JP4698823B2 - ε−カプロラクトンの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ε−カプロラクトンの効率的な精製を伴う製造方法に関する。
更に詳しくは、シクロヘキサノンを酸化してε−カプロラクトンを製造する際の反応条件は厳しくすることなく、反応後の精製プロセス、未反応のシクロヘキサノンの回収プロセスを検討してシクロヘキサノンの転化率を高め、未反応シクロヘキサノンのリサイクル量を可及的に少なくする、効率的な精製を伴うε−カプロラクトンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ε−カプロラクトン(以下、CL−Mと称することがある)は、ポリウレタン合成用のポリエステルポリオールやその他の成形材料の重合体原料等の用途を持ち、製造方法としてはシクロヘキサノン(以下、ANOと称することがある)を酸化して得る方法が代表的なものとして知られている。
このANOの酸化にはアセトアルデヒドとの共存下に行われる共酸化法と、有機過酸、例えば過酢酸などを酸化剤として用いる酸化法とがある。
又、ANOの酸化によって得た反応混合物から目的物を分離するために、蒸溜法が用いられている。
【0003】
上記ANOを酸化してCL−Mを製造する場合、通常、得られる反応粗液には目的物CL−Mの他、未反応主原料ANOが含まれるが、更に酸化剤を使用する場合は未反応の該酸化剤(以下、APと称することがある)、該酸化剤に基づく副生成物(以下、ACと称することがある)、該酸化剤の溶媒(以下、AEと称するときがある)、CL−Mの副生成物、例えばアジピン酸(以下、ADAと称することがある)、CL−Mの重合体(以下、CL−HB又は単にHBと称することがある)等が含まれることが多く、製品としてのCL−Mの取り出し、未反応主原料ANOの回収とリサイクル使用のために、上記反応粗液の蒸溜分離が必要である。
【0004】
又、ANOの酸化反応に際して、ANOの転化率の可及的向上によるCL−Mの高収率化及びANOの回収、リサイクル使用量の低減による生産性の向上の必要性から、AP仕込み量の増大、反応温度の上昇等の過酷な反応条件が採られる場合もあるが、この手段をとるとADA、HB等の副生成物が増加し、更に精製系の蒸溜塔内で加熱されるとCL−Mと反応して複雑な副生成物ができ、結局CL−Mの収率を低下させ、本来の目的を達成することができない。
【0005】
そこで上記反応条件は変えずに、CL−Mを分離し、ANOを回収するために一般的に行われている低沸点物を順次除去していく精製プロセスを検討し、第1蒸留塔ではAE、AP及びACを主成分とする溜出液を溜出させ、ANO、CL−M、ADA及びHBを主成分とする缶出液を取り出し、該缶出液を第2蒸留塔に供給して蒸溜し、リサイクル使用されるANOを塔頂より得、CL−M、ADA及びHBを主成分とする缶出液を得、更に該缶出液を第3蒸留塔に供給し、製品のCL−Mを溜出液として溜出させるとともに、ADA及びHBを缶出液として排出させ、廃棄成分とする方法をとったところ、ANOのリサイクル使用量を低減する前記方法の場合に比べてCL−Mの収率は高いが、品質の低下が見られ、特に加熱着色試験結果は悪かった。
上記のごとく、前記反応条件は変えずに蒸溜を行った場合、ANOをリサイクル使用しない場合、又は低減した場合に比べて品質の低下が見られるものの、CL−Mの収率は高い結果が得られ、蒸溜工程におけるCL−Mの分離方法及びANOの回収方法の詳細な再検討は価値あるものとの示唆を得た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題は前記反応条件は変えずに蒸溜工程におけるCL−Mの分離方法及びANOの回収方法の詳細な検討を行い、高い収率及び、高度の品質を有するCL−Mを得るための製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究をした結果、反応粗液を第1蒸溜塔に供給し、ANOとCL−Mを同時に缶出液として取り出し、第2蒸留塔でANOを分離し、続く第3蒸留塔でCL−Mを順次得る直列的工程をとる方法では本発明の課題を解決することができず、反応粗液を第1蒸溜塔に供給し、ANOとCL−Mをそれぞれ溜出液及び缶出液として分離し、それぞれを第2及び第3蒸溜塔に分けて供給して精製して行くことにより良い結果が得られる知見を得、本発明を完成した。
【0008】
本発明の要旨は以下の通りである。
第1の発明は、シクロヘキサノンを有機過酸で酸化して得た反応粗液(A)を第1蒸溜塔に供給し、塔頂から未反応のシクロヘキサノンを含む低沸点の第1溜出液(A1)を溜去させ、塔底からはε−カプロラクトンを含む高沸点の第1缶出液(A2)を得た後、前記第1溜出液(A1)を第1蒸溜塔の塔頂に続く第2蒸溜塔に導き、低沸点の第2溜出液(A11)を得るとともに、未反応のシクロヘキサノンを含む第2缶出液(A12)を得、前記第1缶出液(A2)を第1蒸溜塔の塔底に続く第3蒸溜塔に導き、ε−カプロラクトンを含む第3溜出液(A21)を得るとともに、塔底からは第3缶出液(A22)を得、前記第2缶出液(A12)は原料シクロヘキサノンに戻すε−カプロラクトンの製造方法に関する。
第2の発明は、有機過酸が過酢酸である上記第1の発明に記載のε−カプロラクトンの製造方法に関する。
第3の発明は、反応粗液(A)が有機過酸、有機過酸に基づく酸、有機過酸の溶媒、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、アジピン酸及びε−カプロラクトンの重合物を主成分として含む上記第1又は第2の発明に記載のε−カプロラクトンの製造方法に関する。
第4の発明は、第1溜出液(A1)が有機過酸、有機過酸に基づく酸、有機過酸の溶媒及びシクロヘキサノンを主成分として含む上記第1ないし第3の発明のいずれかに記載ε−カプロラクトンの製造方法に関する。
第5の発明は、第1缶出液(A2)がε−カプロラクトン、アジピン酸及びε−カプロラクトンの重合物を主成分として含む上記第1ないし第3の発明のいずれかに記載のε−カプロラクトンの製造方法に関する。
第6の発明は、第2溜出液(A11)が有機過酸、有機過酸に基づく酸及び有機過酸の溶媒を主成分として含む上記第1ないし第4の発明のいずれかに記載のε−カプロラクトンの製造方法に関する。
第7の発明は、第2缶出液(A12)が有機過酸に基づく酸及び未反応のシクロヘキサノンを主成分として含む上記第1ないし第4の発明のいずれかに記載のε−カプロラクトンの製造方法に関する。
第8の発明は、第3溜出液(A21)の主成分がε−カプロラクトンである上記第1ないし第3及び第5の発明のいずれかに記載のε−カプロラクトンの製造方法に関する。
第9の発明は、第3缶出液(A22)がアジピン酸及びε−カプロラクトンの重合物を主成分として含む上記第1ないし第3及び第5の発明のいずれかに記載のε−カプロラクトンの製造方法に関する。
【0009】
【発明の実施の態様】
以下、本発明の内容を詳説する。
本発明に係るε−カプロラクトンの製造方法においては有機過酸が使用され、過酢酸、過プロピオン酸、過イソ酪酸等−CO−OOH基をもつ有機過酸が使用され、通常はアセトン、酢酸エチル、酢酸等の溶媒を使用した溶液の形で用いられる。
【0010】
これら有機過酸が使用された場合、シクロヘキサノンを酸化してε−カプロラクトンに変え、自らはε−カプロラクトンより沸点の低い酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸等の有機酸に変わる。
なお、共酸化法を使用する場合には、シクロヘキサノンとアセトアルデヒドを原料とし、空気酸化によってε−カプロラクトンと酢酸を得るものである。
【0011】
シクロヘキサノンを有機過酸で酸化して得た反応粗液(A)には、ε−カプロラクトン、未反応シクロヘキサノン、未反応有機過酸、有機過酸の溶媒(例えば、酢酸エチル、酢酸等)、有機過酸に基づく酸、カプロラクトンオリゴマー、カプロラクトンポリマー、オキシカプロン酸、アジピン酸、その他構造不明の副生物の不純物成分が含まれる。
このように反応粗液は多成分であり、かつ熱経時的に不安定な反応混合物であるので、ANOとかCL−Mを蒸留精製する場合、CL−Mの重合ロスを少なくするために通常減圧下で行われる。例えば、上記反応粗液(A)が供給される第1蒸溜塔では塔底温度100〜200℃、塔頂圧100mmHg以下、第1蒸溜塔の缶出液が供給され溜出液としてCL−Mを得るための第3蒸溜塔は塔底温度100〜200℃、塔頂圧50mmHg以下で行うのが望ましい。又第1蒸留塔の溜出液が供給される第2蒸溜塔はANOの変質を考慮して塔底温度120〜200℃、塔頂圧50mmHg以下で行うことが望ましい。
【0012】
第1蒸溜塔における蒸溜条件は、溜出液の主成分が、沸点の低いAE、AP、AC及び未反応のANOで構成され、缶出液の主成分が、沸点の高いCL−M、ADA、HBで構成されるように選択される。より具体的には、塔底温度100〜200℃、塔頂圧100mmHg以下なる条件が好ましい。
なお、上記のように未反応のANOは、ほとんど全部が溜出液として溜出され、缶出液中に混入されることはあっても問題になる量でない。
【0013】
第1蒸溜塔からの溜出液は第2蒸溜塔に供給され、主成分がAE、AP及びACである溜出液と、主成分がANO及びACである缶出液に分離され、この缶出液は原料シクロヘキサノンにリサイクルされ、再利用に供される。
【0014】
第1蒸溜塔からの缶出液は、第2蒸留塔と並列的に設置された第3蒸溜塔に供給される。
塔底からの缶出液は主成分がADA、HBであり、本発明に係る製造工程にはリサイクル使用することはできず、一応廃棄処分の対象となる。
【0015】
次に、図面(ブロックフローチャート)を用いて上記製造方法を説明する。
図1は、第1蒸留塔から第2及び第3蒸留塔に分かれて結合する本発明に係るフローを示し、シクロヘキサノンの酸化によりε−カプロラクトンを製造するに際して得られる反応粗液(A)には、CL−M、ANOの他、AE、AP、AC、ADA、HBが含まれ、第1蒸溜塔に供給され、蒸留により第1溜出液(A1)と第1缶出液(A2)に分離される。
【0016】
第1溜出液(A1)には主成分としてANO、AE、AP及びACが含まれ、第2蒸溜塔に供給される。
第1缶出液(A2)には主成分として製造目的物CL−Mの他、ADA及びHBが含まれ、第3蒸溜塔に供給される。
【0017】
第2蒸溜塔に供給された第1溜出液(A1)は蒸溜、分離され、AE、AP及びACを主成分とする第2溜出液(A11)と、ANOとACを主成分とする第2缶出液(A12)に分離され、後者はそのまま反応原料ANO中にリサイクルされ、再利用される。
【0018】
第3蒸溜塔に供給された第1缶出液(A2)は蒸溜、分離され、第3溜出液(A21)のCL−Mはその好ましくない重合を避けるために塔頂からではなくて途中段から抜き取られる。また塔の上部からの溜出分は、図示しないものの、脱低沸リサイクルとして第1蒸留塔に仕込まれ、リサイクルされる。
一方、第3缶出液(A22)はADAとHBを主成分とするものであり、一定の成分のものは得られないので、通常は廃棄される。
【0019】
図2は第1蒸留塔から第3蒸留塔までシリーズで結合する従来法に係るブロックフローチャートを示し、シクロヘキサノンの酸化によりε−カプロラクトンを製造するに際して得られる反応粗液(B)には、CL−M、ANOの他、AE、AP、AC、ADA、HBが含まれ、図1に示した、本発明に係る反応粗液(A)と同じものである。
反応粗液(B)は第1蒸溜塔に供給され、蒸留により主成分がAE、AP及びACである第1溜出液(B1)と、主成分がANO、CL−M、ADA及びHBである第1缶出液(B2)に分離される。
【0020】
第1缶出液(B2)は第2蒸溜塔に供給され、ANOを主成分とする第2溜出液(B21)と、CL−M、ADA及びHBを主成分とする第2缶出液(B22)に分離されるが、前者の第2溜出液(B21)は、原料にリサイクルされる。
【0021】
第2缶出液(B22)は続く第3蒸溜塔に供給され、CL−Mを主成分とする第3溜出液(B221)と、ADA及びHBを主成分とする第3缶出液(B222)に分離され、前者は製造目的物の製品に供されるが、後者は一定した化学成分を持たないので通常は廃棄対象となる。
【0022】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「%」はすべて「重量%」を表す。
(実施例1)
(1)下記蒸溜操作に付される反応粗液を得る参考例
反応内容積2リットルの流通式反応器にシクロヘキサノン60g/時、過酢酸の30%酢酸エチル溶液170.5g/時(純過酢酸としては51.4g/時、シクロヘキサノンに対して1.1モル倍)を仕込み、反応温度50℃で連続反応させた。
得られた反応粗液を分析したところ、ε−カプロラクトン(CL−M)28.78%;未反応シクロヘキサノン(ANO)0.52%;未反応過酢酸(AP)1.31%;副生アジピン酸(ADA)0.59%;カプロラクトン重合物(HB)0.30%;酢酸(AC)21.16%;酢酸エチル(AE)47.34%;水0%の割合であった。
(2)上記参考例に係る反応粗液からのCL−Mの製造実施例
反応粗液(A)を図1に示す第1蒸溜塔に供給して、塔底温度200℃、塔頂圧100mmHgの蒸溜条件下に脱低沸蒸溜処理に付した。第1蒸溜塔において、未反応ANO、未反応過酢酸、酢酸エチル及び酢酸を含む低沸物は第1溜出液(A1)として溜出され、第2蒸溜塔に供給され、塔底温度200℃、塔頂圧100mmHgの蒸溜条件下に未反応過酢酸、酢酸エチル及び酢酸が第2溜出液(A11)として溜出され、未反応ANOと酢酸の一部は塔底から第2缶出液(A12)として取り出され、反応原料として反応系のANOに加えられ、リサイクル使用に供された。
第1蒸留塔において、製造目的物ε−カプロラクトン、副生アジピン酸及びカプロラクトン重合物を含む高沸物は第1缶出液(A2)として取り出され、第3蒸留塔に供給され、塔底温度120〜200℃の範囲内、塔頂圧50mmHgの蒸溜条件下に、塔頂ではなくて、塔頂と仕込み段の中間段から目的物ε−カプロラクトンが第3溜出液(A21)として取り出され、副生アジピン酸及びカプロラクトン重合物は塔底から第3缶出液(A22)として排出された。
(3)蒸留塔の操作条件の詳細
本実施例における第1蒸留塔(脱低沸蒸溜塔)に係る仕込み、還流、溜出及び缶出の量的操作条件、第2蒸留塔(ANO回収塔)に係る還流、溜出、缶出(ANO回収)及び缶出(一部廃棄)の量的操作条件、第1蒸留塔に連結する第3蒸留塔(製品塔)に係る還流、溜出(脱低沸リサイクル)、缶出及び製品抜取(サイドカット)の量的操作条件を表1に示す。
【0023】
(比較例)
(1)下記蒸溜操作に付される反応粗液を得る参考例
前記実施例と同じ方法で反応粗液(B)を得た。
(2)上記反応粗液(B)からのCL−Mの製造比較例
反応粗液(B)を図2に示す第1蒸溜塔に供給して塔底温度200℃、塔頂圧100mmHgの蒸溜条件下に脱低沸蒸溜処理に付した。第1蒸溜塔において、未反応過酢酸、酢酸エチル及び酢酸を含む低沸物は第1溜出液(B1)として溜出され、未反応ANO、製品CL−M、ADA及びHBは第1缶出液(B2)として取り出されて第2蒸溜塔に供給された。
第2蒸溜塔において、塔底温度200℃、塔頂圧50mmHgの蒸溜条件下に未反応ANOが第2溜出液(B21)として溜出され、反応原料として反応系のANOに加えられてリサイクル使用に供され、一方、製品CL−M、副生アジピン酸及びカプロラクトン重合物を含む高沸物は第2缶出液(B22)として取り出され、第3蒸留塔に供給され、塔底温度120〜200℃の範囲内、塔頂圧50mmHgの蒸溜条件下に、製品ε−カプロラクトンが塔頂ではなくて、塔頂と仕込み段の中間段から第3溜出液(B221)として取り出され、副生アジピン酸及びカプロラクトン重合物は塔底から第3缶出液(B222)として排出された。
(3)蒸留塔の操作条件の詳細
本比較例における第1蒸留塔(脱低沸蒸溜塔)に係る仕込、還流、溜出及び缶出の量的操作条件、第2蒸留塔(ANO回収塔)に係る還流、溜出(ANO回収)及び缶出(一部廃棄)の量的操作条件、第2蒸留塔に連結する第3蒸留塔(製品塔)に係る仕込、還流、溜出(脱低沸リサイクル)、缶出及び製品抜取(サイドカット)の量的操作条件を表2に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の効果】
本発明に係る蒸溜工程をとれば、従来の工程において見られた製品ε−カプロラクトンの色相の悪化が見られなくなり、大きい効果が得られた。この悪化が見られなくなった理由は未だ明らかではないが、従来は第1、第2及び第3蒸留操作を直列的に実施し、又第2蒸留塔までANOとCL−Mの共存させているのに対し、本発明の方法においては、先ず第1蒸留操作を実施し、未反応ANO成分と製品CL−Mを予め第1蒸留塔の段階で分離し、その後、それぞれの精製蒸溜をした結果であると推測される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るε−カプロラクトンの製造工程のブロックフローチャート。
【図2】比較例に係るε−カプロラクトンの製造工程のブロックフローチャート。
Claims (9)
- シクロヘキサノンを有機過酸で酸化して得た反応粗液(A)を第1蒸溜塔に供給し、塔頂から未反応のシクロヘキサノンを含む低沸点の第1溜出液(A1)を溜去させ、塔底からはε−カプロラクトンを含む高沸点の第1缶出液(A2)を得た後、前記第1溜出液(A1)を第1蒸溜塔の塔頂に続く第2蒸溜塔に導き、低沸点の第2溜出液(A11)を得るとともに、未反応のシクロヘキサノンを含む第2缶出液(A12)を得、前記第1缶出液(A2)を第1蒸溜塔の塔底に続く第3蒸溜塔に導き、ε−カプロラクトンを含む第3溜出液(A21)を得るとともに、塔底からは第3缶出液(A22)を得、前記第2缶出液(A12)は反応原料としての反応系のシクロヘキサノンに加え、リサイクル使用に供することを特徴とするε−カプロラクトンの製造方法。
- 有機過酸が過酢酸である請求項1記載のε−カプロラクトンの製造方法。
- 反応粗液(A)が有機過酸、有機過酸に基づく酸、有機過酸の溶媒、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、アジピン酸及びε−カプロラクトンの重合物を主成分として含み、前記有機過酸が過酢酸、前記有機過酸に基づく酸が酢酸、前記有機過酸の溶媒が、アセトン、酢酸エチル又は酢酸である請求項1又は2記載のε−カプロラクトンの製造方法。
- 第1溜出液(A1)が有機過酸、有機過酸に基づく酸、有機過酸の溶媒及びシクロヘキサノンを主成分として含み、前記有機過酸が過酢酸、前記有機過酸に基づく酸が酢酸、前記有機過酸の溶媒が、アセトン、酢酸エチル又は酢酸である請求項1〜3のいずれかに記載ε−カプロラクトンの製造方法。
- 第1缶出液(A2)がε−カプロラクトン、アジピン酸及びε−カプロラクトンの重合物を主成分として含む請求項1〜3のいずれかに記載のε−カプロラクトンの製造方法。
- 第2溜出液(A11)が有機過酸、有機過酸に基づく酸及び有機過酸の溶媒を主成分として含み、前記有機過酸が過酢酸、前記有機過酸に基づく酸が酢酸、前記有機過酸の溶媒が、アセトン、酢酸エチル又は酢酸である請求項1〜4のいずれかに記載のε−カプロラクトンの製造方法。
- 第2缶出液(A12)が酢酸及び未反応のシクロヘキサノンを主成分として含む請求項1〜4のいずれかに記載のε−カプロラクトンの製造方法。
- 第3溜出液(A21)の主成分がε−カプロラクトンである請求項1〜3、5のいずれかに記載のε−カプロラクトンの製造方法。
- 第3缶出液(A22)がアジピン酸及びε−カプロラクトンの重合物を主成分として含む請求項1〜3、5のいずれかに記載のε−カプロラクトンの製造方法。
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