JP5171304B2 - 幼児用靴 - Google Patents
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Description
このようなサンダルは、幼児の足の甲の部分を覆うアッパーを小さくし、水が履物内に溜まることがない構成となっている。このため、このようなサンダルは、幼児の足の踵側を保持する構成になっていないことから、脱げ易く、歩き難いため、幼児が使用を嫌うという問題があった。
そこで、従来は、サンダルであっても幼児の踵側をサンダルが保持できる構成が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2)。
また、特許文献2では、爪先側には水は溜まらないが、その分、サンダルが幼児の足を保持するホールド性が低下し、足の屈曲に追従してサンダルが足を保持することができず、このため歩行し難いサンダルとなっていた。
さらに、このように歩行し難いサンダルを使用して幼児等が水遊びをすると、接地面が濡れて滑りやすい環境であることとも相まって、特に滑りやすいサンダルとなってしまうという問題があった。
また、幼児等が足をアッパー部内に挿入した後、この分割部を非分割状態とすれば、履き口部は閉状態となり、挿入された幼児等の足の踵側が履き口部によって保持されることになる。このため、幼児等の足は、アッパー部によって確実に保持されることなり、歩行し易い幼児用靴となる。
そして、前記構成では、靴底部の中底面側の踵側には、幼児の足の踵側を前記中底面側に位置決めするための凸状の位置決め部が形成されている。ところで、幼児等は、大人と異なり、踵に重心をかけて歩行する傾向があることが知られている。このため、前記構成によれば、幼児等の歩行に際し、最も重心がかかる足の踵が靴底部から脱落等することが防止され、幼児が歩行し易い構成となっている。
このように滑り止め部を配置することで、この通気排水開口部を形成したことに起因する滑り易さを防止でき、歩行し易い幼児用靴となっている。
また、前記構成では、屈曲溝部に隣接又は近接した爪先側及び踵側の靴底部の靴底面に、それぞれ滑り止め部が形成されているので、歩行における靴底部の屈曲にも拘わらず、滑り難い靴底部とすることができる。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
具体的には、幼児用靴1は、図1に示すように、例えばEVA、ラバー等からなる靴底部2を有している。また、靴底部2に図において上方には、靴底部2から立ち上がるようにアッパー部3が形成されている。
この靴底部2は、使用者である例えば、幼児等が歩行する際に接地する靴底面21(図1の下側)と、幼児等がその足を配置する中底面22を有している。
また、アッパー部3は、図1に示すように幼児等の足を挿入するための開口を含む履き口部4を有している。
図3は、図2の分割片41a、42aを開いた状態を示す概略側面図である。
図2及び図3に示すように、分割片41a、41bは、相互に図示しない面ファスナを有し、これらによって、分割片41a、41bを図2に示すような閉状態若しくは図3に示すような開状態に変化させることができるようになっている。
具体的には、分割片41aの内側と分割片41bの外側にそれぞれ、雄又は雌のそれぞれ異なる面ファスナが形成され、これらの面ファスナによって、分割片41a、41bを閉状態若しくは開状態に維持させることができる構成となっている。
このように、分割片41a、41bは、分割部の一例となっている。
このため、幼児等にとっては履き易く、その保護者等にとっては履かせ易い構成となっている。
一方、幼児等が一旦、幼児用靴1を履いた後、図2に示すように分割片41a、41bの面ファスナを相互に接触させ、固定状態(閉状態)とすれば、幼児等の踵側を分割片41a、41bで確実に保持することができるので、幼児等にとって履きやすい幼児用靴1となる。
すなわち、図1等の幼児用靴1は、上述のように、幼児が水遊び等をする際に、使用するものであるため、水遊び等に際し、アッパー部3内に入り込んだ水等が、これら6つのアッパー開口5a乃至5fを介して外部に排出する構成となっている。
このため、従来のように、内部に水が溜まり、幼児等を不快な状態にすることを未然に防ぐことができる構成となっている。
また、従来のサンダルや幼児用靴等では、幼児の足を確実に保持(ホールド)すると、靴の内部に水が溜まり易く、逆に、靴の内部に水が溜まり難い構成とすると、幼児の足を確実にホールドさせ難くなっていた。
この点、本実施の形態では、上述の分割片41a、41bとアッパー開口5a等の組み合わせで、幼児の足のホールド性を高めつつ、水はけのよいサンダルタイプの幼児用靴1とし、従来にないものとなっている。
このため、中底面22に足を配置した幼児等は、その配置された足が、この巻き上げ部23で正しい中底面22に位置決めされることになる。
特に、アッパー部3が靴底部21と連接して形成されていない踵側では、この巻き上げ部23の凸状部分によって、幼児等の足が外側にはみ出したり、脱落したりしない構成となり、幼児等の足を保持し易い幼児用靴1となっている。
また、一般に幼児は、歩行に際し、踵側に重心がかかる傾向があることが知られているが、本実施の形態では、上述のように、靴底部2の踵側に巻き上げ部23を設けることで最も重心がかかる幼児の踵が靴底部2から脱落等することが防止され、安定して歩行することができる構成となっている。
すなわち、この爪先側の巻き上げ部23が、凸状の爪先保護部の一例となっている。
このため、幼児等が歩行に際し、地面等の障害物等につまずき難い構成とすることができ、幼児等が歩行し易い構成となっている。また、上述した靴底部2の爪先側の巻き上げ部23と、この反り上がりの構成によって歩行時の幼児等の爪先側をより確実に保護することができる構成ともなっている。
そして、この上部開口部6には、その開口部分を補うように、舌部7が配置されている。
さらに、この上部開口部6を渡すようにアッパー部3には、調節紐8が形成され、この調節紐8を操作するための操作部8aが形成されている。
このため、操作部8aを操作することで調節紐8の長さを調節でき、この調節紐8の長さを調節することで、図2の上部開口部6の開口状態を狭くしたり広くしたりすることで変化させることができ、当該幼児等の足にとって最適な大きさのアッパー部3とすることができる。
このように、アッパー部3の大きさの調節を操作部8aの操作だけでできるので、いわゆる、ワンアクションで、アッパー部3の幼児等の足に対するフィット調節が可能な構成となり、操作し易い幼児用靴1となっている。
また、このように溝21aで形成された六角形のセル状部分のうち一部、例えば7箇所に通気や排水用の開口穴である通気排水開口部21bが形成されている。
この通気排水開口部21bは靴底部2の靴底面21に形成された、図4に示す例えば六角形の開口穴となっている。
このため、幼児等が幼児用靴1を履いて水遊びしても、7箇所の通気排水開口部21bを介して通気と排水ができるため、幼児等に不快感を与え難い構成となっている。
そして、このラバー部21dは、図4に示すように通気排水開口部21bと隣接又は近接して配置されている。すなわち、図4の接地面21では、例えば、爪先側に配置された3箇所の通気排水開口部21bは溝21aを介してラバー部21aと隣接して配置されている。
一方、図4の接地面21の踵側に配置されているラバー部21dに対しても、通気排水開口部21bが溝21aを介して隣接又は近接して配置されている。
そこで、本実施の形態では、図4に示すように、通気排水開口部21bに隣接又は近接させてラバー部21dを形成することで、通気と排水が可能で、滑り難い接地面21としている。
他の4個の通気排水開口部21bは、図4に示すように、幼児等の足の土踏まず領域に相当する靴底面21に形成されている。
このように、7個の通気排水開口部21bは、いずれも幼児等の歩行に際し、地面等に接地しない部分(土踏まずに相当する部分)又は地面等に接地しにくい部分(爪先側領域の反り上がり部分)に形成されているため、これら通気排水開口部21bが地面等に接地して、滑るという事態の発生を少なくすることができ、歩行し易い幼児用靴1となっている。
幼児等が歩行する際、足を屈曲させるが、この足指の屈曲する部分が足指屈曲領域といわれている。具体的には、足指は、親指側である第1趾から小指側である第5趾まで配置され、その各指の中足指関節及びその周辺に、幼児等が歩行に際し、足を屈曲させる部分である足指屈曲領域が矢印Cで示されている。
このため、歩行に際し、幼児等が足指を足指屈曲領域Cで屈曲させると、それに伴い靴底部2も、この屈曲溝21eで屈曲するので、幼児用靴1が幼児等の足をホールド(保持)し易い構成となっている。
特に、屈曲溝21eは、他の溝21aより深いため、より屈曲し易い構成となっているので、幼児等の歩行動作等を妨げ難い構成となっている。
このように、屈曲溝21eを挟んで両側にラバー部21dを形成することで、屈曲溝21eの変形にも拘わらず、滑り難い構成となっている。
このため、幼児等が水遊び等をしている場合でも、滑りにくく安全性の高い幼児用靴1となる。
すなわち、このラバー溝21fの形成方向は、屈曲溝21eの形成方向とほぼ同様であるため、幼児等の歩行動作等により、屈曲溝21eが屈曲する際、ラバー溝21fも同様に屈曲するため、ラバー部21dが、靴底部2の屈曲を妨げることがなく、歩行し易い幼児用靴1となる。
Claims (11)
- 使用者が歩行に際し接地する靴底面と、使用者が足を配置する中底面と、を有する靴底部と、
使用者の足を保持するために前記靴底部から立ち上がるように形成されるアッパー部と、
前記アッパー部に形成される使用者の足を挿入するための履き口部と、を備える幼児用靴であって、
前記履き口部が、踵側に形成された、分割可能な分割部を有すると共に、前記アッパー部には、複数のアッパー開口部が形成され、
前記靴底部の中底面側の踵側には、幼児の足の踵側を前記中底面側に位置決めするための凸状の位置決め部が形成され、
前記靴底部の靴底面には、通気排水用の通気排水開口部と、滑り止め防止用の滑り止め部が形成され、前記通気排水開口部が前記滑り止め部に隣接又は近接して配置されていることを特徴とする幼児用靴。 - 前記靴底部の中底面側の爪先側には、幼児の爪先側を保護するための凸状の爪先保護部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の幼児用靴。
- 前記靴底部の爪先側は、前記靴底部が接地する接地面から離間する方向に反って形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の幼児用靴。
- 前記通気排水開口部は、前記靴底部の靴底面側における爪先側領域に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の幼児用靴。
- 前記通気排水開口部は、前記靴底部の靴底面側における使用者の足の土踏まず領域に相当する領域に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の幼児用靴。
- 前記滑り止め部は、前記靴底部の靴底面側における踵側領域に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の幼児用靴。
- 前記靴底部の靴底面側のうち、使用者が歩行に際し足指を屈曲させる足指屈曲領域に対応した領域に前記靴底部の変形を促す屈曲溝部が形成され、
この屈曲溝部に隣接又は近接した爪先側及び踵側の靴底部の靴底面に、それぞれ前記滑り止め部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の幼児用靴。 - 前記屈曲溝部に隣接又は近接した爪先側及び踵側の靴底部の靴底面に、それぞれ形成された前記滑り止め部に、その屈曲を促進させる滑り止め屈曲部が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の幼児用靴。
- 前記通気排水開口部には、その上部にネットが形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の幼児用靴。
- 前記アッパー開口部は、少なくとも、使用者が歩行に際し足指を屈曲させる足指屈曲領域の上方に配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の幼児用靴。
- 前記アッパー部には、前記履き口部から爪先方向にかけて上部開口部が形成されると共に、この上部開口部の開口状態を変化させる操作部付き調節紐が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の幼児用靴。
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