以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左下方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)を、変動可能に表示(可変表示)する。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにより可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにより可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数に分割された可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄を可変表示する。なお、画像表示装置5の表示領域では、例えば色図柄表示エリアにて、色図柄(「第4図柄」ともいう)を可変表示してもよい。こうした飾り図柄や色図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動のいずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。なお、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアは、画像表示装置5の表示領域内で移動可能とされ、飾り図柄を縮小あるいは拡大して表示することができるようにしてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字「一」〜「八」、英文字「A」〜「H」、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなど。なお、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい。)が含まれていればよい。また、こうした8種類の飾り図柄の他に、ブランク図柄(大当り組合せを構成しない図柄)が含まれていてもよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hも配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入(始動入賞)したことに基づき、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームを開始するための開始条件は成立していないときに発生する。
一例として、始動入賞記憶表示エリア5Hには、始動入賞の発生に基づき先に始動条件が成立した可変表示ゲームから順に左から右へと、表示色が変更される複数の表示部位が設けられている。そして、第1始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときや、第2始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときには、通常非表示(透過色)となっている表示部位のうちの1つ(例えば非表示となっている表示部位のうち左端の表示部位)を通常表示(有色)に変化させる。なお、始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図保留記憶数を示す数字を表示することなどにより、特図保留記憶数を遊技者等が認識できるようにしてもよい。始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示エリア5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。例えば、特図保留表示器は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に進入した有効始動入賞球数としての第1保留記憶数と、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に進入した有効始動入賞球数としての第2保留記憶数と、の合計値である合計保留記憶数を特定可能に表示する。特図保留表示器は、例えば合計保留記憶数における上限値(例えば「8」)に対応した個数(例えば8個)のLEDを含んで構成されている。
遊技盤2の盤面上に形成された遊技領域には、画像表示装置5の天辺からみて左側の左遊技領域2A(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域2B(第2遊技領域)とがある。第1遊技領域である左遊技領域2Aと、第2遊技領域である右遊技領域2Bは、例えば遊技領域内における画像表示装置5の端面や釘の配列PLなどにより区分けされていればよい。打球発射装置から発射されて遊技領域に打ち込まれた遊技球は、第1遊技領域である左遊技領域2Aへと誘導された場合に、例えば釘の配列PLに沿って誘導されることにより、第2遊技領域である右遊技領域2Bへと誘導不可能または誘導困難となる。
左遊技領域2Aには、普通入賞球装置6Aが設けられている。例えば普通入賞球装置6Aは、画像表示装置5の中央下方に設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。このように、左遊技領域2Aには、常時遊技球が進入可能な第1始動入賞口を形成する普通入賞球装置6Aが設けられている。
右遊技領域2Bには、普通可変入賞球装置6Bと通過ゲート41とが設けられている。例えば普通可変入賞球装置6Bは、画像表示装置5の右下方に設けられ、通過ゲート41は、普通可変入賞球装置6Bの上方(画像表示装置5の右側方)に設けられている。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口に進入しない閉鎖状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口に進入する開放状態(第1状態)となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態(第2状態)であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。このように、右遊技領域2Bには、遊技球が進入可能な第1状態と、遊技球が進入不可能または進入困難な第2状態とに変化する第2始動入賞口を形成する普通可変入賞球装置6Bが設けられている。
左遊技領域2Aや右遊技領域2Bにおける普通入賞球装置6Aや普通可変入賞球装置6Bなどの配置により、第1遊技領域である左遊技領域2Aへと誘導された遊技球は、第2遊技領域である右遊技領域2Bに設けられた通過ゲート41を通過したり、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)したりすることが不可能または困難である。加えて、第2遊技領域である右遊技領域2Bへと誘導された遊技球は、第1遊技領域である左遊技領域2Aに設けられた普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)することが不可能または困難である。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22B(例えば近接スイッチ)によって検出された後、入賞確認スイッチ25(例えばフォトセンサ)によって検出される。第2始動口スイッチ22Bによる検出結果に加えて入賞確認スイッチ25の検出結果に基づいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことに基づいてセキュリティ信号が外部出力されればよい。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。すなわち、特別可変入賞球装置7は、第2遊技領域となる右遊技領域2Bに設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用のソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態にする。特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左下方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、LED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20は、例えば複数(2つ)の装飾ランプ(またはLED)を所定順序で点灯させることにより、普通図柄を可変表示する。なお、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、例えば「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の普通図柄を可変表示してもよい。複数種類の普通図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。また、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する普図保留表示器が設けられてもよい。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が一般入賞球スイッチ24によって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)31が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿が設けられている。例えば上皿の上面における手前側の所定位置には、押下操作などにより遊技者が操作可能な操作ボタン30が設置されている。
普通図柄表示器20による普図ゲームは、普通可変入賞球装置6Bの上方に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームは、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態あるいは小当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、開始される。第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームは、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態あるいは小当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、所定時間(特図変動時間)が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となり、大当り図柄や小当り図柄以外の特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「1」、「3」、「7」を示す数字を大当り図柄とし、「5」を示す数字を小当り図柄とし、「−」を示す記号をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。なお、大当り図柄や小当り図柄は、遊技者が認識不可能あるいは認識困難とするために、数字を示す特別図柄とせずに予め定められた記号(例えば「コ」など)にしてもよい。
この実施の形態では、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄を15ラウンド大当り図柄とし、「1」の数字を示す特別図柄を2ラウンド大当り図柄とする。特図ゲームにおける確定特別図柄として15ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される多ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(15ラウンド大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンド中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態に変化させて、1回のラウンドを終了させる。
15ラウンド大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第1ラウンド数(例えば「15」)となる。ラウンドの実行回数が「15」となる15ラウンド大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。このような15ラウンド大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞するたびに15個の出玉が得られる。なお、15ラウンド大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。特別可変入賞球装置7が第1状態であるときには、大入賞口に遊技球が進入可能となり、特別可変入賞球装置7が第2状態であるときには、大入賞口に遊技球が進入不可能または進入困難となればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として2ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される少ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(2ラウンド大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる期間(開閉板により大入賞口を開放状態とする期間)が、15ラウンド大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.5秒間)となる。また、2ラウンド大当り状態では、ラウンドの実行回数が、15ラウンド大当り状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となる。なお、2ラウンド大当り状態では、ラウンドの実行回数が第2ラウンド数となるように制御されればよく、それ以外の制御は15ラウンド大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。ラウンドの実行回数が「2」となる2ラウンド大当り状態における遊技は、2回開放遊技とも称される。なお、2ラウンド大当り状態では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7とは別個に設けられた所定の入賞球装置において、大入賞口となる所定の入賞口を閉鎖状態から開放状態とすることなどにより、遊技者にとって不利な第2状態から遊技者にとって有利な第1状態に変化させ、所定期間(第1期間または第2期間)が経過した後に第2状態へと戻すようにしてもよい。
2ラウンド大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば15個の出玉が得られるが、大入賞口の開放期間が第2期間(1秒間)であって、非常に短い。そのため、2ラウンド大当り状態は実質的には出玉が得られない大当り遊技状態である。なお、2ラウンド大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。また、少ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、多ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態に比べて、ラウンドの実行回数が少ないものに限定されず、例えばラウンドの実行回数は少ラウンド特定遊技状態と多ラウンド特定遊技状態とで同一である一方で、少ラウンド特定遊技状態では大入賞口を開放状態とする上限期間(例えば2秒間)が多ラウンド特定遊技状態での上限期間(例えば29秒間)に比べて短くなるものであってもよい。すなわち、少ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を開放状態に変化させる期間が多ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が多ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
15ラウンド大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき15ラウンド大当り状態が終了した後には、通常状態(低確低ベース状態)に比べて特図ゲームにおける特別図柄の変動時間(特図変動時間)が短縮される時短制御(時間短縮制御)が行われる。こうした時短制御が行われる一方で、後述する確変制御(確率変動制御)が行われない遊技状態は、特別遊技状態の1つであり、時短状態(あるいは低確高ベース状態)という。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や確変状態及び時短状態とは異なる遊技状態としての通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態における時短制御は、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。こうした「3」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に時短状態に制御される15ラウンド大当り図柄は、15ラウンド通常大当り図柄(「15ラウンド非確変大当り図柄」ともいう)と称される。また、15ラウンド非確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「15ラウンド通常大当り」(「15ラウンド非確変大当り」ともいう)と称される。
15ラウンド大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき15ラウンド大当り状態が終了した後には、時短制御とともに、継続して確変制御(確率変動制御)が行われる。こうした時短制御とともに確変制御が行われる遊技状態は、特別遊技状態の1つであり、時短付確変状態(あるいは高確高ベース状態)という。確変制御が行われることにより、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態や時短状態よりも高くなるように向上する。確変制御は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続してもよい。あるいは、確変制御は、時短制御と同様に、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了してもよい。こうした「7」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に高確高ベース状態といった確変状態に制御される15ラウンド大当り図柄は、15ラウンド確変大当り図柄と称される。また、15ラウンド確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「15ラウンド確変大当り」と称される。なお、確変制御中において発生した大当りが、再度、確変大当り図柄による「確変大当り」である場合には、該大当り状態の終了後に再度確変状態となり、大当り状態が連続して発生(連荘大当りが発生)する。この状態を連荘状態といい、例えば、確変制御が終了する、「非確変大当り」となった場合に、連荘終了条件が成立したとして終了する。
2ラウンド大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき2ラウンド大当り状態が終了した後には、継続して確変制御が行われる。なお、2ラウンド大当り状態の終了後に時短制御が行われるか否かは、その2ラウンド大当り状態となる以前に時短制御が行われていたか否かによって決定されればよい。すなわち、時短制御が行われていないときに実行された特図ゲームにおいて「1」の数字を示す確定特別図柄が停止表示されたことに基づく2ラウンド大当り状態が終了した後には、確変制御が行われる一方で時短制御が行われない時短なし確変状態(高確低ベース状態)に制御される。時短状態や時短付確変状態において時短制御が行われているときに実行された特図ゲームにおいて「1」の数字を示す確定特別図柄が停止表示されたことに基づく2ラウンド大当り状態が終了した後には、時短制御とともに確変制御が行われる時短付確変状態(高確高ベース状態)に制御される。こうした「1」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に確変制御が行われる2ラウンド大当り図柄は、2ラウンド確変大当り図柄(「突確大当り図柄」ともいう)と称される。2ラウンド確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「2ラウンド確変大当り」(「突確」や「突然確変大当り」などともいう)と称される。なお、時短制御が行われているときの「突確」を、特に「時短中突確」ともいい、時短制御が行われていないときの「突確」を、特に「時短外突確」ともいう。
低確低ベース状態と低確高ベース状態は、まとめて「低確状態」ともいう。高確高ベース状態と高確高ベース状態は、まとめて「高確状態」ともいう。低確低ベース状態と高確低ベース状態は、まとめて「低ベース状態」ともいう。低確高ベース状態と高確高ベース状態は、まとめて「高ベース状態」ともいう。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、時短制御とともに、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御(あるいは有利開放制御)ともいう。高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。したがって、時短状態や時短付確変状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
図1に示すパチンコ遊技機1の遊技領域では、第2遊技領域となる右遊技領域2Bに普通可変入賞球装置6Bと通過ゲート41とが設けられている。したがって、時短制御とともに高開放制御が行われているときには、右遊技領域2Bに向けて遊技球を発射すれば、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい。また、時短制御が行われていることから、速やかに特図ゲームを消化して、可変表示結果が「大当り」となるまでの時間を短縮することができる。このように、時短制御とともに高開放制御が行われる時短制御中には、遊技領域内における遊技球の最適な発射位置(発射目標位置)が右遊技領域2Bとなる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として小当り図柄が停止表示された後には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、2ラウンド大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7を第2状態から第1状態とした後に第2状態へと戻す可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7が備える大入賞口扉により大入賞口を第2期間にわたり開放状態とする動作が、第2回数に達するまで繰り返し実行される。なお、小当り遊技状態では、2ラウンド大当り状態と同様に、大入賞口を開放状態とする期間が第2期間となることと、大入賞口を開放状態とする動作の実行回数が第2回数となることのうち、少なくともいずれか一方が行われるように制御されればよい。小当り遊技状態が終了した後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御されることになる。すなわち、小当り遊技状態への制御が開始される直前の大当り確率は、小当り遊技状態への制御中も、小当り遊技状態への制御が終了した後も変更されることなく維持(継続)される。また、小当り遊技状態への制御が開始される直前に時短制御が行われているときには、小当り遊技状態への制御中も、小当り遊技状態への制御が終了した後も変更されることなく時短制御が行われる。可変入賞動作により大入賞口を開放状態とする回数が「2」である小当り遊技状態における遊技は、2ラウンド大当り状態における遊技と同様に、2回開放遊技とも称される。なお、2ラウンド大当り状態における各ラウンドで特別可変入賞球装置7とは別個に設けられた入賞球装置を第1状態に変化させる場合には、小当り遊技状態でも、2ラウンド大当り状態と同様の態様で、その入賞球装置を第1状態に変化させるようにすればよい。
15ラウンド大当り状態では、各回のラウンドにおいて大入賞口を開放状態とする上限時間が長いことや、ラウンドの実行回数が多いことなどにより、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすい。これに対して、2ラウンド大当り状態や小当り遊技状態では、各回のラウンドまたは可変入賞動作において大入賞口を開放状態とする上限時間が短いことや、ラウンドまたは可変入賞動作の実行回数が少ないことなどにより、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい。このように、大当り遊技状態のうちには、15ラウンド大当り状態のように、大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1変化態様で開放状態(第1状態)と閉鎖状態(第2状態)とに制御可能な第1特定遊技状態と、2ラウンド大当り状態のように、大入賞口を遊技球が通過(進入)しにくい第2変化態様で開放状態(第1状態)と閉鎖状態(第2状態)とに制御可能な第2特定遊技状態とが含まれている。なお、第1特定遊技状態は、すべてのラウンドで大入賞口の変化態様が第1変化態様となるものに限定されず、少なくとも1回のラウンドにおける大入賞口の変化態様が第1変化態様となるものであればよい。すなわち、第1特定遊技状態は、大入賞口の変化態様が第1変化態様を含むものであればよい。その一方で、第2特定遊技状態は、大入賞口の変化態様が第2変化態様のみとなるものであればよい。
小当り遊技状態は、その終了後に以前の遊技状態を継続させる点で大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態である。小当り遊技状態における大入賞口の変化態様は、大当り遊技状態に含まれる第2特定遊技状態としての2ラウンド大当り状態と同様に、第2変化態様のみとなる。
図1に示すパチンコ遊技機1の遊技領域では、第2遊技領域となる右遊技領域2Bに特別可変入賞球装置7が設けられている。したがって、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されて大入賞口が開放状態(第1状態)と閉鎖状態(第2状態)とに変化するときには、右遊技領域2Bに向けて遊技球を発射すれば、大入賞口を遊技球が通過(進入)することにより、景品として多数の賞球が得られる可能性がある。このように、大当り遊技状態や小当り遊技状態にて大入賞口が開放状態(第1状態)と閉鎖状態(第2状態)とに変化するときには、遊技領域内における遊技球の最適な発射位置(発射目標位置)が右遊技領域2Bとなる。ただし、2ラウンド大当り状態や小当り遊技状態では、大入賞口が開放状態(第1状態)となる開放回数が少ないことや開放時間が短いことなどにより、15ラウンド大当り状態における大入賞口の変化態様(第1変化態様)に比べて、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい変化態様(第2変化態様)となる。
画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、飾り図柄の可変表示が行われる。すなわち、画像表示装置5の表示領域では、第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が成立したことに基づいて、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させ、例えば「左」→「右」→「中」といった所定順序で飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄を停止表示(導出表示)する。なお、確定飾り図柄を停止表示する手順としては、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて所定順序で飾り図柄を停止表示するものに限定されず、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて同時に確定飾り図柄となる飾り図柄を停止表示するものが含まれていてもよい。
飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。また、リーチ状態となったことに対応して、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることがある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、飾り図柄の変動態様の変化を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。
また、飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。この実施の形態では、「滑り」、「擬似連」といった可変表示演出が実行可能に設定されている。
「滑り」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、2つ以上の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。ここで、仮停止表示とは、後述する複数種類の変動パターン毎に定められた変動時間が経過したことにより、確定飾り図柄が停止表示(最終停止表示)される以前に行われる飾り図柄の停止表示をいう。なお、仮停止表示では、飾り図柄が停留して表示される一方で、例えば揺れ変動表示を行うことや短時間の停留だけで直ちに飾り図柄を再変動させることなどによって、遊技者に停止表示された飾り図柄が確定しない旨を報知すればよい。あるいは、仮停止表示でも、停止表示された飾り図柄が確定したと遊技者が認識する程度に飾り図柄を停留させてから、飾り図柄を再変動させるようにしてもよい。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに基づき、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大4回まで)行うことができる。一例として、「擬似連」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、複数種類の擬似連チャンス目のいずれかを構成する飾り図柄が仮停止表示される。なお、擬似連チャンス目は、特殊組合せに含まれる飾り図柄の組合せとして、予め定められていればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、15ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち15ラウンド通常大当り図柄である「3」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定の通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。ここで、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。このように通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。そして、特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。こうして「非確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となった後には、15ラウンド大当り状態に制御され、その15ラウンド大当り状態が終了すると、時短状態(低確高ベース状態)に制御されることになる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、15ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち15ラウンド確変大当り図柄である「7」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の可変表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。ここで、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として15ラウンド確変大当り図柄が停止表示される場合に、飾り図柄の可変表示結果として、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。このように、確定飾り図柄が非確変大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として15ラウンド確変大当り図柄が停止表示される可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。こうして「確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となった後には、15ラウンド大当り状態に制御され、その15ラウンド大当り状態が終了すると、時短付確変状態(高確高ベース状態)に制御されることになる。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されてもよい。再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに非確変大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、非確変大当り組合せとなる飾り図柄(非確変図柄)のうちいずれかを、確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する変動中昇格失敗演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する変動中昇格成功演出が実行されることもあれば、変動中昇格失敗演出が実行されることもある。
非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、確定飾り図柄が非確変大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。例えば、大当り中昇格演出では、画像表示装置5の表示領域にて飾り図柄を可変表示させて非確変図柄と確変図柄のいずれかを演出表示結果として停止表示させること、あるいは、飾り図柄の可変表示とは異なる演出画像の表示を行うことなどにより、確変状態となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄が確変大当り図柄となることに対応して、飾り図柄の可変表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示され、変動中昇格成功演出や大当り中昇格演出などが行われず、「15ラウンド確変大当り」であることが報知されない場合の可変表示態様は、「確変」の大当り種別のうちで、特に「第1確変」の大当り種別であるともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄が確変大当り図柄となることに対応して、変動中昇格演出を行わずに確変大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される場合の可変表示態様は、「確変」の大当り種別のうちで、特に「第2確変」の大当り種別であるともいう。特図ゲームにおける確定特別図柄が確変大当り図柄となることに対応して、変動中昇格成功演出を行って確変大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される場合や、通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示された後に大当り中昇格演出を行って確変状態に制御することが報知された場合の可変表示態様は、「確変」の大当り種別のうちで、特に「第3確変」の大当り種別であるともいう。大当り種別が「第2確変」または「第3確変」である場合には、15ラウンド大当り状態の終了後に時短付確変状態(高確高ベース状態)となることを遊技者が認識可能となる一方で、大当り種別が「第1確変」である場合には、15ラウンド大当り状態の終了後に時短状態(低確高ベース状態)となるか時短付確変状態(高確高ベース状態)となるかを遊技者が認識不可能または認識困難となる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、2ラウンド大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合や、小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、2回開放チャンス目として予め定められた複数種類の確定飾り図柄の組合せのいずれかが停止表示されることがある。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、2ラウンド大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることもある。特図ゲームにおける確定特別図柄が2ラウンド大当り図柄である「1」の数字を示す特別図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「突確」(「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。こうして「突確」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、2ラウンド大当り状態に制御され、その2ラウンド大当り状態が終了すると、高確高ベース状態である時短付確変状態(時短中突確の場合)または高確低ベース状態である時短なし確変状態(時短外突確の場合)に制御されることになる。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような電源基板10、主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、払出制御基板15、発射制御基板17といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板18なども搭載されている。なお、音声制御基板13やランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個の独立した基板によって構成されてもよいし、演出制御基板12にまとめられて1つの基板として構成されてもよい。その他、パチンコ遊技機1の背面には、例えば情報端子基板などといった、各種の制御基板が配置されている。
電源基板10は、主基板11、演出制御基板12、払出制御基板15等の各制御基板と独立して設置され、パチンコ遊技機1内の各制御基板及び機構部品が使用する電圧を生成する。例えば、電源基板10では、AC24V、VLP(直流+24V)、VSL(直流+30V)、VDD(直流+12V)、VCC(直流+5V)及びVBB(直流+5V)を生成する。電源基板10には、バックアップ電源回路500と、クリアスイッチ501とが搭載されていればよい。バックアップ電源回路500は、例えばVDD(直流+5V)の電源ラインから充電されるコンデンサを含んでいればよい。
電源基板10には、電源監視回路が搭載されてもよい。電源監視回路は、例えば停電監視リセットモジュールICを用いて構成され、電源断信号を出力可能な回路である。例えば、電源監視回路は、パチンコ遊技機1において用いられる所定電源電圧(一例としてVSL)が所定値(一例として+22V)を超えると、オフ状態(ハイレベル)の電源断信号を出力する。その一方で、所定電源電圧が所定値以下になった期間が、予め決められている時間(一例として56ms)以上継続したときに、オン状態(ローレベル)の電源断信号を出力する。あるいは、電源監視回路は、パチンコ遊技機1において用いられる所定電源電圧が所定値以下になると、直ちにオン状態の電源断信号を出力するようにしてもよい。電源断信号は、例えばローレベルとなることでオン状態となりハイレベルとなることでオフ状態となる負論理の電気信号であればよい。電源監視回路から出力された電源断信号は、例えば電源基板10に搭載された出力ドライバ回路によって増幅された後に所定のコネクタや信号ラインを介して、主基板11や払出制御基板15へと伝送される。なお、電源断信号は、払出制御基板15を介して主基板11へと伝送されるようにしてもよい。
電源断信号を出力するための監視対象となる所定電源電圧は、例えば電源電圧VSLといった、スイッチ作動用の電源電圧VDDにおける規定値(一例として+12V)よりも高い電圧であることが好ましい。これにより、スイッチ作動用の電源電圧VDDが低下して各種スイッチ(例えばゲートスイッチ21、第1及び第2始動口スイッチ22A、22B、カウントスイッチ23、一般入賞口スイッチ24、入賞確認スイッチ25など)の動作状態が不安定となる以前に、電源断信号を出力する(オン状態にする)ことで、各種スイッチによる誤検出に基づく遊技制御の進行を防止できる。すなわち、スイッチ作動用の電源電圧VDDが低下すると負論理(ローレベルでオン状態となる)のスイッチ出力がオン状態となるものの、電源電圧VDDよりも早く低下する電源電圧VSLを監視して電力供給の停止を認識することで、スイッチ出力がオン状態となる以前に、電源復旧待ちの状態となってスイッチ出力を検出しない状態となることができる。
なお、ソレノイド駆動用の電源電圧VSLに代えて、例えば発光体点灯用の電源電圧VLPといった、スイッチ作動用の電源電圧VDDにおける規定値よりも高い任意の電源電圧を監視対象として、電源断信号を出力するようにしてもよい。また、外部からパチンコ遊技機1に供給される電力の供給停止を検出するための条件としては、パチンコ遊技機1において用いられる所定電源電圧が所定値以下になったことに限られず、外部からの電力が途絶えたことを検出できる任意の条件であればよい。例えば、AC24V等の交流波そのものを監視して交流波が途絶えたことを検出条件としてもよいし、交流波をデジタル化した信号を監視して、デジタル信号が平坦になったことをもって交流波が途絶えたことの検出条件としてもよい。
電源基板10に搭載されたクリアスイッチ501は、例えば押しボタン構造を有し、押下操作などの所定操作に応じてオン状態となるクリア信号を出力する。クリア信号は、例えば押下操作などの所定操作に応じてローレベルとなることでオン状態となる電気信号であればよい。あるいは、クリア信号は、例えば押下操作などの所定操作に応じてハイレベルとなることでオン状態となる電気信号であってもよい。クリアスイッチ501から出力されたクリア信号は、例えば所定のコネクタや信号ラインを介して、主基板11へと伝送され、主基板11から払出制御基板15へと伝送される。また、クリアスイッチ501の操作がなされていないときには、クリア信号の出力を停止(ハイレベルあるいはローレベルに設定)する。なお、クリアスイッチ501は、押しボタン構造以外の他の構成(例えばスライドスイッチ構造やトグルスイッチ構造、ダイヤルスイッチ構造など)であってもよい。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。例えば、主基板11には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)100や、スイッチ回路114、ソレノイド回路115が搭載されている。スイッチ回路114には、ゲートスイッチ21、第1及び第2始動口スイッチ22A、22B、カウントスイッチ23、一般入賞口スイッチ24、入賞確認スイッチ25などの各種スイッチからの検出信号が入力される。スイッチ回路114は、これらの検出信号を取り込んで、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路115は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの指令に従って各ソレノイド81、82に対する駆動信号を出力する。
図3は、遊技制御用マイクロコンピュータ100の構成例を示している。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、クロック回路101と、リセット/割込みコントローラ102と、乱数回路103と、CPU(Central Processing Unit)104と、ROM(Read Only Memory)105と、RAM(Random Access Memory)106と、タイマ回路(PIT)107と、シリアル通信回路(SCI)108と、外部バスインタフェース109とを備えて構成されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるクロック回路101は、例えば制御用外部クロック端子に入力される発振信号を2分周することなどにより、内部システムクロックを生成する回路である。クロック回路101により生成された内部システムクロックは、例えばCPU104といった、遊技制御用マイクロコンピュータ100において遊技の進行を制御する各種回路に供給される。また、内部システムクロックは、乱数回路103にも供給され、例えば乱数用クロックの周波数を監視するために用いられる。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるリセット/割込みコントローラ102は、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部や外部にて発生する各種リセット、割込み要求を制御するためのものである。リセット/割込みコントローラ102が制御するリセットには、システムリセットとユーザリセットが含まれている。システムリセットは、外部システムリセット端子に一定の期間にわたりローレベル信号が入力されたときに発生するリセットである。ユーザリセットは、ウォッチドッグタイマ(WDT)のタイムアウト信号が発生したことや、指定エリア外走行禁止(IAT)が発生したことなど、所定の要因により発生するリセットである。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備える乱数回路103は、例えば16ビット乱数といった、所定の更新範囲を有する乱数値となる数値データを生成する回路である。この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4、普図表示結果決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント(更新)可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。CPU104は、乱数回路103から抽出した数値データに基づき、例えばRAM106の所定領域に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路103とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを加工あるいは更新することで、乱数値MR1〜MR5の全部又は一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。あるいは、CPU104は、乱数回路103を用いることなく、例えばRAM106の所定領域に設けられたランダムカウンタのみを用いて、ソフトウェアによって乱数値MR1〜MR5を示す数値データの一部をカウント(更新)するようにしてもよい。一例として、ハードウェアとなる乱数回路103からCPU104により抽出された数値データを、ソフトウェアにより加工することで、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが更新され、それ以外の乱数値MR2〜MR5を示す数値データは、CPU104がランダムカウンタなどを用いてソフトウェアにより更新すればよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、決定するために用いられる乱数値である。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、飾り図柄の変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。各変動パターン種別は、例えば飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作などに基づいて分類された1つ又は複数の変動パターンを含むように構成されたものであればよい。なお、複数の変動パターン種別のうちには、共通の変動パターンを一部に含んで構成されたものがあってもよく、一方の変動パターン種別に含まれる変動パターンの全部が、他方の変動パターン種別にも含まれるように構成されたものがあってもよい。変動パターン決定用の乱数値MR4は、変動パターン種別の決定結果に基づいて、飾り図柄の変動パターンを予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果を「普図当り」として普通可変入賞球装置6Bを開放状態(第1状態)に制御するか否かを、決定するために用いられる乱数値である。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるCPU104は、ROM105から読み出した制御コードに基づいてユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技制御を実行する制御用CPUである。こうした遊技制御が実行されるときには、CPU104がROM105から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU104がRAM106に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU104がRAM106に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU104が外部バスインタフェース109やシリアル通信回路108などを介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU104が外部バスインタフェース109やシリアル通信回路108などを介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
このように、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU104がROM105に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ100(又はCPU104)が実行する(又は処理を行う)ということは、具体的には、CPU104がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板11以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM105には、ユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を示す制御コードや固定データ等が記憶されている。また、ROM105には、セキュリティチェックプログラムが記憶されていてもよい。CPU104は、パチンコ遊技機1の電源投入やシステムリセットの発生に応じて遊技制御用マイクロコンピュータ100がセキュリティモードに移行したときに、ROM105に記憶されたセキュリティチェックプログラムを読み出し、ROM105の記憶内容が変更されたか否かを検査するセキュリティチェック処理を実行する。なお、セキュリティチェックプログラムは、ROM105とは異なる内蔵メモリに記憶されてもよい。また、セキュリティチェックプログラムは、例えば外部バスインタフェース109を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100に外付けされた外部メモリの記憶内容を検査するセキュリティチェック処理に対応したものであってもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM106は、ゲーム制御用のワークエリアを提供する。ここで、RAM106の少なくとも一部は、電源基板10のバックアップ電源回路500において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1への電力供給が停止しても、所定期間はRAM106の少なくとも一部の内容が保存される。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるタイマ回路107は、リアルタイム割込みの発生や時間計測を可能とする回路である。タイマ回路107は、内部システムクロックに基づいて生成されたカウントクロックの信号変化(例えばハイレベルからローレベルへと変化する立ち下がりタイミング)などに応じて、タイマ値が更新されるものであればよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるシリアル通信回路108は、払出制御基板15(払出制御用マイクロコンピュータ150)とのシリアル通信により信号を入出力(送受信)するための回路である。シリアル通信回路108は、払出制御基板15に搭載された払出制御用マイクロコンピュータ150との間における双方向のシリアル通信に使用されればよい。また、シリアル通信回路108は、演出制御基板12に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ120との間における単一方向(送信のみ)のシリアル通信に使用されてもよい。これにより、演出制御基板12の側から主基板11に対する信号入力を禁止して、不正行為を防止することができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備える外部バスインタフェース109は、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成するチップの外部バスと内部バスとのインタフェース機能や、アドレスバス、データバス及び各制御信号の方向制御機能などを有するバスインタフェースである。例えば、外部バスインタフェース109は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に外付けされた外部メモリや外部入出力装置などに接続され、これらの外部装置との間でアドレス信号やデータ信号、各種の制御信号などを送受信するものであればよい。
図2に示す演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板18を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
演出制御基板12には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1における演出動作を制御する演出制御用マイクロコンピュータ120や、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)121、演出データメモリ122が搭載されている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
演出制御用マイクロコンピュータ120は、内蔵または外付けの演出制御用ROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作するCPU120Aを備えている。また、演出制御用マイクロコンピュータ120は、主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)とのシリアル通信により信号を入力(受信)するシリアル通信回路を内蔵してもよい。演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU120Aは、主基板11から伝送された制御信号としての演出制御コマンドに基づいて、VDP121に画像表示装置5の表示制御を行わせる。
演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU120Aは、受信した演出制御コマンドに従って演出データメモリ122から必要なデータを読み出すための指令をVDP121に出力する。演出データメモリ122は、画像表示装置5に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくための記憶領域を有する。VDP121は、CPU120Aの指令に応じて、演出データメモリ122の所定領域から画像データを読み出す。そして、VDP121は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU120Aは、演出データメモリ122の所定領域に予め記憶された演出制御パターンを構成するパターンデータを読み出し、音声制御基板13やランプ制御基板14に対して各種の制御指令を出力してもよい。
払出制御基板15は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、主基板11から送信された制御コマンドや通知信号を受信して、払出モータ51による遊技球の払出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、払出制御基板15は、払出モータ51による賞球の払出動作を制御する機能を備えている。また、払出制御基板15は、例えばインタフェース基板を介したカードユニットとの通信結果に応じて払出モータ51の駆動制御を行って、球貸し動作を制御する機能を備えていてもよい。
払出制御基板15には、プログラムに従って遊技球の払出動作を制御する払出制御用マイクロコンピュータ150や、スイッチ回路151が搭載されている。スイッチ回路151には、満タンスイッチ26や球切れスイッチ27からの検出信号を受信するための配線や、払出モータ位置センサ71や払出カウントスイッチ72、エラー解除スイッチ73からの検出信号を受信するための配線が接続されている。また、払出制御基板15には、払出モータ51における遊技球の払出制御を行うための指令信号を送信するための配線や、エラー表示用LED74における表示制御を行うための指令信号を送信するための配線、インタフェース基板を介してカードユニットとの間で通信を行うための配線などが接続されている。
ここで、満タンスイッチ26は、例えば遊技盤2の背面下方にて打球供給皿と余剰球受皿の間を連通する余剰球通路の側壁に設置され、余剰球受皿の満タンを検出するためのものである。賞球又は球貸し要求に基づく遊技球が多数払い出されて打球供給皿が満杯になり、遊技球が連絡口に到達した後、さらに遊技球が払い出されると、遊技球は余剰球通路を経て余剰球受皿へと導かれる。さらに遊技球が払い出されると、例えば所定の感知レバーが満タンスイッチ26を押圧してオンする。
また、球切れスイッチ27は、例えば遊技盤2の背面にて遊技球を払出モータ51が設置された払出装置へと誘導する誘導レールの下流に設置され、誘導レールの下流にてカーブ樋を介して連通された2列の球通路内における遊技球の有無を検出するためのものである。一例として、球切れスイッチ27は、球通路に27〜28個の遊技球が存在することを検出できるような位置に係止片によって係止され、球貸しの一単位の最大払出個数(例えば100円分に相当する25個)以上が確保されていることを確認可能にする。なお、誘導レールは、遊技盤2の背面上方にて補給球としての遊技球を貯留する貯留タンクからの遊技球を払出装置へと誘導するものであり、球通路の下部には、払出モータ51が設置された払出装置が固定されている。
エラー解除スイッチ73は、払出制御用マイクロコンピュータ150が所定のエラー状態に制御されているときに、ソフトウェアリセットによって、そのエラー状態を解除するためのスイッチである。エラー表示用LED74は、例えば7セグメントLEDにより構成され、払出制御用マイクロコンピュータ150にてセットされたエラーフラグなどに基づいて、各種のエラーに対応するエラーコードを表示するためのものである。
図4は、払出制御用マイクロコンピュータ150の構成例を示している。払出制御用マイクロコンピュータ150は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100と同様の1チップマイクロコンピュータであり、クロック回路211と、リセット/割込みコントローラ212と、乱数回路213と、CPU214と、ROM215と、RAM216と、タイマ回路(PIT)217と、シリアル通信回路(SCI)218と、外部バスインタフェース219とを備えて構成されている。なお、乱数回路213は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が備える乱数回路103と同様の構成を有するものであればよく、シリアル通信回路218は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるシリアル通信回路108と同様の構成を有するものであればよい。また、払出制御用マイクロコンピュータ150には、乱数回路213が設けられていなくてもよい。
払出制御用マイクロコンピュータ150が備えるROM215には、払出制御用のプログラムが記憶されている。払出制御用マイクロコンピュータ150では、例えばCPU214がROM215に記憶されている払出制御用のプログラムを読出し、主基板11から送信された払出制御コマンドやカードユニットとの通信結果などに基づいて各種の処理を実行することにより、遊技球の払出動作を制御する。
払出制御用マイクロコンピュータ150が備えるRAM216には、遊技球の払出動作などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域が設けられている。RAM216の少なくとも一部は、電源基板10のバックアップ電源回路500において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1への電力供給が停止しても、所定時間は、RAM216の少なくとも一部の内容は保存される。この実施の形態では、RAM216の全体がバックアップされているバックアップRAMであるものとする。
図2に示す発射制御基板17は、操作ノブ31の操作量に応じて、所定の発射装置による遊技球の発射動作を制御するためのものである。発射制御基板17には、例えば電源基板10あるいは主基板11からの駆動信号を伝送する配線や、カードユニットからの接続信号を伝送する配線、及び操作ノブ31からの配線が接続されるとともに、発射モータ61への配線が接続されている。なお、カードユニットからの接続信号は、払出制御基板15にて分岐されて発射制御基板17に伝送されてもよいし、カードユニットから払出制御基板15を経由せずに発射制御基板17に伝送されてもよい。発射制御基板17は、操作ノブ31の操作量に対応して発射モータ61の駆動力を調整する。発射モータ61は、例えば発射制御基板17により調整された駆動力により発射バネを弾性変形させ、発射バネの付勢力を打撃ハンマに伝達して遊技球を打撃することにより、遊技球を操作ノブ31の操作量に対応した速度で遊技領域に向けて発射させる。
中継基板18を介して主基板11から演出制御基板12に対して送信される制御コマンドは、例えば電気信号として伝送される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。図5(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(第7ビット[ビット7])は必ず“1”とされ、EXTデータの先頭ビットは“0”とされる。なお、図5(A)に示された演出制御コマンドの形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、演出制御コマンドが2バイト構成であるとしているが、演出制御コマンドを構成するバイト数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図5(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける第1特図の変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける第2特図の変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
この実施の形態では、第1及び第2変動開始コマンドと、変動パターン指定コマンドとを、互いに別個の演出制御コマンドとして用意している。これに対して、第1特図及び第2特図のいずれが変動開始となるかの指定内容と、変動パターンの指定内容とを、1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成してもよい。一例として、変動開始となる特別図柄(第1特図あるいは第2特図)と変動パターンとの組合せに対応してEXTデータが設定される演出制御コマンドを用意して、その演出制御コマンドにより、変動開始となる特別図柄と変動パターンとを特定できるようにしてもよい。ここで、変動開始となる特別図柄と変動パターンとを1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成した場合には、1つの変動パターンに対して、変動開始となる特別図柄(第1特図あるいは第2特図)に応じた2種類の演出制御コマンドを用意しなければならないことがある。これに対して、変動開始となる特別図柄を指定する演出制御コマンドと、変動パターンを指定する演出制御コマンドとを別個に用意すれば、変動開始となる特別図柄に対応した2種類の演出制御コマンドと、変動パターンの種類数に対応した個数の演出制御コマンドとを用意すればよく、予め用意するコマンドの種類や、コマンドテーブルの記憶容量などを、削減することができる。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図5(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」、「大当り」、「小当り」のいずれとなるかの事前決定結果、また、可変表示結果が「大当り」となる場合のうち「非確変」、「第1確変」〜「第3確変」、「時短外突確」、「時短中突確」のいずれとなるかに対応して、異なるEXTデータが設定される。
この実施の形態では、変動パターン指定コマンドと可変表示結果通知コマンドとを、互いに別個の演出制御コマンドとして用意している。これに対して、変動パターン指定コマンドに示される変動パターンと、可変表示結果通知コマンドに示される可変表示結果とを、1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成してもよい。一例として、変動パターンと可変表示結果(「ハズレ」、「大当り」及び「小当り」のいずれかと、「大当り」となる場合における大当り種別など)との組合せに対応してEXTデータが設定される演出制御コマンドを用意して、その演出制御コマンドにより、変動パターンと可変表示結果を特定可能な情報が伝送されるようにしてもよい。あるいは、3つ以上の演出制御コマンドにより、変動パターンと可変表示結果とを特定できるようにしてもよい。ここで、変動パターンと可変表示結果とを1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成した場合には、1つの変動パターンに対して、複数種類の可変表示結果に応じた複数種類の演出制御コマンドを用意しなければならないことがある。これに対して、変動パターンを指定する演出制御コマンドと、可変表示結果を通知する演出制御コマンドとを別個に用意すれば、変動パターンの種類数に対応した個数の演出制御コマンドと、可変表示結果の種類数に対応した個数の演出制御コマンドとを用意すればよく、予め用意するコマンドの種類や、コマンドテーブルの記憶容量などを、削減することができる。
コマンド8F00Hは、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで飾り図柄の可変表示の停止を指定する飾り図柄停止コマンドである。なお、飾り図柄停止コマンドは、主基板11から演出制御基板12に対して伝送されないようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンに対応する可変表示時間を、演出制御基板12の側で特定し、飾り図柄の可変表示を開始してからの経過時間が可変表示時間に達したときに、主基板11からの演出制御コマンドを受信しなくても、確定飾り図柄を完全停止表示して可変表示結果を確定させるようにしてもよい。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する大当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。大当り開始指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、大当り種別や「時短外突確」または「時短中突確」などに応じて異なるEXTデータが設定されればよい。あるいは、大当り開始指定コマンドでは、大当り種別などに応じて設定されるEXTデータを、可変表示結果通知コマンドとは異ならせるようにしてもよい。
コマンドA1XXHは、大当り遊技状態に対応して、各ラウンドで大入賞口が開放状態となっている期間における演出画像の表示を指定する大入賞口開放中指定コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態に対応して、各ラウンドの終了により大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間おける演出画像(例えばラウンド間のインターバルにおける演出画像)の表示を指定する大入賞口開放後指定コマンドである。大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドでは、例えば15ラウンド大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)や、2ラウンド大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」または「2」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。なお、15ラウンド大当り状態であるか、2ラウンド大当り状態であるかに応じて、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを別個に用意してもよい。これに対して、15ラウンド大当り状態と2ラウンド大当り状態で共通の大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを用いることにより、演出制御コマンドの種類数を削減することができる。また、2ラウンド大当り状態である場合には、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドが送信されないようにしてもよい。大当り遊技状態では、各ラウンドで大入賞口が開放状態となっている期間であるか、各ラウンドの終了により大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であるかに関わりなく、大当り遊技状態の開始時点から終了時点まで継続的な演出動作が実行されるようにしてもよい。
コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する大当り終了指定コマンドである。大当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドや大当り開始指定コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、大当り種別や「時短外突確」または「時短中突確」などに応じて異なるEXTデータが設定される。あるいは、大当り終了指定コマンドでは、大当り種別などに応じて設定されるEXTデータを、可変表示結果通知コマンドや大当り開始指定コマンドとは異ならせるようにしてもよい。
コマンドA600Hは、小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する小当り開始指定コマンドである。コマンドA700Hは、小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する小当り終了指定コマンドである。なお、小当り遊技状態である場合には、2ラウンド大当り状態の場合と同様に、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドが送信されるようにしてもよい。あるいは、小当り遊技状態である場合には、2ラウンド大当り状態の場合と同様に、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドが送信されないようにしてもよい。
コマンドB001Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB002Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC0XXHは、画像表示装置5の表示領域に設けられた始動入賞記憶表示部5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数との合計値である合計保留記憶数を通知する保留記憶数通知コマンドである。保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したことに対応して、第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドのいずれかが送信されたことに続いて、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。保留記憶数通知コマンドでは、例えば図10に示す第1特図保留記憶部591Aにおける保留データと第2特図保留記憶部591Bにおける保留データの総記憶数(例えば「1」〜「8」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。これにより、演出制御基板12の側では、第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したときに、主基板11から伝送された保留記憶数通知コマンドを受信して、第1特図保留記憶部591Aと第2特図保留記憶部591Bにおける保留データの総記憶数を特定することができる。
この実施の形態では、第1及び第2始動口入賞指定コマンドと保留記憶数指定コマンドとを、互いに別個の演出制御コマンドとして用意している。これに対して、第1始動条件及び第2始動条件のいずれが成立したかの通知内容と、合計保留記憶数の通知内容とを、1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成してもよい。一例として、成立した始動条件(第1始動条件あるいは第2始動条件)と合計保留記憶数との組合せに対応してEXTデータが設定される演出制御コマンドを用意して、その演出制御コマンドにより、成立した始動条件と合計保留記憶数とを特定できるようにしてもよい。ここで、第1始動条件と第2始動条件のいずれが成立したかを、合計保留記憶数とともに1つの演出制御コマンドで特定可能とする場合には、例えば合計保留記憶数の上限値が「8」である場合に、第1始動条件と第2始動条件のそれぞれが成立した場合に対応して8種類ずつの合計16種類の演出制御コマンドを用意しなければならない。これに対して、第1始動条件と第2始動条件のいずれが成立したかを特定可能な演出制御コマンドと、合計保留記憶数を特定可能な演出制御コマンドとを別個に用意すれば、第1始動条件と第2始動条件のそれぞれを特定可能な2種類の演出制御コマンドと、合計保留記憶数を特定可能な8種類の演出制御コマンドとからなる、合計10種類の演出制御コマンドを用意すればよく、予め用意するコマンドの種類や、コマンドテーブルの記憶容量などを、削減することができる。
主基板11から払出制御基板15に対して送信される制御コマンドは、例えば電気信号として伝送される払出制御コマンドである。なお、払出制御コマンドは、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるCPU104によって払出制御コマンドを送信するための設定が行われ、その設定に基づいて遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるシリアル通信回路108により払出制御基板15に対して送信されるものである。以下の説明では、主基板11から払出制御基板15に対する払出制御コマンドの送信動作に、こうした遊技制御用マイクロコンピュータ100に設けられたCPU104やシリアル通信回路108による一連の動作が含まれているものとする。
払出制御基板15から主基板11に対しては、例えば電気信号としての払出通知コマンドなどが送信される。払出通知コマンドは、払出制御基板15に搭載された払出制御用マイクロコンピュータ150が備えるCPU214によって払出通知コマンドを送信するための設定が行われ、その設定に基づいて払出制御用マイクロコンピュータ150が備えるシリアル通信回路218により主基板11に対して送信されるものである。以下の説明では、払出制御基板15から主基板11に対する払出通知コマンドの送信動作に、こうした払出制御用マイクロコンピュータ150に設けられたCPU214やシリアル通信回路218による一連の動作が含まれているものとする。加えて、以下の説明では、主基板11及び払出制御基板15のいずれか一方から他方に対する所定動作の指令だけでなく、一方での動作状態を他方に通知する通知信号も、払出制御コマンドや払出通知コマンドに含まれるものとする。
図6(A)は、主基板11と払出制御基板15との間で送受信される制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100と払出制御基板15に搭載された払出制御用マイクロコンピュータ150との間では、払出動作に関する各種の制御を行うために、各種の制御コマンドが送受信される。この実施の形態では、主基板11の側から払出制御基板15の側へと伝送される払出制御コマンドに、接続確認コマンド、賞球個数コマンドが含まれている。また、払出制御基板15の側から主基板11の側へと伝送される払出通知コマンドに、接続OKコマンド、賞球個数受付コマンド、賞球終了コマンド、賞球準備中コマンドが含まれている。
接続確認コマンドは、遊技制御用マイクロコンピュータ100と払出制御用マイクロコンピュータ150との間の接続状態が正常であるか否かを確認するために、一定間隔(例えば1秒)毎に遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信される制御コマンドである。
接続OKコマンドは、払出制御用マイクロコンピュータ150が接続確認コマンドの受信に応じて応答信号として送信する制御コマンドである。接続OKコマンドの2バイト目は、払出制御用マイクロコンピュータ150における所定のエラーが発生したか否かや、発生した場合のエラーの種類などに応じて、異なるデータが設定されればよい。また、エラー以外の制御状態に応じて異なるデータが設定されてもよい。
賞球個数コマンドは、払出要求を行う遊技球の個数(例えば0〜15個のいずれか)を通知するための制御コマンドであり、遊技制御用マイクロコンピュータ100が入賞の発生に基づいて送信する。賞球個数コマンドの2バイト目は、払出用球を行う遊技球の個数に応じて異なるデータが設定されればよい。賞球個数受付コマンドは、払出制御用マイクロコンピュータ150が賞球個数コマンドの受信に応じて応答信号として送信する制御コマンドである。
賞球終了コマンドは、払出制御用マイクロコンピュータ150が賞球払出動作の終了に基づいて送信する制御コマンドである。賞球準備中コマンドは、賞球払出動作に時間がかかっている場合や、貸球動作中であったり所定のエラーが発生したりして賞球払出動作が終了していないことを通知するために、払出制御用マイクロコンピュータ150が送信する制御コマンドである。賞球準備中コマンドの2バイト目は、接続OKコマンドと同様に、エラー状態に応じて異なるデータが設定されればよい。なお、賞球準備中コマンドでは、貸球動作中であるために賞球の払出動作を直ちに開始できない状態や、賞球払出動作の実行中の状態を、遊技制御用マイクロコンピュータ100において特定可能に示すものであってもよい。
主基板11と払出制御基板15との間では、シリアル通信による払出制御コマンドや払出通知コマンドの送受信の他に、払出制御信号の送受信も行われる。図6(B)は、主基板11と払出制御基板15との間で送受信される払出制御信号の内容の一例を示す説明図である。この実施の形態では、払出制御信号に、接続信号と払出検出信号とが含まれている。
接続信号は、主基板11の立ち上がり時(遊技制御用マイクロコンピュータ100の起動時)に出力され、払出制御基板15に対して主基板11が立ち上がったことを通知するための信号(主基板11の接続信号である。また、接続信号は、賞球払出が可能な状態であることを示す。接続信号は、1ビットのデータであり、1本の信号線によって主基板11の側から払出制御基板15の側へと伝送されればよい。
払出検出信号は、払出制御基板15の側において所定個数(例えば10個)の賞球が払い出されたことを検出するごとに、その検出結果を主基板11の側に通知するための信号である。払出検出信号は、1ビットのデータであり、1本の信号線によって払出制御基板15の側から主基板11の側へと伝送されればよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM105には、ゲーム制御用のユーザプログラムやセキュリティチェックプログラムとなる制御コードの他に、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データや決定用データ、テーブルデータなどが格納される。例えば、ROM105には、CPU104が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM105には、CPU104が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、飾り図柄の変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが記憶されている。
図7は、ROM105に記憶される特図表示結果決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、特図表示結果決定テーブルとして、図7(A)に示す第1特図表示結果決定テーブル130Aと、図7(B)に示す第2特図表示結果決定テーブル130Bとが、予め用意されている。第1特図表示結果決定テーブル130Aは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。第2特図表示結果決定テーブル130Bは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
第1特図表示結果決定テーブル130Aでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(時短付と時短なしの双方を含む高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される決定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる決定用データとなっている。第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのそれぞれでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの決定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。すなわち、第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのそれぞれでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、決定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル130Aの設定例では、所定範囲の決定値(「30000」〜「30099」の範囲の値)が「小当り」の特図表示結果に割り当てられている。その一方で、第2特図表示結果決定テーブル130Bの設定例では、「小当り」の特図表示結果に決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果の判定を行う場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果の判定を行う場合とで、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短状態(低確高ベース状態)や時短付確変状態(高確高ベース状態)といった、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な小当り遊技状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。
なお、第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいても、第1特図表示結果決定テーブル130Aにおける設定とは異なる所定範囲の決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられるようにしてもよい。例えば、第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、第1特図表示結果決定テーブル130Aに比べて少ない決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられてもよい。こうして、時短状態や時短付確変状態といった高ベース状態であるときには、通常状態や時短なし確変状態といった低ベース状態であるときよりも、小当り遊技状態に制御すると決定される割合が低くなるようにしてもよい。あるいは、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかにかかわらず、共通の特図表示結果決定テーブルを参照して、特図表示結果の決定を行うようにしてもよい。
図8は、ROM105に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131では、特図ゲームにおいて可変表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「非確変」や「第1確変」〜「第3確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
大当り種別決定テーブル131の設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「突確」の大当り種別に対する決定値の割当てが異なっている。すなわち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の決定値(「82」〜「99」の範囲の値)が「突確」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「突確」の大当り種別に対して決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別を「突確」に決定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「突確」として2ラウンド大当り状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短状態(低確状態や時短付確変状態といった、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な2ラウンド大当り状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。
なお、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられてもよい。こうして、時短状態や時短付確変状態といった高ベース状態であるときには、通常状態や時短なし確変状態といった低ベース状態であるときよりも、「突確」の大当り種別に決定される割合が低くなるようにしてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
図9は、飾り図柄の変動パターンを例示する説明図である。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合のうち、大当り種別が「非確変」や「第1確変」〜「第3確変」のいずれかである場合と「突確」である場合、さらには、可変表示結果が「小当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」や「小当り」である場合に対応した変動パターンは、当り変動パターンと称される。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM106には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図10に示すような遊技制御用データ保持エリア590が設けられている。遊技制御用データ保持エリア590は、第1特図保留記憶部591Aと、第2特図保留記憶部591Bと、遊技制御フラグ設定部592と、遊技制御タイマ設定部593と、遊技制御カウンタ設定部594と、遊技制御バッファ設定部595とを備えている。
第1特図保留記憶部591Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる始動入賞の発生に対応して第1始動条件は成立したが第1開始条件は成立していない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部591Aは、第1始動入賞口への入賞順に保留番号と関連付けて、その入賞による第1始動条件の成立に基づいてCPU104により取得(抽出)された各種の乱数値を示す数値データを保留データとし、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。この実施の形態では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データと、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データとが、保留データとして第1特図保留記憶部591Aに記憶される。
第2特図保留記憶部591Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる始動入賞の発生に対応して第2始動条件は成立したが第2開始条件は成立していない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部591Bは、第2始動入賞口への入賞順に保留番号と関連付けて、その入賞による第2始動条件の成立に基づいてCPU104により取得(抽出)された各種の乱数値を示す数値データを保留データとし、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。この実施の形態では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データと、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データとが、保留データとして第2特図保留記憶部591Bに記憶される。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU104がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR2〜MR5を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU104によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU104がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路103における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路103から抽出された数値データの全部または一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が備える外部バスインタフェース109に含まれる出力ポート(遊技制御用マイクロコンピュータ100のポート出力)の割当てを例示する説明図である。図11に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ100の出力ポート0からは、払出制御基板15に送信される払出制御信号としての接続信号が出力される。また、大入賞口扉により大入賞口を開閉する特別可変入賞球装置7に設けられたソレノイド82に対する駆動信号や、可動翼片により第2始動入賞口を開閉する普通可変入賞球装置6Bに設けられたソレノイド81に対する駆動信号も、出力ポート0から出力される。
遊技制御用マイクロコンピュータ100における出力ポート0からは、所定のターミナル基板(情報端子基板)を介して、外部装置(例えば、ホールコンピュータ)に対して、投入時状態信号が出力される。投入時状態信号は、パチンコ遊技機1における制御に関わる各種の情報出力信号に含まれ、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときに、所定の初期化処理が実行されていないことに加えて確変状態(高確状態)であることを示すデータがRAM106の所定領域(例えば確変フラグを記憶するバックアップ領域など)に記憶されていることに基づいて、状態出力信号として出力される。
遊技制御用マイクロコンピュータ100における出力ポート0からは、所定のターミナル基板(情報端子基板)を介して、外部装置(例えば、ホールコンピュータ)に対して、払出条件成立信号が出力される。払出条件成立信号は、パチンコ遊技機1における制御に関わる各種の情報出力信号に含まれ、パチンコ遊技機1にて所定個数(例えば10個)の賞球を景品として払い出すための条件(払出条件)が成立したときに、その払出条件が成立したことを示す信号である。
遊技制御用マイクロコンピュータ100における出力ポート1からは、セキュリティ信号、時短信号、遊技機固有情報、図柄確定信号、第2始動口信号、第1始動口信号といった、各種の信号や情報が出力される。セキュリティ信号は、パチンコ遊技機1のセキュリティ状態を示す信号である。一例として、第2始動口スイッチ22Bの検出結果と入賞確認スイッチ25の検出結果とに基づいて、第2始動入賞口への異常入賞が発生したと判定された場合に、セキュリティ信号が所定期間(例えば、4分間)ホールコンピュータなどの外部装置に出力される。そのように構成することによって、電波などを用いて第2始動入賞口への入賞数が実際の入賞数よりも多くなるように認識させるような不正行為が行われたことを、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。
他の一例として、パチンコ遊技機1への電源投入が行われて初期化処理が実行された場合にも、セキュリティ信号が所定期間(例えば、30秒間)ホールコンピュータなどの外部装置に出力される。そのように構成することによって、不自然なタイミングで(例えば、遊技店の開店時に全ての遊技機の電源リセット作業を終えた後であるにもかかわらず)初期化処理が実行されたことを認識可能とすることによって、不正に遊技機を電源リセットさせて電源リセットのタイミングで大当りを狙うような不正行為が行われた可能性を、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。
異常入賞が検出された場合と、初期化処理(例えば、パチンコ遊技機1への電源投入時に、クリアスイッチ501による操作が行われたことに基づいてRAM106の記憶内容をクリアするなどの処理)が実行された場合とで、共通のセキュリティ信号を外部出力している。これについて、初期化処理が実行されるのは、通常、遊技店の開店時に遊技機の電源リセット作業を行う場合のみであることから、1日のうち1回程度しか出力されない信号のために専用の構成(コネクタや半導体リレーなど)を設けることは効率的ではなく無駄が多い。そこで、この実施の形態では、異常入賞が検出された場合と、初期化処理が実行された場合とで、共通のセキュリティ信号を出力するように構成することによって、外部出力用の信号線や回路素子の無駄を低減している。すなわち、ホールコンピュータなどの外部装置に情報を出力するための機構の部品数の増加や配線作業の複雑化を防ぐことができる。
時短信号は、パチンコ遊技機1における遊技状態に応じて信号状態(オン/オフ)が変化し、時短制御が行われる遊技状態(時短状態または時短付確変状態)であるときにオン状態となる信号である。時短信号は、パチンコ遊技機1において時短制御が行われていることを示す信号となる。
遊技機固有情報は、パチンコ遊技機1において遊技制御用マイクロコンピュータ100のチップごとに、あるいはパチンコ遊技機1ごとに、予め個別に付与された情報であり、例えばメーカーコード、チップ個別ナンバー、及び、型式名コードを含んでいる。遊技機固有情報は、予め定められた複数の異なる情報出力条件のうち、いずれかの情報出力条件の成立に基づいて外部出力されることで、ホールコンピュータなどの外部装置側にて遊技機固有情報の正当性を判定可能にすればよい。遊技機固有情報が外部出力されるための情報出力条件は、電源投入時や大当り時、ドア開放時などに成立すればよい。また、所定の異常入賞が発生したと判定された場合に、セキュリティ信号が外部出力されることにあわせて、情報出力条件が成立して遊技機固有情報が外部出力されるようにしてもよい。
図柄確定信号は、特別図柄の変動回数を通知するために外部出力される信号である。第2始動口信号は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出を通知するために外部出力される信号である。第1始動口信号は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出を通知するために外部出力される信号である。
遊技制御用マイクロコンピュータ100における出力ポート2からは、発射位置指定信号(右)、大入賞口開放中信号、小当り中信号、大当り中信号といった、各種の信号が出力される。発射位置指定信号(右)は、パチンコ遊技機1での遊技状態に応じて信号状態(オン/オフ)が変化し、遊技領域内における遊技球の最適な発射位置(発射目標位置)が右遊技領域2Bであるときにオン状態となる右位置指定の信号である。なお、発射位置指定信号(右)は、単に「発射位置指定信号」ともいう。発射位置指定信号は、遊技媒体としての遊技球を所定領域としての右遊技領域2Bに発射すべきことを示す信号となる。
大入賞口開放中信号は、特別電動役物となる特別可変入賞球装置7の作動状態に応じて信号状態(オン/オフ)が変化し、特別可変入賞球装置7が作動して大入賞口が開放状態であるときにオン状態となる。小当り中信号は、パチンコ遊技機1における遊技状態が小当り遊技状態であるときにオン状態となる信号である。大当り中信号は、パチンコ遊技機1における遊技状態が大当り遊技状態であるときにオン状態となる信号である。
なお、図11に示された「論理」(例えば1がオン状態)と逆の論理(例えば0がオン状態)を用いてもよいが、特に、接続信号については、主基板11と払出制御基板15との間の信号線において断線が生じた場合やケーブル外れの場合(ケーブル未接続を含む)等に、払出制御用マイクロコンピュータ150では必ずオフ状態と検知されるように「論理」が定められる。具体的には、一般に、断線やケーブル外れが生ずると信号の受信側ではハイレベルが検知されるので、主基板11と払出制御基板15との間の信号線でのハイレベルが、遊技制御手段における出力ポートにおいてオフ状態になるように「論理」が定められる。従って、必要であれば、主基板11において出力ポートの外側に、信号を論理反転させる出力バッファ回路が設置される。
遊技制御用マイクロコンピュータ100における出力ポート0や出力ポート1から、所定のターミナル基板(情報端子基板)を介し、外部装置(例えば、ホールコンピュータ)に向けて、情報出力信号となる各種信号や情報(例えば第1始動口信号、第2始動口信号、図柄確定信号、遊技機固有情報、セキュリティ信号、投入時状態信号、払出条件成立信号)の出力データが出力される。
遊技制御用マイクロコンピュータ100における出力ポート1や出力ポート2からは、試験端子出力信号となる各種信号(例えば発射位置指定信号、大入賞口開放中信号、小当り中信号、大当り中信号、時短信号)の出力データを出力することができる。試験端子出力信号は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU104が遊技制御を行っているときに適宜、もしくは、試験端子出力信号作成プログラムに基づいて作成することができればよい。
なお、同一の信号が複数のビットから異なる用途のために出力されてもよい。例えば、出力ポートにおける1のビットからは試験端子出力信号として出力され、他のビットからは情報出力信号として出力されてもよい。
図11に示す信号の他に、例えばパチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であることを示す確変信号などが出力されてもよい。時短信号や確変信号は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20のそれぞれに対応して、特別図柄や普通図柄の可変表示について時短制御や確変制御が行われていることを個別に示す複数の信号として出力されてもよい。
図12は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が備える外部バスインタフェース109に含まれる入力ポート(遊技制御用マイクロコンピュータ100のポート入力)の割当てを例示する説明図である。図12に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ100の入力ポート0には、入賞確認スイッチ25や一般入賞口スイッチ24、カウントスイッチ23からの検出信号が入力される。入力ポート1には、払出制御基板15からの払出検出信号やドア開放信号の他に、磁石センサ信号や電波センサ信号が入力される。入力ポート2には、電源基板10からの電源断信号やクリアスイッチ501の操作検出信号(クリア信号)、さらには、ゲートスイッチ21、第1及び第2始動口スイッチ22A、22Bからの検出信号が入力される。
図2に示す演出制御基板12に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ120に内蔵または外付けされた演出制御用ROMには、演出制御用のプログラムの他に、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、演出制御用ROMには、CPU120Aが各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、演出制御用ROMには、CPU120Aが各種の演出装置(例えば画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出における演出表示動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
図13(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。特図変動時演出制御パターンや各種演出制御パターンといった、それぞれの演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、例えば遊技領域の内部または外部に設けられた可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データなどが、含まれていてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用マイクロコンピュータ120に内蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用マイクロコンピュータ120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。操作検出制御データには、例えば操作ボタン30といった操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。すなわち、操作検出制御データは、操作部に対する操作に応じた演出動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
図13(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用マイクロコンピュータ120において、CPU120Aは演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で発光体を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される期間において検出された操作部に対する操作に基づいて演出動作を変化させる制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU120Aは、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターンをセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、演出制御用ROMから読み出して演出制御用RAMの所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータの演出制御用ROMにおける記憶アドレスを、演出制御用RAMの所定領域に一時記憶させて、演出制御用ROMにおける記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。こうして、CPU120Aは、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などの発光体等)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用マイクロコンピュータ120からVDP121や音声制御基板13あるいはランプ制御基板14などに対して出力される。演出制御用マイクロコンピュータ120からの指令を受けたVDP121では、その指令に示される画像データを演出データメモリ122から読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
図14は、払出制御用マイクロコンピュータ150が備える外部バスインタフェース219に含まれる出力ポート(払出制御用マイクロコンピュータ150のポート出力)の割当てを例示する説明図である。図14に示すように、払出制御用マイクロコンピュータ150の出力ポート0からは、ステッピングモータによる払出モータ51に供給される各相の信号が出力される。また、所定のカードユニットへと伝送されるPRDY信号やEXS信号、パチンコ遊技機1が所定のエラー状態(球切れエラー状態や満タンエラー状態など)であることを示す遊技機エラー状態信号、景品としての賞球払出を検出したことを示す賞球信号も、出力ポート0から出力される。
払出制御用マイクロコンピュータ150における出力ポート1からは、7セグメントLEDによるエラー表示用LED74の各セグメント出力信号が出力される。また、景品として所定個数(例えば10個)の賞球払出を検出したことを示す払出検出信号も、出力ポート1から出力される。
図15は、払出制御用マイクロコンピュータ150が備える外部バスインタフェース219に含まれる入力ポート(払出制御用マイクロコンピュータ150のポート入力)の割当てを例示する説明図である。図15に示すように、払出制御用マイクロコンピュータ150の入力ポート0には、カードユニットからのVL信号、BRDY信号、およびBRQ信号が入力される。また、主基板11からの接続信号や、満タンスイッチ26、球切れスイッチ27、払出モータ位置センサ71からの検出信号も、入力ポート0に入力される。また、払出制御用マイクロコンピュータ150における入力ポート1には、エラー解除スイッチ73からの操作信号や払出カウントスイッチ72からの検出信号が入力される。
図16は、パチンコ遊技機1から出力可能な各種信号を示すブロック図である。この実施の形態では、主基板11に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ100から、所定のターミナル基板(情報端子基板)などを介して、所定の外部装置(ホールコンピュータなど)に情報出力信号が外部出力される。なお、情報出力信号の一部は、払出制御基板15に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ150から主基板11へと一旦伝送されてから外部出力されてもよい。情報出力信号には、第1始動口信号、第2始動口信号、図柄確定信号、遊技機固有情報、セキュリティ信号、投入時状態信号、払出条件成立信号、払出検出信号、遊技機エラー状態信号が含まれている。なお、情報出力信号はこれらの信号に限定されず、例えばドア開放信号といった、外部装置へと外部出力するために予め定められた信号を含んでいればよい。こうした情報出力信号は、例えばホールコンピュータといった外部装置において、パチンコ遊技機1における動作状態を管理するために用いられる信号であればよい。
また、主基板11に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ100では、試験端子出力信号を外部出力するための処理が実行される。なお、払出制御基板15に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ150においても、試験端子出力信号の一部を外部出力するための処理が実行されてもよい。試験端子出力信号には、発射位置指定信号、大入賞口開放中信号、小当り中信号、大当り中信号、時短信号が含まれている。こうした試験端子出力信号は、例えば試験装置といった外部装置を接続した場合に、パチンコ遊技機1における動作の検査を可能にする信号であればよい。
同一の信号が試験端子出力信号と情報出力信号の双方に含まれることがあってもよい。例えば時短信号は、試験端子出力信号と情報出力信号の双方に含まれてもよい。また、図16には示されていない確変信号といった所定信号が、試験端子出力信号や情報出力信号に含まれてもよい。
主基板11は、発射位置指定信号を含む試験端子出力信号を外部装置へと伝送可能な配線パターンを有する。この配線パターン上には、パチンコ遊技機1に対する外部装置となる試験装置との接続に用いられる接続用部品を搭載するために、接続用部品搭載部が設けられればよい。接続用部品は、試験時にのみ搭載され、試験時以外の通常使用時には未搭載であればよい。
一例として、主基板11には、試験端子出力信号を外部出力するための試験信号端子を含む試験信号出力回路が搭載されてもよい。試験信号出力回路の試験信号端子は、外部装置となる試験装置からのプローブを接続可能な信号ピンや試験装置からのケーブルを接続可能なコネクタで構成されればよい。試験信号出力回路は、主基板11に実装されてもよいが、量産時のコストを低減するために、主基板11から取り外し可能な中継基板等として構成されてもよい。また、コネクタを用いる場合には、主基板11にコネクタ搭載用の配線パターンを用意しておき、試験時にのみコネクタを搭載するようにしてもよい。また、信号ピンやコネクタを試験時以外の通常使用時には封止(密封)、除去、未搭載または破壊して、試験端子出力信号の外部出力に基づく不正行為を防止できるようにしてもよい。
ただし、試験時以外の通常使用時であっても、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100においては、試験端子出力信号を外部出力するための処理が実行されればよい。試験端子出力信号を外部出力するために専用の処理を実行するものに限定されず、例えば遊技制御を行うための処理の一部や、情報出力信号を外部出力するための処理の一部として、試験端子出力信号を外部出力できるようにする処理が実行されてもよい。
試験端子出力信号を外部出力するための処理を遊技制御用マイクロコンピュータ100において実行するものに限定されず、遊技制御用マイクロコンピュータ100における処理内容に基づいて、試験端子出力信号を外部出力するための処理を実行する信号処理モジュール(例えばプロファイラモジュールなど)が、主基板11などに着脱可能に構成されてもよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作を説明する。主基板11では、電源基板10からの電力供給が開始されて遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動すると、CPU104が所定のセキュリティチェック処理を実行した後などに、図17のフローチャートに示すような遊技制御メイン処理を実行する。
図17に示す遊技制御メイン処理を開始すると、CPU104は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。なお、ステップS2では、遊技制御用マイクロコンピュータ100の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードに設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、CPU104は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、CPU104は、払出制御用マイクロコンピュータ150に対して、接続信号の出力を開始する(ステップS4)。なお、CPU104は、ステップS4で接続信号の出力を開始すると、遊技機の電源供給が停止したり、何らかの通信エラーが生じて出力不能とならないかぎり、払出制御用マイクロコンピュータ150に対して接続信号を継続して出力する。
続いて、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS5)。ステップS5の処理によって、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるリセット/割り込みコントローラ102やタイマ回路107などの設定(初期化)がなされる。その後、CPU104は、RAM106をアクセス可能状態に設定し(ステップS6)、クリア信号のチェック処理に移行する。
なお、ステップS6にてRAM106をアクセス可能状態に設定したときには、所定の信号出力タイマをクリアして、そのタイマ値を「0」に初期化するようにしてもよい。一例として、遊技制御タイマ設定部593といったRAM106の所定領域に設けられた条件成立信号出力タイマをクリアして、そのタイマ値を「0」に初期化する。条件成立信号出力タイマは、賞球個数の累積値が所定数(例えば「10」)以上となったことにより所定の払出条件が成立したことを示す払出条件成立信号の出力時間を計測するために用いられる。パチンコ遊技機1における電源投入時に条件成立信号出力タイマをクリアすることにより、電源遮断の直前に出力中であった払出条件成立信号が、電源再投入後は継続して外部出力されないようにして、払出条件が1回成立したことに基づく払出条件成立信号が、電源遮断の前後に分かれて2回分外部出力されてしまうことを防止できる。
遊技の進行を制御する遊技装置制御処理(遊技制御処理)の開始タイミングをソフトウェアで遅らせるためのソフトウェア遅延処理を実行するようにしてもよい。そのようなソフトウェア遅延処理によって、ソフトウェア遅延処理を実行しない場合に比べて、遊技制御処理の開始タイミングを遅延させることができる。遅延処理を実行したときには、他の制御基板(例えば、払出制御基板15)に対して、遊技制御基板(主基板11)が送信するコマンドを他の制御基板のマイクロコンピュータが受信できないという状況が発生することを防止できる。
クリア信号のチェック処理において、CPU104は、クリアスイッチ501からオン状態のクリア信号(操作検出信号)が伝送されたか否か、すなわち、クリアスイッチ501がオンされているか否か確認する(ステップS7)。なお、CPU104は、入力ポート2を介して1回だけクリア信号の状態(オン/オフ)を確認するようにしてもよいが、複数回クリア信号の状態を確認するようにしてもよい。例えば、クリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間(例えば、0.1秒)の遅延時間をおいた後、クリア信号の状態を再確認する。そのときにクリア信号の状態がオン状態であることを確認したら、クリア信号がオン状態になっていると判定する。また、このときにクリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間の遅延時間をおいた後、再度、クリア信号の状態を再確認するようにしてもよい。ここで、再確認の回数は、1回または2回に限られず、3回以上であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときにもう一度確認するようにしてもよい。
ステップS7でクリアスイッチ501がオンでない場合には、パチンコ遊技機1への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような電力供給停止時処理が行われていたことを確認した場合に、CPU104は、電力供給停止時処理が行われた、すなわち電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行われていないことを確認した場合には、CPU104は初期化処理を実行する。
電力供給停止時処理が行われていたか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(例えば2)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域に電力供給停止時処理を実行したことを示すフラグをセットし、ステップS8において、そのフラグがセットされていることを確認したら電力供給停止時処理が行われたと判定してもよい。
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、CPU104は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU104は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(ステップS10,S11の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU104は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態へと戻すために、電断復旧時の設定を行う(ステップS91)。具体的には、ROM105に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM106内の領域)に設定する。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。これによって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU104は、ROM105に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定することにより、電断復旧時に対応したコマンドの送信設定を行う。なお、この送信設定がなされた後、後述するステップS15aのシリアル通信回路設定処理が行われてからバックアップコマンドが送信されることになる。
こうしてステップS91にて電断復旧時の設定が行われた後には、パチンコ遊技機1の電力供給停止時(電断時)における遊技状態が確変状態であることを示すデータが記憶されているか否かの判定を行う(ステップS92)。すなわち、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときに、クリアスイッチ501がオフであり初期化処理が実行されないことに対応して、電断復旧時の設定が行われるときには、パチンコ遊技機1における遊技状態が特別遊技状態としての確変状態(高確状態)であることを示すデータが記憶されているか否かを判定する。
一例として、RAM106のバックアップ領域にて確変フラグの状態(オン/オフ)を示す記憶データをチェックする。このとき、確変フラグがオンであるか否かに対応して、特別遊技状態であることを示すデータが記憶されているか否かを判定すればよい。なお、この実施の形態では、RAM106の全部が電源バックアップされていることから、確変フラグがRAM106のどのような領域に記憶されていても、その内容は電力供給が停止された後に所定期間は保存されることになる。
なお、確変フラグがオンであるか否かに対応して、特別遊技状態であることを示すデータが記憶されているか否かを判定するものにかぎられない。例えば、確変フラグとは別個に所定の記憶領域などから記憶データを読み出すようにしてもよい。より具体的には、電源断処理(図18のステップS20参照)が実行されたときに、電源断信号が出力されていることに基づいて、確変フラグの状態を示すデータがRAM106の所定領域(バックアップ領域)に記憶され、電力供給が停止されても所定期間は、このデータが保存されるようにする。この場合、ステップS91の処理により、RAM106の所定領域における記憶データに対応した確変フラグの設定が行われて、電力供給停止時(電断時)における遊技状態へと復旧されるようにしてもよい。また、特別遊技状態として、確変状態だけでなく時短状態であることも示すデータが記憶されているか否かを判定してもよい。例えば、RAM106のバックアップ領域に記憶された時短フラグの状態をチェックして、時短フラグがオンであるか否かに応じて、特別遊技状態であることを示すデータが記憶されているか否かを判定してもよい。
こうして電断時の確変記憶(あるいは時短状態を含めた特別遊技状態の記憶)があるときには、投入時状態信号の出力指定を行う(ステップS93)。例えば、CPU104は、RAM106の所定領域に記憶された確変フラグの状態をそのまま保持することにより、投入時状態信号の出力を指定すればよい。この投入時状態信号の出力指定がなされた後、後述するステップS131〜S136、S147の処理(図25参照)が実行されることにより、投入時状態信号がパチンコ遊技機1から外部装置へと外部出力されることになる。なお、ステップS93で投入時状態信号の出力指定を行った後に、タイマ割込の発生に基づく情報出力処理(図18のステップS28参照)により投入時状態信号の外部出力が開始されるものにかぎられない。例えば、ステップS93の処理として、情報バッファの投入時状態信号出力ビット位置(図11に示す例では出力ポート0のビット3)をセットした後、情報バッファを出力値にセットするとともに、その出力値を出力ポート0に出力することによって、投入時状態信号の外部出力を開始させるようにしてもよい。
この実施の形態では、パチンコ遊技機1の電源投入時に確変フラグの状態をそのまま保持することにより、投入時状態信号の出力指定がなされる。すなわち、確変フラグの状態(オン/オフ)は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるか否かを示すとともに、電源投入時に投入時状態信号を外部出力するか否かの出力指定を示すことになる。こうして、遊技状態が確変状態であるか否かに対応した確変フラグの状態を示すデータを、投入時状態信号を外部出力するか否かの出力指定を行うためのデータと共通化することにより、投入時状態信号を外部出力するために専用のデータを用意する必要がなくなり、RAM106に記憶されるデータ容量の増大などを防止することができる。
なお、確変フラグとは別個に設けられた投入時状態信号出力指定フラグをオン状態にセットすることなどにより、投入時状態信号の出力指定がなされるようにしてもよい。投入時状態信号出力指定フラグは、パチンコ遊技機1の電源投入時に初期化処理が実行されないことに加えて確変状態等の特別遊技状態であることに基づいてオン状態にセットされることにより、投入時状態信号の出力指定を示すものであればよい。
初期化処理では、CPU104は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM106の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。続いて、作業領域の初期設定を行う(ステップS11)。例えば、CPU104は、ROM105に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、初期化時設定テーブルの内容を順次業領域に設定する。
ステップS11の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU104は、初期化コマンドの送信設定を行う(ステップS12)。例えば、ROM105に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する。初期化コマンドとして、画像表示装置5に表示される初期図柄を示すコマンドや払出制御基板15への初期化コマンド等を使用することができる。なお、ステップS13で設定された後、後述するステップS15aのシリアル通信回路設定が行われてから初期化コマンドが送信されることになる。
また、CPU104は、初期化処理時に対応して予め定められたセキュリティ信号出力時間(本例では、30秒)を設定する(ステップS13)。例えば、セキュリティ信号出力時間に対応したタイマ初期値を、RAM106の所定領域に設けられたセキュリティ信号情報タイマにセットする。セキュリティ信号情報タイマは、外部出力するセキュリティ信号のオン時間を計測するためのタイマである。この実施の形態では、ステップS13でセキュリティ信号情報タイマに所定時間がセットされたことにもとづいて、後述する情報出力処理(図18のS28参照)が実行されることによって、遊技機の電源投入時に初期化処理が実行されたときに、セキュリティ信号が所定時間(本例では、30秒)外部出力される。
CPU104は、パチンコ遊技機1における電力供給の開始(電源投入)に対応して、遊技機固有情報を外部出力するための設定を行う(ステップS14)。遊技機固有情報を外部出力するための設定としては、例えば、遊技機固有情報の外部出力を要求する固有情報出力要求フラグをセットし、遊技機固有情報の読出開始アドレスを固有情報読出ポインタにセットする。
また、CPU104は、乱数回路103を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS15)。この場合、CPU104は、所定の乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路103に乱数値を更新させるための設定を行う。
続いて、CPU104は、シリアル通信回路108を初期設定する(ステップS15a)。この場合、CPU104は、シリアル通信回路設定プログラムに従ってROM105の所定領域に格納されているデータをシリアル通信回路108に設定することによって、シリアル通信回路108に払出制御用マイクロコンピュータ150とシリアル通信させるための設定を行う。
シリアル通信回路108を初期設定すると、CPU104は、シリアル通信回路108の割り込み要求に応じて実行する割込処理の優先順位を初期設定する(ステップS15b)。この場合、CPU104は、所定の割込優先順位設定プログラムに従って処理を実行することによって、割込処理の優先順位を初期設定する。
例えば、CPU104は、各割込処理のデフォルトの優先順位を含む所定の割込処理優先順位テーブルに従って、各割込処理の優先順位を初期設定する。この実施の形態において、CPU104は、割込処理優先順位テーブルに従って、シリアル通信回路108において通信エラーが発生したことを割込原因とする割込処理を優先して実行するように初期設定する。この場合、例えば、CPU104は、通信エラーが発生したことを割込原因とする割込処理を優先して実行する旨を示す通信エラー時割込優先実行フラグをセットする。
なお、この実施の形態では、タイマ割込とシリアル通信回路108からの割り込み要求とが同時に発生した場合、CPU104は、タイマ割込による割込処理を優先して行う。
また、ユーザによって各割込処理のデフォルトの優先順位を変更することもできる。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ユーザ(例えば、遊技機の製作者)によって設定された割込処理を指定する指定情報を、あらかじめROM105の所定の記憶領域に記憶している。そして、CPU104は、ROM105の所定の記憶領域に記憶された指定情報に従って、割込処理の優先順位を設定する。
なお、ステップS15〜S15bだけでなく、乱数回路103やシリアル通信回路108の設定処理の一部は、ステップS5の処理においても実行される。例えば、ステップS5において、内蔵デバイスレジスタとして、シリアル通信回路108のボーレートレジスタや通信設定レジスタ、割込制御レジスタ、ステータスレジスタに、初期値を設定する処理が実行される。
そして、CPU104は、所定時間(例えば4ミリ秒)ごとに定期的にタイマ割込がかかるようにタイマ割込設定を行う(ステップS16)。タイマ割込の設定が完了すると、CPU104は、まず、割込禁止状態にして(ステップS17)、初期値用乱数更新処理(ステップS18a)と表示用乱数更新処理(ステップS18b)を実行して、再び割込許可状態にする(ステップS19)。すなわち、CPU104は、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする。
ステップS19で割込許可状態に設定されると、次にステップS17の処理が実行されて割込禁止状態とされるまで、タイマ割込またはシリアル通信回路108からの割り込み要求を許可する状態となる。そして、割込許可状態に設定されている間に、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU104は、後述するタイマ割込処理を実行する。また、本実施の形態では、ステップS17からステップS19までのループ処理の前にステップS15bを実行することによって、タイマ割込または割り込み要求を許可する状態に設定される前に、割込処理の優先順位を設定または変更する処理が行われる。
パチンコ遊技機1の電源投入時には、遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM105のプログラムデータエリアに記憶されたユーザプログラムに基づいてCPU104により実行される遊技制御メイン処理において、初期化処理が実行されないことに加えて遊技状態が特別遊技状態であることを示すデータが記憶されていることに基づき、ステップS93にて投入時状態信号の出力指定が行われる。すなわち、投入時状態信号の外部出力は、ユーザプログラムに基づいて行われる。なお、投入時状態信号の外部出力は、ユーザプログラムに基づいて行われるものにかぎらない。例えば、電源投入時における投入時状態信号の外部出力は、ハードウェアにより行われるようにしてもよい。あるいは、電源投入時にROM105から読み出したユーザプログラムを実行する前にセキュリティチェックプログラムが実行される場合であれば、このセキュリティチェックプログラムに基づいてCPU104により実行される処理において、投入時状態信号の出力設定や情報バッファの設定などが行われてもよい。すなわち、投入時状態信号の外部出力は、ユーザプログラムとは異なるシステムプログラムなどに基づいて行われるようにしてもよい。この場合、特別遊技状態であることを示すデータが記憶されているか否かの判定は、クリアスイッチ501がオンであるか否かの判定よりも先に実行されてもよい。そのように構成しても、投入時状態信号が外部出力されたパチンコ遊技機1については、電源投入時に特別遊技状態であることを示すデータが記憶されていると認識することができ、例えば遊技場の管理者がクリアスイッチ501を操作することなどにより、初期化処理を実行させてパチンコ遊技機1の記憶内容を確実に初期化(クリア)させることができる。
この実施の形態では、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときに、クリアスイッチ501の所定操作(例えば押下操作など)が行われた場合には(ステップS7;Yes)、ステップS10,S11の初期化処理が実行される。この場合には、ステップS13でセキュリティ信号出力時間が設定されることにより、所定時間(例えば30秒)にわたりオン状態のセキュリティ信号が外部出力される。これに対して、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときに、クリアスイッチ501の所定操作が行われていないことなどに基づいて(ステップS7;No)、ステップS10,S11の初期化処理が実行されていない場合には、電断復旧時の設定が行われるとともに(ステップS91)、確変状態等の特別遊技状態を示すデータが記憶されているか否かが判定される(ステップS92)。そして、このようなデータが記憶されているときには(ステップS92;Yes)、ステップS93での出力指定などに基づいて、オン状態の投入時状態信号が外部出力される。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるタイマ割込処理について説明する。図18は、遊技制御用マイクロコンピュータ100において所定時間(例えば4ミリ秒)ごとに発生するタイマ割込に基づいて実行される遊技制御用タイマ割込処理を示すフローチャートである。遊技制御メイン処理の実行中に、具体的には、ステップS17〜S19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU104は、タイマ割込の発生に応じて起動される遊技制御用タイマ割込処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理において、CPU104は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(ステップS20)。そして、CPU104は、スイッチ回路114を介して、ゲートスイッチ21、第1及び第2始動口スイッチ22A、22B、カウントスイッチ23、一般入賞口スイッチ24および入賞確認スイッチ25などのスイッチの検出信号を入力し、各スイッチの入力を検出する(スイッチ処理:ステップS21)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1する。
続いて、CPU104は、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。その後、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS23)。また、遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS24)。
遊技用乱数更新処理を実行した後には、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS25)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部592に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS26)。CPU104は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU104は、主基板11から演出制御基板12や払出制御基板15などのサブ側の制御基板に向けて制御コマンドを送信したり、払出制御基板15から伝送された制御コマンドを受信したりするためのコマンド制御処理を実行する(ステップS27)。
コマンド制御処理を実行した後、CPU104は、情報出力処理として、例えばホールコンピュータといった外部装置に対して情報出力信号を外部出力するための処理を実行する(ステップS28)。また、CPU104は、シリアル通信回路108を介して、払出制御用マイクロコンピュータ150と信号を送受信(入出力)する処理を実行するとともに、入賞が発生した場合には賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS29)。
賞球処理に続いて、CPU104は、試験端子処理として、試験端子出力信号となる試験信号を外部出力するための処理を実行してから(ステップS30)、遊技制御用タイマ割込処理を終了する。試験端子処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の制御状態をパチンコ遊技機1に外部接続された試験装置で確認できるようにする。
図19は、特別図柄プロセス処理として、図18のステップS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU104は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図20は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU104は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU104は、例えば遊技制御カウンタ設定部594に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えば遊技制御バッファ設定部595に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。CPU104は、例えば遊技制御カウンタ設定部594に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、例えば遊技制御バッファ設定部595に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じて、保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、例えば遊技制御カウンタ設定部594に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU104は、乱数回路103や遊技制御カウンタ設定部594のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを、抽出する(ステップS209)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには保留データが第1特図保留記憶部591Aにセットされる一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには保留データが第2特図保留記憶部591Bにセットされる。
ステップS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM105における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM105における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。また、例えばROM105における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS212)。こうして設定された始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図18に示すステップS27のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS212の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS213)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS213;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS213;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、始動入賞判定処理を終了する。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合には、所定時間内(例えば4ミリ秒内)で実行される処理(タイマ割込処理)によって、双方のスイッチが有効な遊技球の始動入賞を検出したことに基づく処理が実行される。すなわち、ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオンであるときには、ステップS202、S203の処理を実行してから、ステップS207〜S212の処理を実行した後、ステップS213にて始動口バッファ値が「1」であることに対応して、ステップS214の処理を実行してから、ステップS204の処理に進む。そして、ステップS204にて第2始動口スイッチ22Bがオンであるときには、ステップS205〜S212の処理を実行した後、ステップS213にて始動口バッファ値が「2」であることに対応して、ステップS215の処理を実行してから、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図19に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU104は、遊技制御フラグ設定部592に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する処理や、変動パターン種別の決定結果に対応して、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部593に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームであるかに関わりなく、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおける特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値を“3”に更新する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部592に設けられた大当りフラグや小当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。また、小当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値を“8”に更新する。さらに、大当りフラグ及び小当りフラグがいずれもオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して特別可変入賞球装置7が備える大入賞口扉により大入賞口を開放状態(第1状態)とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」や「第1確変」〜「第3確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」や「第1確変」〜「第3確変」のいずれかであることに対応して15ラウンド大当り状態に制御される場合には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドの実行回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定する。これに対して、大当り種別が「突確」であることに対応して2ラウンド大当り状態に制御される場合には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.5秒」に設定するとともに、ラウンドの実行回数となる大入賞口の開放回数を「2回」に設定する。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(第2状態)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対する駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り種別に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理などが含まれている。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことなどに基づき、小当り遊技状態において可変入賞動作の実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば可変表示結果が「小当り」であることに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.5秒」に設定するとともに、可変入賞動作における大入賞口の開放回数を「2回」に設定すればよい。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対する駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。
図21は、特別図柄通常処理として、図19のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す特別図柄通常処理において、CPU104は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS231の処理では、遊技制御カウンタ設定部594に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部591Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば遊技制御バッファ設定部595に設けられた変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部591Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、遊技制御カウンタ設定部594にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、例えば遊技制御バッファ設定部595に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理では、遊技制御カウンタ設定部594にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかが決定できればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部591Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部591Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、遊技制御カウンタ設定部594にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」、「小当り」、「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、特図表示結果決定テーブルを選択してセットする(ステップS239)。CPU104は、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのいずれかを使用テーブルに選択すればよい。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」であるときには第1特図表示結果決定テーブル130Aを選択する一方で、変動特図指定バッファ値が「2」であるときには第2特図表示結果決定テーブル130Bを選択すればよい。また、現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられる特図表示結果決定用テーブルにおけるテーブルデータを選択すればよい。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」、「小当り」、「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値と比較して、いずれの特図表示結果に割り当てられた決定値と合致するかに応じて、特図表示結果を「大当り」、「小当り」、「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS240)。
ステップS239では現在の遊技状態に対応したテーブルデータが選択されていることから、ステップS240の処理では、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、異なる決定用データを用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが決定される。例えば、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が通常状態または時短状態であるときには、特図表示結果決定テーブルにおいて遊技状態が通常状態または時短状態の場合に対応するテーブルデータが、通常決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。他方、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるときには、特図表示結果決定テーブルにおいて遊技状態が確変状態の場合に対応するテーブルデータが、特別決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。
ステップS240にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。そして、「大当り」であると判定された場合には(ステップS241;Yes)、遊技制御フラグ設定部592に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS243)。このときには、変動特図指定バッファ値に応じて、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかが特定されればよい。CPU104は、大当り種別決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、「非確変」、「第1確変」〜「第3確変」、「突確」の各大当り種別に割り当てられた決定値と比較して、大当り種別を「非確変」、「第1確変」〜「第3確変」、「突確」のいずれとするかを決定する(ステップS244)。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部595に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「第1確変」であれば「1」とし、「第2確変」であれば「2」とし、「第3確変」であれば「3」とし、「突確」であれば「4」とすればよい。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合には(ステップS241;No)、その特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(ステップS246)。そして、「小当り」であると判定されたときには(ステップS246;Yes)、遊技制御フラグ設定部592に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS247)。
ステップS246にて「小当り」ではないと判定された場合や(ステップS246;No)、ステップS245、S247の処理のいずれかを実行した後には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS248)。一例として、ステップS246にて特図表示結果が「小当り」ではないと判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、ステップS246にて特図表示結果が「小当り」であると判定された場合には、特図表示結果を「小当り」とする旨の事前決定結果に対応して、小当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。ステップS241にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS244における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に応じて、15ラウンド非確変大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「第1確変」〜「第3確変」のいずれかとする決定結果に応じて、15ラウンド確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「突確」とする決定結果に応じて、2ラウンド確変大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS248にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS249)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS250)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
また、ステップS250の処理では、客待ちデモ指定コマンドとともに、背景指定コマンドの送信設定が行われてもよい。これにより、電源投入後や大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されない場合でも、その時点における遊技状態に対応した背景画像を演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120に通知することができる。
こうした特別図柄通常処理において、例えばステップS240にて特図表示結果を「大当り」、「小当り」、「ハズレ」のいずれかに決定することなどにより、特別図柄の可変表示結果を特定表示結果となる大当り図柄として遊技状態を大当り遊技状態に制御するか否かや、特別図柄の可変表示結果を所定表示結果となる小当り図柄として遊技状態を小当り遊技状態に制御するか否かを、特図ゲームにおける可変表示結果としての特図表示結果が導出される以前に決定することができる。
図22は、変動パターン設定処理として、図19のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す変動パターン設定処理において、CPU104は、まず、変動パターン種別決定用の乱数値MR3等に基づき変動パターンを決定する(ステップS261)。ステップS261の処理では、特図表示結果に応じて予め複数用意された変動パターン種別決定テーブルのいずれかを使用テーブルとして選択し、乱数値MR3に基づく変動パターン種別の決定が行われてもよい。そして、変動パターン種別の決定結果に基づく変動パターン決定テーブルを使用テーブルとして選択し、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づく変動パターンの決定が行われればよい。ここで、特図表示結果が「ハズレ」の場合に対応した変動パターン種別決定テーブルでは、非リーチ変動パターンが含まれる変動パターン種別と、リーチ変動パターンが含まれる変動パターン種別に対して、乱数値MR3と比較される数値(決定値)が割り当てられ、乱数値MR3に基づいて変動パターン種別を決定することにより、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かが決定されてもよい。
ステップS261にて変動パターンを決定した後には、その変動パターンに対応した特図変動時間を設定する(ステップS262)。ステップS262の処理では、特図変動時間に応じて予め定められたタイマ初期値を、遊技制御タイマ設定部593に設けられた特図変動タイマにセットする。この場合には、図19に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、例えば特図変動タイマの値を1減算するように更新し、その値が「0」になったときに、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達した旨の判定を行うようにすればよい。あるいは、ステップS262の処理では、特図変動タイマをクリアすることによりタイマ初期値として「0」をセットするとともに、特図変動時間に対応する特図変動終了判定値を設定するようにしてもよい。この場合には、図19に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、例えば特図変動タイマの値を1加算するように更新し、その値が特図変動終了判定値に達したときに、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達した旨の判定を行うようにすればよい。
ステップS262の処理を実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の変動を開始するための設定を行う(ステップS263)。ステップS263の処理では、変動特図指定フラグの値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させればよい。一例として、変動特図指定フラグの値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の表示を更新させるための特別図柄表示制御データを、ROM105から読出可能にセットする。これに対して、変動特図指定フラグの値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の表示を更新させるための特別図柄表示制御データを、ROM105から読出可能にセットする。その後、セットされた特別図柄表示制御データに基づき第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bに駆動信号を送信することなどにより、変動特図指定フラグの値に応じて、第1特図あるいは第2特図の変動表示を開始させればよい。
続いて、主基板11から演出制御基板12に対して特図変動開始時の各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS264)。例えば、変動特図指定フラグの値が「1」である場合には、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルを選択して、送信コマンドバッファにセットする。他方、変動特図指定フラグの値が「2」である場合には、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルを選択して、送信コマンドバッファにセットする。なお、これらの演出制御コマンドが送信される順番は、任意に変更可能であり、例えば可変表示結果通知コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンドを送信し、最後に変動パターン指定コマンドが送信されるようにしてもよい。
また、ステップS264の処理では、背景指定コマンドや保留記憶数通知コマンドなどを送信するための設定が行われてもよい。ステップS264の処理にて背景指定コマンドの送信設定を行うことにより、特図ゲームの開始時における遊技状態に対応した背景画像を演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120に通知することができる。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS265)、変動パターン設定処理を終了する。
図23は、特別図柄停止処理として、図19のステップS113にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す特別図柄停止処理において、CPU104は、まず、大当りフラグがオンであるかオフであるかを判定する(ステップS281)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS281;Yes)、大当り開始時演出待ち時間を設定する(ステップS282)。例えば、ステップS282の処理では、大当り開始時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御タイマ設定部593に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。続いて、大当り開始指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS283)。
ステップS283の処理を実行した後には、時短フラグがオンとなっているか否かに対応して時短制御が行われている時短制御中であるか否かを判定する(ステップS284)。そして、時短制御中であれば(ステップS284;Yes)、大当り種別バッファ値を読み出して(ステップS285)、大当り種別が「非確変」、「第1確変」〜「第3確変」、「突確」のいずれであるかを特定する。このときには、特定された大当り種別が「突確」であるか否かを判定する(ステップS286)。
ステップS286にて「突確」の大当り種別であると判定されたときには(ステップS286;Yes)、時短制御の実行中に特図表示結果が「大当り」で「突確」の大当り種別となり2ラウンド大当り状態に制御されることに対応して、遊技制御フラグ設定部592に設けられた時短中突確フラグをオン状態にセットする(ステップS287)。こうして時短中突確フラグをオン状態にセットしておくことにより、時短制御の実行中における「突確大当り」に対応して、2ラウンド大当り状態の終了後に確変制御とともに時短制御が行われる時短付確変状態に移行可能とする。
ステップS284にて時短フラグがオフであるときや(ステップS284;No)、ステップS286にて大当り種別が「突確」ではないとき(ステップS286;No)、あるいは、ステップS287の処理を実行した後には、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS288)。また、特図表示結果が「大当り」となったことに対応して、確変制御や時短制御を終了するための設定を行う(ステップS289)。例えば、ステップS289の処理では、確変フラグや時短フラグをクリアしてオフ状態とする。また、時短回数カウント値が「0」以外の値であれば、時短回数カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化すればよい。その後、特図プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS290)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS281にて大当りフラグがオフであるときには(ステップS281;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS291)。そして、小当りフラグがオンであるときには(ステップS291;Yes)、小当り開始時演出待ち時間を設定する(ステップS292)。例えば、ステップS292の処理では、小当り開始時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。続いて、小当り開始指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS293)。また、小当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS294)。その後、特図プロセスフラグの値を小当り開放前処理に対応した値である“8”に更新する(ステップS295)。
ステップS291にて小当りフラグがオフであるときには(ステップS292;No)、特図プロセスフラグの値を“0”に初期化する(ステップS296)。ステップS295、S296の処理のいずれかを実行した後には、確変制御や時短制御を終了するか否かの判定を行う(ステップS297)。例えば、ステップS297の処理では、時短回数カウント値が「0」であるか否かを判定し、「0」以外の値であれば、時短回数カウント値を1減算するように更新する。そして、更新後の時短回数カウント値が「0」となったときには、時短制御を終了する旨の判定を行うようにすればよい。このとき、時短制御を終了すると判定された場合には、例えば時短フラグをクリアしてオフ状態とすることなどにより、時短制御を終了するための設定を行う。また、時短制御を終了するとともに確変制御を終了させてもよい。あるいは、確変制御が行われている確変制御中は、特図表示結果が「大当り」となるまで、時短制御も継続して行われるようにしてもよい。また、時短制御を終了させるか否かの判定とは別個に、確変制御を終了させるか否かの判定が行われるようにしてもよい。その後、背景指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS298)、特別図柄停止処理を終了する。
図24は、大当り終了処理として、図19のステップS117にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す大当り終了処理において、CPU104は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS311)。一例として、図19に示すステップS116の大当り開放後処理では、特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS311の処理では、例えば遊技制御プロセスタイマ値を1減算することなどにより更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値(例えば「0」など)と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS311にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS311;No)、そのまま大当り終了処理を終了する。
ステップS311にて大当り終了時演出待ち時間が経過したときには(ステップS311;Yes)、大当り種別バッファ値を読み出して(ステップS312)、大当り種別が「非確変」、「第1確変」〜「第3確変」、「突確」のいずれであったかを特定する。このときには、特定された大当り種別が「突確」であるか否かを判定する(ステップS313)。
ステップS313にて大当り種別が「突確」と判定された場合には(ステップS313;Yes)、時短中突確フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS314)。時短中突確フラグがオンであるときには(ステップS314;Yes)、時短中突確フラグをクリアしてオフ状態に初期化してから(ステップS315)、ステップS316の処理に進む。これに対して、ステップS314にて時短中突確フラグがオフであるときには(ステップS314;No)、ステップS317の処理に進む。
ステップS313にて大当り種別が「突確」ではないと判定された場合や(ステップS313;No)、ステップS315の処理を実行した後には、時短制御を開始するための設定を行う(ステップS316)。例えば、CPU104は、時短フラグをオン状態にセットするとともに、時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(例えば「100」)を、時短回数カウンタに設定する。
ステップS314にて時短中突確フラグがオフと判定された場合や(ステップS314;No)、ステップS316の処理を実行した後には、ステップS312の処理により特定された大当り種別が「非確変」であるか否かを判定する(ステップS317)。大当り種別が「非確変」ではないと判定された場合には(ステップS317;No)、確変制御を開始するための設定を行う(ステップS318)。例えば、CPU104は、確変フラグをオン状態にセットする。
ステップS317にて大当り種別が「非確変」と判定された場合や(ステップS317;Yes)、ステップS318の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“0”に初期化してから(ステップS319)、大当り終了処理を終了する。
図25は、情報出力処理として、図18のステップS28にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図25に示す情報出力処理において、CPU104は、まず、投入時状態信号出力中フラグがオンであるかを確認する(ステップS131)。投入時状態信号出力中フラグは、投入時状態信号の外部出力を開始することに対応して、後述するステップS133でオン状態に設定される。投入時状態信号出力中フラグがオフであれば(ステップS131;No)、投入時状態信号の出力指定があるか否かを判定する(ステップS132)。この実施の形態では、パチンコ遊技機1の電源投入時に初期化処理が実行されていないことに加えてRAM106の所定領域に確変状態であることを示すデータが記憶されている場合には、投入時状態信号の出力指定が行われる(図17のステップS93参照)。
投入時状態信号の出力指定があるときには(ステップS132;Yes)、例えば遊技制御フラグ設定部592といったRAM106の所定領域に設けられた投入時状態信号出力中フラグをオン状態にセットする(ステップS133)。なお、確変フラグとは別個に設けられた投入時状態信号出力指定フラグにより投入時状態信号の出力指定が行われる場合には、ステップS133の処理により投入時状態信号出力中フラグをセットするときに、投入時状態信号出力指定フラグをクリアしてオフ状態とすることにより、投入時状態信号の出力指定を初期化(消去)すればよい。これに対して、確変フラグの状態をそのまま保持することにより投入時状態信号の出力指定が行われる場合には、ステップS133の処理が実行されても確変フラグの状態は変更せず、例えば改めてクリアスイッチ501を押下操作しながらパチンコ遊技機1の電源を再投入することや、大当り遊技状態が開始されることなどにより、確変制御が終了するときに、確変フラグをクリアしてオフ状態とし、投入時状態信号の出力指定も初期化(消去)されることになればよい。
また、ステップS131にて投入時状態信号出力中フラグがオンであるときには(ステップS131;Yes)、投入時状態信号の出力停止条件が成立したか否かを判定する(ステップS134)。投入時状態信号の出力停止条件は、例えばパチンコ遊技機1の電源投入後に最初の大当り遊技状態に制御されたときに、成立すればよい。あるいは、パチンコ遊技機1の電源投入後に最初に第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過した遊技球が第1または第2始動口スイッチ22A、22Bのいずれかにより検出されたときや、パチンコ遊技機1の電源投入後に最初の確変状態に制御されたとき、パチンコ遊技機1の電源投入後に実行された可変表示の回数が所定回数に達したとき、パチンコ遊技機1の電源投入時からの経過時間が所定時間に達したとき、電源投入後に遊技領域へと発射された遊技球の個数が所定数に達したとき、電源投入後にクリアスイッチ501の操作が検出されたときのいずれかといった、予め定められた任意のタイミングにて、投入時状態信号の出力停止条件が成立してもよい。
ステップS133にて投入時状態信号出力中フラグをオン状態にセットしたときや、ステップS134にて投入時状態信号の出力停止条件が成立していないと判定したときには(ステップS134;No)、情報バッファの投入時状態信号出力ビット位置(図11に示す例では出力ポート0のビット3)をセットする(ステップS135)。情報バッファの投入時状態信号出力ビット位置がセットされると、その後のステップS147で情報バッファのビット値を出力ポート0に出力することによって、投入時状態信号が出力ポート0から出力される(オン状態となる)。
ステップS134にて投入時状態信号の出力停止条件が成立したと判定されたときには(ステップS134;Yes)、投入時状態信号出力中フラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS136)。なお、ステップS132で投入時状態信号の出力指定がない場合や(ステップS132;No)、ステップS134で投入時状態信号の出力停止条件が成立した場合には(ステップS134;Yes)、ステップS135の処理が実行されない結果、投入時状態信号はオフ状態となる。
投入時状態信号の出力指定は、パチンコ遊技機1の電源投入時に行われることがあるだけで(図17のステップS93参照)、その後に出力指定がなされることはない。したがって、パチンコ遊技機1の電源投入後に遊技の進行などが開始されてからは、たとえ特別遊技状態(確変状態など)を示すデータが記憶された場合であっても、投入時状態信号が外部出力されることはないように制限される。また、電源投入時の出力指定に基づいて投入時状態信号の外部出力を開始した後、出力停止条件の成立により投入時状態信号の外部出力を停止した以後は、たとえ特別遊技状態(確変状態など)を示すデータが記憶された場合であっても、投入時状態信号が外部出力されることはないように制限される。
ステップS132にて投入時状態信号の出力指定がない場合や(ステップS132;No)、ステップS135、S136の処理のいずれかを実行した後には、例えば遊技制御カウンタ設定部594といったRAM106の所定領域に記憶された払出条件判定カウント値が、予め定められた条件成立判定値(例えば「10」)に達したか否かを判定する(ステップS137)。払出条件判定カウント値は、入賞球の検出結果に基づいて加算更新される(図27のステップS153参照)。
ステップS137にて払出条件判定カウント値が条件成立判定値に達している場合には(ステップS137;Yes)、払出条件判定カウント値について、所定数(例えば「10」)が減算されるように更新する(ステップS138)。また、条件成立信号出力残回数を1加算するように更新する(ステップS139)。ステップS139の処理では、例えば遊技制御バッファ設定部595といったRAM106の所定領域に記憶された条件成立信号出力残回数バッファ値を1加算(インクリメント)すればよい。
ステップS137にて払出条件判定カウント値が条件成立判定値に達していない場合や(ステップS137;No)、ステップS139の処理を実行した後には、条件成立信号出力タイマ値が「0」であるか否かを判定する(ステップS140)。条件成立信号出力タイマ値は、例えば遊技制御タイマ設定部593といったRAM106の所定領域に記憶され、後述するステップS144の処理により所定の初期値が設定される。条件成立信号出力タイマ値が「0」ではない場合には(ステップS140;No)、そのタイマ値を1減算するように更新する(ステップS141)。
ステップS140にて条件成立信号出力タイマ値が「0」である場合には(ステップS140;Yes)、条件成立信号出力残回数が「0」であるか否かを判定する(ステップS142)。条件成立信号出力残回数が「0」以外であれば(ステップS142;No)、その値を1減算するように更新する(ステップS143)。そして、払出条件成立信号の出力時間(例えば1秒)に対応して予め定められたタイマ初期値を、条件成立信号出力タイマに設定する(ステップS144)。
ステップS141、S144の処理のいずれかを実行した後には、情報バッファの払出条件成立信号出力ビット位置(図11に示す例では出力ポート0のビット4)をセットする(ステップS145)。情報バッファの払出条件成立信号出力ビット位置がセットされると、その後のステップS147で情報バッファのビット値を出力ポート0に出力することによって、払出条件成立信号が出力ポート0から出力される(オン状態となる)。
ステップS141にて条件成立信号出力タイマ値を1減算したときに、そのタイマ値が「0」になれば、次のタイマ割込処理が実行されることでステップS142の処理が実行され、条件成立信号出力残回数が「0」以外であれば、続けて払出条件成立信号の外部出力が行われることになる。すなわち、所定個数(例えば10個)の遊技球を景品として賞球払出を行うための払出条件が連続して成立したときには、払出条件成立信号の外部出力時間が延長されることになる。したがって、例えばホールコンピュータなどの外部装置では、払出条件成立信号がオン状態となっている時間長から、払出条件が連続して成立した回数を特定することができる。
なお、払出条件が連続して成立した場合に払出条件成立信号の外部出力時間を延長するものに限定されず、所定の信号出力待機時間が経過するまで、払出条件成立信号を一旦オフ状態とするようにしてもよい。この場合には、例えばステップS141における減算後のタイマ値が「0」になったときに、信号出力待機時間を設定し、その時間が経過するまでは、ステップS140にてタイマ値が「0」であると判定されても、ステップS142の処理を実行せずにステップS146の処理に進むようにすればよい。
ステップS142にて条件成立信号出力残回数が「0」である場合や(ステップS142;Yes)、ステップS145の処理を実行した後には、その他の情報出力信号について出力条件の成否に基づいて、情報バッファにおける信号出力ビット位置の設定を行う(ステップS146)。そして、情報バッファの各ビット値に応じた情報出力信号の出力制御を行ってから(ステップS147)、情報出力処理を終了する。
図26は、投入時状態信号の出力タイミングを示す説明図である。この実行の形態では、パチンコ遊技機1への電力供給開始時に、図26(A)に示すように電源電圧が所定電圧に達して遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動された後、初期化処理が実行されずに電断復旧時の設定が行われた場合に(図17のステップS91参照)、例えばRAM106の所定領域に記憶された確変フラグがオンであることなどにより、特別遊技状態を示すデータが記憶されていることに基づいて、投入時状態信号の出力指定がなされる(図17のステップS93参照)。情報出力処理では、ステップS131〜S136、S147の処理が実行されて、図26(B)に示すように、ホールコンピュータなどの外部装置に対して投入時状態信号が出力される。このように、パチンコ遊技機1への電源投入時に、クリアスイッチ501からのクリア信号が入力されておらず(図17のステップS7;No)、初期化処理が実行されていないことに加えてRAM106の所定領域に特別遊技状態を示すデータが記憶されていることに基づいて(図17のステップS92;Yes)、投入時状態信号が外部出力される。
こうして投入時状態信号の外部出力が開始された後には、所定の出力停止条件が成立するまで、投入時状態信号の外部出力が継続して行われる。例えば、パチンコ遊技機1の電源投入後に最初の大当り遊技状態に制御されるまで、あるいは、パチンコ遊技機1の電源投入後に最初の確変状態に制御されるまで、パチンコ遊技機1の電源投入後に実行された可変表示の回数が所定回数に達するまで、パチンコ遊技機1の電源投入時からの経過時間が所定時間に達するまで、電源投入後に遊技領域へと発射された遊技球の個数が所定数に達するまで、電源投入後にクリアスイッチ501の操作が検出されるまでといった、所定の出力停止条件が成立するまで、投入時状態信号を継続して外部出力することができる。
図27は、賞球処理として、図18のステップS29にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図27に示す賞球処理において、CPU103は、まず、第1及び第2始動口スイッチ22A、22Bや、カウントスイッチ23、一般入賞口スイッチ24などからの検出信号に基づいて、入賞球の検出があったか否かを判定する(ステップS151)。ステップS151の処理では、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値いずれかがスイッチオン判定値に達していれば、そのスイッチに対応した入賞口を通過(進入)した遊技球が入賞球として検出されたと判定すればよい。
ステップS151にて入賞球の検出があった場合には(ステップS151;Yes)、入賞球の検出結果を記憶する(ステップS152)。ステップS152の処理では、例えば遊技制御カウンタ設定部594といったRAM106の所定領域に設けられた賞球コマンド出力カウンタの値を1加算するように更新すればよい。賞球コマンド出力カウンタは、各入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口、大入賞口、一般入賞口)に対応して予め複数設けられ、入賞球が検出された入賞口に対応したカウント値が1加算されるようにすればよい。その後、入賞球の検出結果に応じて、払出条件判定カウント値の加算更新を行う(ステップS153)。ステップS153の処理では、いずれかの入賞口への新たな入賞球を検出したことに基づく賞球個数を、払出条件判定カウント値に加算するように更新する。
ステップS151にて入賞球の検出がない場合や(ステップS151;No)、ステップS153の処理を実行した後には、賞球個数コマンドの送信が制限されている送信制限中であるか否かを判定する(ステップS154)。一例として、主基板11から払出制御基板15に対して賞球個数コマンドを送信した後、所定時間(例えば10秒間)が経過する前に払出制御基板15から伝送される賞球個数受付コマンドと賞球終了コマンドを受信するまでは、次の賞球個数コマンドについて送信が制限される送信制限中となり、賞球個数コマンドの送信待機状態となればよい。その一方で、所定時間が経過する以前でも、賞球個数コマンドを送信した後に賞球個数受付コマンドと賞球終了コマンドを受信したときには、送信待機状態となっている賞球個数コマンドについての送信制限が解除されるようにすればよい。
ステップS154にて賞球個数コマンドの送信制限中ではない場合には(ステップS154;No)、入賞球の検出記憶があるか否かを判定する(ステップS155)。入賞球の検出記憶があれば(ステップS155;Yes)、入賞口に対応した賞球個数コマンドを主基板11から払出制御基板15に対して送信するための制御を行う(ステップS156)。ステップS156の処理では、例えば複数の賞球個数コマンド出力カウンタのうちで、そのカウント値が「0」でないものに対応する賞球個数が、賞球個数コマンドにより指定されるようにセットすればよい。また、シリアル通信回路108の送信データレジスタに、賞球個数を指定する賞球個数コマンドの出力データが設定されればよい。
ステップS156の処理を実行した後には、賞球個数コマンド送信制限時間(例えば10秒)を設定する(ステップS157)。ステップS157にて設定された賞球個数コマンド送信制限時間に基づいて、賞球個数コマンドを送信した後、10秒以内に賞球個数受付コマンドや賞球準備中コマンドを受信したか否かが確認される。賞球個数受付コマンドや賞球準備中コマンドを受信することなく10秒が経過すると、接続確認コマンドの送信が行われるようにすればよい。なお、賞球個数コマンド送信制限時間が経過するより前に、賞球個数受付コマンドに続いて賞球終了コマンドを受信したときには、賞球個数コマンド送信制限時間の設定がクリアされて、賞球個数コマンドの送信制限を解除できればよい。
ステップS157の処理に続いて、ステップS156の処理により送信された賞球個数コマンドで指定した賞球個数を、賞球個数カウンタの格納値である賞球個数カウント値に加算するように更新する(ステップS158)。賞球個数カウンタは、遊技制御用マイクロコンピュータ100の側で未払出の賞球数を把握するために用いられるカウンタであり、賞球個数コマンドを送信するときに指定される賞球個数が加算され、所定個数(例えば10個)の賞球払出が検出されるごとに払出制御用マイクロコンピュータ150から伝送される払出検出信号に基づいて減算更新される。
ステップS154にて賞球個数コマンドの送信制限中である場合や(ステップS154;Yes)、ステップS155にて入賞球の検出記憶がない場合(ステップS155;No)、あるいはステップS158の処理を実行した後には、所定の賞球エラーが発生したか否かを判定する(ステップS159)。ステップS156の処理では、例えばシリアル通信回路108のステータスレジスタを確認して、いずれかのエラービットがセットされている場合に、賞球エラーが発生したと判定してもよい。さらに、払出制御用マイクロコンピュータ150から伝送された賞球準備中コマンドを受信したときに、賞球エラーが発生したと判定してもよい。
ステップS159にて賞球エラーが発生していないと判定した場合には(ステップS159;No)、払出制御用マイクロコンピュータ150から伝送される払出検出信号の正常な入力があったか否かを判定する(ステップS160)。ステップS160の処理では、図12に示す入力ポート1のビット7を入力し、払出検出信号がオン状態であるか否かを確認する。払出検出信号がオン状態であるときには、その信号入力を8回確認したうちの6回以上がオン状態である場合に、払出検出信号の正常な入力があったと判定すればよい。払出検出信号の正常な入力があった場合には(ステップS160;Yes)、賞球個数カウント値の減算更新を行う(ステップS161)。ステップS161の処理では、賞球個数カウント値から所定数(例えば「10」)を減算するように更新が行われればよい。
ステップS160にて払出検出信号の正常入力がない場合や(ステップS160;No)、ステップS161の処理を実行した後には、賞球個数のカウントエラーが発生したか否かを判定する(ステップS162)。ステップS162の処理では、賞球個数カウント値が所定の賞球不足判定値(例えば「501」)以上であるときや、賞球過剰判定値(例えば「0」)未満であるときに、賞球不足や賞球過剰といった賞球エラーが発生したと判定すればよい。賞球個数カウンタには、例えば遊技制御メイン処理の初期設定処理にて、初期値として「250」がセットされればよい。そして、賞球個数カウント値が「501」以上である場合には、未払出の賞球個数が異常に増大した状態となり、賞球不足と判断される。また、賞球個数カウント値が「0」未満である場合には、払出済みの賞球個数が異常に増大した状態となり、賞球過剰と判断される。
ステップS159にて賞球エラーが発生したと判定された場合や(ステップS159;Yes)、ステップS162にて賞球個数のカウントエラーが発生したと判定された場合には(ステップS162;Yes)、払出エラー発生時の設定を行ってから(ステップS163)、賞球処理を終了する。ステップS163の処理では、例えば払出エラーフラグをセットするとともに、払出エラーコマンドを主基板11から演出制御基板12に送信して、所定の演出装置を用いて払出エラーの発生を報知させるようにしてもよい。
こうして、ステップS156の送信制御により賞球個数コマンドを送信したときには、ステップS157にて賞球個数コマンド送信制限時間が設定されるが、その制限時間が経過するより前でも、払出制御用マイクロコンピュータ150から伝送される賞球個数受付コマンドと賞球終了コマンドを受信したときには、賞球個数コマンド送信制限時間の設定がクリアされ、送信待機状態となっている次の賞球個数コマンドについての送信制限が解除される。したがって、賞球個数の記憶が累積されている場合には直ちに次の賞球個数コマンドを送信することができる。
なお、賞球個数コマンドを送信した後、所定時間が経過するまでは、常に次の賞球個数コマンドについて送信制限中となり、所定時間が経過してから、累積されている賞球個数の記憶に対応した次の賞球個数コマンドが送信可能となるようにしてもよい。
図28は、試験端子処理として、図18のステップS30にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図28に示す試験端子処理において、CPU104は、特図プロセスフラグの値が“4”未満であるか否かを判定する(ステップS171)。図19に示す特別図柄プロセス処理において、特図プロセスフラグの値が“4”未満であるときには、パチンコ遊技機1における遊技状態が大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されていないときの処理に対応している。したがって、特図プロセスフラグの値が“4”以上であれば、遊技状態が大当り遊技状態または小当り遊技状態となっており、特別可変入賞球装置7が備える大入賞口扉により大入賞口が開放状態(第1状態)と閉鎖状態(第2状態)とに変化する期間であることを特定できる。
ステップS171にて特図プロセスフラグの値が“4”未満である場合には(ステップS171;Yes)、所定の時短チェック処理を実行することにより、時短制御中であるか否かを判定する(ステップS172)。時短チェック処理では、時短制御が行われる期間に対応してオン状態となる時短フラグがセットされているか否かを確認すればよい。
ステップS171にて特図プロセスフラグの値が“4”以上である場合や(ステップS171;No)、ステップS172にて時短制御中である場合には(ステップS172;Yes)、情報バッファの発射位置指定信号出力ビット位置(図11に示す例では出力ポート2のビット6)をセットする(ステップS173)。
ステップS172にて時短制御中ではない場合や(ステップS172;No)、ステップS173の処理を実行した後には、その他の試験端子出力信号について出力条件の成否に基づいて、情報バッファにおける信号出力ビット位置の設定を行う(ステップS174)。そして、情報バッファの各ビット値に応じた試験端子出力信号の出力制御を行ってから(ステップS175)、試験端子処理を終了する。
ステップS173の処理を実行した後にステップS175の処理を実行することにより、大当り遊技状態や小当り遊技状態にて大入賞口が開放状態となることに対応して、また、時短制御とともに高開放制御が行われることにより第2始動入賞口が開放状態となりやすいことに対応して、遊技球を第2遊技領域である右遊技領域2Bに発射すべきことを示す発射位置指定信号を外部出力することができる。なお、実際にパチンコ遊技機1の外部へと発射位置指定信号が出力されるのは、主基板11に試験装置を接続するなどして取り付けたときに限定され、試験装置が取り外された通常使用時には、発射位置指定信号が外部出力されないようにしてもよい。ただし、ステップS173、S175の処理は、発射位置指定信号を外部出力するための処理として、通常使用時においても実行されるようにすればよい。
次に、払出制御基板15における動作を説明する。払出制御基板15では、電源基板10から電源電圧の供給を受けると、払出制御用マイクロコンピュータ150が起動して、CPU214によって図29のフローチャートに示すような払出制御メイン処理が実行される。
図29に示す払出制御メイン処理において、CPU214は、まず、必要な初期設定を行う。すなわち、割込禁止に設定してから(ステップS401)、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS402)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS403)。また、内蔵デバイスレジスタの設定を行う(ステップS404)。ステップS404の処理では、例えばタイマ回路217における1つのチャネルをタイマモードで使用するためのレジスタ設定や、割込発生を許可するためのレジスタ設定、割込ベクタを指定するためのレジスタ設定などを行い、タイマ割込の発生間隔(例えば1ミリ秒)に対応したレジスタ初期値が設定されればよい。
ステップS404の処理に続いて、RAM216をアクセス可能状態に設定し(ステップS405)、RAM216のクリア処理を行う(ステップS406)。このときには、RAM216の所定領域あるいはRAM216とは別個のレジスタなどに設けられた信号出力タイマをクリアして初期化する(ステップS407)。一例として、RAM216の所定領域に設けられた検出信号出力タイマをクリアして、そのタイマ値を「0」に初期化する。検出信号出力タイマは、所定個数(例えば10個)の賞球払出が検出されたことを示す払出検出信号の出力時間を計測するために用いられる。パチンコ遊技機1における電源投入時に検出信号出力タイマをクリアすることにより、電源遮断の直前に出力中であった払出検出信号が、電源再投入後は継続して外部出力されないようにして、所定個数の賞球払出が1回検出されたことに基づく払出検出信号が、電源遮断の前後に分かれて2回分外部出力されてしまうことを防止できる。
ステップS406の処理に続いて、RAM216における作業領域のフラグやカウンタなどに初期値を設定する(ステップS408)。また、シリアル通信回路218を初期設定する(ステップS409)。この場合、CPU214は、シリアル通信回路設定プログラムに従ってROM215の所定領域に格納されているデータをシリアル通信回路218に設定することによって、シリアル通信回路218に遊技制御用マイクロコンピュータ100とシリアル通信させるための設定を行う。そして、割込を許可してから(ステップS408)、タイマ割込の発生を監視するループ処理に入る。
こうして割込が許可された後、払出制御用マイクロコンピュータ150にてタイマ割込が発生すると、CPU214は、所定のタイマ割込処理を実行する。図30は、CPU214が実行する払出制御用タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。
図30に示す払出制御用タイマ割込処理において、CPU214は、まず、スイッチチェック処理を実行する(ステップS421)。スイッチチェック処理では、入力ポート1の入力に基づいて、払出カウントスイッチ72およびエラー解除スイッチ73の状態(オン/オフ)を確認する。続いて、入力判定処理を実行する(ステップS422)。入力判定処理では、入力ポート0の状態(オン/オフ)を検出し、検出結果をRAM216の所定領域に設けられたセンサ入力状態フラグに反映させる。
入力判定処理を実行した後には、プリペイドカードユニット制御処理を実行する(ステップS423)。プリペイドカードユニット制御処理は、所定のカードユニットとの間で通信を行うための処理である。また、CPU214は、主制御通信処理を実行する(ステップS424)。主制御通信処理は、主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100との間で通信を行うための処理である。主制御通信処理に続いて、払出制御処理を実行する(ステップS425)。払出制御処理では、所定のカードユニットによる球貸し要求に応じて貸し球を払い出す制御や、主基板11からの賞球個数コマンドで指定された個数の賞球を払い出す制御が行われる。
払出制御処理を実行した後には、払出モータ制御処理を実行する(ステップS426)。払出モータ制御処理は、払出モータ51を作動させる駆動信号を出力するための処理である。また、払出側エラー処理を実行する(ステップS427)。そして、プリペイドカードユニットエラー制御処理を実行する(ステップS428)。プリペイドカードユニットエラー制御処理に続いて、払出情報出力処理を実行する(ステップS429)。払出情報出力処理では、主基板11を介して払出検出信号を外部出力するための処理や、遊技機エラー状態信号を外部出力するための処理が実行される。
払出情報出力処理を実行した後には、払出表示制御処理を実行する(ステップS430)。払出表示制御処理は、払出制御基板15におけるエラー状態に応じてエラー表示用LED74の表示動作を制御する処理である。その後、払出側出力処理を実行する(ステップS431)。払出側出力処理では、RAM216の所定領域に設けられた情報バッファのビット値に応じて、外部バスインタフェース219における出力ポートの設定が行われる。
図31は、主制御通信処理として、図30のステップS424にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図31に示す主制御通信処理において、CPU214は、まず、接続エラーが発生したか否かを判定する(ステップS501)。ステップS501の処理では、例えば主基板11から出力される接続信号が入力されているか否かを確認すればよい。
ステップS501にて接続エラーが発生していない場合には(ステップS501;No)、シリアル通信エラーが発生したか否かを判定する(ステップS502)。ステップS502の処理では、例えばシリアル通信回路218のステータスレジスタにて受信エラーフラグがセットされているか否かを確認すればよい。例えば、シリアル通信回路218のステータスレジスタにてパリティエラーや、フレーミングエラー、ノイズエラー、オーバーランエラー、アイドルラインエラーを示すフラグがセットされていれば、シリアル通信回路218の受信エラー状態であると判定する。
ステップS501にて接続エラーが発生した場合や(ステップS501;Yes)、ステップS502にてシリアル通信エラーが発生した場合には(ステップS502;Yes)、主基板11との通信エラー時における設定を行ってから(ステップS503)、主制御通信処理を終了する。ステップS503の処理では、例えばシリアル通信回路218における受信回路を初期化するとともに、所定のエラーフラグをオン状態にセットする。
ステップS502にてシリアル通信エラーが発生していない場合には(ステップS502;No)、受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS504)。ステップS504の処理では、例えばシリアル通信回路218の受信データバッファを読み出し、受信コマンドの有無を確認する。受信コマンドがない場合には(ステップS504;No)、主制御通信処理を終了する。受信コマンドがある場合には(ステップS504;Yes)、その受信コマンドをシリアル通信回路218から取得して、例えばRAM216の所定領域に設けられた払出側受信バッファに格納する(ステップS505)。
ステップS505の処理に続いて、接続確認フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS506)。接続確認フラグは、主基板11から伝送される接続確認コマンドの受信に応じて、後述するステップS509の処理によりオン状態にセットされる。接続確認フラグがオフであるときには(ステップS506;No)、接続確認コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS507)。このとき、接続確認コマンドの受信がなければ(ステップS507;No)、主制御通信処理を終了する。
ステップS507にて接続確認コマンドの受信があった場合には(ステップS507;Yes)、払出制御基板15から主基板11に対して接続OKコマンドを送信するための制御を行う(ステップS508)。そして、接続確認フラグをオン状態にセットする(ステップS509)。また、予め定められた主制御通信制御時間(例えば1050ミリ秒)を設定する(ステップS510)。主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100は、払出制御用マイクロコンピュータ150から伝送された接続OKコマンドを受信すると、1秒が経過するごとに接続確認コマンドを送信する。払出制御用マイクロコンピュータ150では、主制御通信制御時間が経過しても次の接続確認コマンドを受信できない場合には、賞球個数コマンド等の受信を無効化し、通信状態の回復を待つように制御する。
ステップS506にて接続確認フラグがオンである場合には(ステップS506;Yes)、主制御通信制御時間が経過したか否かを判定する(ステップS511)。主制御通信制御時間が経過したときには(ステップS511;Yes)、接続確認フラグをクリアしてオフ状態としてから(ステップS512)、主制御通信処理を終了する。主制御通信制御時間が経過していない場合には(ステップS511;No)、賞球個数コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS513)。賞球個数コマンドの受信がなければ(ステップS513;No)、主制御通信処理を終了する。
ステップS513にて賞球個数コマンドの受信があった場合には(ステップS514;Yes)、賞球の払出制御を開始するための設定を行う(ステップS514)。ステップS514の処理では、例えば賞球個数コマンドで指定された賞球個数を未払出個数カウンタにセットする。未払出個数カウンタは、賞球や貸し球の未払出数をカウントするためのカウンタである。また、賞球個数コマンドの受信に応答して、賞球個数受付コマンドを主基板11に対して送信するための制御を行う。なお、賞球個数受付コマンドを送信した後、1秒が経過しても賞球払出動作が完了しなければ賞球準備中コマンドが送信される。
図32は、払出情報出力処理として、図30のステップS429にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図32に示す払出情報出力処理において、CPU214は、まず、球貸し払出動作中であるか否かを判定する(ステップS521)。ステップS521の処理では、例えばRAM216の所定領域に設けられた払出制御状態フラグの球貸し払出動作中指定ビットがセットされているか否かを確認することにより、球貸し払出動作中であるか否かを判定すればよい。球貸し払出動作中であるときには(ステップS521;Yes)、払出情報出力処理を終了する。
ステップS521にて球貸し払出動作中ではない場合には(ステップS521;No)、払出カウントスイッチ72からの検出信号がオン状態であるか否かをを判定する(ステップS522)。払出カウントスイッチ72がオンしたときには(ステップS522;Yes)、賞球払出個数を1加算する(ステップS523)。ステップS523の処理では、例えばRAM216の所定領域に設けられた賞球払出個数カウンタの格納値である賞球払出個数カウント値を1加算するように更新すればよい。
ステップS523の処理に続いて、賞球払出個数が予め定められた払出検出判定値(例えば「10」)に達したか否かを判定する(ステップS524)。賞球払出個数が払出検出判定値に達した場合には(ステップS524;Yes)、賞球払出個数について、所定数(例えば「10」)が減算されるように更新する(ステップS525)。また、検出信号出力残回数を1加算するように更新する(ステップS526)。ステップS526の処理では、例えばRAM216の所定領域に記憶された検出信号出力残回数バッファ値を1加算(インクリメント)すればよい。
ステップS522にて払出カウントスイッチ72がオフである場合や(ステップS522;No)、ステップS524にて賞球払出個数が払出検出判定値に達していない場合(ステップS524;No)、あるいはステップS526の処理を実行した後には、検出信号出力タイマ値が「0」であるか否かを判定する(ステップS527)。検出信号出力タイマ値は、例えばRAM216の所定領域に記憶され、後述するステップS531の処理により初期値が設定される。検出信号出力タイマ値が「0」ではない場合には(ステップS527;No)、そのタイマ値を1減算するように更新する(ステップS528)。
ステップS527にて検出信号出力タイマ値が「0」である場合には(ステップS527;Yes)、検出信号出力残回数が「0」であるか否かを判定する(ステップS529)。検出信号出力残回数が「0」であれば(ステップS529;Yes)、払出情報出力処理を終了する。検出信号出力残回数が「0」以外であれば(ステップS529;No)、その値を1減算するように更新する(ステップS530)。そして、払出検出信号の出力時間(例えば1秒)に対応して予め定められたタイマ初期値を、検出信号出力タイマに設定する(ステップS531)。
ステップS528、S531の処理のいずれかを実行した後には、例えば情報バッファの払出検出信号出力ビット位置(図14に示す例では出力ポート1のビット7)をセットするといった、払出検出信号の出力制御を行う(ステップS532)。こうして、払出検出信号が出力ポート1から出力される(オン状態となる)。
ステップS528にて検出信号出力タイマ値を1減算したときに、そのタイマ値が「0」になれば、次のタイマ割込処理が実行されることでステップS529の処理が実行され、検出信号出力残回数が「0」以外であれば、続けて払出検出信号の外部出力が行われることになる。すなわち、所定個数(例えば10個)の遊技球を景品とする賞球払出が連続して検出されたときには、払出検出信号の外部出力時間が延長されることになる。したがって、例えばホールコンピュータなどの外部装置では、払出検出信号がオン状態となっている時間長から、所定個数の賞球払出が連続して検出された回数を特定することができる。
なお、所定個数の賞球払出が連続して検出された場合に払出検出信号の外部出力時間を延長するものに限定されず、所定の信号出力待機時間が経過するまで、払出検出信号を一旦オフ状態とするようにしてもよい。この場合には、例えばステップS528における減算後のタイマ値が「0」になったときに、信号出力待機時間を設定し、その時間が経過するまでは、ステップS527にてタイマ値が「0」であると判定されても、ステップS529の処理を実行せずに払出情報出力処理を終了すればよい。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板10から電源電圧の供給を受けると、演出制御用マイクロコンピュータ120が起動して、CPU120Aによって図33のフローチャートに示すような演出制御メイン処理が実行される。
図33に示す演出制御メイン処理を開始すると、CPU120Aは、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、演出制御用RAMのクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えば演出制御用RAMの所定領域に設けられ、CTCのレジスタ設定に基づき所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御側受信バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる演出用乱数として、所定のランダムカウンタによってカウントされる乱数値を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
図34は、演出制御プロセス処理として、図33のステップS75にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この演出制御プロセス処理において、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU120Aは、例えば演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS180〜S187の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS180の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS181の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
ステップS182の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、CPU120Aは、所定の演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、演出用模型制御データといった演出制御実行データを読み出す。このとき読み出された演出制御実行データに従って、例えばVDP121へと伝送する表示制御信号の決定や、音声制御基板13やランプ制御基板14へと伝送する各種指令の決定などが行われる。これらの決定結果に基づく各種信号の出力により、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった各種の演出装置を用いて、特図ゲームの実行中における各種の演出制御が行われる。そして、演出制御パターンから終了コードが読み出されると、所定の表示制御信号をVDP121に対して送信することなどにより、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄を表示させたり、特図ゲームの終了に対応した演出画像を表示させたりする。
ステップS183の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、CPU120Aは、主基板11から送信された大当り開始指定コマンドや小当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。大当り開始指定コマンドを受信したきには、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、小当り開始指定コマンドを受信したときには、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り開始指定コマンドや小当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。また、特図当り待ち処理では、連荘大当りの回数をカウントする処理が行われるとともに、演出画像を表示することによって遊技者に遊技球を右遊技領域2Bに発射すべきことを報知する処理と、大当り遊技状態時に出力する楽曲を選曲表示する処理が行われる。
ステップS184の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、CPU120Aは、所定の演出制御パターンから読み出された演出制御実行データに基づいて、VDP121、音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対する各種指令の出力制御を行う。これにより、各種の演出装置を用いて小当り遊技状態における各種の演出制御が行われる。また、小当り中演出処理では、主基板11からの小当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出処理に対応した値である“5”に更新する。
ステップS185の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、CPU120Aは、所定の演出制御パターンから読み出された演出制御実行データに基づいて、VDP121、音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対する各種信号の出力制御を行う。これにより、各種の演出装置を用いて小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御が行われる。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS186の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、CPU120Aは、所定の演出制御パターンから読み出された演出制御実行データに基づいて、VDP121、音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対する各種信号の出力制御を行う。これにより、各種の演出装置を用いて大当り遊技状態における各種の演出制御を行う。そして、主基板11からの大当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
ステップS187のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、CPU120Aは、所定の演出制御パターンから読み出された演出制御実行データに基づいて、VDP121、音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対する各種信号の出力制御を行う。これにより、各種の演出装置を用いて大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御が行われる。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図35は、特図当り待ち処理として、図34のステップS183にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図35に示す特図当り待ち処理において、CPU120Aは、まず、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS601)。当り開始指定コマンド受信待ち時間は、図34に示すステップS182の可変表示中演出処理にて、飾り図柄停止コマンドを受信したことなどに応じて予め定められた一定時間が設定される。
ステップS601にて当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過していない場合には(ステップS601;No)、主基板11から伝送される大当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS602)。大当り開始指定コマンドの受信があれば(ステップS602;Yes)、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する(ステップS603)。このときには、大当り開始指定コマンドにより大当り種別として「突確」が指定されたか否かを判定する(ステップS604)。
ステップS604にて大当り種別として「突確」以外が指定された場合には(ステップS604;No)、連荘カウント値をインクリメントする(ステップS605)。連荘カウント値は、初期値を「0」する値で、演出制御用RAMの所定領域に記憶されていればよく、大当りの連続回数をカウントするものである。続いて連荘カウント値が「2」以上であるか判定する(ステップS606)。連荘カウント値が「2」以上である場合(ステップS606;Yes)、大当り中演出として出力可能な楽曲を追加する(選択可能な楽曲を追加する)楽曲追加処理を実行する(ステップS607)。
図36は、楽曲追加処理として、図35のステップS607にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この楽曲追加処理において、CPU120Aは、連荘カウント値が「2」であるか否かを判定する(ステップS631)。連荘カウント値が「2」でないと判定した場合(ステップS631;No)、追加した楽曲の一覧(遊技者が選択可能な楽曲と選択不可能な楽曲の一覧)を示す追加楽曲記憶一覧を参照する(ステップS632)。追加楽曲記憶一覧は、演出制御用RAMの所定領域に記憶されており、後述するステップS635の処理が実行される度に更新される。
図37は、追加楽曲記憶一覧の例を示している。図示する例は、後述するステップS635の処理が実行され、楽曲Dが追加された場合の例を示している。追加楽曲記憶一覧には、初期状態として楽曲Aが追加されており、楽曲の種類と追加の有無、追加された順番が記憶されている。追加楽曲記憶一覧において「未追加」に対応する楽曲は、図35に示すステップS610の処理にて遊技者に選択不可能に表示され、「未追加」以外に対応する楽曲は、ステップS610の処理にて遊技者に選択可能に表示されることとなる。
図36に戻り、連荘カウント値が「2」である場合(ステップS631;Yes)、前回連荘大当りが終了してから2回目の連荘大当りであるため、前回追加曲を確認する(ステップS633)。前回追加曲は、前回の連荘大当りの最後の大当り時にステップS634の処理で追加された楽曲の種類であり、図35のステップS614の処理が実行されるたびに演出制御用RAMの所定領域に記憶される(更新される)。なお、初期状態では、何も記憶されていない。
ステップS632またはステップS633の処理を実行した後は、楽曲を追加して(ステップS634)追加楽曲記憶一覧を更新し(ステップS635)、楽曲追加処理を終了する。ステップS634の処理では、例えば、ステップS632の処理を実行した場合には、追加楽曲記憶一覧の楽曲のうち、未追加に対応する楽曲を選択可能として追加する。一方、ステップS633の処理を実行した場合には、前回追加曲として記憶されている楽曲以外の楽曲を選択可能として追加する。具体的にこの実施の形態では、ステップS632の処理を実行した場合には、楽曲A〜楽曲Dのうち、未追加に対応する楽曲を選択可能として追加し、ステップS633の処理を実行した場合には、楽曲A〜楽曲Dのうち、前回追加曲として記憶されている楽曲以外の楽曲を選択可能として追加する。そして、ステップS635の処理にて、追加した楽曲を「未追加」から「追加」に変更し、追加した順番を記憶して処理を終了する。
図35に戻り、ステップS607の楽曲追加処理を実行した後、または、ステップS606にて連荘カウント値が「2」未満であると判定した場合(ステップS606;No)、大当り遊技状態の開始を報知するために予め用意された大当り報知用の演出制御パターンを選択し、使用パターンとしてセットする(ステップS608)。その後、使用パターンとしてセットした演出制御パターンから読み出した演出制御実行データなどに基づいて、大当り報知動作の制御を開始するための設定を行う(ステップS609)。また、右打ち表示、および、選曲表示を行う(ステップS610)。ステップS610の処理では、例えば右打ち表示および選曲表示を実行するために予め用意された演出制御パターンを使用パターンにセットして所定の演出動作を実行する制御を開始させるものであればよい。なお、右打ち表示の設定は、所定の終了設定(図40のステップS674参照)が実行されるまで、演出制御用RAMの所定領域に記憶されていればよい。また、選曲表示では、追加楽曲記憶一覧における「追加」に対応する楽曲を選択可能に、「未追加」に対応する楽曲を選択不可能に表示する。なお、画像表示装置5における演出画像の表示に代えて、あるいは演出画像の表示とともに、スピーカ8L、8Rからの音声出力や、遊技効果ランプ9および装飾用LEDといった発光体の点灯動作などにより、右打ち表示(右打ち報知)が行われるようにしてもよい。遊技球を右遊技領域2Bに発射すべきことが遊技者に対して明確に報知されればよい。また、ステップS610の処理にて右打ち表示および選曲表示を実行するために予め用意された演出制御パターンが使用パターンとしてセットされることで、遊技者による選曲操作を受け付け可能とする操作有効期間も設定される。なお、操作有効期間は、右打ち表示が行われる期間(右打ち表示期間)内の期間として設定される。
この実施の形態では、例えば、選曲表示が、操作を受け付け可能とする操作有効期間よりも0.2秒前に終了するように設定している。通常、遊技者は選曲表示の表示期間が操作の有効期間であると認識し、操作促進表示が画像表示装置5から消える以前に操作しようと試みる。しかしながら、操作促進表示が画像表示装置5から消える直前に操作したと遊技者が認識した場合であっても、実際に操作されたのは遊技者がの表示期間が過ぎた後である場合がある。このようなケースで、仮に遊技者が表示期間の終了時と、有効期間の終了時が合致しているとすると、遊技者は、「有効期間内に操作したにもかかわらず、演出が進行されない」と誤解して、遊技の興趣が減退するという問題がある。本実施形態のように、有効期間よりも前に選曲表示を終了させることで、実際の有効期間内に遊技者が操作する可能性が高まり、興趣の減退を防止することができる。
人が視覚野で視覚情報(画像表示装置5の表示内容)を認識してから手の神経に命令を伝達するまでには0.1秒程度を要する。従って、選曲表示の内容を視認したと同時に操作したと遊技者が認識した場合でも、実際には0.1秒以上は遅延していることになる。この遅延は上記のような遊技者の誤解が生じる要因の1つである。また、実際には選曲表示の表示期間が終了したにもかかわらず、遊技者が残像効果によって「選曲表示が画像表示装置5に表示されている」と認識する可能性もある。これも上記のような遊技者の誤解が生じる要因の1つとなりうる。本実施形態では、選曲表示の表示期間を、実際の有効期間が終了する0.2秒前に終了させるようにしている。従って、選曲表示が画像表示装置5から消える直前に操作したと遊技者が認識したときに、実際には選曲表示が消えてから操作されていた場合であっても、有効期間内には操作されていることになる。このようにすることで上記の誤解を防止することができる。一方で、仮に選曲表示の表示期間が終了してから0.5秒以上経過した時点での操作が有効になってしまうと、遊技者は明らかに操作が間に合っていないにもかかわらず、操作が有効になったと認識して違和感を感じてしまう。これらの要因を考慮して、選曲表示の表示期間を、実際の操作有効期間が終了する0.1〜0.4秒前に終了させることが適しており、本実施形態では0.2秒前に終了させている。
ステップS610の処理を実行した後は、遊技者による選曲操作が行われたか、または、所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS611)。遊技者による選曲操作が行われたか否かは、操作ボタン30の操作を検知したことにより判定すればよい。また、所定期間経過したか否かは、操作有効期間が経過したか否かをタイマにより判定すればよい。遊技者による選曲操作が行われず、かつ、所定時間経過していない場合には(ステップS611;No)、遊技者による選曲操作が行われるか、または、所定時間が経過するまで待機する(ステップS611の処理を繰り返す)。遊技者による選曲操作が行われるか、または、所定時間が経過した場合には(ステップS611;Yes)、大当り遊技状態中の演出として出力する楽曲を設定する(ステップS612)。ステップS612の処理では、例えば、遊技者による選曲操作が行われた場合には、選曲された楽曲を、大当り遊技状態中に出力する楽曲として設定する。一方、遊技者による選曲操作が行われず所定時間経過した場合には、例えば、楽曲Aを大当り遊技状態中に出力する楽曲として設定する。なお、遊技者による選曲操作が行われず所定時間経過した場合、追加楽曲記憶一覧に記憶されている「未追加」に対応する楽曲以外の楽曲からランダムに選択して大当り遊技状態中に出力する楽曲として設定してもよい。
ステップS612の処理を実行した後は、確変大当りか否かを判定する(ステップS613)。確変大当りか否かは、大当り開始指定コマンドにより大当り種別として「確変」が指定されているかにより判定すればよい。確変大当りであると判定した場合(ステップS613;Yes)、特図当り待ち処理を終了する。一方、確変大当りではないと判定した場合(ステップS613;No)、連荘大当りの終了条件が成立したとして連荘カウント値を「0」にクリアする(ステップS614)。そして、追加楽曲記憶一覧を参照し、追加順序の最も遅い楽曲(最も数値の高い順番に対応する楽曲)を、前回追加曲として記憶して(ステップS615)、特図当り待ち処理を終了する。すなわち、ステップS615の処理では、連荘大当りの終了条件が成立した際に追加された楽曲が前回追加曲として記憶される。なお、この例では、連荘大当りの終了条件が成立した際に追加された楽曲を前回追加曲として記憶する例を示したが、例えば、ステップS612の処理により、大当り遊技状態中に出力する楽曲として設定された楽曲を、前回追加曲として記憶するようにしてもよい。
ステップS602にて大当り開始指定コマンドの受信がない場合には(ステップS602;No)、小当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS616)。小当り開始指定コマンドの受信がなければ(ステップS616;No)、特図当り待ち処理を終了して、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過するまで待機する。小当り開始指定コマンドの受信があった場合には(ステップS616;Yes)、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する(ステップS617)。
ステップS604にて大当り種別として「突確」が指定された場合や(ステップS604;Yes)、ステップS617の処理を実行した後には、右打ち表示の設定があるか否かを判定する(ステップS618)。このとき、例えば演出制御用RAMの所定領域に右打ち表示の設定が記憶されていれば、打ち表示の設定があると判定すればよい。右打ち表示の設定がある場合には(ステップS618;Yes)、右打ち表示の復帰指定を行う(ステップS619)。一例として、演出制御用RAMの所定領域に設けられた右打ち表示復帰指定フラグをオン状態にセットすることにより、右打ち表示の復帰指定がなされればよい。時短制御の実行中に、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となり2ラウンド大当り状態に制御された場合や、特図表示結果が「小当り」となり小当り遊技状態に制御された場合には、これらの2ラウンド大当り状態や小当り遊技状態が終了した後も、時短制御が行われる遊技状態(高ベース状態)となる。こうした状況に対応して、2ラウンド大当り状態や小当り遊技状態の終了後に右打ち表示を行うことができるように、ステップS619の処理により復帰指定を行っておけばよい。
ステップS618にて右打ち表示の設定がない場合や(ステップS618;No)、ステップS619の処理を実行した後は、右打ち表示を行い(ステップS620)、特図当り待ち処理を終了する。このときの指示表示は、例えば右打ち表示を実行するために予め用意された演出制御パターンを使用パターンにセットして所定の演出動作を実行する制御を開始するといったものであればよい。なお、ステップS620の処理では、選局表示を行わないこととしているが、2ラウンド大当り状態中に出力される楽曲を遊技者が選択したとしても、2ラウンドという短い期間では選択した楽曲を十分な時間出力することができず、出力してもすぐに終了してしまうこととなり、遊技興趣を低下させてしまうためである。
ステップS601にて当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過した場合には(ステップS601;Yes)、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS621)、特図当り待ち処理を終了する。
このように、連荘大当りとなった場合、上記の特図当り待ち処理が繰り返し行われることによって、選択可能な楽曲が追加されるとともに、選曲表示が行われ、かつ、右打ち表示が行われる。
続いて、楽曲が追加され、選曲表示や右打ち表示が行われる場合の主な演出動作例を、図38および図39を参照して説明する。まず、図38(a)に示すように大当り(確変)となると、図35のステップS610の処理により、図38(b)に示すように、選曲表示と右打ち表示が行われる。図38(b)に示す例では、1回目の大当りの例を示しており、すなわち、連荘カウント値が「1」である場合の例を示しており、この場合には、追加楽曲記憶一覧に初期時から追加されている楽曲Aが選択可能に表示されることとなる(それ以外の楽曲は、図示するように「?????」として選択不可能に表示される)。そして、遊技者の操作により楽曲Aが選択されると、図35のステップS612の処理により楽曲Aが設定され、図38(c)および(d)に示すように、図34のステップS186により楽曲Aが出力される。そして、図34のステップS187の処理により、図38(e)に示すように、ラウンド大当り状態の終了となる。ここまでが、1回の大当りである。なお、右打ち表示については、図34のステップS186の処理にて継続して表示される。この場合、図示するように、ラウンド大当り状態(すなわち、特別可変入賞球装置7が第1状態の場合)における右打ち表示は、図38(b)に示す態様(図39(b)も同様)(すなわち、特別可変入賞球装置7が第1状態となる前の態様)と異なる態様(図38(b)や図39(b)よりも小さな態様)であればよい。これによれば、遊技媒体の打込み先を明確に示しつつ実行中の演出の妨げとなることを防止することができる。
その後、図38(f)に示すように再度飾り図柄の変動が開始され、図38(g)に示すように、再度大当り(2回目の大当り)となると(図38(g)に示す例では「非確変大当り」)、図35のステップS605の処理により、連荘カウント値が「2」となり(連荘大当り開始)、図36のステップS633の処理により前回追加曲を確認し、図38(h)に示すように、楽曲Dが追加される。図示する例では、過去に連荘大当りとなっていない場合の例を示しているので、前回追加曲には何も記憶されておらず、ランダムに決定された追加楽曲が選択可能に追加されることとなる。そして、遊技者の操作により楽曲Dが選択されると、図35のステップS612の処理により楽曲Dが設定され、図34のステップS186により楽曲Dが出力される。また、図35のステップS613にて、確変大当りでないと判定され(連荘終了条件が成立して)、ステップS614の処理にて連荘カウント値がクリアされ、ステップS615の処理にて楽曲Dが前回追加曲として記憶されることとなる。
その後、再び飾り図柄の変動が開始され、図39(a)に示すように、大当り(確変)となると、図35のステップS610の処理により、図39(b)に示すように、選曲表示と右打ち表示が行われる。図39(b)に示す例では、1回目の大当りの例を示しており、すなわち、連荘カウント値が「1」である場合の例を示しており、この場合には、追加楽曲記憶一覧に初期時から追加されている楽曲Aが選択可能に表示されることとなる。そして、遊技者の操作により楽曲Aが選択されると、図35のステップS612の処理により楽曲Aが設定され、図39(c)および(d)に示すように、図34のステップS186により楽曲Aが出力される。そして、図34のステップS187の処理により、図39(e)に示すように、ラウンド大当り状態の終了となる。ここまでが、1回の大当りである。
その後、図39(f)に示すように再度飾り図柄の変動が開始され、再度大当り(2回目の大当り)となると(この例では「確変大当り」)、図35のステップS605の処理により、連荘カウント値が「2」となり(連荘大当り開始)、図36のステップS633の処理により前回追加曲を確認し、図39(g)に示すように、楽曲Bが追加される。図示する例では、図38に示す連荘大当りの終了条件成立時に、前回追加曲に楽曲Dが記憶されているので、ステップS634の処理にて楽曲D以外の楽曲(この例では楽曲B)が追加されることとなる。そして、遊技者の操作により楽曲Bが選択されると、図35のステップS612の処理により楽曲Bが設定され、図34のステップS186により楽曲Bが出力される。その後、再び飾り図柄の変動が開始され、連荘終了条件が成立するまで、楽曲が追加されこととなる。具体的に3回目の大当りの場合には、連荘カウント値が「3」となるため、図36のステップS632の処理により追加楽曲記憶一覧を参照して、「未追加」に対応する楽曲をステップS634の処理にて追加する。そして、連荘終了条件が成立した場合には、図35のステップS615の処理にて、直近に追加した楽曲を前回追加曲として記憶する。
このように、連荘大当りが一旦終了し、次に連荘大当りが開始され、楽曲が追加される場合には、前回の連荘大当りの最後に追加された(連荘終了条件終了時に追加された)楽曲以外の楽曲を追加する(選択可能とする)。これによれば、実行可能な演出を好適に追加することができ、遊技興趣の低下を防止することができる。また、ラウンド大当り状態(すなわち、特別可変入賞球装置7が第1状態の場合)における右打ち表示は、図38(b)に示す態様(図39(b)も同様)(すなわち、特別可変入賞球装置7が第1状態となる前の態様)と異なる態様(図38(b)や図39(b)よりも小さな態様)で行われる。したがって、遊技媒体の打込み先を明確に示しつつ実行中の演出の妨げとなることを防止することができる。
図35に示すステップS610の処理により右打ち表示が開始されるときには、右打ち表示の設定が、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120に内蔵された演出制御用RAMの所定領域に記憶されればよい。こうした右打ち表示に関する設定の記憶に基づいて、最適な遊技球の発射位置(発射目標位置)が右遊技領域2B(第2遊技領域)から左遊技領域2A(第1遊技領域)へと変化したときに、遊技球を左遊技領域2Aに発射すべきことが遊技者に報知されてもよい。このような報知を行うために、例えば図40のフローチャートに示す発射領域報知判定処理が実行されればよい。この発射領域報知判定処理は、例えば図34に示すステップS180の可変表示開始待ち処理内にて実行されればよい。
図40に示す発射領域報知判定処理において、CPU120Aは、まず、右打ち表示の設定があるか否かを判定する(ステップS671)。このとき、例えば演出制御用RAMの所定領域に右打ち表示の設定が記憶されていれば、右打ち表示の設定があると判定すればよい。
ステップS671にて右打ち表示の設定がある場合には(ステップS671;Yes)、時短制御に伴う高開放制御が行われない通常状態や時短なし確変状態といった低ベース状態であるか否かを判定する(ステップS672)。ステップS672の処理では、例えば、低ベース状態に対応する背景画像を指定する背景指定コマンドの受信があったか否かにより判定すればよい。背景指定コマンドは、例えば図21に示すステップS250の処理や、図22に示すステップS264の処理、あるいは図23に示すステップS298の処理において、主基板11から演出制御基板12へと送信するための設定が行われるものであればよい。
ステップS672にて低ベース状態であると判定場合には(ステップS672;Yes)、右打ち表示の終了設定を行う(ステップS674)。なお、ステップS674の処理が実行されるまで右打ち表示を継続して実行するものに限定されず、その報知を開始してからの経過時間が所定時間に達した場合といった、所定の右打ち表示終了条件が成立した場合に、右打ち表示を終了させてもよい。ステップS674の処理に続いて、左打ち表示の設定を行う(ステップS675)。このときの表示設定は、例えば左打ち表示を実行するために予め用意された演出制御パターンを使用パターンにセットして所定の演出動作を実行する制御を開始させるといった、左打ち表示の開始設定であればよい。こうした左打ち表示の設定は、所定の終了設定(ステップS682参照)が実行されるまで、演出制御用RAMの所定領域に記憶されていればよい。
第1左打ち表示は、例えば画像表示装置5の画面上に図41に示すような演出画像を表示することにより遊技者に左打ちを指示するものであればよい。左打ち表示は、例えば「左打ちに戻して!」といった文字によるメッセージや、左向き矢印を示す演出画像などを、不透明な所定の表示色(例えば赤色など)で表示することにより、遊技球を左遊技領域2Aに発射すべきことが遊技者に報知されるものであればよい。なお、画像表示装置5における演出画像の表示に代えて、あるいは演出画像の表示とともに、スピーカ8L、8Rからの音声出力や、遊技効果ランプ9および装飾用LEDといった発光体の点灯動作などにより行われるようにしてもよい。左打ち表示では、遊技球を左遊技領域2Aに発射すべきことが遊技者に対して明確に報知されればよい。
ステップS675での設定を行ったときには、報知終了条件を設定する(ステップS676)。このとき設定される報知終了条件は、左打ち表示開始からの経過時間が所定の報知終了判定時間(例えば1分)に達したこと、あるいは可変表示の実行回数が所定の報知終了判定回数(例えば「1」や「3」など15ラウンド大当り状態であるか2ラウンドであるかで回数を異ならせる)に達したことなど、大当り種別に対応して予め定められた終了条件であればよい。
ステップS671にて右打ち表示の設定がない場合には(ステップS671;No)、左打ち表示の設定があるか否かを判定する(ステップS680)。左打ち表示の設定がなければ(ステップS680;No)、発射領域報知判定処理を終了する。左打ち表示の設定がある場合には(ステップS680;Yes)、左打ち表示の報知終了条件が成立したか否かを判定する(ステップS681)。報知終了条件が成立していなければ(ステップS681;No)、発射領域報知判定処理を終了する。報知終了条件が成立した場合には(ステップS681;Yes)、左打ち表示の終了設定を行う(ステップS682)。
ステップS672にて低ベース状態でないと判定した場合には(ステップS672;No)、右打ち表示の復帰指定があるか否かを判定する(ステップS683)。例えば、右打ち表示復帰指定フラグがオンであるときには、右打ち表示の復帰指定があると判定すればよい。右打ち表示の復帰指定があるときには(ステップS683;Yes)、右打ち表示の設定を行う(ステップS684)。このときの右打ち表示の設定は、例えば右打ち表示用の演出制御パターンを使用パターンにセットし直して所定の演出動作を実行する制御を開始させるといった、右打ち表示を再開するなどして復帰するための復帰設定であればよい。これにより、時短制御の実行中に2ラウンド大当り状態や小当り遊技状態に制御された場合に、これらの終了後にも時短制御が行われる遊技状態(高ベース状態)となることに対応して、右打ち表示を再開させることができる。なお、ステップS683、S684の処理は、発射領域報知判定処理にて実行されるものに限定されず、例えば小当り終了演出処理にて小当り終了演出時間が経過したときと、エンディング演出処理にてエンディング演出時間が経過したときに、実行されるようにしてもよい。また、ステップS684の処理を実行したときには、例えば打ち表示復帰指定フラグをクリアしてオフ状態とすることにより、右打ち表示の復帰指定を初期化(消去)すればよい。
ステップS683にて右打ち表示の復帰指定がないときには、ステップS684の処理を実行せずに、発射領域報知判定処理を終了する。このときには、ステップS672にて低ベース状態ではないと判定されているため、時短制御に伴う高開放制御が行われる時短状態や時短付確変状態といった高ベース状態になっている。ここで、大当り遊技状態または小当り遊技状態の開始に対応して右打ち表示の設定が記憶された後、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了後に高ベース状態へと制御された場合には、右打ち指示報知の設定が継続して記憶されることになる。これにより、大当り遊技状態や小当り遊技状態にて大入賞口が開放状態(第1状態)と閉鎖状態(第2状態)とに変化するときだけでなく、時短制御とともに高開放制御が行われる高ベース状態にて第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすく第2始動条件を成立させやすくなっているときにも、遊技領域内における遊技球の最適な発射位置(発射目標位置)が右遊技領域2Bであることに対応して、右打ち表示を行うことができる。ただし、右打ち表示の設定が記憶されている場合であっても、その表示を開始してからの経過時間が所定時間に達した場合といった、所定の報知終了条件が成立した場合には、右打ち指示表示を終了させるようにしてもよい。
図42は、特別図柄の可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」や「第1確変」〜「第3確変」のいずれかとなる場合に、各種信号の出力例や発射領域報知の動作例を示すタイミング図である。なお、発射領域報知は、遊技球を発射すべき遊技領域を遊技者に報知するものであり、右打ち表示と左打ち表示とが含まれている。
可変表示結果が「大当り」となる場合に、大当り種別が「非確変」や「第1確変」〜「第3確変」のいずれかであることに基づいて、15ラウンド大当り状態に制御される。こうして大当り遊技状態が開始されることに対応して、例えば図28に示すステップS174、S175の処理により、図42(A)に示すように、大当り中信号がオフ状態からオン状態に変化する。すなわち、大当り中信号の外部出力が開始される。このときには、図23に示すステップS290の処理により、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。そして、図28に示すステップS171の処理にて特図プロセスフラグの値が“4”以上であると判定され、ステップS173、S175の処理により、図42(C)に示すように、発射位置指定信号がオフ状態からオン状態に変化する。すなわち、発射位置指定信号の外部出力が開始される。また、図35に示すステップS610の処理により、図42(D)に示すように、右打ち指表示が開始される。
その後、大当り遊技状態が終了することに対応して、図42(A)に示すように、大当り中信号がオン状態からオフ状態に変化する。すなわち、大当り中信号の外部出力が終了する。このときには、15ラウンド大当り状態の終了後に時短制御が開始されることに対応して、例えば図28に示すステップS174、S175の処理により、図42(B)に示すように、時短信号がオフ状態からオン状態に変化する。すなわち、時短信号の外部出力が開始される。15ラウンド大当り状態の終了後に特図ゲームが実行されるときには、図28に示すステップS171の処理にて特図プロセスフラグの値が“4”未満であると判定されるが、ステップS172の処理にて時短制御中であると判定されることで、ステップS173、S175の処理により、図42(C)に示すように、発射位置指定信号がオン状態に維持される。すなわち、時短制御中においても発射位置指定信号の外部出力が継続して行われる。右打ち表示は、図42(D)にて実線で示すように時短制御が終了するまで行われてもよいし、図42(D)にて破線で示すように所定の報知終了条件が成立した場合に、時短制御が終了するより前に終了させてもよい。
時短制御が終了するときには、図42(B)に示すように、時短信号がオン状態からオフ状態に変化する。すなわち、時短信号の外部出力が終了する。このときには、図28に示すステップS172の処理にて時短制御中ではないと判定されることで、図42(C)に示すように、発射位置指定信号もオン状態からオフ状態に変化する。すなわち、発射位置指定信号の外部出力が終了する。また、図40に示すステップS672の処理にて低ベース状態であると判定されたことに基づき、ステップS675の処理により、図42(D)に示すように、左打ち表示が開始される。図40に示すステップS676の処理では、左打ち表示に対応した報知終了条件(第1左打ち報知終了条件)として、例えば可変表示の実行回数が「3」に達することが設定される。こうした報知終了条件の設定に基づいて、図42(D)に示すように、特別図柄や飾り図柄が3回変動する期間にわたり、左打ち表示が行われる。そして、図40に示すステップS681の処理にて報知終了条件が成立したと判定されたときには、ステップS682の処理により、左打ち表示を終了させる。
図43は、時短制御が行われていない遊技状態(通常状態や時短なし確変状態)において、特別図柄の可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる時短外突確の場合に、各種信号の出力例や発射領域報知の動作例を示すタイミング図である。可変表示結果が「大当り」となる場合に、大当り種別が「突確」であることに基づいて、2ラウンド大当り状態に制御される。こうして大当り遊技状態が開始されることに対応して、図43(A)に示すように、大当り中信号の外部出力が開始される。このときには、図43(C)に示すように、発射位置指定信号の外部出力も開始される。また、図35に示すステップS604の処理では、「突確」の大当り種別が指定されたと判定される。これに基づいて、ステップS620の処理により、図43(D)に示すように、右打ち表示が開始される。
その後、大当り遊技状態が終了することに対応して、図43(A)に示すように、大当り中信号の外部出力が終了する。このときには、2ラウンド大当り状態の終了後に時短制御が行われないことから、図43(B)に示すように、時短信号の外部出力は開始されない。また、図28に示すステップS172の処理にて時短制御中ではないと判定されることで、図43(C)に示すように、発射位置指定信号の外部出力が終了する。右打ち表示は、図43(D)にて実線で示すように大当り遊技状態が終了するまで行われてもよいし、図43(D)にて破線で示すように所定の右打ち報知終了条件が成立した場合に、大当り遊技状態が終了するより前に終了させてもよい。この場合における右打ち報知終了条件は、図42に示す右打ち報知終了条件よりも(15ラウンド大当り状態となる場合よりも)短期間で成立すればよい。
図40に示すステップS672の処理にて低ベース状態であると判定されたことに基づき、ステップS675の処理により、図43(D)に示すように、左打ち表示が開始される。図40に示すステップS676の処理では、この左打ち表示に対応した報知終了条件(第2左打ち報知終了条件)として、例えば可変表示の実行回数が「1」に達することが設定される。こうした報知終了条件の設定に基づいて、図43(D)に示すように、特別図柄や飾り図柄が1回変動する期間にわたり、左打ち表示が行われる。そして、図40に示すステップS681の処理にて報知終了条件が成立したと判定されたときには、ステップS682の処理により、左打ち表示を終了させる。
時短制御が行われていない遊技状態(通常状態や時短なし確変状態)において、特別図柄の可変表示結果が「小当り」となる時短外小当りの場合にも、図43(D)に示した時短外突確の場合と同様の右打ち表示や、第2左打ち指示報知となる左打ち表示が行われる。また、小当り遊技状態にて大入賞口が開放状態(第1状態)と閉鎖状態(第2状態)とに変化することに対応して、図43(C)に示した時短外突確の場合と同様に、発射位置指定信号の外部出力が行われる。
図42および図43では、試験端子出力信号に含まれる大当り中信号や時短信号、発射位置指定信号について、外部出力が行われる場合の出力タイミングを示している。こうした試験端子出力信号は、例えば主基板11の配線パターン上に設けられた信号ピンやコネクタなどの接続用部品に、外部装置となる試験装置を接続した場合に限り外部出力が行われ、試験装置が接続されない通常使用時には外部出力が行われないようにしてもよい。接続用部品は試験時に限り外部装置を接続可能な状態とし、試験時以外の通常使用時には封止(密封)、除去、未搭載または破壊して、外部装置を接続不可能としてもよい。
以上説明したように、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、大当り遊技状態にて大入賞口が開放状態(第1状態)と閉鎖状態(第2状態)とに変化することに対応して、その変化態様が15ラウンド大当り状態のように遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすい第1変化態様であるか、2ラウンド大当り状態のように遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい第2変化態様であるかにかかわらず、遊技球を右遊技領域2Bに発射すべきことを示す発射位置指定信号を外部出力するための処理(図28のステップS173、S175)が実行される。また、15ラウンド大当り状態のように大入賞口の変化態様が第1変化態様となるときや、2ラウンド大当り状態のように大入賞口の変化態様が第2変化態様となるときに、右打ち指示表示が行われる。これにより、発射位置指定信号のような所定信号が外部出力されるにもかかわらず報知が行われない事態を防止して、パチンコ遊技機1における遊技の公正を保持することができる。
右打ち表示が行われた後には、図40に示すステップS675の開始設定に基づいて、図41に示すような左打ち表示が行われる。したがって、遊技者に適切な発射操作を指示することができる。
また、特別図柄の可変表示結果が「小当り」となって小当り遊技状態に制御されたときには、2ラウンド大当り状態の場合と同様に、大入賞口が第2変化態様で開放状態(第1状態)と閉鎖状態(第2状態)とに変化する。このときにも、発射位置指定信号を外部出力するための処理(図28のステップS173、S175)が実行されるとともに、右打ち表示が行われる。これにより、小当り遊技状態であるときにも、「突確」に基づき確変制御が行われることへの期待感を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
パチンコ遊技機1への電源投入時には、クリアスイッチ501の所定操作(例えば押下操作)が検出されず初期化処理が実行されないことに加えて、確変フラグがオンであることといった特別遊技状態を示すデータが記憶されていることに基づいて、所定の出力停止条件が成立するまで、投入時状態信号が外部出力される。これにより、パチンコ遊技機1の電力供給が開始されたときの遊技状態をホールコンピュータなどの外部装置で統括して管理可能とし、遊技場の管理者などが容易に把握することができる。例えば、パチンコ遊技機1における前回の電力供給停止時(電断時)に確変制御が行われていた場合に、パチンコ遊技機1の電力供給が開始されるときに電断復旧時の設定(図17のステップS91)が行われて確変制御が継続して行われるように復旧される可能性がある。特に、例えば、確変制御が行われているか否かにかかわらず共通の演出を実行可能な共通演出モードが設けられている場合には、パチンコ遊技機1の外見上からは確変制御が行われているか否かを判別不可能または判別困難になるおそれがある。そして、確変制御が行われたまま復旧後の遊技が行われると、容易に特図表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態に制御されてしまい、遊技場が意図せぬ不利益を受けるおそれがある。そこで、パチンコ遊技機1の電力供給が開始されたときの遊技状態を外部で容易に認識できるようにして、こうした不利益の発生を防止することができる。この場合、遊技場の管理者などは、個別のパチンコ遊技機1を電源投入時に監視して確変状態等の特別遊技状態であるか否かを確認する必要がなく、ホールコンピュータなどの外部装置において、特別遊技状態となっているパチンコ遊技機1の有無を統括して容易に確認することができる。また、電力供給停止時(電断時)には、遊技制御用マイクロコンピュータ100の制御内容(RAM10の内容等)が保持されるため、遊技状態等がバックアップされる。しかしながら、演出制御用マイクロコンピュータ120の制御内容は保持されないため、演出制御基板12の側で追加された楽曲や大当りの回数等はバックアップされず、前回追加曲および追加楽曲記憶一覧は初期化される。この場合、電断復旧時には、電断復旧時の設定(図17のステップS91)により、電断復旧後の最初の大当りにおける選曲表示において、遊技者の操作を受け付け不可能とする制御が行われてもよい。例えば、操作有効期間を無効とするフラグをオンにセットするなどすればよい。これによれば、遊技者を混乱させずに遊技をスムーズに進行することができる。また、確変制御中に電力供給が停止された場合、電断復旧時における最初の大当りの際は、電断復旧時の設定(図17のステップS91)により、図35のステップS610の処理にて選曲表示を行わず、右打ち表示のみを行うようにしてもよい。この場合、例えば、楽曲A〜楽曲Dのうちランダムに選択した楽曲を出力するようにしても、予め定められた楽曲を出力するようにしてもよい。この場合、例えば、選曲表示を行わないことを示す選曲表示不可フラグをオン状態に設定しておき、ステップS610の処理にて当該選曲表示不可フラグがオン状態となっている場合には、選曲表示を行わないようにすればよい(ステップS611の処理はスキップ)。なお、選曲表示不可フラグは、図34のステップS186の処理にてクリアするようにすればよい。なお、電力供給停止時(電断時)に演出制御用マイクロコンピュータ120の制御内容を保持して演出制御基板12の側で追加された楽曲や大当りの回数等をバックアップしてもよく、この場合には、前回追加曲および追加楽曲記憶一覧を電断復旧時の設定(図17のステップS91)により初期化するようにしてもよい。
図25に示す情報出力処理では、例えばステップS137にて払出条件判定カウント値が条件成立判定値に達し、景品として所定個数(例えば10個)の遊技球を払い出すための払出条件が成立したことに基づいて、ステップS140〜S145、S147の処理により、払出条件の成立を示す払出条件成立信号が外部出力される。これにより、パチンコ遊技機1の外部において、払出条件の成立タイミングを正確に把握することができる。
図32に示す払出情報出力処理では、例えばステップS524にて賞球払出個数が払出検出判定値に達し、景品として所定個数(例えば10個)の賞球払出が検出されたことに基づいて、ステップS527〜S532の処理により、所定個数の賞球払出が検出されたことを示す払出検出信号が外部出力される。これにより、パチンコ遊技機1の外部において、景品として所定個数の遊技球が払い出されたことを容易に把握することができ、異常な払出動作を特定可能になる。
図17に示すステップS6の処理では、パチンコ遊技機1の電力供給が開始されたことに対応して遊技制御用マイクロコンピュータ100のRAM106をアクセス可能状態に設定してから、条件成立信号出力タイマをクリアして、そのタイマ値を「0」に初期化すればよい。また、図29に示すステップS407の処理では、パチンコ遊技機1の電力供給が開始されたことに対応して、検出信号出力タイマのクリアを行い、そのタイマ値を「0」に初期化する。こうして、パチンコ遊技機1における電源投入時に所定の信号出力タイマをクリアして初期化することにより、パチンコ遊技機1の電力供給が中断された場合に、1回の信号出力が2回分に分割されてしまう不都合を防止できる。
また、図36に示すステップS607の処理では、連荘大当りが一旦終了し、次に連荘大当りが開始され、楽曲が追加される場合、前回の連荘大当りの最後に追加された(連荘終了条件終了時に追加された)楽曲以外の楽曲を追加する(選択可能とする)。これによれば、実行可能な演出を好適に追加することができ、遊技興趣の低下を防止することができる。また、前回の連荘大当りの最後に追加された(連荘終了条件終了時に追加された)楽曲であっても、遊技者に選択されず実行されていない場合には、追加を制限せず、実行された楽曲の追加を制限するようにしてもよい。これによれば、同じ種類の演出が続けて実行されることを防ぎ、実行可能な演出を好適に追加することができ、遊技興趣の低下を防止することができる。図35に示すステップS610の処理では、右打ち表示および選曲表示が行われ、右打ち表示が行われる期間(右打ち表示期間)内の期間として操作有効期間が設定される。したがって、遊技をスムーズに進行させることができ、遊技興趣の低下を防止することができる。
また、図36に示すステップS610の処理では、図37に示す追加楽曲記憶一覧を参照し、追加された楽曲を選択可能に表示し、未追加の楽曲を選択不可能に表示する。これによれば、選択の際における表示を共通の処理で行うことができ、処理負担を軽減することができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。具体的な一例として、図28に示すステップS173、S175の処理を実行するCPU104のような、発射位置指定信号を外部出力するための構成と、図25に示すステップS137〜S145、S147の処理を実行するCPU104や図32に示すステップS522〜S532の処理を実行するCPU214のような、払出条件成立信号や払出検出信号を外部出力するための構成とのうち、いずれか一方の構成を備えたものであればよく、他方の構成などを備えていないものであってもよい。
上記実施の形態では、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU104が図25に示すステップS137〜145、S147の処理や図27に示すステップS158の処理を実行することにより、払出条件が成立したことを示す払出条件成立信号を外部出力するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば払出制御基板15に搭載された払出制御用マイクロコンピュータ150のCPU214が、払出条件成立信号を外部出力するための処理を実行してもよい。
一例として、払出制御用マイクロコンピュータ150のCPU214は、主基板11から伝送された賞球個数コマンドを受信するごとに、その賞球個数コマンドで指定された賞球個数を賞球個数カウント値に加算する。そして、賞球個数カウント値が条件成立判定値に達した場合には、条件成立信号出力残回数を1加算するように更新するなどして、払出条件成立信号を外部出力するようにしてもよい。
上記実施の形態では、図35のステップS607の処理にて右打ち表示と選局表示が、例えば、図38(b)に示すように行われる例を示したが、これは一例である。例えば、選曲表示を行う領域を右打ち表示を行う領域よりも小さくして表示するようにしてもよい。これによれば、遊技の進行を妨げないため、遊技興趣の低下を防止することができる。また、上記実施の形態では、連荘大当りにおける最初の大当り時において、図38(b)に示すように、楽曲Aを選択可能に表示するとともに、遊技者による選択操作を受け付ける例を示したが、この場合、遊技者の選択操作を受け付けずに楽曲Aが選択されるようにしてもよい。これによれば、選択可能な楽曲は楽曲Aのみであるにも関わらず遊技者に選択を行わせることで遊技者に煩わしいと感じさせることを防止するとともに、遊技者を混乱させずに遊技をスムーズに進行することができる。また、選曲表示を行わず、右打ち表示のみを行うようにしてもよい。この場合、例えば、楽曲A〜楽曲Dのうちランダムに選択した楽曲を出力するようにしても、予め定められた楽曲を出力するようにしてもよい。この場合、例えば、選曲表示を行わないことを示す選曲表示不可フラグをオン状態に設定しておき、ステップS610の処理にて当該選曲表示不可フラグがオン状態となっている場合には、選曲表示を行わないようにすればよい(ステップS611の処理はスキップ)。なお、選曲表示不可フラグは、図34のステップS186の処理にてクリアするようにすればよい。
また、上記実施の形態では、連荘大当りが一旦終了し、次に連荘大当りが開始され、楽曲が追加される場合には、図36のステップS633の処理を経由して前回の連荘大当りの最後に追加された(連荘終了条件終了時に追加された)楽曲以外の楽曲を追加し(選択可能とする)、次の大当り時(2回目の大当り時)には、図36のステップS632により、前回の連荘大当りの最後に追加された(連荘終了条件終了時に追加された)楽曲を追加可能(選択可能)とする、すなわち、追加楽曲の制限を解除する例を示したが、これは一例である。例えば、連荘大当りが一旦終了し、次に連荘大当りが開始された後、所定回(例えば3回以上)の大当りとなるまでは、前回の連荘大当りの最後に追加された(連荘終了条件終了時に追加された)楽曲を追加不可能(追加楽曲を制限する)としてもよい。この場合には、追加制限フラグを設け、連荘終了時にオン状態にセットしておき、連荘カウント値が予め定められた値となったときに、追加制限フラグをオフにクリアする。そして、追加制限フラグがオン状態の場合には、追加楽曲記憶一覧および前回追加曲を確認して楽曲を追加するようにすればよい。これによれば、実行可能な演出を好適に追加することができ、遊技興趣の低下を防止することができる。また、例えば、長時間デモ画面表示が行われるなど、遊技者が変更したとみなされる変更条件が成立した場合に、前回追加曲を初期化して、追加楽曲の制限を解除するようにしてもよい。具体的には、デモ画面表示を開始してから所定時間経過した場合(タイマにより判定)に前回追加曲を初期化するようにすればよい。なお、デモ画面表示に限られず、例えば、電断復旧時の設定(図17のステップS91)により、前回追加曲を初期化して、追加楽曲の制限を解除するようにしてもよい。また、例えば遊技者が所持する端末装置(携帯端末)で撮影することにより所定のデジタルコンテンツを取得するための2次元コードを示す画像を、画像表示装置5の画面上に表示させ、遊技者が所有する携帯端末と連動させるパチンコ機などにおいて、携帯端末との連動遊技の開始と終了を検知することで、遊技者の変更条件が成立したと判定し、前回追加曲を初期化してもよい。これによれば、実行可能な演出を遊技者に応じて好適に追加することができ、遊技興趣の低下を防止することができる。
また、上記実施の形態では、最初に連荘大当りとなっていない場合には、前回追加曲に追加を制限する楽曲の種類が記憶されておらず、何も記憶されていない例を示したが、初期状態において、所定の楽曲の種類が記憶されていてもよい。これによれば、前回追加曲を参照して追加する楽曲の種類を決定すればよく、初期状態のときと楽曲追加を制限するときとで処理を共通にすることができ、処理負担を軽減することができる。
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板12に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御基板12の側では、2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板12の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作や報知動作などは、この発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。さらに、この発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、この発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、各種処理の実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことにより各種処理を実行するような形態とすることもできる。