JP4705109B2 - 4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンの新規な製造方法に関する。
4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンは、溶剤、洗浄剤として、また医薬品の種々ビルディングブロックとして有用である。特許文献1には、4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンが、医薬用エアゾール製品の成分として開示されている。また、非特許文献1では、4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンが、光学活性なアミノ酸誘導体の中間体として開示されている。それは、種々の他の分野で使用されることが期待されている。
非特許文献2には、トリフルオロ酢酸ナトリウムと酢酸イソプロペニルとの水性アセトン中での混合物を電気分解することにより、4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンを製造する方法が開示されている。この方法では、電気分解を行うために複雑な装置を必要とする。非特許文献3では、CH=C(OAc)CH、又はCH=C(OCOCH)CH、で表されるエノールエステルを、Cu(II)触媒の存在下、トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム及びt−ブチルヒドロペルオキシドと反応させることによって、4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンを製造する方法が開示されている。特許文献2には、C2n+1−mCOOH、で表されるフルオロアルキルカルボン酸を、エーテル溶媒中でメチルマグネシウムブロミドと反応させることによって、C2n+1−mCOCH(ここで、nは、2〜4の整数を表し、mは、0又は1を表す。)、で表されるフッ素含有ケトンを調製することが開示されている。
これらの従来の方法は、4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンの実験的規模での合成には適しているかもしれないが、大規模かつ工業的製造にスケールアップすることは容易ではない。
また、酸加水分解を受けたフルオロオレフィン類は、フッ素含有ケトンを形成する可能性があることが知られている(非特許文献4参照)。しかしながら、非特許文献5に開示されているように、C=CF構造を有するフルオロオレフィンは、常にケトンに変換されるわけではない。この点に関して、本発明の発明者等は、たとえフルオロオレフィン類がプロトン酸の存在下で水と接触しても、フルオロオレフィン類が、常に予期する反応に進行するとは限らないことを確認した。
一方、Alty等は、新規なフルオロブテン誘導体、及びその化合物の新規な合成方法を発明した。Alty等の発明は、特許文献3として出願され、本発明と同じ譲受人に譲り渡されたものであり、ここに参照として取り入れることとする。Alty等の発明前、ハロゲン化アルカンは、熱的脱フッ化水素反応を受けてオレフィンを形成するが、そのような熱的脱フッ化水素反応は、低変換率と低選択性のために、特に工業的には実用的ではないということが知られていた。
炭素−フッ素結合は、非常に強いので、炭素−フッ素を脱離させるエネルギーは、炭素−炭素結合を脱離させるのに必要なエネルギーに非常に近い。一般的に、フッ化水素(HF)をフッ素化合物から脱離させるのに必要な温度は、フッ素原子の代わりに同じ位置に塩素原子を含む、同様の塩素化合物から塩化水素を脱離させるのに必要な温度よりもずっと高い。脱フッ化水素反応が、そのように高温で起こると、分解や変性を引き起こして、目的の合成の選択性を低減させる。特許文献4には、触媒非存在下での5つの区別できるフッ化炭化水素の脱フッ化水素処理が、低選択率でフルオロオレフィンを与えることが開示されている。
一方、触媒が、脱フッ化水素の温度を低下させ、選択性を向上させて、分解や変性を避けるであろうことが知られている。特許文献5には、1,1−ジフルオロエタンの、熱処理(触媒非存在下)、又は触媒処理のいずれかによる脱フッ化水素により、フッ化ビニルを製造する方法が開示されており、また、この触媒が、より有用であることが開示されている。しかしながら、触媒は、脱フッ化水素処理による生成物によって、短時間で簡単に非活性になってしまう。
また、塩基によるフッ素含有物質の脱フッ化水素が、フルオロオレフィンを与えることも知られている。しかしながら、塩基を使用する脱フッ化水素処理は、一般に、熱的脱フッ化水素処理によって得られる生成物とは異なる異性体を形成し、それゆえ、効率的に所望のフルオロオレフィン類を得ることが困難である。
国際公開第02/03958号パンフレット 特開平10−109954号公報 国際公開第04/096737号パンフレット 米国特許第2,480,560号明細書 米国特許第2,599,631号明細書 JOURNAL of Fluorine Chemistry (1987), 36, 163−170 Journal of Organic Chemistry (1983),48(8),P.1370 TetrahedronLetters (1992), 33(10), P.1291 Synthesis,(5),1986,p.355,Tetrahedron Letters (1986),27(9),1027−1030 Tetrahedron Letters (1986), 27(9), 1027−1030
本発明は、工業的生産に好適な、4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンの製造方法を提供する。
本発明において、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(CFCHCFCH;HFC−365mfc)は、出発材料として使用され、それは第一工程において、「脱フッ化水素処理」を受けて、2,4,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン、(E)−1,1,1,3−テトラフルオロ−2−ブテン、(Z)−1,1,1,3−テトラフルオロ−2−ブテン及びその混合物からなる群から選択されるフルオロブテンを形成する。このフルオロブテンは、第二工程、すなわち、プロトン酸と水との反応を受けて、4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンを形成する。前記出発材料の1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンは、商業的に入手可能であり、洗剤、ポリウレタン等のための発泡剤及び溶剤として使用されている。
本発明の前記第一工程及び/又は前記第二工程は、大量生産規模でスムースに進行し、分離困難な副生成物を作らない。
本発明における前記工程を要約すると、次のようになる。
本発明の前記方法は、高純度の4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンを製造するのに効率的かつ有用である。
第一工程
第一工程において、2,4,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン、(E)−1,1,1,3−テトラフルオロ−2−ブテン、(Z)−1,1,1,3−テトラフルオロ−2−ブテン及びその混合物からなる群から選択されるフルオロブテンが調製される。本発明におけるフルオロブテンは、出発材料としての1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンから調製することができる。1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンは、HFC−365mfcとして商業的に入手することができる。1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンは、以下の(1)方法A、(2)方法B、及び(3)方法Cのいずれかの方法によって脱フッ化水素される。
(1)方法A
方法Aは、前記出発材料を、触媒及び塩基の非存在下で加熱する方法である。前記出発材料の1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンは、約200℃〜約700℃、特には300℃〜600℃、更には400℃〜550℃に加熱される。前記温度範囲は、好適な変換率と選択性を得るのに好ましい。
上述した通り、方法Aは、塩基の非存在下で行われる。それゆえ、酸性又は中性条件で実施される。塩基が存在しないので、高選択率で、2,4,4,4−テトラフルオロ−1−ブテンを得るのに有利である。
方法Aは、フロータイプ(連続タイプ)又はバッチタイプの反応のいずれかで実施される。一般に、好ましい選択率は、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを短時間高温に晒すことによって得ることができる。また、一般に、バッチタイプ処理を自生圧力下で実施することが必要であり、この処理は大気圧又は近大気圧下で実施される。それゆえ、前記フロータイプは有利に使用される。
前記バッチタイプ処理の場合、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンは、加圧及びフッ化水素に耐える反応容器に導入される。該反応容器は、密封され、攪拌加熱される。反応の進行は、前記出発材料が消費されるまで、例えば、ガスクロマトグラフィー分析等によりモニターされる。
前記フロータイプ処理の場合、気体状態の1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンが熱反応管を通過する。該熱反応管は、高温のフッ化水素に耐える材料から形成されている。一般に、前記熱反応管は、接触を向上させるために、耐フッ化水素の充填剤で満たされている。ニッケル合金が、前記反応管として好適に使用され、モネルプロパック(Monel Pro−pack)が、前記充填剤として好適に使用される。
前記フロータイプ処理の場合、前記出発材料は、接触時間、すなわち、「原材料投入基準接触時間」だけ加熱される。この接触時間は、A/B、として表される。ここで、Aは、カラム体積、すなわち、前記反応管の内容積から前記充填剤が占める固相容積を差し引いた値である。Bは、毎秒あたり前記反応管に導入される気体状態の前記出発材料の容積を表す。Bの値は、前記出発材料のガスが、理想気体として挙動すると仮定して、毎秒あたり導入される前記出発材料のモル数、圧力、及び温度から計算される。前記反応管において、HF及び他のガスが、副生成物として生成し、モル数は変化するが、これらは「接触時間」の計算上は考慮しない。転化率が100%で、離脱したHFの選択率が100%で、しかも離脱したHFが理想気体として挙動すれば、接触時間は半分となる。
本発明によると、前記接触時間は、特には限定されない。反応温度が400℃〜550℃に保たれる場合、前記出発材料は、1時間あたり約60カラム体積〜約300カラム体積、約12秒間から60秒間の接触時間で投入されるのが好ましい。特に、前記出発材料が、1時間あたり約90カラム体積〜約200カラム体積で、接触時間約18秒間〜40秒間で投入される。副反応が、選択率及び収率を低下させるため、接触時間が、200秒間を超えるのは好ましくない。また、前記転化率が減少するので、前記接触時間を1秒間未満に減らすことは好ましくない。
上記観点より、方法Aにおいては、塩基の非存在下において、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを、400℃〜550℃に加熱された反応管に、接触時間18秒間〜40秒間で通過させるのが最適であると考えられる。
最適な接触時間は、温度、前記反応管の形状や充填剤に基づいて決定される。それゆえ、そのような条件に基づいて、前記出発材料の供給速度や前記接触時間は最適化される。本明細書の記述を参照して、当業者は本発明における条件を最適化することができる。未反応の前記出発材料を回収して再利用する観点より、接触時間は25%以上、特には70%以上の転化率を得るように決定する必要がある。
反応圧力は、大気圧より低くてもよいし、同じでもよく、高くてもよい。しかしながら、反応は、大気圧で行うのが好ましい。また、反応容器は、窒素やアルゴンなどの不活性ガスを含んでいてもよいし、及び/又は過剰のHFを含んでいてもよい。
本発明における前記脱フッ化水素処理は、周知の化学工学装置を使用して、気相にて実施することができる。前記反応管及び前記反応材料の導入出路などのユニットは、フッ化水素に耐える材料からなる。そのようなユニットの材料としては、オーステナイトのようなステンレス鋼、モネルニッケル銅合金、ハステロイニッケル合金、インコネルニッケルクロム合金などの高ニッケル含有合金や銅クラッド鋼が挙げられるが、本発明は、これらに限定されるものではない。
方法Aによって得られる反応混合物は、一般に、目的の2,4,4,4−テトラフルオロ−1−ブテンを、(E)−1,1,1,3−テトラフルオロ−2−ブテン及び(Z)−1,1,1,3−テトラフルオロ−2−ブテンと共に含んでいる。また、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンが、未反応の出発材料として含まれている。
(2)方法B
方法Bは、出発材料の1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを、塩基と接触させて脱フッ化水素する方法である。方法Bは、一般に約0℃〜約300℃で行われる。
方法Bは、(E)−1,1,1,3−テトラフルオロ−2−ブテン及び(Z)−1,1,1,3−テトラフルオロ−2−ブテンを得るのに有利である。
方法Bで使用される前記塩基としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物類;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸塩類;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物類;有機塩基類;などが挙げられる。前記有機塩基類としては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリメチルアミン等の3級アミン;モノエチルアミン、モノブチルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン等の1級アミン;ジエチルアミン、ジブチルアミン等の2級アミン;ピリジン、ピコリン、ルチジン、エチルピリジン等の芳香族塩基;グアニジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]デク−7−エン(DBU)等の強塩基;あるいは他の強塩基、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシドなどが挙げられる。これらの中でも、コストの観点より、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カルシウムが特に好ましい。
方法Bは、ゆっくりと1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを塩基と混合させる工程を含む。穏やかな反応を維持するために、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンは、塩基の攪拌溶液に加えられる。また、反対に、塩基の前記溶液を、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンに加えることも可能である。
前記塩基は、単独で、又は水性溶液で使用され、相間移動触媒を加えることも可能である。例えば、85%の水酸化カリウムは、100℃以上で溶けるので、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを融解した水酸化カリウムに攪拌しながら滴下することは便利である。
前記塩基は、溶液として使用することができる。本発明では限定されないが、溶媒としては、例えば、水;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、メチルブチルエーテル、フェネトール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、アニソール、ベンジルエーテル、グライム(モノグライム、ジグライム、トリグライム等)などのエーテル類;塩化メチレン、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、1,4−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン等のハロゲン含有溶剤類、などが挙げられる。場合によっては、一般に使用される相間移動触媒、例えば、18−クラウン−6、ジベンゾ−18−クラウン−6、ジシクロヘキサノ−18−クラウン−6、12−クラウン−4、15−クラウン−5、ジベンゾ−24−クラウン−8、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、エチルトリブチルアンモニウムブロミド、テトラフェニルアンモニウムブロミド及びテトラフェニルホスホニウムブロミドなどを使用してもよい。
方法Bでは、反応温度は特には限定されないが、高選択率で(E)−1,1,1,3−テトラフルオロ−2−ブテン及び(Z)−1,1,1,3−テトラフルオロ−2−ブテンを得るためには、0℃〜300℃、特に、30℃〜250℃で実施する必要がある。
方法Bは、いかなる圧力でも実施可能であるが、大気圧で実施するのが都合がよい。
反応時間は、限定されないが、加熱は、反応速度を促進し、予定の反応が、前記出発材料と塩基とを混合すると直ちに生じる。それゆえ、後述の実施例2に示すように、方法Bは、前記出発材料が大気圧下で塩基と混合して、その後反応混合物を冷却回収する条件で容易に実施することができる。
また、方法Bは、公知の化学工学技術によって、バッチ方式又は連続方式で実施される。方法Bで使用される装置は、塩基に耐える材料から形成されているべきである。そのような装置に使用できる材料としては、ステンレス鋼、カーボンスチール、高ニッケル含有合金、例えばモネルニッケル銅合金、ハステロイニッケル合金、インコネルニッケルクロム合金、及び銅クラッド鋼が挙げられる。場合によっては、ガラスやガラス・ライニング・スチールを使用してもよい。
方法Bでは、副生成物が形成される可能性がある。該副生成物としては、例えば、フッ素含有ブタジエンやブチンが挙げられる。これらは、比較的低沸点を有しているので、容易に除去することができる。
(3)方法C
方法Cは、前記出発材料の1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを触媒と接触させて脱フッ化水素する方法である。方法Cで使用される前記触媒としては、(a)活性金属種、(b)一般に触媒担体として知られている比表面積の大きな材料(以下、「触媒担体」)、及び(c)担持触媒、すなわち、活性金属種を触媒担体に載せたもの、が挙げられる。これらの触媒(a)、(b)及び(c)は、一般に活性エネルギーを減らす働きがあり、その結果、比較的低温度でも前記出発材料が目的物に効率よく変換することとなる。
前記活性金属種(a)としては、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ジルコニウム、ニオビウム、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、イリジウム、白金、アンチモンが挙げられる。これらの中でも、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ジルコニウム、ニオビウム、モリブデン、タンタル、タングステンが好ましい。
前記触媒担体(b)としては、椰子等の植物や石油の高沸点成分を加熱して得られる活性炭、及びアルミナ、チタニア、ニオビア、ジルコニア等の酸化物が挙げられる。これらのうち、ヤシガラ活性炭は、比表面積が大きいので好ましい。特に触媒は、比表面積が500〜2,000m/gになるようにするのが好ましい。
前記活性金属種(a)、及び前記触媒担体(b)は、単独でも使用可能である。それ自体、触媒活性を有するからである。しかしながら、前記活性金属種(a)と、前記触媒担体(b)とを組み合わせた前記担持触媒(c)が、比較的温和な反応性が得られる観点より好ましい。方法Cで使用するのに好適な前記担持触媒(c)としては、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ジルコニウム、ニオビウム、モリブデン、タンタル、タングステンを活性炭担体に担持した触媒が挙げられる。これらの中でも、Cr/C(クロム原子を活性炭に担持したことを表す)、Ti/C、Fe/C、Ni/C、Nb/C、Ta/Cが特に好ましい。
前記担持触媒(c)を使用する場合、前記活性金属種は、前記活性金属種を担持する前記活性炭100グラムあたり、金属原子の重量ベースで、1g〜20g量含まれているのが好ましい。この範囲で高い触媒活性が期待できる。
前記触媒をハロゲン化水素ガス、例えば、塩酸や弗酸のフローに晒す前処理は、触媒の活性と寿命とを向上させることができる。約50℃から、反応温度よりも約50℃高い温度まで、ゆっくりと昇温させる前処理を実行するのが好ましい。吸着熱が処理直後に生じるので、前処理時に窒素等の不活性ガスでハロゲン化水素ガスを希釈するのが好ましい。処理時間は特に限定されないが、3時間から24時間が好ましい。
前記触媒の種類に応じて、反応の選択率は変わる。
方法Cは、連続操作でもバッチ処理でも実行可能であるが、連続操作がより好都合である。
前記バッチ方式の場合、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンが、耐圧且つ耐フッ化水素の材料からなる反応容器に入れられ、そして密封、撹拌、加熱される。方法Cは、反応の進行をモニターすることによって、前記出発材料が十分に消費されたことを確認した後に停止することができる。
前記連続操作の場合、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを、加熱して気化させて、そして触媒で満たされた反応管を通過させる。前記連続操作は、固定触媒層でも流動触媒層のいずれでも実行することができる。本発明における前記脱フッ化水素は、概して耐フッ化水素からなる公知の化学工学装置を使用することによって気相にて行うことができる。そのような装置の材料としては、オーステナイトのようなステンレス鋼、モネルニッケル銅合金、ハステロイニッケル合金、インコネルニッケルクロム合金などの高ニッケル含有合金や銅クラッド鋼が挙げられる。
前記連続操作の場合、接触時間は、2秒間〜120秒間、特には5秒間〜45秒間が好ましい。
反応圧力は限定されないが、好ましくは大気圧で実行される。更に、前記反応は、窒素やアルゴンなどの不活性ガスの存在下、又は過剰のHFの存在下で行ってもよい。
方法Aと比較して、方法Cは、穏やかな条件で予定した反応が進行するので、高収率で目的生成物が得られる。方法Cは、150℃〜700℃、特には150℃〜500℃で行うことができる。
方法Cにおいて使用される前記触媒は、高耐久性であるが、触媒活性が減少した場合には前記連続操作と同様の装置を使用して再生され得る。すなわち、使用される触媒を反応管に入れて、そして、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンの代わりに、塩化水素ガス、フッ化水素ガス等のハロゲン化水素ガス又は塩素ガス等のハロゲンガスを流通させることで前記触媒は再生する。
本発明の発明者等は、前記第1工程の反応生成物が、十分に区別できる沸点を有し、共沸状態を生じないことを見出した。すなわち、大気圧において、2,4,4,4−テトラフルオロ−1−ブテンの沸点は、29〜30℃であり、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンの沸点は、40℃であり、(E)−1,1,1,3−テトラフルオロ−2−ブテンの沸点は、18〜19℃であり、(Z)−1,1,1,3−テトラフルオロ−2−ブテンの沸点は、48〜49℃である。それゆえ、目的の化合物を、例えば大気圧下での蒸留によって高純度で単離することができる。また、未反応の前記出発材料は、回収して再利用のために反応器に戻すことができる。
しかしながら、混合物中のフルオロブテンは、本発明における前記第二工程に供されて、4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンに変化する。したがって、前記第一工程の反応混合物は、本発明における前記第二工程に連続的に移行させることができる。
第二工程
本発明における第二工程において、4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンは、フルオロブテン、例えば、2,4,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン、(E)−1,1,1,3−テトラフルオロ−2−ブテン、(Z)−1,1,1,3−テトラフルオロ−2−ブテン及びその混合物から調製される。本発明のある側面によると、本発明における前記第二工程は、2,4,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン、(E)−1,1,1,3−テトラフルオロ−2−ブテン、(Z)−1,1,1,3−テトラフルオロ−2−ブテン及びその混合物が得られる、本発明における前記第一工程の後に実施される。また、本発明における前記第二工程は、前記第一工程で用意、調製されたフルオロブテン、又は前記第一工程とは異なる方法で得られたフルオロブテンを使用して実施することも可能である。
前記第二工程においては、フルオロブテンをプロトン酸及び水と攪拌しながら接触させる。
前記第二工程で使用される前記プロトン酸は、強酸として一般に知られるものであり、例えば、硫酸、発煙硫酸、塩酸、臭化水素、ヨウ化水素、硝酸、炭素数1〜6のアルカンスルホン酸(例えばメタンスルホン酸やエタンスルホン酸)、C2n+1−aSOH、で表される部分フッ化アルカンスルホン酸(nは、1〜6の整数を表し、aは、1以上2n以下の整数を表す。)、炭素数1〜6のパーフルオロアルカンスルホン酸(例えばトリフルオロメタンスルホン酸やペンタフルオロメタンスルホン酸)、並びに上記アルカンスルホン酸、上記部分フッ化アルカンスルホン酸及び上記パーフルオロアルカンスルホン酸の無水物が挙げられる。
前記第二工程において、水は、反応を完了するのに必要である。前記プロトン酸は、しばしば水性溶液状態で得られ、前記フルオロブテンと混合される。
本発明を制限する意図ではないが、本発明の発明者等は、前記第二工程のメカニズムを次のように考える。まず、プロトン酸がフルオロブテンと反応して酸付加物の中間体を形成し、これが次に水と反応して、4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンを形成する。前記酸付加物の形成は、一般に律速工程と考えられ、一般に、プロトン酸の濃度を上げることによって促進される。本発明は、次の工程によって行うことができ、生成物の収率を向上させることができる。
(1)工程A、すなわち、フルオロブテンをプロトン酸と反応させる工程であり、ここで、プロトン酸は、高濃度状態であり、酸付加物の中間体を形成する。そして、
(2)工程B、すなわち、前記中間体を含む系に水を加えて、連続的に本発明における前記第二工程を完了する工程である。
上記観点より、硫酸や、トリフルオロメタンスルホン酸などのパーフルオロアルカンスルホン酸を使用するのが好ましい。高濃度のものが入手できるからである。60〜100wt%、特には80〜100wt%、更には90〜100wt%のプロトン酸を含む水性溶液を使用するのが好ましい。高濃度のそのようなプロトン酸は、フルオロブテンと反応して、4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンを形成することができる。前記中間体が残っている場合には、水を補充する必要がある。
硫酸を使用する場合、95wt%以上、特には98wt%以上の市販品を使用するのが好ましい。
10wt%以下の濃度のプロトン酸を使用すると、反応が遅くなることがある。
前記フルオロブテンと混合させる前記プロトン酸の量は、限定されないが、前記プロトン酸は、一般的には、前記フルオロブテン1モルに対して、0.5〜10モル量、特には0.9〜5モル量、更には1〜2モル量がフルオロブテンと混合される。硫酸を使用する場合、一般に、0.5〜10モル量が、前記フルオロブテンと混合され、収率を向上させるには、前記フルオロブテン1モルに対して、0.9〜5モル量、更には1〜2モル量を前記フルオロブテンと混合する。前記プロトン酸の量が少なすぎると、反応速度が一般に遅くなり、前記生成物の収率が低くなる。一方、前記プロトン酸の量に上限はないが、生産性の観点より、プロトン酸を加えすぎる必要はない。
前記第二工程で使用される水の量は限定されない。前記第二工程において、理論的には、水は等量比率で前記フルオロブテンと反応する。それゆえ水は、一般的には、前記フルオロブテン1モルあたり、1モル以上の量を加える。前記第二工程が、上記の工程A及び工程Bによって実行される場合、工程A及び工程Bの水の総量は、前記フルオロブテン1モルあたり、1モル以上とする必要がある。水の量についての上限はないが、生産性を向上させる観点から、水は多すぎる必要はない。好ましくは、水は、フルオロブテン1モルあたり、0.8〜10モル、特には1〜5モル、更には1〜2モル量の水と混合する。
前記第二工程が、上記の工程A及び工程Bによって実行される場合、前記工程Aで、前記フルオロブテンのモル数よりも少ないモル数の水を反応容器に入れて効率的に酸付加物を得て、そして工程Bで、前記反応容器に加えられた水の総モル数が前記フルオロブテンのモル数よりも多くなるように水を加えることによって連続実行することができる。その結果、反応律速工程である工程Aが促進される。
前記第二工程を実行する温度は限定されない。前記中間生成物を形成する反応速度は、前記プロトン酸の濃度に依存する。95wt%以上、特には98wt%の濃度の硫酸を使用する場合、一般的には室温が、前記第二工程を実行するのに十分である。
水の含量が高くなればなるほど反応速度が減少する可能性があるが、温度を上げることで補い、前記反応速度を促進する。下記の実施例に示すように、80wt%の硫酸と20wt%の水とからなる水溶液を使用する場合、第二工程は60〜100℃で実行することができる。プロトン酸の濃度がより低く、水の濃度がより高い水溶液を使用する場合には、反応温度を上げて適切な反応速度を維持する必要がある。
なお、本発明における前記フルオロブテンの沸点は、18〜49℃の範囲である。この沸点よりもずっと高い温度で、前記第二工程を実行する場合には、材料の損失を防ぐためにオートクレーブ等の密閉反応器で実行するのが好ましい。該密閉反応器内では、圧力は反応物質の自生圧力により上昇する。一方、前記第二工程は、密閉反応器を使用しないで、大気圧で実行することもできる。温度は反応物質のブテンの沸点と同じか僅かに高い温度、すなわち20〜40℃に設定される場合、出発材料の損失は還流器を使用することによって避けることができる。
前記中間生成物は、室温よりも低い温度であっても一般に急速に水と反応しうる。前記第二工程が上記の工程A又は工程Bによって実行される場合、プロトン酸の水和によって熱が発生するので、工程Bは好ましくは氷冷条件にある反応容器で実行される。
本発明では、水以外の溶媒、例えば水性溶液や非水性溶液も本発明の条件下で安定である限りにおいて加えることができる。
前記第二工程の前記反応速度は、前記フルオロブテンの種類、前記プロトン酸の濃度、及び前記反応温度などの条件に依存する。例えば、濃硫酸(≧95wt%)を、水を加えることなく、等モルの2,4,4,4−テトラフルオロ−1−ブテンに、20〜40℃で撹拌しながら加える場合、均一な溶液が5分間から1時間で形成される得る。撹拌を約1時間続けて反応溶液を熟成させるのが好ましい。そして、氷冷を加えてこの反応中間体を速やかに加水分解して、目的の4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンを含む溶液を得る。
あるいは、硫酸(80wt%)と水(20wt%)とからなる溶液を、60〜100℃で使用する場合、反応速度が減少する可能性がある。一般に、反応は10〜20時間続けられる。この場合、水が十分存在しているので、生成する酸付加物である中間体は、直ちに水と反応して、目的の4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンを生じる。
前記第2工程では、前記フルオロブテンと4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンとの比率から反応の進行度を容易にモニターすることができる。逐次、転化率をモニターするのが好ましい。
前記第2工程において用いる反応器の構成材質に特に制限はない。しかしながら、前記第二工程は、硫酸などの強酸を用い、そしてフッ化水素(HF)が発生することから、前記反応器の構成材質は、好ましくはそのような化合物に耐えるものであるべきである。一般には、PFA樹脂やテトラフルオロエチレン樹脂のコーティングを有する金属やガラス製の反応容器を使用するのが好ましい。
前記第二工程の後、反応混合物は公知の方法によって精製することができる。例えば、4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンは、極性溶媒で抽出し、水洗して前記プロトン酸を除去し、そして精密蒸留することによって単離することができる。したがって、4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンを高純度で得ることができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
フルオロブテン類の調製
(実施例1)
直径3/4インチ(1.905cm)×全長36インチ(91.4cm)のニッケル製反応管(0.24インチ(0.61cm)のニッケルプロパック(空隙率=96%)200mlを充填したもの)を、表1の1−1〜1−4に示す温度で加熱した。この条件で、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを気化器にて気化し、70g/hrの速度で流通させた。反応管からの流出ガスは、フッ化水素(HF)を除去するために水に通過させた。その後、ガス流を硫酸カルシウムで乾燥、捕集し、ガスクロマトグラフィー(以下「GC」)によって分析した。
実施例1における反応管の内容積は、261cmであり、充填剤の固相部分を除く容積(「カラム容積」)は、253cmであった。したがって、前記接触時間は、29秒間(1−4)から32秒間(1−1)であった。
結果を表1に示す。「GC%」は、炎イオン化検出(FID)で測定した各成分の面積%を意味する。
生成物は、質量分析法及びNMR(1H、19F及び13C)によって同定されて、常圧における蒸留により、97%の純度で単離した。以下にデータを記す。
(1)CFCHCF=CH
無色透明液体
沸点:29℃〜30℃
H−NMR 溶媒:CDCl、基準物質:TMS
δ:4.88(dd,J=16.2Hz,3.5Hz,1H),4.59(dd,J=47.3Hz,3.5Hz,1H),3.01(dq,J=16.7Hz,9.9Hz,2H)
19F−NMR 溶媒:CDCl、基準物質:CFCl
δ:−66.2(s,3F),−95.5〜−96.5(m,1F)
13C−NMR 溶媒:CDCl、基準物質:TMS
δ:156.54(d,J=254Hz),124.54(q,J=277Hz),96.40(d,J=18.0Hz),37.63(dq,J=32Hz,30Hz)
GLC−MS
m/z(rel.intensity),128(M,75.2),113(5.6),109(9.2),95(7.6),89(23.2),77(9.6),75(3.2),69(22.8),64(100),59(68.8),51(13.6),45(16.4)
(2)(E)−CFCH=CFCH
無色透明液体
沸点:18℃〜19℃
H−NMR 溶媒:CDCl、基準物質:TMS
δ:5.44(dq,J=16.9Hz,7.6Hz,1H),2.14(d,J=18.7Hz,3H)
19F−NMR 溶媒:CDCl、基準物質:CFCl
δ:−57.2(s,3F),−79.5(s,1F)
GLC−MS
m/z(rel.intensity),128(M,44.0),113(70.4),109(32.0),89(29.2),78(12.8),77(23.6),69(22.4),64(22.8),59(29.6),57(24.4),51(18.8),45(14.8),39(100)
(3)(Z)−CFCH=CFCH
無色透明液体
沸点:48℃〜49℃
H−NMR 溶媒:CDCl、基準物質:TMS
δ:5.00(dq,J=32.7Hz,7.6Hz,1H),1.99(d,J=18.7Hz,3H)
19F−NMR 溶媒:CDCl、基準物質:CFCl
δ:−58.9(dd,J=17.1Hz,6.4Hz,3F),−83.2〜−83.7(m,1F)
GLC−MS
m/z(rel.intensity),128(M,44.0),113(72.0), 109(37.2),89(31.2),78(11.6),77(25.6),69(25.6),64(22.4),59(29.6),57(25.2),51(20.0),45(15.2),39(100)
(実施例2)
250mlフラスコは、ポリテトラフルオロエチレンのコーティングを有する磁気攪拌器、滴下漏斗(液面下)、還流器及びVigreuxカラムを備えている。カラムの出口をオイルバブラーに接続すると共に、更に−78℃に冷却した捕集器につないだ。フラスコに85%水酸化カリウムフレーク80gを加え、油浴で210℃に加熱して、そこへ1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを徐々に滴下ロートで滴下させた。反応生成物及び未反応出発材料の混合物を、冷却トラップで捕集した。このようにして得られた混合物は、出発材料以外に7種の物質を含んでいた。反応終了後、捕集した生成物を、ガスクロマトグラフィで分析すると、粗混合物は、出発材料が50%、(E)−CFCH=CFCHが17.8%、(Z)−CFCH=CFCHが17.8%、CFCHCF=CHが8.0%、ブタジエン(CF=CHCF=CH)及びブチン(CFC≡CCH)を含む残りが6.4%であった。また、(E)−CFCH=CFCH(沸点18〜19℃)及び(Z)−CFCH=CFCH(沸点48〜49℃)は、蒸留により98%以上の純度で分離することができた。これらの生成物は、質量分析法とNMR分析法によって確認された。
(実施例3−1〜3−4)
触媒前処理を次のようにして行った。触媒調製例1で得られた触媒15gを、内径28.4mm×400mmのステンレススチール製反応管の中央部に充填した。窒素ガスを50ml/minの速度で反応管を通過させながら、徐々に500℃まで昇温した。この条件のまま5時間維持し、加熱を停止して50℃まで冷却した。そして、塩化水素ガス(HCl)を反応管に導入した。HClの流速は、最初5ml/minで、ゆっくりと50ml/minまで上げると同時に、窒素ガスの流速を50ml/minから10ml/minまで下げた。その後、100℃/時の速度で400℃まで昇温させた。この状態のまま3時間保持して触媒前処理を完了した。
次に、気化器で気化させた1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(365mfc)を、表2に示す反応温度と表2に示す接触時間になる速度で、反応管に導入した。同時に、窒素ガスを10ml/minの速度で導入させたが、窒素ガスの流れは接触時間の算出上は無視した。反応管からの流出ガスは、フッ化水素(HF)を除去するために水に通過させ、その後硫酸カルシウムで乾燥、捕集し、そしてガスクロマトグラフィーで分析した。その結果を表2に示す。
(実施例4−1〜4−4)
実施例4−1〜実施例4−4では、触媒調製例2で得られた触媒を用いる以外は、実施例3−1〜実施例3−4と同様にして実施した。その結果を表2に示す。
(実施例5−1〜5−2)
実施例5−1〜実施例5−2では、触媒調製例3で得られた触媒を用いる以外は、実施例3−1〜実施例3−4と同様にして実施した。その結果を表2に示す。
(実施例6−1〜6−4)
実施例6−1〜実施例6−4を実施した。触媒調製例2で得られた触媒15gを使用したこと以外は、実施例3−1〜実施例3−4での記述と同様にして、触媒前処理を実施した。次に、気体の1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを、250℃の反応管に、接触時間21秒間に対応する速度で通過させることによって反応を開始させた。反応中は、窒素ガスを10ml/minの速度で導入した。窒素ガスの流量は、接触時間の算出上は考慮しなかった。実施例6−1では、反応の初期段階の出口ガスを、ガスクロマトグラフィで分析した。実施例6−1〜実施例6−4では、実施例3−1〜実施例3−4と同様に出口ガスを処理し、ガスクロマトグラフ分析をした。反応を上記と同じ条件で150時間継続した。実施例6−2では、反応開始から150時間後、流出ガスをガスクロマトグラフィによって分析した。転化率は、反応初期段階には72%であったが、150時間の反応時間の間に48%に徐々に低下した。触媒再生を次のようにして行った。1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンの流れを止めて、反応管に50ml/minで窒素を流した。そして、塩化水素を50ml/minの速度で導入し、窒素の流速を10ml/minに低下させた。この処理を、触媒層の温度を250℃に保ちながら24時間続けて触媒を再生させた。再生後、塩化水素を止めた。そして、脱フッ化水素反応を前述と同じように再開した。実施例6−3では、触媒の再生直後に得られた出口ガスをガスクロマトグラフで分析した。反応再開後、前述と同条件にて反応を150時間続けた。実施例6−4では、反応再開後150時間してから出口ガスをガスクロマトグラフで分析した。実施例6−1から実施例6−4の結果を表3に示す。
C:活性炭
RMISCT:原材料投入基準接触時間(接触時間)
(触媒調製例1)
活性炭500g(シグマアルドリッチ社から購入)を、真空オーブンで120℃、10Torr(1,330Pa)にて、24時間乾燥した。その後、窒素ガスを導入して大気圧まで圧力を上昇させ、触媒を室温まで冷却し、活性炭触媒の調製を完了した。得られた触媒を、密封可能なガラス容器に入れて、使用時までデシケーターで保管した。
(触媒調製例2)
イオン交換水400gに、45.8gのCr(NOを溶解させた。得られた溶液に、活性炭(シグマアルドリッチ社から購入)100gをゆっくりと投入した。混合物を、投入直後に1回と、投入後1時間経ってから1回との計2回、ゆっくりと攪拌した。そして48時間放置した。次に、ロータリーエバポレーターで水を除去し、更に真空オーブンで150℃、10Torr(1,330Pa)で24時間乾燥して、Cr/C触媒を調製した。この触媒を密封可能な容器に入れ、使用時までデシケーターで保管した。
(触媒調製例3)
活性炭触媒100g(触媒調製例1で得られたもの)を、再結晶皿に置いた。次に、59.2gのチタニウム(IV)イソプロポキシド[Ti(OCHMe)](シグマアルドリッチ社から購入)を、撹拌しながらゆっくりと加えた。次に、100gのイオン交換水を噴霧、撹拌しながら加えた。そして、真空オーブンで150℃、10Torr(1,330Pa)で48時間乾燥して、Ti/C触媒を調製した。この触媒を密封可能な容器に入れ、使用時までデシケーターで保管した。
(比較例1)
直径3/4インチ(1.91cm)×全長36インチ(91.4cm)のニッケル製反応管を、630℃に加熱し、反応管に0.24インチ(0.61cm)のニッケルプロパック(空隙率=96%)を充填して混合と伝熱とを向上させた。実施例1と同じ方法で気化させた1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブタンを、接触時間が30秒間となる流速で反応管に導入した。管を通過したガスはフッ化水素(HF)を除去するために水に通して、その後、硫酸カルシウムで乾燥し、ガスクロマトグラフ分析を行った。
ガスクロマトグラフ分析によると、反応生成物は、出発材料である1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブタン43.2%と、3,3,3−トリフルオロプロペン30.6%と、トリフルオロメタン17.1%とを含んでいた。しかしながら、1,1,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテンは検出されなかった。
(比較例2)
比較例1と同じ装置を使用して、2−(トリフルオロメチル)−1,1,1−トリフルオロプロパンを、660℃で気体状態で導入した。出口ガスのGC分析を行った結果、出発材料18.9%、3,3,3−トリフルオロプロペン24.5%、及びトリフルオロメタン43.5%を含んでいた。しかしながら、2−トリフルオロメチル−1,1−ジフルオロプロペンは検出されなかった。
4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンの調製
(実施例7)
ステンレス鋼製耐圧反応容器に、濃硫酸360g(3.56mol、1.01eq)と、水90g(5.00mol、1.42eq)とを加え、内温を2℃に維持した。そして、そこに2,4,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン451g(3.52mol、1.00eq)を加え、反応器を密閉し、85℃〜86℃の油浴で加熱した。撹拌された反応容器を、内温63℃〜66℃にして16時間維持し、その後、室温まで冷却した。このようにして得られた反応溶液を氷水中に注ぎ込み、有機層を分離した。回収した有機層を食塩水で洗い、そして反応混合物を、200ml及び50mlの塩化メチレンで2回抽出した。回収した有機層を大気圧にて蒸留して、4,4,4−トリフルオロブタン−2−オン154gを無色油状で得た。ガスクロマトグラフィー分析によると、回収された生成物は、純度99.5%の4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンであった。444gの生成物が理論的には得られるので、実施例7の収率は、純度基準で34.5%であった。
(実施例8)
(E)−1,3,3,3−テトラフルオロ−2−ブテンを13%、(Z)−1,3,3,3−テトラフルオロ−2−ブテンを9%、2,4,4,4−テトラフルオロ−1−ブテンを24%、及びHFC−365mfcを54%含むテトラフルオロブテン粗混合物を、HFC−365mfcの気相脱フッ素水素によって得た。還流器をつけたガラス製3ツ口フラスコに、濃硫酸81g(801mmol、1.07eq)、粗生成物209.0g(合計751mmolのブテン類)を加え、ゆっくりと昇温して、38〜41℃にした。5分間後、反応溶液は均一になり還流は終了したが、更に55分間撹拌を続けた。反応液を氷水300gに注ぎ込み、塩化メチレン(2×100ml)で抽出した。有機層を合わせて、飽和食塩水100mlで洗浄し、塩化カルシウムで有機層を乾燥した。ガスクロマトグラフィー分析により、出発材料に含まれるフルオロブテン類の総量基準で、転化率が99%であることが判った。
回収された有機層を大気圧で蒸留し、4,4,4−トリフルオロブタン−2−オン71.4gを無色油状で得た。ガスクロマトグラフィー分析により、生成物は、純度99.7%の4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンであることを確認することができた。理論収量は、94.6gであるので、実施例8は、純度基準で75.2%の実際収率であった。
(実施例9)
ステンレス鋼製反応容器に、濃硫酸23.9g(244mmol、1.39eq)と、水6.0g(333mmol、1.90eq)とを加えた。反応器を密閉して、反応器を−78℃に冷却し、(E)−1,3,3,3−テトラフルオロ−2−ブテン22.5g(176mmol)を移送させ、反応混合物を、71℃〜72℃で17時間攪拌した。反応器を氷水で冷却し、反応器内部のガスを放出した。反応終了後、反応混合物は二層に分離した。有機層を水50mlで洗浄した。ガスクロマトグラフィーで分析したところ、有機層は、(E)−1,3,3,3−テトラフルオロ−2−ブテン80%、(Z)−1,3,3,3−テトラフルオロ−2−ブテン6%、及び4,4,4−トリフルオロブタン−2−オン14%を含んでいることが確認された。
(実施例10)
ドライアイス−メタノール冷却還流器を備えた3ツ口フラスコに、2,4,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン15.0g(117mmol、1.00eq)、及びシリカゲル7.0g(117mmol、1.00eq)を加えた。フラスコを氷水で冷却し、トリフルオロメタンスルホン酸18.3g(122mmol、1.04eq)、及び水3.0g(167mmol、1.42eq)の混合物を滴下ロートで加えた。フラスコを30℃〜37℃で、23時間と30分間暖めた。反応終了後、水100mlを加え、塩化メチレン(2×100ml)で抽出した。有機層を合わせて、水100mlで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。有機層をガスクロマトグラフィーで分析したところ、4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンへの転化率は63%であることが判った。
(実施例11)
ドライアイス−メタノール冷却還流器を備えた3ツ口フラスコに、2,4,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン15.0g(117mmol、1.00eq)、及び濃硫酸11.9g(119mmol、98wt%)を加え、温度を撹拌しながら上げた。30℃で還流を開始し、硫酸と2,4,4,4−テトラフルオロ−1−ブテンとの混合物は均一になった。15分間後、撹拌を続けながら、混合物を氷水に入れ、7.0gのシリカゲル(117mmol、1.00eq)を加えてHF副生成物によるガラス腐食を防止した。その後、3gの水(167mmol)を加え、シリカゲルをろ別した後、温度を80℃に上げた。反応混合物を冷却し、100gの氷水(2×100ml)を注ぎ、塩化メチレン(2×100ml)で抽出した。有機層を合わせて、水100mlで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。有機層をガスクロマトグラフィーで分析したところ、4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンへの転化率は92%であることが判った。
(比較例3)
ステンレス鋼製反応容器に、濃硫酸32.3g(329mmol、1.10eq)を加えた。そして、反応器を密閉し、−78℃に冷却した。1,3,3,3−テトラフルオロプロペン34.0g(298mmol)を移送し、60℃で、17時間と30分間攪拌した。そして、反応器を氷水で冷却したところ、内圧は0.35MPaであった。反応器内の液相部を回収、希釈、水洗し、塩化メチレンで抽出した。ガスクロマトグラフィー分析したが、目的のケトン類は検出されなかった。
(比較例4)
ステンレス鋼製反応容器に、濃硫酸15.7g(160mmol、1.01eq)を加えた。そして、反応器を密閉し、−78℃に冷却した。2,3,3,3−テトラフルオロプロペン18.0g(158mmol)を移送し、混合物を室温で、4時間と30分間、続けて76℃〜90℃で、16時間と30分間攪拌した。そして反応器を氷水で冷却したところ、内圧は0.30MPaになった。反応容器内の液相を回収、希釈、水洗し、そして塩化メチレンで抽出した。ガスクロマトグラフィー分析したが、目的のケトン類は検出されなかった。
(比較例5)
ステンレス鋼製反応容器に、濃硫酸14.4g(147mmol、1.10eq)を加えた。そして、反応器を密閉し、−78℃に冷却した。1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロペン20.0g(133mmol)を移送し、混合物を60℃で13時間、続いて120℃で2時間、更に続いて140℃で3時間攪拌した。そして反応器を氷水で冷却した。反応器内の液相を回収、水で希釈、塩化メチレンで抽出した。ガスクロマトグラフィーで分析したが、目的のケトン類は検出されなかった。

Claims (17)

  1. 2,4,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン、(E)−1,1,1,3−テトラフルオロ−2−ブテン、(Z)−1,1,1,3−テトラフルオロ−2−ブテン及びその混合物からなる群から選択されるフルオロブテンを用意する工程と、
    前記フルオロブテンをプロトン酸及び水と反応させて、4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンを形成する工程とを含むことを特徴とする4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンの製造方法。
  2. プロトン酸が、硫酸、発煙硫酸、塩酸、臭化水素、ヨウ化水素、硝酸、炭素数1〜6のアルカンスルホン酸、C2n+1−aSOHで表される部分フッ化アルカンスルホン酸(ただし、nは、1〜6の整数を表し、aは、1以上2n以下の整数を表す。)、炭素数1〜6のパーフルオロアルカンスルホン酸、並びに前記アルカンスルホン酸、前記部分フッ化アルカンスルホン酸及び前記パーフルオロアルカンスルホン酸の無水物からなる群から選択される請求項1に記載の4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンの製造方法。
  3. プロトン酸が、95wt%以上の濃度を有する濃硫酸である請求項1に記載の4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンの製造方法。
  4. プロトン酸が、水性溶液の状態である請求項1に記載の4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンの製造方法。
  5. フルオロブテン1モルあたり、プロトン酸が0.5〜10モル量加えられ、水が0.8〜10モル量加えられる請求項1に記載の4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンの製造方法。
  6. フルオロブテンが、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを脱フッ化水素処理に晒すことによって調製される請求項1に記載の4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンの製造方法。
  7. 脱フッ化水素処理が、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを、200℃〜700℃で熱分解することにより行われる請求項6に記載の4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンの製造方法。
  8. 脱フッ化水素処理が、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを、0℃〜300℃で塩基存在下で加熱することにより行われる請求項6に記載の4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンの製造方法。
  9. 塩基が、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属水酸化物、及び有機塩基からなる群から選択される請求項8に記載の4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンの製造方法。
  10. 脱フッ化水素処理が、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを、触媒存在下で加熱することにより行われる請求項6に記載の4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンの製造方法。
  11. 触媒が、活性炭、活性炭に担持されたクロム触媒(Cr/C)、及び活性炭に担持されたチタン触媒(Ti/C)からなる群から選択される請求項10に記載の4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンの製造方法。
  12. 脱フッ化水素処理の後に、得られたフルオロブテンの粗混合物を精製することなく、プロトン酸及び水と反応させる請求項6に記載の4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンの製造方法。
  13. 2,4,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン、(E)−1,1,1,3−テトラフルオロ−2−ブテン、(Z)−1,1,1,3−テトラフルオロ−2−ブテン及びその混合物からなる群から選択されるフルオロブテンを用意する工程と、
    前記フルオロブテンをプロトン酸とまず反応させる工程と、
    次にそこに水を加えて4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンを形成する工程とを含むことを特徴とする4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンの製造方法。
  14. プロトン酸が、硫酸、発煙硫酸、塩酸、臭化水素、ヨウ化水素、硝酸、炭素数1〜6のアルカンスルホン酸、C2n+1−aSOHで表される部分フッ化アルカンスルホン酸(ただし、nは、1〜6の整数を表し、aは、1以上2n以下の整数を表す。)、炭素数1〜6のパーフルオロアルカンスルホン酸、並びに前記アルカンスルホン酸、前記部分フッ化アルカンスルホン酸及び前記パーフルオロアルカンスルホン酸の無水物からなる群から選択される請求項13に記載の4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンの製造方法。
  15. プロトン酸が、95wt%以上の濃度を有する濃硫酸である請求項13に記載の4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンの製造方法。
  16. プロトン酸が水性溶液の状態であり、該水性溶液がフルオロブテンのモル数よりも少ないモル数の水を含み、水が、反応容器に含まれる水の総モル数が前記フルオロブテンのモル数を超えるように補充される請求項13に記載の4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンの製造方法。
  17. フルオロブテン1モルあたり、プロトン酸が0.5〜10モル量加えられ、水が0.8〜10モル量加えられる請求項13に記載の4,4,4−トリフルオロブタン−2−オンの製造方法。
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