JP2003029044A - 光部品、光モジュール、光増幅器および光通信システム - Google Patents

光部品、光モジュール、光増幅器および光通信システム

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JP2003029044A
JP2003029044A JP2001211222A JP2001211222A JP2003029044A JP 2003029044 A JP2003029044 A JP 2003029044A JP 2001211222 A JP2001211222 A JP 2001211222A JP 2001211222 A JP2001211222 A JP 2001211222A JP 2003029044 A JP2003029044 A JP 2003029044A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光導波路にグレーティングが形成された光導
波路型回折格子素子を備え反射スペクトルまたは損失ス
ペクトルの微調整が容易な光部品を提供する。 【解決手段】 ソレノイド120およびソレノイド13
0の作用により可撓性部材150が撓み、この撓みに伴
って、可撓性部材150に固定された光導波路型回折格
子素子160に圧縮応力または引張応力が付与される。
そして、この応力によりグレーティング周期が変化し
て、光導波路型回折格子素子160の光学的特性(反射
スペクトル、損失スペクトル)が変化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光導波路にグレー
ティングが形成された光導波路型回折格子素子を備える
光部品、この光部品を含む光モジュールまたは光増幅
器、および、この光モジュールまたは光増幅器を含む光
通信システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】光導波路型回折格子素子は、光導波路
(例えば光ファイバ)における長手方向に沿った所定範
囲に亘って屈折率変調によるグレーティングが形成され
たものであって、この光導波路を伝搬する光のうち特定
波長の光をグレーティングにより選択的に反射し又は損
失を与えることができる。なお、本明細書で単に「グレ
ーティング」と言うときは、光導波路を伝搬してきた特
定波長の光をブラッグ反射して逆の方向に伝搬させるブ
ラッググレーティング、光導波路を伝搬してきた特定波
長の光をブラッグ反射して損失を与える屈折率変調が傾
斜した傾斜型ブラッググレーティング、および、光導波
路を伝搬してきた特定波長のコアモード光をクラッドモ
ード光に変換して損失を与える長周期グレーティング、
が含まれる。
【0003】ブラッググレーティングが形成された光導
波路型回折格子素子は、特定波長の光を反射させて光の
合波、分波または経路変更を行う光モジュール(例え
ば、光合波器、光分波器、光ADM(Add-Drop Multipl
exer)、光XC(Cross Connect))の一構成要素とし
て用いられる。また、傾斜型ブラッググレーティングま
たは長周期グレーティングが形成された光導波路型回折
格子素子は、特定波長の光に対して損失を与える損失フ
ィルタとして作用し、例えば、光増幅器における利得を
等化する利得等化器の一構成要素として用いられる。こ
れら光モジュールまたは光増幅器は、波長多重した多波
長の信号光を用いて光伝送を行う波長分割多重(WD
M: Wavelength Division Multiplexing)通信システム
等において用いられる。
【0004】ところで、反射スペクトルを動的に調整す
ることができる光導波路型回折格子素子が特開2000
−98146号公報に開示されている。この公報に開示
された光導波路型回折格子素子は、光ファイバにブラッ
ググレーティングが形成されたものであって、機械的ま
たは磁気的な力により(例えばソレノイドを用いて)光
ファイバを長手方向に伸張させて、これによりグレーテ
ィング周期を長くし、反射波長を長波長側へシフトさせ
るものである。このような光導波路型回折格子素子を用
いた光モジュールは、光の合波、分波または経路変更を
動的に調整することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に開示された光導波路型回折格子素子は、反射波長を
微調整することが困難である。例えば、波長1.55μ
m帯で波長間隔0.8nm(周波数間隔100GHz)
の多波長信号光をWDM伝送する光通信システムにおい
て光導波路型回折格子素子が用いられる場合を想定す
る。また、ブラッググレーティング形成領域の長さが5
0mmであるとする。このとき、光導波路型回折格子素
子がブラッグ反射させるべき波長を或る信号光波長から
隣りの信号光波長へ変更する(すなわち、反射波長を
0.8nmだけ変更する)には、ブラッググレーティン
グ形成領域の長さを33μmだけ変化させる必要があ
る。一方、ソレノイドのストロークは1mm程度以上で
ある。したがって、ソレノイドを用いたのでは、光導波
路型回折格子素子の反射波長を0.8nmだけ変更する
ことは困難である。このことは、傾斜型ブラッググレー
ティングまたは長周期グレーティングが形成された光導
波路型回折格子素子においても同様であり、損失スペク
トルを微調整することが困難である。
【0006】本発明は、上記問題点を解消する為になさ
れたものであり、光導波路にグレーティングが形成され
た光導波路型回折格子素子を備え反射スペクトルまたは
損失スペクトルの微調整が容易な光部品、この光部品を
含む光モジュールまたは光増幅器、および、この光モジ
ュールまたは光増幅器を含む光通信システムを提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る光部品
は、(1) 光導波路にブラッググレーティングが形成され
ており、光導波路を伝搬してきた特定波長の光をブラッ
ググレーティングによりブラッグ反射し、その反射した
光を入射時と逆の方向に伝搬させる光導波路型回折格子
素子と、(2) 可撓性を有し、その撓みの際に圧縮応力ま
たは引張応力が付与される部位に光導波路型回折格子素
子が固定された可撓性部材と、(3) 可撓性部材を撓ま
せ、上記部位に圧縮応力を付与して光導波路型回折格子
素子における反射波長を第1波長とし、及び/又は、上
記部位に引張応力を付与して光導波路型回折格子素子に
おける反射波長を第2波長とする撓み付与手段とを備え
ることを特徴とする。この第1の発明に係る光部品で
は、光導波路にブラッググレーティングが形成された光
導波路型回折格子素子は、可撓性部材に固定されてお
り、撓み付与手段の作用により可撓性部材が撓むことに
より圧縮応力または引張応力が付与される。そして、こ
の光導波路型回折格子素子における反射波長は、圧縮応
力が付与されているときは第1波長λ1となり、引張応
力が付与されているときは第2波長λ2となる。ただ
し、λ1≠λ2 である。
【0008】また、第1の発明に係る光部品は、撓み付
与手段が可撓性部材を撓ませていないとき、光導波路型
回折格子素子における反射波長が第1波長と第2波長と
の間の波長であるのが好適である。さらに、これら第1
波長および第2波長は、この光部品が用いられる光通信
システム等における多波長信号光のうち隣合う2波長で
あるのが好適である。この場合には、他の波長の信号光
に影響を与えることなく、反射波長が切替えられる。
【0009】本発明に係る光モジュールは、上記の第1
の発明に係る光部品を備え、この光部品により特定波長
の光を反射させて、光の合波、分波または経路変更を行
うことを特徴とする。このような光モジュールは、例え
ば、光合波器、光分波器、光ADM、光XCである。こ
の光モジュールは、上記の第1の発明に係る光部品によ
り特定波長の光を反射させて合波、分波または経路変更
を行うことから、合波、分波または経路変更を行うべき
光の波長を可変とすることができる。
【0010】また、本発明に係る光モジュールは、光部
品における光の反射または透過の際の損失の波長依存性
を等化する等化手段を更に備えるのが好適である。この
場合には、光部品における光の反射または透過の際の損
失の波長依存性は等化手段により等化されるので、光モ
ジュールにおける損失スペクトルは平坦なものとなる。
【0011】第2の発明に係る光部品は、(1) 光導波路
に長周期グレーティングが形成されており、光導波路を
伝搬してきた特定波長のコアモード光を長周期グレーテ
ィングによりクラッドモード光に変換して、光導波路を
伝搬する特定波長の光に対して損失を与える光導波路型
回折格子素子と、(2) 可撓性を有し、その撓みの際に圧
縮応力または引張応力が付与される部位に光導波路型回
折格子素子が固定された可撓性部材と、(3) 可撓性部材
を撓ませて、上記部位に圧縮応力または引張応力を付与
し、光導波路型回折格子素子における損失スペクトルを
調整する撓み付与手段とを備えることを特徴とする。こ
の第2の発明に係る光部品では、光導波路に長周期グレ
ーティングが形成された光導波路型回折格子素子は、可
撓性部材に固定されており、撓み付与手段の作用により
可撓性部材が撓むことにより応力が付与される。そし
て、この光導波路型回折格子素子における損失スペクト
ルは、付与された応力に応じて調整される。
【0012】第3の発明に係る光部品は、(1) 光導波路
にブラッググレーティングが傾斜して形成されており、
光導波路を伝搬してきた特定波長の光をブラッググレー
ティングによりブラッグ反射して、光導波路を伝搬する
特定波長の光に対して損失を与える光導波路型回折格子
素子と、(2) 可撓性を有し、その撓みの際に圧縮応力ま
たは引張応力が付与される部位に光導波路型回折格子素
子が固定された可撓性部材と、(3) 可撓性部材を撓ませ
て、上記部位に圧縮応力または引張応力を付与し、光導
波路型回折格子素子における損失スペクトルを調整する
撓み付与手段とを備えることを特徴とする。この第3の
発明に係る光部品では、光導波路に傾斜型ブラッググレ
ーティングが形成された光導波路型回折格子素子は、可
撓性部材に固定されており、撓み付与手段の作用により
可撓性部材が撓むことにより応力が付与される。そし
て、この光導波路型回折格子素子における損失スペクト
ルは、付与された応力に応じて調整される。
【0013】本発明に係る光増幅器は、光を増幅する光
増幅媒体と、この光増幅媒体における光増幅の利得を等
化する上記の第2または第3の発明に係る光部品とを備
えることを特徴とする。この光増幅器では、光部品にお
ける損失スペクトルは、光増幅媒体における利得スペク
トルと略同形状のものとされ、光増幅の利得は等化され
る。光増幅媒体における利得スペクトルが変動した場合
であっても、光部品における損失スペクトルが動的に調
整されることにより、光増幅の利得は常に等化され得
る。
【0014】第1〜第3の発明に係る光部品は、撓み付
与手段がソレノイドを含むものであるのが好適である。
ソレノイドは、吸着状態とフリー状態との間の遷移に際
してのみ励磁コイルへの通電が必要であって、吸着状態
の継続またはフリー状態の継続に際しては励磁コイルへ
の通電が不要であるから、低消費電力の点で好適であ
る。また、停電により電源供給が不能となる事態が生じ
たとしても、ソレノイドは、その事態に陥る直前の状態
を保持することができるので、この点でも好適である。
【0015】第1〜第3の発明に係る光部品は、温度変
化に因る光導波路型回折格子素子の特性変化を補償する
補償手段を更に備えるのが好適である。この場合には、
温度変化により光導波路型回折格子素子の特性が変化す
るようなことがあっても、その特性変化は補償手段によ
り補償されるので、光導波路型回折格子素子の特性の温
度依存性が低減される。
【0016】第1〜第3の発明に係る光部品では、可撓
性部材は、所定方向に沿って厚みが変化しており、撓み
付与手段は、可撓性部材の厚みが大きい一端側を固定
し、可撓性部材の厚みが小さい他端側を当該厚み方向に
変位させて、可撓性部材を撓ませるのが好適である。こ
の場合には、可撓性部材の厚みが所定方向に沿って一定
である場合と比較して、光導波路型回折格子素子に付与
される応力は長手方向に沿って均一のものとすることが
できる。
【0017】第1〜第3の発明に係る光部品では、光導
波路型回折格子素子は、可撓性部材の内部に固定され、
可撓性部材の所定方向に沿って可撓性部材の表面からの
距離が変化しており、撓み付与手段は、可撓性部材の上
記距離が大きい一端側を固定し、可撓性部材の上記距離
が小さい他端側を当該厚み方向に変位させて、可撓性部
材を撓ませるのが好適である。この場合には、可撓性部
材の表面と光導波路型回折格子素子との間の距離が可撓
性部材の所定方向に沿って一定である場合と比較して、
光導波路型回折格子素子に付与される応力は長手方向に
沿って均一のものとなる。
【0018】第1〜第3の発明に係る光部品は、可撓性
部材が撓んでいない状態において光導波路型回折格子素
子に引張応力が付与されて光導波路型回折格子素子が可
撓性部材に固定されているのが好適である。また、可撓
性部材が撓んでいない状態において光導波路型回折格子
素子に引張応力が付与され、光導波路型回折格子素子が
所定の光学的特性となるように調整されて、光導波路型
回折格子素子が前記可撓性部材に固定されているのが好
適である。このようにすることで、可撓性部材が撓んで
いないときにも、光導波路型回折格子素子には応力が付
与されていて、光導波路型回折格子素子は所望の光学的
特性を有するものとなる。
【0019】本発明に係る光通信システムは、波長多重
した多波長の信号光を用いて光通信を行う光通信システ
ムであって、上記の本発明に係る光モジュールを含み、
この光モジュールにより多波長の信号光の合波、分波ま
たは経路変更を行うことを特徴とする。この光通信シス
テムでは、多波長信号光の合波、分波または経路変更
は、光モジュールにより動的に変更され得る。
【0020】本発明に係る光通信システムは、波長多重
した多波長の信号光を用いて光通信を行う光通信システ
ムであって、上記の本発明に係る光増幅器を含み、この
光増幅器により多波長の信号光を光増幅することを特徴
とする。この光通信システムでは、光増幅器における利
得スペクトルが平坦なものであるので、高品質の光伝送
を行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明にお
いて同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を
省略する。
【0022】先ず、本発明に係る光部品の実施形態につ
いて説明する。図1は、本実施形態に係る光部品100
の平面図である。図2は、本実施形態に係る光部品10
0に含まれる可撓性部材150および光導波路型回折格
子素子160の斜視図である。この光部品100は、基
盤110、ソレノイド120、ソレノイド130、固定
部材140、可撓性部材150および光導波路型回折格
子素子160を備えている。
【0023】ソレノイド120の本体部121、ソレノ
イド130の本体部131、および、固定部材140そ
れぞれは、基盤110上に固定されている。可撓性部材
150の一端側は、固定部材140に固定されている。
可撓性部材150の他端側は、一方のソレノイド120
の可動部122の先端に設けられたキャップ部123
と、他方のソレノイド130の可動部132の先端に設
けられたキャップ部133との間に、位置している。
【0024】ソレノイド120は、本体部121、可動
部122およびキャップ部123の他に励磁コイル(図
示せず)をも含み、この励磁コイルに通電することで、
本体部121に対して可動部122を移動させることが
できる。ソレノイド120は、可動部122が本体12
1に吸着している状態(以下「吸着状態」という。)、
および、可動部122が本体121に吸着しておらずフ
リーである状態(以下「フリー状態」という。)の何れ
かの状態となる。特に、ソレノイド120は、吸着状態
とフリー状態との間の遷移に際してのみ励磁コイルへの
通電が必要であって、吸着状態の継続またはフリー状態
の継続に際しては励磁コイルへの通電が不要であるの
が、低消費電力の点で好適である。また、停電により電
源供給が不能となる事態が生じたとしても、ソレノイド
120は、その事態に陥る直前の状態を保持することが
できるので、この点でも好適である。ソレノイド130
も同様である。
【0025】ソレノイド120、ソレノイド130およ
び固定部材140は、可撓性部材150を撓ませる撓み
付与手段として作用する。すなわち、ソレノイド120
が吸着状態であってソレノイド130がフリー状態であ
れば、図1に示されるように、可撓性部材150はソレ
ノイド130側に凸となるように撓む。一方、ソレノイ
ド120がフリー状態であってソレノイド130が吸着
状態であれば、図1に示された様子とは逆に、可撓性部
材150はソレノイド120側に凸となるように撓む。
【0026】可撓性部材150は、可撓性を有する材料
からなり、その撓みの際に圧縮応力または引張応力が付
与される部位(例えば、ソレノイド120側の面上、ま
たは、中心よりソレノイド120側へ寄った内部)に、
光導波路型回折格子素子160が固定されている。この
可撓性部材150は、例えばファイバ強化プラスティッ
クからなるのが好適である。なお、図2において、L
は、ソレノイド120のキャップ部123とソレノイド
130のキャップ部133とにより挟まれた自由端の位
置から、固定部材140により固定された固定端の位置
までの、可撓性部材150の長さである。hは、ソレノ
イド120とソレノイド130とを結ぶ方向の可撓性材
料150の厚みである。bは、可撓性部材150の幅で
ある。
【0027】光導波路型回折格子素子160は、光導波
路である光ファイバにグレーティングが形成されたもの
であって、可撓性部材150の撓みにより、その長手方
向に圧縮応力または引張応力が付与される。
【0028】この光導波路型回折格子素子160の元と
なる光ファイバは、石英系ガラスをベースとするもので
あって、GeO2が添加されたコア領域と、このコア領
域を取り囲むクラッド領域とを有している。この光ファ
イバに対して長手方向に空間的に強度変調された屈折率
変化誘起光(例えば、KrFエキシマレーザ光源から出
力された波長248nmの紫外レーザ光)が照射される
ことで、この光ファイバのコア領域にグレーティングが
形成され、これにより光導波路型回折格子素子160が
製造される。ブラッググレーティングまたは傾斜型ブラ
ッググレーティングは、位相格子マスクが光ファイバの
側方に配置され、この位相格子マスクを介して屈折率変
化誘起光が照射され、この照射に伴い位相格子マスクの
作用により+1次回折光と−1次回折光とが生じて、こ
れらの干渉縞がコア領域に形成されることで、その干渉
縞における屈折率変化誘起光のパワー分布に応じて形成
される。一方、長周期グレーティングは、強度変調マス
クが光ファイバの側方に配置され、この強度変調マスク
を介して屈折率変化誘起光が照射されることで、その強
度変調マスクを透過した屈折率変化誘起光のパワー分布
に応じて形成される。
【0029】この光部品100では、ソレノイド120
およびソレノイド130の作用により可撓性部材150
が撓み、この撓みに伴って、可撓性部材150に固定さ
れた光導波路型回折格子素子160に圧縮応力または引
張応力が付与される。そして、この応力によりグレーテ
ィング周期が変化して、光導波路型回折格子素子160
の光学的特性(反射スペクトル、損失スペクトル)が変
化する。光導波路型回折格子素子を長手方向に直接に圧
縮・伸張させる従来の場合と比較して、本実施形態で
は、可撓性部材150を撓ませることで光導波路型回折
格子素子160を圧縮・伸張させることから、可撓性部
材150の撓み量が大きくても光導波路型回折格子素子
160の歪み量は小さく、光導波路型回折格子素子16
0の光学的特性の微調整が可能である。
【0030】なお、光導波路型回折格子素子160の光
学的特性は、付与される応力により変化するだけでな
く、温度によっても変化する。すなわち、温度変化によ
り実効屈折率やグレーティング周期が変化して、これに
より、光導波路型回折格子素子160の光学的特性が変
化する。そこで、温度変化に因る光導波路型回折格子素
子160の特性変化を補償する補償手段が設けられるの
が好適である。この補償手段として具体的には以下のも
のが挙げられる。可撓性部材150を適切な熱膨張係数
を有する材料からなるものとすることにより、可撓性部
材150の熱膨張・収縮を利用して、光導波路型回折格
子素子160の特性変化を補償する。または、可動部1
22,132およびキャップ部123,133それぞれ
を適切な熱膨張係数を有する材料からなるものとするこ
とにより、これらの熱膨張・収縮を利用して、光導波路
型回折格子素子160の特性変化を補償する。または、
ソレノイド120,130に加えて(または、これらに
替えて)、可撓性部材150の撓み量を調整できる機構
を設けて、撓み量を調整することで、光導波路型回折格
子素子160の特性変化を補償する。このようにするこ
とで、光導波路型回折格子素子160の光学的特性の温
度依存性が低減される。
【0031】また、可撓性部材150が撓んでいない状
態において光導波路型回折格子素子160に応力が付与
されて光導波路型回折格子素子160が可撓性部材15
0に固定されているのが好適である。このようにするこ
とで、可撓性部材150が撓んでいないときにも、光導
波路型回折格子素子160には応力が付与されていて、
光導波路型回折格子素子160は所望の光学的特性を有
するものとなる。
【0032】次に、ブラッググレーティングが形成され
た光導波路型回折格子素子160を備える光部品100
について説明する。この場合、光導波路型回折格子素子
160は、光ファイバを伝搬してきた特定波長の光をブ
ラッグ反射して、その反射した光を逆の方向に光ファイ
バを伝搬させる。可撓性部材150が撓んでいないと
き、ブラッググレーティングの周期をΛ0とし、ブラッ
ググレーティング形成領域における実効屈折率をnとす
ると、反射波長λ0は、 λ0=2nΛ0 …(1) なる式で表される。
【0033】光部品100では、ソレノイド120が吸
着状態であってソレノイド130がフリー状態であると
きに、可撓性部材150はソレノイド130側に凸とな
るように撓み、光導波路型回折格子素子160には圧縮
応力が付与されて、グレーティング周期はΛ1になり、
反射波長はλ1となる。一方、ソレノイド120がフリ
ー状態であってソレノイド130が吸着状態であるとき
に、可撓性部材150はソレノイド120側に凸となる
ように撓み、光導波路型回折格子素子160には引張応
力が付与されて、グレーティング周期はΛ2になり、反
射波長はλ2となる。これらのパラメータの間には、 λ1=2nΛ1 …(2a) λ2=2nΛ2 …(2b) Λ1<Λ0<Λ2 …(2c) λ1<λ0<λ2 …(2d) なる関係式が成り立つ。
【0034】波長1.55μm帯で波長間隔1.6nm
(周波数間隔200GHz)の多波長信号光をWDM伝
送する光通信システムにおいて光部品100が用いられ
る場合を想定したとき、或る信号光波長がλ1であっ
て、隣りの信号光波長がλ2であるのが好適である。す
なわち、 Δλ=λ2−λ1=1.6nm …(3) であるのが好適である。このとき、可撓性部材150が
撓んでいないときの反射波長λ0は、隣合う2つの信号
光波長λ1とλ2との間の波長である。したがって、可撓
性部材150がソレノイド130側に凸となるように撓
んでいる状態と、可撓性部材150がソレノイド120
側に凸となるように撓んでいる状態との間で、可撓性部
材150の撓み状態が遷移しているときには、光導波路
型回折格子素子160の反射波長は他の信号光波長と一
致することはない。
【0035】このような光部品100の具体的な実施例
は以下のとおりである。基準波長λは1550nmであ
り、反射波長シフト量Δλは1.6nmである。ブラッ
ググレーティング形成領域の長さは50mmである。可
撓性部材150は、材質がファイバ強化プラスティック
であり、ヤング率は6×109Paであり、寸法がL=
50mm,h=2mm,b=5mmである(図2参
照)。光導波路型回折格子素子16は、可撓性部材15
0の内部に固定され、可撓性部材150の中心よりソレ
ノイド120側への距離yが0.5mmである。
【0036】このとき、光導波路型回折格子素子160
の長手方向の必要な歪みεは、 ε=Δλ/(0.78λ)=6.62×10-4 …(4) である。ソレノイド120のキャップ部123とソレノ
イド130のキャップ部133とにより挟まれた自由端
の位置における可撓性部材150の必要な変位(すなわ
ち、ソレノイド120,130のストローク)をδと
し、可撓性部材150が撓んだときの曲率半径をRとす
ると、 ε=y/R …(5a) δ=R(1−cos(L/R)) …(5b) なる関係式が成り立つ。これより、自由端の位置におけ
る可撓性部材150の必要な変位δは1.654mmで
ある。また、これに必要な荷重は774mN(79g
f)である。このストロークおよび荷重は、ソレノイド
120,130により可能なものである。
【0037】次に、傾斜型ブラッググレーティングまた
は長周期グレーティングが形成された光導波路型回折格
子素子160を備える光部品100について説明する。
傾斜型ブラッググレーティングが形成された光導波路型
回折格子素子160は、光ファイバを伝搬してきた特定
波長の光をブラッグ反射して、その反射した光を光ファ
イバの側方へ放射させて、これにより特定波長の光に対
して損失を与える。この場合、損失がピークとなる波長
は、グレーティング形成領域における実効屈折率および
グレーティング周期だけでなく、グレーティング傾斜角
にも依存する。一方、長周期グレーティングが形成され
た光導波路型回折格子素子160は、光ファイバを伝搬
してきた特定波長のコアモード光をクラッドモード光に
変換して、これにより特定波長の光に対して損失を与え
る。この場合、損失がピークとなる波長は、コアモード
光とクラッドモード光との間の位相整合条件を満たす波
長であって、グレーティング形成領域におけるコアモー
ド光およびクラッドモード光それぞれに対する実効屈折
率およびグレーティング周期に依存する。このように、
傾斜型ブラッググレーティングまたは長周期グレーティ
ングが形成された光導波路型回折格子素子160は、特
定波長の光に対して損失を与える損失フィルタとして作
用する。
【0038】光部品100では、ソレノイド120が吸
着状態であってソレノイド130がフリー状態であると
きに、可撓性部材150はソレノイド130側に凸とな
るように撓み、光導波路型回折格子素子160には圧縮
応力が付与されて、グレーティング周期はΛ1になる。
一方、ソレノイド120がフリー状態であってソレノイ
ド130が吸着状態であるときに、可撓性部材150は
ソレノイド120側に凸となるように撓み、光導波路型
回折格子素子160には引張応力が付与されて、グレー
ティング周期はΛ2になる。これらのパラメータの間に
は、 Λ1<Λ2 …(6) なる関係式が成り立つ。このように、光導波路型回折格
子素子160に応力が付与されることでグレーティング
周期が変化し、これにより、損失スペクトルが変化す
る。
【0039】なお、この場合、ソレノイド120,13
0により可撓性部材150に撓みを付与して光導波路型
回折格子素子160のグレーティング周期を調整しても
よいが、ソレノイド120,130に加えて(または、
これらに替えて)、可撓性部材150の撓み量を調整で
きる機構を設けて、撓み量を連続的に調整することで、
光導波路型回折格子素子160の特性変化を連続的に補
償するのが好適である。
【0040】次に、本発明に係る光部品の他の実施形態
について説明する。図3は、他の実施形態に係る光部品
101の平面図である。図4は、この光部品101に含
まれる可撓性部材151および光導波路型回折格子素子
160の斜視図である。これらの図に示される光部品1
01は、図1および図2に示された光部品100と比較
すると、可撓性部材150に替えて設けられた可撓性部
材151の厚みが長手方向に沿って変化している点で相
違する。可撓性部材151の厚みが大きい一端側は固定
部材140により固定されており、可撓性部材151の
厚みが小さい他端側はソレノイド120およびソレノイ
ド130により当該厚み方向に変位されて、これによ
り、可撓性部材151は撓む。
【0041】図5は、この光部品101の一実施例にお
ける光導波路型回折格子素子160の歪み分布を示す図
である。ここでは、可撓性部材151は、SUSからな
るものとし、撓む長手方向の長さ50mmの範囲に亘っ
て厚みhが2mmから5mmまで線形に変化するものと
した。また、比較の為に示した可撓性部材は、SUSか
らなるものとし、撓む長手方向の長さ50mmの範囲に
亘って厚みhが2mmで一定であるとした。この図の横
軸は、固定部材140により固定された位置を基準とし
て、この位置から可撓性部材の長手方向に沿った距離を
示している。また、この図の縦軸は、固定部材140に
より固定された位置における光導波路型回折格子素子1
60の歪み量で規格化されたものを示している。
【0042】この図から判るように、長手方向に厚みが
一定である可撓性部材が用いられた場合には、固定部材
140に近い位置では、光導波路型回折格子素子160
の歪みは大きく、固定部材140からの距離が長くなる
に従って、光導波路型回折格子素子160の歪みは漸減
する。一方、長手方向に厚みが変化している可撓性部材
151が用いられた場合には、固定部材140からの距
離に関して或る範囲では、光導波路型回折格子素子16
0の歪みの変化は小さい。例えば、固定部材140から
の距離が5mmから30mmまでの範囲を見ると、長手
方向に厚みが一定である可撓性部材が用いられた場合に
は、光導波路型回折格子素子160の規格化された歪み
は1.0から0.2まで変化しているのに対して、長手
方向に厚みが変化している可撓性部材151が用いられ
た場合には、光導波路型回折格子素子160の規格化さ
れた歪みは1.5から1.1までしか変化しておらず、
後者の方が光導波路型回折格子素子160の歪みの変化
は小さい。
【0043】このように、可撓性部材151の厚みが長
手方向に沿って線形に変化している場合には、可撓性部
材151が撓むことにより光導波路型回折格子素子16
0に付与される応力または歪みは、長手方向に沿って変
化が小さいものとなる。また、可撓性部材151の長手
方向に沿った厚みの分布を更に適切に設計することによ
り、図6に示されるように、可撓性部材151が撓むこ
とにより光導波路型回折格子素子160に付与される応
力または歪みは、長手方向に沿って変化が更に小さいも
のとなり得る。
【0044】図7は、更に他の実施形態に係る光部品1
02の平面図である。図8は、この光部品102に含ま
れる可撓性部材152および光導波路型回折格子素子1
60の断面図である。これらの図に示される光部品10
2は、図1および図2に示された光部品100と比較す
ると、光導波路型回折格子素子160が可撓性部材15
2の内部に固定されていて、可撓性部材152の長手方
向に沿って可撓性部材152の表面から光導波路型回折
格子素子160までの距離が変化している点で相違す
る。可撓性部材152の上記距離が大きい一端側は固定
部材140により固定されており、可撓性部材152の
上記距離が小さい他端側はソレノイド120およびソレ
ノイド130により当該厚み方向に変位されて、これに
より、可撓性部材152は撓む。なお、図示のように、
可撓性部材152の内部に光導波路型回折格子素子16
0が埋め込まれて固定されているのが好適である。ま
た、可撓性部材152は、楔型の形状を各々有する2つ
の部材からなり、一方の部材が固定部材140側で厚
く、且つ、他方の部材が固定部材140側で薄くなるよ
うにして、これら2つの部材が貼り合わされ、この貼り
合わせ部に光導波路型回折格子素子160が固定されて
いるのも好適である。
【0045】図9は、可撓性部材152の表面から光導
波路型回折格子素子160までの距離と光導波路型回折
格子素子160の歪みとの関係を示す図である。ここで
は、可撓性部材152は、SUSからなるものとし、撓
む長手方向の長さが50mmであり、厚みが4mmであ
り、可撓性部材152の表面から光導波路型回折格子素
子160までの距離が0mm(表面),1mm,2mm
(中央),3mmおよび4mm(裏面)それぞれである
とした。この図の横軸は、可撓性部材152の表面から
光導波路型回折格子素子160までの距離を示してい
る。この図の縦軸は、固定部材140による固定位置か
ら6mmだけ離れた位置における光導波路型回折格子素
子160の歪み量で規格化されたものを示している。ま
た、この図中には、固定部材140による固定位置から
の距離が6mm,12mm,18mmおよび24mmそ
れぞれの位置における光導波路型回折格子素子160の
歪みが示されている。
【0046】この図から判るように、固定部材140に
よる固定位置からの距離が長いほど、光導波路型回折格
子素子160の歪みは、可撓性部材152の表面からの
距離に大きく依存する。したがって、固定部材140に
よる固定位置からの距離が長いほど、光導波路型回折格
子素子160と可撓性部材152表面との距離が短くな
るようにすることにより、可撓性部材152が撓むこと
により光導波路型回折格子素子160に付与される応力
または歪みは、長手方向に沿って変化が小さいものとな
り得る。
【0047】次に、本発明に係る光モジュールの第1実
施形態について説明する。図10は、本実施形態に係る
光モジュール(光ADM)10の構成図である。この光
ADM10は、光サーキュレータ11,12、光部品1
1〜13N(Nは1以上の整数)および等化器14,1
5を備える。これらのうち、光部品131〜13Nそれぞ
れは、ブラッググレーティングが形成された光導波路型
回折格子素子160を備える光部品100と同等のもの
である。また、等化器14,15それぞれは、傾斜型ブ
ラッググレーティングまたは長周期グレーティングが形
成された光導波路型回折格子素子160を備える光部品
100と同等のものであってもよい。この光ADM10
に入出力する多波長信号光の波長をλ1〜λ2Nとする。
なお、光サーキュレータ11と光サーキュレータ12と
の間に、光部品131〜13Nとは別に、反射波長が固定
の光導波路型回折格子が設けられていてもよい。
【0048】光サーキュレータ11は、第1端子1
1、第2端子112および第3端子11 3を有してお
り、第1端子111に入力した光を第2端子112より出
力し、第2端子112に入力した光を第3端子113より
出力する。第1端子111は光ADM10のIN端子1
1に接続されており、第2端子112は光部品131
接続されており、第3端子113は等化器14に接続さ
れている。
【0049】光サーキュレータ12は、第1端子1
1、第2端子122および第3端子12 3を有してお
り、第1端子121に入力した光を第2端子122より出
力し、第2端子122に入力した光を第3端子123より
出力する。第1端子121は等化器15に接続されてお
り、第2端子122は光部品13Nに接続されており、第
3端子123は光ADM10のOUT端子103に接続さ
れている。
【0050】N個の光部品131〜13Nは、縦列に接続
されていて、光サーキュレータ11の第2端子112
光サーキュレータ12の第2端子122との間に設けら
れている。光部品13nは、波長λ2n-1および波長λ2n
のうち何れか一方の波長の光を反射させ、他方の波長の
光を透過させる(nは1以上N以下の任意の整数)。
【0051】等化器14は、光サーキュレータ11の第
3端子113と光ADM10のDROP端子102との間
に設けられており、光サーキュレータ11の第1端子1
1から第3端子113へ到るまで光が通過する際に被る
損失の波長依存性を等化する。等化器15は、光サーキ
ュレータ12の第1端子121と光ADM10のADD
端子104との間に設けられており、光サーキュレータ
12の第1端子121から第3端子123へ到るまで光が
通過する際に被る損失の波長依存性を等化する。
【0052】本実施形態に係る光ADM10は以下のよ
うに動作する。光部品13nは、波長λ2n-1および波長
λ2nのうち波長λ2nの光を反射するものとする。このと
き、光ADM10のIN端子101に入力した波長λ1
λ2Nの信号光は、光サーキュレータ11の第1端子11
1に入力して第2端子112より出力される。光サーキュ
レータ11の第2端子112より出力された光のうち、
波長λ2nの光は、光部品13nにより反射され、光サー
キュレータ11の第2端子112に入力して第3端子1
3より出力されて、等化器14により損失が等化さ
れ、光ADM10のDROP端子102より出力され
る。一方、光サーキュレータ11の第2端子112より
出力された光のうち、波長λ2n-1の光は、N個の光部品
131〜13Nを透過して、光サーキュレータ12の第2
端子122に入力して第3端子123より出力されて、光
ADM10のOUT端子103より出力される。また、
光ADM10のADD端子104に入力した波長λ2n
光は、等化器15により損失が等化され、光サーキュレ
ータ12の第1端子121に入力して第2端子122より
出力されて、光部品13nにより反射され、光サーキュ
レータ12の第2端子122に入力して第3端子123
り出力されて、光ADM10のOUT端子103より出
力される。
【0053】このように、この光ADM10では、光部
品13nが波長λ2nの光を反射する場合には、IN端子
101に入力した波長λ1〜λ2Nの信号光は分波されて、
そのうち波長λ2nの光はDROP端子102より出力さ
れ、一方の波長λ2n-1の光は、ADD端子104に入力
した波長λ2nの光と合波されてOUT端子103より出
力される。逆に光部品13nが波長λ2n-1の光を反射す
る場合には、IN端子101に入力した波長λ1〜λ2N
信号光は分波されて、そのうち波長λ2n-1の光はDRO
P端子102より出力され、一方の波長λ2nの光は、A
DD端子104に入力した波長λ2n-1の光と合波されて
OUT端子103より出力される。なお、分波のみ行う
場合には、光サーキュレータ12および等化器15は不
要である。また、合波のみ行う場合には、光サーキュレ
ータ11および等化器14は不要である。
【0054】この光ADM10は、反射波長が可変であ
る光部品131〜13Nを用いていることから、合波また
は分波する波長が可変である。しかも、各光部品13n
は隣合う2つの信号光波長λ2n-1およびλ2nの何れかを
選択して反射することができるので、例えば、IN端子
101およびOUT端子103それぞれには、波長間隔
1.6nm(周波数間隔200GHz)の多波長信号光
をWDM伝送する光伝送系が接続される。
【0055】また、光サーキュレータ11の第3端子1
3と光ADM10のDROP端子102との間に等化器
14が設けられていることにより、IN端子101に入
力しDROP端子102へ出力される多波長信号光のパ
ワー偏差が平坦化される。同様に、光サーキュレータ1
2の第1端子121と光ADM10のADD端子104
の間に等化器15が設けられていることにより、ADD
端子104に入力しOUT端子103へ出力される多波長
信号光のパワー偏差が平坦化される。
【0056】次に、本発明に係る光モジュールの第2実
施形態について説明する。図11は、本実施形態に係る
光モジュール(光XC)20の構成図である。この光X
C20は、光サーキュレータ21,22および光部品2
1〜23N(Nは1以上の整数)を備える。これらのう
ち、光部品231〜23Nそれぞれは、ブラッググレーテ
ィングが形成された光導波路型回折格子素子160を備
える光部品100と同等のものである。この光XC20
に入出力する多波長信号光の波長をλ1〜λ2Nとする。
なお、光サーキュレータ21と光サーキュレータ22と
の間に、光部品231〜23Nとは別に、反射波長が固定
の光導波路型回折格子が設けられていてもよい。
【0057】光サーキュレータ21は、第1端子2
1、第2端子212および第3端子21 3を有してお
り、第1端子211に入力した光を第2端子212より出
力し、第2端子212に入力した光を第3端子213より
出力する。第1端子211は光XC20の第1入力端子
201に接続されており、第2端子212は光部品231
に接続されており、第3端子213は光XC20の第1
出力端子203に接続されている。
【0058】光サーキュレータ22は、第1端子2
1、第2端子222および第3端子22 3を有してお
り、第1端子221に入力した光を第2端子222より出
力し、第2端子222に入力した光を第3端子223より
出力する。第1端子221は光XC20の第2入力端子
202に接続されており、第2端子222は光部品23N
に接続されており、第3端子223は光XC20の第2
出力端子204に接続されている。
【0059】N個の光部品231〜23Nは、縦列に接続
されていて、光サーキュレータ21の第2端子212
光サーキュレータ22の第2端子222との間に設けら
れている。光部品23nは、波長λ2n-1および波長λ2n
のうち何れか一方の波長の光を反射させ、他方の波長の
光を透過させる(nは1以上N以下の任意の整数)。
【0060】本実施形態に係る光XC20は以下のよう
に動作する。光部品23nは、波長λ2n-1および波長λ
2nのうち波長λ2nの光を反射するものとする。
【0061】このとき、光XC20の第1入力端子20
1に入力した波長λ1〜λ2Nの信号光は、光サーキュレー
タ21の第1端子211に入力して第2端子212より出
力される。光サーキュレータ21の第2端子212より
出力された光のうち、波長λ2 nの光は、光部品23n
より反射され、光サーキュレータ21の第2端子212
に入力して第3端子213より出力されて、光XC20
の第1出力端子203より出力される。一方、光サーキ
ュレータ21の第2端子212より出力された光のう
ち、波長λ2n-1の光は、N個の光部品231〜23Nを透
過して、光サーキュレータ22の第2端子222に入力
して第3端子223より出力されて、光XC20の第2
出力端子204より出力される。
【0062】また、光XC20の第2入力端子202
入力した波長λ1〜λ2Nの信号光は、光サーキュレータ
22の第1端子221に入力して第2端子222より出力
される。光サーキュレータ22の第2端子222より出
力された光のうち、波長λ2nの光は、光部品23nによ
り反射され、光サーキュレータ22の第2端子222
入力して第3端子223より出力されて、光XC20の
第2出力端子204より出力される。一方、光サーキュ
レータ22の第2端子222より出力された光のうち、
波長λ2n-1の光は、N個の光部品231〜23Nを透過し
て、光サーキュレータ21の第2端子212に入力して
第3端子213より出力されて、光XC20の第1出力
端子203より出力される。
【0063】このように、この光XC20では、光部品
23nが波長λ2nの光を反射する場合には、第1入力端
子201に入力した波長λ1〜λ2Nの信号光は分波され
て、そのうち、波長λ2nの光は第1出力端子203より
出力され、波長λ2n-1の光は第2出力端子104より出
力される。また、第2入力端子202に入力した波長λ1
〜λ2Nの信号光は分波されて、そのうち、波長λ2nの光
は第2出力端子204より出力され、波長λ2n-1の光は
第1出力端子103より出力される。
【0064】逆に光部品13nが波長λ2n-1の光を反射
する場合には、第1入力端子201に入力した波長λ1
λ2Nの信号光は分波されて、そのうち、波長λ2n-1の光
は第1出力端子203より出力され、波長λ2nの光は第
2出力端子104より出力される。また、第2入力端子
202に入力した波長λ1〜λ2Nの信号光は分波されて、
そのうち、波長λ2n-1の光は第2出力端子204より出
力され、波長λ2nの光は第1出力端子103より出力さ
れる。
【0065】この光XC20は、反射波長が可変である
光部品231〜23Nを用いていることから、合波、分波
または経路変更する波長が可変である。しかも、各光部
品23nは隣合う2つの信号光波長λ2n-1およびλ2n
何れかを選択して反射することができる
【0066】次に、本発明に係る光増幅器の実施形態に
ついて説明する。図12は、本実施形態に係る光増幅器
30の構成図である。この光増幅器30は、入力端子3
1から出力端子302へ向けて順に、光アイソレータ3
1、増幅用光ファイバ(光増幅媒体)32、光カプラ3
3、光部品34および励起光源35を備える。これらの
うち、光部品34は、傾斜型ブラッググレーティングま
たは長周期グレーティングが形成された光導波路型回折
格子素子160を備える光部品100と同等のものであ
る。
【0067】光アイソレータ31は、入力端子301
ら増幅用光ファイバ32へ向かう方向に光を通過させる
が、その逆の方向には光を通過させない。増幅用光ファ
イバ32は、コア領域に蛍光性物質(好適にはEr元
素)が添加された光ファイバであり、励起光が供給され
ることにより蛍光性物質が励起され、入力した信号光を
光増幅する。光カプラ33は、増幅用光ファイバ32よ
り到達した信号光を光部品34へ向けて出力し、励起光
源35より到達した励起光を増幅用光ファイバ32へ向
けて出力する。光部品34は、増幅用光ファイバ32に
おける光増幅の利得を等化するものである。励起光源3
5は、増幅用光ファイバ32に添加された蛍光性物質を
励起し得る波長の励起光を出力する。信号光波長が1.
55μm帯である場合には、一般には、増幅用光ファイ
バ32に添加される蛍光性物質はEr元素であり、励起
光源35から出力される励起光の波長は1.48μmま
たは0.98μmである。
【0068】本実施形態に係る光増幅器30は以下のよ
うに動作する。励起光源35から出力された励起光は、
光カプラ33を経て増幅用光ファイバ32に供給され
る。入力端子301に入力した多波長の信号光は、光ア
イソレータ31を経て増幅用光ファイバ32に入力し、
増幅用光ファイバ32において光増幅された後、光カプ
ラ33および光部品34を経て出力端子302より出力
される。光部品34における損失スペクトルは、増幅用
光ファイバ32における利得スペクトルと略同形状のも
のとされており、これにより、利得が等化される。
【0069】光増幅器30に入力する多波長の信号光
は、波数が変動したり、各々のパワーが変動したりする
ことがある。このようなときに、光増幅器30は、増幅
用光ファイバ30における利得が一定となるように、ま
たは、出力される信号光のパワーが一定になるように、
励起光源35から増幅用光ファイバ32へ供給される励
起光のパワーが制御される。励起光のパワーが変化する
と、増幅用光ファイバ32における利得スペクトルが変
化することがある。このような場合であっても、本実施
形態に係る光増幅器30では、光部品34における損失
スペクトルが動的に調整されるので、常に利得等化が行
われ得る。
【0070】次に、本発明に係る光通信システムの第1
実施形態について説明する。図13は、第1実施形態に
係る光通信システム1の構成図である。この光通信シス
テム1は、送信器41,42、中継器51および受信器
61,62を備える。送信器41と中継器51との間に
光ファイバ伝送路71が敷設されており、受信器61と
中継器51との間に光ファイバ伝送路72が敷設されて
おり、送信器42と中継器51との間に光ファイバ伝送
路73が敷設されており、また、受信器62と中継器5
1との間に光ファイバ伝送路74が敷設されている。
【0071】中継器51内には、光ADM10および光
増幅器30a,30bが設けられている。光ADM10
は、上述した実施形態に係るものである。また、光増幅
器30a,30bも、上述した実施形態に係る光増幅器
30と同等のものである。光ADM10のIN端子10
1は光ファイバ伝送路71と接続されている。光ADM
10のDROP端子102は光増幅器30aと接続され
ている。光ADM10のOUT端子103は光増幅器3
0bと接続されている。光ADM10のADD端子10
4は光ファイバ伝送路73と接続されている。光増幅器
30aは、光ADM10のDROP端子102より出力
された多波長信号光を光増幅して光ファイバ伝送路74
へ出力する。光増幅器30bは、光ADM10のOUT
端子10 3より出力された多波長信号光を光増幅して光
ファイバ伝送路72へ出力する。なお、光増幅器30a
および30bそれぞれは無くてもよく、また、光ADM
10のIN端子101の前段に光増幅器が設けられても
よく、光ADM10のADD端子104の前段に光増幅
器が設けられてもよい。
【0072】本実施形態に係る光通信システム1は以下
のように動作する。なお、光ADM10内に含まれる光
部品13nは、波長λ2n-1および波長λ2nのうち波長λ
2nの光を反射するものとする。
【0073】送信器41から出力された波長λ1〜λ2N
の信号光は、光ファイバ伝送路71を伝搬して、中継器
51内の光ADM10のIN端子101に入力する。光
ADM10のIN端子101に入力した多波長信号光の
うち、波長λ2nの信号光は、光ADM10により分波さ
れてDROP端子102より出力され、光増幅器30a
により光増幅され、光ファイバ伝送路74を伝搬して受
信器62へ到達する。一方、光ADM10のIN端子1
1に入力した多波長信号光のうち、波長λ2n- 1の信号
光は、光ADM10により分波されてOUT端子103
より出力される。また、送信器42から出力された波長
λ2nの信号光は、光ファイバ伝送路73を伝搬して、中
継器51内の光ADM10のADD端子104に入力
し、OUT端子103より出力される。そして、光AD
MのOUT端子103より出力された波長λ1〜λ2Nの信
号光は、光増幅器30bにより光増幅され、光ファイバ
伝送路72を伝搬して受信器61へ到達する。
【0074】このように、この光通信システム1では、
光ADM10内の光部品13nが波長λ2nの光を反射す
る場合には、送信器41から出力された波長λ2nの信号
光は、中継器51において分波されて受信器62へ到達
し、送信器41から出力された波長λ2n-1の信号光、お
よび、送信器42から出力された波長λ2nの信号光は、
中継器51において合波されて受信器61へ到達する。
逆に光ADM10内の光部品13nが波長λ2n-1の光を
反射する場合には、送信器41から出力された波長λ
2n-1の信号光は、中継器51において分波されて受信器
62へ到達し、送信器41から出力された波長λ2nの信
号光、および、送信器42から出力された波長λ2n-1
信号光は、中継器51において合波されて受信器61へ
到達する。
【0075】この光通信システム1において、光ADM
10は、反射波長が可変である光部品131〜13Nを用
いていることから、合波または分波する波長が可変であ
る。しかも、各光部品13nは隣合う2つの信号光波長
λ2n-1およびλ2nの何れかを選択して反射することがで
きるので、例えば、送信器41と中継器51との間の伝
送系、および、受信器61と中継器51との間の伝送系
は、波長間隔0.8nm(周波数間隔100GHz)の
多波長信号光をWDM伝送する光伝送系とされ、一方、
送信器42と中継器51との間の伝送系、および、受信
器62と中継器51との間の伝送系は、波長間隔1.6
nm(周波数間隔200GHz)の多波長信号光をWD
M伝送する光伝送系とされ得る。また、光増幅器30
a,30bは、損失スペクトルを動的に調整することが
できるものであるので、光増幅すべき信号光の波数が変
動したり、各々のパワーが変動したりしても、常に利得
等化が行われ得る。
【0076】次に、本発明に係る光通信システムの第2
実施形態について説明する。図14は、第2実施形態に
係る光通信システム2の構成図である。この光通信シス
テム2は、送信器43,44、中継器53および受信器
63,64を備える。送信器43と中継器53との間に
光ファイバ伝送路75が敷設されており、送信器44と
中継器53との間に光ファイバ伝送路76が敷設されて
おり、受信器63と中継器53との間に光ファイバ伝送
路77が敷設されており、また、受信器64と中継器5
3との間に光ファイバ伝送路78が敷設されている。
【0077】中継器53内には、光XC20および光増
幅器30c,30dが設けられている。光XC20は、
上述した実施形態に係るものである。また、光増幅器3
0c,30dも、上述した実施形態に係る光増幅器30
と同等のものである。光XC20の第1入力端子201
は光ファイバ伝送路75と接続されている。光XC20
の第2入力端子202は光ファイバ伝送路76と接続さ
れている。光XC20の第1出力端子203は光増幅器
30cと接続されている。光XC20の第2出力端子2
4は光増幅器30dと接続されている。光増幅器30
cは、光XC20の第1出力端子203より出力された
多波長信号光を光増幅して光ファイバ伝送路77へ出力
する。光増幅器30dは、光XC20の第2出力端子2
4より出力された多波長信号光を光増幅して光ファイ
バ伝送路78へ出力する。なお、光増幅器30cおよび
30dそれぞれは無くてもよく、また、光XC20の第
1入力端子201の前段に光増幅器が設けられてもよ
く、光XC20の第2入力端子202の前段に光増幅器
が設けられてもよい。
【0078】本実施形態に係る光通信システム2は以下
のように動作する。なお、光XC20内に含まれる光部
品23nは、波長λ2n-1および波長λ2nのうち波長λ2n
の光を反射するものとする。
【0079】送信器43から出力された波長λ1〜λ2N
の信号光は、光ファイバ伝送路75を伝搬して、中継器
53内の光XC20の第1入力端子201に入力する。
光XC20の第1入力端子201に入力した多波長信号
光のうち、波長λ2nの信号光は、光XC20により分波
されて第1出力端子203より出力され、光増幅器30
cにより光増幅され、光ファイバ伝送路77を伝搬して
受信器63へ到達する。一方、光XC20の第1入力端
子201に入力した多波長信号光のうち、波長λ2n-1
信号光は、光XC20により分波されて第2出力端子2
4より出力され、光増幅器30dにより光増幅され、
光ファイバ伝送路78を伝搬して受信器64へ到達す
る。
【0080】また、送信器44から出力された波長λ1
〜λ2Nの信号光は、光ファイバ伝送路76を伝搬して、
中継器53内の光XC20の第2入力端子202に入力
する。光XC20の第2入力端子202に入力した多波
長信号光のうち、波長λ2nの信号光は、光XC20によ
り分波されて第2出力端子204より出力され、光増幅
器30dにより光増幅され、光ファイバ伝送路78を伝
搬して受信器64へ到達する。一方、光XC20の第2
入力端子202に入力した多波長信号光のうち、波長λ
2n-1の信号光は、光XC20により分波されて第1出力
端子203より出力され、光増幅器30cにより光増幅
され、光ファイバ伝送路77を伝搬して受信器63へ到
達する。
【0081】このように、この光通信システム2では、
光XC20内の光部品23nが波長λ2nの光を反射する
場合には、送信器43から出力された波長λ1〜λ2N
信号光のうち、波長λ2nの信号光は、中継器53を経て
受信器63へ到達し、波長λ 2n-1の信号光は、中継器5
3を経て受信器64へ到達する。また、送信器44から
出力された波長λ1〜λ2Nの信号光のうち、波長λ2n
信号光は、中継器53を経て受信器64へ到達し、波長
λ2n-1の信号光は、中継器53を経て受信器63へ到達
する。逆に光XC20内の光部品23nが波長λ2n-1
光を反射する場合には、送信器43から出力された波長
λ1〜λ2Nの信号光のうち、波長λ2n-1の信号光は、中
継器53を経て受信器63へ到達し、波長λ2nの信号光
は、中継器53を経て受信器64へ到達する。また、送
信器44から出力された波長λ1〜λ2Nの信号光のう
ち、波長λ2n-1の信号光は、中継器53を経て受信器6
4へ到達し、波長λ2nの信号光は、中継器53を経て受
信器63へ到達する。
【0082】この光通信システム2において、光XC2
0は、反射波長が可変である光部品231〜23Nを用い
ていることから、合波、分波または経路変更する波長が
可変である。しかも、各光部品23nは隣合う2つの信
号光波長λ2n-1およびλ2nの何れかを選択して反射する
ことができる。また、光増幅器30c,30dは、損失
スペクトルを動的に調整することができるものであるの
で、光増幅すべき信号光の波数が変動したり、各々のパ
ワーが変動したりしても、常に利得等化が行われ得る。
【0083】本発明は、上記実施形態に限定されるもの
ではなく、種々の変形が可能である。例えば、光導波路
型回折格子素子は、上記実施形態では光ファイバにグレ
ーティングが形成されたものであったが、平面基板上の
光導波路にグレーティングが形成されたものであっても
よい。
【0084】
【発明の効果】以上、詳細に説明したとおり、本発明に
よれば、光導波路にグレーティング(ブラッググレーテ
ィング、長周期グレーティングまたは傾斜型ブラッググ
レーティング)が形成された光導波路型回折格子素子
は、可撓性部材に固定されており、撓み付与手段の作用
により可撓性部材が撓むことにより圧縮応力または引張
応力が付与される。そして、この光導波路型回折格子素
子における反射スペクトルまたは損失スペクトルは、付
与された応力に応じて調整される。本発明では、可撓性
部材を撓ませることで光導波路型回折格子素子を圧縮・
伸張させることから、可撓性部材の撓み量が大きくても
光導波路型回折格子素子の歪み量は小さく、光導波路型
回折格子素子の光学的特性の微調整が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る光部品100の平面図であ
る。
【図2】本実施形態に係る光部品100に含まれる可撓
性部材150および光導波路型回折格子素子160の斜
視図である。
【図3】他の実施形態に係る光部品101の平面図であ
る。
【図4】他の実施形態に係る光部品101に含まれる可
撓性部材151および光導波路型回折格子素子160の
斜視図である。
【図5】他の実施形態に係る光部品101の一実施例に
おける光導波路型回折格子素子160の歪み分布を示す
図である。
【図6】他の実施形態に係る光部品101における光導
波路型回折格子素子160の歪み分布の好適例を示す図
である。
【図7】更に他の実施形態に係る光部品102の平面図
である。
【図8】更に他の実施形態に係る光部品102に含まれ
る可撓性部材152および光導波路型回折格子素子16
0の断面図である。
【図9】可撓性部材152の表面から光導波路型回折格
子素子160までの距離と光導波路型回折格子素子16
0の歪みとの関係を示す図である。
【図10】本実施形態に係る光モジュール(光ADM)
10の構成図である。
【図11】本実施形態に係る光モジュール(光XC)2
0の構成図である。
【図12】本実施形態に係る光増幅器30の構成図であ
る。
【図13】第1実施形態に係る光通信システム1の構成
図である。
【図14】第2実施形態に係る光通信システム2の構成
図である。
【符号の説明】
1,2…光通信システム、10…光ADM、11,12
…光サーキュレータ、131〜13N…光部品、14,1
5…等化器、20…光XC、21,22…光サーキュレ
ータ、231〜23N…光部品、30…光増幅器、31…
光アイソレータ、32…増幅用光ファイバ、33…光カ
プラ、34…光部品、35…励起光源、41〜44…送
信器、51,53…中継器、61〜64…受信器、71
〜78…光ファイバ伝送路、100〜102…光部品、
110…基盤、120,130…ソレノイド、140…
固定部材、150〜152…可撓性部材、160…光導
波路型回折格子素子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐野 知己 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 Fターム(参考) 2H038 BA25 CA52

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光導波路にブラッググレーティングが形
    成されており、前記光導波路を伝搬してきた特定波長の
    光を前記ブラッググレーティングによりブラッグ反射
    し、その反射した光を入射時と逆の方向に伝搬させる光
    導波路型回折格子素子と、 可撓性を有し、その撓みの際に圧縮応力または引張応力
    が付与される部位に前記光導波路型回折格子素子が固定
    された可撓性部材と、 前記可撓性部材を撓ませ、前記部位に圧縮応力を付与し
    て前記光導波路型回折格子素子における反射波長を第1
    波長とし、及び/又は、前記部位に引張応力を付与して
    前記光導波路型回折格子素子における反射波長を第2波
    長とする撓み付与手段とを備えることを特徴とする光部
    品。
  2. 【請求項2】 前記撓み付与手段が前記可撓性部材を撓
    ませていないとき、前記光導波路型回折格子素子におけ
    る反射波長が前記第1波長と前記第2波長との間の波長
    であることを特徴とする請求項1記載の光部品。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の光部品を備え、この光部
    品により特定波長の光を反射させて、光の合波、分波ま
    たは経路変更を行うことを特徴とする光モジュール。
  4. 【請求項4】 前記光部品における光の反射または透過
    の際の損失の波長依存性を等化する等化手段を更に備え
    ることを特徴とする請求項3記載の光モジュール。
  5. 【請求項5】 光導波路に長周期グレーティングが形成
    されており、前記光導波路を伝搬してきた特定波長のコ
    アモード光を前記長周期グレーティングによりクラッド
    モード光に変換して、前記光導波路を伝搬する特定波長
    の光に対して損失を与える光導波路型回折格子素子と、 可撓性を有し、その撓みの際に圧縮応力または引張応力
    が付与される部位に前記光導波路型回折格子素子が固定
    された可撓性部材と、 前記可撓性部材を撓ませて、前記部位に圧縮応力または
    引張応力を付与し、前記光導波路型回折格子素子におけ
    る損失スペクトルを調整する撓み付与手段とを備えるこ
    とを特徴とする光部品。
  6. 【請求項6】 光導波路にブラッググレーティングが傾
    斜して形成されており、前記光導波路を伝搬してきた特
    定波長の光を前記ブラッググレーティングによりブラッ
    グ反射して、前記光導波路を伝搬する特定波長の光に対
    して損失を与える光導波路型回折格子素子と、 可撓性を有し、その撓みの際に圧縮応力または引張応力
    が付与される部位に前記光導波路型回折格子素子が固定
    された可撓性部材と、 前記可撓性部材を撓ませて、前記部位に圧縮応力または
    引張応力を付与し、前記光導波路型回折格子素子におけ
    る損失スペクトルを調整する撓み付与手段とを備えるこ
    とを特徴とする光部品。
  7. 【請求項7】 光を増幅する光増幅媒体と、 前記光増幅媒体における光増幅の利得を等化する請求項
    5または6に記載の光部品とを備えることを特徴とする
    光増幅器。
  8. 【請求項8】 前記撓み付与手段がソレノイドを含むこ
    とを特徴とする請求項1,5および6の何れか1項に記
    載の光部品。
  9. 【請求項9】 温度変化に因る前記光導波路型回折格子
    素子の特性変化を補償する補償手段を更に備えることを
    特徴とする請求項1,5および6の何れか1項に記載の
    光部品。
  10. 【請求項10】 前記可撓性部材は、所定方向に沿って
    厚みが変化しており、 前記撓み付与手段は、前記可撓性部材の厚みが大きい一
    端側を固定し、前記可撓性部材の厚みが小さい他端側を
    当該厚み方向に変位させて、前記可撓性部材を撓ませる
    ことを特徴とする請求項1,5および6の何れか1項に
    記載の光部品。
  11. 【請求項11】 前記光導波路型回折格子素子は、前記
    可撓性部材の内部に固定され、前記可撓性部材の所定方
    向に沿って前記可撓性部材の表面からの距離が変化して
    おり、 前記撓み付与手段は、前記可撓性部材の前記距離が大き
    い一端側を固定し、前記可撓性部材の前記距離が小さい
    他端側を当該厚み方向に変位させて、前記可撓性部材を
    撓ませることを特徴とする請求項1,5および6の何れ
    か1項に記載の光部品。
  12. 【請求項12】 前記可撓性部材が撓んでいない状態に
    おいて前記光導波路型回折格子素子に引張応力が付与さ
    れて前記光導波路型回折格子素子が前記可撓性部材に固
    定されていることを特徴とする請求項1,5および6の
    何れか1項に記載の光部品。
  13. 【請求項13】 前記可撓性部材が撓んでいない状態に
    おいて前記光導波路型回折格子素子に引張応力が付与さ
    れ、前記光導波路型回折格子素子が所定の光学的特性と
    なるように調整されて、前記光導波路型回折格子素子が
    前記可撓性部材に固定されていることを特徴とする請求
    項12記載の光部品。
  14. 【請求項14】 波長多重した多波長の信号光を用いて
    光通信を行う光通信システムであって、請求項3記載の
    光モジュールを含み、この光モジュールにより前記多波
    長の信号光の合波、分波または経路変更を行うことを特
    徴とする光通信システム。
  15. 【請求項15】 波長多重した多波長の信号光を用いて
    光通信を行う光通信システムであって、請求項7記載の
    光増幅器を含み、この光増幅器により前記多波長の信号
    光を光増幅することを特徴とする光通信システム。
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