JP4708179B2 - 電波到来方向測定装置 - Google Patents
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Description
図1はこの発明の実施の形態1によるアレーアンテナ装置の配列構成を示す説明図である。
図1において、同一平面上に想定した大小径の異なる仮想円の円周上に、それぞれ複数のアンテナ素子を異なる素子間隔で、かつ等間隔に空間的に配列した大アレーP1と小アレーP2を形成している。大アレーP1はアンテナ素子A1〜A3で構成され、小アレーP2はアンテナ素子A3〜A5で構成されている。この場合、大アレーP1と小アレーP2はいずれも3本のアンテナ素子で構成されているが、大アレーP1の素子間隔が小アレーP2の素子間隔より大きくなるようにそれぞれのアンテナ素子の数は設定されている。また、小アレーP2を構成する複数のアンテナ素子A3〜A5は大アレーP1の仮想円内に位置するよう配置している。アンテナ素子A3は両アレーP1,P2に共通のアンテナ素子として機能するようにしている。大アレーP1は素子間隔を大きくすることによって高い測角精度を持った電波到来方向測定を実現し、小アレーP2は誤測角を発生させる角度アンビギュイティによる誤測角の除去を実現するものである。
図2において、図1に示したように空間的に配置された大アレーP1と小アレーP2のアンテナ素子A1〜A5により未知の到来電波をそれぞれ受信し、各受信信号を受信機1〜5に出力する。受信機1〜5では、受信信号から同じ周波数を持つ信号をそれぞれ抽出して方位算出処理部10に出力する。方位算出処理部10では、(1)式の原理を利用して到来電波方向測定処理を行い、受信電波の到来角度θを算出し出力する。
この到来電波方向測定処理においては、従来から用いられているMUSIC等のアルゴリズムが全てのアンテナ配列に対して適用される。図1のアンテナ配列の場合、先ず大アレーP1を構成するアンテナ素子A1〜A3の各受信信号に基づいて到来角度を算出する。この大アレーP1に関して算出された到来角度は、精度は高いが角度アンビギュイティを含んだ複数の到来角度推定値として得られる。次に、小アレーP2を構成するアンテナ素子A3〜A5の各受信信号のみに基づいて到来角度を算出する。この小アレーP2のみに関して算出された到来角度推定値は、精度の点で大アレーP1から求めた到来角度推定値よりも劣るが、単一の目標角度推定値(求めるべきθ値)である。そこで、大アレーP1の到来角度推定値と小アレーP2の到来角度推定値を照らし合わせ、大アレーP1の到来角度推定値から真値を抽出する。
したがって、それぞれ異なる仮想円の円周上に等間隔でアンテナ素子A1〜A5を配列形成した大アレーP1と小アレーP2のアンテナアレーを設けたことによって、大アレーP1の素子間隔に基づいて全到来方向の電波に対して高い精度で電波到来方向を測定し、同時に、小アレーP2を用いることによって角度アンビギュイティによる誤測角の除去を行うことができる。
なお、ここでは、大アレーと小アレーのアンテナ素子をそれぞれ3本配列している例について説明したが、大アレーと小アレーのアンテナ素子数、あるいは小アレーの数は独立に決定することができるもので、このことは以下の実施の形態においても同様である。
図4はこの発明の実施の形態2によるアレーアンテナ装置の配列構成を示す説明図である。
この実施の形態2のアレーアンテナ装置では、同一平面上に想定した大小径の異なる仮想円の円周上に、それぞれ複数のアンテナ素子を異なる素子間隔で、かつ等間隔に空間的に配列した大アレーP5と小アレーP6を形成している。大アレーP5は4本のアンテナ素子A16〜A19で構成され、小アレーP6は3本のアンテナ素子A16,A20,A21で構成されている。この場合、大アレーP5の素子間隔が小アレーP6の素子間隔より大きくなるように設定されている。また、小アレーP6を構成する複数のアンテナ素子A16,A20,A21は大アレーP5の仮想円内に位置するよう配置している。アンテナ素子A16は両アレーP5,P6に共通のアンテナ素子として機能するようにしている。また、大アレーのP5アンテナ素子同士を結ぶ直線上に小アレーP6のアンテナ素子同士を結ぶ直線が重なり合わないようにしている。
また、この実施の形態2における到来電波方向測定処理も、実施の形態1で述べたと同様な手順で行われる。
図5はこの発明の実施の形態3によるアレーアンテナ装置の配列構成を示す説明図である。
この実施の形態3のアレーアンテナ装置では、同一平面上に想定した大小径の異なる仮想円の円周上に、それぞれ複数のアンテナ素子を異なる素子間隔で、かつ等間隔に空間的に配列した大アレーP7と小アレーP8を形成している。大アレーP7は4本のアンテナ素子A22〜A25で構成され、小アレーP8も4本のアンテナ素子A22,A26〜A28で構成されている。この場合、大アレーP7の素子間隔が小アレーP8の素子間隔より大きくなるように設定されている。また、小アレーP8を構成する4のアンテナ素子A22,A26〜A28を大アレーP7の仮想円内に位置するよう配置している。アンテナ素子A22は両アレーP7,P8に共通のアンテナ素子として機能するようにしている。また、大アレーP7のアンテナ素子同士を結ぶ直線上に小アレーP8のアンテナ素子同士を結ぶ直線が重なり合わないようにしている。
また、この実施の形態3における到来電波方向測定処理も、実施の形態1で述べたと同様な手順で行われる。
図6はこの発明の実施の形態4によるアレーアンテナ装置の配列構成を示す説明図である。
この実施の形態4のアレーアンテナ装置では、同一平面上に想定した大小径の異なる仮想円の円周上に、それぞれ複数のアンテナ素子を異なる素子間隔で、かつ等間隔に空間的に配列した大アレーP9と3つの小アレーP10,P11,P12を形成している。小アレーP10,P11,P12は、同一径の異なる仮想円の円周上に形成されている。大アレーP9は3本のアンテナ素子A29〜A30で構成され、小アレーP10,P11,P12もそれぞれ3本のアンテナ素子(A29,A32,A33)、(A30,A34,A35)、(A31,A36,A37)で構成されている。この場合、大アレーP9の素子間隔が小アレーP10,P11,P12の素子間隔より大きくなるように設定されている。また、小アレーP10,P11,P12を構成する各アンテナ素子を大アレーP9の仮想円内に位置するよう配置している。アンテナ素子A29,A30,A31はそれぞれ大小アレーP9とP10,P11,P12に共通のアンテナ素子として機能するようにしており、大アレーの全アンテナ素子のそれぞれを、各小アレーのアンテナ素子の1本で構成した関係になっている。また、大アレーP9のアンテナ素子同士を結ぶ直線上に小アレーP10,P11,P12ごとのアンテナ素子同士を結ぶ直線が重なり合わないようにしている。また、それぞれの小アレーP10,P11,P12は、大アレーP9に対して異なる角度が与えられている。
なお、この実施の形態4では小アレーを複数用いているので、到来電波方向測定処理を行うに先立って、小アレーP10,P11,P12を構成するアンテナ素子の受信信号のレベルを調べる。そして、受信信号が低いアンテナ素子からなる小アレーに関しては方位算出処理に用いない。後の処理方法は実施の形態1で述べたと同様な手順で行われる。
図7はこの発明の実施の形態5によるアレーアンテナ装置の配列構成を示す説明図である。
この実施の形態5のアレーアンテナ装置では、同一平面上に想定した大小径の異なる仮想円の円周上に、それぞれ複数のアンテナ素子を異なる素子間隔で、かつ等間隔に空間的に配列した大アレーP13と2つの小アレーP14,P15を形成している。小アレーP14,P15は、同一径の異なる仮想円の円周上に形成されている。大アレーP13は4本のアンテナ素子A39〜A41で構成され、小アレーP14,P15もそれぞれ4本のアンテナ素子(A38,A42〜A44)、(A40,A45〜A47)で構成されている。この場合、大アレーP13の素子間隔が小アレーP14,P15の素子間隔より大きくなるように設定されている。また、小アレーP14,P15を構成する各アンテナ素子を大アレーP13の仮想円内に位置するよう配置している。アンテナ素子A38,A40はそれぞれ大小アレーP13とP14,P15に共通のアンテナ素子として機能するようにしている。また、大アレーP9のアンテナ素子同士を結ぶ直線上に小アレーP10,P11,P12ごとのアンテナ素子同士を結ぶ直線が重なり合わないようにしている。さらに、それぞれの小アレーP14,P15は、大アレーP13に対して異なる角度が与えられている。
また、この実施の形態5における到来電波方向測定処理も、実施の形態4で述べたと同様な手順で行われる。
図8はこの発明の実施の形態6によるアレーアンテナ装置の配列構成を示す説明図である。
この実施の形態6のアレーアンテナ装置では、同一平面上に想定した大小径の異なる仮想円の円周上に、それぞれ複数のアンテナ素子を異なる素子間隔で、かつ等間隔に空間的に配列した大アレーP16と3つの小アレーP17〜P19を形成している。小アレーP17〜P19は、同一径の異なる仮想円の円周上に形成されている。大アレーP16は3本のアンテナ素子A48〜A50で構成され、小アレーP17〜P19はそれぞれ2本のアンテナ素子(A48,A51)、(A49,A52)、(A50,A53)で構成されている。この場合、大アレーP16の素子間隔が小アレーP17〜P19の素子間隔より大きくなるように設定されている。また、小アレーP17〜P19を構成する各アンテナ素子を大アレーP16の仮想円内に位置するよう配置している。アンテナ素子A48〜A50はそれぞれ大小アレーP16とP17〜P19に共通のアンテナ素子として機能するようにしており、大アレーの全アンテナ素子のそれぞれを、各小アレーのアンテナ素子の1本で構成した関係になっている。また、大アレーP16のアンテナ素子同士を結ぶ直線上に小アレーP17〜P19ごとのアンテナ素子同士を結ぶ直線が重なり合わないようにしている。さらに、それぞれの小アレーP17〜P19は、大アレーP16に対して異なる角度が与えられている。
また、この実施の形態6における到来電波方向測定処理も、実施の形態4で述べたと同様な手順で行われる。
図9この発明の実施の形態7によるアレーアンテナ装置の配列構成を示す説明図である。
この実施の形態7のアレーアンテナ装置では、大アレーP20と1つの小アレーP21を持ち、大アレーP20と小アレーP21はいずれも3本のアンテナ素子で構成されており、実施の形態1と類似しているが、ここでは大アレーP20と小アレーP21が共通のアンテナ素子を持たない配列となっている。その他の条件は実施の形態1と同様である。
したがって、の実施の形態7においても、大アレーの素子間隔を大きく取ったアンテナ素子により高い測角精度を得ることができ、同時に、小アレーの素子間隔を小さく取ったアンテナ素子により角度アンビギュイティによる誤測角の除去を行うことができる。また、大アレーのアンテナ素子同士を結ぶ直線上に小アレーのアンテナ素子同士を結ぶ直線が重なり合わないようにした場合には、全到来方向の電波に対して同等の特性を得ることができる。なお、アンテナ素子数を3本以上にしても、また、小アレーの数を2本以上にしても同様の効果が得られる。
また、この実施の形態7における到来電波方向測定処理も、実施の形態1で述べたと同様な手順で行われる。
Claims (4)
- 空間上に配置された複数のアンテナ素子の受信信号間の位相差から受信電波の到来方向を求める電波到来方向測定装置において、
同一平面上に想定した大小径の異なる仮想円の円周上に、それぞれ複数のアンテナ素子を異なる素子間隔で、かつ等間隔に空間的に配列した大アレーと少なくとも1の小アレーを有し、
前記大アレーの素子間隔が前記小アレーの素子間隔より大きくなるようにそれぞれのアンテナ素子の数を設定し、
前記小アレーを構成する複数のアンテナ素子を前記大アレーの仮想円内に配置し、
前記大アレーのアンテナ素子で受信した到来電波の受信信号に基づいて当該到来電波の到来方向を算出すると共に、前記小アレーのアンテナ素子で受信した到来電波の受信信号に基づいて当該到来電波の到来方向を算出し、前記小アレーのアンテナ素子に基づいて算出された到来方向を基準に前記大アレーのアンテナ素子に基づいて算出された到来方向を1つ抽出することを特徴とする電波到来方向測定装置。 - 大アレーのアンテナ素子同士を結ぶ直線上に小アレーのアンテナ素子同士を結ぶ直線が重なり合わないようにしたことを特徴とする請求項1記載の電波到来方向測定装置。
- 大アレーのアンテナ素子と小アレーのアンテナ素子の1つを共通にしたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の電波到来方向測定装置。
- 小アレーが複数設けられ、大アレーの全アンテナ素子のそれぞれを、各小アレーのアンテナ素子の1つで構成したことを特徴とする請求項3記載の電波到来方向測定装置。
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