JP4698515B2 - 感光性組成物除去液 - Google Patents

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本発明は、感光性組成物除去液に関する。本発明は、特に、ガラス基板や半導体ウエーハなどに感光性組成物皮膜を形成する工程における基板の周辺部、縁辺部または裏面部の未硬化の感光性組成物皮膜の除去、または製造装置部材や器具の表面に付着した未硬化の感光性組成物の除去のための除去液に関する。
本発明の感光性組成物除去液は、特に、液晶装置や有機EL装置、イメージセンサに用いられるカラーフィルターの製造における基板上に感光性組成物皮膜を形成する工程で、基板の周辺部、縁辺部または裏面部に残存する未硬化の顔料を含有する感光性組成物皮膜の除去、または製造装置部材や器具の表面に付着した未硬化の顔料を含有する感光性組成物の除去に有用である。
液晶、有機EL、プラズマディスプレイ等のフラットパネルディスプレイまたは半導体の製造工程では、通常、リソグラフィー技術を用いた感光性組成物のパターン形成が行われる。
液晶装置や有機EL装置、イメージセンサ等に用いられるカラーフィルター製造におけるRGBもしくは樹脂ブラックマトリックスのパターン形成方法としては、顔料分散法、染色法、印刷法、電着法などが用いられる。顔料分散法は、顔料を含有する感光性組成物を用いたフォトリソグラフィーにより各色のパターニングを行う方法であり、安定な着色皮膜が得られることからカラーフィルターの製造に好適な方法である。この方法により基板上に感光性組成物皮膜を形成する場合、顔料を含有する感光性組成物を基板上に塗布する工程が含まれ、その塗布方法としてはスピンコート、スリットコート、ワイヤーバーコート、ロールコート、ディップコート、スプレーコートあるいはこれらの組み合わせなどの方法が知られている。
スピンコートを行う場合、感光性組成物のコート後の基板の周辺部、縁辺部の感光性組成物膜の盛り上がり部分や裏面に付着した感光性組成物を除去するために、通常、感光性組成物除去液によるリンス処理、いわゆるエッジリンス、バックリンスが行われる。さらに、スピンコーティングでは、カップに飛散した感光性組成物を除去する工程、いわゆるカップリンスにおいても、感光性組成物除去液による感光性組成物除去処理が行われる。
また、カラーフィルター製造における感光性組成物の塗布工程としては、前述のスピンコート以外にもスリットコート法による感光性組成物の塗布やワイヤーバーを用いた塗布、ロールコーターによる塗布が行われるが、これらの方法においても感光性組成物の塗布後にそれぞれスリットノズルやワイヤーバー等の塗布装置の一部または全部に付着した不要な感光性組成物の除去が実施される。
さらに、その他にも、感光性組成物を移送するための装置配管など、塗布装置の部材に付着した感光性組成物の除去が実施される場合がある。通常、このような感光性組成物の除去には除去液を用いた洗浄処理が行われる。
このような基板および装置に付着した感光性組成物のいずれの除去工程においても、感光性組成物成分の残留が問題となる。カラーフィルターの製造に用いられる顔料を含有する感光性組成物、すなわちRGB形成に用いられるカラーレジストや、樹脂ブラックマトリックス形成に用いられるブラックレジストは、顔料成分が基板や装置表面へ残留しやすく、これらが僅かであっても異物の原因となってカラーフィルター製造の不良率増加、あるいはカラーフィルターの色純度変化やコントラスト低下をきたす可能性がある。近年のカラーディスプレイに用いられるカラーフィルターには基板の大画面化、高精細化および低コスト化の要求が高くなっており、このような状況にあってカラーフィルターの性能、歩留まりに影響を及ぼす感光性組成物成分残留の回避はますます重要となってきている。
従来、感光性組成物除去剤としては、グリコールエーテルやそのエステル、あるいはその混合物が一般的に用いられることが多い(例えば、特許文献1、2参照。)が、これらを上記カラーレジストの洗浄除去に応用した場合は、レジスト除去性が十分でなく、大量の除去液の使用が必要となったり、除去残が発生するという問題があった。
また、顔料を含有する着色組成物の除去に、感光性組成物に使用されている溶剤成分または界面活性剤や分散剤などの感光性組成物に含有される成分を用いる方法もある(例えば、特許文献3参照。)が、感光性組成物に含有される溶剤成分のみを洗浄剤として用いた場合は、顔料が沈降しやすく、十分な洗浄性が得られない。また、界面活性剤や分散剤等の感光性組成物成分に含有される成分を洗浄液組成物中に含有させた場合は、その成分が蒸発残分として基板や製造装置部材上に残留しやすく、更なる洗浄工程が必要となったり、蒸発残分の残留を好まない基板の端面や裏面の感光性組成物除去には実質上用いることができないという問題がある。
特開平11−44960号公報 特許第3125917号公報 特開2000−273370号公報
本発明の目的は、感光性組成物の除去性能に優れた感光性組成物除去液を提供することにある。
本発明は、特に、液晶装置や有機EL装置、イメージセンサ等の製造における基板上に感光性組成物皮膜を形成する工程において、基板の周辺部、縁辺部または裏面部に残存する顔料を含有する感光性組成物皮膜の除去、または製造装置部材や器具の表面に付着した顔料を含有する感光性組成物の除去に有効な除去液を提供しようとするものである。
なお、この明細書においては、脂環式ケトン類を成分1、アルキレングリコールモノアルキルエーテル類またはアルコール類を成分2、酢酸エステル類を成分3ということがある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、特定の組成からなる除去液を用いることにより顔料含有感光性組成物の洗浄除去性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、例えば、下記の事項からなる。
[1]顔料を含有する感光性組成物の除去液であって、
(1)脂環式ケトン類を99〜30質量%および
(2)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類およびアルコール類から選ばれる少なくとも1種の化合物を1〜70質量%
含有することを特徴とする感光性組成物除去液。
[2]顔料を含有する感光性組成物の除去液であって、
(1)脂環式ケトン類を80〜30質量%、
(2)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類およびアルコール類から選ばれる少なくとも1種の化合物を60〜10質量%および
(3)酢酸エステル類を40〜10質量%
含有することを特徴とする感光性組成物除去液。
[3]脂環式ケトン類が、シクロヘキサノン、シクロペンタノンおよびメチルシクロヘキサノンからなる群から選ばれる少なくとも1種である上記[1]または[2]に記載の感光性組成物除去液。
[4]アルキレングリコールモノアルキルエーテル類が、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシブタノールおよび3−メチル−3−メトキシブタノールからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、アルコール類が、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールおよびt−ブタノールからなる群から選ばれる少なくとも1種である上記[1]〜[3]のいずれかに記載の感光性組成物除去液。
[5]酢酸エステル類が、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミルおよび酢酸sec−アミルからなる群から選ばれる少なくとも1種である上記[2]〜[4]のいずれかに記載の感光性組成物除去液。
[6]顔料を含有するアクリル系感光性組成物の除去に用いられる上記[1]〜[5]のいずれかに記載の感光性組成物除去液。
[7]感光前の顔料を含有する感光性組成物の除去に用いられる上記[1]〜[6]のいずれかに記載の感光性組成物除去液。
[8]上記[1]〜[7]のいずれかに記載の感光性組成物除去液を用いて顔料を含有する感光性組成物を除去する工程を有する感光性組成物塗布装置の洗浄方法。
[9]上記[1]〜[7]のいずれかに記載の感光性組成物除去液を用いて顔料を含有する感光性組成物を除去することにより得られるカラーフィルター。
[10]上記[9]に記載のカラーフィルターを備えた装置。
[11]上記[1]〜[7]のいずれかに記載の感光性組成物除去液を用いて有色顔料を含有する感光性組成物が除去処理された基板。
本発明の感光性組成物除去液は、液晶装置や有機EL装置、イメージセンサ等の製造における基板上に感光性組成物皮膜を形成する工程において、基板周辺部、縁辺部または裏面部に残存する顔料を含有する感光性組成物皮膜の除去、または製造装置部材や器具の表面に付着した顔料を含有する感光性組成物の除去に効果的に用いることができる。
以下に、本発明の感光性組成物除去液の好ましい態様について説明する。
本発明の感光性組成物除去液は、顔料を含有する感光性組成物の除去に用いられるものであり、脂環式ケトン類(成分1)およびアルキレングリコールモノアルキルエーテル類および/またはアルコール類(成分2)を含有することを特徴とする。
本発明に用いられる脂環式ケトン類(成分1)は、感光性組成物に含有される樹脂成分の溶解性が高いことから、感光性組成物除去液の主成分として好適に使用される。それらの具体例としては、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、シクロヘプタノン、メチルシクロヘキサノン、メチルシクロペンタノンなどを挙げることができ、これらの少なくとも1種を使用することができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
これらの中でも、シクロヘキサノン、シクロペンタノンおよびメチルシクロヘキサノンが感光性組成物の溶解性の高さ、入手の容易さ、安全性から特に好ましい。
本発明に用いられるアルキレングリコールモノアルキルエーテル類およびアルコール類(成分2)は、脂環式ケトン類と混合されることにより感光性組成物に含有される樹脂成分の溶解性を高めることから、感光性組成物除去液の主成分として好適に使用される。
アルキレングリコールモノアルキルエーテル類の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−プロピルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノールなどを挙げることができ、これらの少なくとも1種を使用することができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
これらの中でも、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシブタノールおよび3−メチル−3−メトキシブタノールが好ましく、とりわけプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシブタノールおよび3−メチル−3−メトキシブタノールが感光性組成物の溶解性の高さ、入手の容易さ、安全性から特に好ましい。
アルコール類の具体例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノールおよび4−ヘプタノールなどを挙げることができ、これらの少なくとも1種を使用することができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
これらの中でも、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールおよびt−ブタノールが感光性組成物の溶解性の高さ、入手の容易さ、安全性から特に好ましい。
本発明の感光性組成物除去液に含有される成分1および成分2の好ましい比率は、これら2成分のみを含有する場合成分1が99〜30質量%、成分2が1〜70質量%であり、これら2成分で100質量%となるように配合される。さらに、乾燥速度や乾燥状態を改善するためより好ましい比率は、成分2がアルキレングリコールモノアルキルエーテル類の場合、成分1が90〜30質量%、成分2が10〜70質量%であり、成分2がアルコール類の場合、成分1が 50〜30質量%、成分2が70〜50質量%である。
本発明の感光性組成物の成分1および成分2の含有量が上記の範囲であれば、感光性組成物に含有される樹脂成分等の溶解性と顔料の分散除去性が良好である。
本発明の感光性組成物除去液には、脂環式ケトン類(成分1)およびアルキレングリコールモノアルキルエーテル類またはアルコール類(成分2)以外に、酢酸エステル類(成分3)を含有させることができる。
本発明の感光性組成物除去液に含有させることのできる成分3は、感光性組成物除去液の粘度を下げ、感光性組成物の除去速度を向上させるとともに、得られる除去液に適度な乾燥性を付与し、また除去後の乾燥時における乾燥ムラ等を防止する点で有効である。
本発明に用いることのできる酢酸エステル類(成分3)の具体例としては、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、酢酸ヘキシル、酢酸シクロヘキシル等を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
これらの中でも酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミルおよび酢酸sec−アミルが、感光性組成物の除去性、入手の容易さ、安全性の点から好ましい。
本発明の感光性組成物除去液が成分1、成分2および成分3を含有する場合これら3成分で100質量%となるように配合され、成分1、成分2および成分3の好ましい比率は、成分1が80〜30質量%、成分2が60〜10質量%、成分3が40〜10質量%であり、乾燥速度や乾燥状態を改善するためさらに好ましい比率は、成分1が80〜30質量%、成分2が40〜10質量%、成分3が40〜10質量%である。
なお、上記成分1および成分2の混合物、あるいは上記成分1、成分2、成分3の混合物に成分4としてアルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボン酸エステル類(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等)、3−アルコキシカルボン酸エステル類(3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等)、鎖状ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、ヒドロキシカルボン酸エステル類(乳酸エチル等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン等)、エーテル類(ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン等)、非プロトン性極性溶剤(N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン等)の少なくとも1種を適宜含有させることができるが、これらに限定されるものではなく、本発明の目的に沿うものであれば各種成分を本発明の除去液に配合することができる。この成分4も得られる除去剤の粘性や乾燥性を調節し、洗浄効果を上げる効果がある。
本発明の感光性組成物除去液に含まれる成分1〜3が上記の範囲であれば、顔料を含有する感光性組成物の除去性能が良好であり、さらに除去処理後の除去液の乾燥時に乾燥ムラの発生等を抑制することが可能となる。
次に、本発明の除去液が適用される有色感光性樹脂組成物について詳細に説明する。
本発明の除去液が適用できる有色感光性組成物は、通常、液晶装置、有機EL装置、イメージセンサ等のカラーフィルター形成工程に用いられる、顔料を含有する有色感光性組成物である。これらの有色感光性組成物は、顔料を含有させることにより着色した感光性組成物であり、一般にアルカリで現像可能な皮膜形成物質、感光性物質、顔料等を含有するものである。
有色感光性組成物に含まれる皮膜形成物質としては、アクリル系樹脂、ノボラック系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリビニルフェノール系樹脂などを挙げることができるが、本発明の除去液は、特に、アクリル系樹脂を皮膜形成物質として含有する有色感光性組成物の除去に好適に用いることができる。皮膜形成物質として使用されるアクリル系樹脂は、アルカリ可溶性の、分子量1,000〜500,000程度の高分子重合体あるいは共重合体であり、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体およびその他のエチレン性不飽和単量体との共重合体が好適に用いられる。
有色感光性組成物に含有される感光性物質としては、アクリル系樹脂を皮膜形成物質とする場合、ヘキサアリールビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物、アミノアセトフェノン系化合物、増感色素と有機ホウ素塩系化合物との組み合わせ、チタノセン系化合物、オキサジアゾール系化合物等が挙げられる。
有色感光性組成物に含有させることのできる顔料としては、通常カラーフィルターの製造に用いられている顔料であれば問題なく使用することができ、黒色、黄色、赤色、青色、緑色等の有機もしくは無機顔料を単独であるいは2種以上を任意に混合して使用することができる。顔料の具体例としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、カーボンナノチューブ、黒鉛、鉄黒、酸化鉄系黒色顔料、アニリンブラック、シアニンブラック、チタンブラック、C.I.ピグメントイエロー20、24、83、86、93、109、110、117、125、137、138、139、147、148、153、154、166、C.I.ピグメントオレンジ36、43、51、55、59、61、C.I.ピグメントレッド9、97、122、123、149、168、177、180、192、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、254、C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:4、15:6、22、27、60、64、C.I.ピグメントグリーン7、10、36、37、C.I.ピグメントブラウン23、25、26等を挙げることができる。
有色感光性組成物には、上記の皮膜形成物質、感光性物質および顔料のほかにさらにエチレン性不飽和単量体を配合することもできる。エチレン性不飽和単量体は、活性光線照射時に光重合開始剤から発生するラジカルで重合する化合物である。
本発明の感光性組成物除去液が適用される有色感光性組成物には、上記の成分以外に有機溶剤、顔料分散剤、密着向上剤、レベリング剤、現像改良剤、酸化防止剤、熱重合禁止剤等が適宜配合されていてもよい。
本発明の感光性組成物除去液は、被洗浄物に塗布あるいは付着された状態の有色感光性組成物の除去に適用することができ、特に感光前の有色感光性組成物の除去に好適に用いることができる。有色感光性組成物は、溶剤が含有されている状態であってもよいし、溶剤が揮発した後の状態であってもよい。
有色感光性組成物を除去する方法としては、有色感光性組成物が塗布されまたは付着した被洗浄物に本洗浄液をノズルなどから棒状、液滴状あるいはミスト状に吹きかけて除去する方法、本発明の除去液に有色感光性組成物が付着した被洗浄物を浸漬する方法などが挙げられる。除去を効率的に行うために、超音波照射や、ブラシ等による物理的洗浄を併用することも可能である。
本発明の感光性組成物除去液は、液晶装置、有機EL装置、イメージセンサ等に用いられるカラーフィルター製造時の有色感光性組成物塗布工程において、基板の周辺部、縁辺部または裏面部に付着した不要の未硬化の有色感光性組成物の除去、または塗布装置の一部または全部に付着した不要の未硬化の有色感光性組成物の除去に好適に用いることができる。
本発明の感光性組成物除去液は、基板上にスピンコート法で有色感光性組成物を塗布する際の、基板周辺部、縁辺部あるいは裏面部の未硬化の有色感光性組成物の除去、いわゆるエッジリンス、バックリンスのリンス剤として、またスピンコート時にカップに飛散した有色感光性組成物を洗浄除去する、いわゆるカップリンスにも好適に使用可能である。
スピンコート法以外に基板上に有色感光性組成物を塗布する方法としてスリットコート法やワイヤーバーコート法、あるいはロールコート法等が知られているが、スリットノズルやワイヤーバー、印刷版など、塗布装置の部材や器具の表面に付着した未硬化の有色感光性組成物を除去する際にも、本発明の感光性組成物除去液は好適に使用される。
また、本発明の別の態様は、上記感光性組成物除去液を用いて上記方法により未硬化の感光性組成物が除去された基板、あるいは液晶装置、有機EL装置およびイメージセンサ等の製造用の装置、およびこの装置によって得られたカラーフィルターである。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、もちろん本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例13〜16、31〜34は参考例である。
なお、洗浄性は、除去液に3分間浸漬後、感光性着色組成物の溶解状況を目視観察により次の3段階で評価した。
○ … 完全に除去されている
△ … 部分的に溶解している
× … ほとんど溶解していない
調製例1 アクリル系共重合体の調製
滴下漏斗、温度計、冷却管、撹拌機を付した4つ口フラスコにメタクリル酸(MA)12.0質量部、メタクリル酸メチル(MMA)14.0質量部、メタクリル酸n−ブチル(BMA)43.0質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)6.0質量部、エチルセロソルブアセテート(EGA)225.0質量部を仕込み、1時間4つ口フラスコ内を窒素置換した。さらに、オイルバスで90℃まで加温した後、MA12.0質量部、MMA14.0質量部、BMA43.0質量部、HEMA6.0質量部、EGA225.0質量部、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)3.2質量部の混合液を1時間かけて滴下した。次いで、3時間重合を行った後、AIBN1.0質量部とEGA15.0質量部の混合液を加え、さらに100℃に昇温して1.5時間重合を行った後放冷した。このようにして得たアクリル系共重合体の固形分濃度は22.1質量%、酸価は92mgKOH/g、GPCにより測定したポリスチレン換算の質量平均分子量は22,000であった。
調製例2 感光性着色組成物A:黒色感光性着色組成物の調製
調製例1で得られたアクリル系共重合体30.0質量部(固形分6.6質量部)、EGA5.0質量部、フローレンDOPA−33(商標:共栄社化学株式会社製 分散剤 固形分濃度30質量%)3.3質量部、Special Black 4(デグサ社 カーボンブラック)6.6質量部を混合後、1晩放置した。さらに、1時間撹拌した後、3本ロールミル(株式会社小平製作所製 型式RIII−1RM−2)に4回通した。得られた黒色インキにEGAを加えて濃度調整することにより、固形分濃度18.0質量%の黒色着色組成物を得た。
このようにして得られた黒色着色組成物100質量部にさらにジペンタエルスリトールヘキサアクリレート4.4質量部、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン2.2質量部およびEGA25質量部を添加し、十分攪拌して感光性着色組成物Aを得た。
調製例3 感光性着色組成物B:緑色感光性着色組成物の調製
調製例1で得られたアクリル系共重合体 30.0質量部(固形分6.6質量部)、EGA5.0質量部、フローレンDOPA−33(商標:共栄社化学株式会社製 分散剤 固形分濃度30質量%)3.3質量部、Pigment Green 36の6.6質量部を混合後、1晩放置した。さらに、1時間撹拌した後、3本ロールミル(株式会社小平製作所製 型式RIII−1RM−2)に4回通した。得られた緑色インキにEGAを加えて濃度調整することにより、固形分濃度18.0質量%の緑色着色組成物を得た。
このようにして得られた緑色着色組成物100質量部にさらにジペンタエルスリトールヘキサアクリレート4.4質量部、4,4′−ビス(N,N−ジエチルアミノ)ベンゾフェノン0.7質量部、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニル−1,2′−ビイミダゾール2.3質量部、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート3.8質量部およびEGA42質量部を加えて十分攪拌し、感光性着色組成物Bを得た。
調製例4 感光性着色組成物C:赤色感光性着色組成物の調製
調製例1で得られたアクリル系共重合体 30.0質量部(固形分6.6質量部)、EGA5.0質量部、フローレンDOPA−33(商標:共栄社化学株式会社製 分散剤 固形分濃度30質量%)3.3質量部、Pigment Red 177の6.6質量部を混合後、1晩放置した。さらに、1時間撹拌した後、3本ロールミル(株式会社小平製作所製 型式RIII−1RM−2)に4回通した。得られた赤色インキにEGAを加えて濃度調整することにより、固形分濃度18.0質量%の赤色着色組成物を得た。この着色組成物100質量部に、さらに、ジペンタエルスリトールヘキサアクリレート4.4質量部、イルガキュア369(チバスペシャリティケミカルズ社製)3.0質量部、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート3.8質量部およびEGA42質量部を加えて十分攪拌し、感光性着色組成物Cを得た。
実施例1
調製例2〜4で調製した感光性着色組成物A〜Cをガラス板上(28mm×76mm)に1滴滴下し、室温にて24時間乾燥させた。
これをシクロヘキサノン99g、プロピレングリコールモノメチルエーテル1gを混合した除去液中に3分間浸漬して静置し、表面に塗布された感光性着色組成物の洗浄除去を行った。その結果を表1に示す。
実施例2〜18、比較例1〜9
表1に示す組成の除去液を用いて、実施例1と同様に感光性着色組成物の除去を実施した。その結果を表1に示す。
乾燥性は、テストピース上に除去液を塗布し、乾燥状態を目視観察により次の3段階で評価した。
○ … テストピース上で均一に乾燥した
△ … テストピース上で不均一(極小粒の液滴が観察された)に乾燥した
× … テストピース状に液滴の集合が観察された
実施例19
10cm角テストピース(SUS304製:電解研磨処理品)をスピンコーター(型式:1H−DX(ミカサ株式会社製))にセットし、この上に実施例1で用いたものと同じ除去液2mlを滴下した。除去液の塗布(回転数400r.p.m、5秒間)を行った後、コーターにセットした水平状態でテストピース上での乾燥状態の観察を行った。その結果を表2に示す。
実施例20〜36、比較例10〜18
表2に示す組成の除去液を用いて、実施例19と同様の乾燥状態の観察を行った。その結果を表2に示す。
Figure 0004698515
Figure 0004698515
CYA:シクロヘキサノン
CYP:シクロペンタノン
PM:プロピレングリコールモノメチルエーテル
BOH:1−ブタノール
BAC:酢酸n−ブチル
本発明は、液晶装置や有機EL装置、イメージセンサの製造における基板上に感光性組成物皮膜を形成する工程において、基板周辺部、縁辺部または裏面部に残存する顔料を含有する感光性組成物皮膜の除去、または製造装置部材や器具の表面に付着した顔料を含有する感光性組成物の除去に有用な感光性組成物除去液を提供するので、産業上有用である。

Claims (10)

  1. 顔料を含有する感光性組成物の除去液であって、
    (1)脂環式ケトン類を99〜30質量%および
    (2)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類およびアルコール類から選ばれる少なくとも1種の化合物を1〜70質量%
    含有し、成分(1)および成分(2)の総和が100質量%であることを特徴とする感光性組成物除去液。
  2. 顔料を含有する感光性組成物の除去液であって、
    (1)脂環式ケトン類を80質量%、
    (2)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類およびアルコール類から選ばれる少なくとも1種の化合物を10質量%および
    (3)酢酸エステル類を10質量%
    含有することを特徴とする感光性組成物除去液。
  3. 顔料を含有する感光性組成物の除去液であって、
    (1)脂環式ケトン類を80〜30質量%、
    (2)アルコール類を60〜10質量%および
    (3)酢酸エステル類を40〜10質量%
    含有することを特徴とする感光性組成物除去液。
  4. 脂環式ケトン類が、シクロヘキサノン、シクロペンタノンおよびメチルシクロヘキサノンからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の感光性組成物除去液。
  5. アルキレングリコールモノアルキルエーテル類が、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシブタノールおよび3−メチル−3−メトキシブタノールからなる群から少なくとも1種であり、アルコール類が、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールおよびt−ブタノールからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1、2または4に記載の感光性組成物除去液。
  6. 酢酸エステル類が、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミルおよび酢酸sec−アミルからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項2〜5のいずれかに記載の感光性組成物除去液。
  7. 顔料を含有するアクリル系感光性組成物の除去に用いられる請求項1〜6のいずれかに記載の感光性組成物除去液。
  8. 感光前の顔料を含有する感光性組成物の除去に用いられる請求項1〜7のいずれかに記載の感光性組成物除去液。
  9. (1)脂環式ケトン類を99〜30質量%および(2)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類を1〜70質量%含有する請求項1に記載の感光性組成物除去液。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の感光性組成物除去液を用いて顔料を含有する感光性組成物を除去する工程を有する感光性組成物塗布装置の洗浄方法。
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