以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。なお、以下の説明においてリーチ表示状態とは、表示結果として導出表示した図柄(リーチ図柄という)が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ導出表示していない図柄(リーチ可変図柄という)については可変表示が行われている状態、あるいは、全て又は一部の図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して可変表示している状態のことである。具体的には、予め定められた複数の表示領域に、予め定められた図柄が停止することで大当りとなる有効ラインが定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において可変表示が行われている状態(例えば、左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には大当り図柄の一部となる(例えば「7」)が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ可変表示が行われている状態)、あるいは、有効ライン上の表示領域の全て又は一部の図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して可変表示している状態(例えば、左、中、右の表示領域の全てで可変表示が行われてどの状態が表示されても同一の図柄が揃っている態様で可変表示が行われている状態)である。
本実施例における遊技機は、LCD等からなる画像表示装置により特図ゲームを行う遊技機であり、プリペイドカードによって球貸しを行うカードリーダ(CR:Card Reader)式のパチンコ遊技機や、LCDを搭載したスロットマシン等の遊技機である。
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3と、から構成されている。遊技盤2にはガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域のほぼ中央位置には、各々が識別可能な識別情報として飾り図柄を可変表示可能に表示する可変表示装置4が設けられている。この可変表示装置4の上側には、特別図柄表示器41が設けられていると共に、下側には、普通可変入賞球装置(始動入賞口)6が配置されている。普通可変入賞球装置6の下側には、特別可変入賞球装置(大入賞口)7が配置されている。また、特別可変入賞球装置7の右側には、普通図柄表示器42が設けられている。
特別図柄表示器41は、例えば7セグメントのLED等から構成され、例えば、普通可変入賞球装置6に遊技球が入賞することが実行条件となる特図ゲームにおいて、数字、文字、図柄等から構成される特別図柄の可変表示を開始し、一定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定図柄を停止表示(導出表示)する。
可変表示装置4は、複数の可変表示部により識別情報としての図柄を可変表示するLCD(Liquid Crystal Display)モジュール等を備えて構成され、例えば、特別図柄表示器41における特別図柄の可変表示が開始されるときに、数字、文字、図柄等から構成される3つの表示図柄(飾り図柄)の可変表示を開始し、特別図柄表示器41における特別図柄の可変表示結果として確定図柄が停止表示されるときに、左、右、中の順で表示図柄を確定する。可変表示装置4には、普通可変入賞球装置6に入った有効入賞球数すなわち始動記憶数を表示する4つの始動記憶表示エリアが設けられていてもよい。さらに、始動記憶数は、可変表示装置4とは別個に設けられた表示器(始動入賞記憶表示器)により特定できるようなものであってもよい。例えば始動入賞記憶表示器をLEDやランプ等により構成されるものとし、このLEDやランプの表示態様を主基板11側で制御することにより始動入賞記憶数を特定できるようにすればよい。
普通図柄表示器42は、発光ダイオード(LED)等を備えて構成され、遊技領域に設けられた通過ゲートを遊技球が通過することを始動条件とする普通図ゲームにおいて、点灯、点滅、発色などが制御される。この普通図ゲームにおいて所定の当りパターンで表示が行われると、普通図ゲームにおける表示結果が「当り」となり、普通可変入賞球装置6を構成する電動チューリップの可動翼片を所定時間が経過するまで傾動制御する。
普通可変入賞球装置6は、ソレノイド21(図2)によって垂直(通常開放)位置と傾動(拡大開放)位置との間で可動制御される一対の可動翼片を有するチューリップ型役物(普通電動役物)を備えて構成される。普通可変入賞球装置6に入った入賞球は、遊技盤2の背面に導かれ、始動口スイッチ72(図2)によって検出される。普通可変入賞球装置6への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示は、所定回数(本実施形態では、4回)まで後述する特図保留メモリ110(図3)に記憶される。
特別可変入賞球装置7は、ソレノイド22(図2)によって入賞領域を開成・閉成制御する開閉板を備える。この開閉板は、通常時には閉成し、普通可変入賞球装置6への遊技球の入賞に基づいて可変表示装置4による特図ゲームが行われた結果、大当り遊技状態となった場合に、ソレノイド22によって入賞領域を所定期間(例えば、29秒)あるいは所定個数(例えば、10個)の入賞球が発生するまで開成(開成サイクル)する状態となるように設定され、その開成している間に遊技領域を落下する遊技球を受け止める。そして、この開成サイクルを例えば最高16回繰り返すことができるようになっている。特別可変入賞球装置7に入賞した遊技球は、所定の検出部(例えばカウントスイッチなど)により検出される。入賞球の検出に応答し、後述する主基板11と所定の払出制御基板とにより、所定数の賞球の払い出しが行われる。
また、遊技盤2の表面には、上記した構成以外にも、ランプを内蔵した風車、アウト口等が設けられている。また、パチンコ遊技機1には、点灯又は点滅する遊技効果ランプ9や効果音を発生するスピーカ8L、8Rが設けられている。
また、パチンコ遊技機1の背面には、電源基板10,主基板11,及び演出制御基板12といった主要基板がそれぞれ適所に配設されている。
図2は、主基板11,及び演出制御基板12を中心としたシステム構成例を示すブロック図である。なお、図2には、電源基板10や,乱数発生回路17,監視回路18,始動口スイッチ72なども示されている。
始動口スイッチ72は、始動入賞口である普通可変入賞球装置6への遊技球の入賞等を検出したことに基づいて、始動入賞信号(ハイレベルの信号)SSを主基板11と乱数発生回路17とに出力するものである。
電源基板10は、パチンコ遊技機1内の各回路に所定の電力を供給するものである。
主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100,スイッチ回路107や、ソレノイド回路108等を搭載して構成される。また、主基板11には、演出制御基板12及びへの配線や、始動口スイッチ72からの配線が接続されている。また、主基板11には、大入賞口である特別可変入賞球装置7など、その他の入賞口への遊技球の入賞等を検出するための入賞口スイッチ70からの配線も接続されている。さらに、主基板11には、普通可変入賞球装置6における可動翼片の可動制御や特別可変入賞球装置7における開成・閉成制御を行うためのソレノイド21、22への配線が接続されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)101,ワークメモリとして使用されるRAM(Random Access Memory)102,プログラムに従って制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103,及びI/O(Input/Output)ポート104を含んでいる。また、CPU103は、ノンマスカブル割込の要求を受け付けるノンマスカブル割込端子XMNIを備えている。このノンマスカブル割込端子XNMIの入力がハイレベルからローレベルに立ち下がると、要求が受け付けられて、ノンマスカブル割込が発生する。ここで、ノンマスカブル割込とは、マスカブル割込とは異なり、プログラムで割込要求の許可/禁止を設定できない割込であり、この要求がなされれば必ず受け付けられ、ノンマスカブル割込が発生する。また、ノンマスカブル割込は、他の割込要求に対して最優先で実行されるものである。
この遊技制御用マイクロコンピュータ100は、特図ゲームにおいて用いる乱数の生成機能や、演出制御基板12に対し、それぞれ指令情報の一例となる制御コマンドを出力して送信する機能、特別図柄表示器41の表示制御を行う機能、普通図柄表示器42の点灯/消灯制御を行う機能等を有するものである。
主基板11から演出制御基板12に対して送信される制御コマンドは、例えば演出制御信号CD0〜CD7の信号線を用いて電気信号として伝送される演出制御コマンドである。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。この演出制御コマンドとしては、例えばエラー演出の開始を指令するエラー演出開始コマンドなどが予め用意されている。
また、主基板11から払出制御基板に対して送信される制御コマンドは、例えば払出制御信号CD0〜CD7の信号線を用いて電気信号として伝送される払出制御コマンドである。払出制御コマンドは、演出制御コマンドと同様、2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。この払出制御コマンドとしては、例えば賞球の個数を指定する賞球個数指定コマンドなどが予め用意されている。賞球個数指定コマンドのEXTデータは、賞球の個数を示している。
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、図3に示すように、特図保留メモリ110と、スイッチタイマメモリ111と、大当り判定用テーブルメモリ112と、フラグメモリ113と、を備えている。
特図保留メモリ110は、遊技球が普通可変入賞球装置6に入賞して特別図柄の可変表示(特図ゲーム)を実行するための条件(実行条件)が成立したが、従前の可変表示を実行中である等の理由のために可変表示を実際に開始するための条件(開始条件)が成立していない保留状態を記憶するためのメモリである。特図保留メモリ110は、4つのエントリを備え、各エントリには、普通可変入賞球装置6への入賞順に、保留番号と、その入賞に応じて乱数発生回路17から取得した乱数値Rとが対応付けて格納される。特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示が1回終了したり、大当り遊技状態が終了したりするごとに、最上位の情報に基づいた可変表示の開始条件が成立し、最上位の情報に基づいた可変表示が実行される。このとき、第2位以下の登録情報が1位ずつ繰り上がる。また、特別図柄の可変表示中等に遊技球が普通可変入賞球装置6に新たに入賞した場合には、その入賞に基づいて乱数値記憶回路175(図8)から読み出された乱数値Rが最上位の空エントリに登録される。
スイッチタイマメモリ111は、始動口スイッチ72から入力される始動入賞信号SSや、その他の入賞口スイッチ70から入力される検出信号がオン状態にあるか或いはオフ状態にあるかに応じて、加算又はクリアされるスイッチタイマを複数記憶するものである。
大当り判定用テーブルメモリ112は、CPU103が特図ゲームにおける表示結果を大当りとするか否かを判定するために設定される複数の大当り判定用テーブルを記憶する。具体的には、大当り判定用テーブルメモリ112は、図4(A)に示す通常時大当り判定用テーブル120と、図4(B)に示す確変時大当り判定用テーブル121と、を格納する。
図4(A)に示す通常時大当り判定用テーブル120と、図4(B)に示す確変時大当り判定用テーブル121と、は、特別図柄表示器41による特図ゲームの表示結果を大当りとするか否かを判定するためのテーブルである。各大当り判定用テーブル120及び121では、乱数値Rと特図ゲームの表示結果を示す設定データとが対応付けて格納されている。そして、確変時大当り判定用テーブル121では、通常時大当り判定用テーブル120に比べてより多くの乱数値Rが、「大当り」の表示結果と対応付けられている。すなわち、確変時大当り判定用テーブル121を用いて特図ゲームの表示結果を決定することで、通常遊技状態のときよりも大当り遊技状態となる確率が高い確率向上状態とすることができる。
この実施の形態において、図4(A)に示す通常時大当り判定用テーブル120には、乱数発生回路17から発生する大当り判定用乱数R「0〜65335」のうち「2001〜2184」が「大当り」の表示結果と対応付けられている。一方、図4(B)に示す確変時大当り判定用テーブル121には、乱数発生回路17から発生する大当り判定用乱数R「0〜65335」のうち「2001〜3104」が「大当り」の表示結果と対応付けられている。
図3に示すフラグメモリ113は、パチンコ遊技機1において遊技の進行を制御するために用いられる各種のフラグが設定される。例えば、フラグメモリ113には、特別図柄プロセスフラグ、普通図柄プロセスフラグ、大当りフラグ、入力状態フラグ、タイマ割込フラグなどが設けられている。
特別図柄プロセスフラグは、後述する特別図柄プロセス処理(図15)において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。普通図柄プロセスフラグは、普通図柄表示器42の表示状態を所定の順序で制御するために、所定の普通図柄プロセス処理においてどの処理を選択・実行すべきかを指示する。
大当りフラグは、可変表示装置4による特図ゲームの表示結果が大当りとなるときにオン状態にセットされ、大当り遊技状態が終了するときにクリアされてオフ状態となる。入力状態フラグは、I/Oポート104に入力される各種信号の状態等に応じて各々セットあるいはクリアさせる複数ビットからなるフラグである。タイマ割込フラグは、所定時間が経過してタイマ割込みが発生するごとにオン状態にセットされる。
図2に示すスイッチ回路107は、始動口スイッチ72からの始動入賞信号SSや、その他の入賞口スイッチ70からの検出信号を取り込んで、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝達する。ソレノイド回路108は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの指令に従って各ソレノイド21、22を駆動する。ソレノイド21は、リンク機構を介して普通可変入賞球装置6の可動翼片に連結されている。ソレノイド22は、リンク機構を介して特別可変入賞球装置7の開閉板に連結されている。
演出制御基板12は、可変表示装置4における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9におけるランプの点灯動作及び消灯動作などの制御を行うものである。例えば、演出制御基板12は、主基板11から伝送される演出制御コマンドに基づいて可変表示装置4に画像の切換表示を実行させることなどにより、各種の演出表示を実行する制御を行う。また、演出制御基板12には、音声出力回路13やランプドライバ回路14への制御信号を伝送する配線などが接続されている。
図5は、演出制御基板12のハードウェア構成例を示すブロック図である。演出制御基板12は、CPU200と、ROM201と、RAM202と、VDP(Video Display Processor)203と、CGROM(Character Generator ROM)204と、VRAM(Video RAM)205と、音声データ出力回路206と、ランプデータ出力回路207と、を備えている。
CPU200は、主基板11から送信された演出制御コマンドを受信すると、RAM202の所定領域をワークエリアとして用いながら、ROM201から演出制御を行うための制御データを読み出す。こうして読み出した制御データに基づいて、CPU200は、VDP203に描画指令を送るなどして可変表示装置4の表示制御を行ったり、音声データ出力回路206から音声出力回路13に音声データを出力させるなどして音声出力制御を行ったり、ランプデータ出力回路207からランプドライバ回路14にランプデータを出力させるなどしてランプ点灯制御を行ったりする。
VDP203は、例えば可変表示装置4による画像表示を行うための表示制御機能及び高速描画機能を有し、CPU200からの描画指令に従った画像処理を実行する。また、CPU200とは独立した二次元のアドレス空間を持ち、そこにVRAM205をマッピングしている。例えばVDP203は、CGROM204から読み出した画像データをVRAM205の所定領域に展開する。そして、可変表示装置4に対してR(赤)、G(緑)、B(青)信号及び同期信号などからなる映像信号を出力する。一例として、R、G、B信号はそれぞれ8ビットで表され、可変表示装置4はVDP203からの指示に従ってR、G、Bのそれぞれを256階調、これらを合成して約1670万色の多色表示を行うことができる。なお、R、G、B信号のビット数は8ビット以外のビット数であってもよく、また、R、G、B信号の各ビット数が互いに異なる数であってもよい。
CGROM204は、可変表示装置4にて画像表示を行うために使用される各種の画像データを記憶しておくためのものである。例えば、CGROM204には、可変表示装置4にて表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、動物、または、文字、図形もしくは記号等が予め記憶されていている。この実施の形態において、CGROM204には、乱数発生回路17に異常が発生したことを報知するための文字列からなる画像データなどが格納されている。
VRAM205は、VDP203による画像データの展開が行われるフレームバッファメモリである。
音声データ出力回路206は、CPU200からの制御指令を受けて音声出力回路13に音声データを出力する。音声出力回路13では、例えば音声データ出力回路206から受けた音声データにデジタル/アナログ変換を施すなどして音声信号を生成し、スピーカ8L、8Rに供給することによって音声を出力させる。
ランプデータ出力回路207は、CPU200からの制御指令を受けてランプドライバ回路14にランプデータを出力する。ランプドライバ回路14では、例えばランプデータ出力回路207から受けたランプデータに応じたランプ駆動信号を生成し、遊技効果ランプ9に供給することによってランプの点灯/消灯切換を行う。
また、演出制御基板12は、図6に示すように、受信コマンドバッファメモリ210と、フラグメモリ211と、を備えている。
受信コマンドバッファメモリ210には、主基板11から受信した演出制御コマンドを格納するための受信コマンドバッファが複数設けられている。図7は、受信コマンドバッファメモリ210の構成例を示す図である。図7に示す例では、12個の受信コマンドバッファが設けられており、受信したコマンドを格納する受信コマンドバッファは、コマンド受信個数カウンタで指定される。コマンド受信個数カウンタは、「0」〜「11」の値をとる。各受信コマンドバッファは、例えば1バイトで構成され、複数の受信コマンドバッファをリングバッファとして使用することにより、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納することができる。
図6に示すフラグメモリ211は、主基板11から受信した演出制御コマンドなどに応じて、各々セットあるいはクリアされる複数種類のフラグを設定するためのものである。フラグメモリ211には、例えば、演出制御プロセスフラグや、エラー演出フラグなどが設けられている。演出制御プロセスフラグは、後述する演出制御プロセス処理(図19)において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。エラー演出フラグは、主基板11から送信されたエラー演出開始コマンドを受信したときにオン状態にセットされる。
図8は、乱数発生回路17と監視回路18との構成を示すブロック図である。
乱数発生回路17は、図8に示すように、基準クロック信号出力回路171と、クロック信号生成回路172と、カウンタ173と、ラッチ信号出力回路174と、乱数値記憶回路175と、タイマ回路176と、から構成されている。乱数発生回路17は、大当りを発生させてパチンコ遊技機1を大当り遊技状態とするか否かを決定する大当り判定用の乱数を発生する。
基準クロック信号出力回路171は、所定の周波数(例えば20MHz)の基準クロック信号S0を生成するものである。基準クロック信号出力回路171は、この生成した基準クロック信号S0をクロック信号生成回路172とタイマ回路176とに出力する。
クロック信号生成回路172は、D型フィリップフロップ回路などによって構成されている。クロック信号生成回路172のクロック端子CKは、基準クロック信号出力回路171の出力端子に接続され、正相出力端子Qは、カウンタ173に接続されている。また、クロック信号生成回路172の逆相出力端子(反転出力端子)Q(バー)は、その入力端子Dとラッチ信号出力回路174のクロック端子CKとに接続されている。
クロック信号生成回路172は、逆相出力端子Q(バー)から入力端子Dへとフィードバックされる信号を、基準クロック信号出力回路171からクロック端子CKへと入力される基準クロック信号S0が立ち上がるタイミングに同期させて、正相出力端子Qから出力すると共に、この正相出力端子Qから出力される信号の逆相信号(反転信号)を逆相出力端子Q(バー)から出力する。このようにして、クロック信号生成回路172は、周期が同一で位相が異なる2つのクロック信号(カウント用クロック信号S1及びラッチ用クロック信号S2)を生成して、カウント用クロック信号S1を正相出力端子Qから、ラッチ用クロック信号S2を逆相出力信号S2を逆相出力端子Q(バー)から出力することができる。
具体的には、正相出力端子Qからは、周波数10MHzのカウント用クロック信号S1が出力され、逆相出力端子Q(バー)からは、このカウント用クロック信号S1の逆相信号、即ち、カウント用クロック信号S1と同じく周波数が10MHzで、カウント用クロック信号S1とは位相がπ(=180°)だけ異なるラッチ用クロック信号S2が出力される。
カウンタ173は、クロック信号生成回路172の正相出力端子Qから入力されるカウント用クロック信号S1の立ち上がりエッジに応答して、出力するカウント値Cを所定の初期値から所定の最終値まで循環的に更新する。
この実施の形態において、カウンタ173は、16ビットのバイナリカウンタであり、カウント用クロック信号S1の立ち上がりエッジが入力される毎に、カウント値Cを「0」から「65535」まで1ずつカウントアップして行く。そして、カウント値Cを「65535」までカウントアップすると、「0」に戻して、再び「65535」までカウントアップして行く。即ち、カウント値Cは、カウンタ173にカウント用クロック信号S1の立ち上がりエッジが入力される毎に、「0」→「1」→…→「65535」→「0」→…と循環的に更新される。
ラッチ信号出力回路174は、D型フィリップフロップ回路などによって構成されている。ラッチ信号出力回路174の入力端子Dは、タイマ回路176の出力端子に接続され、クロック端子CKは、クロック信号生成回路172の逆相出力端子Q(バー)に接続されている。また、ラッチ信号出力回路174の出力端子Qは、乱数値記憶回路175に接続されている。
ラッチ信号出力回路174は、入力端子Dから入力される始動入賞信号SSを、クロック端子CKから入力されるラッチ用クロック信号S2の立ち上がりエッジに同期させて、ラッチ信号SLを生成して出力端子Qから出力する。
図8に示す乱数値記憶回路175は、16ビットレジスタであり、後述するステップS102の入賞処理において読み出される乱数値Rを記憶する。乱数値記憶回路175は、ラッチ信号出力回路174の出力端子Qから入力されるラッチ信号SLの立ち上がりエッジに応答して、カウンタ173から入力されるカウント値Cを、乱数値Rとしてラッチして記憶することにより、乱数発生回路17に始動入賞信号SSが入力される毎に、記憶する乱数値Rを順次更新する。
図9は、乱数値記憶回路175の構成例を示す回路図である。乱数値記憶回路175は、図9に示すように、2個のAND回路701,703と、2個のNOT回路702,704と、16個のフィリップフロップ回路710〜725と、16個のOR回路730〜745と、から構成されている。
AND回路701の入力端子は、ラッチ信号出力回路174の出力端子QとNOT回路704の出力端子とに接続され、出力端子は、NOT回路702の入力端子とフィリップフロップ回路710〜725のクロック端子CK0〜CK15とに接続されている。NOT回路702の入力端子は、AND回路701の出力端子に接続され、出力端子は、AND回路703の一方の入力端子に接続されている。
AND回路703の入力端子は、NOT回路702の出力端子と遊技制御用マイクロコンピュータ100のI/Oポート104とに接続され、出力端子は、NOT回路704の入力端子に接続されている。NOT回路704の入力端子は、AND回路703の出力端子に接続され、出力端子は、AND回路701の一方の入力端子とOR回路730〜745の各々の一方の入力端子とに接続されている。
フィリップフロップ回路710〜725の入力端子D0〜D15は、カウンタ173の出力端子に接続されている。フィリップフロップ回路710〜725のクロック端子CK0〜CK15は、AND回路701の出力端子に接続され、出力端子Q0〜Q15は、OR回路730〜745の各々の他方の入力端子に接続されている。
OR回路730〜745の入力端子は、NOT回路704の出力端子とフィリップフロップ回路710〜725の出力端子の各々とに接続され、出力端子は、遊技制御用マイクロコンピュータ100のI/Oポート104に接続されている。
図10は、OR回路730〜745の出力端子と遊技制御用マイクロコンピュータ100のI/Oポート104との接続の詳細を説明するための図である。この実施の形態において、OR回路730〜745の出力端子と、I/Oポート104に含まれる大当り判定用乱数の入力ポートの各ビットと、は、図10に示すように、入れ替えて接続されている。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される乱数のランダム性を高めることができる。
上記構成を備える乱数値記憶回路175の動作を図11に示すタイミングチャートを参照して説明する。
遊技制御用マイクロコンピュータ100から出力制御信号SC(ハイレベルの信号)が入力されていない場合に(AND回路703の一方の入力がローレベルの場合に)、ラッチ信号出力回路174の出力端子Qから入力されるラッチ信号SLがローレベルからハイレベルに立ち上がるタイミング(図11に示す例では、タイミングT1,T2,T7)に、AND回路701の入力は、共にハイレベルとなり、その出力端子から出力される信号SA1は、ハイレベルとなる。そして、AND回路701から出力された信号SA1は、フィリップフロップ回路710〜725のクロック端子CK0〜CK15に入力される。
フィリップフロップ回路710〜725は、クロック端子CK0〜CK15から入力される信号SA1の立ち上がりエッジに応答して、カウンタ173から入力端子D0〜D15を介して入力されるカウント値CのビットデータC0〜C15を乱数値のビットデータR0〜R15としてラッチして格納し、格納した乱数値RのビットデータR0〜R15を出力端子Q0〜Q15から出力する。
出力制御信号SCが入力されていない場合(図11に示す例では、タイミングT3までの期間、タイミングT6以降の期間)、AND回路703の一方の入力がローレベルとなるため、その出力端子から出力される信号SA2は、ローレベルとなる。信号SA2は、NOT回路704において反転され、OR回路730〜745の一方の入力端子には、ハイレベルの信号が入力される。
このようにOR回路730〜745の一方の入力がハイレベルとなるため、他方の入力端子に入力される信号がハイレベルであるかローレベルであるかに関わらず、即ち、入力される乱数値RのビットデータR0〜R15の値が「0」であるか「1」であるかに関わらず、OR回路730〜745から出力される信号SO0〜SO15は、全てハイレベル(「1」)となる。これにより、乱数値記憶回路175から出力される値は、常に「635535(=1111h)」となるため、乱数値記憶回路175から乱数値Rを読み出すことはできなくなる。即ち、出力制御信号SCが入力されていない場合、乱数値記憶回路175は、読出不能(ディセイブル)状態となる。
そして、ラッチ信号出力回路174から入力されるラッチ信号SLがローレベルのときに、遊技制御用マイクロコンピュータ100から出力制御信号SCが入力されると(図11に示す例では、タイミングT4からタイミングT6までの期間)、AND回路703の入力が共にハイレベルとなるため、その出力端子から出力される信号SA2は、ハイレベルとなる。信号SA2は、NOT回路704において反転され、OR回路730〜745の一方の入力端子には、ローレベルの信号が入力される。
このようにOR回路730〜745の一方の入力がローレベルとなるため、他方の入力端子に入力される信号がハイレベルのときは、その出力端子からハイレベルの信号が出力され、ローレベルのときは、ローレベルの信号が出力される。即ち、OR回路730〜745の他方の入力端子に入力される乱数値RのビットデータR0〜R15の値は、OR回路730〜745の出力端子からそのまま(ビットデータR0〜R15の値が「1」のときは「1」が、「0」のときは「0」が、)出力される。これにより、乱数値記憶回路175からの乱数値Rの読出が可能となる。即ち、出力制御信号SCが入力されている場合、乱数値記憶回路175は、読出可能(イネイブル)状態となる。
但し、遊技制御用マイクロコンピュータ100から出力制御信号SCが入力される前に、ラッチ信号出力回路174からラッチ信号SLが入力されている場合、AND回路703の一方の入力がローレベルとなるため、その後、ラッチ信号SLが入力されているままの状態で、出力制御信号SCが入力されても(図11に示す例では、タイミングT3からタイミングT4の期間)、その出力端子から出力される信号SA2は、ローレベルのままとなる。そして、信号SA2は、NOT回路704において反転され、OR回路730〜745の一方の入力端子には、ハイレベルの信号が入力される。
このようにOR回路730〜745の一方の入力がハイレベルとなるため、他方の入力端子に入力される信号がハイレベルであるかローレベルであるかに関わらず、OR回路730〜745から出力される信号SO0〜SO15は、全てハイレベルとなり、出力制御信号SCが入力されているにも関わらず、乱数値記憶回路175から乱数値Rを読み出すことができない状態のままとなる。即ち、ラッチ信号SLが入力されているとき、乱数値記憶回路175は、出力制御信号SCに対して受信不能状態となる。
また、ラッチ信号出力回路174から入力されるラッチ信号SLがハイレベルになる前に、遊技制御用マイクロコンピュータ100から出力制御信号SCが入力されている場合、AND回路701の一方の入力がローレベルとなるため、その後、出力制御信号SCが入力されているままの状態で、入力されるラッチ信号SLがハイレベルになっても(図11に示す例では、タイミングT5)、その出力端子から出力される信号SA1は、ローレベルのままとなる。このため、フィリップフロップ回路710〜725のクロック端子CK0〜CK15に入力される信号SA1は、ローレベルからハイレベルに立ち上がらず、フィリップフロップ回路710〜725に格納されている乱数値RのビットデータR0〜R15は、ラッチ信号出力回路174から入力されるラッチ信号SLが立ち上がっても、更新されない。即ち、出力制御信号SCが入力されているとき、乱数値記憶回路175は、ラッチ信号SLに対して受信不能状態となる。
図8に示すタイマ回路176は、始動口スイッチ72から始動入賞信号SSが入力されている時間を計測し、計測した時間が所定の時間(例えば3ms)になったとき、始動入賞信号SSをラッチ信号出力回路174に出力する。
この実施の形態において、タイマ回路176は、例えばアップカウンタ又はダウンカウンタによって構成され、ハイレベルの信号が入力されたことに応答して、起動する。タイマ回路176は、入力がハイレベルとなっている間、基準クロック信号出力回路171から入力される基準クロック信号S0の立ち上がりエッジに応答して、所定のタイマ値をアップカウント又はダウンカウントして行く。そして、アップカウント又はダウンカウントしたタイマ値が、3msに対応する値となったとき、タイマ回路176は、入力された信号を始動入賞信号SSであると判定して、始動入賞信号SSをラッチ信号出力回路174に出力する。
図12は、乱数発生回路17の動作を説明するためのタイミングチャートである。
図12(A)に示すように、基準クロック信号出力回路171は、タイミングT10,T11,T12,…においてローレベルからハイレベルに立ち上がる周波数20MHzの基準クロック信号S0をクロック信号生成回路172のクロック端子CKに出力する。
クロック信号生成回路172は、逆相出力端子Q(バー)から入力端子Dへとフィードバックされるラッチ用クロック信号S2を、クロック端子CKから入力される基準クロック信号S0の立ち上がりエッジに応答して、ラッチして正相出力端子Qから出力する。これにより、正相出力端子Qからは、図12(B)に示すように、タイミングT10,T12,T14,…において、ローレベルからハイレベルへと立ち上がる周波数10MHzのカウント用クロック信号S1が出力される。
また、クロック信号生成回路172は、正相出力端子Qから出力するカウント用クロック信号S1を反転して逆相出力端子Q(バー)から出力する。これにより、逆相出力端子Q(バー)からは、図12(D)に示すように、タイミングT11,T13,T15,…において、ローレベルからハイレベルへと立ち上がる周波数10MHzのラッチ用クロック信号S2が出力される。
そして、カウンタ173は、図12(C)に示すように、クロック信号生成回路172の正相出力端子Qから入力されるカウント用クロック信号S1の立ち上がりエッジに応答して、カウント値Cを更新して出力する。一方、ラッチ信号出力回路174は、入力端子Dから入力される図12(E)に示す始動入賞信号SSを、クロック信号生成回路172の逆相出力端子Q(バー)からクロック端子CKへと入力されるラッチ用クロック信号S2の立ち上がりエッジに同期させて、図12(F)に示すラッチ信号SLを生成して出力端子Qから出力する。
乱数値記憶回路175は、カウンタ173から入力端子Dへと入力されるカウント値Cを、ラッチ信号出力回路174の出力端子Qからクロック端子CKへと入力されるラッチ信号SLの立ち上がりエッジに応答して、乱数値Rとしてラッチして記憶することにより、図12(G)に示すように、記憶する乱数値Rを更新する。
このようにして、乱数発生回路17は、カウント値Cの更新タイミングとカウント値Cのラッチタイミングとを確実に異ならせることができる。
図8に示す監視回路18は、分周回路181と、ウォッチドッグ付きリセットIC182と、から構成されている。監視回路18は、乱数発生回路17の動作状態、より具体的には基準クロック信号出力回路171等の動作状態を監視するためのものである。
分周回路181は、乱数発生回路にて乱数を生成する際に用いる基準クロック信号S0、カウント用クロック信号S1、及びラッチ用クロック信号S2のうちのいずれか一つのクロック信号を取り込んで分周し、分周したクロック信号をウォッチドッグ付きリセットICに出力する。この実施の形態では、分周回路181は、クロック信号生成回路172の正相出力端子Qから出力されるカウント用クロック信号S1を分周し、分周クロック信号S3を生成してウォッチドッグ付きリセットIC182に出力する。
ウォッチドッグ付きリセットIC182は、ウォッチドッグ回路(図示せず)を内蔵したリセット用のICであり、その出力端子は、ノンマスカブル割込端子への配線に接続されている。ウォッチドッグ付きリセットIC182は、所定のクロックパルスに応答して、ウォッチドッグ回路のタイマ値をアップカウント又はダウンカウントして行く。ウォッチドッグ付きリセットIC182は、分周回路181から入力される分周クロック信号S3の立ち上がりエッジに応答して、ウォッチドッグ回路のタイマ値を初期化する。
ここで、ウォッチドッグ回路にて計測可能な時間、即ちウォッチドッグ回路のタイマ値が初期値から最終値までカウントアップ又はカウントダウンされるまでの時間は、分周クロック信号S3の周期よりも長くなるように設定されている。このため、乱数発生回路17の基準クロック信号出力回路171やクロック信号生成回路172が正常に作動している場合、ウォッチドッグ回路には、分周クロック信号S3の立ち上がりエッジが定期的に入力されるため、タイマ値が最終値に達することはない。
他方、基準クロック信号出力回路171やクロック信号生成回路172に異常が発生して、基準クロック信号S0や、カウント用クロック信号S1、ラッチ用クロック信号S2が生成されていない場合、ウォッチドッグ回路には、分周クロック信号S3の立ち上がりエッジが入力されないため、タイマ値は最終値まで達する。
このように分周回路181から分周クロック信号が入力されることなくウォッチドッグ回路がタイムアウトした場合、ウォッチドッグ付きリセットIC182は、基準クロック信号出力回路171やクロック信号生成回路172に異常が発生したことを示す異常信号を、主基板11のCPU103のノンマスカブル割込端子XMNIに、ノンマスカブル割込要求信号NMIとして供給する。これにより、CPU103のノンマスカブル割込端子XMNIの入力は、ハイレベルからローレベルへと立ち下がり、主基板11では、ノンマスカブル割込が発生して、後述するリセット割込処理(図18)が実行される。この結果、主基板11側において、乱数発生回路17の動作状態に異常が発生したことを把握することが可能になるため、パチンコ遊技機1は、係る異常の発生に起因して、遊技者が不利益を受けるといった事態を防止することが可能となる。
なお、定期的にカウント値をカウントアップすると共に、乱数回路の基準パルス(基準クロック信号)を受けてカウント値をクリアするカウンタと、カウンタにおけるカウント値と所定の閾値とを比較し、カウント値がこの閾値に達したときに異常信号を出力する比較器と、を備える監視回路は、既に開示されている(例えば特開平11−313966)。これを本実施の形態にそのまま適用し、監視回路18に基準クロック信号S0を取り込んで乱数発生回路17を監視しようとした場合、基準クロック信号出力回路171の不具合に起因する異常については検出可能であるが、クロック信号生成回路172の不具合に起因する異常については検知できない。即ち基準クロック信号出力回路171が正常に稼働して基準クロック信号S0は生成されているが、クロック信号生成回路172に不具合が生じ、カウント用クロック信号S1やラッチ用クロック信号S2が生成されず、乱数値Rが更新されない場合等には、係る異常の発生を検知することはできない。このため、監視回路18は、この実施の形態のようにカウント用クロック信号S1を取り込んだり、或いはラッチ用クロック信号S2を取り込んだりして乱数発生回路17を監視するようにした方が好ましい。このようにすれば、基準クロック信号出力回路171のみならず、クロック信号生成回路172に発生した異常をも検知することが可能となり、監視回路18の監視機能は一層増すことになる。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。図13は、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。主基板11では、電源基板10からの電源電圧が供給されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103が、まず、図13のフローチャートに示す遊技制御メイン処理を実行する。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込禁止に設定した後(ステップS1)、必要な初期設定を行う(ステップS2)。この初期設定では、例えば、RAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒ごと)ごとにCTCから割込要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込を許可した後(ステップS3)、ループ処理に入る。
図13に示す遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込要求信号を受信して割込要求を受け付けると、図14のフローチャートに示す遊技制御割込処理を実行する。
遊技制御割込処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行する(ステップS11)。スイッチ処理では、スイッチ回路107を介して始動口スイッチ72から入力される始動入賞信号SSがオン状態となっているか否かを判別する。始動入賞信号SSがオン状態である場合には、タイマ値を「1」加算してスイッチタイマメモリ111に格納する。一方、始動入賞信号SSがオフ状態である場合には、タイマ値をクリアする。
続いて、所定のエラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の判定用乱数を更新する判定用乱数更新処理(ステップS13)と、所定の表示用乱数を更新する表示用乱数更新処理(ステップS14)と、を順次実行する。
次に、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するために、フラグメモリ113に設けられた特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選択されて実行される。特別図柄プロセス処理に続いて、CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行する(ステップS16)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器42を所定の順序で制御するために、フラグメモリ113に設けられた普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選択されて実行される。
さらに、CPU103は、所定のコマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12等のサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送出し、遊技状態に合わせた演出動作等の動作制御を指示する(ステップS17)。例えば、CPU103が所定のコマンド送信テーブルに設定された制御データに基づいてI/Oポート104からの信号出力動作を制御することなどにより、演出制御基板12等のサブ側の制御基板に対して、遊技の進行を制御する制御信号を送信させる。このコマンド制御処理により主基板11から送出された演出制御コマンドを演出制御基板12のCPU200が受け取り、その表示制御コマンドに従って可変表示装置4の表示制御などが行われる。
また、CPU103は、所定の情報出力処理を実行することにより、各種出力データの格納領域の内容をI/Oポート104に含まれる各出力ポートに出力する(ステップS18)。この情報出力処理では、主基板11から情報端子基板16に、大当り情報、始動情報、確率変動情報などをホール管理用コンピュータに対して出力する指令の送出も行われる。
続いて、CPU103は、所定のソレノイド出力処理を実行することにより、所定の条件が成立したときに普通可変入賞球装置6における可動翼片の可動制御や特別可変入賞球装置7における開閉板の開閉駆動を行う(ステップS19)。この後、所定の賞球処理を実行することにより、始動口スイッチ72から入力された始動入賞信号SSに基づく賞球数の設定などを行い、所定の払出制御基板に対して払出制御コマンドを出力可能とする(ステップS20)。
図15は、ステップS15にて実行される特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理を開始すると、CPU103は、図15に示すように、まず、遊技球が普通可変入賞球装置6に入賞したか否かを、スイッチタイマメモリ111に記憶されているタイマ値をチェックすることにより、判別する(ステップS101)。ステップS101において、CPU103は、スイッチタイマメモリ111に記憶されているタイマ値をロードし、ロードしたタイマ値を所定のスイッチオン判定値(例えば「2」)と比較する。ここで、スイッチオン判定値は、タイマ割込処理の実行回数(例えば「2」)に対応して予め定められている。これにより、CPU103は、所定回(例えば2回)のタイマ割込処理が実行されている間(例えば4ms)、始動口スイッチ72から始動入賞信号SSが継続して入力されたが否かを判別することができる。
そして、この比較結果に基づいて、CPU103は、タイマ値がスイッチオン判定値「2」以上であるか否かを判別する。タイマ値がスイッチオン判定値「2」以上である場合には、遊技球が入賞しているものと判別して(ステップS101;Yes)、入賞処理を実行する(ステップS102)と共に、タイマ値をクリアする。一方、タイマ値がスイッチオン判定値「2」未満である場合には、遊技球が入賞していないものと判別して(ステップS101;No)、入賞処理をスキップする。
図16は、ステップS102の入賞処理を示すフローチャートである。この入賞処理において、CPU103は、図16に示すように、まず、特図保留メモリ110が記憶している始動入賞記憶数が最大値の「4」であるか否かを判別する(ステップS201)。ここで、特図保留メモリ110において、始動入賞記憶番号「4」に対応した乱数値Rが記憶されている場合には、始動入賞記憶数が「4」であると判別される。
始動入賞記憶数が「4」であるときには(ステップS201;Yes)、今回の入賞による始動検出は無効として、そのまま入賞処理が終了する。一方、始動入賞記憶数が「4」未満であるときには(ステップS201;No)、乱数値記憶回路175に出力制御信号SCを送出して、乱数値記憶回路175を読出可能(イネイブル)状態に制御する(ステップS202)。
続いて、CPU103は、乱数値記憶回路175から乱数値Rを読み出し(ステップS203)、この読み出した乱数値Rを、例えばRAM102に設けられた所定のバッファ領域に格納した後(ステップS204)、乱数値記憶回路175への出力制御信号SCの送出を停止して、乱数値記憶回路175を読出不能(ディセイブル)状態に制御する(ステップS205)。そして、CPU103は、始動入賞記憶数を「1」加算し(ステップS206)、所定のバッファ領域に格納した乱数値Rを特図保留メモリ110の空エントリの先頭にセットする(ステップS207)。
この後、CPU103は、フラグメモリ113に格納されている特別図柄プロセスフラグの値に基づいて、図15に示すステップS110〜S118の9個の処理のいずれかを選択する。以下に、ステップS110〜S118の各処理について説明する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特別図柄プロセスフラグの値が初期値「0」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、特図保留メモリ110が記憶している保留記憶数が「0」であるか否かを判別する。ここで、特図保留メモリ110において、保留番号「1」に対応した乱数値R等の各種データが記憶されていない場合には、保留記憶数が「0」であると判別される。保留記憶数が「0」であれば、演出制御基板12を介して可変表示装置4上にデモンストレーション画面を表示するなどして、特別図柄通常処理を終了する。一方、保留記憶数が「0」ではないと判別すると、特別図柄プロセスフラグの値を大当り判定処理に対応した値である「1」に更新する。
ステップS111の大当り判定処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「1」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、図17に示すように、まず、特図保留メモリ110から保留番号「1」に対応して格納されている乱数値Rを読み出す(ステップS211)。この際、保留記憶数を「1」減算し、且つ、特図保留メモリ110の第2〜第4エントリ(保留番号「2」〜「4」)に格納された乱数値Rを1エントリずつ上位にシフトする(ステップS212)。
続いて、CPU103は、確率向上状態(確変中)であるか否かを判別し(ステップS213)、確変中ではなければ(ステップS213;No)、通常遊技状態であると判断し、特図ゲームの表示結果を大当りとするか否かを判定するためのテーブルとして、図4(A)に示すような通常時大当り判定用テーブル120を設定する(ステップS214)。これに対して、確変中であれば(ステップS213;Yes)、図4(B)に示すような確変時大当り判定用テーブル121を設定する(ステップS215)。
CPU103は、ステップS211にて読み出した乱数値Rに基づき、ステップS214又はS215にて設定した大当り判定用テーブル120又は121を用いて特図ゲームの表示結果を大当りとするか否かを判定する(ステップS216)。そして、大当りとすることに決定した場合には(ステップS216;Yes)、フラグメモリ113に設けられた大当りフラグをオン状態にセットし(ステップS217)、ハズレとすることに決定した場合には(ステップS216;No)、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS218)。この後、特別図柄プロセスフラグの値を確定図柄決定処理に対応した値である「2」に更新する(ステップS219)。
図15に示すステップS112の確定図柄決定処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「2」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、フラグメモリ113に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かを判別するとともに、所定のリーチ判定用乱数を抽出した結果等に基づいて、リーチとするか否かを判別する。これらの判別結果に従って、可変表示装置4による特図ゲームにおける最終的な確定図柄が設定される。その後、特別図柄プロセスフラグの値を可変表示パターン設定処理に対応した値である「3」に更新する。
ステップS113の可変表示パターン設定処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「3」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、まず、フラグメモリ113に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かを判別するとともに、上記ステップS112の確定図柄決定処理にてリーチとすることが決定されたか否かを判別し、これらの判別結果に従って、所定の可変表示パターンテーブルを設定する。そして、所定の可変表示パターン決定用乱数を抽出した結果等に基づいて、設定した可変表示パターンテーブルのうちから、今回の特図ゲームで使用する可変表示パターンを決定する。こうして可変表示パターンを決定した後、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を可変表示制御処理に対応した値である「4」に更新する。
ステップS114の可変表示制御処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「4」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、可変表示装置4において飾り図柄の全図柄が可変表示を開始するように制御する。具体的には、上述したステップS112の確定図柄決定処理にて決定した飾り図柄の確定図柄に対応する制御データや、ステップS113の可変表示パターン設定処理にて決定した可変表示パターンに対応する制御データを、所定のコマンド送信テーブルに設定するなどして、可変表示開始コマンドと左・中・右の図柄指定コマンドを演出制御基板12に対して送出可能に設定する。そして、可変表示パターンに対応する総可変表示時間を所定の可変表示時間タイマに設定し、可変表示開始コマンドが送信されるとともにカウントダウンを開始する。この後、所定の可変表示時間タイマがタイムアウトすると、特別図柄プロセスフラグの値を可変表示停止時処理に対応した値である「5」に更新する。
ステップS115の可変表示停止時処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「5」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して特別図柄確定コマンドを送出するための設定を行う。具体的には、特別図柄確定コマンドに対応する制御データを、所定のコマンド送信テーブルに設定するなどして、特別図柄確定コマンドを演出制御基板12に対して送出可能に設定する。また、パチンコ遊技機1が確率向上状態となっているときには、確率向上状態から通常遊技状態に戻すか否かを判定し、戻すと判定すると、パチンコ遊技機1における遊技状態を確率向上状態から通常遊技状態に移行させる。そして、可変表示の表示結果が大当りになるときは、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応した値である「6」に更新し、ハズレとなるときには、特別図柄プロセスフラグの値を「0」に更新する。
ステップS116の大入賞口開放前処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「6」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、大入賞口としての特別可変入賞球装置7を開放する制御を開始するための設定を行う。そして、特別可変入賞球装置7を開放する制御を開始するとともに、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理に対応した値である「7」に更新する。
ステップS117の大入賞口開放中処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「7」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、開成された特別可変入賞球装置7への遊技球の入賞検出、賞球の払出指令、開成時間の計測、及び開成サイクルのラウンド数表示のための表示制御コマンド設定等を行う。そして、例えば、1回の大当りについて、特別可変入賞球装置7の開成回数をカウントし、開成回数が例えば16回に達していれば、特定遊技状態(大当り遊技状態)を終了する条件が成立したとして特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理に対応した値である「8」に更新する。一方、開成回数が16回に達していなければ、特別可変入賞球装置7を一旦閉成した後、所定時間が経過するのを待って再度開成する。
ステップS118の大当り終了処理は、特別図柄プロセスフラグの値が「8」のときに実行される処理である。この処理において、CPU103は、演出制御基板12に対して所定の大当り終了コマンドを送出するための設定を行うなどして、大当り遊技状態を終了させる。また、CPU103は、フラグメモリ113に設けられた大当りフラグをクリアしてオフ状態とする。そして、特別図柄プロセスフラグの値を「0」に更新する。
また、CPU103のノンマスカブル割込端子XMNIがウォッチドッグ付きリセットIC182からノンマスカブル割込要求信号MNIの供給を受けて、その入力がハイレベルからローレベルへ立ち下がると、タイマ割込みの受付が禁止されると共に、タイマ割込みとは別のノンマスカブル割込みが発生する。このノンマスカブル割込みが発生すると、図18のフローチャートに示すリセット割込処理の実行が開始される。
このリセット割込処理において、CPU103は、図18に示すように、まず、演出制御コマンド用のコマンド送信バッファにエラー演出開始コマンドをセットするなどして、エラー演出開始コマンドを演出制御基板12に対して送出可能に設定する(ステップS21)。
そして、CPU103は、所定の初期化処理を実行する(ステップS22)。具体的には、例えばバックアップRAM領域のデータについてパリティデータを生成してRAM102に格納したり、RAM102をアクセス禁止状態にしたりする。この際、CPU103は、乱数発生回路17に搭載された各回路に対して、ハイレベルからローレベルへと立ち下がるリセット信号を送出してもよい。その後、CPU103は、HALT(停止)状態に移行し(ステップS23)、リセット割込処理を終了する。なお、このリセット割込処理において、CPU103は、エラー演出開始コマンドを演出制御基板12に送出した後、初期化処理のみを行うものとしてもよいし、或いはHALT状態への移行のみを行い、その後、ユーザリセットにより各部が初期化されるものとしてもよい。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。図19は、演出制御基板12に搭載された演出制御用のCPU200が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御メイン処理を開始すると、図19に示すように、まず、所定の初期化処理を実行することにより、RAM202のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるための33ミリ秒タイマの初期設定等を行う(ステップS31)。
その後、CPU200は、所定のタイマ割込フラグを監視し、タイマ割込フラグがセットされるまでループ処理を実行する(ステップS32;No)。この実施の形態では、CPU200にて33ミリ秒ごとにタイマ割込みが発生し、このタイマ割込みが発生すると、所定のタイマ割込処理を実行することにより、タイマ割込フラグがセットされる。
CPU200では、33ミリ秒ごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、CPU200は、自動的に割込禁止状態に設定するが、自動的に割込禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込禁止命令(DI命令)を発行することが好ましい。
主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることによりCPU200において割込みが発生することで、図20のフローチャートに示すコマンド受信割込処理の実行が開始される。このコマンド受信割込処理において、CPU200は、まず、各レジスタの値をスタックに退避する(ステップS41)。続いて、演出制御コマンドデータの入力に割り当てられて主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートなどから、演出制御コマンドを読み込む(ステップS42)。そして、2バイト構成の演出制御コマンドのうちの1バイト目であるか否かを判別する(ステップS43)。ここで、演出制御コマンドの1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)とは、受信側で直ちに区別可能に構成されている。すなわち、先頭ビットによって、MODEとしてのデータを受信したのかEXTとしてのデータを受信したのかを、受信側において直ちに検出できる。受信したコマンドの先頭ビットが「1」である場合には、2バイト構成である演出制御コマンドのうちの有効な1バイト目(MODEデータ)を受信したと判別される。
ステップS43の処理にて1バイト目のMODEデータであると判別したときには(ステップS43;Yes)、受信コマンドバッファメモリ210にて、コマンド受信個数カウンタにより指定される受信コマンドバッファに、受信したコマンドを格納する(ステップS44)。ステップS44の処理を実行した後には、ステップS50の処理へと進む。一方、演出制御コマンドの1バイト目でなければ(ステップS43;No)、1バイト目のMODEデータを既に受信したか否かを判別する(ステップS45)。1バイト目のMODEデータを既に受信したか否かは、受信コマンドバッファに格納されているコマンドデータを確認することにより、判別することができる。
1バイト目を既に受信している場合には(ステップS45;Yes)、今回受信した1バイトのうちの先頭ビットが「0」であるか否かを判別し、先頭ビットが「0」であれば、有効な2バイト目を受信したとして、コマンド受信個数カウンタにより指定される次の受信コマンドバッファに、受信したコマンドを格納する(ステップS46)。なお、ステップS45の処理にて演出制御コマンドの1バイト目を受信していないと判別した場合や(ステップS45;No)、2バイト目として受信したデータのうちの先頭ビットが「0」でない場合には、ステップS50の処理へと進む。
ステップS46の処理にて2バイト目のコマンドデータを格納すると、コマンド受信個数カウンタの値を2加算し(ステップS47)、その値が「12」以上であるか否かを判別する(ステップS48)。「12」以上であれば(ステップS48;Yes)、コマンド受信個数カウンタをクリアして、その値を「0」に戻す(ステップS49)。一方、「12」未満のときには(ステップS48;No)、ステップS49の処理をスキップする。その後、ステップS41の処理にて退避されていたレジスタを復帰し(ステップS50)、割込許可に設定する(ステップS51)。
こうしたコマンド受信割込処理により、主基板11から送信された演出制御コマンドが受信コマンドバッファメモリ210に設けられた受信コマンドバッファに格納される一方で、図19に示すステップS32の処理にてタイマ割込みの発生が確認される。タイマ割込みの発生が確認されたときには(ステップS32;Yes)、フラグメモリ211に設けられたタイマ割込フラグをクリアしてオフ状態とした後に、所定のコマンド解析処理を実行する(ステップS33)。
コマンド解析処理が終了すると、CPU200は、所定のエラー処理を実行することにより、必要に応じて、可変表示装置4や、スピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9などによりエラーが発生した旨が遊技者に対して報知される(ステップS34)。続いて、CPU200は、所定のランダムカウンタがカウントするランダムの値を更新するためのカウンタ更新処理(ステップS35)などを実行した後、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS36)。
図21は、図19に示すステップS33のコマンド解析処理を示すフローチャートである。このコマンド解析処理において、CPU200は、図21に示すように、まず、受信コマンドバッファメモリ210に設けられたコマンド受信テーブルに、主基板11から受信した演出制御コマンドが格納されているか否かを確認する(ステップS301)。
コマンド受信テーブルに受信コマンドが格納されている場合(ステップS301;Yes)、CPU200は、コマンド受信テーブルから受信コマンドを読み出し(ステップS302)、この読み出した受信コマンドがエラー演出開始コマンドであるか否かを判別する(ステップS303)。なお、読み出したら読出ポインタの値を1加算しておく。
ステップS302の処理にて読み出した受信コマンドがエラー演出指定コマンドであると判別した場合(ステップS303;Yes)、CPU200は、フラグメモリ211に設けられたエラー演出開始フラグをオン状態にセットし(ステップS304)、ステップS301の処理へとリターンする。
一方、ステップS302の処理にて読み出した受信コマンドがその他の演出制御コマンドである場合には(ステップS303;No)、受信コマンドに対応するコマンド受信フラグをセットし(ステップS305)、ステップS301の処理へとリターンする。
一方、ステップS301の処理にてコマンド受信テーブルに受信コマンドが格納されていないと判別した場合には(ステップS301;No)、そのままコマンド解析処理を終了する。
図22は、図19のステップS34にて実行されるエラー処理の詳細を示すフローチャートである。このエラー処理において、CPU200は、図22に示すように、まず、フラグメモリ211に設けられたエラー演出開始フラグをオンになっているか否かを判別する(ステップS311)。ステップS311の処理にてエラー演出開始フラグがオフになっていると判別された場合には(ステップS311;No)、そのままエラー処理を終了する。
一方、ステップS311の処理にてエラー演出開始フラグがオンになっていると判別された場合には(ステップS311;Yes)、エラー演出開始フラグをクリアした後(ステップS312)、CGROM204から、乱数発生回路17に異常が発生したことを報知するための文字列からなる画像データを読み出し、この読み出した画像データに従った描画命令をVRAM205に対して送出するなどして、可変表示装置4にて、乱数発生回路17に異常が発生した旨を報知する演出表示を開始するための設定を行う(ステップS313)。
この実施の形態では、異常が発生した旨のメッセージは、飾り図柄が可変表示される領域の上方の領域に表示される。このため、図23に示すように、飾り図柄の可変表示が実行されている場合おいても、異常が発生した旨のメッセージを、この飾り図柄の可変表示に割り込ませて表示させることができる。なお、異常が発生した旨のメッセージを、飾り図柄の可変表示の終了後や、大当り遊技状態の終了後に可変表示装置4上に表示させるようにしてもよい。
また、異常が発生した旨を報知する際、可変表示装置4による表示動作のみならず、所定のエラーランプを点灯させたり、スピーカ8L、8Rから警告音を発生させたりするといった動作を加えてもよく、また、エラーランプの点灯や、警告音の発生のみによって、払出エラーが発生した旨を報知する態様であってもかまわない。
以上説明したように、この実施の形態によれば、クロック信号生成回路172は、逆相出力端子Q(バー)から入力端子Dへとフィードバックされるラッチ用クロック信号S2を、クロック端子CKから入力される基準クロック信号S0の立ち上がりエッジに応答して、ラッチすることにより、カウント用クロック信号S1を生成して正相出力端子Qから出力する。また、クロック信号生成回路172は、生成したカウント用クロック信号S1を反転してラッチ用クロック信号S2を逆相出力端子Q(バー)から出力する。
カウンタ173は、クロック信号生成回路172の正相出力端子Qから入力されるカウント用クロック信号S1がローレベルからハイレベルへと立ち上がるタイミングT10,T12,T14,…において、カウント値Cを順次更新して行く。
そして、始動入賞口である普通可変入賞球装置6へ遊技球が入賞すると、始動口スイッチ72は、始動入賞信号SSを主基板11と乱数発生回路17とに対して送出し、乱数発生回路17に対して送出された始動入賞信号SSは、タイマ回路176を介してラッチ信号出力回路174の入力端子Dへと入力される。ラッチ信号出力回路174は、この入力端子Dに入力される始動入賞信号SSを、クロック信号生成回路172の逆相出力端子Q(バー)からクロック端子CKへと入力されるラッチ用クロック信号S2がローレベルからハイレベルへと立ち上がるタイミングT11,T13,T15,…において、ラッチ信号SLとして出力端子Qから出力する。
乱数値記憶回路175は、カウンタ173から入力端子Dへと入力されるカウント値Cを、ラッチ信号出力回路174の出力端子Qからクロック端子CKへと入力されるラッチ信号SLの立ち上がりエッジに応答して、乱数値Rとしてラッチして記憶する。
このようにして、乱数発生回路17は、カウンタ173によるカウント値Cの更新タイミングと、ラッチ信号出力回路174によるラッチ信号SLの出力タイミング(ラッチタイミング)と、を確実に異ならせることができる。また、乱数発生回路17は、基準クロック信号S0を反転させることなく、カウント値Cの更新とラッチ信号SLの出力とを行っているため、基準クロック信号S0の立ち下がりが緩やかな場合でも、更新タイミングやラッチタイミングを安定させることができる。この結果、パチンコ遊技機1は、乱数値Rの取得を確実且つ安定的に行うことができる。
一方、主基板11の側では、CPU103は、始動口スイッチ72から始動入賞信号SSが、所定回(例えば2回)のタイマ割込処理が実行されている間(例えば4ms)、継続して入力されたことを検出すると、入賞処理を実行する。
この入賞処理において、CPU103は、乱数値記憶回路175に出力制御信号SCを送出して乱数値記憶回路175を読出可能(イネイブル)状態に制御した後、乱数値記憶回路175から乱数値Rを読み出す。そして、CPU103は、乱数値記憶回路175への出力制御信号SCの送出を停止して乱数値記憶回路175を読出不能(ディセイブル)状態に制御した後、読み出した乱数値Rが所定の判定値「2001〜2184」などと一致するか否かを判定することにより、可変表示装置4による特図ゲームの表示結果を大当り遊技状態とするか否かを決定する。
このように、CPU103が乱数値Rを読み出すときのみ、乱数値記憶回路175を読出可能状態に制御することにより、パチンコ遊技機1は、乱数値の取得をより一層、確実且つ安定的に行うことができる。また、CPU103は、始動入賞口である普通可変入賞球装置6へ遊技球が入賞したときのみ、乱数値記憶回路175から乱数値Rを読み出すため、パチンコ遊技機1は、無駄な処理を省略することができる。
なお、乱数発生回路17は、始動口スイッチ72から出力された始動入賞信号SSをラッチ信号出力回路174に直接入力するのではなく、一旦タイマ回路176に入力して、始動入賞信号SSの入力時間を計測し、計測した時間が予め設定された時間(3ms)になったとき、始動入賞信号SSをラッチ信号出力回路174に入力する。このため、パチンコ遊技機1は、ラッチ信号出力回路174がノイズの影響等により誤って乱数値記憶回路175にラッチ信号SLを出力することを防止することができる。また、タイマ回路176には、2回のタイマ割込処理の実行間「4ms」よりも短い「3ms」が設定されているため、CPU103が乱数値記憶回路175から読み出した乱数値Rが前回の入賞時に読み出した乱数値Rの値と同じ値となることを防止することができる。
また、乱数値記憶回路175は、ラッチ信号出力回路174からラッチ信号SLが入力されているとき、遊技制御用マイクロコンピュータ100から入力される出力制御信号(ハイレベルの信号)SCをローレベルの信号に変換することにより、出力制御信号SCに対して受信不能状態に制御する。これにより、乱数値記憶回路175に記憶されている乱数値Rが更新されているときに、CPU103により乱数値記憶回路175から乱数値Rが読み出されることを防止することができるため、パチンコ遊技機1は、乱数値Rの更新を確実且つ安定的に行うことができる。
さらに、乱数値記憶回路175は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から出力制御信号SCが入力されているとき、ラッチ信号出力回路174から入力されるラッチ信号(ハイレベルの信号)SLをローレベルの信号に変換することにより、ラッチ信号SLに対して受信不能状態に制御する。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ100が乱数値記憶回路175から乱数値Rを読み出しているときに、乱数値記憶回路175に記憶されている乱数値Rが更新されることを防止することができるため、パチンコ遊技機1は、乱数値Rの取得を確実且つ安定的に行うことができる。
また、監視回路18の分周回路181は、クロック信号生成回路172から出力されるカウント用クロック信号S1を取り込んで分周し、分周することにより得られた分周クロック信号S3をウォッチドッグ付きリセットIC182に出力する。ウォッチドッグ付きリセットIC182は、クロックパルスに応答して、内蔵するウォッチドッグ回路のタイマ値をアップカウント又はダウンカウントして行き、分周回路181から入力される分周クロック信号S3の立ち上がりエッジに応答して、このタイマ値を初期化する。
ウォッチドッグ付きリセットIC182は、分周クロック信号S3が入力されることなくウォッチドッグ回路のタイマ値が最終値に達した場合、乱数発生回路17の基準クロック信号出力回路171やクロック信号生成回路172に異常が発生したことを示す異常信号を主基板11のCPU103のノンマスカブル割込端子XMNIにノンマスカブル割込要求信号NMIとして供給する。これにより、CPU103のノンマスカブル割込端子XMNIの入力は、ハイレベルからローレベルへと立ち下がり、主基板11では、ノンマスカブル割込が発生して、リセット割込処理が実行される。
この結果、主基板11側において、乱数発生回路17の動作状態に異常が発生したことを把握することが可能になるため、パチンコ遊技機1は、係る異常の発生に起因して、遊技者が不利益を受けるといった事態を防止することが可能となる。また、監視回路18が異常信号をノンマスカブル割込要求信号NMIとしてノンマスカブル割込端子XNMIに供給することにより、遊技制御割込処理など他の割込処理の実行を規制することができるため、遊技者に不利益を与えることを防止するという効果をより一層確実なものとすることができる。
そして、このリセット割込処理において、CPU103は、演出制御基板12に対してエラー演出開始コマンドを送信した後、所定の初期化処理を実行し、この初期化処理が終了するとHALT状態に移行する。これにより、異常信号がノンマスカブル割込要求信号NMIとしてノンマスカブル割込端子XMNIに入力されたことに応答して、CPU103の動作を停止することができる。
他方、演出制御基板12の側では、CPU200が、このエラー演出開始コマンドを受信したことに基づいて、可変表示装置4にて、乱数発生回路17に異常が発生した旨を報知する演出表示を開始させる。このように、乱数発生回路17に異常が発生したことを遊技者に報知して認識させることで、遊技者が、乱数発生回路17に異常が発生したまま状態で遊技を継続することを防止することができる。
なお、この発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、この発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
上記実施の形態において、監視回路18は、乱数発生回路17の動作状態に異常が発生したとき、異常信号としてノンマスカブル割込要求信号NMIを主基板11のCPU103のノンマスカブル割込端子XMNIに供給していた。しかしながら、本発明は、これに限定されず、監視回路18は、図24に示すように、異常信号を、外部マスカブル割込要求信号INTとして主基板11のCPU103のマスカブル割込端子XINTに供給してもよいし、リセット信号RSTとしてリセット端子XRSTに供給してもよい。また、異常信号をCTC105の外部クロック/タイマトリガ端子CLK/TRGの一つに入力して、CTC105にCPU103のマスカブル割込端子XINTに対して内部マスカブル割込要求信号INTを供給させるようにしてもよい。
図24(A)に示すように、異常信号を外部マスカブル割込要求信号INTとして主基板11のCPU103のマスカブル割込端子XINTに供給する場合、マスカブル割込端子XINTには、所定時間(例えば、2ミリ秒ごと)ごとにCTC105から内部マスカブル割込要求信号が供給されているので、遊技制御割込処理の実行を禁止してリセット割込処理のみを実行させるためには、まず、INT順位制御回路106のレジスタ設定を行うなどして、外部マスカブル割込要求信号INTの優先順位を内部マスカブル割込要求信号INTの優先順位よりも上位にするようにすればよい。また、リセット割込処理の実行を開始する際、ステップS21の処理の前に、割込禁止の設定処理を行うようにすればよい。このようにすれば、異常信号としてノンマスカブル割込要求信号NMIを主基板11のCPU103のノンマスカブル割込端子XNMIに供給した場合と同様の作用効果を得ることができる。
また、図24(B)に示すように、異常信号を外部クロック/タイマトリガ信号としてCTC105の外部クロック/タイマトリガ端子CLK/TRGに入力して、CPU103のマスカブル割込端子XINTに内部マスカブル割込要求信号INTを供給しようとする場合、CTC105は、所定時間(例えば、2ミリ秒ごと)ごとに、これとは別の内部マスカブル割込要求信号INTをCPU103に供給していることから、遊技制御割込処理の実行を禁止してリセット割込処理のみを実行させるためには、まず、INT順位制御回路106のレジスタ設定を行うなどして、異常信号の入力に応じて出力される内部マスカブル要求割込信号INTの優先順位を、その他の内部マスカブル割込要求信号INTの優先順位よりも上位にするようにすればよい。また、外部マスカブル割込要求信号INTが入力される場合には、異常信号の入力に応じて出力される内部マスカブル要求割込信号INTの優先順位を、これよりもさらに優先順位を上位にする必要もある。また、この場合にも、リセット割込処理の実行を開始する際、ステップS21の処理の前に、割込禁止の設定処理を行う必要がある。このようにすれば、異常信号としてノンマスカブル割込要求信号NMIを主基板11のCPU103のノンマスカブル割込端子XMNIに供給した場合と同様の作用効果を得ることができる。
図24(C)に示すように、異常信号をリセット信号RSTとして主基板11のCPU103のリセット端子XRSTに供給する場合には、図25に示すように、遊技制御割込処理のうちの一処理としてリセット処理を行うようにすればよい。このリセット処理において、CPU103は、図26に示すように、まず、リセット端子XRSTに入力されている信号レベルをチェックするなどして、リセット信号RSTが入力されたか否かを判別する(ステップS121)。リセット信号RSTが入力されていないと判別した場合には(ステップS121;No)、そのままリセット処理を終了する。
他方、リセット信号RSTが入力されたと判別した場合には(ステップS121;Yes)、例えばバックアップRAM領域のデータについてパリティデータを生成してRAM102に格納したり、RAM102をアクセス禁止状態にしたりする初期化処理を実行する(ステップS122)。この際、CPU103は、乱数発生回路17に搭載された各回路に対して、ハイレベルからローレベルへと立ち下がるリセット信号を送出してもよい。その後、CPU103は、HALT(停止)状態に移行し(ステップS123)、リセット処理を終了する。このようにしても、上記実施の形態と同様に、主基板11側において、乱数発生回路17の動作状態に異常が発生したことを把握することが可能になり、この結果、パチンコ遊技機1は、係る異常の発生に起因して、遊技者が不利益を受けるといった事態を防止することが可能となる。なお、このリセット処理において、CPU103は、初期化処理のみを行うものとしてもよいし、或いはHALT状態への移行のみを行い、その後ユーザリセットにより各部が初期化されるものとしてもよい。
また、上記実施の形態において、始動口スイッチ72は、始動入賞口である普通可変入賞球装置6への遊技球の入賞等を検出したことに基づいて、始動入賞信号SSを主基板11と乱数発生回路17とに出力し、そして、乱数発生回路17は、タイマ回路176において、始動口スイッチ72から始動入賞信号SSが入力されている時間を計測し、計測した時間が所定の時間(例えば3ms)になったとき、始動入賞信号SSをラッチ信号出力回路174に出力していた。
しかしながら、本発明は、これに限定されず、始動口スイッチ72は、始動入賞信号SSを主基板11に対してのみ出力し、主基板11に搭載されているCPU103は、所定回(例えば2回)のタイマ割込処理が実行されている間(例えば4ms間)、始動口スイッチ72から始動入賞信号SSが継続して入力されたことに基づいて、ラッチ用始動入賞信号SEをラッチ信号出力回路174に送出してもよい。
このような変形例に係る遊技機について、以下図面を参照して説明する。図27は、この変形例に係る乱数発生回路27の構成を示すブロック図である。なお、乱数発生回路27において、上記実施の形態に係る乱数発生回路17と同一の構成については、同一の符号を付し、必要に応じてその説明を省略する。
乱数発生回路27は、図27に示すように、基準クロック信号出力回路171と、クロック信号生成回路172と、カウンタ173と、ラッチ信号出力回路174と、乱数値記憶回路175と、から構成されている。
ラッチ信号出力回路174の入力端子Dは、I/Oポート104に接続され、クロック端子CKは、クロック信号生成回路172の逆相出力端子Q(バー)に接続されている。また、ラッチ信号出力回路174の出力端子Qは、乱数値記憶回路175に接続されている。ラッチ信号出力回路174は、入力端子Dから入力されるラッチ用始動入賞信号SEを、クロック端子CKから入力されるラッチ用クロック信号S2の立ち上がりエッジに同期させて、ラッチ信号SLを生成して出力端子Qから出力する。
図28は、乱数発生回路27の動作を説明するためのタイミングチャートである。
図28(A)に示すように、基準クロック信号出力回路171は、タイミングT10,T11,T12,…においてローレベルからハイレベルに立ち上がる周波数20MHzの基準クロック信号S0をクロック信号生成回路172のクロック端子CKに出力する。
クロック信号生成回路172は、逆相出力端子Q(バー)から入力端子Dへとフィードバックされるラッチ用クロック信号S2を、クロック端子CKから入力される基準クロック信号S0の立ち上がりエッジに応答して、ラッチして正相出力端子Qから出力する。これにより、正相出力端子Qからは、図28(B)に示すように、タイミングT10,T12,T14,…において、ローレベルからハイレベルへと立ち上がる周波数10MHzのカウント用クロック信号S1が出力される。
また、クロック信号生成回路172は、正相出力端子Qから出力するカウント用クロック信号S1を反転して逆相出力端子Q(バー)から出力する。これにより、逆相出力端子Q(バー)からは、図28(D)に示すように、タイミングT11,T13,T15,…において、ローレベルからハイレベルへと立ち上がる周波数10MHzのラッチ用クロック信号S2が出力される。
そして、カウンタ173は、図28(C)に示すように、クロック信号生成回路172の正相出力端子Qから入力されるカウント用クロック信号S1の立ち上がりエッジに応答して、カウント値Cを更新して出力する。一方、ラッチ信号出力回路174は、入力端子Dから入力される図28(E)に示すラッチ用始動入賞信号SEを、クロック信号生成回路172の逆相出力端子Q(バー)からクロック端子CKへと入力されるラッチ用クロック信号S2の立ち上がりエッジに同期させて、図28(F)に示すラッチ信号SLを生成して出力端子Qから出力する。
乱数値記憶回路175は、カウンタ173から入力端子Dへと入力されるカウント値Cを、ラッチ信号出力回路174の出力端子Qからクロック端子CKへと入力されるラッチ信号SLの立ち上がりエッジに応答して、乱数値Rとしてラッチして記憶することにより、図28(G)に示すように、記憶する乱数値Rを更新する。
このようにしても、乱数発生回路27は、カウント値Cの更新タイミングとカウント値Cのラッチタイミングとを確実に異ならせることができる。
また、この変形例において、図3に示すフラグメモリ113には、上述したフラグに加えて、乱数値読出フラグが設けられている。この乱数値読出フラグは、ラッチ用始動入賞信号SEがラッチ信号出力回路174へ送出されたときにオン状態にセットされ、乱数値記憶回路175から乱数値Rが読み出されるとクリアされてオフ状態となる。
図29は、この変形例において、ステップS15にて実行される特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理を開始すると、CPU103は、まず、フラグメモリ113に設けられた乱数値読出フラグがオンとなっているか否かを判別する(ステップS1101)。
乱数値読出フラグがオフであるときには(ステップS1101;No)、遊技球が普通可変入賞球装置6に入賞したか否かを、スイッチタイマメモリ111に記憶されているタイマ値をチェックすることにより、判別する(ステップS1102)。ステップS1102において、CPU103は、スイッチタイマメモリ111に記憶されているタイマ値をロードし、ロードしたタイマ値を所定のスイッチオン判定値(例えば「2」)と比較する。ここで、スイッチオン判定値は、タイマ割込処理の実行回数(例えば「2」)に対応して予め定められている。これにより、CPU103は、所定回(例えば2回)のタイマ割込処理が実行されている間(例えば4ms間)、始動口スイッチ72から始動入賞信号SSが継続して入力されたが否かを判別することができる。
そして、この比較結果に基づいて、CPU103は、タイマ値がスイッチオン判定値「2」以上であるか否かを判別する。タイマ値がスイッチオン判定値「2」以上である場合には、遊技球が入賞しているものと判別して(ステップS1102;Yes)、入賞処理を実行する(ステップS1103)と共に、タイマ値をクリアする。一方、タイマ値がスイッチオン判定値「2」未満である場合には、遊技球が入賞していないものと判別して(ステップS101;No)、入賞処理をスキップする。
図30は、ステップS1103の入賞処理を示すフローチャートである。この入賞処理において、CPU103は、まず、特図保留メモリ110が記憶している始動入賞記憶数が最大値の「4」であるか否かを判別する(ステップS1201)。ここで、特図保留メモリ110において、始動入賞記憶番号「4」に対応した乱数値Rが記憶されている場合には、始動入賞記憶数が「4」であると判別される。
始動入賞記憶数が「4」であるときには(ステップS1201;Yes)、今回の入賞による始動検出は無効として、そのまま入賞処理が終了する。一方、始動入賞記憶数が「4」未満であるときには(ステップS1201;No)、ラッチ用始動入賞信号SEがラッチ信号出力回路174に送出し(ステップS1202)、乱数値読出フラグをオン状態にセットする(ステップS1203)。
他方、ステップS1101の処理にて乱数値読出フラグがオンであるときには(ステップS1101;Yes)、乱数値読出処理を実行する(ステップS1104)。
図31は、ステップS1104の乱数値読出処理を示すフローチャートである。この乱数値読出処理において、CPU103は、まず、乱数値記憶回路175に出力制御信号SCを送出して、乱数値記憶回路175を読出可能(イネイブル)状態に制御する(ステップS1211)。続いて、CPU103は、乱数値記憶回路175から乱数値Rを読み出し(ステップS1212)、この読み出した乱数値Rを、例えばRAM102に設けられた所定のバッファ領域に格納した後(ステップS1213)、乱数値記憶回路175への出力制御信号SCの送出を停止して、乱数値記憶回路175を読出不能(ディセイブル)状態に制御する(ステップS1214)。
そして、CPU103は、始動入賞記憶数を「1」加算し(ステップS1215)、所定のバッファ領域に格納した乱数値Rを特図保留メモリ110の空エントリの先頭にセットする(ステップS1216)。この後、CPU103は、乱数値読出フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS1217)。
この後、CPU103は、フラグメモリ113に設けられているエラーフラグをオンとなっているか否かを判別する(ステップS1105)。エラーフラグがオンとなっている場合には(ステップS1105;Yes)、乱数発生回路17の基準クロック信号出力回路171やクロック信号生成回路172に異常が発生しているものと判断して、さらにフラグメモリ113に設けられている特別図柄プロセスフラグの値が「3」以下であるか否かを判別する(ステップS1106)。
ステップS1106の処理にて特別図柄プロセスフラグの値が「3」以下であると判別した場合には(ステップS1106;Yes)、特図ゲームが行われていないものと判断して、そのまま特別図柄プロセス処理を終了する。これにより、CPU103は、乱数発生回路17の基準クロック信号出力回路171やクロック信号生成回路172に異常が発生した後に、新たに特図ゲームが開始されるなど遊技が進行することを防止することができる。
一方、ステップS1102の処理にてタイマ値がスイッチオン判定値「2」未満であると判別した場合や(ステップS1102;No)、ステップS1105の処理にてエラーフラグがオンとなっていないと判別した場合(ステップS1105;No)、ステップS1106の処理にて特別図柄プロセスフラグの値が「3」よりも大きい値であると判別した場合(ステップS1106;No)、CPU103は、フラグメモリ113に格納されている特別図柄プロセスフラグの値に基づいて、図15に示すステップS110〜S118の9個の処理のいずれかを選択する。
以上説明したように、この変形例によれば、クロック信号生成回路172は、逆相出力端子Q(バー)から入力端子Dへとフィードバックされるラッチ用クロック信号S2を、クロック端子CKから入力される基準クロック信号S0の立ち上がりエッジに応答して、ラッチすることにより、カウント用クロック信号S1を生成して正相出力端子Qから出力する。また、クロック信号生成回路172は、生成したカウント用クロック信号S1を反転してラッチ用クロック信号S2を逆相出力端子Q(バー)から出力する。
カウンタ173は、クロック信号生成回路172の正相出力端子Qから入力されるカウント用クロック信号S1がローレベルからハイレベルへと立ち上がるタイミングT10,T12,T14,…において、カウント値Cを順次更新して行く。
そして、始動入賞口である普通可変入賞球装置6へ遊技球が入賞すると、始動口スイッチ72は、始動入賞信号SSを主基板11に対してのみ送出する。主基板11のCPU103は、始動口スイッチ72から始動入賞信号SSが、所定回(例えば2回)のタイマ割込処理が実行されている間(例えば4ms)、継続して入力されたことに基づいて、普通可変入賞球装置6へ遊技球が入賞したものと判別して、乱数発生回路27に対してラッチ用始動入賞信号SEを送出する。
乱数発生回路27に対して送出されたラッチ用始動入賞信号SEは、ラッチ信号出力回路174の入力端子Dへと入力される。ラッチ信号出力回路174は、この入力端子Dに入力されるラッチ用始動入賞信号SEを、クロック信号生成回路172の逆相出力端子Q(バー)からクロック端子CKへと入力されるラッチ用クロック信号S2がローレベルからハイレベルへと立ち上がるタイミングT11,T13,T15,…において、ラッチ信号SLとして出力端子Qから出力する。
乱数値記憶回路175は、カウンタ173から入力端子Dへと入力されるカウント値Cを、ラッチ信号出力回路174の出力端子Qからクロック端子CKへと入力されるラッチ信号SLの立ち上がりエッジに応答して、乱数値Rとしてラッチして記憶する。
この後、最初に行われるタイマ割込処理において、CPU103は、乱数値記憶回路175から乱数値Rを読み出し、読み出した乱数値Rが所定の判定値「2001〜2184」などと一致するか否かを判定することにより、可変表示装置4による特図ゲームの表示結果を大当り遊技状態とするか否かを決定する。
このようにして、乱数発生回路27は、カウンタ173によるカウント値Cの更新タイミングと、ラッチ信号出力回路174によるラッチ信号SLの出力タイミング(ラッチタイミング)と、を確実に異ならせることができる。また、乱数発生回路27は、基準クロック信号S0を反転させることなく、カウント値Cの更新とラッチ信号SLの出力とを行っているため、基準クロック信号S0の立ち下がりが緩やかな場合でも、更新タイミングやラッチタイミングを安定させることができる。この結果、パチンコ遊技機1は、乱数値Rの取得を確実且つ安定的に行うことができる。
また、CPU103は、普通可変入賞球装置6へ遊技球が入賞したものと判別したとき、乱数発生回路27のラッチ信号出力回路174にラッチ用始動入賞信号SEを出力するため、パチンコ遊技機1は、始動口スイッチ72から乱数発生回路27へ始動入賞信号SSを供給するための経路を設ける必要がなく、そのハードウェア構成を簡素化することができる。
さらに、CPU103は、2回のタイマ割込処理が実行されている間、始動入賞信号SSが継続して入力されたことに基づいて、普通可変入賞球装置6へ遊技球が入賞したものと判別するため、パチンコ遊技機1は、ノイズの影響等により誤って乱数発生回路27にラッチ用始動入賞信号SEが出力されることを防止することができる。
また、CPU103は、普通可変入賞球装置6へ遊技球が入賞したものと判別したとき、この後、最初に行われるタイマ割込処理において、乱数値記憶回路175から乱数値Rを読み出すため、この読み出した乱数値Rが前回読み出した乱数値Rと同じ値になることを防止することができる。
また、乱数発生手段の構成は、上記実施の形態の乱数発生回路17に限定されるものではなく、カウンタ173によるカウント値Cの更新タイミングと、ラッチ信号出力回路174によるラッチ信号SLの出力タイミング(ラッチタイミング)と、を異ならせることができるものであれば任意である。
例えば、図32に示すような、基準クロック信号出力回路171と、分周回路177と、セレクタ178と、カウンタ173と、ラッチ信号出力回路174と、乱数値記憶回路175と、タイマ回路176と、から構成される乱数発生回路37であってもよい。なお、乱数発生回路37において、上記実施の形態に係る乱数発生回路17や、変形例に係る乱数発生回路27と同一の構成については、同一の符号を付し、必要に応じてその説明を省略する。また、図中、監視回路18には、カウント用クロック信号S5が入力されているが、基準クロック信号S0や、分周クロック信号S4、ラッチ用クロック信号S6が入力されるようにしてもよい。但し、基準クロック信号出力回路171、分周回路177、及びセレクタ178において発生する異常を全て検知可能にして監視機能を高めようとするならば、上記実施の形態にならい、監視回路18には、カウント用クロック信号S5、或いはラッチ用クロック信号S6を入力することが好ましい。
分周回路177は、基準クロック信号出力回路171から入力される基準クロック信号S0を2分周して、分周クロック信号S4を生成する。分周回路177は、生成した分周クロック信号S4をセレクタ178に出力する。
セレクタ178は、例えば差動ペアを形成する2つのCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ等から構成されている。セレクタ178は、分周回路177から入力される分周クロック信号S4のレベルに応じて、クロック信号生成回路171から入力される基準クロック信号S1を、第1及び第2の出力端子O1,O2のうちのいずれか一方から出力する。
この変形例において、分周回路177から入力される分周クロック信号S4がハイレベルのとき、セレクタ178は、第1の出力端子O1をオンすると共に第2の出力端子O2をオフし、基準クロック信号出力回路171から入力される基準クロック信号S0を第1の出力端子O1から出力する。一方、分周回路177から入力される分周クロック信号S4がローレベルのとき、セレクタ178は、第1の出力端子O1をオフすると共に第2の出力端子O2をオンし、基準クロック信号出力回路171から入力される基準クロック信号S0を第2の出力端子O2から出力する。
図33は、乱数発生回路37の動作を説明するためのタイミングチャートである。
図33(A)に示すように、基準クロック信号出力回路171は、タイミングT10,T11,T12,…においてローレベルからハイレベルに立ち上がる周波数20MHzの基準クロック信号S0を分周回路177とセレクタ178とに出力する。
分周回路177は、図33(B)に示すように、入力された基準クロック信号S0を2分周して、T10からT11までの期間,T12からT13までの期間,…においてハイレベルとなり、T11からT12までの期間,T13からT14までの期間,…においてローレベルとなる分周クロック信号S4を生成してセレクタ178に出力する。
セレクタ178は、分周回路177から入力される分周クロック信号S4がハイレベルのとき、即ち、T10からT11までの期間,T12からT13までの期間,…において、基準クロック信号出力回路171から入力される基準クロック信号S0を第1の出力端子O1から出力する。これにより、セレクタ178の第1の出力端子O1からは、図33(C)に示すように、タイミングT10,T12,…において、ローレベルからハイレベルに立ち上がるカウント用クロック信号S5が出力され、このカウント用クロック信号S5は、カウンタ173に供給される。
そして、カウンタ173は、図33(D)に示すように、セレクタ178から供給されるカウント用クロック信号S1の立ち上がりエッジに応答して、カウント値Cを更新して出力する。
一方、セレクタ178は、分周回路177から入力される分周クロック信号S4がローレベルのとき、即ち、T11からT12までの期間,T13からT14までの期間,…において、基準クロック信号出力回路171から入力される基準クロック信号S0を第2の出力端子O2から出力する。これにより、セレクタ178の第2の出力端子O2からは、図33(E)に示すように、タイミングT11,T13,…において、ローレベルからハイレベルに立ち上がる、ラッチ用クロック信号S6が出力され、このラッチ用クロック信号S6は、ラッチ信号出力回路174に供給される。
ラッチ信号出力回路174は、入力端子Dから入力される図33(F)に示す始動入賞信号SSを、セレクタ178からクロック端子CKへと供給されるラッチ用クロック信号S6の立ち上がりエッジに同期させて、図33(G)に示すラッチ信号SLを生成して出力端子Qから出力する。
乱数値記憶回路175は、カウンタ173から入力端子Dへと入力されるカウント値Cを、ラッチ信号出力回路174の出力端子Qからクロック端子CKへと入力されるラッチ信号SLの立ち上がりエッジに応答して、乱数値Rとしてラッチして記憶することにより、図33(I)に示すように、記憶する乱数値Rを更新する。
このように、乱数発生回路17を乱数発生回路37に置換しても、カウンタ173によるカウント値Cの更新タイミングと、ラッチ信号出力回路174によるラッチ信号SLの出力タイミング(ラッチタイミング)と、を確実に異ならせることができるため、上記実施の形態と同様、乱数値Rの取得を確実且つ安定的に行うことができるという効果を得ることができる。
さらに、図34に示すような、基準クロック信号出力回路171と、遅延回路179と、ラッチ信号出力回路174と、乱数値記憶回路175と、タイマ回路176と、から構成される乱数発生回路47としてもよい。なお、乱数発生回路47において、上記実施の形態に係る乱数発生回路17や、変形例に係る乱数発生回路27、乱数発生回路37と同一の構成については、同一の符号を付し、必要に応じてその説明を省略する。また、図中、監視回路18には、基準クロック信号S0が入力されているが、遅延クロック信号S7が入力されるようにしてもよい。このようにすれば、基準クロック信号出力回路171のみならず、遅延回路179において発生する異常をも検知することが可能となるため、監視回路18の監視機能を高めることができるという点で、より好ましい態様であるといえる。
遅延回路179は、基準クロック信号出力回路171から入力される基準クロック信号S0を、この基準クロック信号S0の周期の整数倍の期間とは異なる期間だけ遅延させて、遅延クロック信号S7を生成する。遅延回路179は、生成した遅延クロック信号S7をラッチ信号出力回路174に出力する。
図35は、乱数発生回路47の動作を説明するためのタイミングチャートである。
図35(A)に示すように、基準クロック信号出力回路171は、タイミングT10,T11,T12,…においてローレベルからハイレベルに立ち上がる周波数20MHzの基準クロック信号S0を遅延回路179とカウンタ173とに出力する。
カウンタ173は、図35(B)に示すように、基準クロック信号出力回路171から入力される基準クロック信号S0の立ち上がりエッジに応答して、カウント値Cを更新して出力する。
一方、遅延回路179は、基準クロック信号出力回路171から入力される基準クロック信号S0をΔT(≠nT:nは整数)だけ遅延させて、図35(C)に示すように、タイミングT20,T21,T22,…においてローレベルからハイレベルへと立ち上がる周期Tの遅延クロック信号S7を生成して出力する。
ラッチ信号出力回路174は、入力端子Dから入力される図35(D)に示す始動入賞信号SSを、遅延回路179からクロック端子CKへと入力される遅延クロック信号S7の立ち上がりエッジに同期させて、図35(E)に示すラッチ信号SLを生成して出力端子Qから出力する。
乱数値記憶回路175は、カウンタ173から入力端子Dへと入力されるカウント値Cを、ラッチ信号出力回路174の出力端子Qからクロック端子CKへと入力されるラッチ信号SLの立ち上がりエッジに応答して、乱数値Rとしてラッチして記憶することにより、図35(F)に示すように、記憶する乱数値Rを更新する。
このように、乱数発生回路17を乱数発生回路47に置換しても、カウンタ173によるカウント値Cの更新タイミングと、ラッチ信号出力回路174によるラッチ信号SLの出力タイミング(ラッチタイミング)と、を確実に異ならせることができるため、上記実施の形態と同様、乱数値Rの取得を確実且つ安定的に行うことができるという効果を得ることができる。
また、上記実施の形態において、クロック信号生成回路172の正相出力端子Qは、カウンタ173の入力端子に接続され、逆相出力端子Q(バー)は、ラッチ信号出力回路174の入力端子Dに接続されていた。しかしながら、本発明は、これに限定されず、クロック信号生成回路172の正相出力端子Qをラッチ信号出力回路174の入力端子Qに、逆相出力端子Q(バー)をカウンタ173の入力端子に、それぞれ接続してもよい。
さらに、上記実施の形態において、カウンタ173は、アップカウンタであったが、本発明は、これに限定されず、ダウンカウンタであってもよい。さらに、数値更新手段は、カウンタ173に限定されず、疑似乱数発生回路であってもよい。また、カウンタ173のカウント値CのビットデータC0〜C15の出力端子と、乱数値記憶回路175のカウント値CのビットデータC0〜C15の入力端子と、の接続を替えてもよく、このようにすれば、乱数値記憶回路175に入力されるカウント値Cのランダム性を高めることができる。
また、上記実施の形態において、乱数値記憶回路175は、AND回路701,703やOR回路730〜745などの論理回路を用いてラッチ信号SL及び出力制御信号SCの受信制御,乱数値Rの出力制御などのイネイブル/ディセイブル制御を行っていた。しかしながら、本発明は、これに限定されず、乱数値記憶回路175は、I/Oポート104やラッチ信号出力回路174との間にFET(Field Effect Transistor)などのスイッチング素子を設け、ラッチ信号SLや出力制御信号SCの入力に応答して、I/Oポート104やラッチ信号出力回路174との経路を導通、遮断することにより、ラッチ信号SLや出力制御信号SCのイネイブル/ディセイブル制御を行ってもよい。
さらに、上記実施の形態において、タイマ回路176は、ハイレベルの信号が入力されたことに応答して起動し、入力がハイレベルとなっている間、基準クロック信号出力回路171からの基準クロック信号S0の入力に応答して、タイマ値をアップカウント又はダウンカウントして行き、タイマ値が所定の時間に対応する値となったとき、入力された信号をハイレベルの信号であると判定してラッチ信号出力回路174に出力するものであった。しかしながら、本発明は、これに限定されず、タイマ回路176は、始動口スイッチ72から始動入賞信号SSが入力されている時間を計測し、計測した時間が所定の時間になったとき、始動入賞信号SSをラッチ信号出力回路174に出力するものであれば任意である。
また、上記実施の形態において、タイマ回路176は、基準クロック信号出力回路171から順次入力される基準クロック信号S0を用いて信号の入力時間を計測していたが、本発明は、これに限定されず、タイマ回路176は、基準クロック信号S0を分周したクロック信号や、基準クロック信号出力回路171とは異なるクロック信号出力回路から出力されるクロック信号を用いてもよい。また、上記実施の形態において、タイマ回路176には、所定の時間として3msが設定されていたが、本発明は、これに限定されず、2回のタイマ割込処理の実行時間である4msよりも短い時間であれば任意に設定可能である。
さらに、上記実施の形態において、CPU103は、2回のタイマ割込処理が実行されている間、始動入賞信号SSが継続して入力されたことに基づいて、入賞処理を実行していた。しかしながら、本発明は、これに限定されず、上述したタイマ割込処理の実行回数は、任意であり、例えば、CPU103は、3回のタイマ割込処理が実行されている間、始動入賞信号SSが継続して入力されたことに基づいて、入賞処理を実行してもよい。この場合、タイマ回路176には、3回のタイマ割込処理の実行時間である6msよりも短い時間を設定すればよい。
また、上記実施の形態において、異常信号出力手段は、ウォッチドッグ付きリセットIC182であったが、本発明は、これに限定されず、クロック信号の入力の有無に基づいて、乱数発生回路17の動作状態を監視するものであれば任意であり、例えばコンデンサ、レジスタ、及びトランジスタ素子等によって構成されるマルチバイブレータ等であってもよい。この場合、マルチバイブレータに分周クロック信号の立ち上がりエッジが入力する毎に、コンデンサを所定期間充電するようにし、分周クロック信号が入力されることなく、コンデンサが放電され続け、その電圧が所定の閾値を下回ったとき、乱数発生回路17の動作状態に異常が発生したものとして、異常信号を主基板11に対して出力するようにすればよい。
さらに、上記実施の形態において、遊技機は、可変表示の実行条件(例えば普通可変入賞球装置6への入賞)が成立した後に可変表示の開始条件(例えば可変表示装置4における前回の可変表示及び大当り遊技状態の終了)が成立したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば可変表示装置4)を備え、可変表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)に制御するパチンコ遊技機であった。
しかしながら、本発明は、これに限定されず、遊技機は、遊技領域に設けられた始動領域にて遊技媒体を検出する始動検出手段(例えば始動玉検出器)の検出により、遊技者にとって不利な第2の状態から遊技者にとって有利な第1の状態となる始動動作(例えば開放動作)を行う可変入賞装置(例えば可変入賞球装置)を有し、可変入賞装置に設けられた特定領域にて遊技媒体を検出する特定検出手段(例えば特定玉検出器)の検出により、始動動作よりも遊技者にとってさらに有利な特定の態様で可変入賞装置を第1の状態に制御する特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)を発生させるパチンコ遊技機であってもよい。
また、本発明の遊技機は、特別領域(例えば特別装置作動領域)に設けられた特別検出手段(例えば特定球検出スイッチや特別領域スイッチ)で遊技球が検出されたことを条件に権利発生状態となり、権利発生状態となっている期間中に、始動領域(例えば作動入賞口や始動入賞装置における始動口)に設けられた始動検出手段(例えば作動球検出スイッチや始動口スイッチ)により遊技球が検出されたことに基づいて、特別可変入賞装置(例えば大入賞口)を遊技者にとって不利な状態(例えば閉鎖状態)から遊技者にとって有利な状態(例えば開放状態)に変化させる制御を行うことが可能なパチンコ遊技機であってもよい。
さらに、本発明の遊技機は、図36に示す、1ゲームに対して賭け数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり、可変表示装置(例えば可変表示装置1002)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能であるスロットマシン(例えばスロットマシン1000)であってもよい。図36に示すスロットマシン1000は、本発明の始動入賞信号出力手段として、遊技者によりスタートレバー1011が操作されたことに基づいて所定の始動信号を遊技制御手段(例えば主基板)や乱数発生回路(例えば乱数発生回路)に出力する図示しないスタートスイッチを備えている。なお、図36に示す液晶表示器1001は、演出手段として機能するものである。
また、本発明の遊技機は、パチンコ遊技機等の弾球遊技機であってもよく、画像表示装置を有するものであれば、例えば、一般電役機、又はパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であっても構わない。さらには、プリペイドカードによって球貸しを行うCR式パチンコ遊技機だけではなく、現金によって球貸しを行うパチンコ遊技機にも適用可能である。すなわち、LCD等からなる画像表示装置を有し、識別情報としての図柄を可変表示することが可能な遊技機であれば、どのような形態のものであっても構わない。
さらに、図1及び図36に示した装置構成、図2,図3,図5,図6,図8,図10,図24,図27,図32及び図34に示すブロック構成、図11,図12,図28,図33及び図35に示すタイミングチャート構成、図9に示す回路構成、図4に示すテーブル構成や、図7に示すメモリ構成、図13〜図22,図25,図26及び図29〜図31に示すフローチャート構成、図23に示す表示例は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更及び修正が可能である。
また、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などにも本発明を適用することができる。本発明を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等にいったん格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
また、本発明は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。