JP4707089B2 - 薄層斜光照明装置および顕微鏡 - Google Patents

薄層斜光照明装置および顕微鏡 Download PDF

Info

Publication number
JP4707089B2
JP4707089B2 JP2005065851A JP2005065851A JP4707089B2 JP 4707089 B2 JP4707089 B2 JP 4707089B2 JP 2005065851 A JP2005065851 A JP 2005065851A JP 2005065851 A JP2005065851 A JP 2005065851A JP 4707089 B2 JP4707089 B2 JP 4707089B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
parallel
specimen
thin
field stop
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005065851A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006251208A (ja
Inventor
万喜洋 徳永
大輔 芦田
修治 豊田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Inter University Research Institute Corp Research Organization of Information and Systems
Original Assignee
Nikon Corp
Inter University Research Institute Corp Research Organization of Information and Systems
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp, Inter University Research Institute Corp Research Organization of Information and Systems filed Critical Nikon Corp
Priority to JP2005065851A priority Critical patent/JP4707089B2/ja
Publication of JP2006251208A publication Critical patent/JP2006251208A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4707089B2 publication Critical patent/JP4707089B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、薄層状の光によって標本の内部を局所的に照明する薄層斜光照明装置および顕微鏡に関し、特に、生物標本の蛍光観察(例えば細胞内の蛍光分子の微量検出)に好適な薄層斜光照明装置および顕微鏡に関する。
標本の内部をコントラスト良く観察するために、薄層斜光照明法が提案されている(例えば特許文献1を参照)。この照明法では、視野絞りと対物レンズを介して標本の表面を斜光照明すると共に、表面に入射する照明光の角度を全反射条件の臨界角より僅かに小さくし、表面での照明光の屈折角を90度より僅かに小さくする。
また、特許文献1には、対物レンズの焦点面を標本の深さ方向に移動させて、これに合わせて薄層状の照明光Loを深さ方向に移動させることにより、標本の内部の異なる深さの観察を行うことも提案されている。
特開2003−185930号公報
照明光Loの移動に当たっては、照明光源と対物レンズとの間の光学系(視野絞りを含む)を部分的に調整することになるが、その調整時に照明条件(照明光Loの光量や角度θなど)が変化しないように配慮しなければならない。しかしながら、上記の特許文献1には、対物レンズの焦点面の移動に応じて薄層状の照明光Loを移動させるために必要な構成について具体的な開示がない。
本発明の目的は、標本の内部における照明条件を一定に保ちながら、薄層状の照明光を標本の深さ方向に移動させることができる薄層斜光照明装置および顕微鏡を提供することにある。
本発明の薄層斜光照明装置は、照明光である平行光を出射する光源手段と、前記光源手段からの平行光を観察対象物に向けて垂直方向に反射する反射部材と、前記反射部材からの平行光を対物レンズの瞳面の周辺部に集光し、前記対物レンズへ前記照明光を導く光学素子と、前記光源手段と前記光学素子との間に配置された視野絞りと、少なくとも前記視野絞りと前記反射部材とを一体化して前記反射部材への前記平行光の入射方向に平行に移動させる移動手段とを備えたものである。
本発明の顕微鏡は、本発明の薄層斜光照明装置と、前記対物レンズを含み、前記薄層斜光照明装置によって照明された標本の像を形成する結像手段とを備えたものである。
本発明によれば、標本の内部における照明条件を一定に保ちながら、薄層状の照明光を標本の深さ方向に移動させることができる。
以下、図面を用いて本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1実施形態)
第1実施形態の薄層斜光照明装置10は、図1に示す通り、略L字型の本体11に収容され、光源12と、コリメートレンズ13と、視野絞り14と、反射ミラー15と、集光レンズ16と、平行移動機構17とで構成される。本体11の一端部1Aは、薄層斜光照明装置10を図2に示す倒立型の蛍光顕微鏡30の本体31に装着する際、本体31の中に挿入される部位である。なお、図1には薄層斜光照明装置10の上面図、図2には蛍光顕微鏡30(薄層斜光照明装置10を含む)の側面図を示している。
薄層斜光照明装置10において、光源12からの照明光は、コリメートレンズ13を介して平行光L1に変換され、後段の視野絞り14に向けて出射される。光源12とコリメートレンズ13は、総じて、平行光L1を出射する手段(請求項の「光源手段」)として機能する。また、本実施形態では、コリメートレンズ13の光軸1Bに対して光源12を斜めに向けて配置するが、平行光L1のAA断面における強度分布は、図3(a)に示す通り、光軸1Bのところでピークとなる。
なお、本実施形態では、光源12を斜めに向けて配置したが、光源をレーザ光源とすれば、真っ直ぐに取り付けてもよい。これは、レーザ光自身に強度分布があるためである。
このような強度分布の平行光L1を想定して、後段の視野絞り14には、図3(b)に示す通り、光軸1Bと交わる箇所にスリット開口4Aが設けられる。スリット開口4Aの長手方向は、図1の紙面に垂直である。スリット開口4Aを光軸1Bと交わる箇所に設けたことにより、視野絞り14に入射する平行光L1のうちピーク強度付近の一部の光(平行光L2)を後段の反射ミラー15に向けて出射することができる。なお、視野絞り14のスリット開口4Aを通過して反射ミラー15に向かう平行光L2の進行方向は、コリメートレンズ13の光軸1Bに平行であり、光源手段(12,13)からの平行光L1の出射方向に平行である。
反射ミラー15は、コリメートレンズ13の光軸1Bに対して45度に傾けて配置され、視野絞り14からの平行光L2を入射して垂直方向に反射する(請求項の「反射部材」に対応)。反射ミラー15で反射した後の平行光L2は、後段の集光レンズ16に向けて進行する。図1では、反射ミラー15の法線方向が紙面に平行であり、反射ミラー15で反射した後の平行光L2の進行方向も紙面に平行であり、その平行光L2の断面の長手方向は紙面に垂直となる。また、反射ミラー15からの平行光L2の進行方向は、後段の集光レンズ16の光軸1Cに平行である。
さらに、上記の視野絞り14と反射ミラー15は、それぞれ接着やビス止めなどにより共通の金物(不図示)に固定され、一体化ユニット10Aを構成している。一体化ユニット10Aは、平行移動機構17のスライド板21にビスなどを用いて固定されている。スライド板21は、平行移動機構17のベース板22に不図示のコロを介して連結され、ベース板22に対して平行移動可能となっている。ベース板22は、薄層斜光照明装置10の本体11に固定されている。なお、本体11には、その他、光源12とコリメートレンズ13と集光レンズ16も固定されている。
また、平行移動機構17には、スライド板21とベース板22の他、ばね23とマイクロメータ24とが設けられる。マイクロメータ24のヘッド2Aの先端は、スライド板21に当接している。ばね23の弾性を利用し、マイクロメータ24を回してヘッド2Aを出し引きすることにより、ベース板22に対してスライド板21を平行移動させ、一体化ユニット10Aを本体11に対して平行移動させることができる。
その結果、一体化ユニット10Aを構成する視野絞り14と反射ミラー15とは、互いの位置関係を変えることなく、光源12,コリメートレンズ13,集光レンズ16に対して平行移動することになる。ここで、一体化ユニット10Aの移動方向は、反射ミラー15への平行光L2の入射方向に平行であり、第1実施形態ではコリメートレンズ13の光軸1Bに平行である。
したがって、一体化ユニット10Aを上記の方向に平行移動させた場合でも、視野絞り14のスリット開口4Aは光軸1Bに沿って平行移動し(図4(a),(b))、視野絞り14に入射する平行光L1と視野絞り14との位置関係は一定に保たれる。このため、常に平行光L1のピーク強度付近の光を平行光L2として切り出すことができる。したがって、一体化ユニット10Aの平行移動によって平行光L2の光量が変化することはない。
また、一体化ユニット10Aを平行移動させると、反射ミラー15で反射した後の平行光L2の進路は、集光レンズ16の光軸1Cに対して垂直な方向へシフトすることになる(図4(a),(b))。ただし、その進行方向は、集光レンズ16の光軸1Cに対して平行に保たれる。反射後の平行光L2のシフトの様子をBB断面で示すと図5のようになる。図5には、図4(a),(b)それぞれにおける平行光L2の進路と、集光レンズ16の光軸1Cとの位置関係を併せて示した。
このように、本実施形態の薄層斜光照明装置10では、視野絞り14と反射ミラー15とを一体化して互いの位置関係を変えることなく光軸1Bに沿って平行移動させるため、反射ミラー15で反射した後の平行光L2について、その光量を一定に保ちながら、さらに、その進行方向を集光レンズ16の光軸1Cに対して平行に保ちながら、その進路を光軸1Cに対してシフトさせることができる(図5)。
反射ミラー15からの平行光L2は、集光レンズ16(図1)を介して集光光L3に変換された後、薄層斜光照明装置10の本体11の一端部1Aから図2に示す蛍光顕微鏡30の本体31の内部に導かれる。そして本体31の内部において、薄層斜光照明装置10からの集光光L3は、ダイクロイックミラー32と対物レンズ33とを介して、照明光L4がステージ34に支持されている標本40に入射する。
このとき、対物レンズ33の瞳面3A(図1)では、対物レンズ33の光軸3Bとの交点Q(瞳面3Aの中心)から外れた周辺部Rに集光光L3が到達し、そこで焦点を結ぶ。このような集光作用は、薄層斜光照明装置10の集光レンズ16による。つまり、集光レンズ16は、反射ミラー15からの平行光L2を対物レンズ33の瞳面3Aの周辺部Rに集光する光学素子として機能する(請求項の「光学素子」に対応)。
また、瞳面3Aにおける集光光L3の到達位置(周辺部R)は、瞳面3Aと集光レンズ16の光軸1Cとの交点に相当し、一体化ユニット10Aの平行移動によって平行光L2の進路を光軸1Cに対してシフトさせても(図4,図5)、動くことはない。すなわち、平行光L2の進路をシフトさせても、瞳面3Aの常に同じ位置(周辺部R)に集光光L3を到達させることができる。
ただし、集光光L3が瞳面3Aに入射するときの角度(例えば光軸1Cに対する角度)は、図6に示すような変化を示す。図6には、図4(a),(b)それぞれにおける平行光L2に対応させて、集光光L3の入射角度の変化(傾き変化)を模式的に示した。図4,図6から分かるように、平行光L2の進路が光軸1Cから離れるほど、瞳面3Aに対する集光光L3の入射角度は大きく傾くことになる。
ちなみに、瞳面3Aは、集光レンズ16と一体化ユニット10Aとコリメートレンズ13を介して、光源12に共役である。この共役関係を模式的に示すと図7(a)のようになる。図7(a)から分かるように、光源12の各点から出射した光束は瞳面3Aの各共役点に集光し、瞳面3Aには光源12の像が形成される。また、図7(a)の共役関係において、一体化ユニット10Aは平行光路上にある。このため、図7(a)の共役関係は、一体化ユニット10Aの平行移動とは無関係に保たれる。
上記のように、薄層斜光照明装置10(図1)の集光レンズ16のからの集光光L3は、対物レンズ33の瞳面3Aの周辺部Rに到達して焦点を結ぶと共に、一体化ユニット10Aの平行移動により、瞳面3Aにおける到達位置(周辺部R)を変化させることなく、瞳面3Aに対する入射角度のみが変化することになる(図6)。なお、瞳面3Aに入射した集光光L3は瞳面3Aを通過した後、対物レンズ33の先端から出射して標本40(図2)に対する照明光L4となる。瞳面3Aの周辺部Rに焦点を結んだ集光光L3が標本40に対する照明光L4となるため、この照明光L4は平行光である。
ここで、標本40が生物標本(例えば水溶液中の生体細胞)である場合、標本40の下方(対物レンズ33の側)には、図8(a)に示す通り、カバーガラス41が配置される。図8(a)は、標本40と対物レンズ33の先端付近を拡大した図である。また、カバーガラス41と対物レンズ33の先端との間は、オイルなどの浸液42で満たされる。ちなみに、対物レンズ33は、高開口数(NA>1)の油浸系の対物レンズである。標本40に対する照明光L4は、対物レンズ33の先端から出射して浸液42とカバーガラス41とを介した後、標本40の表面4Bに入射する。
標本40の表面4Bは、対物レンズ33(瞳面3Aを含む)と図2のダイクロイックミラー32と薄層斜光照明装置10の集光レンズ16と一体化ユニット10Aの反射ミラー15(図1)を介して、視野絞り14に共役である。この共役関係を模式的に示すと図7(b)のようになる。図7(b)の共役関係において、一体化ユニット10Aは非平行光路上にある。
このため、一体化ユニット10Aの平行移動によって視野絞り14から瞳面3Aまでの光路長が変化すると、図7(b)の共役関係は崩れてしまう。しかし、本実施形態では、一体化ユニット10Aの平行移動によって、視野絞り14と反射ミラー15との位置関係(つまり視野絞り14から反射ミラー15までの光路長)が変化せず、かつ、反射ミラー15から瞳面3Aまでの光路長も変化しないため、視野絞り14から瞳面3Aまでの光路長を一定に保つことができる。
したがって、本実施形態の薄層斜光照明装置10では、一体化ユニット10Aを平行移動させた場合でも、図7(b)に示す視野絞り14と標本40の表面4Bとの共役関係を保つことができる。このとき、視野絞り14のスリット開口4Aの各点から出射した光束(上記の平行光L2)は、常に、標本40の表面4Bの各共役点に集光する(照明光L4)。
また、標本40の表面4Bにはスリット開口4Aの像が形成され、このスリット像の範囲(照明光L4の入射範囲)が、照明範囲となる。表面4Bでのスリット像の範囲(照明範囲)は、図8(a)の表面4Bを対物レンズ33側から見た図(図8(b))に示す通り、スリット開口4Aと同様の細長い形状である。スリット像の長手方向は、図8(a)の紙面に垂直である。
一方、照明光L4が標本40の表面4Bに入射するときの角度φは、対物レンズ33の瞳面3Aにおける集光光L3の到達位置(図1,図6の周辺部Rの位置)、つまり、瞳面3Aと集光レンズ16の光軸1Cとの交点の位置に応じて決まる。したがって、集光レンズ16の光軸1Cを移動させなければ、標本40の表面4Bに対する照明光L4の入射角度φを略一定に保つことができる。
そして、本実施形態の薄層斜光照明装置10では、集光レンズ16の光軸1Cの位置を予め調整することにより、標本40の表面4Bに対する照明光L4の入射角度φを全反射条件の臨界角より僅かに小さくし、表面4Bでの照明光L4の屈折角が90度より僅かに小さくなるように設定する。このため、照明光L4は表面4Bで全反射することなく標本40の内部に向けて進行する。
さらに、標本40の表面4Bに対する照明光L4の入射角度φが全反射条件の臨界角より僅かに小さく、照明光L4の入射範囲(照明範囲)が図8(b)に示すようなスリット形状でかつ図8(a)の紙面に垂直方向に細長いため、標本40の内部における照明光Loは、対物レンズ33の光軸3Bに対して垂直に近い角度θで進行すると共に、光軸方向の非常に狭い範囲d(=数μm程度)を進行する薄層状の光となる。光軸方向は標本40の深さ方向に相当する。
薄層状の照明光Loの角度θは、標本40の表面4Bに対する照明光L4の入射角度φによって(延いては集光レンズ16の光軸1Cの位置によって)決まる。また、薄層状の照明光Loの光軸方向の厚さ(つまり標本40の内部での照明範囲d)は、上記した照明光L4の入射角度φによって決まると共に、表面4Bにおける照明光L4の入射範囲によって(延いては視野絞り14のスリット開口4Aの大きさによって)決まる。
そして、標本40の内部では、薄層状の照明光Loによって非常に狭い範囲dのみが局所的に照明され、それ以外(照明光Loと表面との間など)が照明されることはない。したがって、図8(a)のように対物レンズ33の焦点面(これが観察面となる)を標本40の内部に設定し、この焦点面とその近傍のみを薄層状の照明光Loによって局所的に照明することで、標本40の内部の観察面を背景光の少ない状態でコントラスト良く観察することができる。
標本40が生物標本の場合、標本40の内部の観察面から発生した蛍光は、対物レンズ33を介して集光され、図2に示す蛍光顕微鏡30のダイクロイックミラー32を透過して、カメラ35に入射する。さらに、カメラ35の内部では、撮影レンズを介して撮像素子に入射する。この場合には、標本40の内部の観察面の蛍光像が、対物レンズ33とカメラ35の撮影レンズ(総じて請求項の「結像手段」に対応)を介して撮像素子上に形成される。したがって、撮像素子の出力を例えばモニタ(不図示)に出力することで、標本40の内部の観察面をコントラスト良く観察できる。また、撮像素子の出力に基づいて、標本40の細胞内の蛍光分子の微量検出を行うこともできる。さらに、観察面からの蛍光を接眼レンズ36に導いて目視観察することもできる。
また、図8(a),図9(a)に示す通り、標本40の内部の異なる深さで同様の観察を行うためには、対物レンズ33の焦点面を標本40の深さ方向に移動させて、これに合わせて薄層状の照明光Loを深さ方向に移動させればよい。ただし、その移動時に照明条件(照明光Loの角度θや光量など)が変化しないように配慮する必要がある。薄層状の照明光Loの深さ方向の移動には、上記した薄層斜光照明装置10(図1)の一体化ユニット10Aが用いられる。
一体化ユニット10Aを平行移動させると、反射ミラー15からの平行光L2は、その光量が一定のままで、その進路(図4,図5)が集光レンズ16の光軸1Cに対してシフトする。このため、集光レンズ16からの集光光L3は、その光量が一定のままで、瞳面3Aにおける到達位置(図1,図6の周辺部R)もシフトせずに、瞳面3Aに対する傾き角度のみが変化する。
したがって、瞳面3Aを通過して対物レンズ33の先端から出射した照明光L4は、その光量が一定のままで、標本40の表面4Bに対する入射角度φ(図8(a),図9(a))と、表面4Bにおける入射範囲の大きさ(図8(b),図9(b))とを一定に保ちながら、その入射範囲の短手方向に沿って入射位置がシフトする(つまり対物レンズ33の光軸3Bからの距離Dが変化する)ことになる。
照明光L4の光量を一定に保つことができるのは、視野絞り14に入射する平行光L1と視野絞り14との位置関係(図4)が変わらないからである。入射角度φを一定に保つことができるのは、瞳面3Aにおいて、集光レンズ16からの集光光L3の到達位置(図1,図6の周辺部R)がシフトしないからである。入射範囲の大きさは、スリットの幅で決定する。標本の深さ方向の入射位置をシフトさせることができるのは、瞳面3Aにおいて、集光光L3の傾き角度が変化するからである。
このように、一体化ユニット10Aを平行移動させると、標本40の表面4B(図8,図9)では、照明光L4の光量と入射角度φと入射範囲の大きさを一定に保ちながら、照明光L4の入射位置をシフトさせることができる。さらに、一体化ユニット10Aを平行移動させても、図7(b)に示す視野絞り14と表面4Bとの共役関係を保つことができるため、表面4Bにおける照明光L4の入射範囲の各点(視野絞り14のスリット開口4Aの各点に共役な点)において、照明光L4の入射角度φは略均一になる。
そして、標本40の内部(図8,図9)では、薄層状の照明光Loの光量と角度θと光軸方向の厚さを一定に保ちながら、照明光Loが対物レンズ33の光軸3Bに到達する位置を深さ方向にシフトさせることができる。さらに、図7(b)の共役関係を保持することによって、表面4Bでの入射角度φの不均一性を回避できるため、薄層状の照明光Loの角度θの不均一性も回避できる。
したがって、本実施形態の薄層斜光照明装置10では、一体化ユニット10Aを平行移動させることによって、標本40の内部における照明条件を一定に保ちながら、薄層状の照明光Loを標本40の深さ方向に移動させることができる。標本40の内部における照明条件とは、照明光Loの光量,角度θ,照明範囲dおよび角度θの均一性に対応する。
また、薄層斜光照明装置10を備えた蛍光顕微鏡30では、対物レンズ33の焦点面を標本40の深さ方向に移動させたときに、薄層斜光照明装置10の一体化ユニット10Aを平行移動させて、薄層状の照明光Loを標本40の深さ方向に移動させることにより、標本40の内部の異なる深さで同様の観察を行うことができる。このとき、照明条件が一定に保たれるため、標本40の深さ方向に拘わらず高S/N比での薄層斜光照明観察を行うことができる。
なお、上記した第1実施形態では、図1に示す通り、視野絞り14をコリメートレンズ13と反射ミラー14との間に配置したが、本発明はこれに限定されない。図10に示す通り、視野絞り14を反射ミラー14と集光レンズ16との間に配置する場合にも、同様の効果を得ることができる。この場合にも、一体化ユニット10Aの移動方向は、反射ミラー15への平行光L2の入射方向に平行であり、本実施形態ではコリメートレンズ13の光軸1Bに平行である。
また、上記した第1実施形態では、視野絞り14からの平行光L2を反射ミラー15によって垂直方向に反射する例(図1)と、コリメートレンズ13からの平行光L1を反射ミラー15によって垂直方向に反射する例(図10)を説明したが、本発明はこれに限定されない。反射ミラー15による反射方向が垂直以外でも、本発明を適用できる。この場合、視野絞り14と反射ミラー15に加えて、光源手段(12,13)も一体的に動かすことが好ましい。
また、上記した第1実施形態では、光源手段(12,13)を本体11に固定する構成例を説明したが、本発明はこれに限定されない。次に説明する第2実施形態と同様に、光源手段(12,13)を別ユニットとし、交換可能としてもよい。
(第2実施形態)
第2実施形態の薄層斜光照明装置50は、図11(a)に示す通り、略L字型の本体(51〜53)を3つのユニット51,52,53に分割して、そのうち2つのユニット51,52の各々に平行移動機構54,55を設け、残りのユニット53に対して平行移動可能としたものである。
第2実施形態の薄層斜光照明装置50では、光源手段(12,13)がユニット51に収容され、視野絞り14がユニット52に収容され、反射ミラー15が集光レンズ16と共にユニット53に収容される。このため、視野絞り14は光源手段(12,13)と反射ミラー15との間に配置されたことになる。ユニット51の内部において、光源12とコリメートレンズ13との距離は常に一定に保たれる。
また、2つの平行移動機構54,55は、移動方向が同じであり、連結金具56によって連結可能となっている。平行移動機構54,55を連結した場合には、一方の平行移動機構のばね23を取り外し、他方の平行移動機構のマイクロメータ24を回すことにより、2つの平行移動機構54,55を同時に同量だけ動かすことができる。平行移動機構54,55の移動方向は、視野絞り14への平行光(図1の平行光L1と同じ)の入射方向に垂直であり、第2実施形態ではコリメートレンズ13の光軸1Bに垂直である。
このように構成された第2実施形態の薄層斜光照明装置50では、2つの平行移動機構54,55を連結金具56によって連結し、ユニット51,52を連結することにより、光源手段(12,13)と視野絞り14とを一体化して平行移動させることができる。この場合でも、上記の第1実施形態と同様、視野絞り14に入射する平行光(L1)と視野絞り14との位置関係を一定に保つことができ、視野絞り14から対物レンズの瞳面3Aまでの光路長も一定に保つことができるため、標本40の内部における照明条件を一定に保ちながら、薄層状の照明光Loを標本40の深さ方向に移動させることができる。
また、第2実施形態の薄層斜光照明装置50では、平行移動機構54,55の連結金具56を取り外すことにより、ユニット51,52(つまり光源手段(12,13)と視野絞り14)を独立に平行移動させることもできる。
さらに、ユニット51を取り外し、図11(b)に示す焦点距離の長いコリメートレンズ57を備えた別のユニット58に交換することもできる。ユニット51をユニット58に交換した場合でも、上記と同様、ユニット58の光源手段(12,57)と視野絞り14とを一体化して平行移動させることもできるし、独立に平行移動させることもできる。
また、ユニット58の焦点距離の長いコリメートレンズ57を用いた光源手段(12,57)では、視野絞り14に向けて出射する平行光(L1)の強度分布(図3(a))の明るさ勾配が平坦である。したがって、ユニット58を取り付けた場合には、平行移動機構54,55の連結金具56を外し、平行移動機構54による光源手段(12,57)の移動を行わずに、平行移動機構55による視野絞り14の移動のみを行ってもよい。交換可能な光源ユニット(51,57)には波長域の異なる光源を設けてもよい。
(変形例)
なお、上記した実施形態では、薄層斜光照明装置10,50を倒立型の蛍光顕微鏡30に組み込む例で説明したが、正立型の蛍光顕微鏡に組み込む場合にも本発明を適用できる。また、蛍光顕微鏡に限らず、一般的な光学顕微鏡にも本発明の薄層斜光照明装置を組み込むことができる。
さらに、上記した実施形態では、光源12とコリメートレンズ13(,57)とで光源手段を構成する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。平行光を出射可能な光源であれば、コリメートレンズを省略してもよい。
また、上記した実施形態では、平行移動機構を用いて一体化ユニット10Aやユニット51,52などを手動制御する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。一体化ユニット10Aやユニット51,52などを電動制御することにより、標本40の内部の異なる深さの観察面で、高S/N比での薄層斜光照明観察を効率よく行うことができる。
第1実施形態の薄層斜光照明装置10の全体構成を示す図である。 薄層斜光照明装置10を備えた蛍光顕微鏡30の概略構成を示す図である。 図1のAA断面における光源手段(12,13)からの平行光L1の強度分布(a)と、視野絞り14のスリット開口4Aの位置(b)について説明する図である。 一体化ユニット10A(つまり視野絞り14,反射ミラー15)の平行移動について説明する図である。 図4(a)のBB断面図における反射後の平行光L2のシフトの様子を説明するである。 集光レンズ16からの集光光L3が瞳面3Aに入射するときの傾き角度の変化について説明する図である。 対物レンズ33の瞳面3Aと光源12との共役関係(a)と、標本40の表面4Bと視野絞り14との共役関係(b)を説明する模式図である。 標本40と対物レンズ33の先端付近を拡大し、標本40に対する照明光L4を説明する図である。 図8とは標本40の内部の観察面が深さ方向に異なる場合において、標本40に対する照明光L4を説明する図である。 第1実施形態の変形例の薄層斜光照明装置の構成図である。 第2実施形態の薄層斜光照明装置50の全体構成を示す図である。
符号の説明
10,50 薄層斜光照明装置
10A 一体化ユニット
11,31 本体
12 光源
13,57 コリメートレンズ
14 視野絞り
4A スリット開口
15 反射ミラー
16 集光レンズ
17,54,55 平行移動機構
21 ベース板
22 スライド板
23 ばね
24 マイクロメータ
30 蛍光顕微鏡
32 ダイクロイックミラー
33 対物レンズ
3A 瞳面
34 ステージ
35 カメラ
36 接眼レンズ
40 標本
4B 表面
41 スライドガラス
42 浸液
51,52,53,58 ユニット
56 連結金具

Claims (2)

  1. 照明光である平行光を出射する光源手段と、
    前記光源手段からの平行光を観察対象物に向けて垂直方向に反射する反射部材と、
    前記反射部材からの平行光を対物レンズの瞳面の周辺部に集光し、前記対物レンズへ前記照明光を導く光学素子と、
    前記光源手段と前記光学素子との間に配置された視野絞りと、
    少なくとも前記視野絞りと前記反射部材とを一体化して前記反射部材への前記平行光の入射方向に平行に移動させる移動手段とを備えた
    ことを特徴とする薄層斜光照明装置。
  2. 請求項1に記載の薄層斜光照明装置
    前記対物レンズを含み、前記薄層斜光照明装置によって照明された標本の像を形成する結像手段とを備えた
    ことを特徴とする顕微鏡
JP2005065851A 2005-03-09 2005-03-09 薄層斜光照明装置および顕微鏡 Expired - Fee Related JP4707089B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005065851A JP4707089B2 (ja) 2005-03-09 2005-03-09 薄層斜光照明装置および顕微鏡

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005065851A JP4707089B2 (ja) 2005-03-09 2005-03-09 薄層斜光照明装置および顕微鏡

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006251208A JP2006251208A (ja) 2006-09-21
JP4707089B2 true JP4707089B2 (ja) 2011-06-22

Family

ID=37091812

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005065851A Expired - Fee Related JP4707089B2 (ja) 2005-03-09 2005-03-09 薄層斜光照明装置および顕微鏡

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4707089B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5006694B2 (ja) * 2006-05-16 2012-08-22 オリンパス株式会社 照明装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003185930A (ja) * 2001-12-14 2003-07-03 Japan Science & Technology Corp 光学系の薄層斜光照明法
JP2004021222A (ja) * 2002-06-20 2004-01-22 Nikon Corp 顕微鏡標本の照明方法とこれを用いた照明装置を有する顕微鏡
JP2005003909A (ja) * 2003-06-11 2005-01-06 Japan Science & Technology Agency 光学系の薄層斜光照明法
JP2005024597A (ja) * 2003-06-30 2005-01-27 Susumu Terakawa 顕微鏡用極薄照明光発生装置および前記装置を用いた観察方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003185930A (ja) * 2001-12-14 2003-07-03 Japan Science & Technology Corp 光学系の薄層斜光照明法
JP2004021222A (ja) * 2002-06-20 2004-01-22 Nikon Corp 顕微鏡標本の照明方法とこれを用いた照明装置を有する顕微鏡
JP2005003909A (ja) * 2003-06-11 2005-01-06 Japan Science & Technology Agency 光学系の薄層斜光照明法
JP2005024597A (ja) * 2003-06-30 2005-01-27 Susumu Terakawa 顕微鏡用極薄照明光発生装置および前記装置を用いた観察方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006251208A (ja) 2006-09-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10712547B2 (en) Microscope, focusing unit, fluid holding unit, and optical unit
US8643946B2 (en) Autofocus device for microscopy
US6992820B2 (en) Illuminating optical system and microscope provided with the same
JP6195922B2 (ja) 顕微鏡
US7304282B2 (en) Focus detection device and fluorescent observation device using the same
JP5287252B2 (ja) レーザ走査共焦点顕微鏡
US7570362B2 (en) Optical measurement apparatus utilizing total reflection
JP7021190B2 (ja) ライトシート顕微鏡
US8014065B2 (en) Microscope apparatus with fluorescence cube for total-internal-reflection fluorescence microscopy
US20120133943A1 (en) Systems And Methods For Multi-Wavelength SPR Biosensing With Reduced Chromatic Aberration
US20110102888A1 (en) Microscope
JP2011118264A (ja) 顕微鏡装置
JP2007506955A (ja) エバネッセント波照明を備えた走査顕微鏡
US7170676B2 (en) Illumination switching apparatus and method
JP2006522948A (ja) 顕微鏡配列
JP2004085796A (ja) 顕微鏡用照明装置及び顕微鏡
JP4707089B2 (ja) 薄層斜光照明装置および顕微鏡
JP2010091679A (ja) 顕微鏡装置とこれに用いられる蛍光キューブ
JP2007072391A (ja) レーザ顕微鏡
US8108942B2 (en) Probe microscope
JP2006047780A (ja) 赤外顕微鏡
JP4713391B2 (ja) 赤外顕微鏡
JP2004295122A (ja) 照明切換装置及びその方法
JP2012141452A (ja) 自動合焦機構および顕微鏡装置
JP4681814B2 (ja) 全反射蛍光顕微鏡

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080206

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110308

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110310

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4707089

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees