JP4706297B2 - スパーク検出装置及び方法 - Google Patents
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Description
電気めっきライン10においては、図4に示すように、鋼板Sが上下で対を成す複数の通電ロール11及びバックアップロール12に挟持されて、左側から右側に向けて連続的に搬送されるようになっている。そして、鋼板Sの上下両面には、それぞれ所定間隔を設け、上部電極13及び下部電極14が配置されている。
なお、上部電極13及び下部電極14付近には、それぞれ鋼板の表面に向けてめっき液を噴射する複数のノズル(図示せず)が配置され、また、鋼板Sの下方にめっき液を回収するめっき液槽(図示せず)が配置されている。
ここで、電気めっきライン10で消費される電力は、めっき反応そのものに消費される電力以外に、電極13、14と鋼板Sとの間の電気抵抗によるジュール熱として消費される電力がかなりの割合を占めている。そのため、近年、電気めっきライン10では、省エネルギー対策として、電極13、14と鋼板Sとの間隔を小さく設定する傾向にあり、その結果、電極13、14と鋼板Sとの間で短絡を起こし、スパーク疵が発生することが問題となっている。
本発明は上記した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、各電極ごとに、電流値の経時変化値の平均値の変動に応じて定常電流範囲を自動設定することにより、安定したスパーク検出精度を確保することができるスパーク検出装置及び方法を提供することである。
図1は、通電ロールの交換等の設備変更を行う前後の、電極と鋼板との各状態における、整流器に流れる電流値の経時変化値の変動を示す図である。
電極13、14と通電ロール11との間の電流値は、スパークが発生した時には、図1に示すように、まず正常時の電流値(以下定常電流値と言う)に対して正方向に変動した後、その直後に逆に定常電流値に対して負方向に変動し、その後に定常電流値に戻るという挙動を示す。そして、この場合において、通電ロール11の交換等の設備変更を行った場合、設備変更前と設備変更後とでは、整流器16に流れる電流値の経時変化値が大きく変動するため、これに伴い、スパーク発生時の電流値の挙動も変化することとなる。
なお、本実施形態におけるスパーク検出装置が備えられる電気めっきラインは一般的なものであり、その基本構成については従来技術において説明したもの同じ構成のため、同一の構成部分については、同一の符号を付して説明及び図示を省略する。
図2は、電気めっきラインに備えられる本発明の第1の実施形態に係るスパーク検出装置の概略構成を示すブロック図である。図3は、スパーク検出に用いる定常電流範囲と、スパーク発生時の整流器に流れる電流値の経時変化値との関係を示す図である。
電流検出手段2は、整流器16と接続され、整流器16に流れる電流値を検出することにより、電極13、14と通電ロール11との間に流れる電流値を検出している。
データベース3は、電流検出手段2と接続され、電流検出手段2から入力された整流器16に流れる電流値の経時変化値を記録し、データベース化している。
このように、電流検出手段2により整流器16ごとに電流値の検出を行い、その電流値に基づいて判定手段4が各電極13、14における定常電流範囲を設定しているため、通電ロール11の交換等により各電極における電流値が変化した場合においても、電極13、14ごとに定常電流範囲を自動的に再設定することができ、これにより、電極13、14ごとのスパーク判定制度を高く保つことが可能となる。
例えば、本発明に係るスパーク検出装置1は、本実施例においては判定手段4によるスパークの判定方法として、整流器16に流れる電流値の経時変化値の平均値を算出し、その平均値を含む所定電流範囲:X2(=移動平均値−ΔX2)超〜X1(=移動平均値+ΔX1)未満を定常電流範囲と設定し、検出された電流値がX1以上となった後、X2以下となり、さらにその後に定常電流範囲内に戻る挙動を示し、かつ、その挙動の開始から終了までに要する時間tが所定時間内であるときに、スパークが発生したと判定する構成となっているが、これに限定されることはなく、検出された電流値が定常電流範囲外となったら直ちにスパークが発生したと判定する構成とする等、設定された定常電流範囲に基づいてスパークを判定する方法であれば、他の方法により構成するものであってもよい。
また、本実施形態においては、判定手段4を1つ備える構成となっているが、各整流器16ごとに備える構成としてもよい。
2 電流検出手段
3 データベース
4 判定手段
5 警報表示手段
10 電気めっきライン
11 通電ロール
12 バックアップロール
13 上部電極
14 下部電極
15 交流電源
16 整流器
S 鋼板
Claims (2)
- 電源の一方の極に整流器を介して接続され、鋼板の表面から所定の間隔を設けて対向配置された電極と、前記電源の他方の極に接続され、前記鋼板に接触して配置される通電ロールと、を備えた電気めっきラインにおける、前記電極と前記鋼板との間にスパークが発生したことを検出するスパーク検出装置において、
前記整流器ごとに電流値を常時又は所定の周期で検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段によって検出された前記電流値の経時変化値を記録するデータベースと、
前記データベースに記録された前記経時変化値から該変化値の平均値を算出する電流平均値算出手段と、
前記電極ごとに、前記電流平均値算出手段によって算出された前記平均値の変動に応じて定常電流範囲を自動的に設定する定常電流範囲設定手段と、
前記定常電流範囲設定手段によって設定された前記定常電流範囲に基づいてスパークが発生したことを判定する判定手段と、
を備え、
前記定常電流範囲設定手段が、前記経時変化値の平均値が変動する都度、該平均値が変動した整流器に接続されている電極の定常電流範囲を自動的に再設定し直し、前記判定手段が、前記電極ごとに再設定された後の定常電流範囲に基づいてスパークが発生したことを判定することを特徴とするスパーク検出装置。 - 電源の一方の極に整流器を介して接続され、鋼板の表面から所定の間隔を設けて対向配置された電極と、前記電源の他方の極に接続され、前記鋼板に接触して配置される通電ロールと、を備えた電気めっきラインにおける、前記電極と前記鋼板との間にスパークが発生したことを検出するスパーク検出方法において、
前記整流器ごとに電流値を常時又は所定の周期で検出し、
前記電流値の経時変化値をデータベースに記録し、
前記データベースに記録された前記経時変化値から該変化値の平均値を算出し、
前記電極ごとに、前記平均値の変動に応じて定常電流範囲を自動的に設定し、
前記定常電流範囲に基づいてスパークが発生したことを判定し、
前記経時変化値の平均値が変動する都度、該平均値が変動した整流器に接続されている電極の定常電流範囲を自動的に再設定し直し、前記電極ごとに再設定された後の定常電流範囲に基づいてスパークが発生したことを判定する、
ことを特徴とするスパーク検出方法。
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JP2005089084A JP4706297B2 (ja) | 2005-03-25 | 2005-03-25 | スパーク検出装置及び方法 |
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---|---|---|---|---|
JPH05271999A (ja) * | 1992-03-30 | 1993-10-19 | Nkk Corp | 電気鍍金ラインのスパーク防止装置 |
JPH07150398A (ja) * | 1993-11-29 | 1995-06-13 | Kawasaki Steel Corp | スパーク疵検出装置 |
JP2004292927A (ja) * | 2003-03-28 | 2004-10-21 | Jfe Steel Kk | スパーク検出方法 |
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2005
- 2005-03-25 JP JP2005089084A patent/JP4706297B2/ja active Active
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