JP4699220B2 - 糸巻用スプール - Google Patents

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本発明は、釣糸などの糸条体を捲き付ける糸巻用スプールに関し、さらに詳しくは、巻装部に巻き付けた糸条体の色彩等を側方から良好に目視できる糸巻用スプールに関する。
一般に、釣糸などの糸条体を巻き付ける糸巻用スプールには、円筒状の胴部とその胴部の両側端から径方向外側へ延出張り出した一対のフランジ部とからなる巻装部を備え、この胴部の中心軸心の周囲に小径の筒状軸部を備え、この筒状軸部との間に上記の胴部の一方の端部から径方向内側に延びる側板部を備えたものがある(例えば特許文献1参照。)。上記の巻装部は、通常、透明の硬質合成樹脂材料で形成され、この巻装部に捲回された上記の糸条体を外方から容易に目視できるようにしてある。
上記の糸巻用スプールは、他物との衝突から保護するため巻装部の周囲に比較的柔軟な保護カバーを被せる場合がある。この場合、この保護カバーは乳白色などの半透明または不透明となるため、巻装部に捲回された糸条体を周方向からは目視できなくなる。従ってこの糸巻用スプールは、側方からも上記の糸条体を目視できることが望ましい。
特開2004−107027号公報
しかしながら、巻装部に捲回される糸条体の長さや太さによっては、糸条体を巻装部に捲回することで形成される厚みが少ない場合があり、この場合には側方から目視してもこの糸条体の色彩などを容易に判別等できない問題がある。
また、上記のフランジ部の外側面には、通常、上記の糸条体の製品名やメーカー名、製品の特徴等を記載した紙などの不透明材料からなるラベルが貼着してあり、このラベルが上記の巻装部の側面を覆うと、糸条体の捲回による充分な厚みが巻装部に形成されていたとしても、ラベルに遮蔽されてこの糸条体を側方から目視できなくなる問題がある。
上記の糸条体を側方から目視できるように、上記のラベルの大きさを小さくして巻装部の側面を露出させることが考えられる。しかしながらこの場合には、ラベルが小さくなって、糸条体の製品名やメーカー名、製品の特徴等を充分に記載できなくなったり、記載文字が小形になって容易に判読できなくなる虞がある。
また、このラベルの周縁部を上記の保護カバーの側縁部に係止させると、接着剤を使用することなくこのラベルをスプールに固定することができ、このスプールの再使用や再資源化が容易となる利点があるが、上記のようにラベルを小形に形成するとその周縁部を保護カバーに係止させることができず、接着剤の使用が避けられない問題がある。なお、保護カバーの側縁に径方向内側へ延びる係止片を大きく形成することも考えられるが、この場合はこの保護カバーにより巻装部の側面が覆われるので、上記の糸条体を側方から容易に目視できない問題がある。
本発明の課題は上記の問題点を解消し、巻装部に捲回された糸条体の色彩等を側方から良好に目視できる糸巻用スプールを提供することにある。
本発明は上記の課題を解決するため、例えば本発明の実施の形態を示す図1から図8に基づいて説明すると、次のように構成したものである。
即ち、本発明1は糸巻用スプールに関し、透明材料で形成された円筒状の胴部(5)とその胴部(5)の両側端から径方向外側へ延出張り出した一対のフランジ部(6・6)とからなる巻装部(3)を備え、上記の胴部(5)は一方の端部から径方向内側に延びる透明材料で形成された側板部(11)を備え、この胴部(5)の外周面に糸条体(4)を捲回した、糸巻用スプールであって、上記の側板部(11)の内側面と上記の胴部(5)の内周面とで形成される環状の隅部(12)のうちの少なくとも一部に、内側表面(20)が上記の側板部(11)側にいくほど胴部(5)の径方向内側に近づく肉盛部(13)を透明材料で形成したことを特徴とする。
また本発明2は糸巻用スプールに関し、透明材料で形成された円筒状の胴部(5)とその胴部(5)の両側端から径方向外側へ延出張り出した一対のフランジ部(6・6)とからなる巻装部(3)を備え、上記の胴部(5)は一方の端部から径方向内側に延びる透明材料で形成された側板部(11)を備え、この胴部(5)の外周面に糸条体(4)を捲回した、糸巻用スプールであって、上記の胴部(5)に接続される側板部(11)の少なくとも一部の周縁近傍を、径方向外側へいくほど厚肉に形成したことを特徴とする。
本発明1にあっては、上記の巻装部に捲回された糸条体のうち最内周部の内側部分、即ち胴部の外周面に接する部分が、透明の胴部を通して上記の肉盛部の内側表面に幅の広い写像となって映り込む。この内側表面は側板部側に行くほど小径となっているので、上記の写像は糸巻用スプールの側方へ反射される。この結果、この糸巻用スプールの側方から上記の肉盛部を介して上記の糸条体の写像が良好に目視される。
ここで、上記の内側表面の形状は、上記の糸条体の写像をスプールの側方へ反射できればよく、特定の形状に限定されない。
例えば、上記の肉盛部の環状方向と直交する断面形状を、上記の内側表面が胴部の中心軸心に対し傾斜した直線状となるように形成することができ、この場合、スプールの側方から上記の肉盛部の内側表面に映り込んだ写像を良好に目視することができる。特に、胴部の中心軸心に対する上記の内側表面の傾斜角度を約45度に設定すると、側板部と直交方向から上記の糸条体を、肉盛部の側板部側端部の肉厚の略全体に亙って目視できるので、好ましい。
一方、上記の肉盛部の環状方向と直交する断面形状を、上記の内側表面が胴部の径方向内側へ膨らんだ曲線に形成した場合は、この内側表面があたかも凹面鏡のように作用し、側方へは拡大された写像が反射されるので、側方から上記の糸条体を良好に目視できる利点がある。
また、上記の肉盛部の環状方向と直交する断面形状を、上記の内側表面が上記の隅部側へ凹んだ曲線に形成した場合は、肉盛部の内側表面に映り込んだ写像が拡散されて反射されるので、側板部と直交する方向から外れた方向を含む広い範囲から上記の糸条体を目視することができる利点がある。
上記の肉盛部の側板部側端部の肉厚は、側方からの目視により糸条体の色彩等を判別できる寸法であればよく、特定の寸法に限定されない。例えばこの肉厚は、糸条体の2倍以上に形成され、好ましくは1mm以上、より好ましくは3mm以上、さらに好ましくは5mm以上に形成される。
また本発明2にあっては、胴部に接続される透明の側板部の少なくとも一部の周縁近傍が、径方向外側へいくほど厚肉に形成してあることから、この部分の側板部を透過する光線はあたかもプリズムを透過するように外側へ屈折する。このため、巻装部に捲回された糸条体のうち最内周部の内側部分から側板部に向けて内方斜め方向へ進む光線は、このプリズム状の側板部を透過する際に胴部の中心軸心方向へ屈折する。この結果、この糸巻用スプールの側方から上記の糸条体が、このプリズム状の側板部を介して良好に目視される。
上記の側板部の外側面には、通常、不透明材料からなるラベルがこの側板部に沿って装着されるが、このラベルが大形に形成してあると、このラベルで上記の側板部の周縁部や巻装部の側方が覆われる場合がある。この場合には、このラベルに透視窓部が形成され、この透視窓部が上記の肉盛部やプリズム状の側板部の側方に配置される。これにより、この透視窓部を通し、上記の肉盛部の内側表面やプリズム状の側板部を介して糸条体が良好に目視される。
上記の透視窓部は、上記の肉盛部が目視できればよく、特定の大きさや形状等に限定されない。例えばラベルの周縁を凹曲させたり、切込みを入れたり、円形等の切抜き部を形成することで上記の透視窓部を形成することができる。
なお、上記の透視窓部を形成した場合、糸条体を目視可能にしながらラベルを大形に形成できるので、製品の特徴など多くの内容を充分に記載できるうえ、周縁を前記の保護カバーの側縁部に係止することができ、ラベルの装着に接着剤が不要となるので、糸巻用スプールの再使用やリサイクルによる省資源化が容易となる利点がある。
本発明は上記のように構成され作用することから、次の効果を奏する。
(1)本発明1にあっては、上記の巻装部に巻き付けられた糸条体が、上記の肉盛部の内側表面に広い写像となって映り込み、その写像が糸巻用スプールの側方へ反射されることから、たとえ巻装部での糸条体の捲回による厚さが少ない場合であっても、この糸巻用スプールの側方から肉盛部の内側表面を介して上記の糸条体を良好に目視することができ、この糸条体の色彩等を容易に判別することができる。
(2)本発明2にあっては、上記の巻装部に巻き付けられた糸条体からの光線が、上記のプリズム状の側板部により屈折して、糸巻用スプールの側方へ進むことから、たとえ巻装部での糸条体の捲回による厚さが少ない場合であっても、この糸巻用スプールの側方からプリズム状の側板部を介して上記の糸条体を良好に目視することができ、この糸条体の色彩等を容易に判別することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1から図3は本発明の第1実施形態を示し、図1は糸巻用スプールを分解した状態の一部破断斜視図、図2は糸巻用スプールの一部破断正面図、図3は糸巻用スプールの要部を拡大した横断平面図である。
図1に示すように、この糸巻用スプール(1)は円板状の本体部(2)の外縁に巻装部(3)が形成してあり、この巻装部(3)に糸条体である釣糸(4)が巻き付けてある。上記の巻装部(3)は、筒状の胴部(5)とその胴部(5)の両側端から径方向外側へ張り出した一対のフランジ部(6・6)とからなり、両フランジ部(6・6)の外端縁に亘って、1つ割りした円筒状の覆い部材(7)が装着してある。上記の釣糸(4)は、この覆い部材(7)に形成した割れ目(7a)から引き出すことができる。
上記の本体部(2)は、上記の胴部(5)の中心軸心(5a)の周囲に小径の筒状軸部(8)を備えており、6枚の支持壁(9)により上記の胴部(5)と一体に連結してある。この筒状軸部(8)内の挿通孔(10)に図外の巻付装置の回転軸を挿通して本体部(2)を回転させ、これにより上記の巻装部(3)に釣糸(4)が巻き付けられる。
また、上記の本体部(2)は、上記の胴部(5)の一方の端部から径方向内側に延びる側板部(11)を上記の筒状軸部(8)との間に備えている。この側板部(11)の内側面と上記の胴部(5)の内周面とで形成される環状の隅部(12)には、上記の支持壁(9)で区画された一箇所に、即ち全周の約6分の1の範囲に肉盛部(13)を一体形成してある。
上記の本体部(2)や覆い部材(7)は、例えば、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂など透明材料の合成樹脂材料で形成してあり、従って、上記の肉盛部(13)も同じ透明材料からなる。
上記の巻装部(3)には、一対の筒状保護カバー(14・14)が外嵌してある。この保護カバー(14)は、やや柔軟な、例えばポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂などの合成樹脂材料で形成してある。この保護カバー(14)の装着により、他物との衝突などで上記の本体部(2)や覆い部材(7)が損傷することが防止される。また、この保護カバー(14)には、陳列棚の吊下げ棒に引っ掛けて展示できるように係止片(15)が一体に形成してある。なお、この保護カバー(14)は一般に乳白色などの半透明または不透明であることから、この保護カバー(14)を装着した状態では、巻装部(3)に捲回された上記の釣糸(4)を周方向からは目視することができない。
上記の各保護カバー(14)は、外側の側縁に径方向内側へ延設した環状の係止部(16)を備える。この保護カバー(14)を巻装部(3)に外嵌した状態では、上記の係止部(16)は前記のフランジ部(6)の外側面に沿って配置される。この係止部(16)と上記の本体部(2)との間には、外側から順に押え用フィルム(17)とラベル(18)とが配置してある。このラベル(18)は紙製で、外側面には釣糸(4)の品名や物性などの特徴、メーカー名などの商品内容が印刷してある。一方、上記の押え用フィルム(17)は、ラベル(18)の記載内容が読み取れるように、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂等の透明の合成樹脂材料で形成される。
上記のラベル(18)は紙製で、且つ記載内容を多くするため上記の巻装部(3)の側方を覆う大きさに形成してある。即ち、上記の巻装部(3)は側方がこのラベル(18)に遮蔽されており、このため、このままではこの巻装部(3)に捲回された前記の釣糸(4)を、糸巻用スプール(1)の側方から目視することができない。しかしこのラベル(18)には、図1と図2に示すように、周縁部の一部を切欠いて透視窓部(19)が形成してあり、この透視窓部(19)を上記の巻装部(3)から肉盛部(13)に亙る範囲の側方に位置させてある。
図3に示すように、上記の肉盛部(13)は、内側表面(20)が上記の側板部(11)側にいくほど胴部(5)の径方向内側に近づく形状であり、環状方向と直交する断面形状は、上記の内側表面(20)が胴部(5)の中心軸心(5a)に対し略45度に傾斜した直線状となっている。この肉盛部(13)の側板部(11)側端部の肉厚は、例えば3mm以上、好ましくは5mm以上の肉厚に形成してある。
前記の巻装部(3)に捲回された釣糸(4)は、最内周部の内側部分、即ち胴部(5)の外周面に接する部分が、透明の胴部(5)を通して上記の肉盛部(13)の内側表面(20)に幅の広い写像となって映り込む。この内側表面(20)は側板部(11)側に行くほど胴部(5)の径方向内側に近づく形状となっているので、図3に示すように、上記の写像は糸巻用スプールの側方へ反射される。
上記の肉盛部(13)とこれに隣接する巻装部(3)の側方には、前記の透視窓部(19)が位置させてあるので、この糸巻用スプール(1)の側方からは、この透視窓部(19)を通して、上記の巻装部(3)に捲回された釣糸(4)と上記の肉盛部(13)に映り込んだその写像とが目視される。このとき、上記の釣糸(4)の巻装部(3)への捲回による厚みが少ない場合でも、上記の写像は肉盛部(13)の側板部側肉厚の略全体に亙って目視されるので、これにより釣糸(4)の色彩などが充分に視認される。
図4は本発明の第2実施形態を示す、糸巻用スプールの要部を拡大した横断平面図である。
この第2実施形態では、肉盛部(13)の環状方向と直交する断面形状が、内側表面(20)を胴部(5)の径方向内側へ膨らんだ曲線に形成してある点で、上記の第1実施形態と相違する。なお上記の断面形状における内側表面(20)は、その曲率中心を胴部(5)と側板部(11)との隅部(12)に形成してもよく、或いは曲率中心を隅部(12)から外方へ偏位させて大きな曲率半径に形成してもよい。その他の構成は上記の第1実施形態と同様であり、同様に作用するので説明を省略する。
この第2実施形態では、図4に示すように、上記の肉盛部(13)の内側表面(20)があたかも凹面鏡のように作用するので、糸巻用スプール(1)の側方へは、釣糸(4)の拡大された写像が反射され、糸巻用スプール(1)の側方からこの釣糸(4)の色彩等が良好に視認される。
図5は本発明の第3実施形態を示す、糸巻用スプールの要部を拡大した横断平面図である。
この第3実施形態では、肉盛部(13)の環状方向と直交する断面形状が、内側表面(20)を隅部(12)側へ凹んだ曲線に形成してある。その他の構成は上記の第1実施形態と同様であり、同様に作用するので説明を省略する。
この第3実施形態では、図5に示すように、上記の肉盛部(13)の内側表面(20)に映り込んだ釣糸(4)の写像が拡がって反射されるので、糸巻用スプール(1)の側板部(11)と直交する方向から外れた方向を含む広い範囲から、上記の釣糸(4)の色彩等が視認される。
図6は本発明2に対応する第4実施形態を示す、糸巻用スプールの要部を拡大した横断平面図である。
この第4実施形態では、胴部(5)に接続される側板部(11)の一部の周縁近傍を、径方向外側へいくほど厚肉にしたプリズム状に形成してある。この側板部()の外側面には、上記の第1実施形態と同様に紙製のラベル(18)が装着してあり、このラベル(18)の一部に透視窓部(19)を形成して、この透視窓部(19)を、上記のプリズム状の側板部(11)の側方に位置させてある。その他の構成は上記の第1実施形態と同様であり、同様に作用するので説明を省略する。
上記のプリズム状側板部(11)は、径方向外側へいくほど厚肉に形成してあることから、この部分の側板部(11)を透過する光線は外側へ屈折する。このため、巻装部(3)に捲回された釣糸(4)のうち最内周部の内側部分から側板部(11)に向けて内方斜め方向へ進む光線は、図6に示すように、この側板部(11)を透過する際に胴部(5)の中心軸心(5a)に沿った方向へ屈折する。この結果、この糸巻用スプール(1)の側方から上記の釣糸(4)の色彩等が、このプリズム状の側板部(11)を介して良好に目視される。
なお、この第4実施形態では側板部の内側面を傾斜させてプリズム状に形成したが、本発明では側板部の外側面を傾斜させて、或いは両側面を傾斜させてプリズム状に形成させてもよい。
上記の各実施形態で説明した糸巻用スプールは、本発明の技術的思想を具体化するために例示したものであり、本体部や巻装部の材質や形状、構造などをこれらの実施形態のものに限定するものではなく、本発明の特許請求の範囲内において種々の変更を加え得るものである。
例えば上記の実施形態では、ラベルに切欠状の透視窓部を形成したが、この透視窓部は上記の肉盛部などが目視できればよく、例えば図7(a)の変形例1に示すように、ラベル(18)に設けた円形等の切抜き部で透視窓部(19)を形成したり、図7(b)の変形例2に示すようにラベル(18)の周縁を切断したり凹曲させたりして透視窓部(19)を形成してもよい。
また、上記の実施形態では上記の肉盛部等を環状の一部にのみ形成したので、材料コストを低減できるが、環状の全周に形成することも可能であり、この場合は透視窓部との位置合わせを簡略にすることができる。
さらに、上記の実施形態ではフランジ部の外縁部を円形に形成して本体部を円板状に形成したが、本発明ではこのフランジ部の外縁部は、例えば角部を丸くした四角形など、本体部を他の形状に形成したものであってもよい。
また、上記の本体部は透明の合成樹脂材料で形成したが、この構成材料には、例えばベンゾトリアゾール系、トリアジン系、蓚酸アニリン系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系などの紫外線劣化防止薬剤などを含んでいてもよい。
なお、上記の各実施形態では、糸条体として釣糸を用いた場合について説明したが、本発明では、上記の巻装部に捲回される糸条体が手芸糸など他の糸条体(金属製を含む)であってもよいことは、いうまでもない。
本発明は、巻装部に捲回した糸条体の色彩等を側方から良好に目視できるので、彩色を施した釣糸を巻き付ける糸巻用スプールに特に好適であるが、他の糸条体を捲回した糸巻用スプールにも好適に用いられる。
本発明の第1実施形態を示す、糸巻用スプールを分解した状態の一部破断斜視図である。 本発明の第1実施形態の、糸巻用スプールの一部破断正面図である。 本発明の第1実施形態の、糸巻用スプールの要部を拡大した横断平面図である。 本発明の第2実施形態を示す、糸巻用スプールの要部を拡大した横断平面図である。 本発明の第3実施形態を示す、糸巻用スプールの要部を拡大した横断平面図である。 本発明の第4実施形態を示す、糸巻用スプールの要部を拡大した横断平面図である。 本発明の変形例を示し、図1は変形例1の糸巻用スプールの一部破断正面図、図2は変形例2の糸巻用スプールの一部破断正面図である。
符号の説明
1…糸巻用スプール
2…本体部
3…巻装部
4…糸条体(釣糸)
5…胴部
5a…胴部(5)の中心軸心
6…フランジ部
11…側板部
12…隅部
13…肉盛部
18…ラベル
19…透視窓部
20…肉盛部(13)の内側表面

Claims (9)

  1. 透明材料で形成された円筒状の胴部(5)とその胴部(5)の両側端から径方向外側へ延出張り出した一対のフランジ部(6・6)とからなる巻装部(3)を備え、上記の胴部(5)は一方の端部から径方向内側に延びる透明材料で形成された側板部(11)を備え、この胴部(5)の外周面に糸条体(4)を捲回した、糸巻用スプールであって、
    上記の側板部(11)の内側面と上記の胴部(5)の内周面とで形成される環状の隅部(12)のうちの少なくとも一部に、内側表面(20)が上記の側板部(11)側にいくほど胴部(5)の径方向内側に近づく肉盛部(13)を透明材料で形成したことを特徴とする、糸巻用スプール。
  2. 上記の肉盛部(13)の環状方向と直交する断面形状は、上記の内側表面(20)が胴部(5)の中心軸心(5a)に対し傾斜した直線状である、請求項1に記載の糸巻用スプール。
  3. 上記の肉盛部(13)の環状方向と直交する断面形状は、上記の内側表面(20)が胴部(5)の径方向内側へ膨らんだ曲線である、請求項1に記載の糸巻用スプール。
  4. 上記の肉盛部(13)の環状方向と直交する断面形状は、上記の内側表面(20)が上記の隅部(12)側へ凹んだ曲線である、請求項1に記載の糸巻用スプール。
  5. 上記の肉盛部(13)の側板部(11)側端部の肉厚を、上記の糸条体(4)の太さの2倍以上とした、請求項1から4のいずれか1項に記載の糸巻用スプール。
  6. 上記の肉盛部(13)の側板部(11)側端部の肉厚を1mm以上とした、請求項1から4のいずれか1項に記載の糸巻用スプール。
  7. 上記の側板部(11)の外側面に沿って不透明材料からなるラベル(18)を装着して、このラベル(18)に透視窓部(19)を形成し、この透視窓部(19)を上記の肉盛部(13)の側方に位置させた、請求項1から6のいずれか1項に記載の糸巻用スプール。
  8. 透明材料で形成された円筒状の胴部(5)とその胴部(5)の両側端から径方向外側へ延出張り出した一対のフランジ部(6・6)とからなる巻装部(3)を備え、上記の胴部(5)は一方の端部から径方向内側に延びる透明材料で形成された側板部(11)を備え、この胴部(5)の外周面に糸条体(4)を捲回した、糸巻用スプールであって、
    上記の胴部(5)に接続される側板部(11)の少なくとも一部の周縁近傍を、径方向外側へいくほど厚肉に形成したことを特徴とする、糸巻用スプール。
  9. 上記の側板部(11)の外側面に沿って不透明材料からなるラベル(18)を装着して、このラベル(18)に透視窓部(19)を形成し、この透視窓部(19)を上記の径方向外側へいくほど厚肉に形成した側板部(11)の側方に位置させた、請求項8に記載の糸巻用スプール。
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