JP4697213B2 - アルデヒド類の分解除去方法 - Google Patents

アルデヒド類の分解除去方法 Download PDF

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本発明は、アルデヒド類の分解除去方法に関するものである。
近年、人間を取り巻く環境に存在し得る成分であって人体に影響を及ぼす可能性のある有害物質の存在が問題視されるようになってきており、例えば建築資材等から空気中に発散するアルデヒド類等の有害・有臭物質を常温でより確実に無害なものに分解して除去することができ、且つ、長期間に亘って分解除去能力が持続される有害物質浄化触媒の開発が望まれている。
また、工業化に際しては常温で作用する有害物質浄化触媒の性能が高いことだけではなく、材料コスト、製造コストが低く、簡易に製造できることも要求されており、常温で作用する有害物質浄化触媒を広く応用展開するためには安価な触媒を開発することも課題の一つとなっている。
このような背景の下で、有害・有臭物質を分解除去するための各種の触媒が開発されており、例えば特開平9−108315号公報(特許文献1)には、活性炭に白金が担持された消臭用組成物が記載されている。しかしながら、特開平9−108315号公報(特許文献1)に記載の組成物では、白金が活性炭へ高分散担持されるものではなく、触媒活性が十分ではないため、常温でアルデヒド類等の有害・有臭物質を分解除去する効果が十分ではなかった。また、長期間に亘って十分な分解除去能力が持続されるものではなかった。
また、特開平4−122452号公報(特許文献2)には、金属粒子が高分子化合物に保護された状態で固体担体に吸着されている金属粒子担持物及びその製造方法が記載されている。しかしながら、特開平4−122452号公報(特許文献2)に記載の金属粒子担持物では、保護コロイド作用を有する高分子化合物で金属粒子の表面が覆われているため固体担体へ安定して高分散担持されるものではなく、触媒活性が十分ではないため、常温でアルデヒド類等の有害・有臭物質を分解除去する効果が十分ではなかった。また、長期間に亘って十分な分解除去能力が持続されるものではなかった。また、特開平4−122452号公報(特許文献2)に記載の方法により金属粒子担持物を製造する場合には、金属粒子に高分子化合物を吸着させ、更に高分子化合物で保護された金属粒子を固体担体へ吸着させるために、熱エネルギーや長い製造時間を必要とし、結果として製造コストが高くなるという問題点もあった。
更に、特開平7−310107号公報(特許文献3)には、微細な粒子寸法を有する金属コロイドを電気化学的に調製する方法及び金属コロイドにより覆われた活性炭等の不活性基材が記載されており、金属コロイドを調製する際に安定剤として界面活性剤を用いることが記載されている。しかしながら、特開平7−310107号公報(特許文献3)において安定剤として用いられる界面活性剤は、第4級アンモニウム塩やホスホニウム塩等のカチオン界面活性剤、ココスアミドプロピルベタイン等の両性界面活性剤、糖誘導体等の非イオン界面活性剤、並びに一部のアニオン界面活性剤(ナトリウムアルキルアミド−N−ヒドロキシエチルグリシネート及びナトリウムスクシネート)であり、このような界面活性剤を用いて得られた触媒であっても、触媒活性が未だ十分ではなく、常温でアルデヒド類等の有害・有臭物質を分解除去する効果が十分なものではなかった。また、分解除去能力の持続性という点においても未だ十分なものではなかった。また、特開平7−310107号公報(特許文献3)に記載の金属コロイドの調製方法は、金属コロイドを電気化学的に調製する方法であり、金属塩を陰極(カソード)において還元することによって金属コロイドを生成するため、調製には電気エネルギーが必要であり、更に全ての操作を不活性ガス雰囲気下で行う必要があるため、製造コストが高くなるという問題点もあった。
特開平9−108315号公報 特開平4−122452号公報 特開平7−310107号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、空気中のアルデヒド類等の有害・有臭物質を常温でより確実に分解除去することができ、且つ、長期間に亘って十分な分解除去能力が持続されるアルデヒド類の分解除去方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、金属酸化物及び炭素質材料からなる群から選択される少なくとも一種の多孔性担体に、金属微粒子を担持させてなる有害物質浄化触媒において、金属微粒子の表面を特定のアニオン界面活性剤で被覆することによって、空気中のアルデヒド類等の有害・有臭物質を常温で分解除去することができ、且つ、有害・有臭物質の分解除去が十分なされることによって触媒としての機能が劣化することなく、長期間に亘って十分な分解除去能力が持続される有害物質浄化触媒が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のアルデヒド類の分解除去方法は、平均粒径が50μm以下であり且つ比表面積が600〜1500m/gである活性炭からなる多孔性担体と、該担体に担持される金属微粒子と、を備え、金属微粒子が白金からなる微粒子であり、金属微粒子が、アニオン界面活性剤であるアルキルベンゼンスルホン酸塩で被覆されており、アニオン界面活性剤で被覆された金属微粒子が多孔性担体の少なくともメソ孔及びマクロ孔に担持されている有害物質浄化触媒を用いて、空気中のアルデヒド類を分解除去することを特徴とする方法である。
また、本発明のアルデヒド類の分解除去方法において、金属微粒子の平均粒径が10nm以下であり、且つ、多孔性担体に担持される金属微粒子の担持量が、多孔性担体100重量部に対して0.01〜20重量部であることが好ましい。
また、本発明のアルデヒド類の分解除去方法は、アルデヒド類を含む空気と前記有害物質浄化触媒とをバッチ式あるいは連続的に接触させることによって、空気中のアルデヒド類を分解除去することを特徴とする方法であることが好ましい。
発明のアルデヒド類の分解除去方法によれば、空気中のアルデヒド類等の有害・有臭物質を常温でより確実に分解除去することができ、且つ、有害・有臭物質の分解除去が十分なされることによって触媒としての機能が劣化することなく、長期間に亘って十分な分解除去能力が持続することが可能となる
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本発明のアルデヒド類の分解除去方法は、平均粒径が50μm以下であり且つ比表面積が600〜1500m /gである活性炭からなる多孔性担体と、該担体に担持される金属微粒子と、を備え、上記金属微粒子が白金からなる微粒子であり、上記金属微粒子が、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、N−メチル−N−オレイルタウリン、石油スルホン酸塩、アルキル硫酸塩、硫酸化油脂、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミノ酢酸ベタイン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩及びナフタレンスルホン酸塩ホルムアルデヒド縮合物からなる群から選択される少なくとも一種のアニオン界面活性剤で被覆されており、
上記アニオン界面活性剤で被覆された上記金属微粒子が上記多孔性担体の少なくともメソ孔及びマクロ孔に担持されている有害物質浄化触媒を用いて、空気中のアルデヒド類を分解除去することを特徴とする方法である。以下、本発明で用いられる有害物質浄化触媒及びその製造方法について説明する。
本発明の有害物質浄化触媒は、金属酸化物及び炭素質材料からなる群から選択される少なくとも一種からなる多孔性担体と、該担体に担持される金属微粒子と、を備える有害物質浄化触媒であって、金属微粒子が、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、N−メチル−N−オレイルタウリン、石油スルホン酸塩、アルキル硫酸塩、硫酸化油脂、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミノ酢酸ベタイン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩及びナフタレンスルホン酸塩ホルムアルデヒド縮合物からなる群から選択される少なくとも一種のアニオン界面活性剤で被覆されていることを特徴とするものである。
本発明の有害物質浄化触媒においては、先ず、物理的吸着作用によって空気中のアルデヒド類等の有害・有臭物質が多孔性担体に吸着され、その後吸着された有害・有臭物質がアニオン界面活性剤で被覆された金属微粒子の触媒作用によって強力に酸化され、主に二酸化炭素と水に分解されて放出される。このため、有害・有臭物質を常温で分解除去することができ、且つ、有害・有臭物質の分解除去が十分なされることによって触媒としての機能が劣化することなく、長期間に亘って十分な分解除去能力を持続することができる。
本発明の有害物質浄化触媒にかかるアニオン界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、N−メチル−N−オレイルタウリン、石油スルホン酸塩、アルキル硫酸塩、硫酸化油脂、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミノ酢酸ベタイン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩及びナフタレンスルホン酸塩ホルムアルデヒド縮合物からなる群から選択される少なくとも一種であることが必要であり、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミノ酢酸ベタイン及びポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩からなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。
このような特定のアニオン界面活性剤で金属微粒子を被覆することによって、金属微粒子が凝集することなく多孔性担体のメソ孔、マクロ孔並びに外表面に高分散担持した構造形態をとることができ、金属微粒子と有害・有臭物質が接触しやすく、従来の触媒に比べて高い触媒活性を示す。更に、アニオン界面活性剤と多孔性担体の表面官能基同士が水素結合等によって結合することで金属微粒子が多孔性担体のミクロ孔内に埋没することなく安定して担持され、金属微粒子の表面積を有効に使用することができ、金属微粒子の有する触媒活性が十分に発揮される。このような特定のアニオン界面活性剤で被覆された金属微粒子と多孔性担体との相乗効果によって有害・有臭物質を常温でより確実に分解除去することができ、且つ、有害・有臭物質の分解除去が十分なされることによって触媒としての機能が劣化することなく、長期間に亘って十分な分解除去能力を持続することができる。一方、上記特定のアニオン界面活性剤以外のアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤及び非イオン界面活性剤を用いた場合には、上記のような効果が十分に得られず、上記特定のアニオン界面活性剤を用いた場合と比較して触媒活性が低いものとなってしまう。
本発明の有害物質浄化触媒にかかるアニオン界面活性剤の被覆量は、金属微粒子100重量部に対して20〜200重量部であることが好ましく、50〜150重量部であるとより好ましい。上記範囲の被覆量とすることで、金属微粒子を多孔性担体に高分散担持させる効果や、金属微粒子が孔内に埋没することなく安定して担持される効果がより好適に得られる傾向がある。
本発明の有害物質浄化触媒にかかる金属微粒子は特に制限されず、例えば、典型金属及び遷移金属からなる群から選択される触媒活性を示す金属、該金属の化合物、該金属の合金、並びに該金属と他の金属との合金が挙げられるが、中でも、Pt,Ru,Rh,Pd,Ag,Au,Os,Cu,Co,Ni,Fe及びSnからなる群から選択される少なくとも一種の金属、該金属の酸化物、該金属の合金、並びに該金属と他の金属との合金、からなる群から選択される少なくとも一種からなる微粒子を用いると、触媒活性がより向上する傾向があり好ましく、貴金族元素(Pt,Ru,Rh,Pd,Ag,Au,Os)からなる群から選択される少なくとも一種の金属、該金属の酸化物、該金属の合金、並びに該金属と他の金属との合金、からなる群から選択される少なくとも一種からなる微粒子であるとより好ましい。なお、上記金属化合物としては、例えば、金属酸化物、金属ホウ化物、金属硫化物及び金属水酸化物等が挙げられる。また、上記金属と合金を形成する上記他の金属は特に制限されず、例えば、典型金属及び遷移金属からなる群から選択される少なくとも一種の金属を用いることができる。
本発明の有害物質浄化触媒にかかる金属微粒子の平均粒径は10nm以下であることが好ましく、2〜5nmであるとより好ましい。上記範囲の平均粒径とすることによって、金属微粒子の比表面積が大きくなり、優れた触媒活性が得られる傾向がある。
本発明の有害物質浄化触媒にかかる多孔性担体は、金属酸化物及び炭素質材料からなる群から選択される少なくとも一種であり、金属酸化物としては多孔性担体を形成するものであれば特に制限されないが、遷移金属、Al及びSiからなる群から選択される少なくとも一種の金属の単独酸化物又は複合酸化物であることが好ましく、具体的には、貴金族元素(Pt,Pd,Rh,Ru,Au等)、卑金属元素(Y,La,Ce,Pr,Nd,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Ca,Mg,Al,K,Ti,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Ga,Rb,Sr,Zr,Nb,Mo,In,Sn,Cs,Ba,Ta,W等)、メタロイド元素(Si,Ge,As,Sb等)の酸化物が挙げられる。
更に上記の酸化物の中でもTi,Al,Si,Ce,Zr,Mg,Fe,Mn,Ni,Zn及びCuからなる群から選択される少なくとも一種の金属の単独酸化物又は複合酸化物が好ましく、チタニア、セピオライト、ゼオライト、シリカゲル、アルミナ、セリア及びセリア−ジルコニア複合酸化物からなる群から選択される少なくとも一種であるとより好ましい。なお、本発明にかかる金属酸化物は、セピオライト、ゼオライト及びセリア−ジルコニアのように複数の金属元素を含有していてもよく、更に非金属元素を含んでいてもよい。
このような金属酸化物を多孔性担体として使用することにより、有害・有臭物質に対する優れた物理的吸着作用が得られる傾向があり、上記アニオン界面活性剤で被覆された金属微粒子との相乗効果によって有害・有臭物質を常温でより確実に分解除去することができ、且つ、有害・有臭物質の分解除去が十分なされることによって触媒としての機能が劣化することなく、長期間に亘って十分な分解除去能力を持続することができる傾向がある。
本発明の有害物質浄化触媒にかかる金属酸化物は、平均粒径が50μm以下であることが好ましく、1〜10μmであるとより好ましい。上記範囲の平均粒径とすることで、金属酸化物の比表面積が大きくなり、優れた物理的吸着作用が得られる傾向がある。また、金属酸化物の比表面積は100〜1500m/g程度であることが好ましい。また、上記範囲の平均粒径を有する金属酸化物を圧粉して破砕し、数ミリの粒径の顆粒状にして用いてもよい。
また、炭素質材料としては、多孔性担体を形成するものであれば特に制限されないが、活性炭又は黒鉛類似の炭素骨格構造を有する材料であることが好ましく、活性炭であることがより好ましい。このような炭素質材料を多孔性担体として使用した場合も、有害・有臭物質に対する優れた物理的吸着作用が得られる傾向があり、上記アニオン界面活性剤で被覆された金属微粒子との相乗効果によって有害・有臭物質を常温で分解除去することができ、且つ、有害・有臭物質の分解除去が十分なされることによって触媒としての機能が劣化することなく、長期間に亘って十分な分解除去能力を持続することができる傾向がある。
本発明の有害物質浄化触媒にかかる炭素質材料は、平均粒径が50μm以下であることが好ましく、1〜10μmであるとより好ましい。上記範囲の平均粒径とすることで、炭素質材料の比表面積が大きくなり、優れた物理的吸着作用が得られる傾向がある。また、炭素質材料の比表面積は600〜1500m/g程度であることが好ましい。
上記多孔性担体の形状や寸法は特に制限はなく、粉末状、顆粒状、破砕状、ペレット状、モノリス状、板状及び繊維状等の形状を使用条件に応じて選択することができる。また、本発明の有害物質浄化触媒は、比較的安価な一般的な多孔性担体を用いたとしても、従来の触媒よりも高い触媒活性が得られるため、材料コストを低減することが可能である。
本発明の有害物質浄化触媒において多孔性担体に担持される金属微粒子の担持量は、多孔性担体100重量部に対して0.01〜20重量部であることが好ましく、0.05〜10重量部であるとより好ましい。上記範囲の担持量とすることで、多孔性担体表面の金属微粒子の凝集がなく、活性の高い触媒を得ることができる傾向がある。
次に、本発明の有害物質浄化触媒の製造方法について説明する。
本発明の有害物質浄化触媒の製造方法は、金属塩を溶媒に溶解させて金属溶液を調製する工程と、金属溶液に、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、N−メチル−N−オレイルタウリン、石油スルホン酸塩、アルキル硫酸塩、硫酸化油脂、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミノ酢酸ベタイン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩及びナフタレンスルホン酸塩ホルムアルデヒド縮合物からなる群から選択される少なくとも一種のアニオン界面活性剤、並びに還元剤を加え、アニオン界面活性剤で被覆された金属微粒子を析出せしめてコロイド分散液を得る工程と、コロイド分散液に金属酸化物及び炭素質材料からなる群から選択される少なくとも一種からなる多孔性担体を懸濁させ、アニオン界面活性剤で被覆された金属微粒子を多孔性担体に担持せしめて有害物質浄化触媒を得る工程と、を含むことを特徴とする方法である。
従来、金属微粒子を多孔性担体に担持させた触媒を製造するにあたっては、金属塩の熱分解のための焼成、並びに多孔性担体への酸素欠陥付与及び金属酸化物のメタル化のための水素還元処理等が必要であり、これらの処理を行うための設備や熱エネルギーを必要とするため、製造コストが高くなるという問題点があった。
これに対して、本発明の有害物質浄化触媒の製造方法によれば、上記従来の製法における焼成や水素還元等の熱処理が不要であり、製造過程で熱源を必要とせず、特殊な装置も不要であるため、製造コストが低く、簡易に有害物質浄化触媒を製造することができる。
また、本発明の有害物質浄化触媒の製造方法によれば、触媒成分である金属微粒子が凝集することなく多孔性担体のメソ孔、マクロ孔及び外表面に高分散担持する構造形態をとる。そのため、金属微粒子が多孔性担体のミクロ孔内に埋没した状態で存在したり、未還元の金属イオンのままで存在するといったこともないため、金属微粒子と有害・有臭物質とが接触しやすく、従来の触媒に比べて高い触媒活性を示す触媒を得ることができる。
更に、本発明の有害物質浄化触媒の製造方法によれば、焼成や水素還元処理を行わないことによって、金属微粒子の多孔性担体への高分散担持の実現、並びに多孔性担体中の吸着点である水酸基及びカルボキシル基等の官能基の保持が可能となり、得られる触媒は高い吸着・触媒活性を示すこととなる。
本発明の有害物質浄化触媒の製造方法においては、先ず、金属塩を溶媒に溶解させて金属溶液を調製する工程を実施する。
上記工程で使用される金属塩は、前述の金属微粒子を構成する金属の塩であり、このような金属の塩としては、例えば、典型金属及び遷移金属からなる群から選択される少なくとも一種の触媒活性を示す金属の塩が挙げられ、中でも、Pt,Ru,Rh,Pd,Ag,Au,Os,Cu,Co,Ni,Fe及びSnからなる群から選択される少なくとも一種の金属の塩であることが好ましく、貴金族元素(Pt,Ru,Rh,Pd,Ag,Au,Os)からなる群から選択される少なくとも一種の金属の塩であるとより好ましい。具体的な上記金属の塩としては、例えば、塩化白金酸、塩化金酸、塩化ルテニウム、塩化ロジウム、塩化パラジウム、塩化ニッケル、塩化コバルト、塩化オスミウム、塩化鉄、硝酸銀及び硫酸銅等が挙げられる。上記金属の塩を用いた場合、アニオン界面活性剤で被覆された金属微粒子のコロイド分散液を調製する工程において、還元剤の作用によって金属微粒子が析出しやすくなる傾向がある。これは、電位−pH線図から説明することができ、各金属固有の析出曲線より低い電位では金属イオンの状態で安定で、これより高い電位では金属の状態で安定である。ここで、金属微粒子を析出させる駆動力は、還元剤の酸化還元電位と析出金属の還元電位との差で与えられる。故に、貴な電位のPt,Ru,Rh,Pd,Ag,Au及びOs等は金属微粒子が析出しやすく、次いでCu,Co,Ni,Fe及びSnが析出しやすい傾向がある。
また、上記金属塩を溶媒に溶解した金属溶液にホウ化剤、硫化剤及び水酸化剤等を加える従来公知の方法により、金属酸化物、金属ホウ化物、金属硫化物及び金属水酸化物等の金属化合物微粒子を得ることができる。
上記工程で使用される溶媒としては、金属塩を溶解するものであれば特に制限されないが、水を用いることが好ましい。
上記工程における金属溶液中の金属塩の濃度は0.1〜10mmol/Lであることが好ましく、0.5〜1mmol/Lであるとより好ましい。上記工程における製造条件としては特に制限されないが、金属塩を溶媒に加えて10〜60℃の温度で0.5〜6時間撹拌して溶解させて金属溶液を調製することが好ましい。
次に、本発明の有害物質浄化触媒の製造方法においては、上記工程で得られた金属溶液に、上記特定のアニオン界面活性剤及び還元剤を加え、アニオン界面活性剤で被覆された金属微粒子を析出せしめてコロイド分散液を得る工程を実施する。
上記工程で使用されるアニオン界面活性剤は、前述の通りであり、このような特定のアニオン界面活性剤を還元剤と併せて金属溶液に加えることによって、アニオン界面活性剤で被覆された粒径の細かい金属微粒子を容易に析出せしめることができると共に、分散性の高いコロイド分散液を調製することが可能となる。
上記工程におけるアニオン界面活性剤の添加量は、金属微粒子100重量部に対して20〜200重量部であることが好ましく、50〜150重量部であるとより好ましい。上記範囲の添加量とすることで、粒径の細かい金属微粒子を析出させやすく、分散性の高いコロイド分散液を調製することができる傾向がある。
上記工程で使用される還元剤としては特に制限されず、水素化ホウ素ナトリウム等の水素化合物、次亜リン酸化合物等のリン化合物、硫化ナトリウム等のイオウ化合物、並びに水和ヒドラジン等のヒドラジン誘導体等、従来公知の還元剤を適宜選択して使用することができるが、水素化ホウ素ナトリウムを用いることが好ましい。
上記工程における還元剤の添加量は、金属微粒子100重量部に対して20〜200重量部であることが好ましく、50〜150重量部であるとより好ましい。上記範囲の添加量とすることで、アニオン界面活性剤で被覆された粒径の細かい金属微粒子を析出させやすい傾向がある。
上記工程における製造条件としては特に制限されないが、金属溶液に上記アニオン界面活性剤及び上記還元剤を加えて10〜60℃の温度で0.5〜6時間撹拌してアニオン界面活性剤で被覆された金属微粒子を析出せしめてコロイド分散液を得るようにすることが好ましい。
次に、本発明の有害物質浄化触媒の製造方法においては、上記工程で得られたコロイド分散液に、上記多孔性担体を懸濁させ、上記アニオン界面活性剤で被覆された金属微粒子を多孔性担体に担持せしめて有害物質浄化触媒を得る工程を実施する。
上記工程で使用される多孔性担体は、前述の通りであり、このような多孔性担体を使用することにより、アニオン界面活性剤で被覆された金属微粒子を安定して高分散担持しやすい傾向がある。
上記工程における多孔性担体の添加量は、金属微粒子1重量部に対して10〜1,000重量部であることが好ましく、50〜200重量部であるとより好ましい。上記範囲の添加量とすることで、アニオン界面活性剤で被覆された金属微粒子を安定して高分散担持しやすい傾向がある。
上記工程における製造条件としては特に制限されないが、コロイド分散液に上記多孔性担体を加えて10〜60℃の温度で0.5〜6時間撹拌して懸濁させ、アニオン界面活性剤で被覆された金属微粒子を多孔性担体に担持せしめて有害物質浄化触媒を得ることが好ましい。
更に、本発明の有害物質浄化触媒の製造方法においては、上記工程においてアニオン界面活性剤で被覆された金属微粒子を多孔性担体に担持せしめた後に、必要に応じて濾過、洗浄して有害物質浄化触媒を得ることもできる。
本発明により得られた有害物質浄化触媒の使用方法は特に制限されず、例えば処理対象となる有害・有臭物質を含む気体と触媒とをバッチ式あるいは連続的に接触させることによって、触媒による有害・有臭物質の分解除去が達成される。処理対象となる有害・有臭物質としては、空気中のVOC類(Volatile Organic Compounds)、特にアルデヒド類、アルキルベンゼン類、アミン類及びメルカプタン類等が挙げられる。また、本発明により得られた有害物質浄化触媒の反応条件は、特に制限されないが、通常は室温において有害・有臭物質の分解除去を行うことができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
塩化白金(IV)酸六水和物(和光純薬工業社製、特級)259mgをイオン交換水1Lに溶解した。次いで強く撹拌しながらアニオン界面活性剤として1%n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液10mLを加え、さらに0.15%水素化ホウ素ナトリウム水溶液50mLを加えて25℃で3時間撹拌することにより、アニオン界面活性剤により被覆された白金コロイド分散液を調製した。この白金コロイド分散液に活性炭粉末(キャタラー製、BFG−3)6.5gを加え、25℃で3時間撹拌した後、濾過、水洗し、活性炭上にアニオン界面活性剤によって被覆された白金微粒子が吸着担持された触媒を得た。活性炭100重量部に対する白金微粒子の担持量は1.5重量部であった。また、白金微粒子100重量部に対するアニオン界面活性剤の被覆量は102重量部であった。
(参考例1)
実施例1において、塩化白金(IV)酸六水和物259mgに代えて塩化金(III)酸四水和物(和光純薬工業社製、特級)220mgを、1%n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液10mLに代えてアニオン界面活性剤としてドデシル硫酸ナトリウム水溶液10mLを、活性炭粉末6.5gに代えて酸化チタン粉末(ニューメタルスエンドケミカルコーポレーション社製、UV100)6.5gをそれぞれ用いた以外は実施例1と同様にして酸化チタン上にアニオン界面活性剤により被覆された金微粒子が吸着担持された触媒を得た。酸化チタン100重量部に対する金微粒子の担持量は1.5重量部であった。また、金微粒子100重量部に対するアニオン界面活性剤の被覆量は95重量部であった。
(参考例2)
実施例1において、塩化白金(IV)酸六水和物259mgに代えて塩化ルテニウム(III)n水和物(和光純薬工業社製、特級)235mgを、1%n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液10mLに代えてアニオン界面活性剤としてポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム水溶液10mLを、活性炭粉末6.5gに代えてセピオライト粉末(近江鉱業社製、P300)6.5gをそれぞれ用いた以外は実施例1と同様にしてセピオライト上にアニオン界面活性剤により被覆されたルテニウム微粒子が吸着担持された触媒を得た。セピオライト100重量部に対するルテニウム微粒子の担持量は1.5重量部であった。また、ルテニウム微粒子100重量部に対するアニオン界面活性剤の被覆量は87重量部であった。
(参考例3)
実施例1において、塩化白金(IV)酸六水和物259mgに代えて塩化パラジウム(II)(和光純薬工業社製、特級)162mgを、1%n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液10mLに代えてアニオン界面活性剤としてポリオキシエチレンラウリル硫酸トリエタノールアミン水溶液10mLを、活性炭粉末6.5gに代えてアルミナ粉末(和光純薬工業社製、活性アルミナ カラムクロマトグラフ用)6.5gをそれぞれ用いた以外は実施例1と同様にしてアルミナ上にアニオン界面活性剤により被覆されたパラジウム微粒子が吸着担持された触媒を得た。アルミナ100重量部に対するパラジウム微粒子の担持量は1.5重量部であった。また、パラジウム微粒子100重量部に対するアニオン界面活性剤の被覆量は104重量部であった。
(参考例4)
実施例1において、塩化白金(IV)酸六水和物259mgに代えて塩化ロジウム(III)三水和物(和光純薬工業社製、特級)249mgを、1%n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液10mLに代えてアニオン界面活性剤としてラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン水溶液10mLを、活性炭粉末6.5gに代えてゼオライト粉末(和光純薬工業社製、モレキュラーシーブス13X)6.5gをそれぞれ用いた以外は実施例1と同様にしてゼオライト上にアニオン界面活性剤により被覆されたロジウム微粒子が吸着担持された触媒を得た。ゼオライト100重量部に対するロジウム微粒子の担持量は1.5重量部であった。また、ロジウム微粒子100重量部に対するアニオン界面活性剤の被覆量は103重量部であった。
(参考例5)
実施例1において、活性炭粉末6.5gに代えてセリア粉末(和光純薬工業社製、特級)6.5gを用いた以外は実施例1と同様にしてセリア上にアニオン界面活性剤により被覆された白金微粒子が吸着担持された触媒を得た。セリア100重量部に対する白金微粒子の担持量は1.5重量部であった。また、白金微粒子100重量部に対するアニオン界面活性剤の被覆量は102重量部であった。
(比較例1)
塩化白金(IV)酸六水和物259mgをイオン交換水100mLに溶解した。次いで活性炭粉末6.5gを加え、25℃で3時間撹拌した後、100℃で6時間加熱し溶媒を蒸発乾固させることによって塩化白金を活性炭粉末に担持させた。この粉末を大気中500℃で3時間焼成し、さらに5%水素/窒素バランスガス中において500℃で1時間還元処理することにより、活性炭上に白金微粒子が担持された触媒を得た。活性炭100重量部に対する白金微粒子の担持量は1.5重量部であった。
(比較例2)
比較例1において、塩化白金(IV)酸六水和物259mgに代えて塩化金(III)酸四水和物220mgを、活性炭粉末6.5gに代えて酸化チタン粉末6.5gをそれぞれ用いた以外は比較例1と同様にして酸化チタン上に金微粒子が担持された触媒を得た。酸化チタン100重量部に対する金微粒子の担持量は1.5重量部であった。
(比較例3)
比較例1において、塩化白金(IV)酸六水和物259mgに代えて塩化ルテニウム(III)n水和物235mgを、活性炭粉末6.5gに代えてセピオライト粉末6.5gをそれぞれ用いた以外は比較例1と同様にしてセピオライト上にルテニウム微粒子が担持された触媒を得た。セピオライト100重量部に対するルテニウム微粒子の担持量は1.5重量部であった。
(比較例4)
比較例1において、塩化白金(IV)酸六水和物259mgに代えて塩化パラジウム(II)162mgを、活性炭粉末6.5gに代えてアルミナ粉末6.5gをそれぞれ用いた以外は比較例1と同様にしてアルミナ上にパラジウム微粒子が担持された触媒を得た。アルミナ100重量部に対するパラジウム微粒子の担持量は1.5重量部であった。
(比較例5)
比較例1において、塩化白金(IV)酸六水和物259mgに代えて塩化ロジウム(III)三水和物249mgを、活性炭粉末6.5gに代えてゼオライト粉末6.5gをそれぞれ用いた以外は比較例1と同様にしてゼオライト上にロジウム微粒子が担持された触媒を得た。ゼオライト100重量部に対するロジウム微粒子の担持量は1.5重量部であった。
(比較例6)
比較例1において、活性炭粉末6.5gに代えてセリア粉末6.5gをそれぞれ用いた以外は比較例1と同様にしてセリア上に白金微粒子が担持された触媒を得た。セリア100重量部に対する白金微粒子の担持量は1.5重量部であった。
(比較例7)
実施例1において、1%n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液10mLに代えてカチオン界面活性剤として1%セチルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液10mLを用いた以外は実施例1と同様にして活性炭上にカチオン界面活性剤により被覆された白金微粒子が吸着担持された触媒を得た。活性炭100重量部に対する白金微粒子の担持量は1.5重量部であった。また、白金微粒子100重量部に対するカチオン界面活性剤の被覆量は105重量部であった。
(比較例8)
実施例1において、1%n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液10mLに代えて両性界面活性剤として1%ココスアミドプロピルベタイン水溶液10mLを用いた以外は実施例1と同様にして活性炭上に両性界面活性剤により被覆された白金微粒子が吸着担持された触媒を得た。活性炭100重量部に対する白金微粒子の担持量は1.5重量部であった。また、白金微粒子100重量部に対する両性界面活性剤の被覆量は95重量部であった。
(比較例9)
実施例1において、1%n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液10mLに代えてアニオン界面活性剤として1%ナトリウムアルキルアミド−N−ヒドロキシエチルグリシネート水溶液10mLを用いた以外は実施例1と同様にして活性炭上にアニオン界面活性剤により被覆された白金微粒子が吸着担持された触媒を得た。活性炭100重量部に対する白金微粒子の担持量は1.5重量部であった。また、白金微粒子100重量部に対するアニオン界面活性剤の被覆量は102重量部であった。
(比較例10)
実施例1において、1%n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液10mLに代えてアニオン界面活性剤として1%ナトリウムスクシネート水溶液10mLを用いた以外は実施例1と同様にして活性炭上にアニオン界面活性剤により被覆された白金微粒子が吸着担持された触媒を得た。活性炭100重量部に対する白金微粒子の担持量は1.5重量部であった。また、白金微粒子100重量部に対するアニオン界面活性剤の被覆量は96重量部であった。
(比較例11)
実施例1において、1%n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液10mLに代えて非イオン界面活性剤として1%ラウリルポリオキシエチレンエーテル水溶液10mLを用いた以外は実施例1と同様にして活性炭上に非イオン界面活性剤により被覆された白金微粒子が吸着担持された触媒を得た。活性炭100重量部に対する白金微粒子の担持量は1.5重量部であった。また、白金微粒子100重量部に対する非イオン界面活性剤の被覆量は98重量部であった。
[ホルムアルデヒド浄化性能評価試験]
実施例1、参考例1〜5及び比較例1〜11で得られた各触媒について以下の手順によりホルムアルデヒド浄化性能評価試験を行った。
先ず、触媒0.1gを50Lのガスバッグに入れ、300ppmホルムアルデヒドを含む空気50Lを導入した。これを25℃で24時間放置した後、ガスバッグ内のホルムアルデヒドの濃度をガス検知管で測定した。また、ホルムアルデヒドが吸着でなく分解により除去されていることを確認するために、ガスバック内の二酸化炭素発生量も測定した。二酸化炭素濃度はCOアナライザー(LI−COR社製、LI−6262)を用いて定量した。その結果を表1に示す。
Figure 0004697213

[アセトアルデヒド、トルエン、キシレン浄化性能評価試験]
実施例1、参考例1〜5及び比較例1〜11で得られた各触媒について以下の手順によりアセトアルデヒド、トルエン、キシレン浄化性能評価試験を行った。
先ず、触媒0.1gを5Lのガスバッグに入れ、初期濃度が70ppmのアセトアルデヒド、30ppmのトルエン及び30ppmのキシレンを含む空気5Lを導入した。これを25℃で5時間放置した後、ガスバッグ内に残留した各ガス濃度をガスクロマトグラフ(FID検出器)(島津製作所社製、GC−12A)で測定し、下記式:
除去率(%)=[(初期濃度−5時間後の濃度)/初期濃度]×100
により除去率を求めた。その結果を表2に示す。
Figure 0004697213

表1及び表2に示した結果から明らかなように、特定のアニオン界面活性剤で被覆された金属微粒子が多孔性担体に担持された本発明の触媒(実施例1)によれば、常温において空気中のホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、トルエン及びキシレンの分解反応に対して非常に高い触媒活性を示すことが確認された。かかる本発明の触媒によって達成される触媒活性は、金属微粒子が多孔性担体に担持された比較例1〜6の触媒、並びに本発明にかかる特定のアニオン界面活性剤以外のアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤又は非イオン界面活性剤で被覆された金属微粒子が多孔性担体に担持された比較例7〜11の触媒に比べて顕著に高い活性であった。
[ホルムアルデヒド分解除去能力持続性評価試験]
参考例1及び比較例2で得られた各触媒について以下の手順によりホルムアルデヒドに対する分解除去能力の持続性評価試験を行った。
先ず、触媒粉末を静水圧下で圧粉成形し、塊状にした。次いで塊状の触媒を乳鉢で破砕し、破砕後の触媒を標準篩を用いて1〜2mmの粒径に整粒した。図1にホルムアルデヒドに対する分解除去能力の持続性評価試験を行うための装置を示す。粒径1〜2mmに整粒した触媒3gを内径12mmのガラス製カラム2に充填し、濃度30ppmのホルムアルデヒドを含む空気を25℃で毎分5L通過させた。1時間ごとに第2の採気口8から、触媒が充填されたガラス製カラム2を通過した空気を採取して、ホルムアルデヒドの濃度をガスクロマトグラフを用いて測定し、時間経過に伴う除去率の変化を求めた。その結果を図2に示す。図2の結果から明らかなように、参考例1の触媒は、比較例2の触媒に比べてホルムアルデヒドに対する分解除去能力の持続性が顕著に優れていることが確認された。
参考例1及び比較例2で得られた触媒のホルムアルデヒドに対する分解除去能力の持続性評価試験を行うための装置の模式図である。 参考例1及び比較例2で得られた触媒のホルムアルデヒドに対する分解除去能力の持続性評価試験の結果を示すグラフである。
符号の説明
1…触媒、2…ガラス製カラム、3…窒素ボンベ、4…酸素ボンベ、5…ホルムアルデヒド発生器、6…流量計、7…第1の採気口、8…第2の採気口。

Claims (3)

  1. 平均粒径が50μm以下であり且つ比表面積が600〜1500m/gである活性炭からなる多孔性担体と、該担体に担持される金属微粒子と、を備え、
    前記金属微粒子が白金からなる微粒子であり、
    前記金属微粒子が、アニオン界面活性剤であるアルキルベンゼンスルホン酸塩で被覆されており、
    前記アニオン界面活性剤で被覆された前記金属微粒子が前記多孔性担体の少なくともメソ孔及びマクロ孔に担持されている有害物質浄化触媒を用いて、空気中のアルデヒド類を分解除去することを特徴とするアルデヒド類の分解除去方法。
  2. 前記金属微粒子の平均粒径が10nm以下であり、且つ、前記多孔性担体に担持される前記金属微粒子の担持量が、前記多孔性担体100重量部に対して0.01〜20重量部であることを特徴とする請求項1記載のアルデヒド類の分解除去方法。
  3. アルデヒド類を含む空気と前記有害物質浄化触媒とをバッチ式あるいは連続的に接触させることによって、空気中のアルデヒド類を分解除去することを特徴とする請求項1又は2記載のアルデヒド類の分解除去方法。
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