果の一例を図示する。
先ず、実験概要として実際の企業の制度、パラメータを設定したモデルを用い、生涯年収の分散、格差を調査する。対象としては、社員(役員、嘱託を除く)年齢、等級については2007年度期初の人員データを基にモデル化を行った。また、100年間のシミュレーションを各パラメータ毎に10回試行、1〜10stepの間に入社したエージェントの中から、入社時年齢30歳以下(第2新卒相当)、70歳まで在籍したエージェントを対象に生涯年収を比較した。その時のパラメータとして、付加価値伸び率:5%、10%、15%、離職率:PBO計算を元にした年齢別の離職率モデルを元に下記の2パターンを設定した。
(A)3年間の年齢別離職率の移動平均モデル(22−60歳平均6%)
(B)Aより各年齢ごとに離職率を2%減としたモデル(22−60歳平均4%)
次に昇降格モデルによる実験のモデルルールについて説明する。
採用モデルは、過去2年のデータを元に、初年度人員に対し、新卒採用:4%、中途採用:4%の率で採用を行うものとした。また、新卒採用時年齢は22歳から27歳まで、ランダムで決定するものとした。また、中途採用時年齢は、平均33歳、誤差5歳として決定した。
昇降格モデルについて、人員構成、役割等級は、A、B、C、D、E、Fの6等級としてモデル化を行った。また、現在の社員のデータを基に役割等級初期値を与えた。また、昇格条件としては、E:全社員数の3.3%をE等級人数とし、不足人数をDからランダムで昇格させる。部門長: 全社員数/31.2を部門数とし、同数のE orDが存在するように不足人数分をCからランダムで昇格させる。C:部門数*5.0人をC人数とし、不足人数をBからランダムで昇格させる。B:図20に示す昇降格確率に基づき、Aから毎年ランダムで昇格させる。前記ランダムの抽選は年齢の高い順に行い、予定人数を満たした時点で終了する。
年収モデルについては、現行の人件費・年収算定式を元に、調整した下記式で算定した。
人件費=付加価値*0.4+8.0*基礎給合計
この人件費を等級別の基礎給比率で分配し、法定福利費を引いたものを年収とした。
離職モデルとしては、PBO計算を元にした年齢別の離職率モデルを用い、各ステップ毎に各エージェントの年齢に基づいて離職を判定する。実験では(A)3年間の年齢別離職率の移動平均モデル(平均6%)、(B)Aより各年齢ごとに2%減と設定したモデルを用いた。また、60歳でF職に、70歳で退職するモデルとした。
図12は生涯所得の分布(実績離職率モデル)を示す図であり、図13は生涯所得の分布(離職率低減モデル)を示す図である。生涯所得を現時点の平均年収を元に算出したモデル生涯賃金を100とした生涯年収指数として表示している。離職率低減モデルと実績離職率モデルとを比較すると、離職率低減モデルでは生涯年収が相対的に低くなっていることがわかる。これは、低い離職率により人員が増加し、相対的に見て一人当たりの付加価値が減少するためである。また、分散も低くなっているが、これは実績モデルと比べて離職率が低く、人員の流動性が低いためである。組織規模が大きくなると役職ポストも増加する設定となっているが、流動性が低いためポストの空きが出にくく、1つのポストへの滞留期間が長くなることが要因である。
図14は付加価値伸び率別生涯年収伸び率の分布(離職率5%の場合)を示す図である。横軸に年収伸び率平均を示し、縦軸に人数を示す。また、グラフのAは付加価値伸び率5%、グラフのBは付加価値伸び率10%、グラフのCは付加価値伸び率15%の場合である。この図からわかるとおり、付加価値伸び率が大きいほど年収伸び率の平均は大きくなり、且つ付加価値伸び率が15%になると、年収伸び率の平均の分散が大きくなるのがわかる。
図15は付加価値伸び率毎年収上昇率生涯平均の分布(離職率7.2%の場合)を示す図である。離職率が上昇すると滞留率が減少するために、年収上昇率の分散が大きくなるのがわかる。
図16は付加価値対人件費感度(付加価値伸び率10%)を示す図であり、図17は付加価値対人件費感度(付加価値伸び率15%)を示す図である。横軸に経過年数、縦軸に金額を示す。この図からわかるとおり、付加価値伸び率が変化しても、労働分配率34は左程変化せず、付加価値31が増加するにつれて利益32と人件費33が比例して増加している。
即ち、一般的に労働分配率34が高い会社は、人件費33に対する配分が多いことから、給与が高い会社、あるいはサービス業のように人手に依存しなければならない会社、あるいは付加価値31の総額に対して人件費33が多くなってしまっている会社と考えられる。このような場合には、業種の特性なのか、自社の問題なのか、その理由をよく分析する必要がある。また、労働分配率34が低い会社は、機械化が進んでいる場合が多い。このような場合には、減価償却費として設備などの提供者に配分される部分が多くなる一方で、人件費33の比率が減少していることが予想される。
図18は経過年数に対する総人員数と管理職の比率を示す図である。横軸に経過年数、縦軸に人員数を示す。この図からわかるとおり、社員の総人員数35に対して管理職36の比率が略23%一定を維持しており、組織体として必要な管理職36の数が常に管理されているのがわかる。
図19は経過年数に対する等級別人員数を表す図である。横軸に経過年数、縦軸に人数を示す。そして等級は37<38<39<40<41<42と番号が大きくなると等級が上位となる。この図からわかるとおり、経過年数に関係なく常に一定の比率で各等級が配分されているのがわかる。
本発明の実施形態に係るシミュレーションモデルの概念を説明する概念図である。 本発明の実施形態に係るシミュレーションシステムの各機能を示す機能ブロック図である。 本発明のシミュレーションシステム全体の動作を説明するフローチャートである。 本発明に係る昇降格サブモジュール22aの全体動作を説明するフローチャートである。 図4のステップS24に係る降格処理の動作を説明するフローチャートである。 図4のステップS25に係る昇格処理の動作を説明するフローチャートである。 図4のステップS25に係る昇格処理の中で年功序列モデルについて説明するフローチャートである。 本発明に係る成果連動方式の動作を示すフローチャートである。 昇降格制度のキャリアツリーを表し、年功序列的な制度、階層構造を表した図である。 昇降格制度のキャリアツリーを表し、成果主義の人材登用を行なった場合の図である。 付加価値連動の人件費決定方法をグラフ化した図である。 生涯所得の分布(実績離職率モデル)を示す図である。 生涯所得の分布(離職率低減モデル)を示す図である。 付加価値伸び率別生涯年収伸び率の分布(離職率5%の場合)を示す図である。 付加価値伸び率毎年収上昇率生涯平均の分布(離職率7.2%の場合)を示す図である。 付加価値対人件費感度(付加価値伸び率10%)を示す図である。 付加価値対人件費感度(付加価値伸び率15%)を示す図である。 経過年数に対する総人員数と管理職の比率を示す図である。 経過年数に対する等級別人員数を表す図である。 各役職間の昇降格確率を説明する図である。
符号の説明
1 付加価値、2 人件費、3 社員エージェント、4 採用、5 離職、6 昇降格、7 シミュレーション条件の入力、8 結果、9 社員、10 会社モデル、20シミュレーション条件入力手段、21 初期値データ読込手段、22 サブモジュール実行手段、22a 昇降格サブモジュール、22b 採用サブモジュール、22c 付加価値変動サブモジュール、22d 人件費決定・分配サブモジュール、22e 離職サブモジュール、23 出力手段、24 データベース、25 制御手段、100 シミュレーションシステム

Claims (8)

  1. 複数の構成員を含む組織体のモデル化を行い、該モデルに対して各種シナリオ分析を行うシミュレーション装置であって、
    外部から入力された、各構成員をモデル化したエージェント群を定義するための、構成員個人の少なくとも等級年齢を含む属性情報と、少なくとも前記組織体の利益及び総人件費との和としての付加価値と、前記組織体のモデルに含まれる前記エージェントの数と、を格納する記憶手段と、
    前記付加価値の初期値を、所定の率で単調に増加あるいは減少させるか、または周期関数によって周期的に変動させる処理を行う付加価値変動手段と、
    前記記憶手段から読み出した前記属性情報に基づいてモデル化したエージェントについて、
    予め設定した前記等級毎の昇降格確率と、各エージェントについてランダムに生成した値と、に基づいて、予め設定した各等級ごとの昇降格人数を満たすまで、各エージェントについて降格処理、又は/及び、昇格処理を行う昇降格シミュレーション、
    前記付加価値変動手段による前記付加価値の変動に合わせて、変動後の前記付加価値に対する、前記総人件費の割合である労働分配率が一定となるように前記エージェントを増加させる採用シミュレーション、
    各エージェントの前記属性情報に応じて予め設定された給与額と、該給与額に前記付加価値の変動に基づいて変動させる賞与月数を掛け合わせて算出する賞与額と、からなる各エージェントに係る人件費を算出する人件費決定シミュレーション、
    過去のデータに基づいて年齢別又は等級別に設定した離職率を用いてランダムにエージェントを離職させる離職シミュレーション、
    を実行するシミュレーション実行手段と、
    前記採用シミュレーション及び前記離職シミュレーションによって得られる前記エージェント数に基づく前記組織体の構成員数と、
    前記昇降格シミュレーションによって得られた各エージェントの等級と、前記構成員数と、に基づく各等級別の構成員数及び等級別の構成割合と、
    前記人件費決定シミュレーションによって得られた各エージェントに係る人件費と、
    を出力する出力手段と、
    を備えたことを特徴とするシミュレーション装置。
  2. 前記シミュレーション実行手段によって実行される前記各シミュレーションの一周期を前記組織体の活動の単位期間と見做し、
    前記シミュレーション実行手段は、予め設定されたシミュレーション期間に到達するまで前記各シミュレーションを繰り返して実行することを特徴とする請求項1記載のシミュレーション装置。
  3. 前記シミュレーション実行手段は、前記昇降格シミュレーションにおいて、各エージェントについてランダムに生成した値が当該エージェントに係る等級の降格確率以下である場合に、該エージェントを降格処理することを特徴とする請求項1に記載のシミュレーション装置。
  4. 前記シミュレーション実行手段は、前記昇降格シミュレーションにおいて、前記昇格人数に相当する数のエージェントをランダムに下位等級より昇格させることを特徴とする請求項1に記載のシミュレーション装置。
  5. 前記シミュレーション実行手段は、前記人件費決定シミュレーションにおいて、前記労働分配率とから求められる前記総人件費から、全てのエージェントについての給与の総和を引いた値と、前記給与の総和と、の割合から得られる賞与月数に、前記給与を掛けあわせることによって前記賞与を算出することを特徴とする請求項1に記載のシミュレーション装置。
  6. 外部から入力された、各構成員をモデル化したエージェント群を定義するための、構成員個人の少なくとも等級、年齢を含む属性情報及び、少なくとも前記組織体の利益及び総人件費の和である付加価値と、前記組織体のモデルに含まれる前記エージェントの数と、を格納する記憶手段を備え、複数の構成員を含む組織体のモデル化を行い、該モデルに対して各種シナリオ分析を行うシミュレーション装置におけるシミュレーション方法であって、
    前記シミュレーション装置が有する付加価値変動手段が、前記付加価値の初期値に対して、所定の率で単調に増加あるいは減少させるか、または周期関数によって周期的に変動させる処理を行うステップと、
    前記記憶手段から読み出した前記属性情報に基づいてモデル化したエージェントについて、前記シミュレーション装置が有する前記シミュレーション実行手段が、
    予め設定した前記等級毎の昇降格確率と、各エージェントについてランダムに生成した値と、に基づいて、予め設定した各等級ごとの昇降格人数を満たすまで、各エージェントについて降格処理、又は/及び、昇格処理を行う昇降格シミュレーション、前記付加価値変動手段による前記付加価値の変動に合わせて、変動後の前記付加価値に対する、前記総人件費の割合である労働分配率が一定となるように前記エージェントを増加させる採用シミュレーション、各エージェントの前記属性情報に応じて予め設定された給与額と、該給与額に前記付加価値の変動に基づいて変動させる賞与月数を掛け合わせて算出する賞与額と、からなる各エージェントに係る人件費を算出する人件費決定シミュレーション、過去のデータに基づいて年齢別又は等級別に設定した離職率を用いてランダムにエージェントを離職させる離職シミュレーション、を実行するステップと、
    前記シミュレーション装置が有する出力手段が、
    前記採用シミュレーション及び前記離職シミュレーションによって得られる前記エージェント数に基づく前記組織体の構成員数と、前記昇降格シミュレーションによって得られた各エージェントの等級と、前記構成員数と、に基づく各等級別の構成員数及び等級別の構成割合と、前記人件費決定シミュレーションによって得られた各エージェントに係る人件費と、を出力するステップと、を備えたことを特徴とするシミュレーション方法。
  7. 請求項6に記載のシミュレーション方法を、コンピュータに実行させるためのシミュレーションプログラム。
  8. 請求項7に記載のプログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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