JP4710737B2 - 車両用ブレーキ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ブレーキバイワイヤを行う車両用ブレーキ装置に関するものである。
一般的なブレーキバイワイヤは、マスターシリンダからホイールシリンダへの流路を閉鎖した状態で、運転者のブレーキ操作に応じた液圧をポンプ等でホイールシリンダへ供給することによって制動力を発生させている。また、フェイルセーフ時には、マスターシリンダからホイールシリンダへの流路を開放し、マスターシリンダの液圧をホイールシリンダに供給することによって制動力を確保している。
このようなブレーキバイワイヤにおいて、運転者のブレーキ操作がない間に、ポンプからホイールシリンダへの流路を閉鎖した状態でポンプを作動させて、ホイールシリンダ側に吐出された液圧をモニタすることにより、ポンプ故障の診断を行うものがあった(特許文献1参照)。
特開平11−348759号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された従来例のように、ポンプとホイールシリンダとの間に介装されたバルブは、ホイールシリンダの加圧に備えて開放されているので、ポンプ故障の診断を行う度に、バルブを閉鎖しなければならず、作動回数の過多によって耐久性が低下する可能性がある。
本発明の課題は、ポンプの異常を診断する際に、流路の開閉を行うバルブの作動回数を可及的に低減させて、耐久性の低下を抑制することである。
上記の課題を解決するために、本発明に係る車両用ブレーキ装置は、流体の供給源と連通し、伝達される流体圧によって制動力を発生するホイールシリンダと、供給源とホイールシリンダとの間に介装され、正方向に回転駆動するときにホイールシリンダの側に流体を吐出し、逆方向に回転駆動するときに供給源の側に流体を吐出する第1のポンプと、第1のポンプとホイールシリンダとの間を閉鎖可能なバルブとを備え
転者のブレーキ操作がない間に、バルブを開放した状態で、第1のポンプを逆方向に回転駆動し、このときの回転状態に基づいて第1のポンプの異常を診断することを特徴とする。
すなわち、第1のポンプを供給源の側への吐出方向に回転駆動しの回転状態に基づいて第1のポンプの異常を診断することを特徴とする。
本発明に係る車両用ブレーキ装置によれば、運転者のブレーキ操作がない間に、第1のポンプを逆方向に回転駆動し、このときの回転状態に基づいて異常の有無を診断するので、バルブは開放したままの状態で第1のポンプの診断を行うことができる。すなわち、この診断方法によれば、流体はホイールシリンダへ伝達されることがないので、バルブを閉鎖する必要がない。したがって、このバルブの作動回数を可及的に低減させることができ、耐久性の低下を抑制することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、ブレーキバイワイヤのシステム構成である。ブレーキペダル1に入力される運転者のペダル踏力を油圧に変換するマスターシリンダ2は、プライマリ側がフロント左のホイールシリンダ3FLに連通され、セカンダリ側がフロント右のホイールシリンダ3FRに連通されている。
フロント左右のホイールシリンダ3FL・3FR、並びにリア左右のホイールシリンダ3RL・3RRは、夫々、ディスクロータをブレーキパッドで挟圧して制動力を発生させるディスクブレーキや、ブレーキドラムの内周面にブレーキシューを押圧して制動力を発生させるドラムブレーキに内蔵されている。
マスターシリンダ2とホイールシリンダ3FL(3FR)との間には、流路を閉鎖可能なゲートバルブ4p(4s)が介装されている。これらゲートバルブ4p・4sは、2ポート2ポジション切換え/スプリングオフセット式の電磁操作弁であって、非励磁のノーマル位置で流路を開放するように構成されている。
一方、マスターシリンダ2を経由する流路とは別に、マスターシリンダ2のリザーバタンク2aとホイールシリンダ3i(i=FL、FR、RL、RR)とを連通した流路には、正方向に回転駆動するときにホイールシリンダ3iの側にフルードを吐出し、逆方向に回転駆動するときにリザーバタンク2aの側にフルードを吐出するギアポンプ5と、一方向に回転駆動するときにホイールシリンダ3iの側にフルードを吐出するプランジャポンプ6と、が並列に介装されている。
また、ギアポンプ5及びプランジャポンプ6と各ホイールシリンダ3iとの間には、各流路を開閉可能なインレットバルブ7iが配設されている。また、ギアポンプ5及びプランジャポンプ6を経由する流路とは別に、マスターシリンダ2のリザーバタンク2aとホイールシリンダ3iとを連通した流路には、各流路を開閉可能なアウトレットバルブ8iが配設されている。
これらホイールシリンダ3i、インレットバルブ7i、及びアウトレットバルブ8iが一単位のブレーキ系統を構成している。
ここで、インレットバルブ7i及びアウトレットバルブ8iは、夫々、2ポート2ポジション切換え/スプリングオフセット式の電磁操作弁であって、前輪側のアウトレットバルブ8FL・8FRは、非励磁のノーマル位置で流路を閉鎖し(ノーマルクローズ)、その他のインレットバルブ7FL〜RR、及びアウトレットバルブ8RL・8RRは、非励磁のノーマル位置で流路を開放するように構成されている(ノーマルオープン)。
一方、ギアポンプ5(又はプランジャポンプ6)及びインレットバルブ7i間と、リザーバタンク2a及びアウトレットバルブ8i間とを連通した流路には、ギアポンプ5(又はプランジャポンプ6)及びインレットバルブ7i間の油圧が所定値を超えたときに、リザーバタンク2aへの流路を開放して油圧を所定値以下に制限するリリーフバルブ9が介装されている。
さらに、ギアポンプ5(又はプランジャポンプ6)及びインレットバルブ7i間の流路には、ギアポンプ5(又はプランジャポンプ6)からインレットバルブ7iへの一方向だけのフルードの通過を許容するチェックバルブ10が介装されている。
以上の構成により、少なくともギアポンプ5を正方向に回転させるか、又はプランジャポンプ6を一方向に回転させると、何れか一方又は双方のポンプで、リザーバタンク2aに貯留されたフルードを吸入し、その吐出圧がインレットバルブ7iの側に供給される。
このとき、前輪側のブレーキ系統では、ゲートバルブ4p・4sを閉鎖し、インレットバルブ7FL・7FRを開放し、アウトレットバルブ8FL・8FRを閉鎖しておけば、ポンプの吐出圧によってホイールシリンダ3FL・3FRが増圧される。また、後輪側のブレーキ系統では、インレットバルブ7RL・7RRを開放し、アウトレットバルブ8RL・8RRを閉鎖しておけば、ポンプの吐出圧によってホイールシリンダ3RL・3RRが増圧される。
また、前輪側のブレーキ系統では、ゲートバルブ4p・4sを閉鎖し、インレットバルブ7FL・7FRを閉鎖し、アウトレットバルブ8FL・8FRを閉鎖すると、流路が遮断されることでホイールシリンダ3FL・3FRの油圧が保持される。また、後輪側のブレーキ系統では、インレットバルブ7RL・7RRを閉鎖し、アウトレットバルブ8RL・8RRを閉鎖すると、流路が遮断されることでホイールシリンダ3RL・3RRの油圧が保持される。
さらに、前輪側のブレーキ系統では、ゲートバルブ4p・4sを閉鎖し、インレットバルブ7FL・7FRを閉鎖し、アウトレットバルブ8FL・8FRを開放すると、リザーバタンク2aとの連通によってホイールシリンダ3FL・3FRが減圧される。また、後輪側のブレーキ系統では、インレットバルブ7RL・7RRを閉鎖し、アウトレットバルブ8RL・8RRを開放すると、リザーバタンク2aとの連通によってホイールシリンダ3RL・3RRが減圧される。
なお、ホイールシリンダ3iを保持又は減圧するときに、ギアポンプ5の正方向への回転駆動とプランジャポンプ6の回転駆動とが停止していれば、チェックバルブ10がインレットバルブ7iを閉鎖した状態と同等の働きをするので、このときはインレットバルブ7iを開放したままでもよい。
そして、ゲートバルブ4p・4sを開放し、アウトレットバルブ8FL・8FRを閉鎖すると(全て非励磁で可能)、マスターシリンダ2の油圧がそのまま前輪のホイールシリンダ3FL・3FRに伝達される。
上記ゲートバルブ4p・4s、ギアポンプ5、プランジャポンプ6、インレットバルブ7i、及びアウトレットバルブ8iは、コントローラ15によって駆動制御される。
コントローラ15は、ブレーキバイワイヤを行うときには、ゲートバルブ4p・4sを閉鎖した状態で、運転者のブレーキ操作に応じてホイールシリンダ3iを増圧・保持・減圧することによって制動力を制御する。すなわち、マスターシリンダ圧やペダルストロークに応じた制動力が発生するように、ギアポンプ5、プランジャポンプ6、インレットバルブ7i、及びアウトレットバルブ8iを駆動制御するものとし、その詳細な説明は省略する。
なお、マスターシリンダ2には、油圧に応じて弾性的にストロークする単動シリンダ(以下、ストロークシミュレータと称す)11が接続されている。したがって、ブレーキバイワイヤを行う際、運転者のブレーキ操作に応じてマスターシリンダ2の油圧が上昇するときに、ストロークシミュレータ11が弾性的にストロークすることで、運転者のブレーキ操作に対して適度なペダルストロークやペダル反力が演出される。
一方、ポンプ故障等のフェイルセーフによって、ブレーキバイワイヤを実行しないときには、ゲートバルブ4p・4s、アウトレットバルブ8FL・8FRの全てを非励磁にすることによって、マスターシリンダ2とフロント左右のホイールシリンダ3FL・3FRとを連通させて機械的にバックアップし、前輪の制動力を確保する。ここでは、前輪の制動力だけを機械的にバックアップ可能な構成としているが、勿論、前輪及び後輪の双方、又は後輪だけを機械的にバックアップ可能な構成としてもよい。
コントローラ15は、ギアポンプ5及びプランジャポンプ6のモータ回転角を入力し、後述する図2の自己診断処理を実行し、ギアポンプ5及びプランジャポンプ6の異常を診断する。
次に、コントローラ15で実行する自己診断処理を、図2のフローチャートに基づいて説明する。この処理は、所定時間毎のタイマ割込みで実行される。
先ずステップS1では、マスターシリンダ圧やペダルストロークに基づいて、運転者がブレーキ操作を行っているか否かを判定する。ブレーキ操作中であれば、ポンプ異常の診断を行うことはできないと判断して、そのまま所定のメインプログラムに復帰する。一方、ブレーキ操作がない状態であれば、ポンプ異常の診断を行うことができると判断してステップS2に移行する。
ステップS2では、ギアポンプ5のポンプモータに所定電流を所定時間だけ与えることで、ギアポンプ5を逆方向に回転駆動する。ここで、所定電流は、モータトルクが最大となる始動電流(突入電流)に設定され、例えば170A程度である。また、所定時間については、後述するステップS4の処理で説明する。
続くステップS3では、上記ステップS2の処理でギアポンプ5を回転駆動している間に、ポンプモータの回転が検知されるか否かを判定する。このとき、ポンプモータの回転が検知されないときには、異物混入、又はフルードの粘性増大やポンプの凍結など、ギアポンプ5に異常が発生していると判断して後述するステップS8に移行する。一方、ポンプモータの回転が検知されたときには、ギアポンプ5が正常であると判断してステップS4に移行する。
ステップS4では、プランジャポンプ6のポンプモータに所定電流を所定時間だけ与えることで、プランジャポンプ6を一方向に回転駆動する。ここで、所定電流は、前述したステップS2の処理と同様である。また、所定時間は、正常状態にあるプランジャポンプの回転駆動を開始してから、モータ回転角が回転センサの分解能に達するまでの所要時間に設定される。
これに対し、前述したステップS2の処理では、ギアポンプ5の吐出量が、プランジャポンプ6の吐出量よりも多くなるように、ギアポンプ5を回転駆動する所定時間を設定する。したがって、ギアポンプ5及びプランジャポンプ6の1回転あたりの吐出量が同一であり、これらを同一速度で回転させるとすれば、プランジャポンプ6よりもギアポンプ5の方を長く回転駆動しなければならない。
続くステップS5では、上記ステップS4の処理でプランジャポンプ6を回転駆動している間に、ポンプモータの回転が検知されるか否かを判定する。このとき、ポンプモータの回転が検知されたときには、プランジャポンプ6が正常であると判断してステップS6に移行する。一方、ポンプモータの回転が検知されないときには、異物混入、又はフルードの粘性増大やポンプの凍結など、プランジャポンプ6に異常が発生していると判断して後述するステップS7に移行する。
ステップS6では、ギアポンプ5及びプランジャポンプ6は何れも正常であり、ブレーキバイワイヤを実行可能であると診断してから所定のメインプログラムに復帰する。
ステップS7では、ギアポンプ5は正常であるが、プランジャポンプ6に異常があるため、ギアポンプ5のみを使用したブレーキバイワイヤは実行可能であると診断してから所定のメインプログラムに復帰する。
一方、ステップS8では、インレットバルブ7FL〜7RRを閉鎖する。
続くステップS9では、前述したステップS4の処理と同様に、プランジャポンプ6のポンプモータに所定電流を所定時間だけ与えることで、プランジャポンプ6を一方向に回転駆動する。
続くステップS10では、上記ステップS8の処理でプランジャポンプ6を回転駆動している間に、ポンプモータの回転が検知されるか否かを判定する。このとき、ポンプモータの回転が検知されたときには、プランジャポンプ6が正常であると判断してステップS11に移行する。一方、ポンプモータの回転が検知されないときには、異物混入、又はフルードの粘性増大やポンプの凍結など、プランジャポンプ6に異常が発生していると判断して後述するステップS12に移行する。
ステップS11では、プランジャポンプ6は正常であるが、ギアポンプ5に異常があるため、プランジャポンプ6のみを使用したブレーキバイワイヤは実行可能であると診断してから所定のメインプログラムに復帰する。
ステップS12では、ギアポンプ5及びプランジャポンプ6の双方に異常があり、ブレーキバイワイヤは実行不可能であると診断してから所定のメインプログラムに復帰する。
以上より、リザーバタンク2aが「供給源」に対応し、ホイールシリンダ3FL〜3RRが「ホイールシリンダ」に対応し、ギアポンプ5が「第1のポンプ」に対応し、プランジャポンプ6が「第2のポンプ」に対応し、インレットバルブ7FL〜7RRが「バルブ」に対応し、コントローラ15で実行するブレーキバイワイヤが「ブレーキ制御手段」に対応し、図2の自己診断処理が「診断処理」に対応している。
次に、上記一実施形態の動作や作用効果について説明する。
今、ギアポンプ5及びプランジャポンプ6が正常に作動するか否かの自己診断を行うとする。
本実施形態では、運転者のブレーキ操作がない間に、先ずギアポンプ5を逆方向に回転駆動し(ステップS2)、このポンプモータが回転するか否かを判断することによって、ギアポンプ5の異常を診断する(ステップS3)。
このとき、リザーバタンク2aは大気圧となっているので、仮にギアポンプ5が正常に作動して、その逆回転によってフルードをリザーバタンク2aの側へ吐出しても、吐出側の油圧回路に無理な負担をかけることはない。また、このときの吸入側の油圧回路は、リリーフバルブ9及びチェックバルブ10によって密閉されていることで、負圧が発生するが、ポンプモータを回転させるのは、その回転角が回転センサの分解能に達する程度の僅かな量(例えば1/6回転程度)なので、吸入側の負圧によってポンプモータの回転を妨げることはない。
そして、ギアポンプ5が正常であれば(ステップS3の判定が“Yes”)、次にプランジャポンプ6を一方向に回転駆動し(ステップS4)、このポンプモータが回転するか否かを判断することによって、プランジャポンプ6の異常を診断することができる(ステップS5)。
このとき、ギアポンプ5及びチェックバルブ10間の流路は、ギアポンプ5の逆回転によって既に減圧されているので、仮にプランジャポンプ6が正常に作動して、その回転によってフルードをホイールシリンダ3iの側へ吐出しても、ホイールシリンダ3iを増圧することはない。
このように、ギアポンプ5及びプランジャポンプ6の双方が共に正常に作動しても、フルードはギアポンプ5及びプランジャポンプ6間で循環(還流)するだけで、ホイールシリンダ3iが増圧されることがない。したがって、ブレーキ操作を開始していない運転者の意志と合致するだけなく、従来技術のように、自己診断を行う度にインレットバルブ7iを閉鎖する必要はなく、開放したままの状態でポンプの異常を診断することができるので、インレットバルブ7iの作動回数を可及的に低減させて、耐久性の低下を抑制することができる。その結果、バルブの強度(例えばメタルシールの硬度)を上げなくて済むので、一般に、アンチスキッド制御(ABS)、トラクション制御(TCS)、スタビリティ制御(VDC:Vehicle Dynamics Control)等の油圧制御回路で利用されている通常のバルブを採用することができ、コストの増大を抑制することもできる。
また、従来技術のように、ホイールシリンダ3iへの流路を閉鎖した状態でポンプを作動させると、吐出側が高圧になるため、不必要にリリーフバルブ9が作動して音信性能が低下する可能性がある。しかしながら、本実施形態のように、各ポンプとチェックバルブ10との間の流路が加圧されることがないので、リリーフバルブ9の作動によって音信性能が低下するといった事態も回避できる。
そして、図3に示すように、先ずギアポンプ5を逆回転させてから、プランジャポンプ6を回転させているので、ホイールシリンダ3iの側が増圧されることを確実に回避することができる。すなわち、図4に示すように、ギアポンプ5を逆回転させる前にプランジャポンプ6を回転させると、ホイールシリンダ3iの側を増圧させてしまうからである。
また、ギアポンプ5の吐出量が、プランジャポンプ6の吐出量よりも多くなるように、夫々を回転駆動するので、ギアポンプ5の吐出量がプランジャポンプ6の吸入量を上回って、ホイールシリンダ3iの側が増圧されることを確実に回避することができる。すなわち、ギアポンプ5の吐出量とプランジャポンプ6の吐出量を同一にしようと回転駆動したとしても、最大で製品の公差の分だけ、吐出量に誤差が出てしまい、図5に示すように、ギアポンプ5の吐出量がプランジャポンプ6の吐出量を下回ってしまうと、ホイールシリンダ3iの側を増圧させてしまうからである。
ところで、プランジャポンプ6の診断を行う前に、ギアポンプ5の異常を検知したとする(ステップS3の判定が“No”)。この場合、ギアポンプ5の逆回転が規定量に達していないので、つまりポンプモータに所定電流を所定時間だけ与えて回転駆動したときの回転量に達していないので、このままプランジャポンプ6を回転させると、ホイールシリンダ3iの側を増圧させてしまう可能性がある。
そこで、この場合は、インレットバルブ7iを閉鎖してから(ステップS8)、プランジャポンプ6を回転駆動する(ステップS9)。これにより、ホイールシリンダ3iの側を増圧させてしまうことを確実に回避することができる。このときは、プランジャポンプ6の吐出側の油圧を、リリーフバルブ9によって所定値以下に制限して油圧回路を保護することができる。
そして、ギアポンプ5及びプランジャポンプ6の双方に異常が発生したら(ステップS10の判定が“No”)、フェイルセーフによってブレーキバイワイヤを中止する。このとき、全てのバルブは非作動状態となるが、マスターシリンダ2とフロント左右のホイールシリンダ3FL・3FRとが連通されて機械的にバックアップされるので、前輪の制動力は確保することができる。
但し、一度はポンプ異常が検知されても、雰囲気温度の上昇により、フルードの粘性が減少したり、ポンプの凍結が溶解したりして、ギアポンプ5やプランジャポンプ6の駆動能力が回復することも考えられるので、その後も、自己診断は定期的に実行する。
上記のように、ギアポンプ5及びプランジャポンプ6を、診断のために回転駆動する際は、各ポンプモータに所定電流を所定時間だけ与えることとする。
この所定電流は、モータトルクが最大となる始動電流に設定する。これにより、各ポンプが正常状態であれば、必ずポンプモータが回転するため、異常の誤診を防ぐことができる。
また、所定時間は、正常状態にある各ポンプの回転駆動を開始してから、モータ回転角が回転センサの分解能に達する程度の時間に設定する。これにより、駆動時間を最小限に抑制することができるので、電力消費の増大を防ぎつつ、ポンプ異常を確実に検知することができる。
また、各ポンプを回転駆動したときに、ポンプモータが回転するか否かを判定するだけで、ポンプの異常を診断するので(ステップS3、S5、S10)、容易に、且つ短時間で診断を下すことができる。
なお、上記の一実施形態では、回転センサによってポンプモータの回転の有無を判断しているが、これに限定されるものではない。すなわち、正常状態にあるモータを回転駆動すると、図6に示すように、駆動開始直後に大きな始動電流が流れた後、モータが回転し始めると電流値は低下することになる。したがって、ギアポンプ5やプランジャポンプ6を回転駆動している間に、モータ電流の減少状態を検出したらポンプモータが回転していると判断し、モータ電流の減少状態が検出されなければポンプモータが回転していないと判断するようにしてもよい。
従来技術のように、ポンプを回転駆動したときの吐出側の油圧を圧力センサで検出し、その油圧の上昇勾配をモニタしてポンプ異常を診断する場合、油圧はポンプが実際に回転し始めてから上昇することになるので、ポンプ異常があるか否かを診断するのに、ある程度の時間が必要となる。これに対して、モータ電流の減少状態に応じてポンプモータの回転の有無を検出し、この検出結果に応じてポンプ異常を診断すれば、油圧の上昇勾配をモニタするよりも早く診断することができる。したがって、ポンプモータの回転駆動を速やかに停止させることができるので音振性能の点で有利である。
また、上記の一実施形態では、第1のポンプとしてギアポンプ5を採用しているが、これに限定されるものではなく、正転及び逆転可能なポンプであれば、任意のポンプを採用してもよい。また、第2のポンプとしてプランジャポンプ6を採用しているが、これに限定されるものではなく、正転及び逆転可能なポンプを採用してもよい。
また、上記の一実施形態では、液圧を伝達媒体にしたハイドロリックブレーキを採用しているが、これに限定されるものではなく、圧縮空気を伝達媒体にしたエアブレーキを採用してもよい。
ブレーキシステムの概略構成である。 自己診断処理を示したフローチャートである。 ギアポンプを先に回転駆動したときのタイムチャートである。 プランジャポンプを先に回転駆動したときのタイムチャートである。 プランジャポンプの吐出量よりもギアポンプの吐出量が少ないときのタイムチャートである。 モータ電流の特性を示すタイムチャートである。
符号の説明
1 ブレーキペダル
2 マスターシリンダ
3FL〜3RR ホイールシリンダ
4p・4s ゲートバルブ
5 ギアポンプ
6 プランジャポンプ
7FL〜7RR インレットバルブ
8FL〜8RR アウトレットバルブ
9 リリーフバルブ
10 チェックバルブ
11 ストロークシミュレータ
15 コントローラ

Claims (7)

  1. 流体の供給源と連通し、伝達される流体圧によって制動力を発生するホイールシリンダと、前記供給源と前記ホイールシリンダとの間に介装され、正方向に回転駆動するときに前記ホイールシリンダの側に前記流体を吐出し、逆方向に回転駆動するときに前記供給源の側に前記流体を吐出する第1のポンプと、前記第1のポンプと前記ホイールシリンダとの間を閉鎖可能なバルブと、
    運転者のブレーキ操作がない間に、前記バルブを開放した状態で、前記第1のポンプを逆方向に回転駆動しの回転状態に基づいて当該第1のポンプの異常を診断する診断手段と、を備えることを特徴とする車両用ブレーキ装置。
  2. 前記供給源と前記ホイールシリンダとの間に前記第1のポンプと並列に介装され、一方向に回転駆動するときに前記ホイールシリンダの側に前記流体を吐出する第2のポンプを備え、
    前記バルブは、前記第1及び第2のポンプと前記ホイールシリンダとの間の閉鎖可能に構成され、
    前記診断手段は、運転者のブレーキ操作がない間に、前記バルブを開放した状態で、前記第2のポンプを一方向に回転駆動し、その回転状態に基づいて当該第2のポンプの異常を診断することを特徴とする請求項1に記載の車両用ブレーキ装置。
  3. 前記診断手段は、前記第1のポンプを逆方向に回転駆動してから前記第2のポンプを回転駆動することを特徴とする請求項に記載の車両用ブレーキ装置。
  4. 前記診断手段は、前記第1のポンプの吐出量を、前記第2のポンプの吐出量よりも多くすることを特徴とする請求項2又は3に記載の車両用ブレーキ装置。
  5. 前記診断手段は、前記第1のポンプの異常を診断してから前記第2のポンプの異常を診断すると共に、前記第1のポンプに異常があると診断したら、前記バルブを閉鎖してから前記第2のポンプを回転駆動して、当該第2のポンプの異常を診断することを特徴とする請求項3又は4に記載の車両用ブレーキ装置。
  6. 運転者のブレーキ操作に応じて制動力を増加させるときに、前記バルブを開放した状態で少なくとも前記第1のポンプを正方向に回転駆動するか又は前記第2のポンプを一方向に回転駆動するかし、運転者のブレーキ操作に応じて制動力の増加を阻止するときに、前記バルブを閉鎖するブレーキ制御手段を備えることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の車両用ブレーキ装置。
  7. 流体の供給源と連通し、伝達される流体圧によって制動力を発生するホイールシリンダと、前記供給源と前記ホイールシリンダとの間に並列に介装され、何れもホイールシリンダの側に前記流体を吐出可能な第1及び第2のポンプとを備え、
    前記第1のポンプを前記供給源の側にも前記流体を吐出可能に構成し、
    前記第1及び第2のポンプ間で前記流体が還流するように、前記第1のポンプを前記供給源の側への吐出方向に回転駆動すると共に、前記第2のポンプを前記ホイールシリンダの側への吐出方向に回転駆動し、夫々の回転状態に基づいて当該第1及び第2のポンプの異常を診断することを特徴とする車両用ブレーキ装置。
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