JP4702881B2 - タイヤ加硫成型金型 - Google Patents

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本発明は、空気入りタイヤの製造装置に関し、特にコア加硫成型方法により加硫を行うときに、内型の破損、及び未加硫ゴムのはみ出しによるバリの発生を防止できるタイヤ加硫成型金型に関する。
寸法精度の高い空気入りタイヤを製造するための方法として、タイヤの内面形状を規定する剛体の内型(コア)に、タイヤ構成部材を順次貼り付け、製品タイヤの最終寸法に近い寸法を有するグリーンタイヤを形成した後に、そのグリーンタイヤを内型と共に外型内に配置し、内型の外面と外型の内面との間に形成されるキャビティに収容されたグリーンタイヤを所定の条件下で加硫成型を行う、所謂コア加硫成型方法がある。
このようなコア加硫成形法に用いる加硫金型は、外型及び内型とも金属材料(例えばアルミニウム基合金鋳物)で構成され、また、内型は加硫成形終了後にタイヤから取り外す必要があるため、一体型ではなく、ゴム素材に密着する本体部分を周方向に分割された8〜10個程度のセグメントで構成すると共に、その内径側に位置しこれらセグメントを一体に締結するための金属材料(例えば鉄基合金製)からなる締結リング部材を設けた構成を有するものが一般的である。さらに、内型の本体部分の内部構造は、通常は、加硫時に加圧・加熱媒体を封入又は循環させるため中空構造になっている。
このような内型を有する加硫金型を用いてタイヤを加硫成形する場合には、まず、内型を組み立てた後、その本体部分上にタイヤを構成する部材、例えばカーカスプライ、ベルト、トレッドゴムを順次貼付けてグリーンタイヤを形成し、次に、内型とその上に一体形成したグリーンタイヤとを下側外型内に配置し、その後、上側外型を下側外型に被せて金型を閉止し、その後、内型内に加圧・加熱媒体を封入又は循環させて加硫成形を行う方法が広く採用されている。
加硫成形終了後は、内型と一体化した加硫済みタイヤを外型から取り出し、このタイヤから、まず締結リング部材を取り外し、次に本体部分を構成するセグメントを1個ずつ抜き取って内型を分解し、これによって、加硫済みタイヤから内型を分離する。新たにグリーンタイヤを加硫成形する場合には、上述した加硫済みタイヤから内型を分離する手順とは逆の手順によって内型を再度組み立て、上述した手順を再度繰り返して行う。
しかしながら、このような内型を用いてグリーンタイヤの加硫を行うと、加硫時に内型が外型から過大な把持力を受けて破損したり、内型と外型との間から未加硫ゴムがはみ出してバリが発生したりすることがあった。
その理由は以下の通りである。内型及びグリーンタイヤを外型内に搬入するとき、内型の温度は例えば20℃程度の常温(これらが予熱されている場合は例えば100℃程度)であるのに対し、外型の温度は、その熱容量が大きいため、加硫時の温度(例えば170℃)より若干低い程度である。この状態で加硫金型を閉止することにより、内型の内端部に外型を当接させた後、加硫媒体を外型及び内型内に供給すると、内型は前述した搬入時の温度から加硫温度まで150℃或いは70℃程度上昇して大きく熱膨張するが、外型は殆ど温度が上昇せず熱膨張もしないため、内型の外面と外型の内面との間に形成されるキャビティが収縮する。しかも、大きな型締め力により金型の移動は強力に規制されているため、内型の外型との接触部に過大な把持力が作用して、内型が破損することがある。
前述のような過大な把持力を低減させるため、加硫金型を閉止したとき、内型の内端部と外型との間に、内型の熱膨張分よりもある程度狭い間隙を設けることが考えられるが、このようにすると、その間隙が内型の熱膨張により消失するまでの間、未加硫ゴムが間隙からはみ出してバリを生じさせてしまう。
そこで、このような問題を解決するため、コア加硫成型を行うときに、グリーンタイヤの両ビードトゥの近傍における内型の上、下面にそれぞれ形成され、前記ビードトゥに沿って延びる環状凹みの深さ方向に移動可能に挿入された環状の可動体を、各環状凹みに収納された付勢手段に対抗して、上、下金型によって押し込むことにより、加硫金型閉止時における内型と上、下金型との間の間隙を消失させるとともに、加硫時における内型の熱膨張を吸収するようにした加硫成型方法及び装置が提案された(特許文献1参照)。
特開2003−320534号公報
しかしながら、この加硫成型装置では、内型に環状の凹みが形成されており、かつその凹みに対応する環状の可動体が設けられているため、構成が複雑になる。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、その目的は、コア加硫成型方法による加硫成型を行うときに、内型の熱膨張を簡単な構造で吸収することにより、内型の破損、及び未加硫ゴムのはみ出しによるバリの発生を防止することである。
請求項1に係る発明は、タイヤの内面形状を規定する内型と、前記タイヤの外面形状を規定する外型とを備え、前記内型の外面と前記外型の内面との間のキャビティに配置されるグリーンタイヤを加硫成型するタイヤ加硫成型金型であって、前記内型の外面に設けられた伸縮自在な膜体を備え、前記内型は、周方向に分割された複数のセグメントと、該セグメントと内型の中心機構とを連結する半径方向に伸縮自在な連結部とを備え、前記連結部は前記キャビティ内の圧力が所定圧を越えたときに収縮することを特徴とするタイヤ加硫成型金型である。
請求項2に係る発明は、請求項1記載のタイヤ加硫成型金型において、前記所定圧は4乃至5MPaの範囲内であることを特徴とするタイヤ加硫成型金型である
(作用)
請求項1に係る発明によれば、内型の熱膨張により内型の外面と外型の内面との間のキャビティが縮小してキャビティ内の圧力が上昇すると、内型の外面に設けられた膜体が収縮することでキャビティが拡張されるので、キャビティ内の圧力の上昇が抑制される。また、内型の熱膨張により内型の外面と外型の内面との間のキャビティが収縮してキャビティ内の圧力が所定圧を越えると、連結部が短縮され内型が半径方向内側へ移動することでキャビティが拡張されるので、キャビティ内の圧力の上昇が抑制される。
請求項に係る発明によれば、内型の熱膨張により内型の外面と外型の内面との間のキャビティが収縮してキャビティ内の圧力が4乃至5MPaの範囲内の値を越えると、連結部が短縮され内型が半径方向内側へ移動することでキャビティが拡張されるので、キャビティ内の圧力の上昇が抑制される
本発明によれば、伸縮自在な膜体を内型の外面に設け、かつ、内型が、周方向に分割された複数のセグメントと、該セグメントと内型の中心機構とを連結する半径方向に伸縮自在な連結部とを備えるとともに、内型の外面と外型の内面との間のキャビティ内の圧力が所定圧を越えたときに連結部が収縮するように構成することにより、内型の破損、及び未加硫ゴムのはみ出しによるバリの発生を防止できる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態に係るタイヤ加硫成型装置の正面断面図、図2はその内型の平面図、図3は前記内型の一部分の平面断面図である。
図1に示すように、このタイヤ加硫成型装置21は、上金型29、下金型24及びトレッド金型33とを有する外型と、内型11とからなり、金型を閉止したときに外型の内面と内型の外面とにより画定されるキャビティ36にグリーンタイヤ18を配置し、加硫成型を行う。
内型11は、アルミニウムや鉄等の金属の剛体からなり、グリーンタイヤ18の内面形状を形成するための成型面が外面に形成されたドーナツ状の部材からなる。なお、内型11の詳細については後述する。
上金型29及び下金型24は、アルミニウムや鉄等の金属の剛体からなり、グリーンタイヤ18の赤道両側のサイドウォール部S及びビード部Bの外面形状を形成するための成型面が内面に形成されている。また、上金型29は、キャビティ36内へのグリーンタイヤ18の挿入、及び加硫済みタイヤの取出を可能にするために、型開き方向へ移動可能に構成されている。
トレッド金型33は、アルミニウムや鉄等の金属の剛体からなり、グリーンタイヤ18のトレッド部の外面形状を形成するための成型面が内面に形成されている。また、径方向内外へ移動可能な多数のセグメントで構成され、これらのセグメントにより全体が環状に構成されている。
また、この加硫成型装置21は下基台22を有し、この下基台22上には、加硫時に高温、高圧の加硫媒体が内部に供給される下プラテン23が固定され、下プラテン23上には前記下サイド金型部材24が取り付けられている。
さらに、下基台22の上方には、下面に下プラテン23と同様な上プラテン26が固定された上基台25が設置されている。上基台25は図示されていないピストン・シリンダ機構により昇降され、下基台22に接近・離隔する。上基台25の直下には図示されていないピストン・シリンダ機構のピストンロッド27の先端に連結された上プレート28が設置されている。上プレート28は前記ピストン・シリンダ機構の作動により、上基台25と別個に昇降可能である。上プレート28の下面には上金型29が固定されており、上プレート28と共に昇降することで下サイド金型部材24に接近・離隔する。
また、この加硫成型装置21は、上プレート28を半径方向外側から囲むように設置されたアウターリング30を備えており、このアウターリング30の上端は上基台25の半径方向外端部に固定されている。そして、このアウターリング30の内周面50aは下方に向かって拡開した傾斜面(円錐面の一部)を形成している。
さらに、アウターリング30の半径方向内側であり、かつトレッド金型33の半径方向外側には、周方向に並べられて配置された複数の弧状のセクターセグメント32が設置されている。これらのセクターセグメント32はその上端が上金型29より半径方向外側の上プレート28に半径方向に移動可能に支持されると共に、加硫時に内部に加硫媒体が供給される。また、各セクターセグメント32の内周面には前述したトレッド金型33が固定されている。
各セクターセグメント32の外周面32aには、アウターリング30の内周面30aと同一勾配の傾斜面(円錐面の一部)が形成され、これらの内周面30aと外周面32aとはあり溝継手によって連結されながら摺動可能に係合している。この結果、アウターリング30が上プレート28に対して昇降すると、セクターセグメント32、トレッド金型部材33は上プレート28に支持されながら前記内周面30aと外周面32aとの楔作用により半径方向に同期して移動する。ここで、セクターセグメント32とトレッド金型33とは全体としてセクター金型を構成する。
以上の構成において、グリーンタイヤ18が装着されている内型11を下金型24上に横置きで載置した後、上基台25を下降限まで下降させると共に、上プレート28を上プラテン26に当接させると、全てのセクター金型はアウターリング30に押されて半径方向内側限まで移動し、これにより隣接するセクター金型同士は密着して連続リング状を呈するようになる。このとき、下金型24、上金型29、及びセクター金型からなる外型は閉止し、内型11との間にグリーンタイヤ18を密閉収納するドーナツ状のキャビティ(加硫空間)36を形成する。
図2及び図3に示すように、内型11は複数個の弧状のコアセグメントを周方向に密着した状態で並べることにより組み立てられている。これらのコアセグメントは、芯材13の平面形状が扇形の扇形セグメント12aと、略台形状の山形セグメント12bとの2種類のセグメントからなり、これらが周方向に交互に配置されている。
各コアセグメントの内部には周方向に延びる貫通室15が形成され、これらの貫通室15はコアセグメントの周方向両端において開口している。ここで、コアセグメントが前述のように周方向に密着した状態で組み立てられていると、全ての貫通室15はリング状に連通し、内型11の内部に加硫媒体が供給される連続リング状の加硫媒体室を構成する。
また、図1及び図3に示すように、各コアセグメントの外表面には、耐熱性を有し、かつ伸縮性のある、例えば合成ゴム、ポリエチレンテレフタレート等からなる弾性体薄膜14が貼付けられている。この弾性体薄膜14は、加硫成型時に、内型11の熱膨張により、外型との間に形成されているキャビティ36が収縮してその内部の圧力が上昇すると、その圧力により半径方向内側へ押されることで収縮するため、キャビティ36が拡張し、内部の圧力の上昇を抑制する機能を有している。
以上の構成を有する加硫成型装置を用いて空気入りタイヤを製造する手順について説明する。まず、ドーナツ状に組み立てた内型11をその軸線回りに回転させながら、その外側に前述したタイヤ構成部材(未加硫ゴムリボン、ワイヤ、コード等)を次々と供給して貼付け、インナーライナー、カーカス、ビードコア、ベルト、サイドトレッド、トップトレッド等からなるグリーンタイヤ18を成形する。
次に、グリーンタイヤ18が外側に装着されている内型11を搬送装置(図示せず)によって外型内に搬入する。このとき、内型11及びグリーンタイヤ18は前述のように常温または予熱温度まで加熱されているが、いずれの場合も比較的低温であり、一方、下金型24、上金型29及びセクター金型は加硫成型装置21の熱容量が大きいため、加硫温度に近い高温となっている。その後、搬入した内型11及びグリーンタイヤ18を開放されている下金型24上に横置きで載置する。
次いで、上プラテン26と上プレート28との間に所定の間隙が存在する状態で、上基台25及び上プレート28を一体的に下降させる。そして、セクターセグメント32が下基台22の上面に当接すると共に、上金型29がグリーンタイヤ18に当接すると、上プレート28の下降を停止させる。上プレート28の下降を停止させた後も継続して上基台25のみを下降させるが、このとき、ピストン・シリンダ機構のピストンロッド27が引っ込むことで上基台25は上プレート28に接近する。このように、上基台25が上プレート28に接近すると、アウターリング30の内周面30aと、セクターセグメント32の外周面32aとの楔作用によりセクター金型を半径方向内側に同期移動させる。
上基台25が下降限まで下降すると、セクター金型は半径方向内側限まで移動して加硫金型が閉止し、キャビティ36内にグリーンタイヤ18が密閉収納される。次に、上基台25に大きな型締め力を付与した後、下プラテン23、上プラテン26、セクターセグメント32及び加硫媒体室に高温、高圧の加硫媒体を供給して、グリーンタイヤ18を加硫成型する。
このような加硫成型時、常温または予熱温度であった内型11は加硫媒体により加熱されることで、加硫温度まで温度が上昇し熱膨張する。また、キャビティ36内に密閉収納されたグリーンタイヤ18も加硫温度までの温度上昇により大きく熱膨張し、体積が増大する。この結果、キャビティ36の容積が縮小し、キャビティ36内の圧力が上昇するが、その圧力の上昇により、弾性体薄膜14が半径方向内側へ押されることで内型11が収縮するため、キャビティ36が拡張し、キャビティ36内の圧力の上昇を抑制する。このため、内型の破損、及び未加硫ゴムのはみ出しによるバリの発生を防止できる。
グリーンタイヤ18の加硫が終了し、加硫済タイヤとなると、前述と逆の動作により加硫金型を開放した後、加硫済タイヤが装着されている内型11を搬送装置により作業位置まで搬送する。そして、この作業位置においてコアセグメントを分解して加硫済タイヤ内から順次取り出す。
このように、本実施形態に係る加硫成型装置によれば、内型11の外面に弾性体薄膜14を装着しただけの単純な構成により、内型11の熱膨張によるキャビティ36内の圧力の上昇を抑制できるので、内型11の破損、及び未加硫ゴムのはみ出しによるバリの発生を防止できる。
[第2の実施形態]
図4は本発明の第2の実施形態に係る加硫成型装置の正面断面図、図5はその内型の平面図、図6は前記内型の正面拡大断面図、図7は前記内型の伸縮部の平面断面図である。これらの図において、第1の実施形態と同一又は対応の構成要素には第1の実施形態で使用した符号を付した。
本実施形態は内型の構成以外は第1の実施形態と同じであるから、内型を中心に説明する。図5に示すように、内型41は弧状の複数個のコアセグメントを周方向に密着した状態で並べることにより組み立てられている。これらのコアセグメントは、芯材(図示せず)の平面形状が扇形の扇形セグメント42aと、矩形状の矩形セグメント42bとの2種類のセグメントからなり、これらが周方向に交互に配置されている。各扇形セグメント42aの内周面には軸方向に延びるスリット43が形成されている。また、図4及び6に示すように、各コアセグメントの外表面には、第1の実施形態と同様、弾性体薄膜14が貼付けられている。
各コアセグメントの内部には周方向に延びる貫通室46が形成され、これらの貫通室46はコアセグメントの周方向両端において開口している。ここで、コアセグメントが前述のように周方向に密着した状態で組み立てられていると、全ての貫通室46はリング状に連通し、内型41の内部に加硫媒体が供給される連続リング状の加硫媒体室を構成する。
内型41の半径方向の端には、その内径が内型41の外径と実質上同径である略円筒状のスリーブ52が配置されている。このスリーブ52の軸方向一端部外周にはフランジ53が形成されている。また、スリーブ52の半径方向外側には、一側リング体54が軸方向に移動可能に嵌合されており、この一側リング体54の半径方向内端部でその軸方向一側面には周方向に延びる環状溝55が形成されている。さらに、一側リング体54の半径方向外端部でその軸方向他端面には環状突起56が形成されている。
スリーブ52のフランジ53と一側リング体54との間には、一側リング体54を軸方向他端側に向けて付勢するスプリング57が設けられている。また、スプリング57の軸方向他端側は一側リング体54の環状凹み55に挿入されている。さらに、一側リング体54は環状突起56が一側環状溝48に挿入されることで、内型41の一側内端部に係止される。
スリーブ52の軸方向他端部外周側には、リング状をした複数(ここではスリット43と同数)の弧状突起61が、周方向に等距離間隔で配置されている。弧状突起61の半径方向外側には他側リング体62が設けられている。この他側リング体62の半径方向外端部の軸方向一端面には環状突起63が形成されていると共に、その内周には周方向に離れた複数(ここでは弧状突起61と同数)の軸方向に延びる弧状スリット64が形成されている。ここで、他側リング体62は環状突起63が他側環状溝48に挿入されることで、内型53の他側内端部に係止される。
このようなスリーブ52、一側リング体54、及び他側リング体62を用いて内型41を構成するコアセグメントを締結する楊合には、内型41に一側リング体54及び他側リング体62を係止させた後、弧状突起61をスリット43及び弧状スリット64に重ね合わせた状態で内型41内にスリーブ52を軸方向一側から挿入する。スリーブ52の挿入は弧状突起61が他側リング体62の他側まで突き抜けたところで停止するが、このとき、スプリング57はフランジ53と一側リング体54との間において圧縮される。その後、スリーブ42を所定角度だけ回転させ、弧状突起61を弧状スリット64間の他側リング体62に重ね合わせる。
この状態でスリーブ52に対する外力の付与を終了すると、スプリング57の付勢力により弧状突起61が他側リング体62の半経方向内端部に押付けられ、コアセグメント同士が締結される。スリーブ52、一側リング体54、他側リング体62、及びスプリング57は全体として、コアセグメントを諦結することでドーナツ状の内型41を形成するための略円筒状の締結体65を構成する。そして、このように内型41が形成されたとき、矩形セグメント42bに形成されている弧状溝47の半径方向外端と一側リング体44、他側リング体52の半径方向外端面との問には若干の問隙58が形成される。
ここで、前述した締結体65の外周部、詳しくはスリーブ52の外周部には少なくとも1個(ここでは矩形セグメント42bと同数)の矩形状の弧状凹み68が周方向に等距離離れて形成されており、これらの弧状凹み58は、内型41内にスリーブ52が挿入されたとき、スリーブ52(内型41)と相対回転させることで、各矩形セグメント42bの内周面と対向するようその回転方向位置が調節される。
各弧状凹み68には弧状凹み68と実質上同一形状である弧状カバー69が凹みの深さ方向に移動可能に挿入されている。また、弧状カバー69の外表面はスリーブ52の外周と同一曲率で湾曲している。さらに、弧状カバー69と弧状凹み68の底面との間には弾性体としての複数の皿ばね70がそれぞれ設けられている。つまり、各弧状凹み68内には、弧状カバー69を半径方向外側に向けて付勢する複数の皿ばね70が収納されている。
ここで、弧状凹み68の入口部でその幅方向両側面には幅方向中央に向かって突出する突出部68aが形成されているため、前述のように弧状カバー69が皿ばね70によって半径方向外側に押し出されると、弧状カバー69はこれら突出郎68aに当接する。このとき、弧状カバー69の外表面はスリーブ52の外周面と半径方向の同位置となり、スリーブ52の外周面からの突出が防止される。そして、前述のように弧状カバー69が突出部68aに当接しているとき、内型41を構成する矩形セグメント42bの内周面と弧状カバー69の外表面とは重なり合いながら密着している。
このとき、皿ばね70はある程度圧縮された状態で弧状凹み68内に収納されているため、弧状カバー69は皿ばね70の弾力によって所定値の押付け力で突出部68aに押付けられている。このため、弧状カバー69に対して所定値以下の半径方向内側に向かう押込み力が作用しているときには、弧状カバー69が半径方向内側へ移動することはないが、その押込み力が所定値を越えると、弧状カバー69は皿ばね70の弾力に抗して半径方向内側へ移動する。
即ち、内型41及び外型に加硫媒体が供給されてグリーンタイヤ18の加硫が開始されると、内型41及びグリーンタイヤ18の温度が上昇してキャビティ36内の圧力が上昇するが、このキャビティ36内の圧力が所定圧以下のときには、矩形セグメント42bを介して弧状カバー69に付与される押込み力は所定値以下であるため、矩形セグメント42bは、皿ばね70の弾力により、内型41として組み上げられたときの初期位置を保持する。
一方、キャビティ36内の圧力か所定圧を超えると、弧状カバー69に付与される押込み力が所定値を超えるため、矩形セグメント42b及び弧状カバー69は皿ばね70の弾力に打ち勝って、半径方向内側へ移動し、弧状凹み68内に押し込まれる。このとき、前述のように矩形セグメント42bの弧状溝47と一側リング体54、他側リング体62との間には若干の間隙58が形成されているため、矩形セグメント42bの半径方向内側への移動は一側リング体44、他側リング体52によって規制されることはない。
ここで、前述の所定圧は、4〜5MPaの範囲内のいずれかの圧力とすることが好ましい。その理由は、所定圧が4MPa未満であると、グリーンタイヤ18内のコードヘのゴムの接着が確実に行われないおそれがあり、一方、5MPaを超えると、キャビティ36内の圧力が高過ぎて未加硫ゴムがはみ出すおそれがあるが、4〜5MPaの範囲内のいずれかの圧力とすれば、前述したようなグリーンタイヤ18内のコードヘのゴムの接着を確実にしつつ、未加硫ゴムのはみ出しを効果的に防止できるからである。
また、弾性体を締結体65の外周部(ここでは弧状カバー69と弧状凹み68の底面との間)に設けた複数の皿ばね70から構成することで、装置を小型、かつ構造簡単にすることができる。弧状カバー69及び皿ばね70は全体として、少なくとも1個(ここでは全て)の矩形セグメント42bの内周面と重なり合う保持手段71を構戒し、この保持手段71は加硫中にキャビティ36内の圧力が所定圧を超えたとき、少なくとも1個(ここでは全て)の矩形セグメント42bが半径方向内側へ移動するのを許容する。そして、このように保持手段71を弧状カバー69及び皿ばね70から構成すれば、制作費が安価になる。なお、前述した弾性体として、皿ばねに代えてスプリング、板ばね、ゴムブロック等を用いてもよい。
以上の構成を有する加硫成型装置を用いて空気入りタイヤを製造する手順は第1の実施形態と同様である。また、内型41の温度が熱膨張してキャビティ36の容積が縮小し、キャビティ36内の圧力が上昇すると、その圧力により弾性体薄膜14が半径方向内側へ押されることで収縮することによりキャビティ36が拡張され、キャビティ36内の圧力の上昇を抑制することも第1の実施形態と同じである。
さらに、本実施形態では、キャビティ36内の圧力が上昇して所定圧を超えると、キャビティ36内の圧力によって矩形セグメント42bが半径方向内側に押込まれる力が保持手段71の皿ばね70の弾力を上回り、少なくとも1個のコアセグメント(ここでは全ての矩形セグメント42b、弧状カバー69)が皿ばね70を圧縮しながら半径方向内側に移動する。
この結果、キャビティ36の容積が増大し、キャビティ36内の圧力が所定圧まで低下する。そして、このような動作はキャビティ36内の圧力が所定圧を超える毎に行われ、これにより、キャビティ36内の圧力は以後、ほぼ所定圧に保持され、過度な圧力上昇が防止される。この結果、加硫中に内型41と外型との間、或いは、外型を構成する下金型24、上金型29、及びセクター金型(トレッド金型33及びセクターセグメント32)間に間隙を生じることがない。このため、未加硫ゴムのはみ出しがなくなることで、バリの発生が防止される。
ここで、コアセグメントを周方向両端面が互いに平行である矩形セグメント42bと扇形セグメント42aとの2種類のセグメントから構成したので、矩形セグメント42bが半径方向内側に移動しても、隣接する矩形セグメント42b、扇形セグメント42a間に間瞭が生じることはない。これにより、加硫媒体の漏洩を防止できる。
また、1個の矩形セグメント42bのみが半径方向内側に移動すると、その移動量が多くなってしまうが、本実施形態では、全ての矩形セグメント42bを同期させて半径方向内側へ移動させるので、各矩形セグメント42bの半径方向内側への移動量が分散されて少なくなり、これによりグリーンタイヤ18内のコードの変形量を小さくすることができる。
このように本実施形態では、内型41の熱膨張等に起因するキャビティ36内の圧力の上昇を弾性体薄膜14の収縮により抑制すると共に、キャビティ36内の圧力が所定圧を越えたときは内型コア41を構成するセグメントを半径方向内側へ移動させ、キャビティ36の容積を拡張することによりキャビティ36内の圧力を所定圧に低下させるので、より正確かつ確実にキャビティ36内の圧力の上昇を抑制し、内型41の破損、及び未加硫ゴムのはみ出しによるバリの発生を防止できる。
なお、以上説明した第2の実施形態では、皿ばね70の弾力により所定圧(4〜5MPa)を設定しているが、ピストン・シリンダ機構を用いて設定することもできる。図8はその構成例である。なお、この図において図6と同一の構成要素には図6で使用した符号を付した。
この構成例においては、保持手段を締結体65(スリーブ52)に取り付けられた半径方向に延びるピストン・シリンダ機構75により構成すると共に、ピストン・シリンダ機構75のピスンロッド76がストロークエンドまで突出しているとき、ピストンロッド76の先端部を弧状凹み68の底面から半径方向外側に向けて、弧状凹み68の深さと同一量だけ突出させる。これにより、ストロークエンドまで突出しているピストンロッド76の先端は、初期位置における矩形セグメント42bの内周面に当接することになる。
この構成例では、キャビティ36内の圧力が所定圧を超えたとき、ピストンロッド66が矩形セグメント42bに押されてシリンダ内に引っ込むことで、矩形セグメント42bの半径方向内側への移動を許容している。このように、保持手段をピストン・シリンダ機構75で構成すると、ピストン・シリンダ機構75への供給圧を調節することにより、前記所定圧を容易に変更することができる。
なお、以上説明した各実施形態は、本発明を下金型、上金型、及びセクター金型を備えた加硫成型金型に適用したものであるが、本発明は下金型、上金型の2分割金型に適用することもできる。また、第1の実施形態においては、保持手段を弧状カバー69および弾性体としての皿ばね70から構成したが、弧状凹みに固定した弾性体のみから構成してもよい。また、第1の実施形態においては、弾性体としての皿ばね70を締結体65の外周部に設けたが、弾性体を内型41の内周面に設けてもよい。さらに、間隙58に弾性体を介装してもよい。
本発明の第1の実施形態に係るタイヤ加硫成型装置の正面断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るタイヤ加硫成型装置の内型の平面図である。 本発明の第1の実施形態に係るタイヤ加硫成型装置の内型の一部分の平面断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る加硫成型装置の正面断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る加硫成型装置の内型の平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る加硫成型装置の内型の正面拡大断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る加硫成型装置の内型の伸縮部の平面断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る加硫成型装置の内型の変形例の平面図である。
符号の説明
11、41・・・内型、14・・・弾性体薄膜、18・・・グリーンタイヤ、24・・・下金型、29・・・上金型、33・・・トレッド金型、36・・・キャビティ、70・・・皿ばね、75・・・ピストン・シリンダ機構。

Claims (2)

  1. タイヤの内面形状を規定する内型と、前記タイヤの外面形状を規定する外型とを備え、前記内型の外面と前記外型の内面との間のキャビティに配置されるグリーンタイヤを加硫成型するタイヤ加硫成型金型であって、
    前記内型の外面に設けられた伸縮自在な膜体を備え、前記内型は、周方向に分割された複数のセグメントと、該セグメントと内型の中心機構とを連結する半径方向に伸縮自在な連結部とを備え、前記連結部は前記キャビティ内の圧力が所定圧を越えたときに収縮することを特徴とするタイヤ加硫成型金型。
  2. 請求項1記載のタイヤ加硫成型金型において、
    前記所定圧は4乃至5MPaの範囲内であることを特徴とするタイヤ加硫成型金型。
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