JP4704639B2 - パルプ蒸解方法 - Google Patents
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Description
本発明は、リグノセルロース材料を蒸解する方法に関し、特に多硫化物蒸解液とキノン化合物とを併用した効果的なパルプ蒸解方法に関する。
背景技術
これまで工業的に実施されている化学パルプの主な製造法は木材チップ等のリグノセルロース材料のアルカリ性蒸解決であり、水酸化ナトリウムと硫化ナトリウムが主成分のアルカリ性蒸解液を用いるクラフト法が多く利用されている。また、パルプ収率を向上させる蒸解方法の一つとして、多硫化物を含んだアルカリ性蒸解液で蒸解する、いわゆる多硫化物蒸解決が広く知られている。この多硫化物蒸解決によれば、多硫化物イオンがセルロースおよびヘミセルロースの末端アルデヒド基を酸化してセルロースおよびヘミセルロースを安定化し、ピーリング反応を防ぎセルロースおよびヘミセルロースの溶出反応を抑えることによりパルプ収率の向上をもたらす。そして、一般にこの多硫化物蒸解液の多硫化硫黄の濃度を高くするほど蒸解効果も上昇する。
上記蒸解決で用いられる多硫化物を含むアルカリ性蒸解液は、触媒の存在下空気酸化する方法(例えば、特公昭50−40395号公報、特開昭61−257238号公報、特開昭61−259754号公報、特開平09−87987号公報)により製造されている。この方法において通常の白液を用いた場合、硫化物イオンベースで反応率60%、選択率60%程度で多硫化硫黄濃度5g/L(Lはリットルを表す、本明細書中同じ)程度のアルカリ性蒸解液を得ることができる。しかしこの方法は、多硫化物生成時に、蒸解に無効なチオ硫酸イオンも副生してしまうため、高濃度の多硫化硫黄を含むアルカリ性蒸解液を高選択率で製造することは困難であった。
一方、例えば特公昭57−19239号公報、特公昭53−45404号公報、特開昭52−37803号公報に示されたような、アルカリ性蒸解液にキノン−ヒドロキノン化合物を添加して蒸解するキノン蒸解決も広く知られている。添加されたキノン化合物がセルロースおよびヘミセルロースの末端アルデヒド基を酸化し安定化させることによりピーリング反応を防ぎ、セルロースおよびヘミセルロースの溶出反応を抑える。一方、ヒドロキノン型となったキノン化合物はリグニンに作用してリグニンを還元溶出させ、それ自体はキノン型になる。このように、キノン−ヒドロキノン化合物は、それ自体の酸化還元サイクルを通じてセルロースおよびヘミセルロースを安定化させ、脱リグニンを促進させることにより、パルプのカッパー価が同一の条件で比較した場合、収率が向上すると同時に蒸解で必要な活性アルカリ量を減少させるという効果をもたらす。なお、キノン−ヒドロキノン化合物とは、本明細書中、酸化型のキノン体であるキノン化合物および還元型のヒドロキノン体であるヒドロキノン化合物の両者を含めた意味である。
野村らは、紙パ技協誌、Vol.32、No.12、p.713−721(1978)において、パルプ蒸解決として一般的に行われている、水酸化ナトリウムと硫化ナトリウムを主成分とする蒸解液を用いるクラフトパルプ蒸解において、キノン化合物として、その蒸解時に存在する形態の酸化還元電位を水素イオン活量1の標準酸化還元電位(Ea)に換算した値が標準水素電極電位に対して0.1〜0.25Vであるものを用いると、パルプ収率等が向上すると述べており、この電位の範囲内でも、9,10−アントラキノン(Ea=0.154V)よりも電位が高いアントラキノンカルボン酸やアントラキノンジカルボン酸のようなキノン化合物は効果が劣り、電位が低いヒドロキシアントラキノンのようなキノン化合物は9,10−アントラキノンよりも効果が大きいと述べている。
また、例えば特開平7−189153号公報に示されているように、上記の蒸解法を組み合わせた、いわゆる多硫化物−キノン蒸解決も広く知られている。この蒸解方法では上記で述べた効果が相乗的に現れる。つまり、多硫化物−キノン蒸解の効果としては、各々の技術を個々に用いた場合より、同一カッパー価で比較したときのパルプ収率の向上、そして同一パルプ生産量で比較したときの使用活性アルカリ量の減少が達成される。
ところが、多硫化物の存在下で、どのようなキノン化合物が蒸解に効果があり、パルプ収率や薬液使用量の改善に効果があるのかについての研究、開発は、これまでなされていなかった。本発明においては、それらが関連する蒸解決について追求、検討した結果、パルプ収率の更なる向上、薬液使用量の更なる削減、回収ボイラーの負荷に関する問題を解決できることを見い出し、本発明に至ったものである。
発明の開示
本発明は、リグノセルロース材料をキノン−ヒドロキノン化合物の存在下、多硫化物を含むアルカリ性蒸解液でパルプ化する多硫化物蒸解方法において、キノン−ヒドロキノン化合物の蒸解時に存在する形態の酸化還元電位を水素イオン活量1の標準酸化還元電位(Ea)に換算した値が標準水素電極電位に対して0.12〜0.25Vであることを特徴とするパルプ蒸解方法を提供する。
発明を実施するための最良の形態
本発明においては、リグノセルロース材料をキノン−ヒドロキノン化合物の存在下、多硫化物を含むアルカリ性蒸解液でパルプ化する蒸解方法において、キノン−ヒドロキノン化合物の蒸解時に存在する形態の酸化還元電位を水素イオン活量1の標準酸化還元電位(Ea)に換算した値が標準水素電極電位に対して0.12〜0.25Vとすることが重要である。本発明によれば、クラフト蒸解決あるいはクラフト蒸解に多硫化物またはキノン−ヒドロキノン化合物いずれかを単独で組合わせた蒸解決に比べて、得られるパルプを同じカッパー価で比較して、収率の向上効果とアルカリ性蒸解液に含まれる活性アルカリ使用量の低下効果が得られる。これに加えて、蒸解時間が短縮されることによる増産効果、液比を大きくしても蒸解効果が落ちにくいという利点が得られる。
本発明では、多硫化物(ポリサルファイド)を含むアルカリ性蒸解液が用いられる。多硫化物蒸解液中に含まれる多硫化硫黄の酸化作用によってセルロースおよびヘミセルロースの安定化を促進させ、パルプ収率を向上させることができる。ここで、多硫化物イオン(ポリサルファイドイオン)とは一般式Sx 2−で表され、単に多硫化物ともいう。多硫化硫黄とは多硫化物イオンを構成する硫黄中酸化数が0の硫黄でSx 2−中(x−1)個分の硫黄をいう。また、Na2S態硫黄とは多硫化物イオン中酸化数−IIの硫黄(Sx 2−中1個分の硫黄)と硫化物イオンを総称するものである。また、活性アルカリとはNaOH+Na2SをNa2O濃度に換算したものである。
本発明において、この多硫化物−キノン蒸解決で用いられるキノン−ヒドロキノン化合物は、その蒸解時に存在する形態の標準酸化還元電位(Ea)が0.12〜0.25Vの範囲内にあるものを用いる。標準酸化還元電位が0.14〜0.20Vの範囲内にあるものを選択すると、更なる蒸解効果の向上が得られるのでより好ましい。ここで、標準酸化還元電位とは、その蒸解時に存在する形態の酸化還元電位を水素イオン活量1の標準酸化還元電位(Ea)に換算した値を、標準水素電極電位に対して表した電位である。
ところで、前述、紙パ技協誌、Vol.32、No.12、p.713−721(1978)では、パルプ蒸解決として一般的に行われている、水酸化ナトリウムと硫化ナトリウムを主成分とする蒸解液を用いるクラフトパルプ蒸解において、キノン化合物として、その蒸解時に存在する形態の酸化還元電位を水素イオン活量1の標準酸化還元電位(Ea)に換算した値が標準水素電極電位に対して0.1〜0.25Vであるものを用いると、パルプ収率等が向上すると述べており、またこの電位の範囲内でも9,10−アントラキノン(Ea=0.154V)よりも電位が高いアントラキノンカルボン酸やアントラキノンジカルボン酸のようなキノンは効果が劣り、電位が低いヒドロキシアントラキノンのようなキノンは9,10−アントラキノンよりも効果が大きいと述べている。
しかし、多硫化物蒸解にキノン化合物を組み合わせることに関する研究、検討は殆どなされていない。一般にキノン化合物の効果は、前述したようにキノン化合物がセルロースおよびヘミセルロースの末端アルデヒド基を酸化し安定化させることによりピーリング反応を防ぎセルロースおよびヘミセルロースの溶出反応を抑える一方、ヒドロキノン型となったキノン化合物はリグニンに作用しリグニンを還元溶出させ自身はキノン型になる。このように、キノン−ヒドロキノン化合物にはそれ自身の酸化還元サイクルを通じてセルロースおよびヘミセルロースを安定化させ脱リグニンを促進させる効果がある。ここに多硫化物イオンが加わった場合、多硫化物イオンはセルロースおよびヘミセルロースの末端アルデヒド基を酸化安定化する効果があるので、脱リグニンを効果的に進めることができるキノンがより効果的であると推測される。
すなわち、いわゆる多硫化物−キノン蒸解決においては、還元力が大きいキノン−ヒドロキノン化合物が有利である。これによってセルロースおよびヘミセルロースの酸化安定化と脱リグニンがより促進されて、蒸解効果が更に向上するキノン化合物の標準酸化還元電位の範囲は0.1〜0.25Vより低い範囲にシフトするはずであると容易に推測される。
しかしながら、本発明者らは様々な標準酸化還元電位をもつキノン−ヒドロキノン化合物を用いて多硫化物蒸解実験を行った結果、上記推測とは全く反して、標準酸化還元電位が0.12Vより低いと蒸解効果がほとんど現れないことが分かった。すなわち、数多くの実験により、キノン−ヒドロキノン化合物の標準酸化還元電位が0.12Vより低くなると、パルプ収率向上効果と活性アルカリ使用量削減効果が低下し、また標準酸化還元電位が0.25Vよりも大きくなると、パルプ収率向上効果と活性アルカリ使用量削減効果が低下することが明らかになった。その値は、より好ましくは0.14Vから0.20Vの範囲である。本発明は、通常のクラフト法のほか、修正クラフト法(MCC法)、そしてLo−Solids(登録商標)法等、すべてのパルプ蒸解決に適用することができる。5
本発明における、蒸解時に存在する形態の酸化還元電位を水素イオン活量1の標準酸化還元電位(Ea)に換算した値が標準水素電極電位に対して0.12〜0.25Vであるキノン−ヒドロキノン化合物としては、具体的には、1−エチル−9,10−アントラキノン(Ea=0.140V)、9,10−アントラキノン(Ea=0.154V)、2−メチル−9,10−アントラキノン(Ea=0.150V)等のアルキルアントラキノン、1−ヒドロキシ−9,10−アントラキノン(Ea=0.140V)、2−(9,10−アントラキノイル)−1−エタンスルホン酸(Ea=0.162V)、9,10−アントラキノン−2−スルホン酸(Ea=0.187V)、9,10−アントラキノン−2−カルボン酸(Ea=0.213V)、9,10−アントラキノン−2,7−ジスルホン酸(Ea=0.228V)、ベンズ(α)アントラセン−7,12−ジオン(Ea=0.228V)、1,4,4a,9a−テトラヒドロ−9,10−アントラキノン(Ea=0.154V)、1,4−ジヒドロ−9,10−アントラキノン(Ea=0.154V)等のキノン化合物、およびこれらの還元体であるヒドロキノン化合物があげられる。
これらの標準酸化還元電位Eaは、朝倉書店発行「大有機化学別巻2、有機化学定数便覧」p.670−680(1963)を参照し、準拠した。なお、これらキノン化合物の酸化還元電位は、通常のサイクリックボルタンメトリーを用いた手法等で測定することができるが、測定器や測定者による誤差を考慮して、例えば9,10−アントラキノンのような電位が既知のアントラキノンを標準として測定値を換算することが必要である。
これらのキノン化合物を添加するときは酸化型のキノン体でも還元型のヒドロキノン体でもどちらでもよく、添加時の状態に関わらず蒸解時に存在する形態のキノン−ヒドロキノン化合物が上記の電位範囲にあればよい。例えば、1,4,4a,9a−テトラヒドロ−9,10−アントラキノンはアルカリ性の蒸解液中では1,4−ジヒドロ−9,10−ジヒドロキシアントラセンジナトリウム塩の状態で存在している。これは蒸解初期に速やかに酸化されて1,4−ジヒドロ−9,10−アントラキノンになり、更にこれは9,10−アントラヒドロキノンに速やかに転移し、蒸解時には9,10−アントラキノンと9,10−アントラヒドロキノンの形態で作用している。1,4−ジヒドロ−9,10−アントラキノンも同様である。
本発明において、多硫化物蒸解液中に含まれる多硫化硫黄の濃度は高いほど蒸解効果が高くなる。このため多硫化物蒸解液中に含まれる多硫化硫黄の濃度は6g/L以上になるように製造するのが好ましく、8g/L以上であるとさらに好ましい。
本発明において、多硫化物蒸解液を製造する方法として従来の空気酸化法を用いることができる。ただし、空気酸化法で多硫化硫黄を含む多硫化物蒸解液を製造する場合、副反応であるチオ硫酸ナトリウムの生成が多くなる不利点があるため、硫化物イオンを含むアルカリ性溶液を電気的に酸化させる方法、すなわち電解法により生成させるのが好ましい。これらの方法によれば、8g/L以上という高濃度の多硫化物蒸解液を高選択率で製造することができる。このような電解法として、例えば本発明者らが先に開発したPCT/JP97/01456、特願平10−166374号、特願平11−51016号、特願平11−51033号等の電解法を適用することができる。
電解法で用いられる電解槽としては、1つのアノード室と1つのカソード室とからなる2室型の電解槽が必要であり、3つまたはそれ以上の部屋を組み合わせたものでもよい。多数の電解槽は単極構造または複極構造に配置することができる。アノード室には硫化物イオンを含むアルカリ性溶液を導入し、一部の硫化物イオンが酸化されて多硫化物イオンが生成する。それに伴いアルカリ金属イオンが隔膜を通してカソード室に移動する。
一方、カソード室には、水または水とアルカリ金属水酸化物とからなる溶液を導入し、水から水素ガスが生成する反応を利用するのが好適である。その結果生成する水酸化物イオンとアノード室から移動してきたアルカリ金属イオンから、水酸化アルカリが生成する。カソード室中のアルカリ金属水酸化物濃度は例えば1〜15mol/L、好ましくは2〜5mol/Lである。電解槽のアノード室内に配置されるアノードは、アノードの全体、もしくは少なくとも表面部分が耐アルカリ性に優れた材質であることが好ましい。例えば、ニッケル、チタン、炭素、白金は多硫化物の製造において実用的に十分な耐久性を有する。アノードの構造としては、多孔性で3次元の網目構造を有する多孔性アノードを用いるのが好ましい。具体的には発泡体、繊維の集合体などがあげられる。このような多孔性アノードは大きな表面積を有し、電極表面の全面で目的とする電解反応が起き、副生物の生成を抑制することができる。
電解法で用いられるアノードの表面積は、アノード室とカソード室を隔てる隔膜の単位面積当り、アノードが発泡体のとき2〜100m2/m2、繊維集合体のとき30〜5000m2/m2であることが好ましい。より好ましくはそれぞれ5〜50m2/m2、70〜1000m2/m2である。表面積が小さすぎると、アノード表面における電流密度が大きくなり、チオ硫酸イオンのような副生物が生成しやすくなるだけでなく、アノード溶解を起しやすくなるので好ましくない。表面積を大きくしすぎると、液の圧力損失が大きくなるといった電解操作上の問題が生じるおそれがあるので好ましくない。
電解法に用いられる発泡体アノードの網目の平均孔径は0.1mm〜5mmであることが好ましい。網目の平均孔径が5mmよりも大きいと、アノード表面積を大きくすることができず、アノード表面における電流密度が大きくなり、チオ硫酸イオンのような副生物が生成しやすくなるので好ましくない。網目の平均孔径が0.1mmより小さいと、液の圧力損失が大きくなるといった電解操作上の問題が生じるおそれがあるので好ましくない。アノードの網目の平均孔径は0.2mm〜2mmである場合は、さらに好ましい。
電解法で用いられる多孔性アノードは、その網目を構成する網の直径は発泡体で0.01〜2mm、繊維集合体で1〜300μmであることが好ましい。直径がそれぞれの下限に満たないものは、製造が極めて難しく、コストがかかるうえ、取扱いも容易でないので好ましくない。直径が上記それぞれの上限を超える場合は、アノードの表面積が大きいものが得られず、アノード表面における電流密度が大きくなり、チオ硫酸イオンのような副生物が生成しやすくなるので好ましくない。直径がそれぞれ0.02mm〜1mm、5〜50μmである場合は特に好ましい。
電解槽中のアノードは隔膜に接するようにアノード室いっぱいに配されてもよく、また、アノードと隔膜との間にいくらかの空隙を有するように配されてもよい。アノード内を被処理液体が流通する必要があるので、アノードは十分な空隙を有することが好ましく、いずれの場合もアノードの空隙率は、発泡体なら90〜99%、繊維集合体なら70%〜99%が好ましい。空隙率が低すぎると圧力損失が大きくなるので好ましくない。空隙率が99%以上だとアノード表面積を大きくするのが困難になるので好ましくない。空隙率がそれぞれ90〜98%、80〜95%であるとさらに好ましい。
電解法で用いられるカソードとしては、材料は、耐アルカリ性の材料が好ましく、ニッケル、ラネーニッケル、硫化ニッケル、鋼、ステンレス鋼などを用いることができる。形状は平板またはメッシュ状の形状のものを、一つまたは複数を多層構成にして用いる。線状の電極を複合した3次元電極を用いることもできる。
電解法で用いられる、アノード室とカソード室とを隔てる膜としては、カチオン交換膜を用いるのが好ましい。カチオン交換膜は、アノード室からカソード室へはカチオンを導くが、硫化物イオンおよび多硫化物イオンの移動を妨げる。カチオン交換膜としては、炭化水素系またはフッ素系の高分子に、スルホン酸基、カルボン酸基などのカチオン交換基が導入された高分子膜が好ましい。また、耐アルカリ性などの面で問題がなければ、バイポーラ膜、アニオン交換膜などを使用することもできる。
電解法における、隔膜面での電流密度は0.5〜20kA/m2で運転するのが好ましい。0.5kA/m2に満たない場合は不必要に大きな電解設備が必要となるので好ましくない。隔膜面での電流密度が20kA/m2を超える場合は、チオ硫酸、硫酸、酸素などの副生物を増加させるおそれがあるので好ましくない。隔膜面での電流密度が2〜15kA/m2である場合は、さらに好ましい。本電解法では、隔膜の面積に対して表面積の大きなアノードを用いているため、アノード表面での電流密度が小さい範囲で運転することができる。
電解法における、アノード室の平均空塔速度としては、発泡体で1〜30cm/秒、繊維集合体で0.1〜30cm/秒が好適である。平均空塔速度が小さすぎるとアノード室内のアノード液が攪拌されず、場合によってはアノード室に面する隔膜に沈着物がたまりやすくセル電圧が経時的に上昇しやすくなる。また30cm/秒より大きい場合は圧力損失が大きくなるので好ましくない。カソード液流速は限定しないが、発生ガスの浮上力の大きさにより決められる。アノード室の温度は、70〜110℃が好ましい。アノード室の温度が70℃より低い場合は、セル電圧が高くなるだけでなく、アノード溶解や副生成物が生成しやすくなるおそれがあるので好ましくない。温度の上限は、実際上、電解槽または隔膜の材質で制限される。アノード室に導入される硫化物イオンを含有する溶液は、通常ワンパスあるいは循環処理される。
本発明においては、電解法で製造される多硫化物を含むアルカリ性蒸解液の原料として、パルプ工場で用いられる白液もしくは緑液を用いるのが好ましい。白液の組成は、現在行われているクラフトパルプ蒸解に用いられている白液の場合、通常、アルカリ金属イオンとして2〜6mol/Lを含有し、そのうちの90%以上はナトリウムイオンであり、残りはほぼカリウムイオンである。またアニオンは、水酸化物イオン、硫化物イオン、炭酸イオンを主成分とし、硫化物イオン濃度は通常0.5〜0.8mol/Lであり、他に硫酸イオン、チオ硫酸イオン、塩素イオン、亜硫酸イオンを含む。さらにカルシウム、ケイ素、アルミ、リン、マグネシウム、銅、マンガン、鉄のような微量成分を含む。緑液の組成は基本的に白液と同じである。ただし、白液は硫化ナトリウムと水酸化ナトリウムが主成分であるのに対して、緑液は硫化ナトリウムと炭酸ナトリウムが主成分である。電解法では、陽極室内でこの白液または緑液の硫化物イオンの一部を酸化して多硫化物イオンを生成させ、蒸解工程に供する。
本発明では、多硫化物を含むアルカリ性蒸解液のNa2S態硫黄濃度がNa2O換算で10g/L以上残存していることが好ましい。この濃度が10g/Lに満たないと8g/L以上という高濃度の多硫化硫黄が不安定になり、蒸解により得られるパルプのカッパー価が上昇したり、パルプ収率が低下するおそれがある。
本発明において、キノン−ヒドロキノン化合物は絶乾チップ当り0.01〜1.5重量%になるようにアルカリ性蒸解液に添加されるのが好ましい。より好ましくは0.02〜0.06重量%である。キノン化合物の添加が0.01重量%未満であれば添加量が少なすぎて蒸解後パルプのカッパー価が低減されず、カッパー価とパルプ収率の関係が改善されない。また、キノン化合物を1.5重量%を超えて添加しても、それ以上の蒸解後パルプのカッパー価の低減およびカッパー価とパルプ収率の関係の改善は認められない。
本発明において、キノン化合物の添加時期は蒸解前または蒸解途中に一括添加する方法、あるいは段階的に分割して添加する方法のいずれにも有効である。ただし、キノン化合物を含むアルカリ性蒸解液がチップ内に十分浸透するように添加するのが好ましい。
また、本発明において蒸解を行う際の液比は絶乾チップ当り1.5〜5.0L/kgになるようにするのが好ましい。特にリグノセルロース材料に針葉樹チップを用いる場合は1.5〜3.5L/kg、広葉樹チップを用いる場合は2.5〜5.0L/kgであるとより好ましい。液比が1.5L/kg未満であると、アルカリ性蒸解液がチップに十分に浸透しないことによる蒸解効果の低下のおそれがあるので好ましくない。液比が5.0L/kgを超えると、使用薬液量削減効果が低下するので好ましくない。
ここで液比とは、回分式蒸解釜の場合には絶乾チップ重量当りの液量のことを意味するが、連続式蒸解釜においては、単位時間当りの蒸解釜への絶乾チップ流入重量と、釜への液体の容積流入量の比を云う。
本発明に使用されるリグノセルロース材料としては、針葉樹または広葉樹のチップが使用され、いずれの樹種でもよい。例えば、針葉樹としてはCryptomeria(スギ)、Picea(エゾマツ、トウヒ、オウシュウトウヒ、シトカトウヒ等)、Pinus(ラジアータマツ、アカマツ、クロマツ等)、Thuja(ベイスギ、ネズコ等)、Tsuga(ツガ、ベイツガ等)、広葉樹ではEucalyptus(ユーカリ類)、Fagus(ブナ類)、Quercus(ナラ、カシ等)、Acacia(アカシア類)等があげられる。
実施例
以下、実施例に基づき本発明を詳しく説明するが、本発明がこれらの実施例に限定されないことはもちろんである。試験法は下記のとおりとした。
《試験法》
得られた未晒しパルプのパルプ収率は、粕を除去した精選パルプの収率を測定した。未晒しパルプのカッパー価は、TAPPI試験法T236hm−85に従って行った。アルカリ性蒸解液中のチオ硫酸ナトリウム、Na2S態硫黄および硫黄換算での多硫化硫黄濃度の定量は特開平7−92148号公報に記載された方法に基づいて行った。
《実施例1》
(1)多硫化物蒸解液の調製
アノード集積体にニッケル板、アノードにニッケル発泡体(100mm×20mm×4mm、網目の平均孔径0.51mm、アノード室体積当りのアノード表面積:5600m2/m3、隔膜面積に対する表面積:28m2/m2)、カソードとして鉄のエクスパンジョンメタル、隔膜としてフッ素樹脂系カチオン交換膜とからなる2室型の電解槽を組み立てた。アノード室は高さ100mm、幅20mm、厚み4mmであり、カソード室は高さ100mm、幅20mm、厚み5mmで、隔膜の有効面積は20cm2であった。モデル白液を用い、アノード液線速度:4cm/sec、電流密度:6kA/m2、電解温度:90℃にて循環電解を行い、選択率97%で次の組成の多硫化物蒸解液を得た。
水酸化ナトリウム :85.5g/L(Na2O換算)
Na2S態硫黄 :12.0g/L(Na2O換算)
炭酸ナトリウム :15g/L(Na2O換算)
チオ硫酸ナトリウム :0.5g/L(Na2O換算)
多硫化硫黄 :9.0g/L(硫黄換算)
(2)蒸解実験
リグノセルロース材料としてアカマツチップ25g(絶乾で25g)を用い、上記多硫化物蒸解液を活性アルカリ添加率が16および18重量%(対絶乾チップ;Na2O換算)になるように加え、チップ持ち込み水分と必要に応じて蒸留水を加えて、液比を絶乾チップに対して2.7L/kgとした。キノン化合物として9,10−アントラキノン(Ea=0.154V)を絶乾チップに対して0.05重量%になるように多硫化物蒸解液に添加し、109℃から170℃まで60分で昇温し、、最高温度を73分保持する条件で蒸解を行った。蒸解の結果を表1に示す。比較例1〜2に比べて、同一活性アルカリ添加率に対してカッパー価を減少させ、同一カッパー価におけるパルプ収率を増加させた。
《実施例2》
キノン化合物として、テトラヒドロアントラキノン(1、4−ジヒドロ−9,10−ジヒドロキシアントラセンジナトリウム、川崎化成工業株式会社製、商品名SAQ)(Ea=0.154V)を実施例1と同モル量になるように添加した以外は実施例1と同様にして蒸解を行った。蒸解の結果は表1に示す。実施例1と同様、比較例1〜2に比べて同一活性アルカリ添加率におけるカッパー価を減少させ、同一カッパー価におけるパルプ収率を増加させた。
《実施例3》
キノン化合物として、2−メチル−9,10−アントラキノン(Ea=0.154V)を実施例1と同モル量になるように添加した以外は実施例1と同様にして蒸解を行った。蒸解の結果は表1に示す。実施例1と同様、比較例1〜2に比べて同一活性アルカリ添加率におけるカッパー価を減少させ、同一カッパー価におけるパルプ収率を増加させた。
《実施例4》
キノン化合物として、9,10−アントラキノン−2−スルホン酸ナトリウム塩(Ea=0.187V)を実施例1と同モル量になるように添加した以外は実施例1と同様にして蒸解を行った。蒸解の結果は表1に示す。実施例1と同様、比較例1〜2に比べて同一活性アルカリ添加率におけるカッパー価を減少させ、同一カッパー価におけるパルプ収率を増加させた。
《実施例5》
キノン化合物として、1−ヒドロキシ−9,10−アントラキノン(Ea=0.125V)を実施例1と同モル量になるように添加した以外は実施例1と同様にして蒸解を行った。蒸解の結果は表1に示す。実施例1と同様、比較例1〜2に比べて同一活性アルカリ添加率におけるカッパー価を減少させ、同一カッパー価におけるパルプ収率を増加させた。
《実施例6》
キノン化合物として、9,10−アントラキノン−2,7−ジスルホン酸ジナトリウム塩(Ea=0.228V)を実施例1と同モル量になるように添加した以外は実施例1と同様にして蒸解を行った。蒸解の結果は表1に示す。実施例1と同様、比較例1〜2に比べて同一活性アルカリ添加率におけるカッパー価を減少させ、同一カッパー価におけるパルプ収率を増加させた。
<比較例1>
キノン化合物等を添加しなかった以外は実施例1と同様にして蒸解を行った。蒸解の結果は表1に示す。
<比較例2>
キノン化合物として、1,2−ジヒドロキシ−9,10−アントラキノン(Ea=0.107V)を実施例1と同モル量になるように添加した以外は実施例1と同様にして蒸解を行った。蒸解の結果は表1に示す。
《実施例7》
以下の条件で蒸解を行った。リグノセルロース材料としてブナチップ35g(絶乾として)を用いた以外は実施例1と同様にして蒸解を行った。キノン化合物としては、9,10−アントラキノン(Ea=0.154V)を絶乾チップに対して0.05重量%昇温前に多硫化物蒸解液に添加した。蒸解の結果は表2に示す。比較例3〜4に比べて同一活性アルカリ添加率におけるカッパー価を減少させ、同一カッパー価におけるパルプ収率を増加させた。
《実施例8》
キノン化合物として、テトラヒドロアントラキノン(1、4−ジヒドロ−9,10−ジヒドロキシアントラセンジナトリウム、川崎化成工業株式会社製商品名SAQ)(Ea=0.154V)を実施例7と同モル量になるように添加した以外は実施例7と同様にして蒸解を行った。蒸解の結果は表2に示す。実施例7と同様、比較例3〜4に比べて同一活性アルカリ添加率におけるカッパー価を減少させ、同一カッパー価におけるパルプ収率を増加させた。
《実施例9》
アルカリ添加率におけるカッパー価を減少させ、同一カッパー価におけるパルプ収率を増加させた。
《実施例10》
キノン化合物として、9,10−アントラキノン−2−スルホン酸(Ea=0.187V)を実施例7と同モル量になるように添加した以外は実施例7と同様にして蒸解を行った。蒸解の結果は表2に示す。実施例7と同様、比較例3〜4に比べて同一活性アルカリ添加率におけるカッパー価を減少させ、同一カッパー価におけるパルプ収率を増加させた。
《実施例11》
キノン化合物として、1−ヒドロキシ−9,10−アントラキノン(Ea=0.125V)を実施例7と同モル量になるように添加した以外は実施例7と同様にして蒸解を行った。蒸解の結果は表2に示す。実施例7と同様、比較例3〜4に比べて同一活性アルカリ添加率におけるカッパー価を減少させ、同一カッパー価におけるパルプ収率を増加させた。
《実施例12》
キノン化合物として、9,10−アントラキノン−2,7−ジスルホン酸ジナトリウム塩(Ea=0.228V)を実施例7と同モル量になるように添加した以外は実施例7と同様にして蒸解を行った。蒸解の結果は表2に示す。実施例7と同様、比較例3〜4に比べて同一活性アルカリ添加率におけるカッパー価を減少させ、同一カッパー価におけるパルプ収率を増加させた。
<比較例3>
キノン化合物等を添加しなかった以外は実施例7と同様にして蒸解を行った。蒸解の結果は表2に示す。
<比較例4>
キノン化合物として、1,2−ジヒドロキシ−9,10−アントラキノン(Ea=0.107V)を実施例7と同モル量になるように添加した以外は実施例7と同様にして蒸解を行った。蒸解の結果は表2に示す。
産業上の利用の可能性
本発明によれば、特定、特有の範囲内の標準酸化還元電位をもつキノン−ヒドロキノン化合物の存在下で、多硫化物を含むアルカリ性蒸解液を用いてパルプ化することにより、パルプ収率を一層向上させ、カッパー価とパルプ収率の関係を更に改善することができる。すなわち、同一活性アルカリ添加率におけるカッパー価を減少させ、かつ同一カッパー価におけるパルプ収率を向上させる上で優れた効果が得られるだけでなく、薬液使用量の削減効果、回収ボイラーの負荷低減効果が達成される。
Claims (5)
- リグノセルロース材料をキノン−ヒドロキノン化合物の存在下、多硫化物を含むアルカリ性蒸解液でパルプ化する多硫化物蒸解方法において、多硫化物を含むアルカリ性蒸解液が白液を酸化して得られる蒸解液であって、その多硫化硫黄濃度が8g/L以上であり、かつ、Na2S態硫黄濃度がNa2O換算で10g/L以上であって、キノン−ヒドロキノン化合物の蒸解時に存在する形態の酸化還元電位を水素イオン活量1の標準酸化還元電位(Ea)に換算した値が標準水素電極電位に対して0.12〜0.25Vであることを特徴とするパルプ蒸解方法。
- 上記のキノン−ヒドロキノン化合物の蒸解時に存在する形態の酸化還元電位水素をイオン活量1の標準酸化還元電位(Ea)に換算した値が標準水素電極電位に対して0.14〜0.20Vである請求項1に記載のパルプ蒸解方法。
- 上記多硫化物を含むアルカリ性蒸解液が白液の電気分解により製造される請求項1又は2に記載のパルプ蒸解方法。
- 蒸解時のアルカリ性蒸解液に絶乾チップ当り0.01〜1.5重量%のキノン−ヒドロキノン化合物を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のパルプ蒸解方法。
- 蒸解時における蒸解液の液比が絶乾チップに対して1.5〜5.0L/kgである請求項1〜4のいずれか1項に記載のパルプ蒸解方法。
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