JP4707863B2 - 地盤の自立性試験器及び地盤の自立性試験方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、地盤の自立性を試験する地盤の自立性試験器及び地盤の自立性試験方法に係り、特に、薬液注入固化工法による軟弱地盤の改良効果を確認するのに有効な地盤の自立性試験器及び地盤の自立性試験方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
軟弱地盤の改良効果を確認する方法としては、従来から改良地盤に対して標準貫入試験やコーン貫入試験等が行われている。
標準貫入試験は、重量の規定されたハンマーを規定の高さから自由落下させることで、ロッド先端に取り付けたサンプラーを地盤中に打ち込む貫入試験法であり、一定の深さを打ち込むのに要する一定の落下高さからの打撃回数をもって地盤抵抗の測定値とするものである。コーン貫入試験は先端にコーンを取り付けたロッドを圧入装置を用いて地盤中に圧入する試験法であり、一定速度で貫入するのに必要な圧入力を測定して、地盤抵抗の測定値とするものである。
【0003】
また、コアボーリングを行い、地盤にあった状態の(不撹乱の)土砂をサンプリングし、サンプリング試料の強度試験により評価する方法もある。
この方法では、土のサンプルを採取する方法として、例えば特開平11−117279号公報に示されるように、長い管部材に対して所定の間隔で土を採取する装置を設けたものが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの方法は、サンドコンパクション工法などの密度増加工法やセメント固化する深層混合処理工法の改良地盤に対しては有効であるが、薬液注入固化工法のような地盤の間隙中に低強度の材料を置換する改良工法の場合には、コーン貫入試験による狭い範囲での試験では正確な測定が難しく、また、不攪乱試料のサンプリングも困難であり、改良効果の判定が難しい。
また、アルカリ性の薬液による注入工法の場合には、コア採取試料にフェノールフタレインなどの液体をかけて、呈色反応の有無により薬液の注入状態を確認することもある。
しかし、恒久性の薬液として開発されている中性の注入剤の場合には、アルカリ呈色反応による方法も使えず、有効な確認方法がない。
【0005】
本発明の課題は、薬液注入固化工法による改良地盤の評価を有効に行うことを可能とすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の地盤の自立性試験器Aは、掘削された孔壁100を支持するケーシング10を備え、ボーリングを行うボーリング手段(ボーリング装置1)と、前記ケーシングに設けられた凹部20と、該凹部内に設けられた圧力計測手段(土圧計22,23)と、掘削中は凹部内への土砂の侵入を阻止し、試験中は凹部内への土砂の侵入を許す凹部閉塞手段(弾性部材容器21)とを備えたことを特徴とする。
【0007】
上記構成によれば、ケーシングを備えたボーリング手段によりボーリングを行った際に、掘削中は、凹部閉塞手段により、凹部内に土砂が入らない状態となっている。そして、前記ケーシングの凹部が所定の深さに達したところで、ボーリングを停止し、試験を行う。
そして、試験の際には凹部閉塞手段が凹部内への土砂の侵入を許す状態となる。すなわち、凹部閉塞手段は、掘削中は凹部の開口部分をほぼ閉塞し、試験中は凹部の開口部分を開放した状態とするものである。
そして、凹部閉塞手段が、凹部内への土砂の侵入を許す状態となった場合に、地盤の自立性が高ければ、凹部に対向する孔壁の土砂が崩れることなく、凹部内に土砂は侵入せず、圧力計測手段では、凹部閉塞手段が凹部内への土砂の侵入を阻止した状態から土砂の侵入を許す状態に変化した際に、圧力の変動がほとんどない状態となる。
【0008】
一方、ボーリングされた部分で地盤に自立性がなければ、凹部の開口部を開放した状態で、凹部に対向する孔壁が崩れて土砂が凹部内に侵入して土圧が作用し、圧力計測手段により測定された圧が高くなる。従って、凹部閉塞手段が、凹部内への土砂の侵入を許す状態となった際に、圧が上がれば地盤の自立性が低く、圧が上がらなければ地盤の自立性が高いことになる。
このような本発明の地盤の自立試験器は、上述のような薬液注入固化工法のような地盤の間隙中に低強度の材料の置換を行う改良工法において、どの範囲まで地盤が改良されたかを確認する際に、有効に用いることができる。
なお、圧力計測手段は、ケーシングの凹部内だけではなく、ケーシングの凹部より上側に設けても良い。凹部の上側においては、上述のように凹部内に土砂が崩れた際に、崩れた土砂に対応する空隙が生じる。そして、ケーシングの凹部より上に圧力計測手段があった場合には、上述の空隙が生じることにより、土圧が減少する。すなわち、ケーシングの凹部より上の凹部の近傍に設けられた圧力計測手段においては、地盤の自立性が低く、孔壁の土砂が凹部内に崩れた場合には、圧力が低下し、自立性が高い場合には、圧力が変化しないことになり、これにより地盤の自立性を判断することができる。
【0009】
本発明の請求項2記載の地盤の自立性試験器Aは、請求項1記載の地盤の自立性試験器において、前記ケーシングが前記凹部の位置で間隔をあけた状態で上ケーシング11と下ケーシング13とに分割されることにより、上ケーシングと下ケーシングとの間の間隔が前記凹部とされ、かつ、上ケーシングと下ケーシングとが前記凹部を塞がないように接続され、圧をかけて膨らんだ状態で凹部をほぼ塞ぎ、かつ、圧を抜いて萎んだ状態で凹部を開放された状態とする弾性部材容器が、前記凹部閉塞手段として、前記凹部内に設けられていることを特徴とする。
【0010】
上記構成によれば、請求項1記載の構成と同様の作用効果を得ることができるとともに、上ケーシングと下ケーシングとの間に全周に渡る凹部が形成されることになり、ケーシングの全周に対して自立性があるかないかを測定できる。
【0011】
請求項1または2記載の地盤の自立性試験器を用いた地盤の自立性試験方法であって、前記自立性試験器のボーリング手段を用いてボーリングを行うことにより、前記ケーシングを地盤に埋設するとともに、ボーリング中は、前記凹部閉塞手段により凹部内への土砂の侵入を阻止し、ボーリング終了後、地盤の自立性試験を開始する際に、前記凹部閉塞手段により凹部内への土砂の侵入を許し、凹部内に土砂が侵入することにより、圧力計測手段で計測された圧が上がった場合に、地盤の自立性が低いと判断し、前記凹部閉塞手段が凹部内への土砂の侵入を許しても凹部内に土砂がほとんど侵入せず、圧力計測手段に形成された圧がほとんど変化しない場合に、地盤の自立性が高いと判断することを特徴とする。
請求項3記載の発明によれば、請求項1または2に記載の構成とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態である地盤の自立性試験器及び地盤の自立性試験方法について図面を参照して説明する。
【0013】
図1に示すように、この例の自立性試験器Aは、基本的にケーシング10を備えたボーリング装置1を用いたものである。
ボーリング装置1の基本構造は、従来のケーシングを使用する周知のボーリング装置と実質的に変わりはないものとされ、そのボーリング装置1に、後述するような本発明に係る構成が付加されて自立性試験器Aとされている。
前記ボーリング装置1は、先端に掘削装置14を備え、該掘削装置14から上方に向かって回転ロッド15が伸び、前記回転ロッド15の周りを鋼製のケーシング10で覆うような構造である。また、ボーリング装置1は、回転ロッド15を回転する図示しない回転装置を有するとともに、回転ロッド15、掘削装置14及びケーシング10を一体に昇降する図示しない昇降装置を有する。
【0014】
そして、ケーシング10は、上ケーシング11と下ケーシング12とに分割された形状を有するとともに、上ケーシング11には、前記回転ロッド15を貫通させた状態の底板部が設けられ、下ケーシング11には、前記回転ロッド15を貫通させた状態の天板部が設けられている。そして、上ケーシング11の底板部と下ケーシング13の天板部とがこれら上ケーシング11及び下ケーシング13より径の小さな中間ケーシング12により接続されている。また、中間ケーシング12内には、回転ロッド15が貫通している。
そして、上ケーシング11と下ケーシング13との間の径が小さくなった中間ケーシング12の外側の部分が上ケーシング11及び下ケーシング13の外周より全周に渡って凹んだ状態の凹部20とされている。
【0015】
前記ケーシング10の凹部20には、弾性部材容器21と圧力計測手段としての土圧計22,23とが設けられている。前記弾性部材容器21は、例えばゴム等の伸縮自由な樹脂で構成され、地上に設置した圧力供給装置30からパイプ40を通して前記弾性部材容器21内の水圧または空気圧を加圧または減圧をすることで、前記弾性部材容器21の形状を膨張または収縮させる構成としている。
【0016】
また、弾性部材容器21は中心部が空洞であるとともに、中心部に中間ケーシング12が貫通した状態のドーナッツ状(リング状)の形態を有する。また、弾性部材容器21は、その内面が中間ケーシング12に接着等により取り付けられている。また、弾性部材容器21は、凹部20に上下2段に配置され、これら二つの弾性部材容器21の間に、周方向に沿って複数の土圧計22,23が中間ケーシング12に支持された状態で配置されている。
弾性部材容器21は、上述のように膨張させた状態で、その外周面が上ケーシング11及び下ケーシング13の外周面とほぼ同じ位置となり、収縮させた状態で前記土圧計22,23の外周側に設けられた受圧面とほぼ等しい位置となる。
なお、ボーリング中に膨張した状態の弾性部材容器21が摩擦により損傷しないように、膨張した状態の弾性部材容器21の外周面は、上ケーシング11及び下ケーシング13より僅かに内側に位置していることが好ましい。さらに。損傷を防止する上では、弾性部材容器21の弾性部材の厚さを厚くすることが望ましい。
【0017】
上述のように中間ケーシング12の外周壁に支持される土圧計22,23は、周知のものである。土圧計22,23の形状として、孔壁100から崩壊した土砂が前記土圧計22,23の外周側の受圧面に均等に載荷するように、前記受圧面は広い面積を有するものが望ましい。
また、孔壁面100からの土砂の崩壊が、一部の方向からの崩壊を検知するために、中間ケーシング12の周りに2個より多くの土圧計22,23を設けても良い。
さらに、中間ケーシング12の周りに設ける土圧計22,23の形状について、受圧面を孔壁100にほぼ平行な状態に設置するが、孔壁100から崩壊する土砂が不均一な状態で崩壊した場合に正確に土圧計22,23の受圧面に圧力が加わらない場合がある。上記の場合の問題を解決するために、受圧面が長尺でかつ曲面を有する土圧計を用いても良い。
【0018】
また、前記上ケーシング11にも土圧計24,25を設置する。もし、土圧計24,25の外周側の受圧部が上ケーシング11の外周面と同じ位置にある場合には、ボーリング装置1で削孔する際に前記土圧計24,25の受圧部が孔壁100との摩擦により過大な力がかかる。
この摩擦から土圧計24,25を保護するため、前記上ケーシング11の下部に、受圧部が、上ケーシング11の外壁面よりやや中心側に凹んだ位置となるように上ケーシング11に凹部を設けて凹部内に土圧計24,25を設置する。
また、前記の弾性部材容器21の上部には接続部を設け、該接続部には地上の圧力供給装置30からの圧縮空気が弾性部材容器21の内部に流入するためのホース40を装着する。
また、各土圧計22,23,24,25の信号ケーブルは、地上部にアナログデータを増幅させるアンプに接続し、また増幅したアナログデータをデジタルデータに変換させるためのA/D変換器と接続し、そしてデジタルデータを表示または記録するためのコンピュータと接続する。
【0019】
前記土圧計22,23,24,25で測定したデータは、例えば測定地点の地上部に送信機を設け、土圧計22,23,24,25の信号ケーブルと送信機を接続し、電波により測定データを測定地点から離れた事務所内に受信機を設置し、該受信機とコンピュータを接続し、リアルタイムに土圧計22,23,24,25の測定値を表示させるものでも良い。
さらに、測定地点の地上部に土圧計22,23,24,25の測定データをカードやテープを有するレコーダを設け、前記レコーダに一旦記憶させ、後で回収してアウトプットして解析することにより地盤の原位置におけるデータを得るようにしても良い。
【0020】
また圧力供給装置30は圧力発生機構と圧力計測機構および圧力計測機構によって構成されている。圧力発生機構では圧力源として例えば高圧窒素ガスを使用する。前記の高圧窒素ガスはボンベ内に圧縮して装填されており、前記ボンベには、開閉バルブ、安全弁、排気弁の他に圧力計測機構として容積計及び圧力計、また圧力制御機構として調整バルブを備える。
【0021】
また、前記ボンベにはホース40が接続され、前記ホースの先端が前記弾性部材容器21の接続部に取り付けられ、ボンベ内の高圧窒素ガスがホース40を通じて弾性部材容器21内に送り込まれる。また、ボンベに代えてコンプレッサーや水圧ポンプや油圧ポンプを配置しても良い。
前記のホース40の長さは掘削する予定の長さに合わせ調整する。
【0022】
また圧力供給装置30は、例えば、ボンベもしくはコンプレッサーと弾性部材容器21との間にタンクを介し、該タンク内の水を弾性部材容器21内に注入して膨張させるものとする。
【0023】
また、崩れこみの激しい砂層にボーリング装置1で掘削する場合、前記ケーシング10には孔壁100との間に摩擦による力が大きく働く。そのため、中間ケーシング12は、掘削時に該中間ケーシング12にかかる力に十分耐え得るような強度を保つために、中間ケーシング12の径をできる限り大きくする必要があるが、中間ケーシング12の径が大きすぎると、前記凹部20のスペースが小さくなるため、弾性部材容器21の取付けが困難となる可能性がある。そこで、前記凹部20のスペースを十分に保ちながら、中間ケーシング12が掘削時の外部からの力に耐え得る強度とするため、中間ケーシング12の肉厚を厚くしても良い。
【0024】
次に本発明であるボーリング装置1に設けた測定装置を用いて測定する方法について説明する。
【0025】
まず、薬液を使用して軟弱地盤に対して地盤改良を行うが、その地盤改良方法を説明する。
地盤改良方法として、例えば地表面から地盤を下方に掘削して薬液注入孔を形成しつつ、薬液注入孔の壁面の崩壊を防止するために筒状のケーシングをその薬液注入孔に嵌入させる。前記のケーシング内部に、先端部に薬液を放出させるためのロッドを有した薬液注入管を挿入し、前記のロッドから地盤中に薬液が放出される。
上記の薬液注入管を上方に引き上げながら、注入孔の底部周辺の地盤から上部に向かって順に施工していく。
【0026】
また、放出する薬液の注入流量や流入速度、流入圧力を制御装置により設定する。前記の薬液の注入流量等は、地盤の調査結果等に基づいて、予め薬液注入状況を想定し、その予想された薬液注入状況に基づいて、薬液の注入流量を設定し、その注入流量で、地盤に薬液を浸透させるように注入して行なわれる。
軟弱な砂質土は一般的に、間隙が大きく含水比が比較的大きいので、軟弱な砂質土の地盤中に例えば珪酸ソーダなどの薬液を注入すると、土粒子間の空隙が大きいため、比較的容易に薬液が土粒子間中に浸透してゆき、地盤の空隙を充填し、地盤の改良が終了する。
【0027】
次に、地盤改良が終了した時点での地盤の状態を調査するに本発明を応用した地盤の自立試験方法について説明する。
図1は、上記で説明したように、薬液を地盤中に注入された改良地盤に対するその原位置での前記地盤の自立性の判定をする態様であり、まず改良地盤の地表の測定部位にこの例の自立性試験器Aをセットし、そのボーリング装置1により回転掘進させ、削孔していく。
【0028】
また、掘削する際、予め弾性部材容器21を加圧し、該弾性部材容器21の孔壁側の表面が上ケーシング11及び下ケーシング13の外壁面にほぼ沿うような位置まで膨張させておく。
弾性部材容器21を膨張するには、圧力供給装置30のボンベの開閉バルブを開き、圧力計を見ながら調整バルブで調整し、弾性部材容器21を膨張させた時と、膨張が元に戻った時との容積量の差を予め測定しておき、容積計の目盛りが所定の量に達したらボンベの開閉バルブを閉める。
【0029】
掘削によりボーリング装置1の中間ケーシング12が測定位置に達したら、中間ケーシング12の弾性部材容器21を収縮させる。弾性部材容器21を収縮させるには、前記ボンベの開閉バルブを閉め、排気弁を開いて圧力を開放する。圧力を開放する場合、弾性部材容器21の孔壁面側の表面が前記中間ケーシング12に取りけられた土圧計22,23の受圧面とほぼ同じかそれより凹んだ状態になるまで減圧する。
【0030】
孔内の地下水位は汲み上げずにそのままの状態でもよいし、ボーリング装置1に揚水ポンプなどを設け、地下水を揚水ポンプで汲み上げながら測定し、測定位置が地下水で覆われないようにしてもよい。
試験位置に測定部分が到達前に土圧計22,23,24,25のキャリブレーション等の試験装置の準備を済ませておき、試験位置に到達したらすぐに測定に入るようにする。
【0031】
次にボーリング装置1が測定位置に到達した直後の土圧計22,23,24,25での測定について説明する。
まず、ボーリング装置1の凹部20が測定位置に到達した直後、上ケーシング11に設置した土圧計24,25の計測値は、高い値を表示している。また、前記凹部20の中間ケーシング12に設置した土圧計22,23は孔内の地下水を汲み上げない場合には、ほぼ静水圧に近い値を示し、地下水を汲み上げて測定位置が地下水で覆われない場合には、ほぼゼロに近い値を示す。
図2に示すように、前記凹部20の弾性部材容器21を減圧し、弾性部材容器21を収縮させた場合、改良された状態の地盤では、孔壁が自立性を保っているので、孔壁面100と弾性部材容器21の空隙は保たれている。
【0032】
しかし、図3に示すように、未改良の状態の地盤では、前記凹部20の弾性部材容器21を減圧し、弾性部材容器21を収縮させた場合、前記凹部20と孔壁100との空隙に向かって前記凹部20周辺の孔壁面100から崩壊した土砂が流入する。
【0033】
この時、上ケーシング11の土圧計24,25の計測値は、高い値を示した状態から孔壁100の崩壊が進行するにつれ減少する。
また孔壁100の崩壊で前記凹部20と孔壁100との空隙に土砂が流入してしばらくは、前記凹部20の中間ケーシング12に設置した土圧計22,23の計測値に変化が見られないが、空隙が土砂で埋まるにつれて土圧計22,23の計測値は上昇する。
なお、説明したような測定方法で、前記凹部20周辺での孔壁面100の崩壊が認められた場合は、改めて測定位置の周辺部の地盤改良を行うものとしても良い。
【0034】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、地盤の状態をボーリングにより直接的に計測することで、薬液注入固化工法のような地盤の間隙中に低強度の材料の置換を行う改良工法において、どの範囲まで地盤が改良されたかを確認する際に有効に用いることができる。
【0035】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の構成と同様の作用効果を得ることができるとともに、上ケーシングと下ケーシングとの間に全周に渡る凹部が形成されることになり、ケーシングの全周に対して自立性があるかないかを測定できる。
【0036】
請求項3記載の発明によれば、地盤の自立性試験器を用いた地盤の自立性試験方法において、請求項1または2に記載の構成と同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の地盤の自立性試験器を示す概略断面図である。
【図2】上記例の地盤の自立性試験器を用いた地盤の自立性試験方法を説明するための図面である。
【図3】上記例の地盤の自立性試験器を用いた地盤の自立性試験方法を説明するための図面である。
【符号の説明】
A 自立性試験
1 ボーリング装置
10 ケーシング
14 掘削手段
15 回転装置
20 凹部
21 弾性部材容器
22,23,24,25 土圧計(圧力計測手段)
30 加圧供給装置
100 孔壁
Claims (3)
- 掘削された孔壁を支持するケーシングを備え、ボーリングを行うボーリング手段と、前記ケーシングに設けられた凹部と、該凹部内に設けられた圧力計測手段と、掘削中は凹部内への土砂の侵入を阻止し、試験中は凹部内への土砂の侵入を許す凹部閉塞手段とを備えたことを特徴とする地盤の自立性試験器。
- 請求項1記載の地盤の自立性試験器において、
前記ケーシングが前記凹部の位置で間隔をあけた状態で上ケーシングと下ケーシングとに分割されることにより、上ケーシングと下ケーシングとの間の間隔が前記凹部とされ、かつ、上ケーシングと下ケーシングとが前記凹部を塞がないように接続され、
圧をかけて膨らんだ状態で凹部をほぼ塞ぎ、かつ、圧を抜いて萎んだ状態で凹部を開放された状態とする弾性部材容器が、前記凹部閉塞手段として、前記凹部内に設けられていることを特徴とする地盤の自立性試験器。 - 請求項1または2記載の地盤の自立性試験器を用いた地盤の自立性試験方法であって、
前記自立性試験器のボーリング手段を用いてボーリングを行うことにより、前記ケーシングを地盤に埋設するとともに、ボーリング中は、前記凹部閉塞手段により凹部内への土砂の侵入を阻止し、
ボーリング終了後、地盤の自立性試験を開始する際に、前記凹部閉塞手段により凹部内への土砂の侵入を許し、凹部内に土砂が侵入することにより、圧力計測手段で計測された圧が上がった場合に、地盤の自立性が低いと判断し、前記凹部閉塞手段が凹部内への土砂の侵入を許しても凹部内に土砂がほとんど侵入せず、圧力計測手段に形成された圧がほとんど変化しない場合に、地盤の自立性が高いと判断することを特徴とする自立性試験方法。
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