JP4710120B2 - 内面補強中空容器のブロー成形方法およびその装置 - Google Patents

内面補強中空容器のブロー成形方法およびその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、内面補強中空容器のブロー成形方法およびその装置に関し、プラスチックボトルやプラスチックチューブなどの中空容器の薄肉化や軽量化を図ると同時に、内面の任意の位置に補強部を設けて必要な圧縮強度などを確保してブロー成形できるようにするものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、飲料用や食品用などをはじめとする包装容器としてプラスチックボトルやプラスチックチューブなどの中空容器が多用されている。
このようなプラスチックの中空容器は、通常、ブロー成形法で成形されており、プラスチックをダイコアとダイシェルとを通して単層あるいは多層のパリソンの形に溶融押出し、これを各種容器形状のキャビティが形成された1対の金型の間に導入し、金型を閉じた後ブロー気体を吹込んでキャビティ形状に成形し、冷却固化して取り出すようにしている。
【0003】
このようなプラスチックの中空容器によって従来のガラス製や金属製の容器にくらべ軽量化を図ることができるようになった。
【0004】
ところが、これまでのプラスチックの中空容器に対し、使用樹脂の減少による省資源化やより一層の軽量化に対する要求が高まり、容器の薄肉化が必要となる一方、容器自体の強度はこれまでと同様に確保しなければならないという相反する要求がある。
【0005】
そこで、中空容器の肉厚を薄くし、内面に補強用のリブを形成することで軽量化と強度の確保とを両立させることが考えられる。
【0006】
このような中空容器の内面に内向きのリブを成形する方法としては、プラスチックをダイを通してパリソンの形に溶融押出す場合に、予めパリソンに内向きリブとなる厚肉部を連続して形成しておき、このパリソンを用いてブロー成形することで容器の胴部を薄肉とするとともに、内向きに形成したリブで補強して強度を確保するようにしている。
【0007】
ところが、このような内向きにリブとなる厚肉部を連続して形成したパリソンを用いるブロー成形法では、ブロー気体をマンドレルを介して吹込む上吹込みや下吹込みの場合には、厚肉部があってもボトルのネック部の内周をマンドレルで拘束して真円に成形できるものの厚肉部とした部分の樹脂が無駄になり、一方ブローピンを介してブロー気体を吹込む横吹込みの場合には、ボトルのネック部の内周にそのまま肉厚部が残ってしまい容器としての密封性が悪くなったり、チューブの底部のヒートシール性が悪くなる。
【0008】
そこで、中空容器の内面の必要部分にのみ内向きのリブを成形する方法として、例えば特公平1−18846号公報に記載されている耐熱変形性プラスチックボトルの製造法があり、プラスチックをダイを通してパリソンの形に溶融押出す場合に、図7および図8に示すように、押出機1の突出口1aにダイ2が接続され、このダイ2を構成するテーパ状先端部3aを備えたダイコア3の一部に溝3bを形成してき、このダイコア3をダイシェル4とを相対的に軸方向に移動し、図8(b)に示すように、ダイコア3の溝3bとダイシェル4の間から押出して中空容器5のリブ5aとなるパリソン6の厚肉部6aを形成する押し出しを行い、図8(c)に示すように、ダイコア3の溝3bの無いテーパ状先端部3aとダイシェル4の間から押出すことで厚肉部6aのない通常の押し出しを行うようにして任意の箇所にリブ5aとなる厚肉部6aを形成したパリソン6を得るようにしている。
【0009】
このようなテーパ状先端部3aおよび溝3bを形成したダイコア3とダイシェル4とを軸方向に相対移動することで、中空容器5の任意の位置に内向きリブ5aとなるパリソン6の厚肉部6aを形成することができ、横吹込みの場合でもボトルのネック部の密封性やチューブの底部のヒートシール性の問題を解消することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このようなリブ5aとなる厚肉部6aをパリソン6の内側に突き出して形成してブロー成形すると、図9に示すように、ブロー気体7によるブロー圧力が均一にパリソン6の内周に作用せず、厚肉部6aの根元部分に集中し、この部分のブロー比が大きくなって薄肉になったり、厚肉部6aによって形成されるリブ5aが真っ直ぐにならずに歪んでしまうという問題がある。
【0011】
また、多層パリソンを用いるブロー成形の場合には、リブ5a部分で各樹脂層8がリブ5aよりも内側に寄って樹脂層8が平行にブロー成形されずに乱れてしまい、中間のバリア層の一部が薄くなってバリア効果が不十分になる等の問題がある。
【0012】
この発明はかかる従来技術の有する課題を解決するためになされたもので、プラスチックボトルやプラスチックチューブなどの中空容器の薄肉化や軽量化を図ると同時に、内面に補強部を設けて必要な圧縮強度などを確保する場合に、ブロー気体を均一に作用させ、リブの不整を防止でき、樹脂層の乱れも生じない内面補強中空容器のブロー成形方法およびその装置を提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記従来技術が有する課題を解決するためこの発明の請求項1記載の内面補強中空容器のブロー成形方法は、プラスチックをダイを通してパリソンの形に溶融押出し、閉じたパリソンの内部にブロー気体を吹き込んで内面に補強部を備えた中空容器をブロー成形するに際し、前記中空容器の補強必要部に対応するパリソンの外周面の押し出し方向に部分的に突き出して厚肉部を形成し、このパリソンの平坦な内周面に前記ブロー気体を吹き込んで内面に補強部が形成された中空容器を成形するようにしたことを特徴とするものである。
【0014】
この内面補強中空容器のブロー成形方法によれば、プラスチックをダイを通してパリソンの形に溶融押出し、閉じたパリソンの内部にブロー気体を吹き込んで内面に補強部を備えた中空容器をブロー成形するに際し、前記中空容器の補強必要部に対応するパリソンの外周面の押し出し方向に部分的に突き出して厚肉部を形成し、このパリソンの平坦な内周面に前記ブロー気体を吹き込んで内面に補強部が形成された中空容器を成形するようにしており、外周面の厚肉部により内面にリブを形成することで、内周面が平坦なパリソンとしてブロー気体を均一に作用させることができ、リブの不整を防止でき、樹脂層の乱れも生じない内面補強中空容器をブロー成形できるようにしている。
【0015】
また、この発明の請求項2記載の内面補強中空容器のブロー成形方法は、請求項1記載の構成に加え、前記パリソンの外周面の押し出し方向に部分的に突き出して形成する前記厚肉部を、ダイシェルに形成した厚肉部を形成し得る溝部に対してダイコアを相対的に軸方向に移動して形成するようにしたことを特徴とするものである。
この内面補強中空容器のブロー成形方法によれば、前記パリソンの外周面の押し出し方向に部分的に突き出して形成する前記厚肉部を、ダイシェルに形成した厚肉部を形成し得る溝部に対してダイコアを相対的に軸方向に移動して形成するようにしており、パリソンの外周部に突き出す厚肉部をダイシェルに対してダイコアを軸方向に相対移動するだけで簡単に形成できるようになる。
【0016】
さらに、この発明の請求項3記載の内面補強中空容器のブロー成形方法は、請求項1記載の構成に加え、前記パリソンの外周面の押し出し方向に部分的に突き出して形成する前記厚肉部を、ダイシェルの先端部に厚肉部を形成し得る溝部を内周端から外周端まで形成し、それぞれの溝内に可動シェルを装着し、前記ダイコアを前記ダイシェルの溝部と対向する位置に固定状態として可動シェルを径方向に移動して形成するようにしたことを特徴とするものである。
この内面補強中空容器のブロー成形方法によれば、前記パリソンの外周面の押し出し方向に突き出して形成する前記厚肉部を、ダイシェルの先端部に厚肉部を形成し得る溝部を内周端から外周端まで形成し、それぞれの溝内に可動シェルを装着し、前記ダイコアを前記ダイシェルの溝部と対向する位置に固定状態として可動シェルを径方向に移動して形成するようにしており、パリソンの外周部に突き出す厚肉部をダイシェルに対してダイコアを固定状態とし、ダイシェルの溝内の可動シェルを径方向に移動するだけで簡単に形成できるようになる。
【0017】
さらに、この発明の請求項4記載の内面補強中空容器のブロー成形方法は、請求項1〜3のいずれかに記載の構成に加え、前記中空容器をボトルとし、このボトルの少なくともネック部に対応する前記パリソンに前記厚肉部を形成せずにブロー成形するようにしたことを特徴とするものである。
【0018】
この内面補強中空容器のブロー成形方法によれば、前記中空容器をボトルとし、このボトルの少なくともネック部に対応する前記パリソンに前記厚肉部を形成せずにブロー成形するようにしており、ネック部に補強用のリブのないプラスチックボトルをブロー成形することができ、樹脂の無駄を無くし、密封性を向上できるようになる。
【0019】
また、この発明の請求項5記載の内面補強中空容器のブロー成形方法は、請求項1〜3のいずれかに記載の構成に加え、前記中空容器をチューブとし、このチューブの少なくとも後端の内容物充填後のヒートシール部に対応する前記パリソンに前記厚肉部を形成せずにブロー成形するようにしたことを特徴とするものである。
【0020】
この内面補強中空容器のブロー成形方法によれば、前記中空容器をチューブとし、このチューブの少なくとも後端の内容物充填後のヒートシール部に対応する前記パリソンに前記厚肉部を形成せずにブロー成形するようにしており、底部のヒートシール部に補強用のリブのないプラスチックチューブをブロー成形することができ、樹脂の無駄を無くし、密封性を向上できるようになる。
【0021】
さらに、この発明の請求項6記載の内面補強中空容器のブロー成形方法は、請求項1〜5のいずれかに記載の構成に加え、前記パリソンを多層パリソンとし、この多層パリソンによる前記中空容器の内面補強部の横断面における樹脂層がほぼ平行となるようにブロー成形するようにしたことを特徴とするものである。
【0022】
この内面補強中空容器のブロー成形方法によれば、前記パリソンを多層パリソンとし、この多層パリソンによる前記中空容器の内面補強部の横断面における樹脂層がほぼ平行となるようにブロー成形するようにしており、パリソンの外周側に突き出して形成した厚肉部をブロー成形することで、パリソンの内面に加わる均一なブロー圧力で成形でき、多層の樹脂層がほぼ平行のまま均一な厚さで成形されて内面に補強部が突き出す中空容器をブロー成形することができ、樹脂層の乱れがなく、バリア層等も均一な厚さにできるようにしている。
【0023】
また、この発明の請求項7記載の内面補強中空容器のブロー成形装置は、プラスチックをダイを通してパリソンの形に溶融押出し、閉じたパリソンの内部にブロー気体を吹き込んで内面に補強部を備えた中空容器をブロー成形する装置であって、ダイコアと、前記パリソンに厚肉部を形成し得る溝部を有するダイシェルと、これらダイコアおよびダイシェルを相対的に軸方向に移動させて前記中空容器の補強必要部に対応するパリソンの外周面の押し出し方向に部分的に突き出して厚肉部を形成する相対移動機構とを備え、このパリソンの平坦な内周面に前記ブロー気体を吹き込んで内面に補強部が形成された中空容器を成形することを特徴とするものである。
この内面補強中空容器のブロー成形装置によれば、プラスチックをダイを通してパリソンの形に溶融押出し、閉じたパリソンの内部にブロー気体を吹き込んで内面に補強部を備えた中空容器をブロー成形する装置であって、ダイコアと、前記パリソンに厚肉部を形成し得る溝部を有するダイシェルと、これらダイコアおよびダイシェルを相対的に軸方向に移動させて前記中空容器の補強必要部に対応するパリソンの外周面の押し出し方向に部分的に突き出して厚肉部を形成する相対移動機構とを備え、このパリソンの平坦な内周面に前記ブロー気体を吹き込んで内面に補強部が形成された中空容器を成形するようにしており、外周面に肉厚部が突き出して形成され内周面が平坦なパリソンを形成でき、これにより、ブロー気体を均一に作用させて内面にリブを形成することで、リブの不整を防止でき、樹脂層の乱れも生じない内面補強中空容器をブロー成形することができる。
【0024】
さらに、この発明の請求項8記載の内面補強中空容器のブロー成形装置は、プラスチックをダイを通してパリソンの形に溶融押出し、閉じたパリソンの内部にブロー気体を吹き込んで内面に補強部を備えた中空容器をブロー成形する装置であって、ダイコアと、前記パリソンに厚肉部を形成し得る溝部を内周端から外周端まで形成されたダイシェルおよびそれぞれの溝内に装着される径方向に移動可能な可動シェルと、前記ダイコアは前記ダイシェルの溝部と対向する位置に固定状態とされるとともに、前記可動シェルを径方向に移動して押し出し方向に部分的に厚肉部を形成する移動機構とを備え、このパリソンの平坦な内周面に前記ブロー気体を吹き込んで内面に補強部が形成された中空容器を成形することを特徴とするものである。
この内面補強中空容器のブロー成形装置によれば、プラスチックをダイを通してパリソンの形に溶融押出し、閉じたパリソンの内部にブロー気体を吹き込んで内面に補強部を備えた中空容器をブロー成形する装置であって、ダイコアと、前記パリソンに厚肉部を形成し得る溝部を内周端から外周端まで形成されたダイシェルおよびそれぞれの溝内に装着される径方向に移動可能な可動シェルと、前記ダイコアは前記ダイシェルの溝部と対向する位置に固定状態とされるとともに、前記可動シェルを径方向に移動して押し出し方向に部分的に厚肉部を形成する移動機構とを備え、このパリソンの平坦な内周面に前記ブロー気体を吹き込んで内面に補強部が形成された中空容器を成形するようにしており、外周面に肉厚部が突き出して形成され内周面が平坦なパリソンを可動シェルを用いることで形成でき、これにより、ブロー気体を均一に作用させて内面にリブを形成することで、リブの不整を防止でき、樹脂層の乱れも生じない内面補強中空容器をブロー成形することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の内面補強中空容器をブロー成形方法およびその装置の一実施の形態について図面に基づき詳細に説明する。
この発明の内面補強中空容器のブロー成形方法や内面補強中空容器のブロー成形装置で成形される中空容器は、図1および図2に示すようなプラスチック製のボトル10やチューブ11等であり、補強の必要な部分12にのみ補強部としての内向きリブ13が一体に成形され、補強の必要がない部分や内向きリブ13が形成されない方が良い部分には内向きリブ13を一体成形しないようにしたものである。
【0026】
このようなボトル10やチューブ11等の中空容器の補強の必要な部分12としては、例えばボトル10では、胴部10aの四隅12aや胴部10aとネック部10bとの間の肩部10cの内面12b、あるいは図1(d)に示すように、胴部10aの表面にラベル14を埋め込むように貼付する場合(インモールドラベル貼付法などの場合)のラベル14の貼付箇所に対応する背面部分(ラベル貼付部分とラベル非貼付部分の境界の背面部分)12c等を挙げることができ、チューブ11では、胴部11aの内面12dを挙げることができる。
【0027】
このような補強部としての内向きリブ13は、パリソン15の溶融押出しの際にパリソン15の外周面15aに突き出して形成する厚肉部16をブロー成形することによって中空容器10,11等に一体に形成することから、通常、ボトル10やチューブ11の軸方向に直線状に形成するが、パリソン15を回転しながら押出すようにして螺旋状の内向きリブ13を形成したり、パリソン15の外周面15aに突き出して一体に厚肉部16を形成できる形状であれば他の形状の内向きリブ13を形成しても良い。
【0028】
一方、このようなボトル10やチューブ11等の中空容器の補強の不要な部分としては、例えばボトル10では、打栓キャップなどで密封するネック部10bやパリソンのピンチオフを行う底部10d等を挙げることができ、チューブ11では、樹脂の無駄を省くためのネック部11bや内容物の充填後ヒートシールで密封する後端のヒートシール部11c等を挙げることができる。
【0029】
次に、このような補強部としての内向きリブ13をパリソン15の外周面15aに突き出して形成した厚肉部16からブロー成形する方法について具体的に説明する。
【0030】
これまでの内向きリブを一体にブロー成形する方法では、パリソンの内周面に突き出して厚肉部を形成しておき、これを内向きリブとするものであったが、この方法では、既に述べたように、ブロー気体が厚肉部の根元に集中して作用することからリブの倒れやリブ根元部分の薄肉化などの問題が生じる。
【0031】
そこで、この内面補強中空容器のブロー成形方法では、パリソン15の外周面15aに突き出して厚肉部16を形成し、内周面15bの平坦なパリソン15を用いてブロー成形することで内向きリブ13を備えた中空容器10,11等を成形するようにするものである。
【0032】
このブロー成形では、図3に示すように、ダイ20を構成する円筒状のダイシェル21の内周面に厚肉部16を形成するための溝部22が、例えばボトル10の四隅に対応して円周方向等間隔に4か所形成してある。
【0033】
一方、このダイシェル21の内側にダイ通路23となる隙間を介して配置されるダイコア24は、先端部にダイリップ25を形成する円柱部26とその上部に位置する円錐部27とを備えており、ダイコア24の円柱部26をダイシェル21に対して軸方向に相対移動させ、溝部22と対向させることで、パリソン15の外周面15aに厚肉部16を形成し、溝部22のない部分と対向させることで、通常の均一な肉厚のパリソン15を形成するようにする。
【0034】
このようなダイシェル21に対してダイコア24の位置を相対移動するため、図示省略したが、ダイコア24には相対移動機構が設けられ、例えばサーボモータなどによってその位置が制御され、外周面15aに肉厚部16が形成されたパリソン15と通常の均一な肉厚のパリソン15とを連続して形成でき、それぞれの長さを任意に調整できるようにしてある。
【0035】
このようなパリソン15の外周面15aに厚肉部16を形成するためにダイシェル21に形成する溝部22は、例えば図3に示すように、ダイシェル21の下端部に短く形成したり、図4に示すように、下端部以外に長く形成するようにする場合のいずれでも良いが、通常、下端部に短い溝部22を形成するようにした方が、均一な肉厚のパリソン15を押出す場合にダイコア24が対向するダイシェル21の溝部22のない部分が長く、樹脂がダイコア24の内側に膨らもうとすることを防止して薄肉のパリソン15を押出すことができる。
【0036】
なお、ダイシェル21に形成する溝部22の長さは、必ずしも図示例の下端部にダイコア24の先端の円柱部26の高さと同程度に短く、それ以外にダイコア24の先端の円柱部26の高さに比べて長くする場合に限るものでなく、長短を逆にしたり、ダイコア24の先端の円柱部26の高さの数倍程度の中位の長さにしても良い。
【0037】
このようなダイシェル21とダイコア24とを用いてダイコア24を軸方向に相対移動させてパリソン15を溶融押出すようにすることで、パリソン15の外周面15aに溝部22に対応する厚肉部16が突き出して形成され、内周面15bが平坦なパリソン15を形成することができるとともに、外周面15aの厚肉部16をパリソン15の押出し方向の任意の位置に形成することができ、ボトル10のネック部10bや底部10dに厚肉部16を形成せず、胴部10aにのみ厚肉部16を形成したパリソン15とすることができる。
【0038】
同様にして、チューブ11の場合には、ネック部10bや後端のヒートシール部11cに厚肉部16を形成しないパリソン15を形成することができる。
【0039】
また、パリソン15の外周面15aに突き出して厚肉部16を形成する方法としては、ダイシェル21に溝部22を形成してダイコア24を軸方向に相対移動する場合に限らず、例えば図5に示すように、ダイシェル21の先端部に厚肉部16を形成する部分に対応して径方向の溝部22を内周端から外周端まで形成し、それぞれの溝部22内に可動シェル28を装着して径方向に移動可能としておき、ダイコア24はダイシェル21の溝部22と対向する位置に固定状態としておくものでも良い。
【0040】
そして、パリソン15の外周面15aに突き出して厚肉部16を形成する必要がある場合には、可動シェル28を径方向外側に移動させてダイリップ25部分に溝が形成されるようにする一方、厚肉部16を形成する必要がない場合には、可動シェル28をダイシェル21の内周面と面一となるように移動する。
【0041】
このようなダイコア24を軸方向に相対移動せず、可動シェル28だけの移動でパリソン15の外周面15aに突き出して厚肉部16を形成することもできる。
【0042】
そして、このようなボトル10やチューブ11の補強必要部12にのみ厚肉部16を形成したパリソン15には、ブロー気体が吹込まれ、ボトル10やチューブ11等にブロー成形することで、補強必要部12に内向きリブ13を一体に形成することができ、ブロー気体をパリソン15内に吹込む場合にパリソン15の内周面15aが平坦になっていることから、パリソン15に均一にブロー圧力が作用し、厚肉部16によって形成される内向きリブ13が倒れたり、厚肉部16によって形成される内向きリブ13の根元部分が薄肉になることもない。
【0043】
また、この外周面15aに突き出して厚肉部16が形成されたパリソン15を、平坦なキャビティが形成された1対の金型内に導入してブロー気体を吹込んでブロー成形すると、例えば多層パリソン15を用いる場合にも、図6に示すように、パリソン15の内周面15aが平坦になっていることから均一にブロー圧力が作用して多層の樹脂層13aがほぼ平行にブロー成形されると同時に、内向きリブ13が厚肉部16に対応して内側に盛り上がるように成形され、成形完了後には、内向きリブ13の部分で樹脂層13aが僅かに湾曲するものの各樹脂層13aはほぼ平行になり、バリア層などの中間層も均一な厚さとなってその機能を十分発揮させることができる。
【0044】
これに対して、従来のパリソンの内周面に突き出して厚肉部6を形成して内向きリブ5aをブロー成形する場合には、図9に示したように、内向きリブ5aの部分でリブ5aが倒れるなどで樹脂層8が乱れて中間層が折れ重なることがあり、中間にバリア層を設ける場合にはその一部が薄くなってしまうこともある。
【0045】
このような多層パリソンを用いる場合の樹脂層から、製品の外観は同一であっても成形法を識別することもできる。
【0046】
このような内面補強中空容器のブロー成形方法によれば、中空容器10,11等の任意の箇所に内向きリブ13を形成することができ、縦圧縮強度を向上することができるとともに、内向きリブ13が曲ったり、倒れたりすることがなく、所定の形状に成形することができ、多層パリソンを用いる多層の中空容器では、樹脂層の乱れを防止することもできる。
【0047】
これにより、ボトル10やチューブ11等の中空容器の胴部の厚さを薄くすることができ、軽量化や樹脂の使用量の削減を図ると同時に、中空容器として必要な必要な縦圧縮強度や落下強度を確保することができ、内向きリブ13によって熱変形を防止することもできる。
【0048】
特に、インモールドラベル法でラベルを金型内に装着しておきブロー成形の際に中空容器の表面に面一状態で貼付する中空容器でも、ラベルを貼付した部分とラベルを貼付しない部分との境界部分に対応するボトルの内面に内向きリブ13を形成することで、必要な強度を確保することができる。すなわち、インモールドラベルを貼付したボトルでは、ボトルが落下すると落下衝撃が加わるが、ラベル貼付部分では弾性変形が生じ難く、逆にラベルを貼付してない部分では弾性変型が生じ易く、これら弾性変形の差によってラベルの角部であるラベル貼付部分とラベル非貼付部分との境界部分に応力が集中することになるが、これを内向きリブ13で緩和して補強することができる。
【0049】
また、この内面補強中空容器のブロー成形方法によれば、ボトル10の打栓キャップが取り付けられるネック部10bやパリソン15のピンチオフ部となる底部10dに内向きリブ13を形成しないようにできるとともに、チューブ11のネック部11bやヒートシール部11cに内向きリブ13を形成しないようにすることができ、ボトル10やチューブ11のネック部やヒートシール部のシール性を向上することができるとともに、ネック部等の成形を真円のマンドレルを用いずブローピンによる横吹き込みでブロー気体を吹き込むことができ、ネック部(取出口)の形状の制約がなく、真円以外の形状にすることも出来る。
【0050】
さらに、この内面補強中空容器のブロー成形方法によれば、補強必要部12に形成するリブが内向きリブ13であり、中空容器10,11などの内側に突き出して成形されるので、外表面は平坦であり、従来のボトルやチューブと同一の外観となり、印刷等の装飾も従来と同様に施すことができる。
【0051】
なお、このような中空容器の素材となるプラスチックは、これまでのブロー成形に用いられているものを使用することができ、例えば、高密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、結晶性プロピレン−エチレン共重合体、アイオノマー等のオレフィン系樹脂;ポリスチレン、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、ニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂等のスチレン系樹脂;ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ハイニトリル樹脂;飽和ポリエステル樹脂;ポリアミド樹脂;ポリカーボネート;エチレン−ビニルアルコール共重合体;塩化ビニル樹脂あるいはこれらの混合物等を用いることができる。
【0052】
また、これらの樹脂を単層で構成する場合のほか、2〜7層等の多層で構成しても良く、例えばガスバリヤー性を付与する場合には、オレフィン系樹脂/エチレン−ビニルアルコール共重合体/オレフィン系樹脂の層構成とし、これら各層の間に酸乃至酸無水物変性オレフィン樹脂のような接着剤層を介在させて構成するようにすれば良い。
【0053】
【実施例】
以下、この発明の実施例について説明するが、この発明はこれら実施例に限定されるものでない。
【0054】
(実施例1)
50m/m押出機(L/D=22)を用いてメルトフローレート(MFR)が0.3g/10分で密度が0.947g//cm3 の高密度ポリエチレンをダイシェルとダイコアの間隔を1mmとし、ダイシェルに深さ2mm、幅3mm、高さ2mmのスリット状の溝部を先端部の円周4か所に形成し、ダイコアを上下に移動して中空容器の胴部の外周面にのみ厚肉部が形成された溶融パリソンを押し出した。
このパリソンを金型内でブロー成形し、質量が15g、容量が400ccの外面が平坦で内面に内向きリブが形成された中空容器を得た。
得られた中空容器の肉厚の厚み分布は、通常部で0.3mm、内向きリブの最も厚い部分で1.0mm、内向きリブの幅は10mmであった。
この中空容器の圧縮強度を評価するため、圧縮スピード50mm/分で空瓶圧縮強度を測定した。その結果を表1に示す。
同表から明らかなように、内向きリブによって十分な圧縮強度の増大が図られていることが分かる。
【0055】
(実施例2)
50m/m押出機(L/D=22)を用いてメルトフローレート(MFR)が0.3g/10分で密度が0.947g//cm3 の高密度ポリエチレンを第1押出機に供給して最内外層を、エチレン含有量が32モル%、融点が185℃のエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)を第2押出機に供給して中間層を、カルボニル基濃度が40meq/100gの無水マレイン酸変性ポリエチレンを第3押出機に供給して各層間の接着性樹脂層を、ダイシェルとダイコアの間隔を1mmとし、ダイシェルに深さ2mm、幅3mm、高さ2mmのスリット状の溝部を先端部の円周4か所に形成し、ダイコアを上下に移動して中空容器の胴部の外周面にのみ厚肉部が形成された溶融パリソンを押し出した。
このパリソンを金型内でブロー成形し、質量が15g、容量が400ccの外面が平坦で内面に内向きリブが形成された3種5層構造の中空容器を得た。
得られた中空容器の肉厚の厚み分布は、通常部で0.3mm、内向きリブの最も厚い部分で1.0mm、内向きリブの幅は10mmであり、胴部の各層の厚みは、最内外層がそれぞれ120μm、中間層が20μm、接着性樹脂層がそれぞれ20μm(合計0.3mm)であった。
この中空容器の圧縮強度を評価するため、実施例1と同様にして空瓶圧縮強度を測定し、その結果を表1に示す。
同表から明らかなように、内向きリブによって十分な圧縮強度の増大が図られていることが分かる。
【0056】
(比較例1)
実施例1と同一の押出機を用いてメルトフローレート(MFR)が0.3g/10分で密度が0.947g//cm3 の高密度ポリエチレンをダイシェルとダイコアの間隔を1mmとし、厚肉部のない溶融パリソンを押し出した。
このパリソンを金型内でブロー成形し、質量が15g、容量が400ccの内外面が平坦な中空容器を得た。
得られた中空容器の肉厚の厚み分布は、通常部で0.4mmであった。
この中空容器の圧縮強度を評価するため、実施例1と同一と同様にして空瓶圧縮強度を測定し、その結果を表1に示す。
同表から明らかなように、実施例1,2に比較して空瓶圧縮強度が半分以下であることが分かる。
【0057】
【表1】
Figure 0004710120
【0058】
(実施例3)
実施例1と同一の押出機、ダイシェルおよびダイコアを用い、中空容器の胴部の外周面にのみ厚肉部が形成された溶融パリソンを押し出した。
このパリソンを、厚さが100μmのOPP製インモールドラベルを装着した金型内でブロー成形し、質量が15g、容量が400ccの外面が平坦でラベルの左右の際の内面に内向きリブが形成された中空容器を得た。
得られた中空容器の肉厚の厚み分布は、通常部で0.3mm、インモールドラベルの左右際の内向きリブの最も厚い部分で1.0mm、内向きリブの幅は10mmであった。
この中空容器の落下強度を評価するため、容器に水道水を充填し、口部を密封後5℃の環境下に24時間以上保管し、低温落下強度試験を実施した。その結果を表2に示す。
同表から明らかなように、ラベル左右の際の内向きリブによって十分な低温落下強度の増大が図られていることが分かる。
【0059】
(比較例2)
実施例1と同一の押出機を用いてメルトフローレート(MFR)が0.3g/10分で密度が0.947g//cm3 の高密度ポリエチレンをダイシェルとダイコアの間隔を1mmとし、厚肉部のない溶融パリソンを押し出した。
このパリソンを、厚さが100μmのOPP製インモールドラベルを装着した金型内でブロー成形し、質量が15g、容量が400ccの中空容器を得た。◎得られた中空容器の肉厚の厚み分布は、通常部で0.4mmであった。
この中空容器の落下強度を評価するため、実施例3と同様にして低温落下強度試験を実施し、その結果を表2に示す。
同表から明らかなように、十分な低温落下強度が得られないことが分かる。
【0060】
【表2】
Figure 0004710120
【0061】
【発明の効果】
以上、一実施の形態とともに具体的に説明したように、この発明の請求項1記載の内面補強中空容器のブロー成形方法によれば、プラスチックをダイを通してパリソンの形に溶融押出し、閉じたパリソンの内部にブロー気体を吹き込んで内面に補強部を備えた中空容器をブロー成形するに際し、前記中空容器の補強必要部に対応するパリソンの外周面の押し出し方向に部分的に突き出して厚肉部を形成し、このパリソンの平坦な内周面に前記ブロー気体を吹き込んで内面に補強部が形成された中空容器を成形するようにしたので、外周面の厚肉部により内面にリブを形成することで、内周面が平坦なパリソンとしてブロー気体を均一に作用させることができ、リブの不整を防止でき、樹脂層の乱れも生じない内面補強中空容器をブロー成形することができる。
【0062】
これにより、中空容器を薄肉にして軽量化および使用樹脂量を削減できると同時に、必要な強度を確保することができる。
【0063】
さらに、補強必要部以外に内向きリブを形成しないので、ネック部の形状をマンドレルで規制する必要がなく、形状の自由度を増大することができる。
【0064】
さらに、この発明の請求項2記載の内面補強中空容器のブロー成形方法によれば、前記パリソンの外周面の押し出し方向に部分的に突き出して形成する前記厚肉部を、ダイシェルに形成した厚肉部を形成し得る溝部に対してダイコアを相対的に軸方向に移動して形成するようにしたので、パリソンの外周部に突き出す厚肉部をダイシェルに対してダイコアを軸方向に相対移動するだけで簡単に形成することができる。
また、この発明の請求項3記載の内面補強中空容器のブロー成形方法によれば、前記パリソンの外周面の押し出し方向に突き出して形成する前記厚肉部を、ダイシェルの先端部に厚肉部を形成し得る溝部を内周端から外周端まで形成し、それぞれの溝内に可動シェルを装着し、前記ダイコアを前記ダイシェルの溝部と対向する位置に固定状態として可動シェルを径方向に移動して形成するようにしたので、パリソンの外周部に突き出す厚肉部をダイシェルに対してダイコアを固定状態とし、ダイシェルの溝内の可動シェルを径方向に移動するだけで簡単に形成することができる。
【0065】
また、この発明の請求項4記載の内面補強中空容器のブロー成形方法によれば、前記中空容器をボトルとし、このボトルの少なくともネック部に対応する前記パリソンに前記厚肉部を形成せずにブロー成形するようにしたので、ネック部に補強用のリブのないプラスチックボトルをブロー成形することができ、樹脂の無駄を無くし、密封性を向上することができる。
【0066】
さらに、この発明の請求項5記載の内面補強中空容器のブロー成形方法によれば、前記中空容器をチューブとし、このチューブの少なくとも後端の内容物充填後のヒートシール部に対応する前記パリソンに前記厚肉部を形成せずにブロー成形するようにしたので、底部のヒートシール部に補強用のリブのないプラスチックチューブをブロー成形することができ、樹脂の無駄を無くし、密封性を向上することができる。
【0067】
また、この発明の請求項6記載の内面補強中空容器のブロー成形方法によれば、前記パリソンを多層パリソンとし、この多層パリソンによる前記中空容器の内面補強部の横断面における樹脂層がほぼ平行となるようにブロー成形するようにしたので、パリソンの外周側に突き出して形成した厚肉部をブロー成形することで、パリソンの内面に加わる均一なブロー圧力で成形でき、多層の樹脂層がほぼ平行のまま均一な厚さで成形されて内面に補強部が突き出す中空容器をブロー成形することができ、樹脂層の乱れがなく、バリア層等も均一な厚さにすることができる。
【0068】
さらに、この発明の請求項7記載の内面補強中空容器のブロー成形装置によれば、プラスチックをダイを通してパリソンの形に溶融押出し、閉じたパリソンの内部にブロー気体を吹き込んで内面に補強部を備えた中空容器をブロー成形する装置であって、ダイコアと、前記パリソンに厚肉部を形成し得る溝部を有するダイシェルと、これらダイコアおよびダイシェルを相対的に軸方向に移動させて前記中空容器の補強必要部に対応するパリソンの外周面に突き出して厚肉部を形成する相対移動機構とを備え、このパリソンの平坦な内周面に前記ブロー気体を吹き込んで内面に補強部が形成された中空容器を成形するようにしたので、外周面に肉厚部が突き出して形成され内周面が平坦なパリソンを形成でき、これにより、ブロー気体を均一に作用させて内面にリブを形成することで、リブの不整を防止でき、樹脂層の乱れも生じない内面補強中空容器をブロー成形することができる。
さらに、この発明の請求項8記載の内面補強中空容器のブロー成形装置によれば、プラスチックをダイを通してパリソンの形に溶融押出し、閉じたパリソンの内部にブロー気体を吹き込んで内面に補強部を備えた中空容器をブロー成形する装置であって、ダイコアと、前記パリソンに厚肉部を形成し得る溝部を内周端から外周端まで形成されたダイシェルおよびそれぞれの溝内に装着される径方向に移動可能な可動シェルと、前記ダイコアは前記ダイシェルの溝部と対向する位置に固定状態とされるとともに、前記可動シェルを径方向に移動して押し出し方向に部分的に厚肉部を形成する移動機構とを備え、このパリソンの平坦な内周面に前記ブロー気体を吹き込んで内面に補強部が形成された中空容器を成形するようにしたので、外周面に肉厚部が突き出して形成され内周面が平坦なパリソンを可動シェルを用いることで形成することができ、これにより、ブロー気体を均一に作用させて内面にリブを形成することで、リブの不整を防止でき、樹脂層の乱れも生じない内面補強中空容器をブロー成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の内面補強中空容器のブロー成形方法およびその装置の一実施の形態にかかり、成形される中空容器であるボトルの斜視図、各部の部分拡大図および部分拡大断面図である。
【図2】この発明の内面補強中空容器のブロー成形方法およびその装置の一実施の形態にかかり、成形される中空容器であるチューブの斜視図および各部の部分拡大図である。
【図3】この発明の内面補強中空容器のブロー成形方法およびその装置の一実施の形態にかかるダイシェルおよびダイコアの断面図で、(a)はダイシェルの溝部分の横断面を、(b)は厚肉部を押出さない場合を、(c)は厚肉部を押出す場合を、それぞれ示す。
【図4】この発明の内面補強中空容器のブロー成形方法およびその装置の他の一実施の形態にかかるダイシェルおよびダイコアの断面図で、(a)は厚肉部を押出さない場合を、(b)は厚肉部を押出す場合をそれぞれ示す。
【図5】この発明の内面補強中空容器のブロー成形方法およびその装置のさらに他の一実施の形態にかかるダイシェルおよびダイコアの断面図で、(a)はダイシェルの溝部分の横断面を、(b)は厚肉部を押出さない場合を、(c)は厚肉部を押出す場合を、それぞれ示す。
【図6】この発明の内面補強中空容器のブロー成形方法およびその装置の一実施の形態にかかり、パリソンおよび中空容器の一部分を拡大した部分横断面図である。
【図7】従来のブロー成形装置の概略断面図である。
【図8】従来の内面に補強リブを備える中空容器のブロー成形方法にかかるダイシェルおよびダイコアの断面図で、(a)はダイシェルの溝部分の横断面を、(b)は厚肉部を押出す場合を、(c)は厚肉部を押出さない場合をそれぞれ示す。
【図9】従来の内面に補強リブを備える中空容器のブロー成形方法にかかるパリソンおよび中空容器の一部分を拡大した部分横断面図である。
【符号の説明】
10 ボトル(中空容器)
10a 胴部
10b ネック部
10c 肩部
10d 底部
11 チューブ(中空容器)
11a 胴部
11b ネック部
11c ヒートシール部
12 補強必要部
12a 内面四隅
12b 肩部内面
12c ラベル背面
12d チューブ内面
13 内向きリブ
14 ラベル
15 パリソン
15a 外周面
15b 内周面
16 厚肉部
20 ダイ
21 ダイシェル
22 溝部
23 ダイ通路
24 ダイコア
25 ダイリップ
26 円柱部
27 円錐部
28 可動シェル

Claims (8)

  1. プラスチックをダイを通してパリソンの形に溶融押出し、閉じたパリソンの内部にブロー気体を吹き込んで内面に補強部を備えた中空容器をブロー成形するに際し、前記中空容器の補強必要部に対応するパリソンの外周面の押し出し方向に部分的に突き出して厚肉部を形成し、このパリソンの平坦な内周面に前記ブロー気体を吹き込んで内面に補強部が形成された中空容器を成形するようにしたことを特徴とする内面補強中空容器のブロー成形方法。
  2. 前記パリソンの外周面の押し出し方向に部分的に突き出して形成する前記厚肉部を、ダイシェルに形成した厚肉部を形成し得る溝部に対してダイコアを相対的に軸方向に移動して形成するようにしたことを特徴とする請求項1記載の内面補強中空容器のブロー成形方法。
  3. 前記パリソンの外周面の押し出し方向に部分的に突き出して形成する前記厚肉部を、ダイシェルの先端部に厚肉部を形成し得る溝部を内周端から外周端まで形成し、それぞれの溝内に可動シェルを装着し、前記ダイコアを前記ダイシェルの溝部と対向する位置に固定状態として可動シェルを径方向に移動して形成するようにしたことを特徴とする請求項1記載の内面補強中空容器のブロー成形方法。
  4. 前記中空容器をボトルとし、このボトルの少なくともネック部に対応する前記パリソンに前記厚肉部を形成せずにブロー成形するようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内面補強中空容器のブロー成形方法。
  5. 前記中空容器をチューブとし、このチューブの少なくとも後端の内容物充填後のヒートシール部に対応する前記パリソンに前記厚肉部を形成せずにブロー成形するようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内面補強中空容器のブロー成形方法。
  6. 前記パリソンを多層パリソンとし、この多層パリソンによる前記中空容器の内面補強部の横断面における樹脂層がほぼ平行となるようにブロー成形するようにしたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の内面補強中空容器のブロー成形方法。
  7. プラスチックをダイを通してパリソンの形に溶融押出し、閉じたパリソンの内部にブロー気体を吹き込んで内面に補強部を備えた中空容器をブロー成形する装置であって、ダイコアと、前記パリソンに厚肉部を形成し得る溝部を有するダイシェルと、これらダイコアおよびダイシェルを相対的に軸方向に移動させて前記中空容器の補強必要部に対応するパリソンの外周面の押し出し方向に部分的に突き出して厚肉部を形成する相対移動機構とを備え、このパリソンの平坦な内周面に前記ブロー気体を吹き込んで内面に補強部が形成された中空容器を成形することを特徴とする内面補強中空容器のブロー成形装置。
  8. プラスチックをダイを通してパリソンの形に溶融押出し、閉じたパリソンの内部にブロー気体を吹き込んで内面に補強部を備えた中空容器をブロー成形する装置であって、ダイコアと、前記パリソンに厚肉部を形成し得る溝部を内周端から外周端まで形成されたダイシェルおよびそれぞれの溝内に装着される径方向に移動可能な可動シェルと、前記ダイコアは前記ダイシェルの溝部と対向する位置に固定状態とされるとともに、前記可動シェルを径方向に移動して押し出し方向に部分的に厚肉部を形成する移動機構とを備え、このパリソンの平坦な内周面に前記ブロー気体を吹き込んで内面に補強部が形成された中空容器を成形することを特徴とする内面補強中空容器のブロー成形装置。
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