JP4696413B2 - 光部品、光モジュール、光増幅器および光通信システム - Google Patents

光部品、光モジュール、光増幅器および光通信システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光導波路にグレーティングが形成された光導波路型回折格子素子を備える光部品、この光部品を含む光モジュールまたは光増幅器、および、この光モジュールまたは光増幅器を含む光通信システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光導波路型回折格子素子は、光導波路(例えば光ファイバ)における長手方向に沿った所定範囲に亘って屈折率変調によるグレーティングが形成されたものであって、この光導波路を伝搬する光のうち特定波長の光をグレーティングにより選択的に反射し又は損失を与えることができる。なお、本明細書で単に「グレーティング」と言うときは、光導波路を伝搬してきた特定波長の光をブラッグ反射して逆の方向に伝搬させるブラッググレーティング、光導波路を伝搬してきた特定波長の光をブラッグ反射して損失を与える屈折率変調が傾斜した傾斜型ブラッググレーティング、および、光導波路を伝搬してきた特定波長のコアモード光をクラッドモード光に変換して損失を与える長周期グレーティング、が含まれる。
【0003】
ブラッググレーティングが形成された光導波路型回折格子素子は、特定波長の光を反射させて光の合波、分波または経路変更を行う光モジュール(例えば、光合波器、光分波器、光ADM(Add-Drop Multiplexer)、光XC(Cross Connect))の一構成要素として用いられる。また、傾斜型ブラッググレーティングまたは長周期グレーティングが形成された光導波路型回折格子素子は、特定波長の光に対して損失を与える損失フィルタとして作用し、例えば、光増幅器における利得を等化する利得等化器の一構成要素として用いられる。これら光モジュールまたは光増幅器は、波長多重した多波長の信号光を用いて光伝送を行う波長分割多重(WDM: Wavelength Division Multiplexing)通信システム等において用いられる。
【0004】
ところで、反射スペクトルを動的に調整することができる光導波路型回折格子素子が特開2000−98146号公報に開示されている。この公報に開示された光導波路型回折格子素子は、光ファイバにブラッググレーティングが形成されたものであって、機械的または磁気的な力により(例えばソレノイドを用いて)光ファイバを長手方向に伸張させて、これによりグレーティング周期を長くし、反射波長を長波長側へシフトさせるものである。このような光導波路型回折格子素子を用いた光モジュールは、光の合波、分波または経路変更を動的に調整することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に開示された光導波路型回折格子素子は、反射波長を微調整することが困難である。例えば、波長1.55μm帯で波長間隔0.8nm(周波数間隔100GHz)の多波長信号光をWDM伝送する光通信システムにおいて光導波路型回折格子素子が用いられる場合を想定する。また、ブラッググレーティング形成領域の長さが50mmであるとする。このとき、光導波路型回折格子素子がブラッグ反射させるべき波長を或る信号光波長から隣りの信号光波長へ変更する(すなわち、反射波長を0.8nmだけ変更する)には、ブラッググレーティング形成領域の長さを33μmだけ変化させる必要がある。一方、ソレノイドのストロークは1mm程度以上である。したがって、ソレノイドを用いたのでは、光導波路型回折格子素子の反射波長を0.8nmだけ変更することは困難である。このことは、傾斜型ブラッググレーティングまたは長周期グレーティングが形成された光導波路型回折格子素子においても同様であり、損失スペクトルを微調整することが困難である。
【0006】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、光導波路にグレーティングが形成された光導波路型回折格子素子を備え反射スペクトルまたは損失スペクトルの微調整が容易な光部品、この光部品を含む光モジュールまたは光増幅器、および、この光モジュールまたは光増幅器を含む光通信システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る光部品は、(1) 光導波路にブラッググレーティングが形成されており、光導波路を伝搬してきた特定波長の光をブラッググレーティングによりブラッグ反射し、その反射した光を入射時と逆の方向に伝搬させる光導波路型回折格子素子と、(2) 可撓性を有し、その撓みの際に圧縮応力または引張応力が付与される部位に光導波路型回折格子素子が固定された可撓性部材と、(3) 可撓性部材を撓ませ、上記部位に圧縮応力を付与して光導波路型回折格子素子における反射波長を第1波長とし、及び/又は、上記部位に引張応力を付与して光導波路型回折格子素子における反射波長を第2波長とする撓み付与手段とを備えることを特徴とする。さらに、可撓性部材は、所定方向に沿って厚みが変化しており、撓み付与手段は、可撓性部材の厚みが大きい一端側を固定し、可撓性部材の厚みが小さい他端側を当該厚み方向に変位させて、可撓性部材を撓ませることを特徴とする。この第1の発明に係る光部品では、光導波路にブラッググレーティングが形成された光導波路型回折格子素子は、可撓性部材に固定されており、撓み付与手段の作用により可撓性部材が撓むことにより圧縮応力または引張応力が付与される。そして、この光導波路型回折格子素子における反射波長は、圧縮応力が付与されているときは第1波長λ1となり、引張応力が付与されているときは第2波長λ2となる。ただし、λ1≠λ2 である。
【0008】
また、第1の発明に係る光部品は、撓み付与手段が可撓性部材を撓ませていないとき、光導波路型回折格子素子における反射波長が第1波長と第2波長との間の波長であるのが好適である。さらに、これら第1波長および第2波長は、この光部品が用いられる光通信システム等における多波長信号光のうち隣合う2波長であるのが好適である。この場合には、他の波長の信号光に影響を与えることなく、反射波長が切替えられる。
【0009】
本発明に係る光モジュールは、上記の第1の発明に係る光部品を備え、この光部品により特定波長の光を反射させて、光の合波、分波または経路変更を行うことを特徴とする。このような光モジュールは、例えば、光合波器、光分波器、光ADM、光XCである。この光モジュールは、上記の第1の発明に係る光部品により特定波長の光を反射させて合波、分波または経路変更を行うことから、合波、分波または経路変更を行うべき光の波長を可変とすることができる。
【0010】
また、本発明に係る光モジュールは、光部品における光の反射または透過の際の損失の波長依存性を等化する等化手段を更に備えるのが好適である。この場合には、光部品における光の反射または透過の際の損失の波長依存性は等化手段により等化されるので、光モジュールにおける損失スペクトルは平坦なものとなる。
【0011】
第2の発明に係る光部品は、(1) 光導波路に長周期グレーティングが形成されており、光導波路を伝搬してきた特定波長のコアモード光を長周期グレーティングによりクラッドモード光に変換して、光導波路を伝搬する特定波長の光に対して損失を与える光導波路型回折格子素子と、(2) 可撓性を有し、その撓みの際に圧縮応力または引張応力が付与される部位に光導波路型回折格子素子が固定された可撓性部材と、(3) 可撓性部材を撓ませて、上記部位に圧縮応力または引張応力を付与し、光導波路型回折格子素子における損失スペクトルを調整する撓み付与手段とを備えることを特徴とする。さらに、可撓性部材は、所定方向に沿って厚みが変化しており、撓み付与手段は、可撓性部材の厚みが大きい一端側を固定し、可撓性部材の厚みが小さい他端側を当該厚み方向に変位させて、可撓性部材を撓ませることを特徴とする。この第2の発明に係る光部品では、光導波路に長周期グレーティングが形成された光導波路型回折格子素子は、可撓性部材に固定されており、撓み付与手段の作用により可撓性部材が撓むことにより応力が付与される。そして、この光導波路型回折格子素子における損失スペクトルは、付与された応力に応じて調整される。
【0012】
第3の発明に係る光部品は、(1) 光導波路にブラッググレーティングが傾斜して形成されており、光導波路を伝搬してきた特定波長の光をブラッググレーティングによりブラッグ反射して、光導波路を伝搬する特定波長の光に対して損失を与える光導波路型回折格子素子と、(2) 可撓性を有し、その撓みの際に圧縮応力または引張応力が付与される部位に光導波路型回折格子素子が固定された可撓性部材と、(3) 可撓性部材を撓ませて、上記部位に圧縮応力または引張応力を付与し、光導波路型回折格子素子における損失スペクトルを調整する撓み付与手段とを備えることを特徴とする。さらに、可撓性部材は、所定方向に沿って厚みが変化しており、撓み付与手段は、可撓性部材の厚みが大きい一端側を固定し、可撓性部材の厚みが小さい他端側を当該厚み方向に変位させて、可撓性部材を撓ませることを特徴とする。この第3の発明に係る光部品では、光導波路に傾斜型ブラッググレーティングが形成された光導波路型回折格子素子は、可撓性部材に固定されており、撓み付与手段の作用により可撓性部材が撓むことにより応力が付与される。そして、この光導波路型回折格子素子における損失スペクトルは、付与された応力に応じて調整される。
【0013】
本発明に係る光増幅器は、光を増幅する光増幅媒体と、この光増幅媒体における光増幅の利得を等化する上記の第2または第3の発明に係る光部品とを備えることを特徴とする。この光増幅器では、光部品における損失スペクトルは、光増幅媒体における利得スペクトルと略同形状のものとされ、光増幅の利得は等化される。光増幅媒体における利得スペクトルが変動した場合であっても、光部品における損失スペクトルが動的に調整されることにより、光増幅の利得は常に等化され得る。
【0014】
第1〜第3の発明に係る光部品は、撓み付与手段がソレノイドを含むものであるのが好適である。ソレノイドは、吸着状態とフリー状態との間の遷移に際してのみ励磁コイルへの通電が必要であって、吸着状態の継続またはフリー状態の継続に際しては励磁コイルへの通電が不要であるから、低消費電力の点で好適である。また、停電により電源供給が不能となる事態が生じたとしても、ソレノイドは、その事態に陥る直前の状態を保持することができるので、この点でも好適である。
【0015】
第1〜第3の発明に係る光部品は、温度変化に因る光導波路型回折格子素子の特性変化を補償する補償手段を更に備えるのが好適である。この場合には、温度変化により光導波路型回折格子素子の特性が変化するようなことがあっても、その特性変化は補償手段により補償されるので、光導波路型回折格子素子の特性の温度依存性が低減される。
【0016】
第1〜第3の発明に係る光部品では、可撓性部材は、所定方向に沿って厚みが変化しており、撓み付与手段は、可撓性部材の厚みが大きい一端側を固定し、可撓性部材の厚みが小さい他端側を当該厚み方向に変位させて、可撓性部材を撓ませることを特徴とする。これにより、可撓性部材の厚みが所定方向に沿って一定である場合と比較して、光導波路型回折格子素子に付与される応力は長手方向に沿って均一のものとすることができる。
【0018】
第1〜第3の発明に係る光部品は、可撓性部材が撓んでいない状態において光導波路型回折格子素子に引張応力が付与されて光導波路型回折格子素子が可撓性部材に固定されているのが好適である。また、可撓性部材が撓んでいない状態において光導波路型回折格子素子に引張応力が付与され、光導波路型回折格子素子が所定の光学的特性となるように調整されて、光導波路型回折格子素子が前記可撓性部材に固定されているのが好適である。このようにすることで、可撓性部材が撓んでいないときにも、光導波路型回折格子素子には応力が付与されていて、光導波路型回折格子素子は所望の光学的特性を有するものとなる。
【0019】
本発明に係る光通信システムは、波長多重した多波長の信号光を用いて光通信を行う光通信システムであって、上記の本発明に係る光モジュールを含み、この光モジュールにより多波長の信号光の合波、分波または経路変更を行うことを特徴とする。この光通信システムでは、多波長信号光の合波、分波または経路変更は、光モジュールにより動的に変更され得る。
【0020】
本発明に係る光通信システムは、波長多重した多波長の信号光を用いて光通信を行う光通信システムであって、上記の本発明に係る光増幅器を含み、この光増幅器により多波長の信号光を光増幅することを特徴とする。この光通信システムでは、光増幅器における利得スペクトルが平坦なものであるので、高品質の光伝送を行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0022】
先ず、本発明に係る光部品の実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る光部品100の平面図である。図2は、本実施形態に係る光部品100に含まれる可撓性部材150および光導波路型回折格子素子160の斜視図である。この光部品100は、基盤110、ソレノイド120、ソレノイド130、固定部材140、可撓性部材150および光導波路型回折格子素子160を備えている。
【0023】
ソレノイド120の本体部121、ソレノイド130の本体部131、および、固定部材140それぞれは、基盤110上に固定されている。可撓性部材150の一端側は、固定部材140に固定されている。可撓性部材150の他端側は、一方のソレノイド120の可動部122の先端に設けられたキャップ部123と、他方のソレノイド130の可動部132の先端に設けられたキャップ部133との間に、位置している。
【0024】
ソレノイド120は、本体部121、可動部122およびキャップ部123の他に励磁コイル(図示せず)をも含み、この励磁コイルに通電することで、本体部121に対して可動部122を移動させることができる。ソレノイド120は、可動部122が本体121に吸着している状態(以下「吸着状態」という。)、および、可動部122が本体121に吸着しておらずフリーである状態(以下「フリー状態」という。)の何れかの状態となる。特に、ソレノイド120は、吸着状態とフリー状態との間の遷移に際してのみ励磁コイルへの通電が必要であって、吸着状態の継続またはフリー状態の継続に際しては励磁コイルへの通電が不要であるのが、低消費電力の点で好適である。また、停電により電源供給が不能となる事態が生じたとしても、ソレノイド120は、その事態に陥る直前の状態を保持することができるので、この点でも好適である。ソレノイド130も同様である。
【0025】
ソレノイド120、ソレノイド130および固定部材140は、可撓性部材150を撓ませる撓み付与手段として作用する。すなわち、ソレノイド120が吸着状態であってソレノイド130がフリー状態であれば、図1に示されるように、可撓性部材150はソレノイド130側に凸となるように撓む。一方、ソレノイド120がフリー状態であってソレノイド130が吸着状態であれば、図1に示された様子とは逆に、可撓性部材150はソレノイド120側に凸となるように撓む。
【0026】
可撓性部材150は、可撓性を有する材料からなり、その撓みの際に圧縮応力または引張応力が付与される部位(例えば、ソレノイド120側の面上、または、中心よりソレノイド120側へ寄った内部)に、光導波路型回折格子素子160が固定されている。この可撓性部材150は、例えばファイバ強化プラスティックからなるのが好適である。なお、図2において、Lは、ソレノイド120のキャップ部123とソレノイド130のキャップ部133とにより挟まれた自由端の位置から、固定部材140により固定された固定端の位置までの、可撓性部材150の長さである。hは、ソレノイド120とソレノイド130とを結ぶ方向の可撓性材料150の厚みである。bは、可撓性部材150の幅である。
【0027】
光導波路型回折格子素子160は、光導波路である光ファイバにグレーティングが形成されたものであって、可撓性部材150の撓みにより、その長手方向に圧縮応力または引張応力が付与される。
【0028】
この光導波路型回折格子素子160の元となる光ファイバは、石英系ガラスをベースとするものであって、GeO2が添加されたコア領域と、このコア領域を取り囲むクラッド領域とを有している。この光ファイバに対して長手方向に空間的に強度変調された屈折率変化誘起光(例えば、KrFエキシマレーザ光源から出力された波長248nmの紫外レーザ光)が照射されることで、この光ファイバのコア領域にグレーティングが形成され、これにより光導波路型回折格子素子160が製造される。ブラッググレーティングまたは傾斜型ブラッググレーティングは、位相格子マスクが光ファイバの側方に配置され、この位相格子マスクを介して屈折率変化誘起光が照射され、この照射に伴い位相格子マスクの作用により+1次回折光と−1次回折光とが生じて、これらの干渉縞がコア領域に形成されることで、その干渉縞における屈折率変化誘起光のパワー分布に応じて形成される。一方、長周期グレーティングは、強度変調マスクが光ファイバの側方に配置され、この強度変調マスクを介して屈折率変化誘起光が照射されることで、その強度変調マスクを透過した屈折率変化誘起光のパワー分布に応じて形成される。
【0029】
この光部品100では、ソレノイド120およびソレノイド130の作用により可撓性部材150が撓み、この撓みに伴って、可撓性部材150に固定された光導波路型回折格子素子160に圧縮応力または引張応力が付与される。そして、この応力によりグレーティング周期が変化して、光導波路型回折格子素子160の光学的特性(反射スペクトル、損失スペクトル)が変化する。光導波路型回折格子素子を長手方向に直接に圧縮・伸張させる従来の場合と比較して、本実施形態では、可撓性部材150を撓ませることで光導波路型回折格子素子160を圧縮・伸張させることから、可撓性部材150の撓み量が大きくても光導波路型回折格子素子160の歪み量は小さく、光導波路型回折格子素子160の光学的特性の微調整が可能である。
【0030】
なお、光導波路型回折格子素子160の光学的特性は、付与される応力により変化するだけでなく、温度によっても変化する。すなわち、温度変化により実効屈折率やグレーティング周期が変化して、これにより、光導波路型回折格子素子160の光学的特性が変化する。そこで、温度変化に因る光導波路型回折格子素子160の特性変化を補償する補償手段が設けられるのが好適である。この補償手段として具体的には以下のものが挙げられる。可撓性部材150を適切な熱膨張係数を有する材料からなるものとすることにより、可撓性部材150の熱膨張・収縮を利用して、光導波路型回折格子素子160の特性変化を補償する。または、可動部122,132およびキャップ部123,133それぞれを適切な熱膨張係数を有する材料からなるものとすることにより、これらの熱膨張・収縮を利用して、光導波路型回折格子素子160の特性変化を補償する。または、ソレノイド120,130に加えて(または、これらに替えて)、可撓性部材150の撓み量を調整できる機構を設けて、撓み量を調整することで、光導波路型回折格子素子160の特性変化を補償する。このようにすることで、光導波路型回折格子素子160の光学的特性の温度依存性が低減される。
【0031】
また、可撓性部材150が撓んでいない状態において光導波路型回折格子素子160に応力が付与されて光導波路型回折格子素子160が可撓性部材150に固定されているのが好適である。このようにすることで、可撓性部材150が撓んでいないときにも、光導波路型回折格子素子160には応力が付与されていて、光導波路型回折格子素子160は所望の光学的特性を有するものとなる。
【0032】
次に、ブラッググレーティングが形成された光導波路型回折格子素子160を備える光部品100について説明する。この場合、光導波路型回折格子素子160は、光ファイバを伝搬してきた特定波長の光をブラッグ反射して、その反射した光を逆の方向に光ファイバを伝搬させる。可撓性部材150が撓んでいないとき、ブラッググレーティングの周期をΛ0とし、ブラッググレーティング形成領域における実効屈折率をnとすると、反射波長λ0は、
λ0=2nΛ0 …(1)
なる式で表される。
【0033】
光部品100では、ソレノイド120が吸着状態であってソレノイド130がフリー状態であるときに、可撓性部材150はソレノイド130側に凸となるように撓み、光導波路型回折格子素子160には圧縮応力が付与されて、グレーティング周期はΛ1になり、反射波長はλ1となる。一方、ソレノイド120がフリー状態であってソレノイド130が吸着状態であるときに、可撓性部材150はソレノイド120側に凸となるように撓み、光導波路型回折格子素子160には引張応力が付与されて、グレーティング周期はΛ2になり、反射波長はλ2となる。これらのパラメータの間には、
λ1=2nΛ1 …(2a)
λ2=2nΛ2 …(2b)
Λ1<Λ0<Λ2 …(2c)
λ1<λ0<λ2 …(2d)
なる関係式が成り立つ。
【0034】
波長1.55μm帯で波長間隔1.6nm(周波数間隔200GHz)の多波長信号光をWDM伝送する光通信システムにおいて光部品100が用いられる場合を想定したとき、或る信号光波長がλ1であって、隣りの信号光波長がλ2であるのが好適である。すなわち、
Δλ=λ2−λ1=1.6nm …(3)
であるのが好適である。このとき、可撓性部材150が撓んでいないときの反射波長λ0は、隣合う2つの信号光波長λ1とλ2との間の波長である。したがって、可撓性部材150がソレノイド130側に凸となるように撓んでいる状態と、可撓性部材150がソレノイド120側に凸となるように撓んでいる状態との間で、可撓性部材150の撓み状態が遷移しているときには、光導波路型回折格子素子160の反射波長は他の信号光波長と一致することはない。
【0035】
このような光部品100の具体的な実施例は以下のとおりである。基準波長λは1550nmであり、反射波長シフト量Δλは1.6nmである。ブラッググレーティング形成領域の長さは50mmである。可撓性部材150は、材質がファイバ強化プラスティックであり、ヤング率は6×109Paであり、寸法がL=50mm,h=2mm,b=5mmである(図2参照)。光導波路型回折格子素子16は、可撓性部材150の内部に固定され、可撓性部材150の中心よりソレノイド120側への距離yが0.5mmである。
【0036】
このとき、光導波路型回折格子素子160の長手方向の必要な歪みεは、
ε=Δλ/(0.78λ)=6.62×10-4 …(4)
である。ソレノイド120のキャップ部123とソレノイド130のキャップ部133とにより挟まれた自由端の位置における可撓性部材150の必要な変位(すなわち、ソレノイド120,130のストローク)をδとし、可撓性部材150が撓んだときの曲率半径をRとすると、
ε=y/R …(5a)
δ=R(1−cos(L/R)) …(5b)
なる関係式が成り立つ。これより、自由端の位置における可撓性部材150の必要な変位δは1.654mmである。また、これに必要な荷重は774mN(79gf)である。このストロークおよび荷重は、ソレノイド120,130により可能なものである。
【0037】
次に、傾斜型ブラッググレーティングまたは長周期グレーティングが形成された光導波路型回折格子素子160を備える光部品100について説明する。傾斜型ブラッググレーティングが形成された光導波路型回折格子素子160は、光ファイバを伝搬してきた特定波長の光をブラッグ反射して、その反射した光を光ファイバの側方へ放射させて、これにより特定波長の光に対して損失を与える。この場合、損失がピークとなる波長は、グレーティング形成領域における実効屈折率およびグレーティング周期だけでなく、グレーティング傾斜角にも依存する。一方、長周期グレーティングが形成された光導波路型回折格子素子160は、光ファイバを伝搬してきた特定波長のコアモード光をクラッドモード光に変換して、これにより特定波長の光に対して損失を与える。この場合、損失がピークとなる波長は、コアモード光とクラッドモード光との間の位相整合条件を満たす波長であって、グレーティング形成領域におけるコアモード光およびクラッドモード光それぞれに対する実効屈折率およびグレーティング周期に依存する。このように、傾斜型ブラッググレーティングまたは長周期グレーティングが形成された光導波路型回折格子素子160は、特定波長の光に対して損失を与える損失フィルタとして作用する。
【0038】
光部品100では、ソレノイド120が吸着状態であってソレノイド130がフリー状態であるときに、可撓性部材150はソレノイド130側に凸となるように撓み、光導波路型回折格子素子160には圧縮応力が付与されて、グレーティング周期はΛ1になる。一方、ソレノイド120がフリー状態であってソレノイド130が吸着状態であるときに、可撓性部材150はソレノイド120側に凸となるように撓み、光導波路型回折格子素子160には引張応力が付与されて、グレーティング周期はΛ2になる。これらのパラメータの間には、
Λ1<Λ2 …(6)
なる関係式が成り立つ。このように、光導波路型回折格子素子160に応力が付与されることでグレーティング周期が変化し、これにより、損失スペクトルが変化する。
【0039】
なお、この場合、ソレノイド120,130により可撓性部材150に撓みを付与して光導波路型回折格子素子160のグレーティング周期を調整してもよいが、ソレノイド120,130に加えて(または、これらに替えて)、可撓性部材150の撓み量を調整できる機構を設けて、撓み量を連続的に調整することで、光導波路型回折格子素子160の特性変化を連続的に補償するのが好適である。
【0040】
次に、本発明に係る光部品の他の実施形態について説明する。図3は、他の実施形態に係る光部品101の平面図である。図4は、この光部品101に含まれる可撓性部材151および光導波路型回折格子素子160の斜視図である。これらの図に示される光部品101は、図1および図2に示された光部品100と比較すると、可撓性部材150に替えて設けられた可撓性部材151の厚みが長手方向に沿って変化している点で相違する。可撓性部材151の厚みが大きい一端側は固定部材140により固定されており、可撓性部材151の厚みが小さい他端側はソレノイド120およびソレノイド130により当該厚み方向に変位されて、これにより、可撓性部材151は撓む。
【0041】
図5は、この光部品101の一実施例における光導波路型回折格子素子160の歪み分布を示す図である。ここでは、可撓性部材151は、SUSからなるものとし、撓む長手方向の長さ50mmの範囲に亘って厚みhが2mmから5mmまで線形に変化するものとした。また、比較の為に示した可撓性部材は、SUSからなるものとし、撓む長手方向の長さ50mmの範囲に亘って厚みhが2mmで一定であるとした。この図の横軸は、固定部材140により固定された位置を基準として、この位置から可撓性部材の長手方向に沿った距離を示している。また、この図の縦軸は、固定部材140により固定された位置における光導波路型回折格子素子160の歪み量で規格化されたものを示している。
【0042】
この図から判るように、長手方向に厚みが一定である可撓性部材が用いられた場合には、固定部材140に近い位置では、光導波路型回折格子素子160の歪みは大きく、固定部材140からの距離が長くなるに従って、光導波路型回折格子素子160の歪みは漸減する。一方、長手方向に厚みが変化している可撓性部材151が用いられた場合には、固定部材140からの距離に関して或る範囲では、光導波路型回折格子素子160の歪みの変化は小さい。例えば、固定部材140からの距離が5mmから30mmまでの範囲を見ると、長手方向に厚みが一定である可撓性部材が用いられた場合には、光導波路型回折格子素子160の規格化された歪みは1.0から0.2まで変化しているのに対して、長手方向に厚みが変化している可撓性部材151が用いられた場合には、光導波路型回折格子素子160の規格化された歪みは1.5から1.1までしか変化しておらず、後者の方が光導波路型回折格子素子160の歪みの変化は小さい。
【0043】
このように、可撓性部材151の厚みが長手方向に沿って線形に変化している場合には、可撓性部材151が撓むことにより光導波路型回折格子素子160に付与される応力または歪みは、長手方向に沿って変化が小さいものとなる。また、可撓性部材151の長手方向に沿った厚みの分布を更に適切に設計することにより、図6に示されるように、可撓性部材151が撓むことにより光導波路型回折格子素子160に付与される応力または歪みは、長手方向に沿って変化が更に小さいものとなり得る。
【0044】
図7は、更に他の実施形態に係る光部品102の平面図である。図8は、この光部品102に含まれる可撓性部材152および光導波路型回折格子素子160の断面図である。これらの図に示される光部品102は、図1および図2に示された光部品100と比較すると、光導波路型回折格子素子160が可撓性部材152の内部に固定されていて、可撓性部材152の長手方向に沿って可撓性部材152の表面から光導波路型回折格子素子160までの距離が変化している点で相違する。可撓性部材152の上記距離が大きい一端側は固定部材140により固定されており、可撓性部材152の上記距離が小さい他端側はソレノイド120およびソレノイド130により当該厚み方向に変位されて、これにより、可撓性部材152は撓む。なお、図示のように、可撓性部材152の内部に光導波路型回折格子素子160が埋め込まれて固定されているのが好適である。また、可撓性部材152は、楔型の形状を各々有する2つの部材からなり、一方の部材が固定部材140側で厚く、且つ、他方の部材が固定部材140側で薄くなるようにして、これら2つの部材が貼り合わされ、この貼り合わせ部に光導波路型回折格子素子160が固定されているのも好適である。
【0045】
図9は、可撓性部材152の表面から光導波路型回折格子素子160までの距離と光導波路型回折格子素子160の歪みとの関係を示す図である。ここでは、可撓性部材152は、SUSからなるものとし、撓む長手方向の長さが50mmであり、厚みが4mmであり、可撓性部材152の表面から光導波路型回折格子素子160までの距離が0mm(表面),1mm,2mm(中央),3mmおよび4mm(裏面)それぞれであるとした。この図の横軸は、可撓性部材152の表面から光導波路型回折格子素子160までの距離を示している。この図の縦軸は、固定部材140による固定位置から6mmだけ離れた位置における光導波路型回折格子素子160の歪み量で規格化されたものを示している。また、この図中には、固定部材140による固定位置からの距離が6mm,12mm,18mmおよび24mmそれぞれの位置における光導波路型回折格子素子160の歪みが示されている。
【0046】
この図から判るように、固定部材140による固定位置からの距離が短いほど、光導波路型回折格子素子160の歪みは、可撓性部材152の表面からの距離に大きく依存する。したがって、固定部材140による固定位置からの距離が長いほど、光導波路型回折格子素子160と可撓性部材152表面との距離が短くなるようにすることにより、可撓性部材152が撓むことにより光導波路型回折格子素子160に付与される応力または歪みは、長手方向に沿って変化が小さいものとなり得る。
【0047】
次に、本発明に係る光モジュールの第1実施形態について説明する。図10は、本実施形態に係る光モジュール(光ADM)10の構成図である。この光ADM10は、光サーキュレータ11,12、光部品131〜13N(Nは1以上の整数)および等化器14,15を備える。これらのうち、光部品131〜13Nそれぞれは、ブラッググレーティングが形成された光導波路型回折格子素子160を備える光部品100と同等のものである。また、等化器14,15それぞれは、傾斜型ブラッググレーティングまたは長周期グレーティングが形成された光導波路型回折格子素子160を備える光部品100と同等のものであってもよい。この光ADM10に入出力する多波長信号光の波長をλ1〜λ2Nとする。なお、光サーキュレータ11と光サーキュレータ12との間に、光部品131〜13Nとは別に、反射波長が固定の光導波路型回折格子が設けられていてもよい。
【0048】
光サーキュレータ11は、第1端子111、第2端子112および第3端子113を有しており、第1端子111に入力した光を第2端子112より出力し、第2端子112に入力した光を第3端子113より出力する。第1端子111は光ADM10のIN端子101に接続されており、第2端子112は光部品131に接続されており、第3端子113は等化器14に接続されている。
【0049】
光サーキュレータ12は、第1端子121、第2端子122および第3端子123を有しており、第1端子121に入力した光を第2端子122より出力し、第2端子122に入力した光を第3端子123より出力する。第1端子121は等化器15に接続されており、第2端子122は光部品13Nに接続されており、第3端子123は光ADM10のOUT端子103に接続されている。
【0050】
N個の光部品131〜13Nは、縦列に接続されていて、光サーキュレータ11の第2端子112と光サーキュレータ12の第2端子122との間に設けられている。光部品13nは、波長λ2n-1および波長λ2nのうち何れか一方の波長の光を反射させ、他方の波長の光を透過させる(nは1以上N以下の任意の整数)。
【0051】
等化器14は、光サーキュレータ11の第3端子113と光ADM10のDROP端子102との間に設けられており、光サーキュレータ11の第1端子111から第3端子113へ到るまで光が通過する際に被る損失の波長依存性を等化する。等化器15は、光サーキュレータ12の第1端子121と光ADM10のADD端子104との間に設けられており、光サーキュレータ12の第1端子121から第3端子123へ到るまで光が通過する際に被る損失の波長依存性を等化する。
【0052】
本実施形態に係る光ADM10は以下のように動作する。光部品13nは、波長λ2n-1および波長λ2nのうち波長λ2nの光を反射するものとする。このとき、光ADM10のIN端子101に入力した波長λ1〜λ2Nの信号光は、光サーキュレータ11の第1端子111に入力して第2端子112より出力される。光サーキュレータ11の第2端子112より出力された光のうち、波長λ2nの光は、光部品13nにより反射され、光サーキュレータ11の第2端子112に入力して第3端子113より出力されて、等化器14により損失が等化され、光ADM10のDROP端子102より出力される。一方、光サーキュレータ11の第2端子112より出力された光のうち、波長λ2n-1の光は、N個の光部品131〜13Nを透過して、光サーキュレータ12の第2端子122に入力して第3端子123より出力されて、光ADM10のOUT端子103より出力される。また、光ADM10のADD端子104に入力した波長λ2nの光は、等化器15により損失が等化され、光サーキュレータ12の第1端子121に入力して第2端子122より出力されて、光部品13nにより反射され、光サーキュレータ12の第2端子122に入力して第3端子123より出力されて、光ADM10のOUT端子103より出力される。
【0053】
このように、この光ADM10では、光部品13nが波長λ2nの光を反射する場合には、IN端子101に入力した波長λ1〜λ2Nの信号光は分波されて、そのうち波長λ2nの光はDROP端子102より出力され、一方の波長λ2n-1の光は、ADD端子104に入力した波長λ2nの光と合波されてOUT端子103より出力される。逆に光部品13nが波長λ2n-1の光を反射する場合には、IN端子101に入力した波長λ1〜λ2Nの信号光は分波されて、そのうち波長λ2n-1の光はDROP端子102より出力され、一方の波長λ2nの光は、ADD端子104に入力した波長λ2n-1の光と合波されてOUT端子103より出力される。なお、分波のみ行う場合には、光サーキュレータ12および等化器15は不要である。また、合波のみ行う場合には、光サーキュレータ11および等化器14は不要である。
【0054】
この光ADM10は、反射波長が可変である光部品131〜13Nを用いていることから、合波または分波する波長が可変である。しかも、各光部品13nは隣合う2つの信号光波長λ2n-1およびλ2nの何れかを選択して反射することができるので、例えば、IN端子101およびOUT端子103それぞれには、波長間隔1.6nm(周波数間隔200GHz)の多波長信号光をWDM伝送する光伝送系が接続される。
【0055】
また、光サーキュレータ11の第3端子113と光ADM10のDROP端子102との間に等化器14が設けられていることにより、IN端子101に入力しDROP端子102へ出力される多波長信号光のパワー偏差が平坦化される。同様に、光サーキュレータ12の第1端子121と光ADM10のADD端子104との間に等化器15が設けられていることにより、ADD端子104に入力しOUT端子103へ出力される多波長信号光のパワー偏差が平坦化される。
【0056】
次に、本発明に係る光モジュールの第2実施形態について説明する。図11は、本実施形態に係る光モジュール(光XC)20の構成図である。この光XC20は、光サーキュレータ21,22および光部品231〜23N(Nは1以上の整数)を備える。これらのうち、光部品231〜23Nそれぞれは、ブラッググレーティングが形成された光導波路型回折格子素子160を備える光部品100と同等のものである。この光XC20に入出力する多波長信号光の波長をλ1〜λ2Nとする。なお、光サーキュレータ21と光サーキュレータ22との間に、光部品231〜23Nとは別に、反射波長が固定の光導波路型回折格子が設けられていてもよい。
【0057】
光サーキュレータ21は、第1端子211、第2端子212および第3端子213を有しており、第1端子211に入力した光を第2端子212より出力し、第2端子212に入力した光を第3端子213より出力する。第1端子211は光XC20の第1入力端子201に接続されており、第2端子212は光部品231に接続されており、第3端子213は光XC20の第1出力端子203に接続されている。
【0058】
光サーキュレータ22は、第1端子221、第2端子222および第3端子223を有しており、第1端子221に入力した光を第2端子222より出力し、第2端子222に入力した光を第3端子223より出力する。第1端子221は光XC20の第2入力端子202に接続されており、第2端子222は光部品23Nに接続されており、第3端子223は光XC20の第2出力端子204に接続されている。
【0059】
N個の光部品231〜23Nは、縦列に接続されていて、光サーキュレータ21の第2端子212と光サーキュレータ22の第2端子222との間に設けられている。光部品23nは、波長λ2n-1および波長λ2nのうち何れか一方の波長の光を反射させ、他方の波長の光を透過させる(nは1以上N以下の任意の整数)。
【0060】
本実施形態に係る光XC20は以下のように動作する。光部品23nは、波長λ2n-1および波長λ2nのうち波長λ2nの光を反射するものとする。
【0061】
このとき、光XC20の第1入力端子201に入力した波長λ1〜λ2Nの信号光は、光サーキュレータ21の第1端子211に入力して第2端子212より出力される。光サーキュレータ21の第2端子212より出力された光のうち、波長λ2nの光は、光部品23nにより反射され、光サーキュレータ21の第2端子212に入力して第3端子213より出力されて、光XC20の第1出力端子203より出力される。一方、光サーキュレータ21の第2端子212より出力された光のうち、波長λ2n-1の光は、N個の光部品231〜23Nを透過して、光サーキュレータ22の第2端子222に入力して第3端子223より出力されて、光XC20の第2出力端子204より出力される。
【0062】
また、光XC20の第2入力端子202に入力した波長λ1〜λ2Nの信号光は、光サーキュレータ22の第1端子221に入力して第2端子222より出力される。光サーキュレータ22の第2端子222より出力された光のうち、波長λ2nの光は、光部品23nにより反射され、光サーキュレータ22の第2端子222に入力して第3端子223より出力されて、光XC20の第2出力端子204より出力される。一方、光サーキュレータ22の第2端子222より出力された光のうち、波長λ2n-1の光は、N個の光部品231〜23Nを透過して、光サーキュレータ21の第2端子212に入力して第3端子213より出力されて、光XC20の第1出力端子203より出力される。
【0063】
このように、この光XC20では、光部品23nが波長λ2nの光を反射する場合には、第1入力端子201に入力した波長λ1〜λ2Nの信号光は分波されて、そのうち、波長λ2nの光は第1出力端子203より出力され、波長λ2n-1の光は第2出力端子4より出力される。また、第2入力端子202に入力した波長λ1〜λ2Nの信号光は分波されて、そのうち、波長λ2nの光は第2出力端子204より出力され、波長λ2n-1の光は第1出力端子3より出力される。
【0064】
逆に光部品13nが波長λ2n-1の光を反射する場合には、第1入力端子201に入力した波長λ1〜λ2Nの信号光は分波されて、そのうち、波長λ2n-1の光は第1出力端子203より出力され、波長λ2nの光は第2出力端子4より出力される。また、第2入力端子202に入力した波長λ1〜λ2Nの信号光は分波されて、そのうち、波長λ2n-1の光は第2出力端子204より出力され、波長λ2nの光は第1出力端子3より出力される。
【0065】
この光XC20は、反射波長が可変である光部品231〜23Nを用いていることから、合波、分波または経路変更する波長が可変である。しかも、各光部品23nは隣合う2つの信号光波長λ2n-1およびλ2nの何れかを選択して反射することができる
【0066】
次に、本発明に係る光増幅器の実施形態について説明する。図12は、本実施形態に係る光増幅器30の構成図である。この光増幅器30は、入力端子301から出力端子302へ向けて順に、光アイソレータ31、増幅用光ファイバ(光増幅媒体)32、光カプラ33、光部品34および励起光源35を備える。これらのうち、光部品34は、傾斜型ブラッググレーティングまたは長周期グレーティングが形成された光導波路型回折格子素子160を備える光部品100と同等のものである。
【0067】
光アイソレータ31は、入力端子301から増幅用光ファイバ32へ向かう方向に光を通過させるが、その逆の方向には光を通過させない。増幅用光ファイバ32は、コア領域に蛍光性物質(好適にはEr元素)が添加された光ファイバであり、励起光が供給されることにより蛍光性物質が励起され、入力した信号光を光増幅する。光カプラ33は、増幅用光ファイバ32より到達した信号光を光部品34へ向けて出力し、励起光源35より到達した励起光を増幅用光ファイバ32へ向けて出力する。光部品34は、増幅用光ファイバ32における光増幅の利得を等化するものである。励起光源35は、増幅用光ファイバ32に添加された蛍光性物質を励起し得る波長の励起光を出力する。信号光波長が1.55μm帯である場合には、一般には、増幅用光ファイバ32に添加される蛍光性物質はEr元素であり、励起光源35から出力される励起光の波長は1.48μmまたは0.98μmである。
【0068】
本実施形態に係る光増幅器30は以下のように動作する。励起光源35から出力された励起光は、光カプラ33を経て増幅用光ファイバ32に供給される。入力端子301に入力した多波長の信号光は、光アイソレータ31を経て増幅用光ファイバ32に入力し、増幅用光ファイバ32において光増幅された後、光カプラ33および光部品34を経て出力端子302より出力される。光部品34における損失スペクトルは、増幅用光ファイバ32における利得スペクトルと略同形状のものとされており、これにより、利得が等化される。
【0069】
光増幅器30に入力する多波長の信号光は、波数が変動したり、各々のパワーが変動したりすることがある。このようなときに、光増幅器30は、増幅用光ファイバ30における利得が一定となるように、または、出力される信号光のパワーが一定になるように、励起光源35から増幅用光ファイバ32へ供給される励起光のパワーが制御される。励起光のパワーが変化すると、増幅用光ファイバ32における利得スペクトルが変化することがある。このような場合であっても、本実施形態に係る光増幅器30では、光部品34における損失スペクトルが動的に調整されるので、常に利得等化が行われ得る。
【0070】
次に、本発明に係る光通信システムの第1実施形態について説明する。図13は、第1実施形態に係る光通信システム1の構成図である。この光通信システム1は、送信器41,42、中継器51および受信器61,62を備える。送信器41と中継器51との間に光ファイバ伝送路71が敷設されており、受信器61と中継器51との間に光ファイバ伝送路72が敷設されており、送信器42と中継器51との間に光ファイバ伝送路73が敷設されており、また、受信器62と中継器51との間に光ファイバ伝送路74が敷設されている。
【0071】
中継器51内には、光ADM10および光増幅器30a,30bが設けられている。光ADM10は、上述した実施形態に係るものである。また、光増幅器30a,30bも、上述した実施形態に係る光増幅器30と同等のものである。光ADM10のIN端子101は光ファイバ伝送路71と接続されている。光ADM10のDROP端子102は光増幅器30aと接続されている。光ADM10のOUT端子103は光増幅器30bと接続されている。光ADM10のADD端子104は光ファイバ伝送路73と接続されている。光増幅器30aは、光ADM10のDROP端子102より出力された多波長信号光を光増幅して光ファイバ伝送路74へ出力する。光増幅器30bは、光ADM10のOUT端子103より出力された多波長信号光を光増幅して光ファイバ伝送路72へ出力する。なお、光増幅器30aおよび30bそれぞれは無くてもよく、また、光ADM10のIN端子101の前段に光増幅器が設けられてもよく、光ADM10のADD端子104の前段に光増幅器が設けられてもよい。
【0072】
本実施形態に係る光通信システム1は以下のように動作する。なお、光ADM10内に含まれる光部品13nは、波長λ2n-1および波長λ2nのうち波長λ2nの光を反射するものとする。
【0073】
送信器41から出力された波長λ1〜λ2Nの信号光は、光ファイバ伝送路71を伝搬して、中継器51内の光ADM10のIN端子101に入力する。光ADM10のIN端子101に入力した多波長信号光のうち、波長λ2nの信号光は、光ADM10により分波されてDROP端子102より出力され、光増幅器30aにより光増幅され、光ファイバ伝送路74を伝搬して受信器62へ到達する。一方、光ADM10のIN端子101に入力した多波長信号光のうち、波長λ2n-1の信号光は、光ADM10により分波されてOUT端子103より出力される。また、送信器42から出力された波長λ2nの信号光は、光ファイバ伝送路73を伝搬して、中継器51内の光ADM10のADD端子104に入力し、OUT端子103より出力される。そして、光ADMのOUT端子103より出力された波長λ1〜λ2Nの信号光は、光増幅器30bにより光増幅され、光ファイバ伝送路72を伝搬して受信器61へ到達する。
【0074】
このように、この光通信システム1では、光ADM10内の光部品13nが波長λ2nの光を反射する場合には、送信器41から出力された波長λ2nの信号光は、中継器51において分波されて受信器62へ到達し、送信器41から出力された波長λ2n-1の信号光、および、送信器42から出力された波長λ2nの信号光は、中継器51において合波されて受信器61へ到達する。逆に光ADM10内の光部品13nが波長λ2n-1の光を反射する場合には、送信器41から出力された波長λ2n-1の信号光は、中継器51において分波されて受信器62へ到達し、送信器41から出力された波長λ2nの信号光、および、送信器42から出力された波長λ2n-1の信号光は、中継器51において合波されて受信器61へ到達する。
【0075】
この光通信システム1において、光ADM10は、反射波長が可変である光部品131〜13Nを用いていることから、合波または分波する波長が可変である。しかも、各光部品13nは隣合う2つの信号光波長λ2n-1およびλ2nの何れかを選択して反射することができるので、例えば、送信器41と中継器51との間の伝送系、および、受信器61と中継器51との間の伝送系は、波長間隔0.8nm(周波数間隔100GHz)の多波長信号光をWDM伝送する光伝送系とされ、一方、送信器42と中継器51との間の伝送系、および、受信器62と中継器51との間の伝送系は、波長間隔1.6nm(周波数間隔200GHz)の多波長信号光をWDM伝送する光伝送系とされ得る。また、光増幅器30a,30bは、損失スペクトルを動的に調整することができるものであるので、光増幅すべき信号光の波数が変動したり、各々のパワーが変動したりしても、常に利得等化が行われ得る。
【0076】
次に、本発明に係る光通信システムの第2実施形態について説明する。図14は、第2実施形態に係る光通信システム2の構成図である。この光通信システム2は、送信器43,44、中継器53および受信器63,64を備える。送信器43と中継器53との間に光ファイバ伝送路75が敷設されており、送信器44と中継器53との間に光ファイバ伝送路76が敷設されており、受信器63と中継器53との間に光ファイバ伝送路77が敷設されており、また、受信器64と中継器53との間に光ファイバ伝送路78が敷設されている。
【0077】
中継器53内には、光XC20および光増幅器30c,30dが設けられている。光XC20は、上述した実施形態に係るものである。また、光増幅器30c,30dも、上述した実施形態に係る光増幅器30と同等のものである。光XC20の第1入力端子201は光ファイバ伝送路75と接続されている。光XC20の第2入力端子202は光ファイバ伝送路76と接続されている。光XC20の第1出力端子203は光増幅器30cと接続されている。光XC20の第2出力端子204は光増幅器30dと接続されている。光増幅器30cは、光XC20の第1出力端子203より出力された多波長信号光を光増幅して光ファイバ伝送路77へ出力する。光増幅器30dは、光XC20の第2出力端子204より出力された多波長信号光を光増幅して光ファイバ伝送路78へ出力する。なお、光増幅器30cおよび30dそれぞれは無くてもよく、また、光XC20の第1入力端子201の前段に光増幅器が設けられてもよく、光XC20の第2入力端子202の前段に光増幅器が設けられてもよい。
【0078】
本実施形態に係る光通信システム2は以下のように動作する。なお、光XC20内に含まれる光部品23nは、波長λ2n-1および波長λ2nのうち波長λ2nの光を反射するものとする。
【0079】
送信器43から出力された波長λ1〜λ2Nの信号光は、光ファイバ伝送路75を伝搬して、中継器53内の光XC20の第1入力端子201に入力する。光XC20の第1入力端子201に入力した多波長信号光のうち、波長λ2nの信号光は、光XC20により分波されて第1出力端子203より出力され、光増幅器30cにより光増幅され、光ファイバ伝送路77を伝搬して受信器63へ到達する。一方、光XC20の第1入力端子201に入力した多波長信号光のうち、波長λ2n-1の信号光は、光XC20により分波されて第2出力端子204より出力され、光増幅器30dにより光増幅され、光ファイバ伝送路78を伝搬して受信器64へ到達する。
【0080】
また、送信器44から出力された波長λ1〜λ2Nの信号光は、光ファイバ伝送路76を伝搬して、中継器53内の光XC20の第2入力端子202に入力する。光XC20の第2入力端子202に入力した多波長信号光のうち、波長λ2nの信号光は、光XC20により分波されて第2出力端子204より出力され、光増幅器30dにより光増幅され、光ファイバ伝送路78を伝搬して受信器64へ到達する。一方、光XC20の第2入力端子202に入力した多波長信号光のうち、波長λ2n-1の信号光は、光XC20により分波されて第1出力端子203より出力され、光増幅器30cにより光増幅され、光ファイバ伝送路77を伝搬して受信器63へ到達する。
【0081】
このように、この光通信システム2では、光XC20内の光部品23nが波長λ2nの光を反射する場合には、送信器43から出力された波長λ1〜λ2Nの信号光のうち、波長λ2nの信号光は、中継器53を経て受信器63へ到達し、波長λ2n-1の信号光は、中継器53を経て受信器64へ到達する。また、送信器44から出力された波長λ1〜λ2Nの信号光のうち、波長λ2nの信号光は、中継器53を経て受信器64へ到達し、波長λ2n-1の信号光は、中継器53を経て受信器63へ到達する。逆に光XC20内の光部品23nが波長λ2n-1の光を反射する場合には、送信器43から出力された波長λ1〜λ2Nの信号光のうち、波長λ2n-1の信号光は、中継器53を経て受信器63へ到達し、波長λ2nの信号光は、中継器53を経て受信器64へ到達する。また、送信器44から出力された波長λ1〜λ2Nの信号光のうち、波長λ2n-1の信号光は、中継器53を経て受信器64へ到達し、波長λ2nの信号光は、中継器53を経て受信器63へ到達する。
【0082】
この光通信システム2において、光XC20は、反射波長が可変である光部品231〜23Nを用いていることから、合波、分波または経路変更する波長が可変である。しかも、各光部品23nは隣合う2つの信号光波長λ2n-1およびλ2nの何れかを選択して反射することができる。また、光増幅器30c,30dは、損失スペクトルを動的に調整することができるものであるので、光増幅すべき信号光の波数が変動したり、各々のパワーが変動したりしても、常に利得等化が行われ得る。
【0083】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、光導波路型回折格子素子は、上記実施形態では光ファイバにグレーティングが形成されたものであったが、平面基板上の光導波路にグレーティングが形成されたものであってもよい。
【0084】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したとおり、本発明によれば、光導波路にグレーティング(ブラッググレーティング、長周期グレーティングまたは傾斜型ブラッググレーティング)が形成された光導波路型回折格子素子は、可撓性部材に固定されており、撓み付与手段の作用により可撓性部材が撓むことにより圧縮応力または引張応力が付与される。そして、この光導波路型回折格子素子における反射スペクトルまたは損失スペクトルは、付与された応力に応じて調整される。本発明では、可撓性部材を撓ませることで光導波路型回折格子素子を圧縮・伸張させることから、可撓性部材の撓み量が大きくても光導波路型回折格子素子の歪み量は小さく、光導波路型回折格子素子の光学的特性の微調整が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る光部品100の平面図である。
【図2】本実施形態に係る光部品100に含まれる可撓性部材150および光導波路型回折格子素子160の斜視図である。
【図3】他の実施形態に係る光部品101の平面図である。
【図4】他の実施形態に係る光部品101に含まれる可撓性部材151および光導波路型回折格子素子160の斜視図である。
【図5】他の実施形態に係る光部品101の一実施例における光導波路型回折格子素子160の歪み分布を示す図である。
【図6】他の実施形態に係る光部品101における光導波路型回折格子素子160の歪み分布の好適例を示す図である。
【図7】更に他の実施形態に係る光部品102の平面図である。
【図8】更に他の実施形態に係る光部品102に含まれる可撓性部材152および光導波路型回折格子素子160の断面図である。
【図9】可撓性部材152の表面から光導波路型回折格子素子160までの距離と光導波路型回折格子素子160の歪みとの関係を示す図である。
【図10】本実施形態に係る光モジュール(光ADM)10の構成図である。
【図11】本実施形態に係る光モジュール(光XC)20の構成図である。
【図12】本実施形態に係る光増幅器30の構成図である。
【図13】第1実施形態に係る光通信システム1の構成図である。
【図14】第2実施形態に係る光通信システム2の構成図である。
【符号の説明】
1,2…光通信システム、10…光ADM、11,12…光サーキュレータ、131〜13N…光部品、14,15…等化器、20…光XC、21,22…光サーキュレータ、231〜23N…光部品、30…光増幅器、31…光アイソレータ、32…増幅用光ファイバ、33…光カプラ、34…光部品、35…励起光源、41〜44…送信器、51,53…中継器、61〜64…受信器、71〜78…光ファイバ伝送路、100〜102…光部品、110…基盤、120,130…ソレノイド、140…固定部材、150〜152…可撓性部材、160…光導波路型回折格子素子。

Claims (13)

  1. 光導波路にブラッググレーティングが形成されており、前記光導波路を伝搬してきた特定波長の光を前記ブラッググレーティングによりブラッグ反射し、その反射した光を入射時と逆の方向に伝搬させる光導波路型回折格子素子と、
    可撓性を有し、その撓みの際に圧縮応力または引張応力が付与される部位に前記光導波路型回折格子素子が固定された可撓性部材と、
    前記可撓性部材を撓ませ、前記部位に圧縮応力を付与して前記光導波路型回折格子素子における反射波長を第1波長とし、及び/又は、前記部位に引張応力を付与して前記光導波路型回折格子素子における反射波長を第2波長とする撓み付与手段と
    を備え、
    前記可撓性部材は、所定方向に沿って厚みが変化しており、
    前記撓み付与手段は、前記可撓性部材の厚みが大きい一端側を固定し、前記可撓性部材の厚みが小さい他端側を当該厚み方向に変位させて、前記可撓性部材を撓ませる、
    ことを特徴とする光部品。
  2. 前記撓み付与手段が前記可撓性部材を撓ませていないとき、前記光導波路型回折格子素子における反射波長が前記第1波長と前記第2波長との間の波長であることを特徴とする請求項1記載の光部品。
  3. 請求項1記載の光部品を備え、この光部品により特定波長の光を反射させて、光の合波、分波または経路変更を行うことを特徴とする光モジュール。
  4. 前記光部品における光の反射または透過の際の損失の波長依存性を等化する等化手段を更に備えることを特徴とする請求項3記載の光モジュール。
  5. 光導波路に長周期グレーティングが形成されており、前記光導波路を伝搬してきた特定波長のコアモード光を前記長周期グレーティングによりクラッドモード光に変換して、前記光導波路を伝搬する特定波長の光に対して損失を与える光導波路型回折格子素子と、
    可撓性を有し、その撓みの際に圧縮応力または引張応力が付与される部位に前記光導波路型回折格子素子が固定された可撓性部材と、
    前記可撓性部材を撓ませて、前記部位に圧縮応力または引張応力を付与し、前記光導波路型回折格子素子における損失スペクトルを調整する撓み付与手段と
    を備え、
    前記可撓性部材は、所定方向に沿って厚みが変化しており、
    前記撓み付与手段は、前記可撓性部材の厚みが大きい一端側を固定し、前記可撓性部材の厚みが小さい他端側を当該厚み方向に変位させて、前記可撓性部材を撓ませる、
    ことを特徴とする光部品。
  6. 光導波路にブラッググレーティングが傾斜して形成されており、前記光導波路を伝搬してきた特定波長の光を前記ブラッググレーティングによりブラッグ反射して、前記光導波路を伝搬する特定波長の光に対して損失を与える光導波路型回折格子素子と、
    可撓性を有し、その撓みの際に圧縮応力または引張応力が付与される部位に前記光導波路型回折格子素子が固定された可撓性部材と、
    前記可撓性部材を撓ませて、前記部位に圧縮応力または引張応力を付与し、前記光導波路型回折格子素子における損失スペクトルを調整する撓み付与手段と
    を備え、
    前記可撓性部材は、所定方向に沿って厚みが変化しており、
    前記撓み付与手段は、前記可撓性部材の厚みが大きい一端側を固定し、前記可撓性部材の厚みが小さい他端側を当該厚み方向に変位させて、前記可撓性部材を撓ませる、
    ことを特徴とする光部品。
  7. 光を増幅する光増幅媒体と、
    前記光増幅媒体における光増幅の利得を等化する請求項5または6に記載の光部品と
    を備えることを特徴とする光増幅器。
  8. 前記撓み付与手段がソレノイドを含むことを特徴とする請求項1,5および6の何れか1項に記載の光部品。
  9. 温度変化に因る前記光導波路型回折格子素子の特性変化を補償する補償手段を更に備えることを特徴とする請求項1,5および6の何れか1項に記載の光部品。
  10. 前記可撓性部材が撓んでいない状態において前記光導波路型回折格子素子に引張応力が付与されて前記光導波路型回折格子素子が前記可撓性部材に固定されていることを特徴とする請求項1,5および6の何れか1項に記載の光部品。
  11. 前記可撓性部材が撓んでいない状態において前記光導波路型回折格子素子に引張応力が付与され、前記光導波路型回折格子素子が所定の光学的特性となるように調整されて、前記光導波路型回折格子素子が前記可撓性部材に固定されていることを特徴とする請求項10記載の光部品。
  12. 波長多重した多波長の信号光を用いて光通信を行う光通信システムであって、請求項3記載の光モジュールを含み、この光モジュールにより前記多波長の信号光の合波、分波または経路変更を行うことを特徴とする光通信システム。
  13. 波長多重した多波長の信号光を用いて光通信を行う光通信システムであって、請求項7記載の光増幅器を含み、この光増幅器により前記多波長の信号光を光増幅することを特徴とする光通信システム。
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