JP4712782B2 - クリップによる取付構造 - Google Patents

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Description

本発明は、被取付部材に取付部材を着脱可能に装着するためのクリップによる取付構造に関する。具体的には、例えば、自動車のインストルメントパネルにセンタクラスターなどを着脱可能に装着するためのクリップによる取付け構造であって、クリップの形状やクリップの挿入荷重を変えずに保持荷重を異ならせることができるクリップによる取付構造に関する。
従来技術として、自動車のインストルメントパネルにセンタクラスターなどを着脱可能に装着するためのクリップについては、例えば特開2000−249117号(特許文献1)に開示されているクリップが公知である。
特許文献1に開示されているクリップは、取付部材であるセンタクラスターに突設状態で配設される座面部材に取付けた樹脂製のクリップ本体を、被取付部材であるインストルメントパネルに形成された取付孔の表面側から挿入することで取付部材を被取付部材に係止させ、取付部材を被取付部材に着脱可能に取付けるために用いられるクリップである。
図10に、前記特許文献1に開示されているクリップとほぼ同じクリップを用いて取付部材を被取付部材に取付けた状態の部分断面図を示す。樹脂製のクリップ本体50は、取付部材66に形成された座面部材68の係合孔70に対して、座面係合部片52の先端に形成された係合突部54を係合させることにより取付部材66に取付けられる。そして、取付部材66に係合した樹脂製のクリップ本体50が、被取付部材72に形成された取付孔74に対して表面側76から挿入され、クリップ本体50の取付係止片58の係止肩60の下部に形成された係り斜面62が被取付部材72の裏面側78に係止することにより、取付部材66が被取付部材72に取付けられる。
取付部材66を被取付部材72から取り外す必要が生じた場合は、取付部材66を被取付部材72から引き離す方向へ引っ張ることにより、クリップ本体50の取付係止片58が互いに接近する方向へ弾性変形して、係止肩60の下部の係り斜面62が被取付部材72の裏面側78から外れることで、取付部材66をクリップ本体50と一体で被取付部材72から取り外すことができる。
なお、クリップ本体50は座面係合部片52の先端の係合突部54が座面部材68に形成された係合孔70に係合して取付部材66に取付けられているので、座面係合部片52が弾性変形して係合突部54が係合孔70から外れることで、クリップ本体50を被取付部材72に残して、取付部材66のみを被取付部材72から取り外すこともできる。
特開2000−249117号公報
図10に示したクリップ本体50により、所定の保持荷重で、取付部材66を被取付部材72に取付けることができる。保持荷重を変更する必要が生じたときは、クリップ本体50の係合突部54の係合面56の角度や面積を変更する、あるいは一対の取付係止片58の両係止肩60の間隔や係り斜面62の傾斜角度を変更する、もしくはクリップ本体50の材質を変更する等の対応が必要となる。ここで、一般には係合突部54による保持荷重の方が係り斜面62による保持荷重よりも高く設定されているため、クリップ本体50による保持荷重は両係止肩60の間隔や係り斜面62の角度により決まることとなる。
そこで、保持荷重が異なる取付に対応するためには、従来は、形状や材質の異なる複数種類のクリップ本体を用意することが必要であり、取付箇所の保持荷重に対応したクリップ本体を選択して取付けなければならなかった。
本発明は、上述した問題を解決するものとして提案するものであり、本発明が解決しようとする課題は、クリップ本体の形状や材質を変更することなく、同一種類のクリップ本体を用いて取付部材を被取付部材に取付けたときに、異なる保持荷重に対応させることを可能とすることにある。
上記課題を解決するため、本発明に係るクリップによる取付構造は次の手段をとる。
まず本発明の第1の発明に係るクリップによる取付構造は、取付部材に突設状態で配設される座面部材に樹脂製のクリップ本体を取付けたクリップ構造体を、被取付部材に形成された取付孔に、該被取付部材の挿入方向表面側から裏面側に向けて挿入して、取付部材を被取付部材に着脱可能に取付けるクリップによる取付構造であって、
前記樹脂製のクリップ本体は、内側に形成される、前記座面部材を両側から挟持する一対の座面係合部片と、該座面係合部片の外側に形成され、前記被取付部材の取付孔に挿通し係止される、拡開方向に弾発力を付与された一対の取付係止片とを有し、
前記取付係止片は外方に山形状に突起形成されて、挿入時に近接変形して弾発力を生ずる挿入傾斜面と、抜き取り方向に対して係止機能を果たす係止傾斜面とを有し、
前記取付係止片の挿入傾斜面は同じ傾斜状態に形成されているが、係止傾斜面はその傾斜状態の異なる第1傾斜面と第2傾斜面が、前記拡開方向と直交する厚み方向に所定の厚みで隣接して配設され、該第1傾斜面と第2傾斜面は該拡開方向の両側に対称に配置形成されており、
前記被取付部材に形成される取付孔は、前記第1傾斜面と第2傾斜面のいずれかの傾斜面が係止することのできる孔の大きさの係止孔と、該係止孔の孔よりも大きく前記いずれの傾斜面も係止することのできない大きさの逃がし孔とが連続して1つの孔として形成されており、
前記クリップ本体は、第1傾斜面を係止孔に対応させ第2傾斜面を逃がし孔に対応させる正位置と、クリップ本体または取付孔を180度回転して第1傾斜面を逃がし孔に対応させ第2傾斜面を係止孔に対応させる逆転位置で使用することができ、
同一形状のクリップ本体と、同一形状の取付孔の組み合わせによって、クリップの挿入荷重を変えることなくクリップの保持荷重を異ならせることができることを特徴とする。
この第1の発明によれば、クリップ本体を正位置で座面部材に取付けたクリップ構造体を被取付部材に形成された取付孔に挿入したときは、第1傾斜面が係止孔に係止し、第2傾斜面は逃がし孔に対応し逃がし孔には係止することはできないので、第1傾斜面の保持荷重がクリップによる取付構造の保持荷重となる。また、クリップ本体を逆転位置で座面部材に取付けたクリップ構造体を被取付部材の取付孔に挿入したときは、第2傾斜面が係止孔に係止し、第1傾斜面は逃がし孔に対応し逃がし孔には係止することはできないので、第2傾斜面の保持荷重がクリップ取付構造の保持荷重となる。
よって、クリップ本体を取付孔に正位置で挿入するか、逆転位置で挿入するかを選択することで、同一形状のクリップ本体と、同一形状の取付孔の組み合わせによって、クリップの保持荷重を異ならせることができる。
次に、本発明に第2の発明は上記第1の発明に係るクリップによる取付構造であって、
前記取付孔の前記クリップ本体の厚み方向に対応させて形成する開口長さは、該クリップ構造体が該取付孔に取付けられた状態で該開口長さ方向の移動が許容される長さとされており、
前記逃がし孔と前記係止孔が幅方向の中心を同一線上として該開口長さ方向に連続して形成されており、
該クリップ構造体が該取付孔のいずれの位置にあっても、前記第1傾斜面と第2傾斜面のいずれか一方の傾斜面は係止孔に係止し、他方の傾斜面は逃がし孔のみに対応して係止孔には係止しないことを特徴とする。
この第2の発明によれば、取付孔はクリップの厚み方向に遊びが確保されているのでクリップ構造体を取付孔に円滑に挿入できる。また、遊びの範囲でクリップ構造体が取付孔の中で移動しても、保持荷重を発揮する傾斜面と係止孔の対応および保持荷重を発揮しない傾斜面と逃がし孔の対応が保たれるため、所定の保持荷重が確実に発揮される。すなわち、取付孔の遊びの影響で保持荷重が変わってしまうということがない。
次に本発明の第3の発明は、上記第2の発明に係るクリップによる取付構造であって、
前記逃がし孔の幅は、前記クリップ本体の自由状態形状時における一対の取付係止片の係止傾斜面における最大幅であることを特徴とする。
この第3の発明によれば、逃がし孔は各傾斜面が係止しないことが確実である。また、逃がし孔とクリップ構造体との隙間は広くはないため、クリップ構造体の捩れ等によるズレを有効に防ぐことができる。
次に本発明の第4の発明は、上記第3の発明に係るクリップによる取付構造であって、
前記第1傾斜面の厚みと前記第2傾斜面の厚みが同一であることを特徴とする。
この第4の発明によれば、第1傾斜面で係止孔に係止するときの厚みと、第2傾斜面が係止孔に係止するときの厚みが同じであるため、係止状態がバランスしており、いずれの傾斜面で係止する場合も同等の安定度で所定の保持荷重が発揮される。
上記本発明の各発明によれば、次の効果が得られる。
まず、上述した第1の発明によれば、クリップ本体を取付孔に正位置で挿入するか、逆転位置で挿入するかを選択することで、同一形状のクリップ本体と、同一形状の取付孔の組み合わせによって、クリップの保持荷重を異ならせることができる。
次に上述の第2の発明によれば、取付孔はクリップの厚み方向に遊びが確保されているのでクリップ構造体を取付孔に円滑に挿入できる。また、遊びの範囲でクリップ構造体が取付孔の中で移動しても、保持荷重を発揮する傾斜面と係止孔の対応および保持荷重を発揮しない傾斜面と逃がし孔の対応が保たれるため、所定の保持荷重が確実に発揮される。
次に上述の第3の発明によれば、逃がし孔は各傾斜面が係止しないことが確実である。また、逃がし孔とクリップ構造体との隙間は広くはないため、クリップ構造体の捩れ等によるズレを有効に防ぐことができる。
次に上述の第4の発明によれば、第1傾斜面で係止孔に係止するときの厚みと、第2傾斜面が係止孔に係止するときの厚みが同じであるため、係止状態がバランスしており、いずれの傾斜面で係止する場合も同等の安定度で所定の保持荷重が発揮される。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1に本発明の一実施例であるクリップによる取付構造に用いるクリップ本体10の自由状態形状での外観斜視図を示す。クリップ本体10は樹脂で形成され、内側に形成される一対の座面係合部片14と、座面係合部片14の外側に形成される、拡開方向に弾発力を付与された一対の取付係止片20を有する。そして、取付係止片20には外方に山形状に突起形成されて、挿入時に近接変形して弾発力を生ずる挿入傾斜面22と、抜き取り方向に対して係止機能を果たす係止傾斜面24とを有し、山形状の最突部で挿入傾斜面22と係止傾斜面24の境には係止肩25が形成されている。係止傾斜面24の挿入方向後方には脚片21が形成されている。
挿入傾斜面22は取付係止片20の拡開方向に直交する厚み方向の全幅が同じ傾斜状態で形成され、拡開方向に対称な形状となっている。一方、係止傾斜面24は傾斜状態の異なる第1傾斜面26と第2傾斜面28とが、同じ厚みで隣接して配設形成されており、拡開方向に対称な形状となっている。なお、第1傾斜面26は傾斜状態が緩やかに形成されており、第2傾斜面28は第1傾斜面26よりも傾斜状態が急に形成されている。
図2は本発明の一実施例に用いる取付部材30に形成された座面部材32の外観斜視図である。座面部材32には、中央にクリップ本体10の座面係合部片14を係合させる係合板34が形成され、係合板34の中央部にはクリップ本体10の座面係合部片14の先端に形成された係合突部16を係合させる係合孔36が設けられている。係合板34の先端は座面係合部片14の係合を容易にするために、板厚の薄い係合斜面39が形成されている。係合板34の両脇にはクリップ本体10を座面部材32に係合させるときのガイドとなり座面部材32の補強ともなる両側板38が形成されている。
図3は本発明の一実施例に用いる被取付部材40に形成された取付孔42を、クリップ本体10の取付係止片20が係止する裏面側48から見た外観斜視図である。取付孔42にはクリップ本体10の厚み方向に対応した方向で、第1傾斜面26と第2傾斜面28のいずれかが係止することのできる孔幅の係止孔44と、第1傾斜面26と第2傾斜面28のいずれもが係止することのできない逃がし孔46が開口長さ方向に連続して形成されている。係止孔44と逃がし孔46は幅方向の中心が同一線上にあり、逃がし孔46の長さは係止孔44の長さよりも長めに設定されており、取付孔42は全体としてクリップ本体10の拡開方向で対称な形状となっている。ここで、逃がし孔46はクリップ本体10の自由状態形状における係止肩25の幅と同一の幅を有する。
なお、取付孔42の開口長さは、クリップ構造体12を挿入した状態で、クリップ構造体12が開口長さ方向の移動が許容される遊びを有した長さとされている。そのためクリップ構造体12を挿入しやすい。
ここで図1に戻り、第1傾斜面26及び第2傾斜面28の詳細形状について説明する。係止肩25の直下には、第1傾斜面26と第2傾斜面28で傾斜が共通でほぼクリップ本体10の挿入方向に平行なストレート部29が形成されている。ストレート部29は第1傾斜面26よりも第2傾斜面28で長めに形成されている。ストレート部29に続いて脚片21に向かって係止孔44に係止して保持力を発揮する係止部が形成されている。第2傾斜面28の係止部は第1傾斜面26の系止部と比べて傾斜の変化が急であってクリップ10の挿入方向の長さが短く、第1傾斜面26の系止部より挿入方向上方で脚片21に当たり終わっている。そして、双方の係止部の突起量が同一となる中立位置27がある。なお、クリップ本体10がそれぞれの傾斜面での最大保持荷重を発揮するのは係止部が中立位置27の上方で係止孔44に係止する時である。
第2傾斜面28の係止部が係止孔44に係止するときは、第1傾斜面26の係止部が係止孔44に係止するときよりも、係止部と係止孔44のなす角度が大きいため、抜き取り方向に対してより大きな効力を生じるため、保持荷重が大きい。
クリップ本体10を用いて取付部材30を被取付部材40へ取付けるときは次の手順で行う。まず、クリップ本体10の一対の座面係合部片14を座面部材32の係合板34に形成された係合斜面39の両側にスライドさせ、座面係合部片14の先端に形成された係合突部16を係合板34の中央部に形成された係合孔36に係合させてクリップ本体10を取付部材30に取付ける。次に座面部材32にクリップ本体10が取付けられた状態のクリップ構造体12を被取付部材40に形成された取付孔42に表面側47から裏面側48に向けて挿入して取付部材30を被取付部材40に取付ける。
図4は、被取付部材40に形成された取付孔42の係止孔44にクリップ本体10の係止傾斜面24に形成された第1傾斜面26が係止する正位置で取付けられた状態の外観斜視図である。クリップ本体10は厚み方向のいずれか一箇所が拡開方向で近接変形すると、厚み方向の全域でほぼ同程度の幅だけ近接変形する性質があるため、図4に示すとおり第1傾斜面26が係止孔44に係止して近接変形した状態では、第2傾斜面28も第1傾斜面26とほぼ同じ幅だけ近接変形する。
図5は図4のA−A断面図である。この第1傾斜面26が係止孔44に係止した位置では、抜き方向に対して係止孔44に係止する第1傾斜面26が抗力を発揮する。図6は図4のB−B断面図である。この第2傾斜面28が逃がし孔46に挿入された位置では、逃がし孔46の幅がクリップ本体10の自由状態形状における係止肩25の幅と同一であるため、第2傾斜面28が逃がし孔46に係止することはない。
なお、クリップ構造体12の取付位置が取付孔42の遊び方向で移動しても、保持荷重を発揮する第1傾斜面26が係止孔44から外れることがなく、逃がし孔46に面した第2傾斜面28が係止孔44に係ることがないように係止孔44及び逃がし孔46の長さが設定されているので、クリップ構造体12の遊び方向の移動でクリップ構造体12の取付孔42に対する係止状態が変化することはない。
図7は、被取付部材40に形成された取付孔42の係止孔44にクリップ本体10の係止傾斜面24に形成された第2傾斜面28が係止する逆転位置で取付けられた状態の外観斜視図である。クリップ本体10は厚み方向のいずれか一箇所が拡開方向で近接変形すると、厚み方向の全域でほぼ同程度の幅だけ近接変形する性質は、正位置で取り付けられた場合と同様であって、図7に示すとおり第2傾斜面28が係止孔44に係止して近接変形した状態では、第1傾斜面26も第2傾斜面28とほぼ同じ幅だけ近接変形する。
図8は図7のC−C断面図である。この第2傾斜面28が係止孔44に係止した位置では、抜き方向に対して係止孔44に係止する第2傾斜面28が抗力を発揮する。図9は図7のD−D断面図である。この第1傾斜面26が逃がし孔46に挿入された位置では、逃がし孔46の幅がクリップ本体10の自由状態形状における係止肩25の幅と同一であるため、第1傾斜面26が逃がし孔46に係止することはない。
なお、係止孔44及び逃がし孔46の長さは、クリップ本体10を逆転位置で取り付けたときに、クリップ構造体12の取付位置が取付孔42の遊び方向で移動しても、保持荷重を発揮する第2傾斜面28が係止孔44から外れることがなく、逃がし孔46に面した第1傾斜面26が係止孔44に係ることがないような長さに設定されている。
クリップ本体10の抜き方向の抗力は、抗力が生じる部分の係止傾斜面24と取付孔42のなす角度および近接変形される係止傾斜面24の厚みによって決まるものであり、クリップ本体10はいずれか一箇所が拡開方向で近接変形すると、厚み方向の全域でほぼ同程度の幅だけ近接変形する性質を有している。そのため、第1傾斜面26が係止孔44に係止する正位置での保持荷重は、係止傾斜面24の全体が第1傾斜面26と同じ傾斜状態で形成されたクリップ本体を取付孔42が開口長さ全体にわたって係止孔44の幅で形成されている取付孔に取付けた時の保持荷重と同程度である。また、第2傾斜面28が係止孔44に係止する逆転位置での保持荷重は、係止傾斜面24の全体が第2傾斜面28と同じ傾斜状態で形成されたクリップ本体を取付孔42が開口長さ全体にわたって係止孔44の幅で形成されている取付孔に取付けた時の保持荷重と同程度である。
よって、この実施例によれば、同一形状のクリップ本体10と同一形状の取付孔42の組み合わせで、クリップ本体を取付孔42に正位置で挿入するか、逆転位置で挿入するかを選択することにより、クリップの挿入荷重を変えることなくクリップの保持荷重を異ならせることができる。なお、クリップ本体10を座面部材32に取付ける向きを180度回転させることは、被取付部材40に形成される取付孔42を180度回転させて形成することと同等の効果を有し、どちらを基準として考えるかによる相対的なものであるので、取付孔42を180度回転すると考えても良い。
図4及び図7に示すとおり、この実施例では座面部材32の両側板38の外側に第1取付孔42との間に遊びが設けてあり、クリップ構造体12の取付孔42への取付を容易にしている。そして、逃がし孔46は係止孔44よりもやや長めとし、クリップ構造体12の取付孔42内での移動によって係止状態が変わらない長さに設定してある。
そのため、低保持荷重の図4の場合には、クリップ構造体12が紙面の手前に寄った時でも、第2傾斜面28は係止孔44に係らないので保持荷重は変化しない。また、クリップ構造体12が紙面後方へ寄った時でも、第1傾斜面26は係止孔44に係っているので保持荷重は変化しない。
高保持荷重の図7の場合には、クリップ構造体12が紙面の手前に寄った時でも、第1傾斜面26は係止孔44に係らないので保持荷重は変化しない。また、クリップ構造体12が紙面後方へ寄った時でも、第2傾斜面28は係止孔44に係っているので保持荷重は変化しない。
このように、逃がし孔46の長さを取付孔42の遊びを考慮して設定することによって、遊びの範囲でクリップ構造体が取付孔の中で移動しても、保持荷重を発揮する傾斜面と係止孔の対応および保持荷重を発揮しない傾斜面と逃がし孔の対応が保たれるため、所定の保持荷重が確実に発揮される。
この実施例では前記逃がし孔46の幅は、前記クリップ本体10の自由状態形状時における一対の取付係止片の係止傾斜面における最大幅(係止肩25の幅)に設定されているので、逃がし孔46は各傾斜面が係止しないことが確実であり、分かり易い幅である。また、逃がし孔46とクリップ構造体12との隙間は広くはないため、クリップ構造体12の捩れ等によるズレを有効に防ぐことができる。
実施例では、第1傾斜面26の厚みと第2傾斜面28の厚みが同一であるため、第1傾斜面26で係止孔44に係止するときの厚みと、第2傾斜面28が係止孔44に係止するときの厚みが同じであるため、係止状態がバランスしており、いずれの傾斜面で係止する場合も同等の安定度で所定の保持荷重が発揮される。
実施例では逃がし孔46の幅をクリップ本体10の自由状態形状における係止肩25の幅としているが、これは安全サイドの幅である。ここで、逃がし孔46は最低限度でどれだけの幅があればよいか検討する。
クリップ本体10は、厚み方向のいずれか一箇所で拡開方向に近接変形すると、厚み方向の全域でほぼ同程度の幅だけ近接変形する性質がある。よって、自由状態形状であっても係止孔44に係止した状態であっても、第1傾斜面26の拡開方向の幅と第2傾斜面28の拡開方向の幅の差は変化しない。したがって、逃がし孔46の幅を、係止孔44の幅に比べて傾斜面の幅の差の最大値分だけ左右均等に振り分けて広くすれば、一方の傾斜面が係止孔44しているとき、他方の傾斜面は逃がし孔46に係らないようにすることができる。
逃がし孔をできるだけ小さくすることにより、クリップ本体10の挿入方向回りの捩れ等を抑えて、安定した係止をさせることができる。
その他、本発明はその発明の思想の範囲で、各種の形態で実施できるものである。
一実施例におけるクリップ本体の外観斜視図である。 一実施例における座面部材の外観斜視図である。 一実施例における取付孔を裏面から見た外観斜視図である。 正位置でクリップを挿入した外観斜視図である。 図4の第1傾斜面が係止孔に係止したA−A位置の断面図である。 図4の第2傾斜面が逃がし孔に挿入されたB−B位置の断面図である。 逆転位置でクリップを挿入した状態の平面図である。 図7における第2傾斜面が係止孔に係止したC−C位置の断面図である。 図7における第1傾斜面が逃がし孔に面したD−D位置の断面図である。 従来技術によるクリップによる取付構造を示す図である。
符号の説明
10 クリップ本体
12 クリップ構造体
14 座面係合部片
16 係合突部
20 取付係止片
21 脚片
22 挿入傾斜面
24 係止傾斜面
25 係止肩
26 第1傾斜面
27 中立位置
28 第2傾斜面
29 ストレート部
30 取付部材
32 座面部材
34 係合板
36 係合孔
38 両側板
39 係合斜面
40 被取付部材
42 取付孔
44 係止孔
46 逃がし孔
47 表面側
48 裏面側

Claims (4)

  1. 取付部材に突設状態で配設される座面部材に樹脂製のクリップ本体を取付けたクリップ構造体を、被取付部材に形成された取付孔に、該被取付部材の挿入方向表面側から裏面側に向けて挿入して、取付部材を被取付部材に着脱可能に取付けるクリップによる取付構造であって、
    前記樹脂製のクリップ本体は、内側に形成される、前記座面部材を両側から挟持する一対の座面係合部片と、該座面係合部片の外側に形成され、前記被取付部材の取付孔に挿通し係止される、拡開方向に弾発力を付与された一対の取付係止片とを有し、
    前記取付係止片は外方に山形状に突起形成されて、挿入時に近接変形して弾発力を生ずる挿入傾斜面と、抜き取り方向に対して係止機能を果たす係止傾斜面とを有し、
    前記取付係止片の挿入傾斜面は同じ傾斜状態に形成されているが、係止傾斜面はその傾斜状態の異なる第1傾斜面と第2傾斜面が、前記拡開方向と直交する厚み方向に所定の厚みで隣接して配設され、該第1傾斜面と第2傾斜面は該拡開方向の両側に対称に配置形成されており、
    前記被取付部材に形成される取付孔は、前記第1傾斜面と第2傾斜面のいずれかの傾斜面が係止することのできる孔の大きさの係止孔と、該係止孔の孔よりも大きく前記いずれの傾斜面も係止することのできない大きさの逃がし孔とが連続して1つの孔として形成されており、
    前記クリップ本体は、第1傾斜面を係止孔に対応させ第2傾斜面を逃がし孔に対応させる正位置と、クリップ本体または取付孔を180度回転して第1傾斜面を逃がし孔に対応させ第2傾斜面を係止孔に対応させる逆転位置で使用することができ、
    同一形状のクリップ本体と、同一形状の取付孔の組み合わせによって、クリップの挿入荷重を変えることなくクリップの保持荷重を異ならせることができることを特徴とするクリップによる取付構造。
  2. 請求項1に記載のクリップによる取付構造であって、
    前記取付孔の前記クリップ本体の厚み方向に対応させて形成する開口長さは、該クリップ構造体が該取付孔に取付けられた状態で該開口長さ方向の移動が許容される長さとされており、
    前記逃がし孔と前記係止孔が幅方向の中心を同一線上として該開口長さ方向に連続して形成されており、
    該クリップ構造体が該取付孔のいずれの位置にあっても、前記第1傾斜面と第2傾斜面のいずれか一方の傾斜面は係止孔に係止し、他方の傾斜面は逃がし孔のみに対応して係止孔には係止しないことを特徴とするクリップによる取付構造。
  3. 請求項2に記載のクリップによる取付構造であって、
    前記逃がし孔の幅は、前記クリップ本体の自由状態形状時における一対の取付係止片の係止傾斜面における最大幅であることを特徴とするクリップによる取付構造。
  4. 請求項3に記載のクリップによる取付構造であって
    前記第1傾斜面の厚みと前記第2傾斜面の厚みが同一であることを特徴とするクリップによる取付構造。

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