JP4699166B2 - 画像処理装置、画像処理方法およびそのプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、胸部撮影画像より肋骨画像を生成する画像処理装置、画像処理方法およびそのプログラムに関するものである。
従来、医療分野においてデジタル医用画像に基づいて、その画像における異常陰影を、計算機を用いて自動的に検出する診断支援装置(CAD:Computer Aided Diagnose)が提供されており、その1つとして、デジタル胸部X線画像に基づいて、その胸部の画像における腫瘤陰影を検出する胸部CADがある。
胸部X線画像には、肋骨や鎖骨など様々な解剖学的特徴を有する構造物が現れた画像である、いわゆる「背景画像」が存在するが、この背景画像は、異常陰影を検出する上で障害となり、検出能力を低下させる原因となっている。そこで、このような背景画像をフィルタリング処理によって除去し、胸部CAD処理を行う手法が提案されている(例えば、特許文献1)。
また、胸部の解剖学的構造は複雑であり、上記のフィルタリング処理を用いた胸部CADでは、背景特徴画像を十分に除去することができず、異常陰影の検出性能が向上しないという問題があった。そこで、人工画像を生成して、背景画像となる骨などの解剖学的な構造物を除去する方法が提案されている(例えば、特許文献2)。
特開平6−121792号公報 特開2005−020338公報
しかしながら、従来の手法では、肋骨同士の重なりなど肋骨の解剖学的な特徴が考慮されていないため、被写体のテクスチャーを正確に再現することは困難であった。そのため、胸部CAD処理で異常陰影の検出を行う上でも障害になっていた。
本発明は、上記事情に鑑み、胸部撮影画像より肋骨画像を精度よく推定することが可能な画像処理装置、画像処理方法およびそのプログラムを提供することを目的とするものである。
本発明の画像処理装置は、複数の被写体の胸部を単純X線撮影して得られた複数の胸部撮影画像を記憶する胸部撮影画像記憶手段と、
前記各胸部撮影画像を構成する画素の画素値から肋骨に寄与する画素値成分を抽出して肋骨画像を生成する肋骨画像生成手段と、
該肋骨画像生成手段で生成した前記肋骨画像上の肋骨領域から、複数の肋骨が重なり合って撮影された肋骨交差部を検出する肋骨交差部検出手段と、
前記複数の胸部撮影画像において前記肋骨交差部検出手段により検出された前記肋骨交差部の位置が、複数の肋骨画像全てにおいて一致するように前記肋骨画像を正規化する画像正規化手段と、
前記正規化した肋骨画像に対して統計的な手法を用いて前記肋骨画像の画素値を分析する肋骨画像分析手段と、
該肋骨画像分析手段の分析結果を利用して、所定の被写体を撮影した胸部撮影画像の肋骨部分の画素値を推定した肋骨推定画像を生成する肋骨画像推定手段とを備えことを特徴とするものである。
また、本発明の画像処理方法は、複数の被写体の胸部を単純X線撮影して得られた複数の胸部撮影画像を胸部撮影画像記憶手段に記憶する胸部撮影画像記憶ステップと、
前記各胸部撮影画像を構成する画素の画素値から肋骨に寄与する画素値成分を抽出して肋骨画像を生成する肋骨画像生成ステップと、
該肋骨画像生成ステップで生成した前記肋骨画像上の肋骨領域から、複数の肋骨が重なり合って撮影された肋骨交差部を検出する肋骨交差部検出ステップと、
前記複数の胸部撮影画像において前記肋骨交差部検出ステップにより検出された前記肋骨交差部の位置が、複数の肋骨画像全てにおいて一致するように前記肋骨画像を正規化する画像正規化ステップと、
前記正規化した肋骨画像に対して統計的な手法を用いて前記肋骨画像の画素値を分析する肋骨画像分析ステップと、
該肋骨画像分析ステップの分析結果を利用して、所定の被写体を撮影した胸部撮影画像の肋骨部分の画素値を推定して肋骨推定画像を生成する肋骨画像推定ステップとを備えたことを特徴とするものである。
また、本発明のプログラムは、コンピュータを、
複数の被写体の胸部を単純X線撮影して得られた胸部撮影画像を複数記憶する胸部撮影画像記憶手段と、
前記各胸部撮影画像を構成する画素の画素値から肋骨に寄与する画素値成分を抽出して肋骨画像を生成する肋骨画像生成手段と、
該肋骨画像生成手段で生成した前記肋骨画像上の肋骨領域から、複数の肋骨が重なり合って撮影された肋骨交差部を検出する肋骨交差部検出手段と、
前記複数の胸部撮影画像から前記肋骨画像生成手段で生成した複数の肋骨画像より前記肋骨交差部検出手段を用いて検出した前記肋骨交差部の位置が、該複数の肋骨画像全てにおいて一致するように前記肋骨画像を正規化する画像正規化手段と、
前記正規化した肋骨画像に対して統計的な手法を用いて前記肋骨画像の画素値を分析する肋骨画像分析手段と、
該肋骨画像分析手段の分析結果を利用して、所定の被写体を撮影した胸部撮影画像の肋骨部分の画素値を推定して肋骨推定画像を生成する肋骨画像推定手段として機能させることを特徴とするものである。
「胸部撮影画像を構成する画素の画素値」は、撮影されている肋骨や心臓や肺野などの解剖学的な構造物に応じた濃度を表す画素値となり、心臓や肺野などの軟部と肋骨が重なったところは、軟部による濃度と肋骨による濃度に影響された濃度を表わす画素値となる。
「肋骨に寄与する画素値成分」とは、「胸部撮影画像を構成する画素の画素値」から肋骨以外の解剖学的な構造物の影響による画素値成分を除いた肋骨に寄与する画素値成分をいう。
「肋骨画像の正規化」とは、肋骨画像上に現れた肋骨が望ましい形状に統一するように変形することをいう。
また、前記画像処理装置が、前記各肋骨画像上に現れた複数の肋骨の中から各1本ずつの肋骨に分離した肋骨部分画像に分ける部分画像分割手段をさらに備え、
前記画像正規化手段が、前記肋骨部分画像各々を所定の規格化形状に変形した後に、対応する前記部分画像の肋骨交差部の位置を一致させるように変形して正規化するものであってもよい。
「規格化形状」とは、定められた標準となる形状をいい、「肋骨部分画像各々を所定の規格化形状に変形する」とは、肋骨部分画像を標準となる形状に統一するように変形することをいう。
また、前記分析手段が、前記複数の被写体の肋骨画像の画素値を主成分分析した主成分画像を得るものであり、
前肋骨画像推定手段が、前記主成分画像の重み付け加算により前記所定の被写体の肋骨の画素値を推定して肋骨推定画像を生成するものであってもよい。
「主成分画像」は、肋骨画像の画素値を主成分分析した結果得られた主成分を表わす画像をいう。
さらに、前記肋骨画像推定手段が、前記所定の被写体を撮影した胸部撮影画像を構成する画素の画素値から肋骨に寄与する画素値成分を抽出して肋骨画像を生成し、該肋骨画像の少なくとも一部より前記被写体の正常な肋骨の画素値を推定するものであってもよい。
本発明によれば、複数の胸部撮影画像より肋骨に寄与する画素値成分を抽出した肋骨画像を生成し、複数の肋骨画像全てにおいて肋骨交差部が一致するように肋骨画像を正規化した後に統計的な手法を用いて肋骨画像を分析し、その結果を用いて検査対象である被写体の正常な肋骨を胸部撮影画像から推定して肋骨推定画像を生成することにより、肋骨交差部の濃度を正確に再現することができる。また、この様にして生成した肋骨推定画像を胸部撮影画像より除去することにより、検査対象の被写体の軟部画像を正確に抽出することが可能になる。これにより、肺野領域に現れた異常陰影の検出精度を向上させることができる。
肋骨画像上に現れた複数の肋骨を各1本ずつの肋骨に分離した肋骨部分画像に分けて、その肋骨部分画像各々を規格化形状に変形した後に、対応する肋骨部分画像の肋骨交差部の位置を一致させるように正規化した肋骨部分画像を用いて分析することにより、被写体の違いによる肋骨形状の違いの影響を少なくすることができるので、分析の精度が向上する。
肋骨画像の画素値を主成分分析した結果得られた主成分画像の重み付け加算により検査対象の被写体の肋骨画像を推定することにより、肋骨画像上に現れる被写体の肋骨を、少ない主成分画像の組み合わせにより、被写体の正常な肋骨の画像を推定することが可能になる。
被写体を撮影した胸部撮影画像から肋骨画像を生成し、この肋骨画像の画素値主成分分析した結果を用いることにより被写体の正常な肋骨の画素値を正確に推定することが可能である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。図1は本発明の画像処理装置の概略構成を示す図である。
図1に示すように画像処理装置1は、複数の被写体の胸部を単純X線撮影して得られた複数の胸部撮影画像100を記憶する胸部撮影画像記憶手段10と、各胸部撮影画像を構成する画素の画素値から肋骨に寄与する画素値成分を抽出して肋骨画像200を生成する肋骨画像生成手段20と、生成した肋骨画像200を記憶する肋骨画像記憶手段22と、肋骨画像200上の肋骨領域から複数の肋骨が重なり合って撮影された肋骨交差部を検出する肋骨交差部検出手段30と、複数の胸部撮影画像100において肋骨交差部検出手段30で検出された肋骨交差部の位置が、複数の肋骨画像200全てにおいて一致するように肋骨画像200を正規化する画像正規化手段40と、正規化した肋骨画像に対して統計的な手法を用いて肋骨画像の画素値を分析する肋骨画像分析手段50と、肋骨画像分析手段の分析結果を利用して、所定の被写体を撮影した胸部撮影画像110の肋骨部分の画素値を推定した肋骨推定画像120を生成する肋骨画像推定手段60とを備える。
また、肋骨交差部検出手段30は、肋骨形状抽出手段32を備え、抽出した肋骨形状内の肋骨領域から肋骨交差部を検出する。
さらに、画像処理装置1は、各肋骨画像上に現れた複数の肋骨の中から各1本ずつの肋骨に分離した肋骨部分画像に分ける部分画像分割手段70を備え、画像正規化手段40では、肋骨部分画像各々を所定の規格化形状に変形した後に、対応する肋骨部分画像の肋骨交差部の位置を一致させるように変形して正規化する。
胸部撮影画像100(110)は、CR装置(computed radiography)などを用いて、被写体を単純X線撮影して得られる画像である。単純X線撮影して取得された画像には、被写体の胸部内の解剖学的な組織のX線透過率(あるいは吸収率)に応じた濃度の画素値で各組織が現われる。肋骨などはX線の吸収率が高いために、肋骨が存在する部位は胸部撮影画像100(110)上に白く表れるが、胸部撮影画像100(110)上に現れる濃度はX線が透過した全ての臓器の透過率に影響されるため、肋骨を撮影した箇所であっても、その肋骨に重なって撮影された肋骨以外の肺野や心臓などの他の臓器に影響された濃度になる。そのため、同じ厚さの肋骨であっても、肋骨下にある臓器が肺野であるか心臓であるかによって異なる濃度で胸部撮影画像100上に現れる。
ここで、図9のフローチャートに従って、画像処理装置1で検査対象の被写体の胸部撮影画像より肋骨下にある臓器の影響を除いた肋骨画像を推定する処理の流れについて説明する。
(1) 肋骨画像の生成
まず、肋骨画像生成手段20で、胸部撮影画像記憶手段10に記憶されている胸部撮影画像100の画素値から肋骨に寄与した画素値成分を抽出して肋骨画像を生成する。具体的には、胸部撮影画像100から軟部画像を除去することにより、軟部による影響を除いた肋骨画像を生成する。
軟部画像は、軟部画像分析処理でエネルギーサブトラクショにより得られえた多数の軟部画像を分析した結果を用いて人工的に生成する(S100)。軟部画像分析処理では、エネルギーサブトラクショにより得られえた多数の軟部画像に対して、分主成分分析(PCA:Principal Component Analysis)処理を施して軟部画像の主成分(ベクトル成分)を求める。主成分は一次独立となり、この一次独立の少数のベクトル成分を用いて、軟部画像を人工的に再現することができる。
まず、図2のような軟部画像を長方形などの規格化形状に変形する。
変形する際には、変形前の座標をB(x,y)、変形後の対応する位置の座標をA(x,y)としたときに、肺野の最高部と最低部のy座標をそれぞれyB,up,yB,down,yA,up,yA,downとして、式(1)のようにBのy座標と対応するAのy座標に変換する。
また、yにおける肺野左右の位置をxB,left,xB,rightとし、yにおける肺野左右の位置をxA,left,xA,rightとしたとき、yにおける肺野左右の位置がにおける肺野左右の位置に一致するように式(2)のように変形する。
このようにして長方形に変形した軟部画像の平均画像(平均軟部濃度画像)Xaveと(図2(a)参照))、軟部画像と平均軟部濃度画像との差分画像を主成分分析することによって得られた第1〜第nの主成分(主成分画像)である軟部主成分濃度画像Xi(i=1,2,3,…,n)を求め(同図(b)参照、この図では、第7番目までの主成分を求めている)、平均軟部濃度画像Xaveと軟部主成分濃度画像Xi(i=1,2,…,n)の重み付き和により軟部画像Xを式(3)のように表すことができる。
X=Xave+Σi ai・Xi (3)
X : 軟部画像上の画素の画素値を成分に持つベクトル
Xave : 平均軟部濃度画像上の画素の画素値を成分に持つベクトル
Xi : i番目の軟部主成分濃度画像を表す主成分ベクトル
ai : i番目の主成分ベクトルに対する重み係数
そこで、被写体の胸部撮影画像100の軟部画像を推定する際には、上記(3)式の関係を用いて、検査対象の被写体の胸部撮影画像100から肋骨以外の軟部の画素値と一致するように重み係数を決定して、その被写体の軟部画像を推定する。
あるいは、図3に示すように、軟部の平均形状に規格化して、図3(a)に示すような平均軟部濃度画像と図3(b)に示すような主成分濃度画像とを生成して、被写体の胸部撮影画像100から肋骨以外の軟部の濃度と一致するように重み係数を決定して、その被写体の軟部画像Xを推定するようにしてもよい。
次に、胸部撮影画像200から推定した軟部画像Xを減じることにより、胸部撮影画像100のうち軟部に寄与する濃度を除去して肋骨画像200を生成して肋骨画像記憶手段22に記憶する(S101)。
(2) 肋骨形状の検出
次に、肋骨形状検出手段32で、胸部撮影画像100(110)から肋骨形状を検出する(S102)。具体的には、例えば、エッジ抽出フィルタを用いて胸部撮影画像100よりエッジ画像を生成して、エッジ画像から放物線検出するハフ変換などを用いて肋骨らしい放物線を見つけて、肋骨形状を検出する方法を用いることができる(例えば、Peter de Souza, “Automatic Rib Detection in Chest Radiographs”, Computer Vision, Graphics and image Processing 23, 129-161 (1983)を参照)。
(3) 肋骨画像の正規化
胸部撮影画像に撮影されている肋骨が他の肋骨と重なり合って撮影された肋骨交差部分は、重なりのない肋骨部分よりも白く現れ、画像上に現れる特徴も肋骨が重なった肋骨交差部分と重なりのない肋骨部分では異なった特徴が現れる。さらに、撮影した被写体が異なる場合であっても、例えば、同じ第3肋骨であれば他の肋骨と重なった肋骨交差部は略同じ位置に存在する。そこで、多くの被写体の肋骨の画素値を統計的に分析する際にも、同じ特徴を持った箇所が同じ位置に来るように形状を正規化して分析を行うことにより、精度の高い分析を行うことができる。
そこでまず、肋骨交差部検出手段30では、肋骨形状検出手段32で検出した肋骨形状を肋骨画像200に重ね合わせて、肋骨が現れている肋骨領域を認識し(図4の左端の画像を参照)、肋骨領域から複数の肋骨が重なり合う肋骨交差部を検出する。
次に、図4に示すように、部分画像分割手段70では、(2)で検出した肋骨形状に基づいて、各肋骨画像200上の肋骨を、1本ずつの肋骨に分離して肋骨部分画像210を生成する。
さらに、画像正規化手段40で、分離した各肋骨部分画像210の形状を、例えば、図4に示すように、長方形のような規格化形状220に変形した後、長方形に変形した肋骨部分画像の各肋骨交差部が常に同じ位置に来るように伸縮させた形状230に変形する。また、何番目の肋骨であるかによって肋骨交差部の位置が変わるので、同じ肋骨の肋骨交差部の位置が一定になるように変形する。
しかし、同じ第3肋骨であっても、被写体の肋骨の形状や撮影した方向によっては、ある被写体の肋骨では第3肋骨と他の肋骨の肋骨交差部が3つあるが、他の被写体では2つの肋骨交差部しかないというように、肋骨形状の違いによって肋骨の重なり方に多少違いが生じる。そこで、図5に示すように、多くの被写体で必ず肋骨が重なる主要肋骨交差部(白い部分)が同じ位置に来るように肋骨部分画像を伸縮して正規化するようにしてもよい。
さらに、上述のように左右10本ずつの肋骨の部分画像を長方形に変形して肋骨交差部が略同じ位置に来るように正規化した肋骨部分画像をまとめて1枚の画像にして、図6のような肋骨正規化画像240を生成する(S103)。
(4)肋骨画像の分析
肋骨画像分析手段50は、上述の手法で多数の胸部撮影画像を正規化した肋骨正規化画像240に対して主成分分析を行う。まず、多数の胸部撮影画像100から作成した肋骨正規化画像240から図7(a)に示すような平均肋骨濃度画像Yaveを作成し、正規化肋骨画像240と平均肋骨濃度画像Yaveとの差分画像に対して主成分分析を行う(S104)。その結果、例えば、図7(b)に示すような第1〜第nの肋骨主成分濃度画像Yi(i=1,2,・・・,n)が得られる。肋骨画像200は、平均肋骨濃度画像Yaveと主成分分析によって得られた第1〜第n(図7の例では、n=5)の主成分(主成分画像)である肋骨主成分濃度画像Yi(i=1,2,3,…,n)の重み付け和によって式(4)のように表わせる。
Y=Yave+bi・Yi (4)
Y : 規格化肋骨画像上の画素の画素値を成分に持つベクトル
Yave : 平均肋骨濃度画像上の画素の画素値を成分に持つベクトル
Yi : i番目の肋骨主成分濃度画像を表す主成分ベクトル
bi : i番目の主成分ベクトルに対する重み係数
(5)肋骨画像の推定
そこで、肋骨画像推定手段60で検査対象の被写体の肋骨の濃度と一致するように式(2)の重み係数biを決定して、被写体の肋骨画像の画素値を推定する。
まず、(1)の手法で検査対象の被写体の胸部撮影画像110から肋骨画像を抽出し、次に、(2)の手法で肋骨形状を抽出する。さらに、(3)の手法で検査対象の被写体の肋骨画像を正規化(肋骨正規化画像の生成)し、この被写体の正規化した肋骨画像の画素値と一致するように式(2)の重み係数biを決定して、肋骨正規化画像における肋骨の画素値を推定する。このとき、重み係数biは被写体の正規化した肋骨画像の一部の画素値が一致するように求めて、肋骨画像全体の画素値を推定することができる。さらに、得られた肋骨画像を検査対象の被写体の肋骨形状に一致するように変形して肋骨推定画像120を生成する(S105)。
上述では、肋骨画像の正規化をする際、1つ1つの肋骨を長方形の形状に変形して正規化する場合について説明したが、図8に示すような、標準的な肋骨形状になるように変形して、主成分分析を行って主成分画像(図8(b))を得るようにしてもよい。
以上、詳細に説明したように、本発明の手法を用いれば肋骨の画素値を精度よく推定することが可能になる。このようにして得られた肋骨画像を用いて、原画像から肋骨を除去するようにすれば、軟部画像が正確に抽出することができ、ガン等による異常な陰影を正確に検出することが可能になる。
また、上述の各手段を備えたプログラムをコンピュータにインストールすることにより、コンピュータを画像処理装置として動作させることができる。
本発明の画像処理装置の概略構成を示す図 軟部画像の主成分分析の結果の一例(その1) 軟部画像の主成分分析の結果の一例(その2) 肋骨画像の正規化を説明するための図 肋骨の交差部を示す図 正規化肋骨画像の一例 肋骨画像の主成分分析の結果の一例(その1) 肋骨画像の主成分分析の結果の一例(その2) 画像処理装置の処理の流れを説明するためのフローチャート
符号の説明
1 画像処理装置
10 胸部撮影画像記憶手段
20 肋骨画像生成手段
22 肋骨画像記憶手段
30 肋骨交差部検出手段
40 画像正規化手段
50 肋骨画像分析手段
60 肋骨画像推定手段
100,110 胸部撮影画像
200 肋骨画像
210 各肋骨部分画像
220 規格化形状
230 正規化した肋骨画像
120 肋骨推定画像

Claims (6)

  1. 複数の被写体の胸部を単純X線撮影して得られた複数の胸部撮影画像を記憶する胸部撮影画像記憶手段と、
    前記各胸部撮影画像を構成する画素の画素値から肋骨に寄与する画素値成分を抽出して肋骨画像を生成する肋骨画像生成手段と、
    該肋骨画像生成手段で生成した前記肋骨画像上の肋骨領域から、複数の肋骨が重なり合って撮影された肋骨交差部を検出する肋骨交差部検出手段と、
    前記複数の胸部撮影画像において前記肋骨交差部検出手段により検出された前記肋骨交差部の位置が、複数の肋骨画像全てにおいて一致するように前記肋骨画像を正規化する画像正規化手段と、
    前記正規化した肋骨画像に対して統計的な手法を用いて前記肋骨画像の画素値を分析する肋骨画像分析手段と、
    該肋骨画像分析手段の分析結果を利用して、所定の被写体を撮影した胸部撮影画像の肋骨部分の画素値を推定した肋骨推定画像を生成する肋骨画像推定手段とを備えことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記各肋骨画像上に現れた複数の肋骨の中から各1本ずつの肋骨に分離した肋骨部分画像に分ける部分画像分割手段をさらに備え、
    前記画像正規化手段が、前記肋骨部分画像各々を所定の規格化形状に変形した後に、対応する前記肋骨部分画像の肋骨交差部の位置を一致させるように変形して正規化するものであることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記分析手段が、前記複数の被写体の肋骨画像の画素値を主成分分析した主成分画像を得るものであり、
    前肋骨画像推定手段が、前記主成分画像の重み付け加算により前記所定の被写体の肋骨の画素値を推定して肋骨推定画像を生成するものであることを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
  4. 前記肋骨画像推定手段が、前記所定の被写体を撮影した胸部撮影画像を構成する画素の画素値から肋骨に寄与する画素値成分を抽出して肋骨画像を生成し、該肋骨画像の少なくとも一部より前記被写体の正常な肋骨の画素値を推定するものであることを特徴とする請求項1から3記載の画像処理装置。
  5. 複数の被写体の胸部を単純X線撮影して得られた複数の胸部撮影画像を胸部撮影画像記憶手段に記憶する胸部撮影画像記憶ステップと、
    前記各胸部撮影画像を構成する画素の画素値から肋骨に寄与する画素値成分を抽出して肋骨画像を生成する肋骨画像生成ステップと、
    該肋骨画像生成ステップで生成した前記肋骨画像上の肋骨領域から、複数の肋骨が重なり合って撮影された肋骨交差部を検出する肋骨交差部検出ステップと、
    前記複数の胸部撮影画像において前記肋骨交差部検出ステップにより検出された前記肋骨交差部の位置が、複数の肋骨画像全てにおいて一致するように前記肋骨画像を正規化する画像正規化ステップと、
    前記正規化した肋骨画像に対して統計的な手法を用いて前記肋骨画像の画素値を分析する肋骨画像分析ステップと、
    該肋骨画像分析ステップの分析結果を利用して、所定の被写体を撮影した胸部撮影画像の肋骨部分の画素値を推定して肋骨推定画像を生成する肋骨画像推定ステップとを備えたことを特徴とする画像処理方法。
  6. コンピュータを、
    複数の被写体の胸部を単純X線撮影して得られた胸部撮影画像を複数記憶する胸部撮影画像記憶手段と、
    前記各胸部撮影画像を構成する画素の画素値から肋骨に寄与する画素値成分を抽出して肋骨画像を生成する肋骨画像生成手段と、
    該肋骨画像生成手段で生成した前記肋骨画像上の肋骨領域から、複数の肋骨が重なり合って撮影された肋骨交差部を検出する肋骨交差部検出手段と、
    前記複数の胸部撮影画像から前記肋骨画像生成手段で生成した複数の肋骨画像より前記肋骨交差部検出手段を用いて検出した前記肋骨交差部の位置が、該複数の肋骨画像全てにおいて一致するように前記肋骨画像を正規化する画像正規化手段と、
    前記正規化した肋骨画像に対して統計的な手法を用いて前記肋骨画像の画素値を分析する肋骨画像分析手段と、
    該肋骨画像分析手段の分析結果を利用して、所定の被写体を撮影した胸部撮影画像の肋骨部分の画素値を推定して肋骨推定画像を生成する肋骨画像推定手段として機能させるプログラム。
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