JP4709179B2 - 符号化パラメータ選択方法,符号化パラメータ選択装置,符号化パラメータ選択プログラムおよびその記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は,高能率画像信号符号化における符号化パラメータ選択方法に関し,特に時空間視覚感度を考慮して,予測モード,量子化パラメータ等の符号化パラメータを選択する符号化パラメータ選択方法,符号化パラメータ選択装置,符号化パラメータ選択プログラムおよびその記録媒体に関する。
[二乗誤差規範のコスト関数を用いる符号化方式]
H.264では,イントラ予測および可変形状動き補償の導入に伴い,従来の標準化方式と比べて,予測モードの種類が増加している。このため,一定の主観画質を保持しつつ符号量を削減するには,適切な予測モードを選択する必要がある。H.264の参照ソフトウェアJM[非特許文献1参照]では,以下のR−Dコストを最小化する予測モードを選択している。なお,以下の表記において,「^X」(XはS,R,C等の文字)における記号^は,「X」の上に付く記号である。
Figure 0004709179
ここで,Sは原信号,qは量子化パラメータ,mは予測モードを表す番号であり,^Sm,q はSに対してmを用いて予測し,qを用いて量子化した場合の復号信号である。また,λはモード選択に用いるラグランジェの未定乗数である。さらに,D(S,^Sm,q )は次式に示す二乗誤差和である。
Figure 0004709179
ここで,SY ,SU ,SV は原信号のY,U,V成分であり,^SY m,q ,^SU m,q ,^SV m,q は復号信号のY,U,V成分である。
H.264における復号信号の算出を以下に示す。なお,説明に用いる記号を「表1」にまとめる。
Figure 0004709179
H.264の符号化処理では,モード番号mの予測を用いた場合の予測誤差信号Rm (=S−Pm )に対して,変換行列Φを用いた直交変換が次式のように施される。
Figure 0004709179
Φt は変換行列Φに対する転置行列を表す。なお,変換行列Φは次式で表される整数要素の直交行列である。
Figure 0004709179
次に,行列Φが非正規行列であるため,行列の正規化に相当する処理を行う。
n =N(C) (3)
さらに,Cに対して,量子化パラメータqを用いた量子化が次式の通り施される。なお,JMでは,正規化は量子化の中に組み込まれている。
V=Q(Cn ) (4)
一方,H.264の復号処理では,Vに対して,次式のように逆量子化を施し,変換係数の復号値を得る。
Figure 0004709179
次に,^Cq に対して,次式のように逆変換を施し,予測誤差の復号信号を得る。
Figure 0004709179
最後に,次式により,符号化対象画像の復号信号を得る。
Figure 0004709179
[主観画質を考慮した歪み量への重み付け]
前述の通り,H.264の参照ソフトウェアJMで用いられている主観画質の尺度は二乗誤差である。しかし,この二乗誤差は必ずしも,主観的な画質劣化を反映した歪み量ではない。例えば,高周波数成分の変化は低周波成分の変化に比べて,視覚的には検知されにくい。しかし,こうした視覚特性を利用していない符号化器(例えば,JM)には,符号量の効率的な削減に関して,改良の余地が残る。
そこで,時空間周波数成分に対して視覚感度に差があることを利用する検討がなされている。直交変換係数に対して,視覚感度に応じて空間周波数成分毎に歪み量の重み付けを行うことで,主観画質に対応した歪み量を定義する。さらに,時間方向の視覚感度も考慮して,上述の重み付けされた歪み量に対して,変移量に応じてさらに重み付けを行う。こうして時空間の視覚感度に基づき重み付けされた歪み量を,符号化パラメータ選択のコスト関数において用いる。このような主観画質を考慮したモード選択に関する具体的な手法は,非特許文献2で検討されている。
なお,本発明に関係する視覚感度関数の関数形を定めるパラメータについて記載している文献としては,以下の非特許文献3がある。
K.P.Lim and G.Sullivan and T.Wiegand,Text Description of Joint Model Reference Encoding Methods and Decoding Concealment Methods. Joint Video Team (JVT) of ISO/IEC MPEG and ITU-T VCEG,JVT-R95 ,Jan.,2006. 坂東幸浩,高村誠之,上倉一人,八島由幸,"主観画質を考慮したH.264/AVモード選択方法",情報処理学会 第54回AVM研究会,Vol. 2006, pp.35-39. 2006. D. H. Kelly. Motion and vision. II. Stabilized spatiotemporal threshold surface. J. Opt. Soc. Am. ,vol.69,no.10 ,pp.1340-1349,Oct. 1979.
前述の非特許文献2に示されている従来法では,歪み量の重み付けには空間方向のコントラスト感度関数を用いている。時間方向の重み付けについては,変移量の大きさに応じて,空間方向のコントラスト感度関数の強度を制御する方法をとっている。これは,大きな時間変化が生じたフレームでは画質劣化が検知されにくいという時間方向のマスキング効果を利用したものであった。しかし,この従来法では,時間方向のコントラスト感度に関しては考慮されておらず,符号量の効率的な削減に関して,なお改良の余地が残る。
さらに,上述のような時間マスキング効果を適切に利用するためには,フレーム内の真の変移量を正確に求める必要がある。H.264では,フレーム内のブロック毎にブロックマッチングベースの変移量推定を行い,動き補償フレーム間予測を用いる変移量を算出する。こうした符号化器で求めた変移量は,二乗誤差と符号量の加重和であるコストを最小化する意味では,適した値ではある。しかし,画像内の真の変移量とは乖離する可能性がある。推定された変移量が真の変移量と大きく乖離している場合には,画質劣化を招く可能性がある。真の変移量は小さな値であるにもかかわらず,大きな値として変移量を推定した場合,歪み量に対する重み付けが大きく設定され,大きな歪みを許容する符号化パラメータが選択される。しかし,本来,変移量は小さく,画質劣化に対する感度の低下は期待できないため,主観画質を損なうことになる。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって,推定された変移量に対する信頼度に基づき,推定された変移量と真の変移量の乖離度を考慮し,時空間コントラスト感度に基づく視覚特性により定まる主観画質を反映した歪み量を用いることにより,効率的に符号量を削減する符号化パラメータ選択方法を確立することを目的とする。
上記課題を解決するため,本発明は,時空間周波数成分に対して視覚感度に差があることを利用し,直交変換係数に対して,空間方向のコントラスト感度と時間方向のコントラスト感度に基づく視覚感度に応じた感度係数を算出し,その感度係数を用いて重み付けされた歪み量を算出する。その算出された重み付き歪み量,符号量および未定乗数からなるラグランジェのレート歪みコスト関数に基づき,選択対象となる符号化パラメータ毎にレート歪みコストを算出し,選択対象の符号化パラメータの中で,レート歪みコストが最小となる符号化パラメータを選択する。
本発明は,非特許文献1に記載された従来法とは,モード選択で用いるコスト関数に違いがある。従来法のコスト関数が,二乗誤差(あるいは絶対値誤差)と符号量との加重和であるのに対して,本発明のコスト関数は,重み付けされた二乗誤差(あるいは絶対値誤差)と符号量との加重和となる。このとき,重み付けされた二乗誤差(あるいは絶対値誤差)は,通常の二乗誤差(あるいは絶対値誤差)よりも,小さな値をとる。つまり,予測モード等の符号化パラメータ選択のコストにおける歪み量を二乗誤差和よりも小さく見積もる。このため,本発明では,従来法よりも符号量の小さいモードを選択される確率が高くなり,発生符号量が小さくなる。例えば,skipが選ばれ易くなる。
また,本発明は,非特許文献2において検討されている従来法とは,ブロックの変移量とブロック内の空間周波数分布を引数とする所定の時空間視覚感度関数に基づき,時空間視覚感度を示す感度係数を算出し,その感度係数を用いて歪み量を重み付けする点が異なる。本発明では,時空間コントラスト感度に基づく視覚特性により定まる主観画質を反映した歪み量を用いてレート歪みコストを算出することができるので,従来法よりも符号量の効率的な削減が可能になる。
さらに,本発明では,変移量の確からしさを考慮した信頼度を導入し,同程度の信頼度を有する変移量であれば,その大きさが最小となる変移量を重み付けに用いる。例えば,符号化器の求めた変移量がdである場合,[d−δl ,d+δu ]といった区間として表現する。歪み量の重み付けには,同区間の下限値d−δl を用いる。
本発明では,ブロックの変移量が大きいほど,符号量は削減される。そこで,このように変移量の下限値を用いることで過剰な重み付けによる画質劣化を回避する。
すなわち,本発明は,フレーム内予測およびフレーム間予測により得られた予測誤差信号に対して,変換符号化および量子化による情報圧縮を行う画像符号化において符号化に用いる適切な符号化パラメータを選択するために,符号化対象フレームを分割したブロック毎に,画像信号の時間的な動きを示す変移量を算出し,そのブロックの変移量とブロック内の空間周波数分布を引数とする所定の時空間視覚感度関数に基づき,時空間視覚感度を示す感度係数を算出し,その感度係数を用いて重み付けされた歪み量を算出する。また,選択対象の各符号化パラメータ毎にその符号化パラメータを選択した場合に発生する符号量を算出するとともに,前記符号化パラメータを選択した場合のレート歪みコスト関数に用いられる未定乗数を算出する。それらの算出された重み付けされた歪み量,符号量および未定乗数からなるラグランジェのレート歪みコスト関数に基づき,選択対象となる符号化パラメータ毎にレート歪みコストを算出し,選択対象となる符号化パラメータの中で,レート歪みコストが最小となる符号化パラメータを,符号化に用いる符号化パラメータとして選択する。さらに,前記変移量を算出する際には,動き推定によって推定される変移量の信頼度を決定し,決定した信頼度をもとに該変移量の下限値を算出し,算出した変移量の下限値を前記時空間視覚感度関数の引数として用いることを特徴とする。
さらに,本発明は,前記変移量の信頼度を,フレーム間予測誤差およびブロック内の画像信号の平坦度に基づき決定することを特徴とする。
前記符号化パラメータの例としては,動画像符号化における予測モード,動き補償ブロックサイズ,スキップモード,または量子化パラメータがある。
本発明では,符号化歪みの主観画質への寄与の度合いを考慮して,モード選択のR−Dコストを適応的に切り替える。これにより,符号化歪みの主観画質への寄与が小さい領域に対しては,符号量削減を重視するような重み付けがR−Dコストに加えられる。この場合,視覚的には検知され難い領域に対して符号量の削減を行うため,復号画像の主観画質を保ちながら,効率的に符号量を削減できる。
以下,本発明の具体的な実施形態を詳しく説明する。
[符号化パラメータ選択装置の概要]
図1は,本発明に係る符号化パラメータ選択装置の構成例を示す。図1において,1は符号化パラメータ選択装置,10は選択対象符号化パラメータ設定部,11は変移量下限値算出部,12は重み付き歪み量算出部,13は符号量算出部,14は未定乗数算出部,15はコスト算出部,16は最小コスト判定部を表す。
符号化パラメータ選択装置1は,動画像の符号化にあたって,動き補償ブロックサイズ,スキップモード,量子化パラメータ,静止画像符号化における量子化パラメータ,またはイントラ予測モード等の符号化パラメータを,時空間視覚感度を考慮して選択する装置である。符号化パラメータ選択装置1において,特に従来技術と異なる部分は,重み付き歪み量算出部12と変移量下限値算出部11の部分である。
予測モード等の符号化パラメータの選択では,一般に歪み量,符号量,未定乗数からなるラグランジェのコスト関数に基づき,最小コストとなる符号化パラメータを選択するが,本発明では,時空間視覚感度を考慮して重み付けされた歪み量を用いてコスト関数を設定する。そのため,重み付き歪み量算出部12は,視覚感度関数,空間周波数,変移量に基づき周波数毎に重み付けされた二乗誤差(または絶対値和)として得られる歪み量を算出する。
変移量下限値算出部11では,重み付き歪み量算出部12が重み付き歪み量を算出するにあたって,変移量の確からしさを考慮した信頼度を導入し,同程度の信頼度を有する変移量であれば,その大きさが最小となる変移量を選択して重み付き歪み量算出部12へ送る。
全体の動作は以下の通りである。選択対象符号化パラメータ設定部10は,例えば符号化パラメータが予測モードの場合,選択対象の予測モードの一つを順次設定し,重み付き歪み量算出部12,符号量算出部13,未定乗数算出部14へ送る。重み付き歪み量算出部12は,フレーム信号と,設定された予測モードと,変移量下限値算出部11が算出した変移量の下限値を用いて,重み付けされた歪み量を算出する。符号量算出部13は,設定された予測モードを含む符号化パラメータのもとで発生する符号量を算出する。未定乗数算出部14は,予測モード,量子化パラメータなど符号化パラメータを入力し,ラグランジェの未定乗数を算出する。
コスト算出部15は,重み付き歪み量算出部12,符号量算出部13,未定乗数算出部14がそれぞれ算出した重み付き歪み量,符号量,未定乗数によって規定されるコスト関数から,選択対象符号化パラメータ設定部10が設定した符号化パラメータを用いた場合のコストを算出する。最小コスト判定部16は,選択対象符号化パラメータ設定部10が順次設定した符号化パラメータの中で,コストが最も小さい符号化パラメータを選択し,その符号化パラメータを符号化パラメータ選択装置1の出力とする。
符号化パラメータとして予測モードを選択するのではなく,量子化ステップ幅などの量子化パラメータ,動き補償ブロックサイズ,その他の符号化パラメータの選択を,以上の予測モードの選択の例と同様に,符号化パラメータ選択装置1が行うように構成することもできる。
時空間視覚感度を考慮して重み付けされた歪み量を用いてコスト関数を設定することによって,従来法に比べて,同等の主観画質を実現するために必要な符号量を低減することができる。特に,本発明では,ブロックの変移量が大きいほど,符号量の削減の効果が大きい。また,変移量下限値算出部11によって変移量の下限値を算出し,同程度の信頼度を有する変移量であれば最小の変移量を重み付き歪み量の算出に用いることにより,過度の符号量の削減を抑止し,主観画質が極端に劣化することを回避することができる。
次に,重み付き歪み量算出部12における重み付き歪み量の算出方法の具体例,および変移量下限値算出部11における変移量の下限値の算出方法の具体例を説明する。
[量子化誤差信号の重み付け]
量子化誤差信号に対する視覚感度に基づく重み付けについて,以下,説明する。本発明では,次式のR−Dコストを用いる。
Figure 0004709179
ここで,Cm はモード番号mを用いた場合の予測残差信号Rm に対する変換係数であり,^Cm,q はCm を量子化パラメータqで量子化・逆量子化して得られる係数の復号値である。このR−Dコストの計算に用いる歪み量として,以下の重み付き歪み量を用いる。
Figure 0004709179
ここで,16/Nおよび8/Nを囲む記号は,小数部分の切り捨てを意味する。CY(i) m[k,l],CU(i) m[k,l],CV(i) m[k,l]は,Cm の要素であり,マクロブロック(Y成分の場合,16×16[画素],U,V成分の場合,8×8[画素])内のサブブロック(N×N[画素])のうち,ラスター走査においてi番目に走査されるサブブロックに含まれる変換係数である。また,^CY(i) m,q[k,l],^CU(i) m,q[k,l],^CV(i) m,q[k,l]は^Cm,q の要素であり,マクロブロック(Y成分の場合,16×16[画素],U,V成分の場合,8×8[画素])内のサブブロック(N×N[画素])のうち,ラスター走査においてi番目に走査されるサブブロックに含まれる復号変換係数である。
さらに,WY k,l ,WU k,l ,WV k,l は1以下に設定される重み係数であり,以下では,感度係数と呼ぶ。感度係数の算出については,以下で説明する[感度係数の算出]にて詳述する。上式において,WY k,l ,WU k,l ,WV k,l を小さな値に設定することは,量子化歪みD(Cm ,^Cm,q )を小さく見積もることに相当する。なお,直交変換の正規性より,すべてのk,lに対して,WY k,l =1,WU k,l =1,WV k,l =1とすれば,上述の重み付き歪み量は二乗誤差和と等価となる。
[感度係数の算出]
本発明では,各ブロック内の歪み量に対して,時空間視覚感度関数に基づく重み付けを行う。この重み付けの係数の算出において,入力となるのは,変換行列と変移量である。なお,以下では,縦幅Hの画像を視距離rHにおいて観測する場合を考える。rを視距離パラメータと呼ぶ。
このマクロブロックの変移が(dx ,dy )と推定される場合,時間周波数は,縦幅Hの画像を視距離rHにおいて観測する場合,単位時間当たりの角度の変化量として,次式により与えられる。
Figure 0004709179
ここで,fr はフレームレートである。なお,(dx ,dy )の推定方法については,後の[変移量の変動区間に基づく下限値の算出]の項にて詳述する。
変換行列Φ(N×N行列)の第k列ベクトル(N次元ベクトル)をφk とすると,同行列に対する基底画像は,次式より得られる。なお,H.264の場合,Nとして取り得る値は4または8のいずれかである。
k,l (x,y)=φk [y]φl [x]t (0≦x,y≦N−1)
ここで,φl t はφl の転置ベクトルである。各基底画像fk,l (x,y)(0≦x,y≦N−1)に対して,次式に示す離散フーリエ変換を施し,フーリエ係数を得る。なお,以下ではN=2m とおく。
Figure 0004709179
ここで,jは虚数単位である。
上記のフーリエ係数Fk,l (u,v)(0≦u≦N−1,0≦v≦N−1)に対して,以下の重み付けを行う。
Figure 0004709179
以下,〜Fk,l (u,v,ω)〔〜はFの上に付く記号(以下,他も同様)〕について,説明する。ここで,g(η,ω)は視覚感度関数として知られる関数であり,次式のような関数形で表される。
Figure 0004709179
ここで,a,b,c,dは,視覚感度関数の関数形を定めるパラメータ(以後,モデルパラメータと呼ぶ)であり,例えば,次のような値をとる[非特許文献3参照]。
(a,b,c,d)=(6.1,7.31,2,45.9)
また,式(12)において,ηは以下の値とする。
Figure 0004709179
η0 は,以下のようにg(η)が最大値をとる引数である。
Figure 0004709179
θ(r,H)は,縦幅Hの画像を視距離rHにおいて観測する場合の一画素あたりの角度であり,次式により与えられる。
Figure 0004709179
基底画像fk,l (x,y)(0≦x,y≦N−1)に対する感度係数を,次式の電力比として定義する。
Figure 0004709179
感度係数は,変移量が与えられれば,符号化対象画像とは独立に求めることが可能である。このため,動き推定の探索範囲内の候補ベクトルに対して,符号化前に予め感度係数を求めることができる。この感度係数をルックアップテーブルに格納すれば,符号化時の感度係数算出のための演算は省略することができる。なお,WU k,l (ω),WV k,l (ω)についても同様に求めることができる。このとき,輝度成分と色差成分でモデルパラメータを変更することも可能である。
[変移量の変動区間に基づく下限値の算出]
本発明では,変移量を区間で表現し,歪み量の重み付けには,同区間の下限値を用いる。推定された変移量が(dx ,dy )である場合,[dx −δxl,dx +δxu]×[dy −δyl,dy +δyu]なる区間として表現する。以下,その区間の設定法について述べる。
本処理の入力は,符号化対象のマクロブロック内の画素値,参照フレームにおける同マクロブロックに対する動き推定の探索範囲の画素値,変移量の推定値,である。例えば,変移量の推定値としては,符号化器の出力する値を用いることができる。変移量の信頼度を2つの尺度(フレーム間予測誤差および平坦度)を用いて評価する。
<変動区間の下限値算出の尺度>
この方法では,まず,符号化対象フレームft (x,y)(0≦x≦X−1,0≦y≦Y−1)を複数の領域に分割し,参照フレームを直前フレームとした場合,領域毎に動き補償を用いた次のようなフレーム間予測を行う。
Figure 0004709179
ここで,Bi は第i番目の領域である。また,(dx ,dy )は符号化器により選ばれた動きベクトルである。この動きベクトルの推定方法としては,例えば,探索範囲Ri において,領域Bi 内での予測誤差を最小化する動きベクトルを求めるのであれば,動きベクトル(〜dx ,〜dy )は次式となる。
Figure 0004709179
探索領域内の各点における予測誤差E[dx ,dy ],および平坦度V[dx ,dy ]を各々,以下のように表す。
Figure 0004709179
ここで,μt-1 (dx ,dy )は次式とする。
Figure 0004709179
ここで,|Bi |はBi 内の画素数である。
<下限値の設定>
上記により求めた予測誤差を用いて,以下のように予測誤差マップMe [dx ,dy ]を作成する。
Figure 0004709179
さらに,以下のように,予測誤差マップを更新する。
e [dx ,dy ]=2
(Me [dx +ix ,dy ],Me [dx ,dy +iy ],Me [dx +ix ,dy +iy ]のいずれかが1あるいは,2となる場合) (22)
ここで,ix ,iy は,ベクトル(dx ,dy )−(〜dx ,〜dy )の水平方向,および垂直方向の単位ベクトルであり,次式のように定まる。
Figure 0004709179
(dx +ix ,dy ),(dx ,dy +iy ),(dx +ix ,dy +iy )は,当該位置から静止位置(変移量が零ベクトルの位置)方向に位置する画素位置であり,以下では,静止方向隣接位置と呼ぶ。また,前記の通り求めた平坦度を用いて,以下のように平坦度マップVe [v]を作成する。
Figure 0004709179
さらに,以下のように,平坦度マップを更新する。
v [dx ,dy ]=2
(Mv [dx +ix ,dy ],Mv [dx ,dy +iy ],Mv [dx +ix ,dy +iy ]のいずれかが1あるいは,2となる場合) (26)
e [dx ,dy ]=2および,Mv [dx ,dy ]=2を満たす(dx ,dy )の中でノルムが最小となるベクトルを,感度関数の算出に用いる変移量(^dx ,^dy )として用いる。ここで,ベクトルのノルムは,次式で定義する。
|dx 2 +|dy 2
[実施形態(モード選択):フローチャート]
本発明の符号化パラメータ選択処理の実施形態について,モード選択の場合を例にとり,図面(図2)を参照して説明する。
ステップS10:予測モードの初期値をレジスタXに書き込む。最小コストを格納するレジスタC,最適モードを格納するレジスタMを各々,初期値に設定する。
ステップS11:当該マクロブロックの変移量を推定する。推定手法は,外部より与えられるものとする。例えば,H.264の参照ソフトウェアJMが算出する動きベクトルを,以下で使用する変移量の推定値として用いることも可能である。あるいは,式(17)に従って,算出することも可能である。さらに,このとき,探索領域中の各参照位置におけるフレーム間予測誤差値(式(18)により求まる)は,別途,ルックアップテーブルに格納するものとする。
ステップS12:ステップS11で出力された変移量の推定値,当該マクロブロックの画素値,参照フレームにおける探索範囲内の画素値を入力として,変移量の変動区間の下限値を算出する。本処理の詳細については,図3を用いて詳述する。
ステップS13:予測モード,量子化パラメータ,符号化対象信号,参照信号を入力とし,与えられた予測モードを用いた場合の符号量を算出し,算出した値をレジスタに書き出す。具体的な算出方法は,参照ソフトウェアJMの方法に従う。
ステップS14:予測モード,量子化パラメータ,符号化対象信号,参照信号を入力とし,与えられた予測モードを用いた場合の重み付き歪み量を算出し,算出した値をレジスタに書き出す。本処理の詳細については図4を用いて後述する。
ステップS15:予測モード,量子化パラメータを入力とし,未定乗数を算出し,算出した値をレジスタに書き出す。具体的な算出方法は,参照ソフトウェアJMの方法に従う。
ステップS16:符号量,重み付き歪み量,未定乗数を入力とし,R−Dコストを算出し,算出した値をレジスタに書き出す。具体的な算出方法は,式(8)に従う。
ステップS17:ステップS16で算出したR−Dコスト,およびレジスタCの値を入力とし,ステップS16で算出したR−DコストがレジスタCの値よりも小さいか否かの判定を行い,判定結果である真偽値を出力する。出力が真値の場合,ステップS18に進む。出力が偽値の場合,ステップS21の処理に移る。
ステップS18:ステップS16で算出したR−DコストをレジスタCに書き出す。
ステップS19:レジスタXに格納されているモードをレジスタMに書き出す。
ステップS20:全ての予測モードについて以上の処理を終えたかどうかを判定し,まだ処理が終えていなければ,ステップS21へ進む。処理を終えたならば,ステップS19においてレジスタMに格納したモードを,最適な予測モードとして出力する。
ステップS21:レジスタXに次の予測モードを表す値を書き出す。レジスタXに書き出す予測モードの順番は予め与えられるものとする。その後,ステップS13以降の処理を同様に繰り返す。
図2におけるステップS12の処理,すなわち変移量の下限値を推定する処理の流れを図3に示す。
ステップS30:ステップS11で求めた推定変移量を読み込む。
ステップS31:探索領域中の各位置におけるフレーム間予測誤差を格納したルックアップテーブル,および推定変移量を入力として,推定変移量の位置の信号を参照した場合のフレーム間予測誤差を基準予測誤差としてルックアップテーブルから読み込む。
ステップS32:探索領域中の各位置におけるフレーム間予測誤差を格納したルックアップテーブル,探索領域中の位置情報を入力として,同位置の信号を参照した場合のフレーム間予測誤差をルックアップテーブルから読み込む。
ステップS33:バイアス項の値,ステップS31で出力した基準予測誤差,およびステップS32で出力した当該位置の予測誤差を入力として,基準予測誤差とバイアス項の和と当該位置の予測誤差の大小比較を行い,前者の方が小さい場合,ステップS34の処理に移り,当該位置の予測誤差マップに1を格納する。そうでなければ,ステップS35の処理に移り,当該位置の予測誤差マップに0を格納する。
ステップS36:ステップS32からステップS35までの処理を探索領域内の全位置について繰り返す。
ステップS37,S38:予測誤差マップ,および,探索領域中の位置情報を入力として,当該位置に対する静止方向隣接位置における予測誤差マップの値が1または2であるかの判定を行い,この判定条件を満たす場合,ステップS38に移り,当該位置に対する予測誤差マップの値を2に更新する。
ステップS39:ステップS37,S38の処理を探索領域内の全位置について繰り返す。
ステップS40:参照フレームの探索領域の画素値を入力として読み込み,各参照位置に対する平坦度を算出し,ルックアップテーブルに格納するものとする。なお,平坦度の算出方法は式(19)に従うものとする。
ステップS41:ステップS40で出力した探索領域中の各位置における平坦度を格納したルックアップテーブル,および推定変移量を入力として,推定変移量の位置の信号の平坦度を基準平坦度としてルックアップテーブルから読み込む。
ステップS42:ステップS40で出力した探索領域中の各位置における平坦度を格納したルックアップテーブル,探索領域中の位置情報を入力として,同位置の信号を参照した場合の平坦度をルックアップテーブルから読み込む。
ステップS43:バイアス項の値,ステップS41で出力した基準平坦度,およびステップS42で出力した当該位置の平坦度を入力として,基準平坦度とバイアス項の和と当該位置の平坦度の大小比較を行い,前者の方が小さい場合,ステップS44の処理に移り,当該位置の平坦度マップに1を格納する。そうでなければ,ステップS45の処理に移り,当該位置の平坦度マップに0を格納する。
ステップS46:ステップS42からステップS45までの処理を探索領域内の全位置について繰り返す。
ステップS47:平坦度マップ,および,探索領域中の位置情報を入力として,当該位置に対する静止方向隣接位置における平坦度マップの値が1または2であるかの判定を行い,この判定条件を満たす場合,ステップS48に移り,当該位置に対する平坦度マップの値を2に更新する。
ステップS49:ステップS47,S48の処理を探索領域内の全位置について繰り返す。
ステップS50:予測誤差マップ,および平坦度マップを入力として,両マップにおいて2の値をとる位置の中で,ベクトルの二乗ノルムが最小となる位置を検出し,同位置の情報を出力する。
図2におけるステップS14の処理,すなわち重み付き歪み量を算出する処理の流れを図4に示す。
ステップS60:変換行列Φにより得られた変換係数を入力とし,正規化処理を行い,正規化後の変換係数を一次元配列としてレジスタに書き出す。なお,2次元データである変換係数を1次元データとする走査方法については外部から与えられるものとする。例えば,MPEG−2等で用いられているzig−zag走査はその一例である。これは,以下のステップS61,S63においても同様である。
ステップS61:変換係数に対する量子化結果を入力とし,逆量子化処理を行い,変換係数の復号値を一次元配列としてレジスタに書き出す。
ステップS62:変移量の変動区間の下限値として,ステップS12で出力した値を読み込む。
ステップS63:ステップS62で読み込んだ値を変移量として入力し,感度係数を算出する処理を行い,算出された感度係数を一次元配列としてレジスタに書き出す。具体的な算出方法は,式(16)に従う。
ステップS64:繰り返し回数をカウントするために用いるカウンタiの値を0に初期化する。レジスタSの値を0に初期化する。
ステップS65:ステップS60で出力された正規化後の変換係数の第i成分,およびステップS61で出力された変換係数の復号値の第i成分を入力とし,両者の差分を求め,同差分値を二乗する処理を行い,算出した二乗誤差をレジスタに書き出す。
ステップS66:ステップS65で出力した二乗誤差,感度係数の第i成分を入力とし,二乗誤差に感度係数を乗じる処理を行い,乗算結果をレジスタに書き出す。
ステップS67:ステップS66で算出した値,レジスタSの値を入力として,両者を加算し,加算結果をレジスタSに書き出す。
ステップS68,S69:以上のステップS65〜S67の処理を,カウンタiに1を加算しながら変換係数の全成分について行う。
[実施形態(モード選択):装置構成図]
本発明の装置構成図を図5に示す。なお,ここでは,符号化パラメータの選択例として,モード選択の例を示す。
変移量記憶部101:外部から読み込んだ当該マクロブロックの推定変移量を格納する。具体的な推定方法は,外部より与えられるものとする。例えば,参照ソフトウェアJMに実装される動きベクトルの推定方法は,その一例である。あるいは,式(17)に従って,算出することも可能である。
変移量下限値推定部102:変移量記憶部101から読み込んだ変移量の推定値,当該マクロブロックの画素値,参照フレームにおける探索範囲内の画素値を入力として,変移量の変動区間の下限値を算出し,変移量下限値記憶部103に格納する。本処理の詳細については,図6を用いて詳述する。
初期モード設定部104:予測モードの初期値をモード記憶部105に書き出す。
符号量算出部106:予測モード,量子化パラメータ,符号化対象信号,参照信号を入力とし,符号化した場合の符号量を算出し,算出した値を符号量記憶部107に書き出す。具体的な算出方法は,参照ソフトウェアJMの方法に従う。
重み付き歪み量算出部108:予測モード,量子化パラメータ,符号化対象信号,参照信号を入力とし,符号化した場合の重み付き歪み量を算出し,算出した値を重み付き歪み量記憶部109に書き出す。本処理の詳細については図7を用いて後述する。
未定乗数算出部110:予測モード,量子化パラメータを入力とし,未定乗数を算出し,算出した値を未定乗数記憶部111に書き出す。具体的な算出方法は,参照ソフトウェアJMの方法に従う。
コスト算出部112:符号量記憶部107,重み付き歪み量記憶部109,未定乗数記憶部111から読み出した符号量,重み付き歪み量,未定乗数を入力とし,R−Dコストを算出し,算出した値をコスト記憶部113に書き出す。具体的な算出方法は,式(8)に従う。
最小コスト判定部114:コスト記憶部113,最小コスト記憶部115から読み出したR−Dコスト,最小コストを入力とし,R−Dコストが最小コストよりも小さいか否かの判定を行い,判定結果である真偽値を出力する。出力が真値の場合,コスト記憶部113から読み出したR−Dコストを最小コスト記憶部115に書き出し,最適モード更新部116に進む。出力が偽値の場合,最終モード判定部118の処理に移る。
最適モード更新部116:最小コスト記憶部115に書き出したR−Dコスト算出に用いたモードを最適モード記憶部117に書き出す。
最終モード判定部118,モード設定部119,最適モード出力部120:以上の処理を全ての予測モードについて行う。
図5における変移量下限値推定部102の処理ブロックの詳細を図6に示す。
推定変移量記憶部200:当該ブロックの推定変移量を格納する。ここで,格納されるのは,図5の変移量記憶部101に格納された値と同じ値である。
探索範囲内予測誤差記憶部201:当該ブロックに対する参照フレームの探索領域中の各参照位置におけるフレーム間予測誤差値(式(18)により求まる)を格納する。
基準予測誤差記憶部202:推定変移量記憶部200の推定変移量,および探索範囲内予測誤差記憶部201の探索領域中の各位置におけるフレーム間予測誤差値を入力として,推定変移量の位置の信号を参照した場合のフレーム間予測誤差を基準予測誤差として読み込み,格納する。
加算処理部204:バイアス記憶部203のバイアス項の値,基準予測誤差記憶部202の基準予測誤差を入力として,基準予測誤差とバイアス項の値を加算する処理を行い,加算結果を加算値記憶部205に書き出す。
予測誤差記憶部206:探索範囲内予測誤差記憶部201から探索領域中の当該位置の信号を参照した場合のフレーム間予測誤差を読み込み,格納する。
大小比較部207:加算値記憶部205のバイアス項と基準予測誤差の和,および予測誤差記憶部206の当該位置の予測誤差を入力として,両者の大小比較を行い,前者の方が小さい場合,当該位置の予測誤差マップを1として,そうでなければ,当該位置の予測誤差マップを0として,予測誤差マップ記憶部208に書き出す。
最終画素判定部209:予測誤差記憶部206から予測誤差マップ記憶部208までの処理を探索領域内の全位置について繰り返す。
静止方向隣接位置算出部210:当該位置,推定変移量記憶部200の推定変移量を入力として,静止方向隣接位置を算出し,静止方向隣接位置記憶部211に書き出す。
予測誤差マップ更新部212:予測誤差マップ記憶部208の予測誤差マップ,および,探索領域中の位置情報を入力として,当該位置に対する静止方向隣接位置における予測誤差マップの値が1または2であるかの判定を行い,この判定条件を満たす場合,当該位置に対する予測誤差マップの値を2に更新し,予測誤差マップの値を予測誤差マップ記憶部213に書き出す。
最終画素判定部214:静止方向隣接位置算出部210から予測誤差マップ記憶部213の処理を探索領域内の全位置について繰り返す。
探索範囲内平坦度記憶部216:当該ブロックに対する参照フレームの探索領域中の各参照位置における平坦度(式(19)により求まる)を格納する。
基準平坦度記憶部217:推定変移量記憶部200の推定変移量,および探索範囲内平坦度記憶部216の探索領域中の各位置における平坦度を入力として,推定変移量の位置の信号を参照した場合の平坦度を基準平坦度として読み込み,格納する。
加算処理部219:バイアス記憶部218のバイアス項の値,基準平坦度記憶部217の基準平坦度を入力として,基準平坦度とバイアス項の値を加算する処理を行い,加算結果を加算値記憶部220に書き出す。
平坦度記憶部221:探索範囲内平坦度記憶部216から,探索領域中の当該位置の信号を参照した場合の平坦度を読み込み,格納する。
大小比較部222:加算値記憶部220のバイアス項と基準平坦度の和,および平坦度記憶部221の当該位置の平坦度を入力として,両者の大小比較を行い,前者の方が小さい場合,当該位置の平坦度マップを1として,そうでなければ,当該位置の平坦度マップを0として,平坦度マップ記憶部223に書き出す。
最終画素判定部224:平坦度記憶部221から平坦度マップ記憶部223までの処理を探索領域内の全位置について繰り返す。
静止方向隣接位置算出部225:当該位置,推定変移量記憶部200の推定変移量を入力として,静止方向隣接位置を算出し,静止方向隣接位置記憶部226に書き出す。
平坦度マップ更新部227:平坦度マップ記憶部223の平坦度マップ,および,探索領域中の位置情報を入力として,当該位置に対する静止方向隣接位置における平坦度マップの値が1または2であるかの判定を行い,この判定条件を満たす場合,当該位置に対する平坦度マップの値を2に更新し,平坦度マップの値を平坦度マップ記憶部228に書き出す。
最終画素判定部229:静止方向隣接位置算出部225から平坦度マップ記憶部228の処理を探索領域内の全位置について繰り返す。
予測誤差マップ分類処理部230:予測誤差マップ記憶部213の予測誤差マップを入力として,同マップにおいて2の値をとる位置に対応するベクトルの二乗ノルムを算出し,位置情報と共にベクトルノルム記憶部231に書き出す。
平坦度マップ分類処理部232:平坦度マップ記憶部228の平坦度マップを入力として,同マップにおいて2の値をとる位置に対応するベクトルの二乗ノルムを算出し,位置情報と共にベクトルノルム記憶部233に書き出す。
最小ノルム検出部234:ベクトルノルム記憶部231およびベクトルノルム記憶部233のベクトルのノルムを入力として,二乗ノルムが最小となる位置を検出し,同位置の情報を出力する。
図5における重み付き歪み量算出部108の処理ブロックの詳細を図7に示す。
変換係数正規化部301:変換行列Φにより得られた変換係数を入力とし,正規化処理を行い,正規化後の変換係数を正規化変換係数記憶部302に書き出す。
変換係数復号部303:変換係数に対する量子化結果を入力とし,逆量子化処理を行い,変換係数の復号値を復号変換係数記憶部304に書き出す。
歪み量算出部305:正規化変換係数記憶部302,復号変換係数記憶部304から読み出した正規化後の変換係数および変換係数の復号値を入力とし,各成分毎に両者の差分を求め,同差分値を二乗する処理を行い,算出した二乗誤差を歪み量記憶部306に書き出す。
感度係数乗算部307:感度係数記憶部310から読み出した感度係数,歪み量記憶部306から読み出した二乗誤差を入力とし,成分毎に二乗誤差に感度係数を乗じる処理を行い,得られた重み付き歪み量を歪み量記憶部311に書き出す。
変移量下限値記憶部308:図5の変移量下限値記憶部103から読み出した変移量の変動区間での下限値を格納する。
感度係数算出部309:変移量下限値記憶部308から読み出した変移量を入力として,感度係数を算出する処理を行い,算出された感度係数を感度係数記憶部310に書き出す。具体的な算出方法は,式(16)に従う。
歪み量和算出部312:歪み量記憶部311から読み出した各成分の重み付き歪み量を入力とし,全ての成分についての合計和を算出する。
なお,上述の実施例では,モード選択の例を示しているが,本発明は,予測モードに限らず,歪み量を含むコスト関数に基づき選択される符号化パラメータ(例えば,量子化パラメータ)に対しても,同様に適用することができる。つまり,以上の実施例は,式(8)におけるmを選択する例を示したものである。同様にして,qの選択にも使用できる。その場合,図2を図8に変更し,図5を図9へ変更する。以下,図8および図9に示す実施形態について説明する。
[実施形態(量子化パラメータ選択):フローチャート]
本発明の符号化パラメータ選択処理の実施形態について,量子化パラメータ選択の場合を例にとり,図8に従って説明する。なお,他の符号化パラメータの場合にも同様な方法により選択することができる。
ステップS110:量子化パラメータの初期値をレジスタXに書き込む。最小コストを格納するレジスタC,最適量子化パラメータを格納するレジスタMを各々,初期値に設定する。
ステップS111〜S118:図2におけるステップS11〜S18と同様の処理を行う。
ステップS119:レジスタXに格納されている量子化パラメータをレジスタMに書き出す。
ステップS120:全ての量子化パラメータについて以上の処理を終えたかどうかを判定し,まだ処理を終えていなければ,ステップS121へ進む。処理を終えたならば,ステップS119においてレジスタMに格納した量子化パラメータを,最適な量子化パラメータとして出力する。
ステップS121:レジスタXに格納されている量子化パラメータを更新する。順次更新してレジスタXに書き出す量子化パラメータの値の順番は,予め与えられるものとする。その後,ステップS113以降の処理を同様に繰り返す。
[実施形態(量子化パラメータ選択):装置構成図]
符号化パラメータとして,量子化パラメータを選択する場合の符号化パラメータ選択装置の例を図9に示す。なお,他の符号化パラメータの場合にも同様な装置構成により選択することができる。
図5に示した符号化パラメータ選択装置との違いの部分について説明し,他の部分については,図5と同様であるので説明を省略する。
初期量子化パラメータ設定部504:量子化パラメータの初期値を量子化パラメータ記憶部505に書き出す。
最適量子化パラメータ更新部516:最小コスト判定部514が最小コスト記憶部515に書き出したR−Dコスト算出に用いた量子化パラメータを最適量子化パラメータ記憶部517に書き出す。
最終量子化パラメータ判定部518:すべての量子化パラメータについて処理を終えたかどうかを判定し,処理を終えていない場合には,量子化パラメータ設定部519を呼び出す。処理を終えた場合には,最適量子化パラメータ出力部520を呼び出す。
量子化パラメータ設定部519:次の処理候補となる量子化パラメータを量子化パラメータ記憶部505に書き出す。
最適量子化パラメータ出力部520:最適量子化パラメータ記憶部517に記憶されている量子化パラメータを最適量子化パラメータとして出力する。
以上の符号化パラメータ選択の処理は,コンピュータとソフトウェアプログラムとによって実現することができ,そのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して提供することも,ネットワークを通して提供することも可能である。
本発明に係る符号化パラメータ選択装置の構成例を示す図である。 符号化パラメータ(モード)選択処理のフローチャートである。 変移量の下限値推定処理(図2のS12)のフローチャートである。 重み付き歪み量の算出処理(図2のS14)のフローチャートである。 符号化パラメータ(モード)選択装置のブロック図である。 変移量下限値推定部のブロック図である。 重み付き歪み量算出部のブロック図である。 符号化パラメータ(量子化パラメータ)選択処理のフローチャートである。 符号化パラメータ(量子化パラメータ)選択装置のブロック図である。
符号の説明
1 符号化パラメータ選択装置
10 選択対象符号化パラメータ設定部
11 変移量下限値算出部
12 重み付き歪み量算出部
13 符号量算出部
14 未定乗数算出部
15 コスト算出部
16 最小コスト判定部

Claims (8)

  1. フレーム内予測およびフレーム間予測により得られた予測誤差信号に対して,変換符号化および量子化による情報圧縮を行う画像符号化において符号化に用いる符号化パラメータを選択する符号化パラメータ選択方法であって,
    符号化対象フレームを分割したブロック毎に,画像信号の時間的な動きを示す変移量を算出する過程と,
    前記ブロックの変移量とブロック内の空間周波数分布を引数とする所定の時空間視覚感度関数に基づき,時空間視覚感度を示す感度係数を算出する過程と,
    前記感度係数を用いて重み付けされた歪み量を算出する過程と,
    選択対象の各符号化パラメータ毎にその符号化パラメータを選択した場合に発生する符号量を算出する過程と,
    前記符号化パラメータを選択した場合のレート歪みコスト関数に用いられる未定乗数を算出する過程と,
    前記算出された重み付けされた歪み量,符号量および未定乗数からなるラグランジェのレート歪みコスト関数に基づき,選択対象となる符号化パラメータ毎にレート歪みコストを算出する過程と,
    前記選択対象となる符号化パラメータの中で,レート歪みコストが最小となる符号化パラメータを,符号化に用いる符号化パラメータとして選択する過程とを有し,
    前記変移量を算出する過程では,動き推定によって推定される変移量の信頼度を決定し,決定した信頼度をもとに該変移量の下限値を算出し,算出した変移量の下限値を前記時空間視覚感度関数の引数として用いる
    ことを特徴とする符号化パラメータ選択方法。
  2. 請求項記載の符号化パラメータ選択方法において,
    前記変移量の信頼度を,フレーム間予測誤差およびブロック内の画像信号の平坦度に基づき決定する
    ことを特徴とする符号化パラメータ選択方法。
  3. 請求項1または請求項2記載の符号化パラメータ選択方法において,
    前記符号化パラメータは,動画像符号化における予測モード,動き補償ブロックサイズ,スキップモード,または量子化パラメータである
    ことを特徴とする符号化パラメータ選択方法。
  4. フレーム内予測およびフレーム間予測により得られた予測誤差信号に対して,変換符号化および量子化による情報圧縮を行う画像符号化において符号化に用いる符号化パラメータを選択する符号化パラメータ選択装置であって,
    符号化対象フレームを分割したブロック毎に,画像信号の時間的な動きを示す変移量を算出する手段と,
    前記ブロックの変移量とブロック内の空間周波数分布を引数とする所定の時空間視覚感度関数に基づき,時空間視覚感度を示す感度係数を算出する手段と,
    前記感度係数を用いて重み付けされた歪み量を算出する手段と,
    選択対象の各符号化パラメータ毎にその符号化パラメータを選択した場合に発生する符号量を算出する手段と,
    前記符号化パラメータを選択した場合のレート歪みコスト関数に用いられる未定乗数を算出する手段と,
    前記算出された重み付けされた歪み量,符号量および未定乗数からなるラグランジェのレート歪みコスト関数に基づき,選択対象となる符号化パラメータ毎にレート歪みコストを算出する手段と,
    前記選択対象となる符号化パラメータの中で,レート歪みコストが最小となる符号化パラメータを,符号化に用いる符号化パラメータとして選択する手段とを備え,
    前記変移量を算出する手段は,動き推定によって推定される変移量の信頼度を決定し,決定した信頼度をもとに該変移量の下限値を算出し,算出した変移量の下限値を前記時空間視覚感度関数の引数として用いる
    ことを特徴とする符号化パラメータ選択装置。
  5. 請求項記載の符号化パラメータ選択装置において,
    前記変移量を算出する手段は,前記変移量の信頼度を,フレーム間予測誤差およびブロック内の画像信号の平坦度に基づき決定する
    ことを特徴とする符号化パラメータ選択装置。
  6. 請求項4または請求項5記載の符号化パラメータ選択装置において,
    前記符号化パラメータは,動画像符号化における予測モード,動き補償ブロックサイズ,スキップモード,または量子化パラメータである
    ことを特徴とする符号化パラメータ選択装置。
  7. 請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の符号化パラメータ選択方法を,コンピュータに実行させるための符号化パラメータ選択プログラム。
  8. 請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の符号化パラメータ選択方法を,コンピュータに実行させるための符号化パラメータ選択プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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