JP4711164B2 - 膜パターン形成方法、および細胞アレイ - Google Patents

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Description

本発明は、表面に粒子状物質を含む膜パターンが形成された固相担体の製造方法に関する。
近年、人工的にヒトの組織を構築する再生医療の開発が様々なアプローチで進められている。例えば、培養皮膚は広範な熱傷に対する有効性が示され、人命を救う手段として用いられ始めている。しかし、これまでに開発されている培養皮膚には毛穴、汗腺など皮膚の重要な器官が欠損しており、皮膚の代替物として完全な機能を果たしているとは言えない。
組織、臓器の重要な特徴は、必要な細胞が適当な個所に配置され機能を発揮している点にあり、ヒト組織の代替物として培養組織、培養臓器を作製する為には、自由自在に任意の空間に細胞を配置する方法が必要である。
また、基板上に細胞を規則正しく固定した細胞アレイも開発されつつあり、特定の遺伝子を用いてこの細胞を形質転換することによる発現解析や、薬物の毒性や安全性評価等に用いることができると考えられる。基板上で発現解析や薬物のスクリーニング等ができれば、サンプルが少量ですみ、反応時間を高速にすることができ、分析コストを低減することができるというメリットがある。
このように基板上の所望の位置に細胞を配置したり、細胞アレイを作製したりする方法として、例えば、細胞に親和性を有する機能性物質をインクジェット法等によって基板上にパターニングし、このパターン上に細胞を配置する手法が提案されている(例えば、「特許文献1」を参照)。この場合、基板表面にこの機能性物質と結合しうる化合物を固定しておくことによって、機能性物質を好適に吸着させることができる。
一方、細胞以外の生体試料、例えば核酸や蛋白質を含む液滴をインクジェット法によって基板上にパターニングし、いわゆるDNAマイクロアレイやプロテインマイクロアレイを作製する方法も用いられている。
このようなマイクロアレイは、核酸−核酸、核酸−蛋白質、蛋白質−蛋白質といった生体分子間の相互作用の網羅的な解析や、疾患の診断といった用途のために開発が進められている。
特開2002−355026号公報
細胞に親和性を有する機能性物質として、下記式(1)
Figure 0004711164
[式中、Xはマレイミド基、NHS基等の反応性基を表し、nは1以上の整数を表す]に示される、BAM(Biocompatible Anchor for Membrane)と呼ばれる細胞修飾剤が知られている。BAMは、そのオレイル基が細胞膜に親和性を有し、細胞を傷つけることなく吸着することができるので、BAMを基板上にパターニングし、形成された膜パターン上に細胞を播種することによって、所望のパターンに細胞を固定化することが可能である。
例えば、XがNHS基であるBAMを、ウシ血清アルブミン(Bovine Serum Albumin;BSA)を固定化した基板上に供給すると、BSAのアミノ基とBAMのNHS基とが化学結合することによりBAMが基板表面に吸着される。続いてBAMに細胞を吸着させることができるので、BAMを所望のパターンに固定化しておくことによって、その上に固定される細胞も所望のパターンに固定できる。
基板表面等に、BAMを含む試料を微細なパターンに従って供給する方法として、インクジェット法が挙げられる。しかしながら、BAM等の機能性物質は比較的低濃度の溶液として用いられることが多く、インクジェット法によってライン状パターンを得る為に液滴を基板上に供給した時に「ピニング」が起こらず、液滴が乾燥するにつれてバルジと呼ばれる液だまりが形成され、最終的には、不規則にラインがちぎれた膜パターンとなってしまうことが多い。
ここで「ピニング」について説明する。一般に、固相担体上に配置された液滴は縁(エッジ)において乾燥の進行が速い。液滴の乾燥過程において、液滴の縁における固形分濃度が飽和濃度に達すると、その縁において固形分が局所的に析出する。すると、その析出した固形成分によって、液滴の縁がピン止めされたような状態となり、それ以降の乾燥に伴う液滴の外径の収縮が抑制される。この現象、すなわち縁で析出した固形分によって乾燥に伴う液滴の収縮が抑制される現象をピニングと呼ぶ。液滴の溶質濃度が低い場合、液滴の縁における濃度が飽和濃度に達しにくくなる為にピニングが起こりにくくなり、ピン止めされることなく、液滴の径が収縮する。このような現象をディピニングと呼ぶ。
インクジェット法では、吐出される液滴が極めて微量なので乾燥しやすいという問題もある。このため、BAM等の機能性物質と、BSA等の基板表面の化合物との反応時間が十分に得られず、機能性物質が十分に固定化されないことがある。
そこで、本発明は、まず粒子状物質に親和性を有する機能性物質を含む膜を固相担体表面にパターニングし、これに粒子状物質を吸着させることによって、細胞等の粒子状物質をライン状のパターンに固定化する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、機能性物質を含む液滴を基板表面にドット状に吐出する際に、ドット間の距離を制御して、ドットの組合せからなる膜パターン上に粒子状物質を吸着させることによって粒子状物質を、機能性物質がパターニングされたドット間をまたぐように吸着させ、ライン状のパターンを形成できること、;また、機能性物質を含む液滴にピニング剤を添加して吐出することによって、ライン状の膜パターンも好適に形成できること;さらに、乾燥抑制手段を用いながら機能性物質の吐出を行うことによって、機能性物質が固相担体表面に良好に固定化されること、を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、〔1〕粒子状物質を含む膜パターンが形成された固相担体の製造方法であって、前記固相担体表面に、前記粒子状物質に親和性を有する機能性物質と結合可能な化合物を固定化する第一工程と、前記化合物が固定化された固相担体表面に、前記機能性物質を含む液滴を前記膜パターンの形状に従って吐出する第二工程と、前記機能性物質に前記粒子状物質を吸着させる第三工程と、を含み、前記第二工程において、前記液滴をドット状に吐出する、方法;〔2〕前記第二工程において、各ドット間の距離が前記粒子状物質の平均の直径の2倍より短くなるように、前記液滴を吐出する、上記〔1〕に記載の方法;〔3〕粒子状物質を含む膜パターンが形成された固相担体の製造方法であって、前記固相担体表面に、前記粒子状物質に親和性を有する機能性物質と結合可能な化合物を固定化する第一工程と、前記化合物が固定化された固相担体表面に、前記機能性物質を含む液滴を前記膜パターンの形状に従って吐出する第二工程と、前記機能性物質に前記粒子状物質を吸着させる第三工程と、を含み、前記機能性物質を含む液滴が、ピニング剤として微粒子を含む、方法;〔4〕前記微粒子がポリスチレンである、上記〔3〕に記載の方法;〔5〕前記第二工程が、吐出された前記液滴の乾燥抑制手段を備える、上記〔1〕から〔4〕のいずれか1項に記載の方法;〔6〕前記乾燥抑制手段は、前記液滴が乾燥する前または乾燥した後に、前記液滴と同一の溶液もしくは溶媒、若しくは異なる液体からなる液滴を重ねて吐出する手段を含む、上記〔5〕に記載の方法;〔7〕前記乾燥抑制手段は、前記吐出された液滴の冷却手段を含む、上記〔5〕に記載の方法;〔8〕前記乾燥抑制手段は、前記液滴を吐出する吐出手段の吐出部に対して前記固相担体を乗せた稼動部の移動速度を10mm/秒以下とする手段を含む、上記〔5〕に記載の方法;〔9〕前記乾燥抑制手段は、前記固相担体上において、前記吐出された液滴から1mm以内に、前記液滴と同一の溶液もしくは溶媒、若しくは異なる液体を配置する手段を含む、上記〔5〕に記載の方法;〔10〕前記液滴が、非プロトン性の極性溶媒を少なくとも1種含むことを特徴とする、上記〔1〕から〔9〕のいずれか1項に記載の方法;〔11〕前記非プロトン性の極性溶媒が、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン、ジメチルイミダゾルジノン、およびγ−ブチロラクトンからなる群から選択される少なくとも1種類の溶媒である、上記〔10〕に記載の方法;〔12〕前記液滴が、被膜剤が添加された水を含む、上記〔1〕から〔9〕のいずれか1項に記載の方法;〔13〕前記被膜剤が、シランカップリング剤またはシリコーンオイルである、上記〔12〕に記載の方法;〔14〕前記シランカップリング剤が、オクタデシルトリメトキシシランまたはオクタデシルトリエトキシシランである、上記〔13〕に記載の方法;〔15〕前記被膜剤が、前記液滴中に1ppm〜0.1wt%含まれている、上記〔12〕から〔14〕のいずれか1項に記載の方法;〔16〕前記液滴が、イオン性液体を含む、上記〔1〕から〔9〕のいずれか1項に記載の方法;〔17〕前記イオン性液体の粘度が60cp以下である、上記〔16〕に記載の方法;〔18〕前記第二工程において、液滴の吐出がインクジェット法によって行われる、上記〔1〕から〔17〕のいずれか1項に記載の方法;〔19〕前記機能性物質が、前記化合物と結合する官能基と、前記粒子状物質に親和性を有する官能基と、を少なくとも有する、上記〔1〕から〔18〕のいずれか1項に記載の方法;〔20〕前記機能性物質がBAMである、上記〔19〕に記載の方法;〔21〕前記化合物がウシ血清アルブミンである、上記〔1〕から〔20〕のいずれか1項に記載の方法;〔22〕前記粒子状物質が細胞である、上記〔1〕ら〔21〕のいずれか1項に記載の方法;〔23〕機能性物質を含む膜パターンが形成された固相担体の製造方法であって、固相担体表面に前記機能性分子と結合可能な化合物を固定化する工程と、前記化合物が固定化された固相担体表面に、前記機能性物質を含む液滴を前記膜パターンの形状に従って吐出する工程と、を含み、前記機能性物質を含む液滴に、ピニング剤として微粒子が混入されている、方法、および;〔24〕前記液滴を前記膜パターンの形状に従って吐出する工程が、吐出された前記液滴の乾燥抑制手段を備える、上記〔23〕に記載の方法、に関する。
ここで、溶液とは、溶質と溶媒の混合物を示す。また、溶質とは溶液の中で溶けている固形分を示し、溶媒とは溶液の中の液体を示す。
本発明に係る粒子状物質を含む膜パターンが形成された固相担体の製造方法によれば、機能性物質を含む液滴を固相担体表面に吐出する際、ドット状に吐出するので液滴が乾燥につれて変形したり、ちぎれたりする問題を回避する事ができ、尚且つ粒子状物質はライン状に固定化することができる。また、機能性物質を含む液滴の量も少なくてよい。
また、本発明に係る粒子状物質を含む膜パターンが形成された固相担体の製造方法によれば、機能性物質を含む液滴にピニング剤として微粒子を添加するので、液滴のピニングが好適に起こり、機能性物質を含む膜をきれいなライン状に形成することができ、結果として、粒子状物質を含む膜パターンもライン状に形成することができる。
本発明に係る「粒子状物質を含む膜パターンが形成された固相担体の製造方法」は、固相担体表面に、粒子状物質に親和性を有する機能性物質と結合可能な化合物を固定化する第一工程と、化合物が固定化された固相担体表面に、機能性物質を含む液滴を上記膜パターンの形状に従って吐出する第二工程と、機能性物質に粒子状物質を吸着させる第三工程と、を含み、第二工程において、液滴をドット状に吐出することを特徴とする。
かかる構成によれば、液滴をライン状に吐出しないので、液滴が乾燥するにつれてラインがちぎれて不規則な液だまりが形成されることがない。間隔をおいて形成されたドット状の膜パターンに、粒子状物質を吸着させ、粒子状物質がドット間をまたぐように吸着されたライン状の膜パターンが形成される。また、液滴が少なくてよいという利点も得られる。
液滴の各ドット間の距離は特に限定されず、例えば粒子状物質同士に粘着性、親和性がある場合には粒子状物質の大きさにかかわらず比較的広い間隔としてもライン状パターンを得ることができるが、好ましくは粒子状物質の平均の直径の2倍より短くなるように配置される。かかる構成により、隣接する二つの粒子状物質はその一端において他の粒子と、もう一端において各液滴に接触することが可能となるので、粒子状物質は液滴に含まれる機能性物質によって固相担体表面に固定化されると同時に、途切れないライン状のパターンを形成することが可能となる。
具体的には、例えば、粒子状物質の直径が20μmである場合、ドット間の距離(ドットの外周間の距離)を40μm以下とすればよい。
また、本発明に係る「粒子状物質を含む膜パターンが形成された固相担体の製造方法」は、上述の第一から第三工程を含み、機能性物質を含む液滴がピニング剤として微粒子を含むことを特徴とする。
本発明に係る製造方法によれば、機能性物質を含む溶液に微粒子が混入されているので、機能性物質の濃度が低くても、液滴の乾燥過程において、液滴の縁における微粒子の濃度が十分に高くなりピニングを誘発する。これにより、液滴が収縮してちぎれるのを防ぐことが可能となり、液滴を吐出することによって、きれいなライン状の膜パターンを形成することができる。
ピニング剤として混入する微粒子は、液滴が乾燥する際に外周部に析出しやすく、液滴中で機能性分子に影響を与えない物質である限りにおいて特に限定されないが、膜パターン形成後の後処理工程で、固相担体から剥離可能であるか、溶出させて取り除くことができる物質が特に好ましく、例えばポリスチレン微粒子が挙げられる。
また、本発明に係る製造方法は、固相担体表面に機能性物質を含む液滴を吐出する第二工程が、吐出された液滴の乾燥抑制手段を備えることを特徴とする。
かかる方法によれば、基板上に吐出され着弾した微量の液滴が乾燥するまでの時間が延長される。液滴が乾燥するまでの時間が、機能性物質と固相担体表面に固定された化合物とが液相で反応できる時間となるので、機能性物質が十分に固定化される。その結果、機能性物質のパターン上に吸着される粒子状物質も十分に固定化することができる。
本発明に係る「乾燥抑制手段」は、前記液滴が乾燥する前、または乾燥した後に該液滴上に少なくとも1回液体を吐出する手段を含む。
液滴が乾燥する前に重ねて液体を吐出すれば、液滴が乾ききるまでの時間が延長される。これにより、機能性物質と化合物との反応時間を確保することができ、固相担体表面に機能性物質を十分な量固定化することができる。重ねて吐出する液体は、機能性物質を含む液滴と同質の溶液であってもよいし、当該液滴の溶媒のみであってもよく、また当該液滴と異なる溶媒でもよく、更には上記ピニング剤を含んでいてもよい。機能性物質を含む液滴を重ねて吐出すれば、乾燥時間を延ばす効果に加えて、溶質を増加させて液滴を高濃度化したのと同様の効果を生じるので好ましい。
前記液体は最初の液滴の着弾直後よりも、乾燥後期に供給することが好ましい。着弾直後に供給すると吐出量を増加させたのと同様の状態となり、液滴の着弾径が大きくなって微細なパターンを描けないからである。
また、最初の液滴が乾燥した後に液体を吐出しても、溶液が着弾した領域において、一度乾燥した液滴に含まれていた機能性物質が、再度化合物との反応を開始することができるので、機能性物質を固相担体表面に十分量固定化することが可能となる。この場合も、供給する液体は、機能性物質を含む液滴と同質の溶液であっても良いし、当該液滴の溶媒のみであっても良く、また当該液滴と異なる溶媒でもよい。
本発明に係る「乾燥抑制手段」は、前記吐出された液滴の冷却手段を含む。液滴を冷却することにより、液滴が乾燥するのを遅らせることが可能となり、機能性物質と化合物との反応時間を長くすることができる。液滴は、例えば、固相担体を載置したステージを冷やして冷却してもよいし、第二工程を低温の雰囲気中で行うことによって冷却してもよい。
また、本発明に係る「乾燥抑制手段」は、吐出部に対して前記固相担体を乗せた稼動部の移動速度を10mm/秒以下とする手段を含む。液滴を吐出して膜パターンを形成する場合には、液滴吐出ヘッドに対する固相担体の位置を相対的に移動させる必要がある。固相担体を移動させる場合は、通常の移動速度(例えば、約10cm/秒)とすると、固相担体上に着弾した液滴が風を受けるので、該液滴の乾燥は速くなってしまう。固相担体の移動速度を10mm/秒以下とすれば、液滴が受ける風が少なくなり、乾燥を遅らせることができる。この乾燥抑制手段は特に乾燥初期に行うと効果的である。
本発明に係る「乾燥抑制手段」はまた、固相担体上の液滴から1mm以内に液体を配置する手段を含む。配置する液体は、前記機能性物質を含んだ溶液でもよく、溶媒のみでもよい。かかる構成によれば、お互いの蒸気の影響で乾燥速度が遅くなる。従って機能性物質と固相担体表面の化合物との反応時間を十分に確保することができ、機能性物質を良好に吸着することができる。特に500μmよりも近いとお互いの蒸気の影響が強く好ましい。
本発明に係る製造方法において、機能性物質を含む液滴は、非プロトン性の極性溶媒を少なくとも1種含むことを特徴とする。非プロトン性の極性溶媒は、比較的沸点が高く、液滴がすぐに乾燥するのを防ぐことができ、インクジェット法等による吐出にも好適である。非プロトン性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン、ジメチルイミダゾルジノン、γ−ブチロラクトン等が好ましく、これらの中から1種または2種以上選択して用いることができる。
また、本発明に係る製造方法において、機能性物質を含む液滴は、被膜剤が添加された水を含むことが好ましい。被膜剤としては、例えば、液滴に対して表面配向性を持ち気液界面に吸着するもの(例えば界面活性剤など)、液滴の主成分溶媒または分散媒よりも高沸点であるものが挙げられ、特に好適な被膜剤としては、シランカップリング剤やシリコーンオイル(例えばポリジメチルシロキサン等)が挙げられる。シランカップリング剤の中では、オクタデシルトリメトキシシランやオクタデシルトリエトキシシランが特に好ましい。液滴の溶媒の種類によって、被膜剤が溶解しない場合は、末端の官能基等を変化させた構造のものを用いることができる。
被膜剤は、気液界面に吸着して分子レベルの被膜を形成し、これが液滴の蒸発を防ぐ膜として働くので、極低濃度で効果があり、好ましくは、飽和吸着濃度以上(例えば1ppm)〜0.1wt%程度添加するのが好ましい。この範囲の量であれば、膜に与える影響も少ない。本手段を用いれば、液滴の主成分溶媒または分散媒が低沸点で乾燥速度が速いものであっても、乾燥速度を劇的に遅くすることができる。
さらに、本発明に係る「乾燥抑制手段」は、液滴の溶媒にイオン性液体を用いる手段を含む。イオン性液体は常温溶融塩とも呼ばれ、常温でも結晶化せず溶融している特殊な有機塩をいう。蒸気圧がほとんどゼロで、高温や真空にしても蒸発しないという特徴を持つので、液滴の溶媒として用いれば液滴の乾燥が起こらず、機能性物質と基板表面に固定された化合物との反応時間を確保することができる。不揮発性液体なので、インクジェット法を用いる際にはノズルの目ヅマリが起きないという効果も得られる。インクジェット法により吐出することを考慮すると、イオン性液体としては、常温で粘度が60cps以下のもの、好ましくは50cps以下のものが好適である。
本発明に係る製造方法の第二工程において、液滴の吐出には、少量の液滴を精度よく供給することが可能なインクジェット法を用いることができる。インクジェット法には、溶液を吐出する方法として、ピエゾ素子を用いたピエゾジェット法、サーマル素子を用いたサーマルジェット法、振動板と電極間の静電力を利用した静電アクチュエータ法がある。いずれの方法を用いてもよいが、好適には、温度に敏感な生体試料を扱う場合には、吐出された液滴に高温がかからないピエゾジェット法または静電アクチュエータ法を用いることができる。
本発明に係る製造方法によって固相担体に形成される膜パターンに含まれる粒子状物質は、特に限定されず、膜パターンの使用目的に応じて様々に変更可能であり、正確な球状である必要もない。特に、溶液としてインクジェット法により吐出するなどの微細なパターンを描く方法に適さない粒子状物質を固定化したい場合、本発明に係る製造方法が好適である。このような粒子状物質としては、例えば細胞、細菌、ウイルス、生体組織等のほか、金属微粒子等の無機物質も挙げられ、特に細胞が好ましい。
本発明に係る製造方法を用いて細胞を固定化すれば、細胞を固相担体表面上の所望の位置に、微細なパターンに従って配置することができ、いわゆる「細胞アレイ」を得ることが可能である。得られた細胞アレイの上にゼラチンを塗布し、これを剥がすことで、パターニングした細胞をゼラチン上に転写して、この細胞を培養したり、分化させたりすることができ、再生医療の分野においても有用である。
なお、粒子状物質は、その粒子状物質に親和性を有する機能性物質が存在する場合はそのまま用いることができ、好適な機能性物質がない場合は、表面を適当な官能基や生体分子等で修飾して用いることも可能である。
本発明で用いられる機能性物質は、これが固相担体に固定化された化合物に吸着することができる機能および、目的に応じて特定の粒子状物質を結合させる機能を有する分子である限りにおいて特に限定されず、例えば生体分子であってもよいし、合成された分子であってもよい。
生体由来の分子としては、例えば、核酸、タンパク質、糖、脂質などが挙げられる。これらの物質を固相担体に固定化することにより、核酸間のハイブリダイゼーション、抗原−抗体反応、酵素−気質反応、受容体−リガンド相互作用など、生体分子の特異的な親和性を利用して、粒子状物質を固定化することができる。
また、合成された分子としては、例えば、固相担体上に固定化された化合物と結合する官能基を有し、それとは別に粒子状物質に親和性を有する官能基を有する分子が挙げられる。かかる化合物として、例えば、上述のBAMが好適である。特に、式(1)におけるXがNHS基である、下記式(2)
Figure 0004711164
で表されるE290型BAM(n=90、分子量4400)は、アミノ基と容易に結合するので好ましい。
本発明に係る製造方法で用いられる機能性物質と結合可能な化合物は、機能性物質と液相で反応し、結合できる化合物であれば特に限定されない。例えば機能性物質が核酸である場合、ポリL−リシン等が挙げられる。ポリL−リシンでコーティングしたガラス担体を用いれば、核酸分子を修飾しなくても固定化することが可能である。核酸分子をアミノ基で修飾した場合は、上記「機能性物質と結合しうる化合物」として、アルデヒド基を有するものを用いれば、核酸分子を容易に固定化できる。同様に機能性物質が蛋白質である場合は、蛋白質のアミノ末端、カルボキシ末端、またはポリペプチド鎖の途中の残基で表面に露出しているものと結合しうる官能基を有する化合物を「機能性物質と結合しうる化合物」として用いることができる。
特に、機能性物質がE290タイプのBAMである場合には、E290のコハク酸基と結合するアミノ基を有するものが好ましく、例えば、ウシ血清アルブミン(BSA)を用いることができる。
なお、第二工程において吐出される液体が上述の非プロトン性溶媒を含む場合、BSAを用いれば液滴の後退接触角を十分に小さくすることが可能となる。これにより、液滴が乾燥につれて後退する前に、ピニングを起すことが可能となり、きれいなライン状のパターンを描くことができて好ましい。
本発明で用いられる「固相担体」は、本発明に係る「機能性物質と結合しうる化合物」を固定することができ、この化合物と機能性物質との反応を妨げない担体である限りにおいて特に限定されず、如何なる材料からなる担体であってもよく、如何なる形状であってもよい。好適な材料としては、例えばガラス、金属(例えば、金、銀、銅、アルミニウム、白金、酸化アルミニウム等)、シリコン(例えば、酸化ケイ素等)、ポリマー樹脂(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等)等が挙げられ、これらの材料による基板であることが好ましい。
また、本発明は、機能性物質を含む膜パターンが形成された固相担体の製造方法であって、固相担体表面に機能性分子と結合可能な化合物を固定化する工程と、化合物が固定化された固相担体表面に、機能性物質を含む液滴を膜パターンの形状に従って吐出する工程と、を含み、機能性物質を含む液滴に、ピニング剤として微粒子が混入されている方法をも提供する。
かかる方法によれば、固相担体表面に、機能性物質を含む、きれいなライン状の膜パターンを形成することが可能である。機能性分子として、核酸、タンパク質、糖、脂質などの生体分子を用いれば、生体分子の特異的な親和性を利用して、標的物質を固相担体表面に捕捉することができ、被検試料中から標的物質を検出するための生体分子アレイとして用いることができる。この生体分子アレイにおいて、機能性物質は生体分子を捕捉するためのプローブとして機能を果たすものといえる。なお、機能性物質、固相担体、ピニング剤等の言葉の定義は、上述の通りである。
また、本発明に係る、機能性物質を含む膜パターンの形成された固相担体の製造方法においては、液滴を吐出する工程において、上述した種々の乾燥抑制手段を用いることができる。
本発明に係る製造方法に従い、粒子状物質として細胞を含む膜パターンが形成された固相担体を製造した。まず、機能性物質としてBAMを含む溶液をガラス基板上にドット状に吐出し、このドットパターン上に細胞を吸着させ、吸着された細胞の量を測定した。本実施例では、乾燥抑制手段として、固相担体の移動速度を1mm/s以下とする手段を用いた。
(第一工程)
固相担体としてガラス基板を準備し、機能性物質と結合可能な化合物としてBSAを、スピンコート法によりガラス基板表面に塗布した。
(第二工程)
次に、非プロトン性溶媒であるジメチルスルホキシド(DMSO)を溶媒とするBAMの54mM溶液と1mM溶液、および水を溶媒とするBAMの1mM溶液を調製し、これらを機能性物質を含む液滴として、上記ガラス基板上に吐出した。
液滴の吐出には、ピエゾ素子を用いたインクジェット式吐出装置を用いた。図1にインクジェット式吐出装置の一例10を、図2に装置10の吐出ヘッド21を示す。
上記BAM溶液は液体材料供給系34に含まれるタンクに収容され、液体材料供給系34を介して液室31に供給される。液室31に隣接してピエゾ素子32が設置され、ピエゾ素子32は駆動回路33に接続されており、この駆動回路33を介してピエゾ素子32に電圧が印加される。ピエゾ素子32を変形させることにより、液室31が変形し、ノズル30からBAMを含む液滴が吐出される。このとき、印加電圧の値を変化させることにより、ピエゾ素子32の歪み量が制御され、印加電圧の周波数を変化させることにより、ピエゾ素子32の歪み速度が制御される。すなわち、液体吐出ヘッド21では、ピエゾ素子32への印加電圧の制御により、ノズル30からの液滴の吐出の制御が行われる。
液体吐出ヘッド21をX方向に、ガラス基板20を載置したステージ22をY方向に
移動させることにより、所望の膜パターン状に液滴を吐出することができる。
本発明に係る乾燥抑制手段の効果を確認するため、インクジェット吐出装置のステージ速度を500μm/sから100000μm/sまで変更することにより、ガラス基板の移動速度を変化させ、図3に示すパターンの通り、ドット状にパターニングした。吐出量は、細線を描くのに好適な1ドットあたり6plとし、吐出後は静置して液滴を乾燥させた。
(第三工程)
BAMを含む膜パターンが形成されたガラス基板表面を水で洗浄し、マウス骨髄性白血病細胞である32D細胞を膜パターン上に播種し、5分間静置した後、再びリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)で洗浄した。
(固定化された細胞の確認)
次に細胞を蛍光染色し、これを顕微鏡にて観察し、吸着された細胞の数を数えることによって、吸着の効率を評価した。
図4に結果を示す。白い小さな円が細胞である。ドット状に吐出されたBAM上に、それぞれ10から20個程度の細胞が固定化されているのが確認された。ステージ速度を最も遅くした場合(500μm/s)に、BAMがもっとも良好に吸着されることが認められ、本発明に係る乾燥抑制手段の有効性が示された。BAM濃度は、高濃度(54mM)の場合に、より良好に細胞が吸着されることが認められた。
本実施例では、乾燥抑制手段として、液滴から1mm以内に液体を配置する手段を用いた。
(第一工程)
第一工程は、実施例1と同様に行ったので説明を省略する。
(第二工程)
実施例1と同様にBAM溶液を調製し、図3に示すパターンの通りに液滴を吐出した。液滴の半径は約25μmであり、液滴の中心から隣接する液滴の中心までは、それぞれ、60μm、100μm、200μm、500μmである。吐出量は、細線を描くのに好適な1ドットあたり6plとし、吐出後は静置して液滴を乾燥させた。
(第三工程および固定化された細胞の確認)
第三工程および固定化された細胞の確認を実施例1と同様に行った。この結果、液滴間距離が最短(60μm)の場合に、BAMがもっとも良好に吸着されることが認められた。なお、BAM濃度は、高濃度の場合に(54mM)、より良好に細胞が吸着されることが認められた。
本実施例では、乾燥抑制手段として、液滴が乾燥した後に、その液滴上に溶液を重ねて吐出する手段を用いた。
(第一工程)
第一工程は、実施例1と同様に行ったので説明を省略する。
(第二工程)
実施例1と同様にBAM溶液を調製し、図3に示すパターンの通りに液滴を吐出した後、乾燥を挟んでさらに1回、3回、または5回、溶液を繰り返し同様のパターンで吐出した。吐出量は、細線を描くのに好適な1ドットあたり6plとし、吐出後は静置して液滴を乾燥させた。
(第三工程および固定化された細胞の確認)
第三工程および固定化された細胞の確認を実施例1と同様に行った。この結果、5回重ねて吐出した場合に、BAMが最も良好に吸着されることが認められた。なお、BAM濃度は、高濃度の場合に(54mM)、より良好に細胞が吸着されることが認められた。
本実施例は、液滴にピニング剤を添加して固相担体表面に吐出した場合に、液滴がちぎれずにきれいなライン状の膜パターンを形成できることを確認するために行った。
固相担体としてシリコン基板を用い、アミノプロピルトリエトキシシランによる自己組織化単分子膜(Self-Assembled Monolayer;SAM膜)を形成した。SAM膜上に、ピニング剤として、ポリスチレン微粒子(粒径φ=1.5μm)を0.1重量%分散させた液滴を50μmピッチで吐出し、ライン形状を形成した。その後、乾燥過程を顕微鏡で真上から観察した。
図5は、乾燥の過程を示す説明図である。図5(A)に示されるように吐出された液滴は、徐々に乾燥して同図(B)に示されるように減少するが、液滴は外周部ほど乾燥が速いため、まず外周部で溶質のポリスチレン微粒子が析出し始める。
ひとたび析出が起きると、液滴は析出したポリスチレンにピン止め(ピニング)された状態になり、それ以上乾燥しても液滴の着弾径が収縮しなくなる。すると液滴外周部では、蒸発により失った液体を液滴中央部から補給する必要がでる為、中央部から外周部へ向かう液体の流れができる。液滴内のポリスチレンはその流れに従いさらに外周部へ運ばれる。
完全に乾燥した後、真上から顕微鏡により観察した結果を図6に示す。ライン状の液滴があった場所の外周に沿ってポリスチレンが析出しているのがわかる。液滴にピニング剤を添加することによりディピニングが防止され、途中で液滴がちぎれることなくライン形状を保ったまま乾燥したことが確認された。
ここで、比較のため、ピニング剤を添加しない液滴(例えばDMSOのみ)を吐出してライン形状を形成した場合の乾燥の過程の一例を図7に示す。ライン状に吐出された液滴は、ディピニングが起こり、完全に乾燥するまでに途中でちぎれ、ライン状の膜パターンを形成することができない。
本実施例では、本発明に係る細胞アレイの製造方法に従って、連続的なライン状に細胞が固定された細胞アレイを作製した。
(第一工程)
固相担体としてガラス基板(接触角15度)を用い、表面にBSAを塗布した。
(第二工程)
機能性物質としてBAMを含む液滴(54mM、溶媒はDMSO)を、図8に示すドット状のパターンに吐出した。ステージ速度は100000μm/sとし、液滴量は1ドットあたり6pl〜30plまで変更させ、いずれの液滴量の場合においてもドットのそれぞれが5μm隔てて配置されるようにした。吐出した液滴は、静置して乾燥させた。
(第三工程および固定化された細胞の確認)
第三工程、および細胞の確認は実施例1と同様に行ったので説明を省略する。
結果を図9から図13に示す。図9は1ドットあたり6pl、図10は12pl、図11は18pl、図12は24pl、図13は30pl吐出した場合である。これらの結果から、ライン状の細胞の膜パターンを、液滴自身をライン状にするのではなく、ドット状に吐出して得るプロセスの有効性が示せた。また、液滴量が多くなってゆくにつれて細胞が高密度化していることから、溶質量が多く、乾燥時間が遅い程細胞の固定化量が増えている事も確認された。
本発明で用いられるインクジェット式吐出装置の一例を示す図である。 図1に示すインクジェット式吐出装置の液滴吐出ヘッドを示す図である。 実施例1〜5におけるBAMを含む液滴の吐出パターンを示す図である。 BAMに吸着された細胞の蛍光を顕微鏡で観察した結果を示す写真である。 ピニング剤を添加された液滴の乾燥過程を示す説明図である。 ピニング剤を添加された液滴を乾燥後に顕微鏡で観察した結果を示す写真である。 ピニング剤を添加しない液滴の乾燥過程を示す比較例の説明図である。 実施例6におけるBAMを含む液滴の吐出パターンを示す図である。 BAMを含む液滴を1ドットあたり6pl吐出し、細胞をライン状に吸着させた結果を示す写真である。 BAMを含む液滴を1ドットあたり12pl吐出し、細胞をライン状に吸着させた結果を示す写真である。 BAMを含む液滴を1ドットあたり18pl吐出し、細胞をライン状に吸着させた結果を示す写真である。 BAMを含む液滴を1ドットあたり24pl吐出し、細胞をライン状に吸着させた結果を示す写真である。 BAMを含む液滴を1ドットあたり30pl吐出し、細胞をライン状に吸着させた結果を示す写真である。
符号の説明
10…インクジェット式吐出装置、20…ガラス基板、21…液滴吐出ヘッド、30…ノズル、31…液室、32…ピエゾ素子、33…駆動回路、34…液体材料供給系

Claims (19)

  1. 細胞を含むライン状の膜パターン固相担体に形成する方法であって、
    前記固相担体表面に、前記細胞と親和性を有する機能性物質と結合可能な化合物を固定化する第一工程と、
    前記化合物の表面に、前記機能性物質を含む液滴を吐出し、ドットを形成する第二工程と、
    前記ドットに含まれる前記機能性物質に前記細胞を吸着させる第三工程と、を含み、
    前記第二工程において、前記ドットはライン状に配置され、前記ドット間の距離は前記細胞の平均の直径の2倍より短く、前記液滴は、前記液滴の縁においてピニングを誘発するためのピニング剤を含み、
    前記細胞は前記ドットの間をまたいで前記膜パターンが形成されるように吸着される、方法。
  2. 前記ピニング剤がポリスチレンである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第二工程が、吐出された前記液滴の乾燥抑制手段を備える、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記乾燥抑制手段は、前記液滴が乾燥する前または乾燥した後に、前記液滴と同一の溶液若しくは溶媒、若しくは異なる液体からなる液滴を重ねて吐出する手段を含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記乾燥抑制手段は、前記吐出された液滴の冷却手段を含む、請求項3に記載の方法。
  6. 前記乾燥抑制手段は、前記液滴を吐出する吐出手段の吐出部に対して前記固相担体を乗せた稼動部の移動速度を10mm/秒以下とする手段を含む、請求項3に記載の方法。
  7. 前記乾燥抑制手段は、前記固相担体上において、前記吐出された液滴から1mm以内に、前記液滴と同一の溶液若しくは溶媒、若しくは異なる液体を配置する手段を含む、請求項3に記載の方法。
  8. 前記液滴が、非プロトン性の極性溶媒を少なくとも1種含むことを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記非プロトン性の極性溶媒が、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン、ジメチルイミダゾルジノン、およびγ−ブチロラクトンからなる群から選択される少なくとも1種類の溶媒である、請求項8に記載の方法。
  10. 前記液滴が、被膜剤が添加された水を含む、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記被膜剤が、シランカップリング剤またはシリコーンオイルである、請求項10に記載の方法。
  12. 前記シランカップリング剤が、オクタデシルトリメトキシシランまたはオクタデシルトリエトキシシランである、請求項11に記載の方法。
  13. 前記被膜剤が、前記液滴中に1ppm〜0.1wt%含まれている、請求項10から12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記液滴が、イオン性液体を含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記イオン性液体の粘度が60cp以下である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記第二工程において、液滴の吐出がインクジェット法によって行われる、請求項1から15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記機能性物質が、前記化合物と結合する官能基と、前記粒子状物質に親和性を有する官能基と、を少なくとも有する、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記機能性物質が式(1)で表される化合物である、請求項17に記載の方法。
    Figure 0004711164
    (式中、Xはマレイミド基、NHS基等の反応性基を表し、nは1以上の整数を表す)
  19. 前記化合物がウシ血清アルブミンである、請求項1から18のいずれか1項に記載の方法。
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