JP4696508B2 - 転送制御装置 - Google Patents
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Description
そして最近では、HDDの大容量化が進んでおり、これに伴って、従来のコンピュータ用補助記憶装置としてだけでなく、放送受信されたAV(Audio Visual)コンテンツを蓄積するハードディスクレコーダなど、適用分野が拡大し、さまざまなコンテンツを記録するために利用され始めている。
つまり、転送レートが一時的にも低下してしまうことは、ビデオストリームデータの記録再生において動画のコマ落ちが生じたり、オーディオストリームデータの記録再生において音飛びが生じる原因となりうるため、避けなければならない問題である。
例えば欠陥、シーク後やトラックジャンプ後のトラッキング不良、エラー訂正能力の不足など各種の原因によって良好な記録や再生ができなかった場合、そのリトライが行われるが、リトライが頻発するセクタやトラックが存在し、そのような部分では、転送レートが極度に低下する。また、交替処理や、或いは物理的に離れた位置に記録再生が行われることによるセクターシーク、トラックジャンプなどによっても一時的に転送レートが低下する。
転送制御装置は、大容量のバッファメモリ手段を備えることで、転送先に対して転送レートを制御する機能を持つ。例えば記憶装置から読み出したデータをホスト側装置に転送する過程において、バッファメモリ手段を介して転送することで、ホスト側装置に対して安定した転送レートでのデータ供給を実現する。このとき、転送パラメータの設定により保証する転送レートを設定する。
またエラー訂正/検出機能を備えることで、記憶装置側のエラー訂正能力の限度による転送レート低下を回避できるようにする。
さらに接続された記憶装置を、その個体情報に応じてフォーマットさせることで、記憶装置側の能力を保証する転送レートに応じて最適化する。
ユーザは、市販の安価な記憶装置(HDD)とホスト側装置との間に、標準化されたインタフェースである第1,第2のインターフェース手段を備える本発明の転送制御装置を挿入するように接続する。これによりホスト側装置と記憶装置による既存のシステムを変える事無く、所望の転送レート帯域保証を行うことができる。
この際、必要なコストは本発明の転送制御装置に対してだけであり、標準インタフェースを備えた市販の安価なHDDを用いて例えばAVストリームデータのストレージシステムを実現できる。
また本発明の転送制御装置は、別の記憶装置に対してもそのまま汎用的に流用できるので、記憶装置(HDD)のバージョンアップ、機種変更などの時にも新たなコストは発生しない。
またHDD搭載機器メーカーにとっては、本発明の転送制御装置を用いる事により、安価な記憶装置を使用した機器開発の可能性が広がる。例えばAVストリームデータのストレージシステムにおいて、ハイスペックなHDDに代えて安価なHDDを採用できる。これによって製品開発やコスト的な利点が得られる。
またエラー訂正/検出機能を持つことで、記憶装置側のエラー訂正/検出機能の補足し、転送レートの低下防止を実現できる。さらに記憶装置を、その記憶装置におけるディフェクトや各記録位置での転送レート変動などの個体情報に応じて適切にフォーマットすることで、記憶装置自体において、転送レート低下が発生しにくい状態とすることができる。
これらは転送レート帯域保証の点から好適となる。
図1は、ユーザー装置10と記憶装置(HDD)20との間に接続される転送制御装置1を示している。
ユーザー装置10は、例えばパーソナルコンピュータやAVシステム等の装置であり、通常は標準的なインターフェースで記憶装置20を接続して、記憶装置20をデータストレージのために用いるホスト装置である。
本例の転送制御装置1を使用する場合には、ユーザー装置10側において、該転送制御装置1に対応するファイルシステムドライバ11(ソフトウエア)がインストールされる。これは、ユーザー装置10が転送制御装置1に接続された記憶装置(HDD)20にアクセスするためのファイルシステムのドライバである。
記憶装置20(以下、HDD20とも表記する)はコントローラ21とハードディスク22を有するHDD(ハードディスクドライブ)である。
ハードディスク22は、1或いは複数枚の磁気ディスクと、磁気ディスクに対して記録再生を行う磁気ヘッドと、ヘッドの駆動機構と、磁気ディスクの回転機構などを有する。
コントローラ21は、このようなハードディスク22に対して記録又は再生を実行させる制御を行う。即ちデータの書込又は読出のためのシーク/トラックアクセスの制御、サーボ制御、データのインターリーブ、エラー訂正処理、ホスト機器との通信やデータ転送などの動作を実行する。エラー訂正処理としては記録時にはセクタ単位のC1エラー訂正のための訂正符号の付加と、再生時のC1エラー訂正処理が行われる。
ユーザー装置インターフェース2は、所定のインターフェース方式に合致したケーブル30でユーザー装置10と接続されている。ユーザー装置10と転送制御装置1の間における標準的なインターフェースとは、例えばATA(AT Attachment)やUSB(Universal Serial Bus)などが想定される。
またユーザー装置インターフェース2は、各種機能を実現し、転送制御を行うCPU3を備えている。
記憶装置インターフェース5は、所定のインターフェース方式に合致したケーブル31でHDD20と接続されている。HDD20と転送制御装置1の間における標準的なインターフェースとはATA(AT Attachment)が想定される。
大容量バッファ4は、ユーザー装置10とHDD20の転送過程において転送データをバッファリングするメモリである。
ECC処理部6は、大容量バッファ4に蓄積された転送データに関するエラー訂正処理又はエラー検出処理を行う。具体的にはHDD20におけるC1エラー訂正処理に係るセクタを多数集めた所定サイズのブロック単位でのC2エラー訂正としてのECC処理や、HDD20におけるC1エラー訂正の正誤判定としてのエラー検出処理を行う。
例えばAVストリームデータのHDD20への記録や、HDD20から再生したAVストリームデータのユーザー装置10への転送を考える。
まずユーザー装置10から供給されるAVストリームデータをHDD20に転送して記録させる場合、CPU2はユーザー装置インターフェース2に連続的に転送されてくる記録データを大容量バッファ4に蓄積する。そしてHDD20における記録動作に起因するレート変動に応じて大容量バッファ4から記録データを読みだし、記憶装置インターフェース5を介してHDD20に供給する。
またHDD20からストリームデータを再生する際には、HDD20から転送されてくる再生データを記憶装置インターフェース5で受け取り、大容量バッファ4に蓄積される。このとき、HDD20における動作上の都合、例えばリトライの発生やシーク、トラックジャンプ、欠陥セクタの存在などによって転送レートは変動しているが、CPU3は大容量バッファ4から一定したタイミングで再生データを読み出し、ユーザー装置インターフェース2を介してユーザー装置10に供給することで、安定した転送レート(少なくとも所定のレート以下にはならないような転送レート)で再生データ転送を実現する。つまり、大容量バッファ4により、HDD20における転送レート変動を吸収する。
図2は転送制御装置1内の機能ブロックを示している。
本例の転送制御装置1では、管理機能として帯域保証転送用ファイルシステム41,転送形態設定機能42が設けられる。また動作機能としてキャッシュ機能43,エラー訂正機能44、エラー検出機能45、HDD制御機能46が設けられる。
ユーザー装置10におけるファイルシステムドライバ11は、アプリケーションからの要求に応じて、帯域保証転送用ファイルシステム41を用いたHDDアクセスを実行する。
ユーザが設定操作できる転送パラメータとしては以下のものがある。
・リトライ回数(AVコマンド実装HDDのみ):HDD20の読出エラーの際のリトライ回数上限の設定。
・ECCイネーブル(Enable)/ディスエイブル(Disable):ECC処理部6におけるエラー訂正機能の有効化/無効化の設定。
・ECCパリティ長:HDD20への記録時においてECC処理部6がエラー訂正のために付加するパリティ符号のパリティ長設定。
・ECCインターリーブ数:HDD20への記録時においてECC処理部6が行うインターリーブ深さの設定。
・誤訂正検知機能(CRC)のイネーブル/ディスエイブル:ECC処理部6によるエラー検出機能(HDD20におけるC1エラー訂正処理の正誤判定)の有効化/無効化の設定。
・バッファリングデータ量:大容量バッファ4におけるバッファリングデータ量の設定。
ユーザは、ユーザ装置10からコマンドを送る事で、転送制御装置1の転送形態をカスタマイズする事ができる。
ユーザ装置10からのデータライト時には、大容量バッファ4をライトキャッシュとして使用する。即ちユーザ装置10からのライトデータは即座に受け取って大容量バッファ4に格納していき、HDD20への転送(データ書込)を、そのバックグラウンドで行う。
またユーザ装置10からのデータリード時には、大容量バッファ4をリードキャッシュとして使用する。即ちHDD20にから大容量バッファ4への先読みをバックグラウンドで行い、キャッシュヒットした場合はユーザ装置10へのリードデータを即座に送り出す。なお、キャッシュヒットとは、ユーザー装置10が要求したデータが、既に大容量バッファ4に取り込まれている状況のことである。
ユーザ装置10からのデータライト時には、ユーザ装置10から受けたライトデータに対して誤り訂正符号(C2パリティ)を付加してHDD20に転送する。
またユーザ装置10からのデータリード時には、HDD20から読み出したデータについての誤り訂正を行い、誤り訂正符号を除いた部分をユーザ装置10にリードデータとして送る。
ユーザ装置10からのデータライト時には、ユーザ装置10から受けたライトデータに誤り検出符合(CRCなど)を付加してHDD20に転送する。
ユーザ装置10からのデータリード時には、HDD20から読み出したデータについて、誤り訂正結果の正誤を判定し、誤り検出符号を除いた部分を、ユーザ装置10にリードデータとして送る。誤訂正検出時(訂正不能なデータ抜けがある場合など)は、必要に応じてHDD20にリードのリトライを指示する。
例えば市販のHDD20を転送制御装置1に接続すると、HDDの個体情報を自動的に検知し、最大のパフォーマンスが出る様にテーブル情報を作成し、そのテーブル情報をHDD20に書き込む。
手順ST1Aとしてユーザが市販のHDD20を転送制御装置1に接続すると、手順ST2として転送制御装置1は、HDD個体情報処理を実行する。即ちCPU3はHDD制御機能46によって、そのHDD20のハードディスク22の走査を実行させ、個体情報を検知する。この場合の個体情報とは、ハードディスク22の各部位における転送レート、ディフェクト位置など、転送レートの変動に関する情報である。そしてCPU3は、その個体情報を元に必要とされる帯域保証ができるよう、テーブル(例えばディフェクト部を排除するテーブル)を作成し、コントローラ21に受け渡す。HDD20においては、コントローラ21は、上記テーブルに応じてハードディスク22に対する記録動作を行う状態とされる。
この処理は、いわゆるHDDのフォーマット、パーティショニング作業に相当するものであり、このフォーマット、パーティショニングをCPU3が主導する。
このようにフォーマットした後、転送制御装置1はユーザが設定した転送形態に合わせ自動的に最適化される。
実際のデータ転送時には、転送制御装置1は、ユーザ装置10からのリード(ライト)コマンドを受け、CPU3は、ユーザが設定した帯域を保証した転送ができるように大容量バッファ4(及びECC処理部6)、記憶装置インターフェース5をオペレートし、コマンドを実行する。なお、コマンドにアドレス情報は無く、リード(ライト)の指示とデータレングス(ライトなら更にライト・データ)情報のみである。
またユーザは、購入後も使用用途に合わせてパラメータ設定を変更し、HDD20の転送形態をカスタマイズして、帯域保証値を変更する事ができる。
また大容量バッファのキャッシュにより、ユーザ装置からのアクセス(リード、ライト)の性能を向上させる事ができる。
またユーザ装置10にファイルシステムドライバ11を組み込む事により、本例の転送制御装置1独自のファイルシステムで閉じた中でストリームデータ転送における最適なパフォーマンスを発揮する事ができる。
またユーザーがユーザー装置10とHDD20を所有し、これを例えばAVストリームデータのストレージシステムとして実現しようとする場合など、必要なコストは転送制御装置1に対してのみである。つまり標準インタフェースを備えた市販の安価なHDDを用いて帯域保証を行う事ができる。さらに別のHDDに対しても転送制御装置1はそのまま流用できるので、HDDのバージョンアップ、機種変更などの時にも新たなコストは発生しない。
また転送制御装置1はC2パリティ誤り訂正機能を持つため、HDD20において修復できないようなエラー、例えば1セクタに渡る大きなデータ抜けなどもある程度修復できる。これによりリトライの頻度を少なくし、転送レート低下を防止できる。もちろんC1エラー訂正機能だけでなくC2エラー訂正機能も装備されているHDD20を使用するような場合、或いは求める転送レートとの兼ね合いでHDD側のエラー訂正能力が十分で有ると判断される場合など、転送制御装置1のエラー訂正機能44やエラー検出機能45を無効化することも可能であり、システム機器に応じて柔軟に対応できる。
また、転送制御装置1は用いる事により、HDD搭載機器メーカーは、あるHDD搭載機器で現在使用しているHDDよりも安価なHDDを使用して、同様の性能を持つ製品を実現する事ができる。
Claims (1)
- 標準化されたインターフェースである、ホスト側装置に対する第1のインターフェース手段と、
標準化されたインターフェースである、記憶装置に対する第2のインターフェース手段と、
上記第1のインターフェース手段で上記ホスト側装置に接続され、また上記第2のインターフェース手段で上記記憶装置に接続された状態において、上記ホスト側装置と上記記憶装置の間の転送データを、その転送過程で格納するバッファメモリ手段と、
転送パラメータを可変設定できる転送形態設定手段と、
上記転送形態設定手段で設定された転送パラメータに応じて、上記バッファメモリ手段を介しての上記ホスト側装置と上記記憶装置との間のデータ転送動作を制御する制御手段と、
上記バッファメモリ手段に格納されたデータについて、エラー検出又はエラー訂正に関する処理を行うエラー処理手段と、
を備え、
上記転送形態設定手段は、上記記憶装置におけるの読出エラーの際のリトライ回数上限の設定と、上記エラー処理手段におけるエラー訂正機能の有効化/無効化の設定、エラー訂正のために付加するパリティ符号のパリティ長設定、インターリーブ深さの設定、エラー検出機能の有効化/無効化の設定と、上記バッファメモリ手段におけるバッファリングデータ量の設定のパラメータとを可変設定し、
上記制御手段は、上記ホスト側装置と上記記憶装置との間のデータ転送動作実行する際、上記記憶装置の転送レートの変動に関する個体情報を検知し、検知した個体情報に応じて最大のパフォーマンスを出すためのテーブル情報を作成し、上記記憶手段に書き込むフォーマット処理を実行させるとともに、当該処理を定期的に実行させる
転送制御装置。
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