JP4710383B2 - 活性エネルギー線硬化型インキ、印刷物の製造方法および印刷物 - Google Patents

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Description

本発明は、活性エネルギー線硬化性インキ及びコーティングニスに関する。更に詳細には複雑で微細な凸凹部の操作によるマット部と光沢部を同一紙面上に一工程で印刷することにより意匠性に富む印刷物の製造方法に関する。
従来より、印刷物にマット部と光沢部を同一紙面上に印刷して意匠性を高める技術としては、マット加工部分にシリカ等の粉体を添加して乱反射を発生させるマット加工用インキをシルクスクリーン、オフセット印刷にて印刷し、光沢部分にはコーティングニスをスポットコートすることにより作成されている。
また、凹凸感を有するマット加工を有する化粧板の凸凹模様の作成にはエンボスロールにより機械的に加圧したり、凹凸加工をしたフィルムを貼る事により作成されている。
また基材シートにグラビア用印刷インキ・オフセット印刷インキ組成物を部分的に印刷し、上記印刷面を有する模様表面に、フタル酸ジエステルを撥水・撥油剤としインキ上に不飽和ポリエステルを塗布しハジキ現象により凹部を形成する方法が知られている。
ハジキ現象を利用する凹凸加工方法は他にも、撥水・撥油剤としてフッ素系樹脂を用い、紫外線アクリル系樹脂を均一に塗布した凹凸模様化粧シートの製造方法(特開昭57−53355)や撥水・撥油剤が電離放射線樹脂と反応性を有する事を特徴とする化粧シート及び化粧シートの製造方法(特開平6−8392)が知られている。
更に、オフセット印刷により撥水・撥油性を有する電子線又は紫外線硬化型の下刷りインキを電子線又は紫外線照射により硬化させ、電子線又は紫外線硬化型コーティング剤を塗布する工程をオフセット印刷機による一工程で設けることを特徴とする凹凸感を有するマット加工印刷物の製造方法が知られている。
特開昭48−58068号公報 特開昭57−53355号公報 特開平6−8392号公報 特開2003−181370号公報
しかしながら、マット加工用インキとスポットコーティング方法を用いて凹凸を形成する方法は十分な凹凸感を有するマット加工表面を形成することが困難である。更に、エンボスロールによる加圧法や凹凸加工を施したフォルムを貼る事により凹凸を形成する方法では微細な凹凸感を表現することと印刷絵柄と一致させる事が困難であり、工程が複雑化して生産性が低い。
一方、特許文献1〜4に開示されている技術は何れも凹凸感を発現させる方法であるが、マット加工部分がランダム且つ大きく、その大きさを制御するのが困難であった。
本発明は、上記従来技術の問題点を克服し、凹凸部に意匠性に富んだ微細で且つ同一形状を有するマット部分と、光沢部を一工程で加工する為の活性エネルギー線硬化型インキ及び凸凹を有する印刷物の製造方法並びに印刷物を提供することを目的とするものである。
本発明は被印刷体の任意の部分に表面張力の低い特定のシリコーン系またはフッ素系撥水・撥油剤を有する活性エネルギー線硬化型インキを印刷し、更に、全面に活性エネルギー線硬化型コーティングニスを塗工することで、同一紙面上に凸凹部と光沢部とを同時に単一印刷工程でも発現させる凹凸加工方法において、撥水・撥油剤を有する活性エネルギー線硬化型インキに炭素数8〜20の1価アルコールを0.1〜10%添加してなる事を特徴とする活性エネルギー線硬化型インキ(下刷りインキ)を、選択した特定絵柄上に部分的に印刷し、さらに活性エネルギー線硬化型コーティングニス(上刷りニス)を塗工し、硬化することで、インキ層とコーティング層が重なる部分がはじき現象により形状が均一で且つ微細な凸凹部が一工程で形成される。
即ち、本発明は、下記1)〜4)に示されるシリコーン系またはフッ素系撥水・撥油剤並びに炭素数8〜20の1価アルコールを含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型印刷インキに関するものである
1)エポキシ変性、カルボキシル変性、アミノ変性、カルビノール変性、アルコール変性、フェノール変性、メタクリル変性、メルカプト変性または異種官能基変性反応性シリコーン
2)ポリエーテル変性、メチルスチリル変性、アルキル変性、アルキルアラルキル変性、脂肪酸変性、アルコキシ変性またはフッ素変性非反応性シリコーン、もしくは、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、ジフェニルシリコーンまたはメチルハイドロジェンシリコーンの非反応性シリコーンかつ直鎖状シリコーン
3)ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、ジフェニルシリコーンまたはメチルハイドロジェンシリコーンストレートシリコーン
4)フッ素オイル、フッ素含有アクリレート(フッ素アクリレート)
また、本発明は、インキ中、炭素数8〜20の1価アルコールを0.1〜10%含有することを特徴とする上記活性エネルギー線硬化型印刷インキに関するものである
さらに、本発明は、被印刷体の任意の部分に上記活性エネルギー線硬化型印刷インキを印刷し、更に、全面に活性エネルギー線硬化型コーティングニスを塗工し、凸凹部およびもしくは光沢部を発現させることを特徴とする印刷物の製造方法に関するものである
さらに、本発明は、被印刷体上に、凹凸部と光沢部とを同時に単印刷工程で発現させることを特徴とする上記印刷物の製造方法に関するものである
本発明により凹凸感のあるマット加工印刷物の加工方法においてグロス部とマット部の光沢値に差を付けてメリハリに富む印刷物が得られ、更にマット部分ハジキ具合が均一で尚かつ微細な形状を有する意匠性に富んだ印刷物を得ることができる。
以下に本発明に関わる形状が均一で且つ微細な凹凸部を有するマット加工印刷物並びにその加工方法について更に詳しく説明する。本発明が提供する印刷物は、光沢部と凸凹部の光沢値のめりはり、手で触った時の感触、見た目のデザイン性があり、新規な表面加工を形成することが可能である。
表面表力の低いぬれ調整剤及びシリコーンオイルなどのシリコーン系(フッ素系)撥水・撥油剤を有する活性エネルギー線硬化型インキにおいては、インキ組成内のシリコーン撥水・撥油剤が表面に局在化し、上刷りニスと比べて表面張力の低いインキ皮膜層を形成することで、上部の相対的に表面張力の高いコーティングニス層をはじき凸凹部を形成させ、マット感を得る。
更に上記活性エネルギー線硬化型下刷りメジウムに炭素数8〜20の1価アルコールを0.1〜10%添加することにより、活性硬化型下刷りメジウムが更に下層に存在する被印刷体および絵柄インキ層との濡れ性が向上し、活性硬化型下刷りメジウムが均一に印刷できる。その結果、最上部に塗布する活性エネルギー線硬化型コーティングニス(上刷りニス)のハジキ具合が均一で尚かつ微細な形状を有する意匠性に富んだ印刷物を得ることができる。
上刷りニスと下刷りメジウムのぬれ指数の差は0.1〜50dyn/cm(25℃)であり、常に上刷りニスのぬれ指数が高いことが必須である。
本発明で使用する活性エネルギー線としては、紫外線、電子線が挙げられる。しかし、これに限定される必要はない。
本発明に使用される活性エネルギー線硬化型インキ(下刷りメジウム)の組成としては
エチレン性不飽和ニ重結合を有するオリゴマー若しくは未反応性樹脂
5〜25重量%
エチレン性不飽和ニ重結合を有するモノマー
15〜65重量%
体質顔料 1〜10重量%
ラジカル重合性開始剤 5〜15重量%
炭素数8〜20の1価アルコール及びシリコーンオイルを主体とするシリコーン系撥水・撥油剤またはフッ素系撥水・撥油
0.1〜10重量%
含有する活性エネルギー線硬化型オフセットインキが挙げられる。
本発明に使用される活性エネルギー線硬化型コーティングニスは
エチレン性不飽和ニ重結合を有するモノマーまたはオリゴマー
60〜90重量%
ラジカル重合性開始剤 5〜15重量%
その他添加剤 1〜10重量%
含有する活性エネルギー線硬化型コーティングニスが挙げられる。
熱硬化性または熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、ニトロセルロース)、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリアマイド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ブタジエンーアクリルニトリル共重合体のような合成ゴム等が挙げられる。これらの樹脂は、その中の1種または2種以上を用いることができる。何れもエチレン性不飽和ニ重結合を有するモノマー可溶である樹脂が用いられる。
本発明において、モノマーとは単官能または多官能の(メタ)アクリレート類をいい、これらを適宜用いることでインキ組成物の粘度を調節することが出来る。
モノマーは、全インキ組成物を基準として、15〜65重量%の範囲で用いられ、またコーティングニス組成物としては、60〜90重量%の範囲で用いられる。
単官能モノマーとしてアルキル(カーボン数が2〜18)(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートがあり、さらにベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンモノメチロール(メタ)アクリレート等が例示される。
多官能(メタ)アクリレート類としてはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、 ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート(通称マンダ)、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレ、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2,4−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノーAジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリカプロラクトネートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールヘキサントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラカプロラクトネート、テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールエタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールブタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールオクタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート等を用いることができる。
本発明において使用されている反応性オリゴマーとしてはアルキッドアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタン変性アクリレート等が使用されている。
本発明で使用されているラジカル重合開始剤としては、ベンゾフェノン、4,4−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジエチルチオキサントン、2−メチル−1−(4−メチルチオ)フェニル−2−モルフォリノプロパン−1−オン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、ビス−2,6−ジメトキシベンゾイル−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2,2−ジメチル−2−ヒドロキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,4,6−トリメチルベンジル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等が挙げられる。光重合開始剤と併用して、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、ペンチル4−ジメチルアミノベンゾエート等の光促進剤が使用してもよい。
本発明で使用されている炭素数8〜20の1価アルコールは直鎖状でも分岐していても良い。本発明で使用される1価アルコールは、次の式(1)で示されるものである。
1−OH (1)
(式中、R1は炭素数8〜20の範囲にある飽和あるいは不飽和炭化水素基を示す)
式(1)において、R1で表される炭素数8〜20の範囲にある炭化水素基としては、直鎖状または分岐鎖状の飽和脂肪族炭化水素基または不飽和脂肪族炭化水素基が挙げられる。式(1)で示されるアルコールとしては、例えばノニルアルコール、ラウリルアルコール、トリデカノール、セタノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコールなどの炭素数8〜20の範囲にある飽和または不飽和の一価アルコールが例示できる。
本発明で用いる炭素数8〜20の1価アルコールは、単体で用いても、適時混合して用いても良い。
本発明で用いる1価アルコールは炭素数8〜20を有する物質であり、より好ましくは炭素数13〜18が良い。炭素数が13より少ない場合は印刷中に揮発してしまい本発明に関わる効果が十分に得られず、炭素数が18より大きい場合は常温で固体上となり、活性エネルギー線硬化型インキ中で分離等の不具合が生じる。
本発明で用いる炭素数8〜20の1価アルコールの沸点が150℃以上、融点が40℃未満であることが望ましい。沸点が150℃未満の場合は、印刷中に揮発してしまい本発明に関わる効果が十分に得られず、融点が40℃以上である場合、常温で固体上となり、活性エネルギー線硬化型インキ中で分離等の不具合が生じる。
本発明で用いる炭素数8〜20の1価アルコールの添加量は0.1〜10%好ましくは1〜5%が良い。1価アルコールの添加量が0.1%以下では、本発明の効果である被印刷体或いは下刷り絵柄印刷層との濡れが十分でなく発明の効果が得られない。また、10%よりも多い場合は、活性エネルギー線による硬化性が低下してしまう。
本発明で使用されているシリコーンオイルなどのシリコーン系撥水・撥油剤としては、例えばエポキシ変性、カルボキシル変性、アミノ変性、カルビノール変性、アルコール変性、フェノール変性、メタクリル変性、メルカプト変性、異種官能基変性の如き反応性シリコーン;ポリエーテル変性、メチルスチリル変性、アルキル変性、アルキルアラルキル変性、脂肪酸変性、アルコキシ変性、フッ素変性の如き非反応性シリコーン;ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、ジフェニルシリコーン、メチルハイドロジェンシリコーンの如きストレートシリコーンが挙げられる。
これらのシリコーンオイルの中でも非反応性シリコーン、直鎖状シリコーンが好ましく用いられる。具体例としては、ジメチルシリコーン−ポリオキシアルキレン共重合体である。
フッ素系撥水・撥油剤としては、一般的なフッ素オイル、フッ素含有アクリレート(フッ素アクリレート)等が挙げられる。
−Si(X)(Y)(Z) (2)
[式(2)において、Rは撥水性または撥油性を有する置換基であり、X、YおよびZはそれぞれ一価の基であり、X、YおよびZの少なくとも1つは、シラノール基との重縮合によってSi−O−Si結合を形成しうる置換基である。]
で表される撥水・撥油性基としては、フッ素化炭化水素基を有する基が好ましく、フッ素化アルキル基、フッ素化アルキレンオキシ基を含むフッ素化アルキル基などが挙げられる。これらの総炭素数は1〜1000が好ましく、直鎖状であっても分岐を有するものであってもよいが、直鎖状が好ましい。
このようなフッ素化炭化水素基の具体例としては、下記の式(4)、(5)で示されるフッ素化ポリオレフィンセグメントや、式(6)、(7)で表されるフッ素化ポリエーテルセグメントを挙げることができる。
CF3(CF2)xCH2CH2− (4)
(CF3)2CF(CF2)xCH2CH2− (5)
CF3〔OCF(CF3)CF2〕x(OCF2)y− (6)
CF3(OC2F4)x(OCF2)y− (7)
式(4)〜(7)中のx、yは正の整数で、いずれも0〜200の範囲にあるものが好ましい。これはx、yが200を超えても撥水・撥油性はほとんど向上せず、逆に各種溶媒への溶解性が悪化することによって塗膜性の低下をもたらすためである。
これらは優れた撥水・撥油性を有するが、特に炭素鎖としては長く、分岐構造をもたない直鎖状のものの方がより良好な撥水・撥油性を示す。
添加剤としては、例えば、耐摩擦剤、ブロッキング防止剤、スベリ剤、スリキズ防止剤としては、カルナバワックス、木ろう、ラノリン、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの天然ワックス、フィッシャートロプスワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、ポリアミドワックスなどの合成ワックスを使用することができる。
下刷りメジウムは、一般に、平版印刷インキを製造するのと同様に、常温から100℃の間で、顔料、樹脂ワニスおよび/またはそのゲルワニス、アクリル系モノマーもしくはオリゴマー、ラジカル重合禁止剤、ラジカル重合性開始剤およびまたは増感剤、その他添加剤などの印刷インキ組成物成分を、ニーダー、三本ロール、アトライター、サンドミル、ゲートミキサーなどの練肉、混合、調整機を用いて製造される。
上刷りニスは、60℃で加熱溶解、攪拌を行い製造される
下刷りインキは、通常の印刷インキと同様に公知の印刷方法、例えばグラビア印刷、オフセット印刷、グラビアオフセット印刷、凸版印刷、スクリーン印刷方式等や、または、転写方法を用いて基材シート上に印刷して絵柄を作成することができる。
上刷りニス塗工方法としては、グラビア印刷、フレキソ印刷、ロールコーター方式、カーテンコーター方式、チャンバーコーター方式等が挙げられる 。
[実施例]
実施例として本発明を具体的に説明する。以下の実施例により何等限定されるものではない。
[実施例1、2][比較例1〜3]
以下に示す処方により活性エネルギー線硬化型下刷りメジウムを作成した。

ここで、樹脂はダイソー製ダップトートDT170、モノマーは東亜合成製M−408、開始剤は Ciba Geigy製イルガキュア651を使用する。シリコーン撥水・撥油剤は東芝シリコーン製TSF451−100、フッ素系撥水・撥油剤として、ダイキン工業株式会社製 TG−571を使用する。
コモリコーポレーション製インラインコーターおよびUVランプ着き枚葉印刷機リスロン26を用いて、予め東洋インキ製造(株)製紫外線硬化型インキFDカルトンACE墨にて絵柄を印刷したOKトップコート紙に上記比較例1〜3、実施例1、2の下刷りメジウムを任意の部分にオフセット印刷を施し、硬化させ、続いてインラインコーターにて上刷りニスとして東洋インキ製造(株)製オフセットインラインコーター用ニス下記の処方表−3からなるニスを全面に塗布して凹凸感を有するマット加工印刷物を得た。(実施例1、2、比較例1〜3)
さらに、上記比較例1〜3、実施例1、2の下刷りメジウムを任意の部分にオフセット印刷を施し、硬化させないで、インラインコーターにて上刷りニスとして東洋インキ製造(株)製オフセットインラインコーター用ニス下記の処方表3からなるニスを全面に塗布して凹凸感を有するマット加工印刷物を得た。(実施例4、5、比較例4〜6)
それぞれ得られた印刷物のグロス部分とマット部分の光沢値と、マット部分の凸部分の大きさ(粒径)を顕微鏡にて測定し、マット部分の均一性について評価した結果を表4に示す。
ここで、オリゴマーは荒川化学製ビームセット550、モノマーは東亜合成製M−350、開始剤は Ciba Geigy製イルガキュア184を使用する。

Claims (4)

  1. 下記1)〜4)に示されるシリコーン系またはフッ素系撥水・撥油剤並びに炭素数8〜20の1価アルコールを含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型印刷インキ。
    1)エポキシ変性、カルボキシル変性、アミノ変性、カルビノール変性、アルコール変性、フェノール変性、メタクリル変性、メルカプト変性または異種官能基変性反応性シリコーン
    2)ポリエーテル変性、メチルスチリル変性、アルキル変性、アルキルアラルキル変性、脂肪酸変性、アルコキシ変性またはフッ素変性非反応性シリコーン、もしくは、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、ジフェニルシリコーンまたはメチルハイドロジェンシリコーンの非反応性シリコーンかつ直鎖状シリコーン
    3)ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、ジフェニルシリコーンまたはメチルハイドロジェンシリコーンストレートシリコーン
    4)フッ素オイル、フッ素含有アクリレート(フッ素アクリレート)
  2. インキ中、炭素数8〜20の1価アルコールを0.1〜10%含有することを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化型印刷インキ。
  3. 被印刷体の任意の部分に請求項1または2記載の活性エネルギー線硬化型印刷インキを印刷し、更に、全面に活性エネルギー線硬化型コーティングニスを塗工し、凸凹部およびもしくは光沢部を発現させることを特徴とする印刷物の製造方法。
  4. 被印刷体上に、凹凸部と光沢部とを同時に単印刷工程で発現させることを特徴とする請求項3記載の印刷物の製造方法。
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