JP4708694B2 - 流体圧シリンダを有するバイス - Google Patents
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Description
可動口金3がネジ軸27へ係合され、大まかな位置調節をネジ軸の手動回動により行い、バイス本体内にシリンダ19とアーム23を内蔵し、シリンダ19のエア圧によりアーム23を回動させ、アーム23の先端28でネジ軸27を押圧することにより、可動口金3の小範囲の移動を行うものである。
図10にワーク25を把持した際の可動口金3部分の側面図を示す。可動口金3はネジ軸27と係合される他に本体のボディ1の側面部へ摺動可能にガイドされて係合しており、係合部6へは夫々凹凸形状ではめ込まれた構造になされている。
ワークを把持する際、図10で示すように、可動口金3には、ワーク25をはさむ力の反力Fが把持面へ作用し、可動口金3が図10中右方へ押され、これに抗するため、口金の係合部6の両端には夫々作用力Pが作用する。係合部6の後端(図10中右方)には下向きの力P1が、前端(図10中左方)には上向きの力P2が夫々本体のボディ1に係合する案内面へ作用する。
この作用力Pにより、可動口金3が図10中時計回りに傾き、把持面が傾斜してワーク25を正確な精度で把持することができず、ワークの精密加工において高精度の加工を行うことができない。
前記従来技術において、可動口金3の傾きを小さくするためには、可動口金3のボディ1との係合部6の全長Lを長く形成し、前記作用力P1とP2の作用点間距離を大きくしなければならず、可動口金3及びバイス本体が大型化する問題が生じる。
また、スライド部の長さが短くてもワーク把持時の反力を受けることができ、可動口金の全長を短くすることができるので、バイス全体の全長を短くなり、可動口金と固定口金との間の口金開き寸法の大きく、且つコンパクトなバイスを得ることができる。
さらには、軸体で反力を受けることで、ボディに加わる作用力が小さな力となるので、スライド部からボディへ加わる力が小さくなり、バイスのボディの剛性が小さくても、大きな把持力を発揮することが可能となる。
図1は、本発明の一実施例を示す側断面図を示す。
図2は、可動口金をワークの直前まで閉じた状態の同上図を示し、図3は図1のA−A断面図を示す。
図4は図1のB−B断面図を示す。
バイス本体のボディ1に固定された固定口金2に対向して可動口金3が設けられている。
可動口金3はワーク25を圧接する把持面5を有する口金部4と、口金部4の後方へ突出して形成された係合部7と、本体長手方向へ摺動可能にボディ1の両側面と係合するスライド部6を備え、前期、係合部7はスライド6よりも後方に設けられている。
図5に可動口金3を半割りにしたものの斜視図を示す。
図4に示すようにスライド部6は、ボディ1の側方に設けられた凸形状の案内部11へ係合するように凹部状に形成され、ボディ1側の案内部11の上面14に当接する上摺動面12と案内部11の下面15に当接する下摺動面13を備える。
可動口金3は、スライド部6がボディ1の案内部11に係合した状態でスライドすることで、摺動可能にボディ1に取付けられている。
係合部7の後端部には、下面にかみ合い部位9が設けられ、ラック9aが形成されている。
軸体8の後方はバイス本体の外方へ延長され、後方端部にはハンドル17が設けられ、回動可能になされており、ハンドル17の操作により、可動口金3と軸体8のかみ合せの有無を選択する。
ハウジング18は可動口金の移動範囲より後方へバイス本体に固着され、軸体8の後方が貫通し、軸体8の下側にシリンダ19が形成され、内部には摺動可能にピストン20が設けられている。
前記軸体8は後方をハウジング18で支持され、前方をボディ1に固着された軸受け16で支持されており、軸体8は両端を回動可能に支持されている。
前記ハウジング18の軸体8の中心より上側部分で、アーム回動軸26が軸支される。
アーム回動軸26はアーム23に開口された穴23dに嵌合され、アーム23を回動可能にハウジング18へ設けられる。
アーム23は図5に示すように、前記軸体8と係合部7との干渉を防ぐため、アーム長腕部23aとアーム短腕部23bは共に二股形状に形成される。
アーム長腕部23aの先端部23cには、前記ピストン20に固着され、軸体8の両側を上方へ延びる2本のロッド21が係合する。
ロッド21の端部の孔に両端が嵌接するピン22が設けられ、アーム長腕部23aの先端部23がピン22へ掛かり、ロッド21とアーム23が係合される。
他方、アーム短腕部23bは、軸体8にくぼみを形成したアーム受け24に遊嵌する。
バイスにワーク25を取付ける際には、バイス本体のボディ1の上面にワーク25がのせられると、まず、軸体8と可動口金3との係合を解除するため、ハンドル17を回して、かみ合い溝10と軸体8を半回転させ、ラック9aとのかみ合わせをなくす。
軸体8との係合を解除された可動口金3は手動で運ばれ、ワーク25を把持する直前まで移動される。(図2参照)
ワーク25を把持するまでの可動口金3の微小移動を流体圧を用いたシリンダにより行う。
軸体8と可動口金3を係合させるため、ハンドル17を回して軸体を半回転させ、かみ合い溝10とラック9aをかみ合せる。
図示しない切換弁により、流体をシリンダ19内へ導入すると、前記ピストン20が上昇し、ロッド21を介してアーム長腕部23aが押圧され、アーム23がアーム回動軸26を中心に回動し、アーム短腕部23bが図中左へ回動される。
次にバイスからワーク25を取り外す際には、切換弁を切換え、流体をシリンダ19外へ導入すると、ピストン20が下降し、ロッド21を介してアーム長腕部23aが下方へ引き戻され、アーム短腕部23bが図中右方へ軸体8を押圧し、前記と反対の経過をたどって可動口金3はワーク25から離れて、元の位置へ戻る。
図8で示すように、可動口金3へ作用するワークからの反力Fは、可動口金3の前方に設けられたスライド部6と後方に設けられた係合部7とに分けてボディ1へと伝えられる。
スライド部6には、上向きの力P2がボディ1の案内部11へ作用し、係合部7には下向きの力P1が軸体へ作用する。
また、軸体8に加わる作用力P1は、軸体8の両端に分力され、夫々作用力N1、N2が図中右端にはハウジング18を図中左端には軸体受け16を介してボディ1へ伝えられる。
前記作用力P1とP2の作用点間距離Lは、スライド部6の全長Yに依存することがないので、スライド部6の全長Yが小さくても、作用点間距離Lを大きくすることができ、またP1、P2の作用力を小さくすることが可能となる。
また、シリンダの使用流体は、エア圧に限るものでなく、油圧を用いたシリンダでも同様の効果を得ることができ、シリンダの作動圧源は流体シリンダを作動させるものがあればよい。
2 固定口金
3 可動口金
6 スライド部
7 係合部
8 軸体
9 噛み合い部
11 案内部
16 軸体受け
19 シリンダ
23 アーム
Claims (3)
- バイス本体上に固着される固定口金と、該固定口金に対し進退する可動口金と、流体圧で動作するシリンダと、該シリンダ内を摺動するピストンと、該ピストンに押圧されて回動するアームと、前記可動口金に係合され、アームの回動により移動する軸体を備え、前記軸体に対して、上下方向の下方側へシリンダを配置し、上方側へアーム回動軸を配置して、シリンダの流体圧による可動口金の移動を併用せしめるバイスにおいて、前記可動口金が本体と摺動可能に係合するスライド部と、該スライド部より後方へ可動口金から突出して設けられ軸体と係合する係合部を備え、前記軸体が可動口金の後方で係合部と係合することを特徴とするバイス。
- 前記軸体の係合部が軸体の上方にラック溝を形成する構造になされていることを特徴とする請求項1 記載のバイス。
- 前記軸体が可動口金の係合される範囲の外方で両端支持されることを特徴とする請求項1記載のバイス。
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