JP4699601B2 - 無接触形のicカード用のリーダライタ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ICカードとのデータ交信状態を外部から容易に認識することができる無接触形のICカード用のリーダライタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
無接触形のICカードとデータ交信し、必要なデータを読み出し、データを書き込むとき、ICカード用のリーダライタ装置を使用する。
【0003】
リーダライタ装置は、アンテナコイルを備えるアンテナ部と、コンピュータや、データ交信用の通信回路などを備える本体部とを組み合わせて構成されている。そこで、このものは、アンテナ部のアンテナコイルの近傍にICカードを通過させるとき、本体部のコンピュータと、ICカード内のICチップとの間において必要なデータ交信を行ない、ICカード内のデータを読み出し、新たなデータをICカードに書き込むことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来技術によるときは、リーダライタ装置は、アンテナ部に格別な表示手段を備えていないため、ICカードとのデータ交信の成否が外部に表示されず、ICカードの使用者にとって不便であるという問題があった。なお、このときの表示手段は、ICカードを通過させるアンテナ部に設け、使用者が認識し易くしなければならないから、本体部からの表示用信号を単純にアンテナ部に導入すると、アンテナ部が徒らに複雑化、大形化してしまい、著しく不都合である。
【0005】
そこで、この発明の目的は、かかる従来技術の問題に鑑み、同軸ケーブルを介して伝送される状態信号に応じて作動する表示手段をアンテナ部に設けることによって、ICカードとのデータ交信状態を外部から容易に認識することができる無接触形のICカード用のリーダライタ装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためのこの発明の構成は、アンテナコイルを含むアンテナ部と、データ搬送用の同軸ケーブルのみを介してアンテナ部に接続する本体部とを備えてなり、本体部に設けるコンピュータは、アンテナコイルを介してICカードのICチップと相互にデータ交信するとともに、同軸ケーブルを介して状態信号をアンテナ部に設ける表示手段に伝送し、表示手段は、状態信号に応じてコンピュータの待機中、データ交信の完了などの動作状態を外部に表示することをその要旨とする。
【0007】
なお、表示手段は、電圧判別回路を介して状態信号の直流電圧レベルを判別することができる。
【0008】
また、表示手段は、カウンタを介して状態信号のパルス数を計数することができ、アンテナ部には、表示手段用の電源回路を設けることができる。
【0009】
【作用】
かかる発明の構成によるときは、表示手段は、同軸ケーブルを介して本体部から伝送される状態信号に応じ、コンピュータの動作状態を外部に表示することができる。そこで、使用者は、ICカードをアンテナ部の近傍に通過させるとき、表示手段の表示内容によりICカードとリーダライタ装置とのデータ交信の成否を認識することができる。また、本体部は、データ搬送用の同軸ケーブルのみによりアンテナ部に接続し、アンテナ部の表示手段を作動させることができるから、全体の配線構造を簡単にするとともに、アンテナ部が徒らに大形化、複雑化するおそれがない。なお、表示手段は、たとえば1または2以上の発光ダイオードの点滅を組み合わせ、または液晶パネルなどの表示器を使用して、コンピュータの待機中、データ交信中、データ交信の完了、データ交信中のデータエラー発生などの動作状態を外部に表示することができる。また、表示手段には、必要に応じてブザ、ベル、チャイムなどの音響発生器具を組み合わせてもよい。
【0010】
表示手段は、状態信号の直流電圧レベルを判別することにより、コンピュータの動作状態を表示することができる。なお、このときの表示手段は、状態信号を電源として作動させることにより、アンテナ部の構成を最も簡単にすることができる。
【0011】
表示手段は、状態信号のパルス数を計数することにより、コンピュータの多様な動作状態を明確に表示することができる。状態信号は、たとえば規定時間内に発生するパルス数を変えることにより、各種の動作状態を表わすことができるからである。
【0012】
アンテナ部に設ける電源回路は、ICカードのICチップを作動させるための電源用搬送波を利用して表示手段に給電し、表示手段が液晶パネルなどであっても、必要な電力を適切に供給することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を以って発明の実施の形態を説明する。
【0014】
無接触形のICカード用のリーダライタ装置は、アンテナコイル11を含むアンテナ部10と、コンピュータCPUを内蔵する本体部20とを備えてなる(図1)。なお、リーダライタ装置は、アンテナコイルAT付きのICチップICを有するICカードCDと組み合わせて使用する。
【0015】
アンテナ部10、本体部20は、同軸ケーブルCVを介して接続されている。アンテナ部10において、アンテナコイル11は、共振用のコンデンサC1 、C2 とともに同軸ケーブルCV側に接続され、コイルL1 、コンデンサC3 の直列回路が同軸ケーブルCV側に分岐接続されている。コイルL1 、コンデンサC3 の接続点には、電圧判別回路12、表示手段13が接続されている。表示手段13は、抵抗R1 、発光ダイオードLED1 の直列回路と、ブザBz と、抵抗R2 、発光ダイオードLED2 の直列回路とが並列に接続されており、発光ダイオードLED1 、ブザBz は、共通のトランジスタTr1を介して接地され、発光ダイオードLED2 は、トランジスタTr2を介して接地されている。また、電圧判別回路12の出力は、トランジスタTr1、Tr2のベースに個別に接続されている。
【0016】
本体部20において、コンピュータCPUの出力端子1は、送信回路TX、結合用のコンデンサCa を介して同軸ケーブルCVに接続されており、入力端子2には、受信回路RX、結合用のコンデンサCb を介して同軸ケーブルCVが接続されている。また、コンピュータCPUの別の出力は、制御信号Sb として直流電圧発生回路21に入力され、直流電圧発生回路21の出力は、コイルLa を介して同軸ケーブルCVに接続されている。なお、本体部20は、外部電源PLにより給電されている。
【0017】
本体部20のコンピュータCPUは、アンテナ部10のアンテナコイル11に近接するICカードCDのICチップICとの間において、送信回路TX、受信回路RXを介して相互に通信し、必要なデータ交信をすることができる。すなわち、コンピュータCPUは、送信回路TX、同軸ケーブルCV、アンテナコイル11を介し、高周波の電源用搬送波にデータを重畳してICチップICに送信し、ICチップICは、アンテナコイルATを介して受信する電源用搬送波により起動し、コンピュータCPUからのデータを受信して、必要なデータを送信する。また、コンピュータCPUは、アンテナコイル11、同軸ケーブルCV、受信回路RXを介してICチップICからのデータを受信する。
【0018】
コンピュータCPUは、動作状態に応じて制御信号Sb を出力し、コイルLa 、同軸ケーブルCVを介してアンテナ部10に伝送する直流電圧発生回路21からの状態信号Sa の直流電圧レベルVを高レベル、低レベルに切り換える。すなわち、コンピュータCPUは、ICカードCDとデータ交信しない待機中のとき、状態信号Sa の直流電圧レベルV=Va とし、ICカードCDとのデータ交信が正常に完了すると、たとえば1秒間程度の短時間だけ状態信号Sa の直流電圧レベルV=Vb >Va に変化させる。
【0019】
一方、電圧判別回路12は、同軸ケーブルCV、コイルL1 を介して入力される状態信号Sa の直流電圧レベルV=Va のとき、トランジスタTr1を非導通にしてトランジスタTr2を導通させ、発光ダイオードLED2 を発光させる。また、電圧判別回路12は、状態信号Sa の直流電圧レベルV=Vb を検出すると、トランジスタTr1を導通させてトランジスタTr2を非導通にし、発光ダイオードLED1 を発光させてブザBz を作動させる。
【0020】
すなわち、表示手段13は、発光ダイオードLED2 を発光させてコンピュータCPUが待機中であることを外部に表示し、発光ダイオードLED1 を発光させるとともにブザBz を作動させて、コンピュータCPUとICカードCDとのデータ交信が正常に行なわれたことを短時間だけ外部に表示することができる。また、表示手段13は、コンピュータCPUとICカードCDとのデータ交信が正常に終了し、コンピュータCPUが待機中に復帰したことを発光ダイオードLED2 の再発光により表示する。よって、表示手段13は、電圧判別回路12を介して状態信号Sa の直流電圧レベルVを判別し、その結果をコンピュータCPUの動作状態として外部に表示することができる。
【0021】
なお、コンピュータCPUは、直流電圧発生回路21からの状態信号Sa の直流電圧レベルV=Vb をパルス状に継続して断続させ、発光ダイオードLED1 を点滅させるとともにブザBz を間欠的に作動させることにより、ICカードCDとのデータ交信中に生じたデータエラーや、ICカードCDの動作不良などを表示することができる。また、コンピュータCPUは、ICカードCDとのデータ交信が正常に終了したときに代えて、データ交信中において、またはデータ交信の開始から短時間だけ、状態信号Sa の直流電圧レベルV=Vb としてもよい。
【0022】
【他の実施の形態】
本体部20には、コンピュータCPUからの制御信号Sb によりパルス信号を状態信号Sa として出力するパルス発生回路22を設けてもよい(図2)。コンピュータCPUは、待機中であるとき、たとえば規定時間T内に1パルスの状態信号Sa をパルス発生回路22から出力させる(図3(A))。また、コンピュータCPUは、ICカードCDとのデータ交信中において、2パルスの状態信号Sa をパルス発生回路22から出力させ(同図(B))、ICカードCDとのデータ交信中にデータエラーが発生したとき、n(n≧3)パルスの状態信号Sa をパルス発生回路22から出力させる(同図(C))。すなわち、状態信号Sa は、規定時間T内のパルス数によりコンピュータCPUの動作状態を示す。
【0023】
アンテナ部10の表示手段13は、カウンタ13a、デコーダ13b、表示器13cを縦続して構成されている(図2)。カウンタ13aは、コイルL1 を介して同軸ケーブルCV側に分岐接続されており、アンテナ部10には、表示手段13用の電源回路14が内蔵されている。電源回路14は、同軸ケーブルCV側に分岐接続され、整流用のダイオードD1 の他、抵抗R5 、コンデンサC5 、C6 を組み合わせて構成されている。
【0024】
そこで、電源回路14は、同軸ケーブルCVを介して伝送される本体部20からの電源用搬送波の一部を整流し、カウンタ13a、デコーダ13b、表示器13cに給電して表示手段13を作動させることができる。また、カウンタ13aは、本体部20からの状態信号Sa の規定時間T内のパルス数を計数し、デコーダ13b、表示器13cを介して文字や絵、記号などを表示し、コンピュータCPUの待機中、データ交信中、データエラー発生等の動作状態を外部に表示することができる。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、同軸ケーブルを介してアンテナ部と本体部とを接続し、アンテナ部に表示手段を設けることによって、表示手段は、本体部からの状態信号に応じてコンピュータの動作状態を外部に表示することができるから、ICカードとのデータ交信状態を外部から容易に認識することができる上、状態信号は、電源用搬送波を伝送するために本来的に必要な同軸ケーブルを介して伝送されるから、アンテナ部が不当に複雑になったり、大形化したりするおそれがないという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 全体構成電気回路図
【図2】 他の実施の形態を示す図1相当図
【図3】 図2の動作説明図
【符号の説明】
CPU…コンピュータ
CD…ICカード
IC…ICチップ
CV…同軸ケーブル
Sa …状態信号
V…直流電圧レベル
10…アンテナ部
11…アンテナコイル
13…表示手段
14…電源回路
20…本体部
Claims (4)
- アンテナコイルを含むアンテナ部と、データ搬送用の同軸ケーブルのみを介して前記アンテナ部に接続する本体部とを備えてなり、該本体部に設けるコンピュータは、前記アンテナコイルを介してICカードのICチップと相互にデータ交信するとともに、前記同軸ケーブルを介して状態信号を前記アンテナ部に設ける表示手段に伝送し、該表示手段は、状態信号に応じて前記コンピュータの待機中、データ交信の完了などの動作状態を外部に表示することを特徴とする無接触形のICカード用のリーダライタ装置。
- 前記表示手段は、電圧判別回路を介して状態信号の直流電圧レベルを判別することを特徴とする請求項1記載の無接触形のICカード用のリーダライタ装置。
- 前記表示手段は、カウンタを介して状態信号のパルス数を計数することを特徴とする請求項1記載の無接触形のICカード用のリーダライタ装置。
- 前記アンテナ部には、前記表示手段用の電源回路を設けることを特徴とする請求項3記載の無接触形のICカード用のリーダライタ装置。
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