JP4710264B2 - 繊維強化樹脂構造体の製造方法、繊維強化樹脂構造体、及び複合基材 - Google Patents

繊維強化樹脂構造体の製造方法、繊維強化樹脂構造体、及び複合基材 Download PDF

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Description

本発明は繊維強化樹脂構造体の製造方法、繊維強化樹脂構造体、及びこれらに用いる複合基材に関する。
ガラスクロス等の繊維基材により強化された繊維強化樹脂構造体は、浴槽や船舶の筐体等幅広い分野にて利用されている。このような繊維強化樹脂構造体は、繊維基材が配置された所定形状の空間内に未硬化の樹脂を充填し、この樹脂を硬化させることにより製造される。
具体的には、例えば、一対の成形型により画成される空間に繊維基材を配置しこの空間に未硬化の樹脂を供給するRTM(Resin Transfer Molding)法、この空間内を減圧しながら未硬化の樹脂を供給するVaRTM(Vacuum assisted Resin Transfer Molding)法、成形型と可撓性のフィルムとの間に画成される空間に繊維基材を配置し、この空間を減圧しつつ未硬化の樹脂を供給するヴァキューム・インフュージョン法等が知られている。
近年では、繊維強化樹脂構造体の性能をより向上すべく、繊維強化樹脂構造体におけるボイドを少なくすることが求められており、未硬化の樹脂を繊維基材内に迅速にかつ十分に含浸させる必要がある。
そして、繊維基材内に未硬化の樹脂を十分含浸させる方法として、例えば、ポリプロピレンやポリエチレン等の熱可塑性樹脂、又は、金属からなるメッシュ状のシートである流動用ネットを、成形型や可撓性のフィルムと繊維基材との間に介在させて未硬化の樹脂を供給する方法(例えば、特許文献1,2参照)や、空間内に配置される発泡性物質等のコア材の表面に溝を形成する方法(例えば、特許文献3参照)や、成形型の内面に凹凸を形成する方法(例えば、特許文献1,3参照)や、樹脂を分散して空間内に供給する導管を成形型や可撓性のフィルムに形成する方法(例えば、特許文献4)等が知られている。また、繊維基材として、コンティニュアスストランドマットを用いることも(例えば、特許文献5)知られている。
特開2001−62932号公報 米国特許第4,902,215号明細書 特表2000−501659号公報 特表平10−504501号公報 特開2002−120315号公報
しかしながら、上述のような流動用ネットや、溝、凹凸、導管等が形成された成形型及び可撓性のフィルムや、溝が形成されたコア材を使用しても、繊維基材内に未硬化の樹脂が十分に含浸しない場合があり、繊維強化樹脂構造体の強度が低下する場合がある。また、上述の流動用ネットは最終的に除去する必要があるためコストアップとなる他、廃棄物の増加による環境悪化を招く。さらに、溝、凹凸、導管等が形成された成形型等や、溝が形成されたコア材等の作製は容易でなく、コストアップにつながる場合が多い。
また、コンティニュアスストランドマットを繊維基材として用いる場合、このコンティニュアスストランドマットは、連続ガラス繊維を渦巻状に積み重ねてバインダーでマット状に成形したものであり、反発力が強いため賦形性が良好でなく、ガラス成分の量を高くしにくく、バインダー成分によって樹脂の含浸が阻害されやすい。したがって、この場合も繊維強化樹脂構造体の強度が弱くなりやすい。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、強度が高くかつ低コストな繊維強化樹脂構造体の製造方法、繊維強化樹脂構造体、及びこれらに用いる複合基材を提供することを目的とする。
本発明に係る繊維強化樹脂構造体の製造方法は、複合基材を成形型内に配置する工程と、
成形型内に未硬化の樹脂を供給する工程と、未硬化の樹脂を硬化させる工程と、を含む。この複合基材は、繊維基材、この繊維基材上に互いに平行に配置された複数の繊維束A、及び縫い糸を備え、この縫い糸は繊維基材と複数の繊維束Aとを縫い合わせている。
本発明によれば、成形型内において未硬化の樹脂が繊維束A間の隙間に沿って好適に流れることができる。また、複合基材において、繊維束Aが繊維基材に対し縫い糸によって縫い合わされているので、バインダー等によって繊維束Aと繊維基材とを結合させた場合に比べて、繊維基材内及び繊維束A内に未硬化の樹脂を好適に含浸させることができ、また、未硬化の樹脂がこの複合基材を容易に突き抜けて流れることができる。したがって、成形型内に未硬化の樹脂を満遍なく行き渡らせることが容易となり、繊維強化樹脂構造体における樹脂の未含浸部を少なくできる。
また、複合基材において、繊維束Aが繊維基材に対し縫い糸によって縫い合わされているので、バインダー等によって繊維束Aと繊維基材とを結合させた場合に比べて、樹脂の含浸性に優れ、さらに、繊維強化樹脂構造体におけるガラス含有量を高くすることができる。
これらにより、強度の十分に高い繊維強化樹脂構造体が得られる。
さらに、この複合基材は繊維強化材として機能するので繊維強化樹脂構造体の形成後にこの複合基材を除去する必要がなく、また、複合基材自体も容易に製造できるので、低コストに繊維強化樹脂構造体を製造することが可能となる。
ここで、繊維束Aの繊度は500〜5000texであり、繊維基材上における繊維束Aの配置密度は4〜10本/25mmであることが好ましい。
これによれば、繊維束A間に適切な幅、適切な高さ、適切な繰返し間隔で隙間が形成されるので、未硬化の樹脂がこの隙間を通って良好に流動できる。ここで、繊度が500tex未満では、繊維束Aの繊維基材上での十分な高さを確保しにくく、流動性が低下しやすい傾向がある。一方、繊度が5000texを超えると、繊維基材上に確保できる隙間の数が少なくなりすぎる傾向がある。さらに、繊維基材上における繊維束Aの密度が4〜10本/25mmの範囲を超えると、隙間の間隔が広すぎたり狭すぎたりする傾向がある。
特に、樹脂の流動性を十分に確保すべく、上記の複合基材における繊維束Aの繊維束幅と、繊維束A間の隙間との比は、3:1〜1:2であることが好ましく、2:1〜1:1.5であることがより好ましい。
また、繊維束Aの繊度が比較的大きい場合には、繊維束Aはそれぞれ複数の繊維束AAを束ねたものであることが好ましい。
これによれば、繊維束AAを複数束ねた繊維束Aが繊維基材に対して縫い合わされているので、繊維束Aが成形型内で圧力を受けてもつぶれにくくなり、繊維束A間の隙間の幅や高さが十分に維持されやすい。各繊維束AAの好適な繊度は、500〜2000texである。
また、繊維束A間には、繊維束Aと平行に配置されると共に繊維束Aの繊度よりも小さい繊度を有する繊維束Bがさらに配置され、繊維束Bと繊維基材とが縫い糸により縫い合わせされていてもよい。
これによれば、繊維強化樹脂構造体のガラス含有量を、樹脂の流動性をそれほど低下させずに容易に向上させることができる。
また、複合基材において、繊維束Aと繊維基材とが縫い糸によるトリコット編みにより縫い合わされていることが好ましい。
このようにトリコット編みによって繊維束Aが繊維基材に対して縫い合わせられていると、繊維束Aがよりつぶれにくくなって、繊維束A間に隙間が十分に確保される。
また、繊維基材は、繊維束Aと交差する方向に配置されると共に互いに平行に配置された複数の繊維束Cから形成されることが好ましい。
これによれば、さらに繊維束Cの隙間に沿って未硬化の樹脂が流れることができるので、繊維束Aと直交する方向にも樹脂が流れやすくなり、樹脂の未含浸部のより少ない繊維強化樹脂構造体を形成できる。また、この複合基材を含む繊維強化樹脂構造体の強度が繊維束Aに交差する方向にも十分に強化される。さらに、未硬化の樹脂が複合基材を横切って流れることがより容易となる。
また、複合基材を成形型内に配置する工程において、前記複合基材を複数積層して配置することが好ましい。
これによれば、複合基材を複数積層するので、厚みの大きな繊維強化樹脂構造体を、樹脂の未含浸部を少なくしつつ好適に製造できる。複合基材の配置間隔としては、硬化後の状態で、1〜10mm間隔とすることが好適である。
また、成形型は、一方が金型で、他方が金型又はフィルムであることが好ましい。
これによれば、RTM法、VaRTM法、インフュージョン法等において、繊維強化樹脂構造体を好適に製造できる。
本発明に係る複合基材は、繊維基材、繊維基材上に互いに平行に配置された複数の繊維束A、及び縫い糸を備え、縫い糸は繊維基材と前記複数の繊維束Aとを縫い合わせている。また、この複合基材において、繊維束Aの繊度は500〜5000texであり、繊維基材上における繊維束Aの配置密度は4〜10本/25mmである。さらに、この複合基材において、繊維基材は、繊維束Aと交差する方向に配置されると共に互いに平行に配置された複数の繊維束Cから形成されている。
このような複合基材は、上述の繊維強化樹脂構造体の繊維強化材として好適である。
ここで、繊維束Aと繊維基材とが縫い糸によるトリコット編みにより縫い合わされていることが好ましい。
本発明に係る繊維強化樹脂構造体は、上述の複合基材と、この複合基材に含浸した樹脂とを含む。
本発明によれば、強度が高くかつ低コストな繊維強化樹脂構造体の製造方法、及び繊維強化樹脂構造体、及びこれらに用いる複合基材が提供される。
以下、図面を参照しながら本発明の繊維強化樹脂構造体の製造方法、繊維強化樹脂構造体及び複合基材についての好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
(第一実施形態)
まず、本発明の第一実施形態に係る繊維強化樹脂構造体の製造方法及びこれに用いる複合基材について説明する。
(複合基材)
繊維強化樹脂構造体を製造するに当たり、最初に、図1〜図2に示すような複合基材100を用意する。
複合基材100は、複数の繊維束10(繊維束C)を有する繊維基材20と、繊維基材20上に所定間隔で互いに平行に複数配置された繊維束50(繊維束A)と、各繊維束50と繊維基材20とを縫い合わせて固定する縫い糸70とを有し、シート状を呈している。
繊維基材20は、多数の繊維を束ねて形成した繊維束10(繊維束C)を、所定間隔で略平行に単に並べたものである。このような繊維基材20は、複合基材100を含む繊維強化樹脂構造体(後述)の強度を繊維束10に平行な方向、すなわち、繊維束50に直交する方向にも十分に強化するので好ましい。また、繊維束10間に隙間53が形成され、この隙間53に沿う方向、すなわち、繊維束50と直交する方向に樹脂が流れやすくなり、加えて、この隙間53によって繊維基材20を突き抜ける方向への未硬化の樹脂の流れも良好にすることができ、樹脂の未含浸部のより少ない繊維強化樹脂構造体を形成できる。
繊維束10の繊度やピッチは特に限定されないが、繊維束10に平行な方向への未硬化の樹脂の流動や、繊維基材20を突き抜ける方向の未硬化の樹脂の流れを良好にする観点から、後述する繊維束50の特性に基づいて定められること、具体的には、目付け比R=(繊維束50の目付/繊維束10の目付)が0.4〜2.5となるような数値とすることが好ましい。
繊維束50は、それぞれ多数のガラス繊維を有する繊維束であり、繊維基材20の繊維束10の軸方向と交差する方向、好ましくは、繊維束10の軸方向と直交する方向を向いて、繊維基材20上に重ねて配置されている。
各繊維束50の繊度、及び繊維基材20上における繊維束50の配置密度は特に限定されないが、繊維束50の繊度が500〜5000texかつ繊維束50の配置密度が25mmあたり4〜10本であることが好ましい。これにより、繊維束50間に、十分な高さ、十分な幅、かつ、好適な間隔で配置された隙間52を確保でき、この隙間52に沿った未硬化の樹脂の良好な流動が実現される。ここで、繊維束50の繊度が500tex未満では、繊維束50の繊維基材20上での十分な高さを確保しにくく、未硬化の樹脂の流動性が低下しやすい傾向がある。一方、繊度が5000texを超えると、繊維基材20上に確保できる隙間52の数が少なくなりすぎる傾向がある。さらに、繊維基材20上における繊維束50の密度が4〜10本/25mmの範囲を超えると、隙間52の間隔が広すぎたり狭すぎたりする傾向がある。特に、樹脂の流動性を十分に確保すべく、上記の複合基材100における繊維束50(繊維束A)の繊維束幅W50(図1参照)と、繊維束50間の隙間G50との比は、3:1〜1:2であることが好ましく、2:1〜1:1.5であることがより好ましい。
また、この繊維束50は、繊度が2000texを超える場合等、繊度が比較的大きい場合には、図2に示すように、多数の繊維を含む繊維束55(繊維束AA)を複数束ねてなるものであることが好ましい。このように、各繊維束50がそれぞれ複数の繊維束55を含むと、圧力を受けても繊維束50が潰れにくくなり、繊維束50間に十分な高さや幅の隙間52を保持しやすい。各繊維束55の繊度は、好ましくは500〜2000tex、より好ましくは500〜1500texであり、各繊維束50はこのような繊維束55を2〜3本程度含むことが好ましい。
ここで、繊維基材20及び繊維束50の繊維の材質は特に限定されないが、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維等を好適に使用でき、特に、ガラス繊維を好適に使用できる。
縫い糸70は、繊維束50と繊維基材20とを縫い合わせて固定するものである。縫い糸70の繊度は、50〜200デニールが好ましい。また、縫い糸70の縫い目のピッチは、4〜20本/25mmであることが好ましい。
縫い糸70の材料は特に限定されないが、例えば、ガラス、ポリエステル等の樹脂等の繊維から作られた糸を好適に利用できる。
縫い糸70による縫い合わせ方は特に限定されないが、縫い糸70は、各繊維束50と繊維基材20の各繊維束10とをトリコット編みによって縫い合わせることが好ましい。これにより、繊維束50が、成形時の圧力でも一層潰れにくくなり、繊維束50間に隙間を維持しやすい。
(繊維強化樹脂構造体の製造方法)
続いて、このような複合基材を繊維強化材料として用いた、繊維強化樹脂構造体の製造方法について説明する。
まず、図3及び図4に示すように、所定の表面形状を呈する金属製等の下側成形型(金型)150と可撓性のヴァキュームバッグ(フィルム)160との間に強化基材層300を配置する。
具体的には、例えば、下側成形型150上に、複合基材100と、繊維基材200とを所定の様式で積層して強化基材層300として載置する。
積層方法としては、例えば、図3に示すように、一枚又は複数枚の繊維基材200と、一枚の複合基材100とを、交互に積層して強化基材層300とすることができる。
ここで、強化基材層300において、複合基材100に挟まれる一枚又は複数枚の繊維基材200の厚みをなるべく薄くして、未硬化の樹脂の流動性を向上させるべく、複合基材100の配置間隔、すなわち、複合基材100に挟まれる1枚又は複数枚の繊維基材200の厚みは、硬化後の状態で、1〜10mm間隔とすることが好適である。
また、複合基材100とヴァキュームバッグ160との間、複合基材100と下側成形型150との間に配置される一枚又は複数枚の繊維基材200の厚みも、複合基材100間に挟まれる場合と同様の厚みとすることが好ましい。なお、複合基材100は、下側成形型150及びヴァキュームバッグ160に接触させるように配置しても良い。
繊維基材200は、樹脂を強化できる基材であれば特に限定されないが、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維等から形成されたクロス、チョップドストランドマット、コンティニュアスストランドマット、多軸組布等を用いることができ、これらを単一枚又は複数枚含むことができる。
その後、強化基材層300の上面における互いに対向する2辺の縁領域300a,300bと、下側成形型150の表面との間に、板状の治具154a,154bをそれぞれ掛け渡たす。この治具154a,154bは、強化基材層300の両端面の外側においてヴァキュームバッグ160と下側成形型150との間に所定の隙間153a,153bを各々画成させるものである。ここで、図4に示すように、複合基材100の繊維束50の軸の向きは、一対の治具154a、154bを結ぶ方向、すなわち、後述するように樹脂を流す方向と平行になるようにされている。
ここで、図3及び図4に示すように、下側成形型150における治具154a(図示左側)と対向する面には、未硬化の液状の樹脂を供給するためのライン156の開口156aが形成されており、また、下側成形型150における治具154b(図示右側)と対向する面には、下側成形型150上から減圧によりガスを排気するライン158の開口158aが形成されている。ライン156は、未硬化の樹脂を供給する図示しないポンプに接続される一方、ライン158は、図示しない真空ポンプに接続されている。
続いて、下側成形型150上に、強化基材層300及び治具154a,154bを取り囲むように、シール材162を配置した後、可撓性のフィルムによって形成されるヴァキュームバッグ160を、強化基材層300及び治具154a,154bの上から下側成形型150にかぶせる。
ここで、このヴァキュームバッグ160のフィルムは、気密性があってかつ可撓性がある材料であれば特に限定されないが、例えば、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、PVCポリプロピレン、ポリイミド等のフィルムが利用できる。
(樹脂供給及び硬化)
続いて、ライン158から空気を排気することによりヴァキュームバッグ160と下側成形型150との間に形成される空間内を減圧する。これによって、ヴァキュームバッグ160が大気圧によって下方に向かって押しつけられる。そして、この排気を続けつつ、ライン156から未硬化の液状の樹脂90を、ヴァキュームバッグ160と下側成形型150との間に形成される空間内に供給する。ここで、ヴァキュームバッグ160と下側成形型150とが成形型170を構成している。
ここで、供給する未硬化の液状の樹脂90としては、硬化可能な樹脂であれば特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、変性エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。
そして、未硬化の樹脂の供給後、所定の加熱、あるいは、放置による室温への冷却等により、未硬化の樹脂を硬化させる。その後、ヴァキュームバッグ160をはずして、図5に示すように、硬化した樹脂95及び強化基材層300が一体化した繊維強化樹脂構造体400を取り出す。以上で繊維強化樹脂構造体の製造方法が終了する。製造後の繊維強化樹脂構造体400は、繊維基材200、複合基材100、及び、これらに含浸した硬化した樹脂95を含むものとなる。
このような繊維強化樹脂構造体の製造方法によれば、真空ポンプによる減圧により、繊維基材200は複合基材100に押しつけられる。しかしながら、複合基材100と繊維基材200との間には、複合基材100の繊維束50間に形成される隙間52(図1及び2参照)が形成される。このため、この隙間52を流路として、ライン156から供給される未硬化の樹脂90が図1及び図3の図示左右方向に容易に流れる。このようにして複合基材100の隙間52に沿って好適に移動した未硬化の樹脂90は、その後、複合基材100の繊維束50に面する側の繊維基材200に好適に含浸することができる。
また、複合基材100自体は、バインダー等を使用せずに縫い糸70によって繊維基材20と繊維束50とを縫い合わせたものなので、未硬化の樹脂は、複合基材100の繊維基材20を容易に突き抜けて流れることができる。したがって、未硬化の樹脂は、複合基材100の繊維基材20に面する繊維基材200に対しても十分に含浸することができる。さらに、このような複合基材100の繊維基材20や繊維束50自体も、バインダーを含まないので未硬化の樹脂が好適に含浸する。
これにより、ヴァキュームバッグ160と下側成形型150との間の各繊維基材200や複合基材100の隅々に渡って未硬化の樹脂を含浸させることができ、繊維強化樹脂構造体における樹脂の未含浸部を少なくできる。
また、この複合基材100は、バインダー等を含んでいないので、各繊維束10,50に対しても樹脂が含浸しやすく、さらに、繊維強化樹脂構造体のガラス含有量を容易に向上させることができる。
これらにより、本製造方法によれば強度の十分に高い繊維強化樹脂構造体が得られる。
さらに、この複合基材100は繊維強化材として機能するので、繊維強化樹脂構造体の形成後にこの複合基材を繊維強化樹脂構造体から除去する必要がなく、また、複合基材100自体も容易に製造できるので、低コストに繊維強化樹脂構造体を製造することができる。
また、複合基材100を、ヴァキュームバッグ160と下側成形型150との間に複数積層して配置しているので、厚みの大きな繊維強化樹脂構造体を、樹脂の未含浸部を少なくしつつ好適に製造できる。なお、本実施形態では、複合基材100間に繊維基材200を挟んでいるが、繊維基材200を挟まなくても実施は可能である。
また、未硬化の樹脂90を、この複合基材100の繊維束50の軸の方向に沿って供給している。したがって、隙間153aから隙間153bに向かって未硬化の樹脂の流れがよりスムーズにされている。
さらに、ヴァキュームバッグ160と下側成形型150との間に形成される空間内を減圧するので、未硬化の樹脂をさらに容易に強化基材層300内に十分に含浸させることができると共に、ライン156からの未硬化の樹脂の供給圧力を低くできる。
さらに、繊維基材20は、繊維束50と交差する方向に配置された複数の繊維束10から形成されているので、さらに繊維束10の隙間53(図1参照)に沿って未硬化の樹脂90が流れることができるので、繊維束50と直交する方向にも未硬化の樹脂90が流れやすくなり、樹脂の未含浸部のより少ない繊維強化樹脂構造体400を形成できる。また、この複合基材100を含む繊維強化樹脂構造体400の強度が繊維束50に交差する方向にも十分に強化される。
(第二実施形態)
続いて、図6〜図7を参照して、本発明の第二実施形態について説明する。本実施形態が第一実施形態と異なる点は、複合基材のみであるので、これについてのみ説明する。本実施形態における複合基材110が複合基材100と異なる点は、繊維基材20上において、繊維束50間に繊維束60(繊維束B)がそれぞれ配置されている点である。繊維束60は、それぞれ繊維束50と平行、すなわち、繊維基材20の繊維束10と交差するように配置されている。これに対応して、縫い糸70は、繊維束50及び繊維束60を、トリコット編みによって繊維基材20に対して縫い合わせて固定している。
この繊維束60は、繊維束50と同様の多数のガラス繊維を束ねて形成したものであり、その繊度は、繊維束50よりも小さく、繊維束50の40%以下であることが好ましく、繊維束50の30%以下であることがより好ましい。
このような、複合基材110によれば、複合基材100に比べて、未硬化の樹脂の流動性をそれほど損なうことなく、繊維強化樹脂構造体のガラス含有量を上げることができる。
(第三実施形態)
続いて、図8を参照して、本発明の第三実施形態について説明する。本実施形態が第一及び第二実施形態と異なる点は、ヴァキューム・インフュージョン法でなく、VaRTM(Vacuum assisted Resin Transfer Molding)法を採用している点である。具体的には、ヴァキュームバッグ160に代えて、所定の表面形状とされた金属製等の上側成形型(金型)155を用いている。本実施形態においても、第一及び第二実施形態と同様の作用効果を奏する。ここで、上側成形型155及び下側成形型150とが成形型175を構成している。
なお、本発明は上記実施形態には限定されず、様々な変形態様をとることが可能である。
例えば、上記実施形態では、強化基材層300を複合基材100及び繊維基材200とから形成しているが、複合基材100のみから形成しても良い。
また、上記実施形態では、複合基材100の繊維束50の軸の方向を、未硬化の樹脂が流れる方向と同一としているが、交差する方向としても実施は可能である。
また、上記実施形態では、繊維束10を並べた繊維基材20を採用しているが、繊維基材20として、チョップドストランドマットや、コンティニュアスストランドマット等の繊維束が平行に並んでいないものや、ロービングクロス等のように繊維束を編んだものを用いても実施は可能である。
また、上記実施形態では、下側成形型150の表面は平面状であるが、製造したい繊維強化樹脂構造体の形状に合わせて、下側成形型150や上側成形型155の表面形状を変更して良いのは言うまでもない。下側成形型や上側成形型等の金型の材料は、特に限定されず、成形時の温度、圧力による変形等によって不具合を生じない材料であればよい。例えば、金型の材料として、鉄、ステンレス等の金属や、繊維強化熱硬化性樹脂(FRP)、木等が挙げられる。
さらに、上記実施形態では、未硬化の樹脂が供給されるべき空間内を減圧しているが、常圧のまま未硬化の樹脂を圧入しても実施は可能である。
続いて、本実施形態に係る実施例を示す。
まず、本実施例で使用した複合基材C〜C、ロービングクロスR、ロービングクロスR及びチョップドストランドマットMについて説明する。
複合基材Cは、複数の繊維束Cを互いに平行にピッチ12.2/25mmで多数並べてなる繊維基材上に、複数の繊維束Aをピッチ7本/25mmで多数互いに平行に並べ、繊維束Cと繊維束Aとが垂直に配置されるように繊維束Cと繊維束Aとを縫い糸を用いてトリコット編みにより縫い合わせたものである。繊維束Aは繊度1100texの一本のガラス繊維束AAからなり、繊維束Cは繊度280texの一本のガラス繊維束からなり、縫い糸は繊度70デニールのポリエステル糸であり、トリコット編みのピッチは12本/25mmである。複合基材Cにおける繊維束Aの繊維束幅は1.5mm、繊維束A間の隙間は2mmである。
複合基材Cが複合基材Cと異なる点は、繊維束Aとして、繊度1100texのガラス繊維束AAを2本束ねたものを用い、繊維束Aの繊維束幅が2mmであり、繊維束A間の隙間が1.5mmである点である。
複合基材Cが複合基材Cと異なる点は、繊維束Aと繊維束Aとの間に、繊維束Aと平行に繊維束Bをそれぞれ配置し、繊維束A及び繊維束Bを繊維束Cに対してそれぞれ縫い糸で縫い合わせた点である。繊維束Bは、繊度280texのガラス繊維束1本からなる。
複合基材Cが複合基材Cと異なる点は、繊維束Bが繊度600texのガラス繊維束1本からなる点と、繊維束Cのピッチを12.4本/25mmとした点である。
複合基材Cが複合基材Cと異なる点は、繊維束Cが繊度600texのガラス繊維束1本からなる点と、繊維束Cのピッチを12.4本/25mmとした点である。
複合基材Cが複合基材Cと異なる点は、繊維束Aが繊度2300texのガラス繊維束AA1本からなり繊維束Aがピッチ4.5本/25mmで配置されている点と、繊維束Cが繊度2300texのガラス繊維束1本からなり繊維束Cがピッチ8.5本/25mmで配置されている点と、繊維束Aの繊維幅が4mmとされている点と、である。
これらの複合基材C〜Cの構成及び単重、(繊維束A+繊維束B)の目付K1、繊維束Cの目付K2、目付比R=K1/K2について図9に示す。
ロービングクロスRは、日東紡績社製のガラス繊維製のロービングクロス(WR570)であり、ピッチは縦6.5本/25mm、横5.8本/25mmであり、質量(単重)は580g/mである。
ロービングクロスRは、日東紡績社製のガラス繊維製のロービングクロス(WR800)であり、ピッチは縦4.6本/25mm、横3.8本/25mm、質量(単重)は800g/mである。
チョップドストランドマットMは、日東紡績社製のガラス繊維を用いて作られたチョップドストランドマット(MC900)であり、質量(単重)は900g/mである。
(実施例1〜6、比較例1)
まず、実施例1〜6では、各複合基材C〜Cを用いて、インフュージョン成型時における未硬化の樹脂の流れやすさの評価を行った。まず、このような各複合基材C〜Cを300mm角に切り出した。そして、各複合基材C〜Cを繊維束Aの方向が同じとなるように3枚重ねて強化基材層とし、下側成形型とヴァキュームバッグとの間に配置した。
そして、強化基材層における繊維束Aの軸に平行な方向の一端側から不飽和ポリエステル樹脂(大日本インキ化学工業社製、ポリライトPC184、樹脂温度15〜17℃)を供給すると共に、他端側から真空ポンプによりガスを排出して減圧し(減圧値−0.05MPa)、繊維束Aの軸に平行な方向の樹脂のフローフロント位置の時間変化を測定した。ここで、具体的には、樹脂の供給及びガスの排気は、強化基材層の繊維束Aの軸方向の両端に設けられたスパイラルホースを介して行った。樹脂の供給ライン及びガスの排気ラインは、これらスパイラルホースの各々中央部に接続した。また、同様にして、それぞれの強化基材層に対して繊維束Aの軸に直交する方向(繊維束Aの幅方向)の一端側から他端側に向けて同じ樹脂を供給して、繊維束Aの軸に直交する方向のフローフロント位置の変化も測定した。
また、比較例1では、複合基材Cに代えて、複合基材Cと同じ大きさに切り出したロービングクロスRを3枚用いる以外は実施例1と同様にしてフローフロントの位置の時間変化を測定した。なお、実施例1〜6及び比較例1では、流動用樹脂ネットは用いていない。
実施例1〜6及び比較例1において、フローフロント位置が200mm進むのに費やした時間を図10に、繊維束Aの軸と平行な方向におけるフローフロント位置の変化をグラフとして図11に、繊維束Aの軸と直交する方向におけるフローフロント位置の変化をグラフとして図12に示す。
比較例1に比べて、実施例1〜6では未硬化の樹脂が良好に流動することが確認される。特に、実施例1,2,3,4,5では繊維束Aに平行な方向の流動が特に良好であり、中でも、実施例5は繊維束Aに直交する方向の流動も特に良好で一層好ましい。
(実施例7,比較例2)
実施例7では、強化基材の構成を、(MRMC)*9+MRMとし、上述と同様にして繊維束Aの軸に平行な方向のフローフロント位置の時間変化を、ヴァキュームバッグ側と金型側とで個別に測定した。実施例7では、実施例1〜6と同様に流動用樹脂ネットは用いていない。なお、上記構成において、MはチョップドストランドマットMを、RはロービングクロスRを、Cは複合基材Cを示す(以下同様)。また、「(MRMC)*9」は(MRMC)を9回繰り返した構成であることを意味する(以下同様)。
比較例2では、強化基材の構成を、(MR)*19+Mとし、このような強化基材と金型との間に従来の流動用樹脂ネットを介在させた上で、上述と同様にして繊維束Aの軸に平行な方向のフローフロント位置の時間変化を、フィルム側と金型側とで個別に測定した。結果を図13に示す。本発明に係る複合基材を用いた実施例7では、従来の比較例2に比して、流動用樹脂ネットを用いなくてもヴァキュームバッグ側及び金型側の両方において偏りなく良好に未硬化の樹脂が流動した。なお、硬化後の繊維強化樹脂構造体の厚みはいずれも約27mm程度となった。
(実施例8〜10,比較例3)
実施例8では、強化基材の構成を、ヴァキュームバッグ側から金型側に向かってMRMCとし、上述と同様にして繊維束Aの軸に平行な方向のフローフロント位置の時間変化を、ヴァキュームバッグ側と金型側とで個別に測定した。実施例9では、強化基材の構成をMRMRMRMCとし、実施例10では強化基材の構成をMRMRMRMRMCとし、比較例3では、強化基材の構成をMRMRMRMRMRMとし、実施例8と同様にして繊維束Aの軸に平行な方向のフローフロント位置の時間変化を測定した。これらの実施例8〜10及び比較例3において、流動用樹脂ネットは用いていない。結果及び複合基材間の間隔を図14に示す。
複合基材間の距離が長くなるにつれて流動性はやや低下するが、実施例8〜10は、比較例に比べて十分な流動性を示した。
(実施例11,比較例4)
実施例11では、強化基材の構成をヴァキュームバッグ側から金型側に向かってMCMCMとする一方、比較例4では強化基材の構成をMRMRMとして繊維強化樹脂構造体のサンプルを得、それぞれのガラス含有量、3点曲げ強度、曲げ弾性率を調べた。特に、実施例11では、サンプルにおける複合基材の繊維束Aの軸に平行な方向と直交する方向との2方向について3点曲げ強度及び曲げ弾性率を測定した。樹脂としては、エポキシアクリレート樹脂(日本ユピカ(株)製ネオポール8250L)を100重量部、硬化剤としてクメンハイドロパーオキイド(日本油脂(株)製パークミルH−80)を1.5重量部、及び促進材として6%ナフテン酸コバルトを0.3重量部混合したものを用いた。減圧値は-0.05MPaとし、アフターキュアを60℃2時間行った。また、実施例11では流動用樹脂ネットを用いなかったが、比較例4では流動用樹脂ネットを用いた。3点曲げ強度試験は、JISK7055に基づいて行った。具体的には、実施例11では繊維強化樹脂構造体のサンプルの厚みが3.8mmとなったので、支点間距離60mm、試験スピード1.88mm/分で試験を行ったが、比較例4ではサンプルの厚みが4.4mmとなったので、支点間距離70mm、試験スピード2.18mm/分で試験を行った。また、それぞれサンプルを5個づつ作成して試験を行った。結果を図15に示す。
実施例11の繊維強化樹脂構造体は、比較例4の繊維強化樹脂構造体よりも3点曲げ強度、曲げ弾性率とも高かった。
図1は、第一実施形態に係る複合基材の平面図である。 図2は、図1の複合基材のII−II断面図である。 図3は第一実施形態に係る繊維強化樹脂構造体の製造方法を説明する概略構成図である。 図4は、図3の一部破断上面図である。 図5は図3の製造方法により得られる繊維強化樹脂構造体を示す概略断面である。 図6は、第二実施形態に係る複合基材の平面図である。 図7は、図6の複合基材のVII−VII断面図である。 図8は、第三実施形態に係る繊維強化樹脂構造体の製造方法を説明する概略構成図である。 図9は、実施例で用いた複合基材等の構成等を示す表である。 図10は、実施例1〜6及び比較例1の結果を示す表である。 図11は、実施例1〜6及び比較例1における繊維束50(繊維束A)と平行な方向のフローフロント位置の変化を示すグラフである。 図12は、実施例1〜6及び比較例1における繊維束50(繊維束A)と直交する方向(繊維束Aの幅方向)のフローフロント位置の変化を示すグラフである。 図13は、実施例7及び比較例2の結果を示す表である。 図14は、実施例8〜10及び比較例3の結果を示す表である。 図15は、実施例11及び比較例4の結果を示す表である。
符号の説明
10…繊維束(繊維束C)、50…繊維束(繊維束A)、55…繊維束(繊維束AA)、60…繊維束(繊維束B)、70…縫い糸、90…未硬化の樹脂、95…硬化した樹脂、100…複合基材、150…下側成形型(金型)、155…上側成形型(金型)、160…ヴァキュームバッグ(フィルム)、170,175…成形型、200…繊維強化樹脂構造体。

Claims (9)

  1. 複合基材を成形型内に配置する工程と、
    前記成形型内に未硬化の樹脂を減圧下供給する工程と、
    前記未硬化の樹脂を硬化させる工程と、を含み、
    前記複合基材は、繊維基材、前記繊維基材上に互いに平行に配置された複数の繊維束A、及び縫い糸を備え、前記縫い糸は前記繊維基材と前記複数の繊維束Aとを縫い合わせており、
    前記繊維束Aの繊度は500〜5000texであり、前記繊維基材上における前記繊維束Aの配置密度は4〜10本/25mmであり、
    前記繊維束Aの繊維束幅と、繊維束A間の隙間との比は、3:1〜1:2であり、
    前記複合基材において、前記繊維束Aと前記繊維基材とが前記縫い糸によるトリコット編みにより縫い合わされている、
    繊維強化樹脂構造体の製造方法。
  2. 前記樹脂は熱硬化性樹脂である請求項1に記載の繊維強化樹脂構造体の製造方法。
  3. 前記繊維束Aはそれぞれ複数の繊維束AAを束ねたものである請求項1又は2に記載の繊維強化樹脂構造体の製造方法。
  4. 前記繊維束A間には、前記繊維束Aと平行に配置されると共に前記繊維束Aの繊度よりも小さい繊度を有する繊維束Bがさらに配置され、前記繊維束Bと前記繊維基材とが縫い糸により縫い合わせされた請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化樹脂構造体の製造方法。
  5. 前記繊維基材は、前記繊維束Aと交差する方向に配置されると共に互いに平行に配置された複数の繊維束Cから形成された請求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化樹脂構造体の製造方法。
  6. 複合基材を成形型内に配置する工程において、前記複合基材を複数積層して配置する請求項1〜5のいずれかに記載の繊維強化樹脂構造体の製造方法。
  7. 前記成形型は、一方が金型で、他方が金型又はフィルムである請求項1〜6のいずれかに記載の繊維強化樹脂構造体の製造方法。
  8. 繊維基材、前記繊維基材上に互いに平行に配置された複数の繊維束A、及び縫い糸を備え、前記縫い糸は前記繊維基材と前記複数の繊維束Aとを縫い合わせており、
    前記繊維束Aの繊度は500〜5000texであり、前記繊維基材上における前記繊維束Aの配置密度は4〜10本/25mmであり、前記繊維束Aの繊維束幅と、繊維束A間の隙間との比は、3:1〜1:2であり、前記繊維束Aと前記繊維基材とが前記縫い糸によるトリコット編みにより縫い合わされており、
    前記繊維基材は、前記繊維束Aと交差する方向に配置されると共に互いに平行に配置された複数の繊維束Cから形成された複合基材。
  9. 請求項8の複合基材と、前記複合基材に含浸した熱硬化性樹脂とを含む繊維強化樹脂構造体。
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