JP2006297605A - 空気入りタイヤの製造方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 加硫中に加硫空間41内の圧力が過度に上昇し、剛体コア33と加硫金型40との間等から未加硫ゴムがはみ出てバリが発生する事態を防止する。
【解決手段】 加硫空間41内の圧力が所定圧を超えると、矩形セグメント34bが皿ばね60の弾性力に対抗して半径方向内側に移動することで、加硫空間41の容積が増大し、これにより、加硫空間41内の過度な圧力上昇が防止される。この結果、加硫中に剛体コア33と加硫金型40との間等から未加硫ゴムがはみ出るようなことがなくなり、バリの発生を防止することができる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、剛体コアを用いて空気入りタイヤを製造する空気入りタイヤの製造方法および装置に関する。
従来の空気入りタイヤの製造方法・装置としては、例えば以下の特許文献1に記載されているようなものが知られている。
特公平6−28863号公報
このものは、周方向に密着状態で並べて配置された複数個のコアセグメントを締結することで形成されるドーナツ状の剛体コアと、閉止したとき、前記剛体コアとの間に未加硫タイヤが密閉収納される加硫空間を形成する加硫金型とを備え、前記剛体コア、加硫金型に加硫媒体を供給して未加硫タイヤを加硫した後、前記コアセグメントを半径方向内側に移動させて、加硫済みタイヤ内から取り出すようにしたものである。
しかしながら、このような従来の空気入りタイヤの製造方法・装置にあっては、タイヤの加硫時に剛体コアと加硫金型との間あるいは加硫金型を構成する金型間に間隙が生じ、これにより、これらの間に未加硫ゴムがはみ出してバリが発生することがあるという課題があった。その理由は、以下の通りである。即ち、剛体コア、未加硫タイヤを加硫金型内に搬入するとき、該剛体コア、未加硫タイヤの温度は常温、例えば20度C程度あるいは、これらが予熱されているときには、例えば 100度C程度であるが、加硫金型の温度は、その熱容量が大きいため、加硫時の温度、例えば 170度Cより若干低い温度である。
この状態で加硫金型を閉止して、加硫媒体を加硫金型、剛体コア内に供給すると、剛体コアは前述した搬入時の温度から加硫温度まで温度が 150度Cあるいは70度C程度上昇して大きく熱膨張するが、加硫金型は殆ど温度が上昇しない(熱膨張しない)ので、前記加硫空間の容積が減少する一方、加硫空間に密閉収納された未加硫タイヤ自身は加硫温度までの温度上昇により大きく熱膨張するので、加硫空間内のタイヤ体積は増大することとなる。この結果、加硫空間内の圧力が過度に上昇し、剛体コアと加硫金型との間あるいは加硫金型を構成する金型間に間隙が発生してしまうのである。
この発明は、加硫中に未加硫ゴムがはみ出してバリが発生する事態を防止することができる空気入りタイヤの製造方法および装置を提供することを目的とする。
このような目的は、第1に、複数個のコアセグメントを周方向に密着状態で並べて配置するとともに、これらコアセグメントを略円筒状の締結体により締結してドーナツ状の剛体コアを形成する工程と、加硫金型を閉止して剛体コアを周囲から囲むことで、これらの間に未加硫タイヤが密閉収納された加硫空間を形成する工程と、前記加硫金型、剛体コア内に加硫媒体を供給して未加硫タイヤを加硫する工程とを備えた空気入りタイヤの製造方法において、加硫中に前記加硫空間内の圧力が所定圧を超えたとき、少なくとも1個のコアセグメントが半径方向内側に移動することで、前記加硫空間の容積を増大させるようにした空気入りタイヤの製造方法により、達成することができ、
第2に、周方向に密着状態で並べて配置された複数個のコアセグメントと、前記コアセグメントを締結することでドーナツ状の剛体コアを形成する略円筒状の締結体と、閉止したとき、前記剛体コアとの間に未加硫タイヤが密閉収納される加硫空間を形成する加硫金型とを備えた空気入りタイヤの製造装置において、加硫中に前記加硫空間内の圧力が所定圧を超えたとき、少なくとも1個のコアセグメントが半径方向内側に移動するのを許容する保持手段を設け、前記コアセグメントの半径方向内側への移動により加硫空間の容積を増大させるようにした空気入りタイヤの製造装置により、達成することができる。
前述したように加硫金型の閉止後、加硫媒体を加硫金型、剛体コア内に供給すると、加硫空間の容積が減少する一方、加硫空間内のタイヤ体積は増大するので、加硫空間内の圧力が大幅に上昇するが、請求項1、3に係る発明においては、この加硫空間内の圧力が所定圧を超えたとき、少なくとも1個のコアセグメントが半径方向内側に移動することで、前記加硫空間の容積を増大させるようにしたので、加硫空間内の圧力はほぼ所定圧に保持されて過度な圧力上昇が防止され、この結果、加硫中に未加硫ゴムがはみ出すようなことがなくなって、バリの発生が防止される。
また、請求項2に係る発明の場合には、コードへのゴムの接着を確実としながら、未加硫ゴムのはみ出しを効果的に防止することができる。
さらに、請求項4に記載のように構成すれば、矩形セグメントが半径方向内側に移動しても、隣接する矩形、扇形セグメント間に間隙が生じることはなくなり、これにより、加硫媒体が漏洩する事態を防止することができる。
1個の矩形セグメントのみが半径方向内側に移動すると、その移動量が多くなってしまうが、請求項5に記載のように構成すれば、各矩形セグメントの半径方向内側への移動量が分散されて少なくなり、この結果、未加硫タイヤ内のコードの変形量が小さくなる。
さらに、請求項6に記載のように構成すれば、制作費を安価とすることができ、また、請求項7に記載のように構成すれば、構造簡単で小型化することができる。
さらに、請求項8に記載のように構成すれば、構造簡単でありながら必要に応じて所定圧を容易に変更することができる。
以下、この発明の実施例1を図面に基づいて説明する。
図1、2、3、4において、11は加硫装置であり、この加硫装置11は下基台12を有し、この下基台12上には加硫時に高温、高圧の加硫媒体が内部に供給される下プラテン13が固定され、また、この下プラテン13上には未加硫タイヤの下側サイドウォール部Sおよび下側ビード部Bを型付けする下金型15が取り付けられている。
18は下基台12の上方に設置され、下面に前記下プラテン13と同様の上プラテン19が固定された上基台であり、この上基台18は図示していないシリンダにより昇降され、前記下基台12に接近離隔する。この上基台18の直下には図示していないシリンダのピストンロッド20の先端に連結された上プレート21が設置され、この上プレート21は前記シリンダの作動により、上基台18と別個に昇降することができる。
25は上プレート21の下面に固定され、該上プレート21と共に昇降することで下金型15に接近離隔する上金型であり、この上金型25は、加硫時に、未加硫タイヤの上側サイドウォール部Sおよび上側ビード部Bを型付けする。26は前記上プレート21を半径方向外側から囲むよう設置されたアウターリングであり、このアウターリング26の上端は前記上基台18の半径方向外端部に固定されている。そして、このアウターリング26の内周26aは下方に向かって拡開した傾斜面(円錐面の一部)となっている。
27は周方向に並べられて配置された複数の弧状をしたセクターセグメントであり、これらのセクターセグメント27はその上端が上金型25より半径方向外側の上プレート21に半径方向に移動可能に支持されるとともに、加硫時に内部に加硫媒体が供給される。また、各セクターセグメント27の内周には弧状のセクターモールド28が取り付けられ、これらセクターモールド28は、加硫時に、未加硫タイヤのトレッド部Tを型付けする。
各セクターセグメント27の外周27aには前記アウターリング26の内周26aと同一勾配の傾斜面(円錐面の一部)が形成され、これらの内周26aと外周27aとはあり継手によって連結されながら摺動可能に係合している。この結果、前記アウターリング26が上プレート21に対して昇降すると、セクターセグメント27、セクターモールド28は上プレート21に支持されながら前記内、外周26a、27aの楔作用により半径方向に同期して移動する。前述したセクターセグメント27、セクターモールド28は全体としてセクター金型29を構成する。
33は全体としてドーナツ状を呈する金属製の剛体コアであり、この剛体コア33は半径方向外側部の外表面が加硫済み空気入りタイヤ(製品タイヤ)の内表面と同一形状を呈している。この剛体コア33は弧状をした複数個、ここでは10個のコアセグメント34を周方向に密着状態で並べて配置するとともに、これらコアセグメント34を後述する締結体により締結することで形成される。そして、これらコアセグメント34は、平面形状が扇形をした扇形セグメント34aと、周方向両端面が互いに平行な矩形セグメント34bとの2種類のセグメントから構成され、これら扇形、矩形セグメント34a、34bは周方向に交互に配置されるとともに、各扇形セグメント34aの内周面には軸方向に延びるスリット32が形成されている。
各コアセグメント34の内部には周方向に延びる貫通室35が形成され、これらの貫通室35は該コアセグメント34の周方向両端において開口している。ここで、コアセグメント34が前述のように周方向に密着した状態で組み立てられていると、全ての貫通室35はリング状に連通し、剛体コア33の内部に加硫媒体が供給される連続リング状の加硫媒体室36を構成する。各コアセグメント34の半径方向内端部でその軸方向両側面には円周方向に延びる弧状溝37がそれぞれ形成されており、これらの弧状溝37は、剛体コア33が形成されたとき、連続して剛体コア33の軸方向両側面にそれぞれ環状溝38を構成する。
39は前記剛体コア33の外側に装着されている未加硫タイヤであり、この未加硫タイヤ39は、例えば、剛体コア33の周囲にゴム引きコードを編み上げ、その後、該ゴム引きコード層(カーカス層)の半径方向外側に螺旋状にゴム引きコードを巻き付けてベルト層を構成し、さらに、カーカス層、ベルト層の外側に帯状の生ゴム(トレッドゴム)を巻き付けて成形することができる。
そして、未加硫タイヤ39が装着されている剛体コア33を下金型15上に横置きで載置した後、上基台18を下降限まで下降させるとともに、上プレート21を上プラテン19に当接させると、全てのセクター金型29はアウターリング26に押されて半径方向内側限まで移動し、これにより、隣接するセクター金型29同士は密着して連続リング状を呈するようになる。
このとき、下、上プラテン13、19、下、上金型15、25およびセクター金型29からなる加硫金型40は閉止し、剛体コア33との間に未加硫タイヤ39を密閉収納するドーナツ状の加硫空間41を形成する。このようにして加硫空間41に密閉収納された未加硫タイヤ39は、加硫金型40、剛体コア33内に高温、高圧の加硫媒体が供給されることで、下、上金型15、25、セクター金型29および剛体コア33に囲まれながら加硫される。
42は前記剛体コア33の内径と外径が実質上同径である略円筒状のスリーブであり、このスリーブ42の軸方向一端部外周にはフランジ43が形成されている。44は前記スリーブ42の外側に嵌合された軸方向に移動可能な一側リング体であり、この一側リング体44の半径方向内端部でその軸方向一側面には周方向に延びる環状凹み45が形成され、また、この一側リング体44の半径方向外端部でその軸方向他端面には環状突起46が形成されている。
47は一側リング体44を軸方向他側に向かって付勢するスプリングであり、このスプリング47はスリーブ42のフランジ43と一側リング体44との間に設けられているとともに、その軸方向他側部は一側リング体44の環状凹み45に挿入されている。そして、前記一側リング体44は環状突起46が一側環状溝38に挿入されることで、剛体コア33の一側内端部に係止される。
51はスリーブ42の軸方向他端部外周に形成された複数、ここでは前記スリット32と同数の弧状突起であり、これらの弧状突起51は周方向に等距離離れて配置されている。52は略リング状をした他側リング体であり、この他側リング体52の半径方向外端部の軸方向一端面には環状突起53が形成されているとともに、その内周には周方向に離れた複数、ここでは前記弧状突起51と同数の軸方向に延びる弧状スリット54が形成されている。ここで、前記他側リング体52は環状突起53が他側環状溝38に挿入されることで、剛体コア33の他側内端部に係止される。
そして、このようなスリーブ42、一側、他側リング体44、52を用いて剛体コア33を構成するコアセグメント34を締結する場合には、剛体コア33に一側リング体44および他側リング体52を係止させた後、弧状突起51をスリット32、弧状スリット54に重なり合わせた状態で剛体コア33内にスリーブ42を軸方向一側から挿入する。そして、このようなスリーブ42の挿入は、弧状突起51が他側リング体52の他側まで突き抜けたとき、停止するが、このとき、スプリング47はフランジ43と一側リング体44との間において圧縮される。その後、スリーブ42を所定角度だけ回転させ、前記弧状突起51を弧状スリット54間の他側リング体52に重なり合わせる。
この状態でスリーブ42に対する外力付与を終了すると、スプリング47の付勢力により弧状突起51が他側リング体52の半径方向内端部に押し付けられ、コアセグメント34同士の締結が行われる。前述したスリーブ42、一側、他側リング体44、52およびスプリング47は全体として、コアセグメント34を締結することでドーナツ状の剛体コア33を形成する略円筒状の締結体55を構成する。そして、このように剛体コア33が形成されたとき、矩形セグメント34bに形成されている弧状溝37の半径方向外端と一側、他側リング体44、52の半径方向外端面との間には若干の間隙48が設けられる。
ここで、前述した締結体55の外周部、詳しくはスリーブ42の外周部には少なくとも1個、ここでは矩形セグメント34bと同数の矩形状をした弧状凹み58が周方向に等距離離れて形成されており、これらの弧状凹み58は、剛体コア33内にスリーブ42が挿入されたとき、該スリーブ42(剛体コア33)と相対回転させることで、各矩形セグメント34bの内周面と対向するようその回転方向位置が調節される。
前記弧状凹み58にはそれぞれこれら弧状凹み58と実質上同一形状である弧状カバー59が深さ方向に移動可能に挿入されているが、これら弧状カバー59の外表面はスリーブ42の外周と同一曲率で湾曲している。また、前記弧状カバー59と弧状凹み58の底面との間には弾性体としての複数の皿ばね60がそれぞれ設けられており、この結果、各弧状凹み58内には、弧状カバー59を半径方向外側に向かって付勢する複数の皿ばね60が収納されていることになる。
ここで、前記弧状凹み58の入り口部でその幅方向両側面には幅方向中央に向かって突出する突出部58aが形成されているため、前述のように弧状カバー59が皿ばね60によって半径方向外側に押し出されると、該弧状カバー59はこれら突出部58aに当接するが、このとき、弧状カバー59の外表面はスリーブ42の外周面と面一となり、スリーブ42の外周面から突出するのが防止される。そして、前述のように弧状カバー59が突出部58aに当接しているとき、剛体コア33を構成する矩形セグメント34bの内周面と弧状カバー59の外表面とは重なり合いながら密着している。
ここで、前記皿ばね60はある程度圧縮された状態で弧状凹み58内に収納されているため、弧状カバー59は皿ばね60の弾性力によって所定値の押付け力で突出部58aに押付けられている。この結果、これら弧状カバー59は、該弧状カバー59に対して所定値以下の半径方向内側に向かう押込み力が作用しているときには、半径方向内側へ移動することはないが、弧状カバー59に対して所定値を超えた半径方向内側に向かう押込み力が作用すると、皿ばね60の弾性力に対抗して半径方向内側に移動する。
即ち、前述のように剛体コア33、加硫金型40に加硫媒体が供給されて未加硫タイヤ39の加硫が開始されると、剛体コア33、未加硫タイヤ39の温度が上昇して加硫空間41内の圧力が上昇するが、この加硫空間41内の圧力が所定圧以下のときには、矩形セグメント34bを介して弧状カバー59に付与される押込み力は所定値以下であるため、矩形セグメント34bは皿ばね60の弾性力により剛体コア33として組み上げられたときの初期位置を保持する。
一方、加硫空間41内の圧力が所定圧を超えると、弧状カバー59に付与される押込み力が所定値を超えるため、矩形セグメント34b、弧状カバー59は皿ばね60の弾性力に打ち勝って、半径方向内側に移動し弧状凹み58内に押し込まれる。このとき、前述のように矩形セグメント34bの弧状溝37と一側、他側リング体44、52との間には若干の間隙48が形成されているため、矩形セグメント34bの半径方向内側への移動は一側、他側リング体44、52によって規制されることはない。
ここで、前述の所定圧は、4〜5MPaの範囲内のいずれかの圧力とすることが好ましい。その理由は、所定圧が4MPa未満であると、未加硫タイヤ39内のコードへのゴムの接着が確実に行われていないおそれがあり、一方、5MPaを超えると、加硫空間41内の圧力が高過ぎて未加硫ゴムのはみ出しが生じるおそれがあるが、所定圧を4〜5MPaの範囲内のいずれかの圧力とすれば、前述したような未加硫タイヤ39内のコードへのゴムの接着を確実としながら、未加硫ゴムのはみ出しを効果的に防止することができるからである。
また、前述のように弾性体を締結体55の外周部、ここでは弧状カバー59と弧状凹み58の底面との間に設けた複数の皿ばね60から構成すれば、装置を小型で、かつ、構造簡単とすることができる。前述した弧状カバー59、皿ばね60は全体として、少なくとも1個、ここでは全ての矩形セグメント34bの内周面と重なり合う保持手段61を構成し、この保持手段61は加硫中に加硫空間41内の圧力が前述のように所定圧を超えたとき、少なくとも1個、ここでは全ての矩形セグメントリング34bが半径方向内側に移動するのを許容する。そして、このように保持手段61を弧状カバー59、皿ばね60から構成すれば、制作費を安価とすることができる。なお、前述した弾性体としてはスプリング、板ばね、ゴムブロック等を使用してもよい。
次に、前記実施例1の作用について説明する。
まず、扇形、矩形セグメント34a、34bを交互に周方向に密着状態で並べて配置するとともに、これらコアセグメント34同士を締結体55により締結してドーナツ状の剛体コア33を形成する。次に、ドーナツ状に組み立てた剛体コア33を軸線回りに回転させながら、その外側に前述のようにゴム引きコード、帯状ゴムを編み上げ、巻き付けることで未加硫タイヤ39を成形する。
次に、未加硫タイヤ39が外側に装着されている剛体コア33を図示していない搬送装置によって加硫装置11に搬入し、下金型15上に横置きで載置する。このとき、これら剛体コア33、未加硫タイヤ39は前述のように常温または予熱温度まで加熱されているが、いずれの場合も比較的低温であり、一方、下、上金型15、25およびセクター金型29は加硫装置11の熱容量が大きいため、加硫温度に近い高温となっている。
次に、上プラテン19と上プレート21との間に所定の間隙が存在する状態で、上基台18、上プレート21を一体的に下降させる。そして、セクターセグメント27が下基台12の上面に当接するとともに、上金型25が未加硫タイヤ39に当接すると、上プレート21の下降を停止させる。そして、前述のように上プレート21の下降が停止した後も継続して上基台18のみを下降させ、上基台18を上プレート21に接近させる。このように上基台18が上プレート21に接近すると、アウターリング26は内周26a、外周27aの楔作用によりセクター金型29を半径方向内側に同期移動させる。
そして、上基台18が下降限まで下降すると、セクター金型29は半径方向内側限まで移動して加硫金型40が閉止するが、このように加硫金型40が閉止したとき、該加硫金型40と前記剛体コア33との間に未加硫タイヤ39が密閉収納された加硫空間41が形成される。次に、上基台18に大きな型締め力を付与した後、下プラテン13、上プラテン19、セクターセグメント27および加硫媒体室36に高温、高圧の加硫媒体を供給して未加硫タイヤ39を加硫する。
このように加硫金型40の閉止後、加硫媒体を加硫金型40、剛体コア33内に供給して加硫を開始すると、常温または予熱温度であった剛体コア33は加硫温度まで温度が上昇して大きく熱膨張するが、加硫金型40は殆ど温度が上昇しない(熱膨張しない)ので、加硫空間41の容積が減少する一方、加硫空間41に密閉収納された未加硫タイヤ39自身は加硫温度までの温度上昇により大きく熱膨張し、加硫空間41内でのタイヤ体積が増大する。
この結果、加硫空間41内の圧力が上昇するが、該加硫空間41内の圧力が所定圧以下のときには、保持手段61の皿ばね60による弾性力が、加硫空間41内の圧力によって矩形セグメント34bを内側に押込む力より大であるため、いずれの矩形セグメント34bも剛体コア33として組み上げられたときの初期位置を保持する。そして、この加硫空間41内の圧力がさらに上昇して所定圧を超えると、加硫空間41内の圧力によって矩形セグメント34bが半径方向内側に押込まれる力が保持手段61の皿ばね60の弾性力を上回り、少なくとも1個のコアセグメント34、ここでは全ての矩形セグメント34b、弧状カバー59が皿ばね60を圧縮しながら半径方向内側に移動する。
この結果、加硫空間41の容積が増大し、加硫空間41内の圧力が所定圧まで低下する。そして、このような作動は加硫空間41の圧力が所定圧を超える毎に行われ、これにより、加硫空間41内の圧力は以後、ほぼ所定圧に保持され、過度な圧力上昇が防止される。この結果、加硫中に剛体コア33と加硫金型40との間、あるいは、加硫金型40を構成する下、上金型15、25、セクター金型29間に間隙が生じることはなく、これにより、未加硫ゴムがはみ出すようなことがなくなってバリの発生が防止される。
ここで、コアセグメント34を、前述したように周方向両端面が互いに平行である矩形セグメント34bと扇形セグメント34aとの2種類のセグメントから構成したので、矩形セグメント34bが半径方向内側に移動しても、隣接する矩形、扇形セグメント34b、34a間に間隙が生じることはなく、これにより、加硫媒体が漏洩する事態を防止することができる。
また、1個の矩形セグメント34bのみが半径方向内側に移動すると、その移動量が多くなってしまうが、この実施形態では、全ての矩形セグメント34bを同期して半径方向内側に移動させるようにしたので、各矩形セグメント34bの半径方向内側への移動量が分散されて少なくなり、これにより、未加硫タイヤ39内のコードの変形量を小さくすることができる。
前述のようにして未加硫タイヤ39の加硫が終了し加硫済タイヤとなると、前述と逆の動作により加硫金型40を開放した後、加硫済タイヤが装着されている剛体コア33を搬送装置により作業位置まで搬送する。そして、この作業位置においてコアセグメント34を分解して加硫済タイヤ内から順次取り出す。
図5はこの発明の実施例2を示す図である。この実施例においては、保持手段を締結体55(スリーブ42)に取り付けられた半径方向に延びるシリンダ65から構成するとともに、該シリンダ65のピストンロッド66ががストロークエンドまで突出しているとき、該ピストンロッド66の先端部を弧状凹み58の底面から半径方向外側に向かって該弧状凹み58の深さと同一量だけ突出させるようにしている。この結果、ストロークエンドまで突出しているピストンロッド66の先端は、初期位置における矩形セグメント34bの内周面に当接することになる。
そして、この実施例では、加硫空間41内の圧力が所定圧を超えたとき、矩形セグメント34bに押されてピストンロッド66が引っ込むことで、矩形セグメント34の半径方向内側への移動を許容している。このように保持手段をシリンダ65から構成すれば、必要に応じてシリンダ65に供給される供給圧を調節することで、前記所定圧を容易に変更することができる。なお、他の構成、作用は前記実施例1と同様である。
なお、前述の実施例においては、加硫金型40を下、上プラテン13、19、下、上金型15、25およびセクター金型29から構成したが、この発明においては、下、上プラテン、下、上金型の2分割金型から構成するようにしてもよい。また、前述の実施例においては、保持手段を弧状カバー59および弾性体としての皿ばね60から構成したが、この発明においては、弧状凹みに固定した弾性体のみから構成してもよい。また、前述の実施例においては、弾性体としての皿ばね60を締結体55の外周部に設けたが、この発明においては、弾性体を剛体コアの内周面に設けてもよい。さらに、この発明においては、前記間隙48に弾性体を介装するようにしてもよい。
この発明は、剛体コアを用いて製造される空気入りタイヤの産業分野に適用できる。
この発明の実施例1を示す正面断面図である。 剛体コアの側面図である。 剛体コア近傍の正面断面図である。 図1のI−I矢視断面図である。 この発明の実施例2を示す剛体コア近傍の正面断面図である。
符号の説明
33…剛体コア 34…コアセグメント
34a…扇形セグメント 34b…矩形セグメント
39…未加硫タイヤ 40…加硫金型
41…加硫空間 55…締結体
60…皿ばね 61…保持手段
65…シリンダ 66…ピストンロッド

Claims (8)

  1. 複数個のコアセグメントを周方向に密着状態で並べて配置するとともに、これらコアセグメントを略円筒状の締結体により締結してドーナツ状の剛体コアを形成する工程と、加硫金型を閉止して剛体コアを周囲から囲むことで、これらの間に未加硫タイヤが密閉収納された加硫空間を形成する工程と、前記加硫金型、剛体コア内に加硫媒体を供給して未加硫タイヤを加硫する工程とを備えた空気入りタイヤの製造方法において、加硫中に前記加硫空間内の圧力が所定圧を超えたとき、少なくとも1個のコアセグメントが半径方向内側に移動することで、前記加硫空間の容積を増大させるようにしたことを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  2. 前記所定圧は4〜5MPaの範囲内のいずれかの圧力である請求項1記載の空気入りタイヤの製造方法。
  3. 周方向に密着状態で並べて配置された複数個のコアセグメントと、前記コアセグメントを締結することでドーナツ状の剛体コアを形成する略円筒状の締結体と、閉止したとき、前記剛体コアとの間に未加硫タイヤが密閉収納される加硫空間を形成する加硫金型とを備えた空気入りタイヤの製造装置において、加硫中に前記加硫空間内の圧力が所定圧を超えたとき、少なくとも1個のコアセグメントが半径方向内側に移動するのを許容する保持手段を設け、前記コアセグメントの半径方向内側への移動により加硫空間の容積を増大させるようにしたことを特徴とする空気入りタイヤの製造装置。
  4. 前記コアセグメントを、周方向両端面が互いに平行である矩形セグメントと、扇形をした扇形セグメントとの2種類のセグメントから構成するとともに、これら矩形、扇形セグメントを周方向に交互に配置した請求項3記載の空気入りタイヤの製造装置。
  5. 加硫空間内の圧力が所定圧を超えたとき、全ての矩形セグメントが同期して半径方向内側に移動するようにした請求項4記載の空気入りタイヤの製造装置。
  6. 前記保持手段は、剛体コアと締結体との間に介装された弾性体を有する請求項3〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造装置。
  7. 前記弾性体を締結体の外周部に設けた複数の皿ばねから構成した請求項6記載の空気入りタイヤの製造装置。
  8. 前記保持手段を、締結体に取り付けた半径方向に延びるシリンダから構成するとともに、加硫空間内の圧力が所定圧を超えたとき、コアセグメントに押されてピストンロッドが引っ込むようにした請求項3〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2019230810A1 (ja) * 2018-05-31 2019-12-05 株式会社ブリヂストン タイヤ製造方法、及び、タイヤ製造用金型

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