JP4711331B2 - パーフルオロポリエーテル化合物、およびこれを用いた潤滑剤ならびに磁気ディスク - Google Patents

パーフルオロポリエーテル化合物、およびこれを用いた潤滑剤ならびに磁気ディスク Download PDF

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本発明は、パーフルオロポリエーテルの少なくとも一方の末端にシクロホスファゼン基を有するフッ素化合物およびそれを含有する潤滑剤、およびこれを用いた磁気ディスクに関する。さらに詳しくは、大容量記録媒体である磁気ディスクなどの記録媒体用の潤滑剤に使用される化合物およびそれを含有する潤滑剤に関する。
磁気ディスクの記録密度の増大に伴い、記録媒体である磁気ディスクと情報の記録・再生を行うヘッドとの距離は殆ど接触するまで狭くなっている。磁気ディスク表面にはヘッドとの接触・摺動の際の摩耗を抑える目的で潤滑層が設けられている。この潤滑層は通常潤滑剤を磁気ディスク表面に塗布して形成している。
該潤滑剤としては一般にパーフルオロポリエーテルが用いられ、なかでもヘッドとの粘着力が低く、低摩擦力を有するSolvay Solexis製のFomblin系化合物が主流である。Fomblin系化合物の基本骨格は繰返し単位が(CFCFO)m−(CFO)n−のパーフルオロポリエーテルである。
しかし、Fomblin系のパーフルオロポリエーテル鎖中の酸索原子は、ルイス酸として作用するヘッドの部材中のAlと反応し、その鎖は切断される(例えば非特許文献1参照)。この切断が進行するとFomblin系のパーフルオロポリエーテルは低分子化し、最終的には磁気ディスク上から揮発する。
一方、両末端に水酸基を有するパーフルオロポリエーテルの少なくともひとつの末端が、アリーロキシ基で置換されたシクロホスファゼン基である化合物が開示され、この化合物を成分とする潤滑剤が、良好なコンタクト・スタート・ストップ(CSS)耐久性を有することが開示されている(例えば特許文献1参照。)。該化合物は、分子内パーフルオロポリエーテル鎖を有しているにもかかわらずルイス酸に対する化学的安定性が高い(例えば非特許文献2参照。)ため、ルイス酸であるAlから構成されるヘッドと磁気ディスクとの接触によっても分解せず、磁気ディスク表面に安定に存在すると考えられる。しかし、10℃以下で行うCSSでは、ヘッドと磁気ディスクとの摩擦力が増大し、磁気ディスクの損傷に至る場合がある。該化合物は磁気ディスク表面での流動性が低いため、低温時に十分な潤滑作用を示さないことが考えられ、潤滑剤の化学的安定性と流動性の両立が、磁気ディスクの信頼性を確保する上で解決しなければならない課題である。
さらに近年、磁気ディスクを格納した磁気ディスク装置はコンピューター用途だけでなく、ナビゲーションシステム、デジタル家電等の各種機器に応用されるようになっている。このような用途では、機器の使用環境が様々であり、低温での優れた潤滑性能が必要となる。
以上のように、磁気ディスク装置の進歩に向けて、潤滑剤および磁気ディスクの高性能化が従来以上に重要度を増している。
Macromolecules、1992年、25巻、p.6791−6799 Digests of The Magnetic Recording Conference、Colorado、2004年8月 p.D6 国際出願公開WO01/21630A1パンフレット
現在、磁気ディスク用の潤滑剤はパーフルオロポリエーテルを基本骨格とする誘導体が主に用いられている。情報の記録容量の増大、記録・再生の高速化を図るため、ヘッドとディスクの距離(浮上量)はほとんど接触する領域まで低くなり、ディスクの回転数は近い将来15,000rpm以上となる可能性が高い。
浮上量が小さく、かつ高回転で長期摺動を行うと、ヘッドにより潤滑剤がディスク表面の摺動部より押しのけられて潤滑層は部分的に薄くなるが、摺動部以外に存在する潤滑剤が、部分的に薄くなった潤滑層に移動する(自己修復性)ことにより、摺動部分の潤滑層に欠陥が生じることを防いでいる。しかし、低温の場合は潤滑剤の分子運動が緩慢になり、薄くなった潤滑層に速やかに移動せず、潤滑層に欠陥が生じたままの状態が長く続くことになり潤滑性が低下し、ヘッドの破壊やディスクの損傷を起こす可能性がある。また、長期摺動により潤滑剤が分解する場合には、潤滑層が消失し、最終的にディスクの記録層の破壊に至る。記録装置の信頼性を確保する上で、ディスク表面で充分な自己修復性を示し、かつ分解しにくい潤滑剤が必要である。
上記の課題を解決するため種々化合物を合成しその特性を検討した。
その結果、パーフルオロポリエーテルの両末端において、一方の末端にフルオロアルコキシ基で置換されたシクロホスファゼン基、もう一方の末端に該シクロホスファゼン基または水酸基を有するフッ素化合物が上記課題を克服することを見出した。
また該化合物を潤滑層に用いた磁気ディスクが高回転、かつ低温でも使用されるディスク装置に適することも見出した。
即ち本発明は以下の発明に係る。
(1)式(I)で表される化合物。
A−CHCFO(CFCFO)m−(CFO)n−CFCH−B (I)
(式中Aは、下記式(a)で表される基である。式中Bは、水酸基または下記式(a)で表される基である。ここで、Rは、C2〜5のフルオロアルキル基であり、mは0または1〜40の実数、nは0または1〜40の実数である。)
ここでRとしては例えば、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル基、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル基等を例示できる。
Figure 0004711331
(2)好ましくは、mおよびnが4〜21の実数である上記(1)に記載された化合物である。
(3)式(I)の化合物を含有する潤滑剤。
A−CHCFO−(CFCFO)m−(CFO)n−CFCH−B (I)
(式中Aは、式(a)で表される基である。式中Bは、水酸基または式(a)で表される基である。ここで、Rは、C2〜5のフルオロアルキル基であり、mは0または1〜40の実数、nは0または1〜40の実数である。)
Figure 0004711331
(4)好ましくは、mおよびnが4〜21の実数である上記(3)に記載の潤滑剤である。
(5)支持体上に少なくとも記録層、保護層を形成し、その表面にパーフルオロポリエーテル構造を有する化合物からなる潤滑層を有する磁気ディスクにおいて、該潤滑層が式(I)で表される化合物を含有することを特徴とする磁気ディスク。
A−CHCFO−(CFCFO)m−(CFO)n−CFCH−B (I)
(式中Aは、式(a)で表される基である。式中Bは、水酸基または式(a)で表される基である。ここで、Rは、C2〜5のフルオロアルキル基であり、mは0または1〜40の実数、nは0または1〜40の実数である。)
Figure 0004711331
(6)好ましくは、mおよびnが4〜21の実数である上記(5)に記載の磁気ディスクである。
[1] 式(I)で表される本発明のパーフルオロポリエーテル鎖の末端がシクロホスファゼン基である化合物について
[1−1]合成方法
本発明の化合物(I)は例えば下記のように製造される。即ち国際出願公開WO01/21630A1パンフレットに記載されているようにフルオロアルコールを予め金属ナトリウム等と反応させてフルオロアルコラートとしておき、次いでシクロトリホスホニトリルハライドと反応させた溶液中に、両末端が水酸基のパーフルオロポリエーテルと金属ナトリウム等を投入し反応させることによって製造される。さらに詳しくは、フルオロアルコールを炭化水素系エーテルに溶解し、これに金属ナトリウムを加える。金属ナトリウムの添加量はフルオロアルコールに対して90%当量である。次いで該混合液を0℃で24時間攪拌後、シクロトリホスホニトリルハライドを添加し、さらに室温で2時間攪拌する。次いで、該混合液にパーフルオロポリエーテルと金属ナトリウムを加えて、100℃以下で5日間攪拌する。パーフルオロポリエーテルと金属ナトリウムは、最初に使用したフルオロアルコールに対してそれぞれ2%当量と3%当量である。その後、水洗、溶媒抽出、蒸留および超臨界炭酸抽出を行い目的の化合物を得る。
両末端が水酸基のパーフルオロポリエーテルとしてはSolvay Solexis製Fomblin Zdolがある。この化学構造は、
HO−CHCFO(CFCFO)m−(CFO)n−CFCHOHであり、分子量分布があり、平均分子量は約1000〜7000である。
[1−2]用途
本発明のパーフルオロポリエーテル鎖の末端がシクロホスファゼン基である化合物の用途は磁気ディスク装置内の磁気ディスクの摺動特性を向上させるための潤滑剤としての用途が挙げられる。これは磁気ディスクとヘッドとの接触・摺動の際の摩耗を低減することが目的であるので、磁気ディスク以外にも記録媒体とヘッドとの間に摺動が伴う他の記録装置に対する用途も考えられる。また記録装置に限らず摺動を伴う部分を有する機器の潤滑剤としての用途も考えられる。更にパーフルオロポリエーテルの分解を抑制する効果も期待できるので潤滑剤の添加剤としての用途も挙げられる。
[1−3]使用方法
本発明のパーフルオロポリエーテル鎖の末端がシクロホスファゼン基である化合物を用いて潤滑層を形成するにはバルクの状態で表面に塗布する方法もあるが、必要以上に厚く付着してしまうことがある。この場合は溶剤に希釈して塗布する。溶剤は含フッ素のものが本発明の化合物との相溶性が良好である。例えば3M製PF−5060、PF−5080、HFE−7100,HFE−7200、DuPont製Vertrel−XF等が挙げられる。なお磁気ディスクの潤滑剤として用いる際は一般に塗布法による。
[2]磁気ディスクについて
[2−1]磁気ディスクの構成
図1に本発明の磁気ディスクの断面の模式図を示す。
本発明の磁気ディスクは、まず支持体1上に少なくとも1層以上の記録層2、その上に保護層3、更にその上に本発明の化合物を含有する潤滑層4を最外層として有するという構成である。
支持体としてはアルミニウム合金、ガラス等セラミックス、ポリカーボネート等が挙げられる。
磁気ディスクの記録層である磁性層の構成材料としては鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性体を形成可能な元素を中心として、これにクロム、白金、タンタル等を加えた合金、又はそれらの酸化物が挙げられる。これらはメッキ法、或いはスパッタ法等で形成される。
保護層はカーボン、SiC,SiO等の材質が挙げられる。これらはスパッタ法、或いはCVD法で形成される。
[2−2]潤滑層の形成方法
次に潤滑層の形成方法を記述する。現在潤滑層の厚さは約1〜2nmであるため、粘性が20℃で74mm/sec程度のパーフルオロポリエーテルをそのまま塗布したのでは膜厚が大きくなりすぎる恐れがある。そこで塗布の際は溶剤に溶解したものを用いる。本発明の化合物を潤滑剤として用いる場合も潤滑剤の添加剤として用いる場合も溶剤に溶解した方が必要な膜厚に制御しやすい。但し、濃度は塗布方法・条件、添加割合等により異なる。
塗布方法はディップ法、スピンコート法等が挙げられる。
用いる溶剤はパーフルオロポリーテルおよび本発明の化合物を溶解するものを選択する。具体的には3M製PF−5060,PF−5080,HFE−7100,HFE−7200、DuPont社製のVertrel−XF等の含フッ素溶媒が挙げられる。
[2−3]応用
本発明の磁気ディスクは、ディスクを格納し、情報の記録・再生・消去を行うためのヘッドやディスクを回転するためのモーター等が装備されている磁気ディスクドライブとそのドライブを制御するための制御系からなる磁気ディスク装置に応用できる。
本発明の磁気ディスク、およびそれを応用した磁気ディスク装置の用途としては電子計算機、ワードプロセッサー等の外部メモリーが挙げられる。またナビゲーションシステム、ゲーム、携帯電話、PHS等の各種機器、及びビルの防犯、発電所等の管理・制御システムの内部・外部記録装置等にも適用可能である。
本発明のパーフルオロポリエーテルの少なくとも一方の末端にフルオロアルキル基で置換されたシクロホスファゼン基を有するフッ素化合物は従来困難であった優れた自己修復性と潤滑剤分解抑制という2つの課題を同時に達成する潤滑剤を提供する。また、本発明の化合物を潤滑剤として用いた磁気ディスクは低温においても高回転での連続回転にも耐える効果を有する。
本発明のパーフルオロポリエーテル鎖の少なくとも一方の末端がシクロホスファゼン基である化合物の分解が抑制されるのは、分子内に存在するホスファゼン環がルイス塩基として働き、パーフルオロポリエーテルに先立ちAlと相互作用することで、パーフルオロポリエーテルの分解を抑制すると考えられる。また、国際出願公開WO01/21630A1パンフレットで開示された、パーフルオロポリエーテルの末端がアリーロキシ基で置換されたシクロホスファゼン基である化合物に比べて、本発明の化合物が優れた自己修復性を示す理由は、ホスファゼン環の置換基の構造に依存し、本発明の化合物はフルオロアルコキシ基のためアリーロキシ基よりディスク表面との相互作用が小さいためと考えられる。
以下、実施例および試験例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
(CFCHO)−P−OCHCFO(CFCFO)m−(CFO)n−CF−CHOH(ただし、−P−は環状) (化合物1)の合成
アルゴン雰囲気下、ジイソプロピルエーテル(770g)、トリフルオロエタノール(193g)および金属ナトリウム(40g)を0℃で24時間攪拌した後、0℃でシクロトリホスホニトリルクロライド(100g)を徐々に添加した。反応混合物を室温で2時間、攪拌した後、水洗、脱水し、トリフルオロエトキシ基が置換したシクロトリホスホニトリル、195gを得た。これをジイソプロピルエーテル(260g)に溶解させ、パーフルオロポリエーテルとして両末端が水酸基のSolvay Solexis製Fomblin Zdol−2000(平均分子量2000)77gと金属ナトリウム(1g)を加えて、70℃で120時間攪拌した後、濾過し、得られた濾液にジイソプロピルエーテル(400g)を加えた。これらの反応混合物を硝酸水溶液と水で洗浄した後、蒸留により溶媒を除去して、目的とする化合物を含む反応生成物、70g(これをAとする)を得た。この反応生成物Aを超臨界炭酸抽出することにより、目的とする(化合物1)25gを得た。化合物1は、無色透明液体であり、20℃での密度は、1.80g/cmであった。19F−NMRを用いて行った化合物1の同定結果を示す。
19F−NMR(溶媒;ジイソプロピルエーテル、
基準物質:生成物中のOCFCFCFCFOを−125.8ppmとする)
δ=−75.0ppm
〔15F,Rf−[CFCH−O−P−(OCH ]〕
δ=−78.3ppm、−80.4ppm
〔2F,Rf−[C CH−O−P−(OCHCF]〕
δ=−79.7ppm、−82.0ppm
〔2F,Rf−[C CH−O−H]〕
m=10.6 n=10.1
(CFCHO)−P−OCHCFO(CFCFO)m−(CFO)n−CF−CHOH(ただし、−P−は環状)(化合物2)の合成
実施例1に記載のパーフルオロポリエーテルとして、Solvay Solexis製Fomblin Zdol−4000(平均分子量4,000)を用いた他は、実施例1記載の方法に従って合成し、目的とする(化合物2)10gを得た。化合物2は、無色透明液体であり、20℃での密度は、1.81g/cmであった。19F−NMRを用いて行った化合物2の同定結果を示す。
19F−NMR(溶媒;なし、基準物質:生成物中のOCFCFCFCFOを−125.8ppmとする)
δ=−76.3ppm
〔15F,Rf−[CFCH−O−P−(OCH ]〕
δ=−78.9ppm、−80.6ppm
〔2F,Rf−[C CH−O−P−(OCHCF]〕
δ=−81.1ppm、−82.8ppm
〔2F,Rf−[C CH−O−H]〕
m=23.8 n=23.2
(CFCFCHO)−P−OCHCFO(CFCFO)m−(CFO)n−CFCHOH(ただし、−P−は環状)(化合物3)の合成
実施例1に記載の、トリフルオロエタノールの代りに2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノールを用いた他は、実施例1記載の方法に従って合成し、目的とする(化合物3)10gを得た。化合物3は、無色透明液体であり、20℃での密度は、1.80g/cmであった。19F−NMRを用いて行った化合物3の同定結果を示す。19F−NMRの分析方法は、実施例1記載の方法と同様に行った。
δ=−84.4ppm
〔15F,Rf−[CFCH−O−P−(OCHCF ]〕
δ=−123.9ppm
〔10F,Rf−[CFCH−O−P−(OCH CF]〕
δ=−78.3ppm、−80.4ppm
〔2F,Rf−[C CH−O−P−(OCHCFCF]〕
δ=−79.7ppm、−82.0ppm
〔2F,Rf−[C CH−O−H]〕
m=10.7 n=10.4
<試験例1> 膜厚経時変化の測定および拡散係数の算出
実施例1〜3で合成した化合物(化合物1〜3)をそれぞれDuPont製Vertrel−XFに溶解する。この溶液の化合物1〜3の濃度はいずれも0.1重量%である。直径2.5インチの磁気ディスクの一部分をこの溶液に浸漬し、速度2mm/sで引き上げることにより、潤滑層として化合物1〜3が塗布された部分と塗布されていない部分からなるディスクを作製した(図2参照)。塗布された部分の平均膜厚は、20Åであった。
上記のディスクを作製後すぐに、エリプソメーターに装着し、25℃の温度条件下にて一定時間毎に塗布部と非塗布部の境界付近における膜厚の変化を測定し、潤滑層の移動の様子を観察した。膜厚変化の一例を、図3に示した。また比較のため、両末端に水酸基を有するパーフルオロポリエーテルの少なくともひとつの末端が、アリーロキシ基で置換されたシクロホスファゼン基である化合物((株)松村石油研究所製モレスコホスファロールA20H−2000)を塗布したディスクを作製し、上記と同様の試験を行った。なおモレスコホスファロールA20H−2000を今後化合物4と記述する。
−OCHCFO(CFCFO)m−(CFO)n−CFCH−OH(化合物4)ここでRは、(m−CFO)−P−(ただし、−P−は環状)である。
化合物1〜4のディスク表面での移動のしやすさ(自己修復性)は、T時間後の潤滑層の移動距離(L)を測定し、拡散係数を算出し比較することで判定した。拡散係数は、下記式で表される。
拡散係数 = L/T
拡散係数の比較結果を表1に示す。これらの結果から本発明のパーフルオロポリエーテルの少なくとも一方の末端に、フルオロアルコキシ基で置換したホスファゼン官能基を有する化合物は、磁気ディスク上での自己修復性が優れるという効果が確認された。
Figure 0004711331
<試験例2> 酸化アルミニウムに対する耐分解性の測定
実施例1〜3で合成した化合物(化合物1〜3)のそれぞれに20重量%のAl(MPバイオメディカルズ製、ICN Alumina B,Akt.I、平均粒子径;100μm)を入れ、強く振とうしたのち超音波でさらに良く混合した試料を用いて、Alの存在下における熱挙動の比較を熱分析装置(TG/TDA)を使用して実施した。試験は、試料20mgをアルミ製容器に入れ、窒素雰囲気下、250℃の一定温度で加熱し、一定時間後の化合物の重量減少率を測定した。また比較のため、Alを添加せずに、化合物1〜3のそれぞれを20mg使用し、同様の熱分析を行った。さらに化合物1〜3に加えて、化合物4(松村石油研究所製モレスコホスファロールA20H−2000)およびホスファゼン環を有しないパーフルオロポリエーテルとして平均分子量5000の両末端に水酸基を有するパーフルオロポリエーテル(化合物5)も用いた。
結果を表2に示す。表2から明らかなように、本発明のホスファゼン環を有するパーフルオロポリエーテル化合物は、化合物4と同様に、Alによる重量減少の促進は見られず、耐分解性に優れることが確認された。
Figure 0004711331
潤滑剤を塗布した磁気ディスクの作製
実施例1〜3で得られた化合物(1〜3)、化合物(4)、および化合物(5)をそれぞれDuPont製Vertrel−XFに溶解する。この溶液の化合物1〜5の濃度はいずれも0.1重量%である。スパッタリング法で作製した直径3.5インチの記録媒体上にCVD法で100〜200ÅのDLC保護膜を作製したディスクをこの溶液に浸漬し、速度1mm/sで引き上げた。その後100℃で10分間乾燥し、潤滑層として化合物1〜5が塗布された磁気ディスクを作製した。潤滑層の平均膜厚は、10Åであった。これらのものを下記の試験に供した。
<試験例3> 潤滑剤を塗布した磁気ディスクの潤滑性の測定
潤滑剤の性能試験は、ヘッドにかかる力から摩擦係数を測定できるように改造したスピンドルスタンドを、5℃と35℃のそれぞれの恒温槽に入れ、CSS繰返しテストによる摩擦係数の変化を測定することにより実施した。CSSサイクルはヘッドがディスク表面に接触した状態で始動し、ヘッドが浮上した状態で所定回数10000rpmに達した後、再びヘッドがディスク表面に接触した状態で停止するまでの行程を33秒で行い、これを1サイクルとした。ヘッドはモノリシックMIG(metal in gap)で荷重は、7.5gとした。CSSテストの良否は、ヘッドとディスクが凝着(クラッシュ)するまでのサイクル数(CSS寿命)で判定した。
結果を表3に示す。表3から明らかなように、本発明のホスファゼン環を有するパーフルオロポリエーテル化合物は、35℃においては化合物4と同様に優れたCSS耐久性を示し、5℃においては化合物4以上にCSS耐久性に優れることが確認された。
Figure 0004711331
以上の結果より、本発明のバーフルオロポリエーテルの少なくとも一方の末端にフルオロアルキル基で置換されたシクロホスファゼン基を有するフッ素化合物は高回転かつ低温でも使用される磁気ディスク用潤滑剤として機能する効果が認められた。
本発明のパーフルオロポリエーテル鎖の末端がシクロホスファゼン基である化合物が、分解抑制とディスク表面の欠陥箇所への自己修復性を同時に付与できたことにより、該潤滑剤を用いて形成された潤滑層を有する磁気ディスクを提供でき、該磁気ディスクを装着した磁気ディスク装置により大容量の記録媒体の読み取り書き込みを高速で行うことが可能となる。
本発明の磁気ディスクの構成を示す断面模式図である。 試験例1で使用した磁気ディスクの表面模式図である。斜線部は化合物塗布部である。 試験例1で使用した磁気ディスクについて、所定時間ごとにエリプソメーターを用いて化合物の膜厚を測定した結果を表すグラフである。
符号の説明
1 支持体
2 記録層
3 保護層
4 潤滑層

Claims (6)

  1. 式(I)で表される化合物。
    A−CHCFO−(CFCFO)m−(CFO)n−CFCH−B (I)
    (式中Aは、下記式(a)で表される基である。式中Bは、水酸基または下記式(a)で表される基である。ここで、Rは、C2〜5のフルオロアルキル基であり、mは0または1〜40の実数、nは0または1〜40の実数である。)
    Figure 0004711331
  2. mおよびnが4〜21の実数である請求項1に記載の化合物
  3. 式(I)の化合物を含有する潤滑剤。
    A−CHCFO−(CFCFO)m−(CFO)n−CFCH−B (I)
    (式中Aは、式(a)で表される基である。式中Bは、水酸基または式(a)で表される基である。ここで、Rは、C2〜5のフルオロアルキル基であり、mは0または1〜40の実数、nは0または1〜40の実数である。)
    Figure 0004711331
  4. mおよびnが4〜21の実数である請求項3に記載の潤滑剤。
  5. 支持体上に少なくとも記録層、保護層を形成し、その表面にパーフルオロポリエーテル構造を有する化合物からなる潤滑層を有する磁気ディスクにおいて、該潤滑層が下記式(I)で表される化合物を含有することを特徴とする磁気ディスク。
    A−CHCFO−(CFCFO)m−(CFO)n−CFCH−B (I)
    (式中Aは、式(a)で表される基である。式中Bは、水酸基または式(a)で表される基である。ここで、Rは、C2〜5のフルオロアルキル基であり、mは0または1〜40の実数、nは0または1〜40の実数である。)
    Figure 0004711331
  6. mおよびnが4〜21の実数である請求項5に記載の磁気ディスク。
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