JP4704778B2 - 靴 - Google Patents

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Description

本発明は、外出時等に着用する靴であって、例えば乳幼児等が履くための靴に関するものである。
従来より、歩行を始めた時期(1才程度以上)の乳幼児の足は大人とは異なる挙動するため、乳幼児用の特別な靴が提案されている(例えば、特許文献1)。特に、靴底部は、同文献1の図3に示すように、横方向に多数の溝が形成されている。
靴底部は地面等に対する接地面であるため、ある程度、剛性の高い材質で構成する必要がある。一方、剛性が高いと、乳幼児にとって靴底部が硬すぎて、歩行のための足の挙動を妨げる結果となる。そこで、同文献では、乳幼児の足の動きを妨げないように、靴底部に多数の溝が設けられ、乳幼児のスムーズな足の挙動を妨げない構成となっている。
特開2003−339408号公報(図1等)
通常、大人は歩行に際し、足裏のローリング動作を行う。この足裏のローリング動作は、先ず、踵から接地し、次に、足裏の外方側から爪先側に順々に接地部が移動し、最後は親指が接地した状態から離間する一連の動作を指すものである。
しかし、乳幼児等は、未だ膝や足首等の足全体が協調した動きが困難で、足をしっかり上げて歩行することが難しい場合が多い。このため、歩行を始めた初期では、足裏全体で接地し且つ離間する動きで歩行する。また、徐々に発達すると、歩行時に踵から接地するものの、大人のような足裏のローリングは行なえず、段階的にローリングを学習していくことになる。
乳幼児はスムーズに足裏のローリングを行えないこともあり、足全体を機能させたスムーズな歩行をすることが困難となり、身体がふらつき易く、転倒することが多い。すなわち、乳幼児は、規則的な足裏のローリング運動を行うことができず、靴底部における重心移動が一定せず、その結果、靴底部が滑り易くなる。
このため、特許文献1では、図3に示すように、横方向に延びるよう形成されている溝の上下に滑り止めを設けているが、乳幼児の歩行における重心移動が安定せず、その方向等によっては不十分となるという問題があった。特に、溝を横方向に設けているため、溝方向に沿った重心移動があったときに、確実に地面を捉えられないという問題があった。
前記課題は、請求項1の発明によれば、接地面を有する靴底部を備え、前記靴底部は、その爪先側が上方に湾曲してなるトウスプリング部を有する靴であって、前記靴底部は、利用者の足の足指屈曲線に対応する部分に形成される靴底屈曲部と、滑り止めのために凸状に形成される滑り止め部と、を有し、これら靴底屈曲部と滑り止め部は前記靴底部に選択的に配置され、前記滑り止め部は、波形を成す波形滑り止め部と、ドットを成すドット滑り止め部とを有し、前記波形滑り止め部の波形は、前記靴底部の左右方向に延びて配置され、前後方向に突出する頂部を有する波形であり、この頂部を有する前記波形が連続して形成されている連続波形となっており、前記連続波形が前記靴底部の前後方向に沿って、間隔を設けて複数、配置され、前記ドット滑り止め部は、前記連続波形の前記頂部に対向し、且つ前記頂部に近接して配置されることを特徴とする靴により達成される。
前記構成によれば、利用者の足の足指屈曲線に対応する部分に屈曲溝や柔軟な材料を配置することで形成される靴底屈曲部が靴底部に形成されている。足指屈曲線は、足の親指側から小指側にかけての指の付け根(中足指関節及びその周辺)部分に存在し、各指が屈曲する部分である。このため、足指屈曲線に対応して靴底屈曲部は靴底部の幅方向に沿って形成されている。
但し、靴の利用者である例えば乳幼児が上手く足裏のローリングができず、身体がふらつくと、靴底部の靴底屈曲部の方向に沿って滑り易くなるおそれがある。
しかし、本発明では、靴底部に波形滑り止め部が形成されているので、歩行に伴って靴底部が滑ることを低減することができる。
すなわち、波形滑り止め部は左右方向に延びるよう配置され、その頂部は靴底部の前後方向に突出するように形成されているため、これら複数の頂部を結ぶ部分である傾斜部は、靴底部の幅方向(左右)の力(滑り)に交差するように配置されており、しかも、歩行する方向が安定しない乳幼児等の場合、波形とすることによって必ず進行方向と傾斜部とが交差するよう構成されている。
このため、靴底屈曲溝部に沿って滑るような挙動があった場合でも、この傾斜部によって滑りが抑制されることになる。
また、波形滑り止め部の頂部は、必ず靴底部の前後方向の力(滑り)に交差するように配置される。このため、靴底部の前後方向に滑るような挙動があった場合でも、この頂部によって滑りが抑制されることになる。
また、波形滑り止め部の波形は、靴底部の前後方向に突出する頂部を有する波形であり、この頂部を有する波形が連続して形成されている連続波形となっている。このため、波形滑り止め部の波形は、靴底部の幅方向の連続した連続波形となり、靴底屈曲溝部を跨がない。したがって、この連続波形が靴底屈曲溝部の働きを阻害することがない。
波形滑り止め部の波形も靴底部の滑り方向によっては、その力を抑制し難い場合がある。特に乳幼児の場合は、靴底部における重心移動が一定でなく、方向性が安定しないため、予想外の滑り方向が発生する。
そのため、本発明では、ドット滑り止め部が形成されている。ドット滑り止め部のドットは、例えば靴底面から略円柱状に突出しているので、いずれの方向からの力に対しても等しく作用する。そのため、方向を問わず、靴底部の滑りを抑制することができる。
したがって、例え、波形滑り止め部で滑りが抑制され難い場合でも、このドット滑り止め部を併用することで、予想できない乳幼児の挙動による靴底部の滑りを抑制できる。
また、ドット滑り止め部は、連続波形の頂部に対向した位置であって、且つ頂部に近接して配置されている。そして、連続波形が靴底部の前後方向に沿って、間隔を設けて複数、配置されている。
このように、ドット滑り止め部を頂部に対向した位置、例えば内側で且つ頂部に近接して配置すると、間隔を設けて配置されている他の連続波形と、このドット滑り止め部との間の距離を大とすることができ、進行方向となる前後方向に連続して配置される。
すなわち、ドット滑り止め部を、頂部に対向した位置ではなく、例えば一の連続波形の傾斜部と、これと最も近い、他の連続波形の傾斜部との間に配置すると、ドット滑り止め部と複数の傾斜部との距離が近接し、しかも、進行方向に対する連続性がなくなる。
このように、ドット滑り止め部と連続波形の傾斜部との間が近接すると、乳幼児が靴で歩行する際に生じる靴底部の変形を妨げるおそれがある。すなわち、靴底部の変形で、ドット滑り止め部と連続波形の傾斜部が干渉等することで歩行に伴う靴底部の変形が妨げられることになり、さらに、主に力の流れる方向である進行方向に対して波形滑り止め部と連動して滑り止めを行うことが困難となる。
しかし、本発明では、ドット滑り止め部と連続波形との間の距離が大とされるように配置されているので、靴底部の変形で、ドット滑り止め部と連続波形とが干渉等し、靴底部の変形を妨げず、しかも歩行時に波形滑り止め部と連続して当接する構成となっている。
以上のように、本発明によれば、乳幼児等の歩行に際し、適切な滑り止め機能を発揮する靴を提供できる。また、歩行による靴底部の変形を妨げない歩行し易い靴とすることもできる。
好ましくは、請求項2の発明によれば、請求項1の構成において、前記連続波形における複数の前記頂部が相互に近接して配置されることを特徴とする靴である。
前記構成によれば、連続波形における複数の頂部が相互に近接して配置されると、連続波形の傾斜部の靴底部の前後方向に対する傾きが小となる。すると、靴底部の靴底屈曲部に沿った滑りを傾斜部がより効果的に抑制することになる。
好ましくは、請求項3の発明によれば、請求項1又は請求項2の構成において、少なくとも、前記靴底部の前記靴底屈曲部よりも爪先側に形成される前記波形滑り止め部の前記波形は、爪先側に向かって傾斜する傾斜面を有することを特徴とする靴である。
前記構成によれば、靴底部の靴底屈曲部よりも爪先側に形成される波形滑り止め部の波形は、爪先側に向かって傾斜する傾斜面を有している。爪先側に形成される波形滑り止め部は、例えば、乳幼児がローリング動作等をした場合は、波形滑り止め部の最後の接地部分であり、乳幼児等が蹴り出しをする部分である。
このため、この爪先側に形成される波形滑り止め部に傾斜面を設けることで、波形滑り止め部をより広く接地させることができるので、足の踏み出し時における滑りを未然に防止し、乳幼児等が安定して歩行することができる。
本発明は、歩行に際し適切な滑り止め機能を発揮でき、例え乳幼児等の歩行が未熟な使用者であっても、歩行し易い靴を提供できるという利点がある。
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の靴の実施の形態にかかる例えば、ベビーシューズ100を示す概略斜視図である。
図1のベビーシューズ100について具体的に説明する前に、ベビーシューズを利用する乳幼児等の歩行について説明する。乳幼児における歩行発達は、以下のような段階に分けられる。
先ず、第1段階は、月齢が8ヶ月程度から12ヶ月程度の乳幼児であり、この時期は「伝え歩き、手放し歩き期」と呼ばれる。
この時期の乳幼児の特徴は、物に掴まり移動すること、手放しで10歩未満程度を歩けること、そして、2歩目は1歩目に寄せるだけのズリ足状態であり、足裏全面での接地を行っていること等である。
第2段階は、月齢が12ヶ月程度から17ヶ月程度の乳幼児であり、この時期は「よちよち歩き期」と呼ばれる。
この時期の乳幼児の特徴としては、手放しで10歩以上歩ける程度であり、膝を上手に使えないため、ぎくしゃくして歩き、踵側と爪先側とにそれぞれ同等の圧力を若干ずれたタイミングでかけていること、踵部のみ左右幅が狭まりV字状に立つこと等がある。
第3段階は、月齢が22ヶ月程度から34ヶ月程度の乳幼児であり、この時期は「幼児歩き走り期」と呼ばれる。この時期の乳幼児の特徴は、走りや早歩きができるようになり、後歩き、ジャンプ、回転、大股歩きなどで移動可能であること等であり、足裏のローリングは見られ始めるものの、例えば踵の接地時における圧力が大きく、親指の離間時の圧力が小さい等、未だ歩行は完成していない状態である。
なお、以下に示す靴では、乳幼児用や幼児用としているが、その他にも加齢等に伴って歩行が困難な使用者や、その他にも、児童や大人が使用してもよいのはもちろんである。
図1に示すベビーシューズ100は、これらのうち、第3段階の「幼児歩き走り期」に使用することを想定した幼児用の靴である。
図1に示すように、ベビーシューズ100は、その底部に接地面を有する靴底部110を有している。この靴底部110は、爪先側で上方に湾曲してなるトウスプリング部111を有している。このため、幼児が足を踏み出す際や、蹴り出す動作をする際に、爪先側がその動作を妨げず、躓き難く、スムーズな歩行ができる構成となっている。
また、ベビーシューズ100は、靴底部110から立ち上がるように、且つ幼児の足を包むようにアッパー本体部150を有している。アッパー本体部110は、アッパー本体151及び、乳幼児が足を挿入するための履口部152を有している。
また、靴底部110とアッパー本体部151との間には、その中央部から踵側にかけて衝撃吸収用のクッション部160が配置されている。したがって、靴底部110はゴム状弾性体からなる靴底層110aとクッション部160、その他中底102やインソール101等により構成されている。そして、図1の踵部170は、靴底部分110、クッション部160、そしてアッパー本体151等により形成されている。
アッパー本体151は、合成皮革や皮革、メッシュ材料、キャンパス生地等を適宜組み合わせて形成されており、好ましくは一定の範囲が通気性に富んだ、軟らかい材質で覆われていると共に、爪先領域や踵領域には厚紙や成形品等よりなる形状保持層が設けられる等、剛性を有する部位と組み合わせて構成している。また、アッパー本体151には、履口部152の開口領域152aを開閉可能とし、履口部152から挿入された足を押さえてホールドするためのベルト部153が配置されている。
図2は、図1のベルト部153をアッパー本体151から外して爪先側に開いた状態を示す概略平面図である。
図2に示すように、ベルト部153は、右側固定部153aと左側固定部153bとが舌状当接部153cから左右に延伸するよう配置されている。そして、各固定部153a、153bの内面側(アッパー本体151に対向するように配置される側)には、着脱手段である例えば、面ファスナーの一方側が形成されている。
一方、図2に示すように、アッパー本体151にも、2つのアッパー側固定部154として、例えば面ファスナーの他方側が形成されている。
このため、各固定部153a、153bの面ファスナーと2つのアッパー側固定部154の面ファスナーによって、ベルト部153はアッパー本体151と着脱可能な構成となっている。
図1に示すように、ベルト部153がアッパー側固定部154に固定されると、各固定部153a,153bを結ぶ舌状当接部153cの部位が足の足高点を通り、左側固定部153bの先端側は、踵部分170に向かい、図示しない踵部170の形状保持層(カウンター)近傍に配置される。このため、幼児がベビーシューズ100を履き、ベルト部153を締めると、足がベルト部153によって確実にホールドされる構成となっている。
また、図1に示すように、ベルト部153の中央部には、上端部から爪先側にかけて縫い目であるセンターステッチ155が形成されている。センターステッチ155は縫い目として形成されており、形状保持力が強くなっている。
したがって、アッパー本体151の適切な位置で屈曲を促すと共に、右側固定部153aと左側固定部153bとを、均等に装着するに当っての目安とすることができ、たとえ幼児が誤ってベルト部153を偏って装着した場合でも、センターステッチ155の形状保持力によってベルト部153全体が歪んで配置されることを未然に防止することができる。
したがって、ベルト部153による足のホールドが不十分となることを防止することができる。
また、図2に示すように、履口部152の外周であって、足首が当接する位置にはホールド性を高めるためのクッション152bが形成されている。また、舌状当接部153cで覆われる履口部152の開口領域152aを横切るようにゴム等の弾性体156が形成されている。この弾性体156は、開口領域152aにおける踵側の端部がクッション152bの先端部近傍であって、足高点近傍に位置するよう構成されている。
このため、幼児の足が履口部152から挿入されると、この弾性体156は舌状当接部153cによる足の保持を補助する構成となっている。したがって、たとえ幼児が自ら履いた際に、誤ってベルト部153のアッパー本体151に対する装着が不十分であっても、この弾性体156によって足のホールドを補助して、歩行における弊害を低減する構成となっている。
そして、このように構成されることで、幼児が履いているときに、ベビーシューズ100が誤って脱げてしまうことを抑制する構成となっている。
図3は、図1の踵部170の断面を示す概略断面図である。図3に示すように、踵部170は、靴底層110の上にクッション部160が配置され、その上に中底102が配置され、その上にインソール101を配置した4層の構成となっている。
クッション部160は、図3に示すように、2つの異なった材質から成っている。
すなわち、ベビーシューズ100の内側に相当する部分には、EVA、エチレン酢酸ビニル共重合体等を使用し、ショアA硬度が45度以上65度未満の範囲とされた比較的硬い材質からなる内側クッション部161が形成されている。
一方、ベビーシューズ100の外側に相当する部分には、内側クッション部161と同じ材質からなり、ショアA硬度が30度以上45度未満の範囲とされた比較的軟らかい材質からなる外側クッション部162が形成されている。
ところで、ベビーシューズ100の対象者である幼児は、上述のように歩行段階の第3段階に該当する。そして、この段階の幼児は歩行に際し、上手にローリング運動ができず、足が内側に倒れる内倒傾向が見られる。
この点、ベビーシューズ100では、内側クッション部161が硬く、外側クッション部162が軟らかく形成されているので、幼児の足の内倒を誘発せず、踵が接地した時点で足の外足側に足圧移動するよう促し、適当なローリング動作を促す構成となっている。
図4は、図1の靴底部110の概略底面図である。靴底層110aは、弾性部材である熱可塑性のエラストマーや合成ゴム若しくは天然ゴム等で形成されている。このため、歩行の際に変形し、その衝撃を吸収し、不用意に滑り難くする構成となっている。
図4に示すように、靴底部110には、幼児の足の足指屈曲線に対応する部分に形成される靴底屈曲部である靴底屈曲溝部112が靴底部110に形成されている。具体的には、図4に示すように5本の屈曲溝112aが靴底部110の幅方向に沿って形成されている。
このため、この屈曲溝112aに沿って靴底部110が屈曲し易い構成となっている。
なお、靴底屈曲部は連続した溝を形成するだけでなく、部分的な切り欠きを形成してもよく、足指屈曲線に対応した領域全体を柔軟な材料で形成しても良い。
また、幅方向に対し靴底部110がアッパー本体151側に僅かに立ち上がるよう構成された靴の場合、靴底屈曲溝部112も立ち上がった領域まで延伸することが好ましい。
ここで、足指屈曲線について説明する。図5は、足指屈曲線の概略説明図である。幼児が歩行等を行うとときには、踵を上げて足指を屈曲等させる動作をよく行う。このとき、この足指の屈曲する部分が足指屈曲線と呼ばれている。
図5に示すように、足指は親指側である第1趾から小指側である第5趾まであり、その各指の中足指関節及びその周辺が、足指屈曲線を含む足指屈曲領域Cに相当する。
幼児が、この足指屈曲領域Cに沿って足を屈曲させる動作は、歩行の発達等に際し重要な動作である。このため、この屈曲が阻害されると、歩行の発達を阻害し、歩行が上手くならず、誤った歩行方法を身につけてしまうおそれがある。
この点、ベビーシューズ100は、この足指屈曲領域Cに対応する部分に靴底屈曲溝部112が形成されており、しかも、図示していないが、インソール101や中底102等にも対応した屈曲溝や切り欠きを形成し、さらにアッパー本体151における舌状当接片153bの取り付け位置を配置しているため、歩行に伴って幼児が足指を屈曲させる動作に対応して靴底部110が変形する。このため、幼児の歩行の発達等を阻害せず、裸足に近い感覚で歩行できる構成となっている。
また、靴底部110には、滑り止めのために凸状に形成される滑り止め部が形成されている。具体的には、図4に示すように、波形を成す波形滑り止め部である例えば、波形部113と、ドットを成すドット滑り止め部である例えば、ドット部116とを有している。
ドット部116は、例えば、靴底面110bから略円柱状に突出するよう形成される。
図6(a)は、図4の波形部113とドット部116を示す概略部分拡大図であり、図6(b)は、図6(a)のA−A’線概略断面図である。
図6(b)に示すように、波形部113及びドット部116は、靴底面110bから突出する凸状と成っており、このため適切な摩擦力が生じ、滑り止めとなっている。
図4に示すように、波形部113は、靴底部110の左右方向Sに延びるよう配置されて、前後方向Fに突出する前方頂部113aと後方頂部113bを有しており、この各前方頂部113a、及び後方頂部113bが靴底部110の幅方向に連続して複数形成される連続波形となっている。前方頂部113a及び後方頂部113bは、頂部の一例となっている。
このように、前後方向Fに前方頂部113aを突出するように形成することで、幼児の歩行における蹴り出しの際に、同様に前後方向Fに後方頂部113bを突出するように形成することで幼児の歩行における着地の際に、それぞれ靴底部110に前後方向Fの力が加わり、靴底部110が滑り出すおそれがありうる場合でも、この滑り出す力はその力の方向と交差するように配置される波形部113の各前方頂部113a及び後方頂部113bによって抑制され、滑りも抑制されることになる。
また、各前方頂部113a及び後方頂部113bは、傾斜面を有している。具体的には、図6(b)に示すように、前方頂部113aは、図4の靴底部110の靴底屈曲溝部112よりも爪先側に形成されたものであるが、この波形部分113aには、傾斜面113aaが形成され、この傾斜面113aaは、爪先側に向かい高さが低く傾斜するように構成されている。
幼児がベビーシューズ100を履いて歩行し、ローリング動作等をした場合、靴底部110の爪先側は最後の接地部分であり、蹴り出しをする部分である。
したがって、爪先側の波形部113aの傾斜面113aaも最後の接地面であり、この接地面で滑りが生じると、上手く蹴り出し等ができないことになる。
同様に、後方頂部113bは靴底屈曲溝部112よりも踵側に形成されればよく、踵側に向かい高さが低く傾斜する傾斜面113bbが形成されており、踵側で着地する際に、最初に接地する部分であり、着地する際に滑りを生じさせ難くする必要がある。
この点、本実施の形態では、爪先側の傾斜面113aaを爪先側に、踵側の傾斜面113bbを踵側にそれぞれ傾斜させているため、接地面積が増え、滑り等の発生を効果的に防ぐことができる。
また、このように靴底部110の前後方向Fの滑りの抑制に有効な頂部を波形部113の連続として複数形成しても、この連続波形は靴底部分の幅方向の連続波形となる。このため、連続波形は、図4の靴底屈曲溝部112を跨いで形成されることがなく、幅方向Sに延びているので、この連続波形が靴底屈曲溝部112の動きを阻害せず、靴底部110全体の若干の変形にも影響することがない。
すなわち、ベビーシューズ100には、図4に示すように、ドット部116及び波形部113からなる滑り止め部と靴底屈曲溝部112とが靴底部110に選択的に配置されている。したがって、幼児の足の屈曲運動を促進しつつ、靴底部110の前後方向Fの滑りも効果的に抑制できるベビーシューズ100となっている。
また、波形部113は、連続波形の複数の前方頂部113a及び後方頂部113bを結ぶ部分である傾斜部113dを有している(図4参照)。この傾斜部113dは、図4の左右(幅)方向Sの方向や、前後方向Fと交差する斜め方向の滑り(力)に対し交差するように配置されている。
ところで、ベビーシューズ100を履く幼児は、未だ、歩行に際し、ローリング動作等を上手くできない場合があり、この場合は幼児の身体がふらつき、靴底部110の靴底屈曲部112に沿って滑り易くなり、その結果、転倒するおそれがある。
この点、ベビーシューズ100の靴底部110には、滑り止め部として傾斜部113dが形成されているため、この左右方向S等への滑りを効果的に抑制することができる。
特に、本実施の形態では、図4における波形部113の連続波形における複数の前方頂部113a及び後方頂部113bを相互に近接するように鋭角状に配置している。このように配置すると、傾斜部113dの前後方向Fに対する傾きが小さくなる。すると、傾斜部113dは、左右方向Sの滑り(力)を、より効果的に抑制することになる。
また、図4に示すように波形部113の連続波形は、前後方向Fに沿って間隔を設けて複数配置され、ドット部116は、波形部113の前方頂部113a及び後方頂部113bに対向する位置で、且つ各前方頂部113a及び後方頂部113bに近接して配置されている。
ところで、波形部113のような滑り止めも靴底部110の滑り方向によっては、その滑り(力)を十分に抑制できない場合がある。特に、幼児の場合は、靴底部110における重心移動が一定でなく、予想外の滑り方向が発生する場合がある。
この点、ベビーシューズ100では、滑り止めとして、波形部113のみならずドット部116も有している。ドット部116は、略円柱状に突出しており、その平面が略円形となっているので、360°のどの方向からの力(滑り)に対しても等しく作用する。このため、波形部113では、抑えきれない滑りを、このドット部116で抑えることができる構成となっている。
したがって、たとえ波形部113で靴底部110の滑りが抑制されにくい場合でも、このドット部116を併用することで、予想できない幼児の挙動による靴底部110の滑りを抑制することができる。
また、ドット部116は、図6に示すように、前方頂部113a及び後方頂部113bに対向する位置で、各前方頂部113a及び後方頂部113bに近接して配置され、力のかかりやすい進行方向Fに連続して配置されている。
これに対し、仮に、ドット部116を図6のXで示す部分に配置すると、ドット部は前後に間隔を設けて配置された2つの波形部113の傾斜部分113dの間に配置される。すると、ドット部と波形部113とは、相互に近接して配置されることになる。
この状態で、幼児がベビーシューズを履いて歩行し、その歩行運動により靴底部が屈曲すると、相互に近接する波形部113の傾斜部113dとドット部とが当接等、すなわち干渉して、靴底部110の屈曲を妨げることになる。これでは、歩行発達を妨げることになる。
この点、ベビーシューズ100では、ドット部116と波形部113の前方頂部113a等及び傾斜部113dとの間隔を広くするように構成されている。このため、幼児がベビーシューズ100を履いて歩行し、靴底部110が屈曲しても、進行方向Fに安定した滑り止め効果を発揮しつつ、ドット部116と波形部113とは相互に間隔が確保されているため、相互に当接等して、歩行運動の妨げとなることがない。
なお、靴底部110におけるトウスプリング部111の最先端位置では、歩行時に接地しないため滑り止め部を形成しない形態や、縦線状や指を模した形態等の意匠的な形態を採用しても良い。
以上のように、本実施の形態によれば、幼児の歩行に際し、適切な滑り止め機能を発揮するベビーシューズ100となっている。また、歩行による靴底部110の屈曲等の変形を妨げないため歩行し易いベビーシューズ100ともなっている。
図7は、本発明の第2の実施の形態にかかるベビーシューズの要部である靴底部210の概略底面図である。
本実施の形態にかかるベビーシューズの多くの構成は、第1の実施の形態と同様であるため、同一部分は同一符号等として、その説明を省略し、以下相違点を中心に説明する。
図7に示すように本実施の形態では、波形部213の形状が第1の実施の形態の波形部113と異なる。すなわち、波形部213の頂部213dの湾曲形状が緩やかな鈍角状になっている。
したがって、靴底部210の前後方向Fの滑り(力)に対し、波形部213が第1の実施の形態の波形部113より、効果的に作用する構成となっている。
図7に示すベビーシューズは、上述の第2段階である「よちよち歩き期」であるため、この時期の乳幼児の歩行の特徴に合わせ、前後方向Fへの滑り止め効果を重視した波形部213となっている。
本発明は、上述の各実施の形態に限定されない。例えば、アッパー本体部150は足を固定する機能があればよく、所謂サンダル状とされていてもよい。また、波形滑り止め部の各前方頂部113a等を曲線状に形成せず稲妻に近い鋭角状に形成しても良い。更にまた、靴底部は靴底層とクッション部を積層した構成とするのではなく、EVA等のクッション材料やゴム材料だけで構成しても良い。上述の各実施の形態は、相互に組み合わせて構成するようにしてもよい。
本発明の靴の実施の形態にかかるベビーシューズを示す概略斜視図である。 図1のベルト部をアッパー本体から外して爪先側に開いた状態を示す概略平面図である。 図1の踵部の断面を示す概略断面図である。 図1の靴底部の概略底面図である。 足指屈曲線の概略説明図である。 (a)は、図4の波形部とドット部を示す概略部分拡大図であり、(b)は、(a)のA−A’線概略断面図である。 本発明の第2の実施の形態にかかるベビーシューズの要部である靴底部の概略底面図である。
符号の説明
100・・・ベビーシューズ、110・・・靴底部、112・・・靴底屈曲溝部、112a・・・屈曲溝、113・・・波形部、113a・・・前方頂部、113b・・・後方頂部、113aa、113bb・・・傾斜面、113d・・・傾斜部、116・・・ドット部、160・・・クッション部、170・・・踵部

Claims (3)

  1. 接地面を有する靴底部を備え、
    前記靴底部は、その爪先側が上方に湾曲してなるトウスプリング部を有する靴であって、
    前記靴底部は、利用者の足の足指屈曲線に対応する部分に形成される靴底屈曲部と、
    滑り止めのために凸状に形成される滑り止め部と、を有し、
    これら靴底屈曲部と滑り止め部は前記靴底部に選択的に配置され、
    前記滑り止め部は、波形を成す波形滑り止め部と、
    ドットを成すドット滑り止め部とを有し、
    前記波形滑り止め部の波形は、前記靴底部の左右方向に延びて配置され、前後方向に突出する頂部を有する波形であり、この頂部を有する前記波形が連続して形成されている連続波形となっており、
    前記連続波形が前記靴底部の前後方向に沿って、間隔を設けて複数、配置され、
    前記ドット滑り止め部は、前記連続波形の前記頂部に対向し、且つ前記頂部に近接して配置されることを特徴とする靴。
  2. 前記連続波形における複数の前記頂部が相互に近接して配置されることを特徴とする請求項1に記載の靴。
  3. 少なくとも、前記靴底部の前記靴底屈曲部よりも爪先側に形成される前記波形滑り止め部の前記波形は、爪先側に向かって傾斜する傾斜面を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の靴。
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