JP4693991B2 - 改良スタッフィングボックスパッキンアセンブリ - Google Patents
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Description
発明の背景
この発明は、概ね、バルブステム、シャフトおよびピストンロッドのためのスタッフィングボックスパッキンアセンブリに関し、より詳細には、高密度でコンパクトな5リング形スタッフィングボックスパッキンアセンブリ等における従来サイズの5リング形スタッフィングボックスパッキンアセンブリの改良デザインに関する。
【0002】
従来、高性能運用実績が要求されないバルブ用スタッフィングボックスにおいては、図1に断面を示す5リング形スタッフィングボックスパッキンアセンブリが使用されている。この5リング形スタッフィングボックスパッキンアセンブリは、グラファイトから成る3つの型成形テープリング2、4、6を共にセット中心に配設し、編組エンドリング8、10を5リングセットの最上部と最下部にあたる位置に配して構成されたフラットな複合セットである。これらの5つのリングは、バルブステム14を封止するためのスタッフィングボックス12内に載置される。グラファイト製の型成形テープリングは、グランド(図示せず)を締め付けたときスタッフィングボックスまたはバルブステムに対して変形する可撓性グラファイトテープから成る低密度リングである。この種のグラファイト製の型成形テープリングは、通常、密度約1.1g/ccで生産されている。約0.7g/ccの密度を有するグラファイトテープは、製造業者が可撓性グラファイトテープリングの生産のために購入できる可撓性グラファイトテープでは、本願発明者の知る最低密度である。0.7g/ccのリング製品は、単に、0.7g/ccの可撓性グラファイトテープを螺旋重ねにしてテープ端を所定の位置に貼着したものである。これらのリングは、多くの場合、バルブスタッフィングボックス内への取付けを簡単なものとするため、分割しなければならない。リングが可撓性グラファイトテープだけの螺旋重ねである場合、1つのリングの一方の側を切り抜いてリングがバルブステム周囲を滑動できるようにすれば、個々のテープ積層が薄片に裂けて分離する。ところが、型成形工程においてテープの螺旋重ねを比較的低い圧力下で圧縮すると、テープの巻き重ねが各層間に蛇腹式結合を形成し、リングが容易に分割可能となって取付け時の取扱いが簡単になる。型成形工程におけるテープの圧縮によって、型成形リングの密度は約0.7g/ccより高いレベル、通常、約1.1g/ccレベルにまで上昇する。
【0003】
可撓性グラファイトは、多大な圧縮力を加えると、微小な隙間を通って押し出されるという好ましくない性質を有している。押し出しを制御、防止するために、従来、押出し防止用編組エンドリング8、10が可撓性グラファイトリング2、4、6の外側に配置されていた。これらの編組エンドリングは、軟質炭素繊維の編組パッキン材料から構成されることが多い。
【0004】
上記5リング形の“フラットな”複合パッキンアセンブリは、組立てがきわめて単純かつ容易である。すべての構成要素が方形の断面形状となっており、また3つのグラファイト製の型成形テープリングを共にパッキンアセンブリの中心に配し、編組エンドリングを最上端と最下端に配置することは業界周知の原則である。上記5リング形フラット複合パッキンアセンブリの使用が普及した結果、業界におけるバルブ設計の多くは、スタッフィングボックスの深さを5リングのフラット複合体の5つのパッキンリングの断面のみを収容するだけのものとした用途に合わせている。このスタッフィングボックスの深さは、現在、市場の主流トレンドとなっている。
【0005】
上記フラットな5リング形スタッフィングボックスパッキンアセンブリは、製造および取付けが簡単かつ容易であるが、拡張効率や、ステムのスケール付着による摩耗損傷に対する耐性や、バルブステムの摩擦・密封特性には限界がある。
【0006】
その開示内容が本明細書において引例として参照されるリチャード・E・ホワイト(Richard E. White)等への米国特許第4,328,974号のスタッフィングボックスパッキンアセンブリは、高性能運用実績が要求される石油化学工業用バルブや発電工業用バルブなどのバルブにおける半径方向への拡張ならびに密封特性を向上させるために開発された。図2に断面を示すこの11リング形パッキンアセンブリは、独自設計の低密度グラファイト製のプレフォーム(Preform)リング14、16が、より高密度のグラファイト製アダプタ(Adapter)リング18、20と組み合わせられて、これらのリングのうち一対は外側密封面へ向かって、他の一対は内側密封面へ向かって半径方向拡張性を備えられている。上記アダプタリングおよびプレフォームリングは、螺旋重ね形式または積層形式のいずれかで層化されてから型成形された可撓性グラファイトテープで構成されている。アダプタリングおよびプレフォームリングの隣接する合せ面角度22および24は、通常、それぞれ45度および60度である。密度の異なる材質を異なる角度で組み合わせることの組合わせ効果は、パッキンアセンブリの半径方向拡張性を増大させることである。この半径方向拡張能力の増大により、従来もっと多くの設計を費やして到達できたであろう範囲よりもさらに広範囲にスタッフィングボックスの断面間隙を覆うことが単一のパッキンアセンブリで可能となり、さらにこの拡張性の能力増大は密封効率の向上につながっている。
【0007】
各リング、プレフォーム14、16およびアダプタ18、20は、グラファイト、通常そして代表的な例として、可撓性グラファイトテープ材タイプのグラファイトから成る。プレフォーム14、16は、約0.5〜約1.4g/ccの範囲の密度を有する。アダプタリング18、20は、約1.4〜約1.7g/ccの範囲の密度を有する。残りの7つのリングは、重要な支持機能を果たすために存在する。4つの金属製すなわちGYLON(登録商標)スペーサリング25、26、28、30によって、荷重力がプレフォーム対14、16およびアダプタリング対18、20の圧縮表面の周りに均等に分布することが保証される。3つの編組リング32、34、36がパッキンアセンブリの最上部、中心部および最下部に配置されているが、これらは一括して弾力性リング、押出し防止リングおよびワイパリングとして作動するために存在している。編組リング32、34、36は、圧縮性の炭素またはグラファイト編組材である。
【0008】
米国特許第4,328,974号はまた、図3に断面を示す代替7リング形パッキンアセンブリを開示している。この7リング形パッキンアセンブリの原理が図2の11リング形パッキンアセンブリと異なる点は、プレフォーム14、16を結合して、高さを減じた単一のプレフォームリング38となっていることにあり、このプレフォームリング38はそれぞれプレフォーム14および16の外径・内径とも角度を付けた面形状40および42を含有している。図2の上記2つのプレフォームリング(14、16)を合併して単一のリング38とすることにより、図2のスペーサリング(25、26、28、30)のうちの2つ、および編組リング(32、34、36)のうちの1つが不要となる。これにより、プレフォームリング38に加え、上記7リング形パッキンアセンブリが2つの可撓性グラファイト製アダプタリング44、46、2つのスペーサリング48、50、および2つの圧縮性編組炭素またはグラファイトリング52、54を有する。図3の7リング形パッキンアセンブリは、11リング形アセンブリで可能な浅さより浅いスタッフィングボックスを有するバルブをシールするために使用することができる。より浅いスタッフィングボックスをシールすることができるというこの特徴は、しかしながら、密封効果において妥協することで得られたものである。この対応法において、使用するプレフォームリング材料の量を減らしたことで、7リング形パッキンアセンブリの相対的な密封効果も減少した。
【0009】
米国特許第4,328,974号の11リング形アセンブリおよび7リング形アセンブリは、図1のフラット5リング形パッキンアセンブリとの並列比較機能試験により、漏洩が発生すれば重大なプロセスユニット停止時間や環境危険条件につながるおそれのある臨界工程バルブにおける使用において最良の機能をもつ製品であることが判明している。しかしながら、11リング形アセンブリおよび7リング形アセンブリの複雑さ、コスト、パッキンアセンブリ高さ、および取付け要求事項に難点があった。
【0010】
発明の要約
この発明の第1の目的は、従来サイズの5リング形スタッフィングボックスにおけるワンステップ取付け・圧縮手順に適応した新規な改良形のコンパクトなスタッフィングボックスパッキンアセンブリを提供することにある。
【0011】
この発明のもう1つの目的は、密封性および半径方向拡張能力を向上させて、パッキンアセンブリを高性能運用実績が要求される従来サイズの5リング形スタッフィングボックスを有するバルブにおける使用に適応させた、新規な改良形スタッフィングボックスパッキンアセンブリを提供することにある。
【0012】
この発明のまた別の目的は、従来サイズの5リング形スタッフィングボックスにおいて、高密度に金属インサート成形され、耐押出し性および耐摩耗性を有する編組エンドリングを備えた新規な改良形のコンパクトなスタッフィングボックスパッキンアセンブリを提供することにある。
【0013】
この発明のさらなる目的は、従来サイズの5リング形スタッフィングボックスにおいて、少なくとも約1.8g/ccの密度を有する高密度編組エンドリングを備えた新規な改良形のコンパクトなスタッフィングボックスパッキンアセンブリを提供することにある。
【0014】
この発明のさらにまた別の目的は、従来サイズの5リング形スタッフィングボックスにおいて、角のある対向表面を有してそれぞれ型成形された高密度、金属インサート成形編組エンドリングを備えた新規な改良形のコンパクトなスタッフィングボックスパッキンアセンブリを提供することにある。
【0015】
上記およびその他の目的に従い、この発明の一側面においては、角度付き対向表面を有する少なくとも1つの低密度グラファイトプレフォームリングと、この低密度グラファイトプレフォームリングに隣り合って作用可能に配置され、上記低密度グラファイトプレフォームリングの対向表面と等しい角度付き対向表面を有するとともに、1.8g/cc以上の密度を有する編組グラファイトテープ基部と、この記編組グラファイトテープ基部全体にわたって作用可能に分散されたインサートとから成る少なくとも1つの追加リングとを備えた少なくとも1つの中央リングと、軸方向の圧縮力が上記パッキンに加えられたとき応答し、上記少なくとも1つの中央リングの第1の端部の1つの半径方向縁部に隣接する上記低密度グラファイトプレフォームリングの一部を強制的に軸方向および半径方向において上記少なくとも1つの中央リングから遠ざかる方向に移動させ、さらに上記低密度グラファイトプレフォームリングを不浸透性でかつ効果的な密封状態に圧縮するエンドリングであって、1.8g/cc以上の密度を有する編組グラファイトテープ基部と、この編組グラファイトテープ基部全体にわたって作用可能に分散されたインサートとから成るエンドリングとを備えたことを特徴とするスタッフィングボックス用パッキンが含まれる。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
この発明の他の目的および利点は、以下の説明、添付図面および付属の請求項から明らかになるであろう。
【0020】
発明の詳細な説明
図4において、従来サイズの5リング形スタッフィングボックスパッキンアセンブリ56の参考例が示されており、図1の従来サイズの5リング形スタッフィングボックス12に装着されている。図3の7リング形パッキンアセンブリの場合と同様、上記5リング形スタッフィングボックスパッキンアセンブリ56は、型成形された可撓性グラファイトテープから成り、約0.5〜約1.4g/ccの範囲の密度を有する3つの低密度プレフォームリング58(それぞれ図3のプレフォーム38とおおよそ同じ厚さ)を備える。これらのプレフォームリング58は図示のように個別のリングとすることができ、それぞれのリングは、対向する外側表面60および62が同じ鋭角でスタッフィングボックスパッキンアセンブリ56の縦軸まで延び、この軸に沿ってバルブステム14が延びている。3つのプレフォームリング58を使用する場合、該3つのリングは入れ子状に重ねられ、2つのエンドリングの最も外側の表面60および62がそれぞれ内径および外径が角度を有する面形状を形成してプレフォームリングアセンブリとしている。このように、最も外側の表面60が鋭角をなしてパッキンアセンブリの縦軸まで軸方向内側に延び、最も外側の表面62が鋭角をなしてパッキンアセンブリの縦軸まで軸方向外側に延びているが、いずれの場合も約45度の角度としている。
【0021】
図2および図3の従来技術のパッキンアセンブリでは、プレフォームリングとアダプタリングの密度にできるだけ大きな差異を維持することが望ましいことが判明した。異なる密度は、これら2つの構成要素の異なる角度と共に、パッキンアセンブリの密封性および半径方向拡張能力の向上の源であると考えられた。パッキンアセンブリを圧縮すると、プレフォーム14、16、38が拡張してシールを形成するが、この圧縮はまた必然的にプレフォームリング部品自体の密度を増大させる。半径方向拡張性および密封性の向上は、その後に加えられる圧縮の結果として、プレフォームリングの密度がアダプタリングの密度レベルに到達し匹敵するまで発生し続ける。この時点においては、プレフォームリングとアダプタリングの密度が同じになり、パッキンアセンブリは、図1の従来の複合フラットリングパッキンアセンブリと同等に機能し続けるに過ぎない。図2および図3の従来技術のパッキンアセンブリの性能向上ならびに寿命増大を図るため、従来、プレフォームの密度値は代表値で約1.1g/cc、アダプタリングの密度は最大値で約1.7g/ccに制御されている。アダプタリングの密度、約1.7g/ccは、可撓性グラファイトを型成形時に圧縮して得られる最大実用密度限界を表している。
【0022】
図4の上記5リング形スタッフィングボックスパッキンアセンブリ56を実現するには、2つのリングを追加するだけで、図3のアダプタリング44、46の機能、スペーサリング48、50の支持機能、および圧縮性編組炭素またはグラファイトリング52、54のワイパ機能を実施することが必要であった。(好ましくは)純粋な可撓性グラファイトテープから成り、金属インサート成形された所望形状に適合可能な(conformable)編組基部(以下、MICブレードという)内に、支持スペーサ機能およびワイパ機能を果たすことのできる金属その他の材質の細片、ワイヤ、線条、薄葉、等を挿入もしくは包含したものは、支持スペーサ機能およびワイパ機能を達成できることが判った。ガーロック・インダストリアル・パッキン・プロダクツ(Garlock Industrial Packing Products、ニューヨーク州ソダス(Sodus))によりパッキン1303として販売されているタイプのインコネル(Inconel;登録商標)金属インサートを用いたMICブレードが現在のところ最も好ましい選択であるが、他の金属製インサートの選択(スチール、銅、真鍮、アルミニウム、亜鉛、等)も用いることができる。該金属製インサートに起因して、MICブレードは種々の形状、サイズ、角度、等に型成形することが可能となり、きわめて汎用性がある。上記金属インサートは、型成形MICブレードリング仕上げ品を事実上いかなる所望の形状にも適合させ、堅固に保持させる。
【0023】
型成形試作を行って、MICブレードリングを製造できる到達可能な最大密度を測定した。試作品は、MICブレード型成形リングが、グラファイトテープアダプタリング18、20、44、46で到達可能な最大密度約1.7g/ccよりはるかに高い約2.60+ g/ccもの高密度を有しうることが実証された。3つのプレフォームリング58(3つの断面の合計積層高さを有する)は、パッキンアセンブリ56に望まれる高性能レベルを維持するのに必要な部品である。プレフォーム58は、圧縮時にプレフォームリング58材料の半径方向の拡張流動の増強を生ぜしめるため、両端に成形リング64、66を備えていなければならない。しかしながら、上記プレフォームに対する強固な支持を設けることが必要であり、最後に、押出し防止機能およびワイパ機能を果たすという点で圧縮性編組炭素またはグラファイトエンドリングも必要部品である。これらの性質をすべて備えた2つのエンドリング64、66を設けるため、該エンドリング64、66はテープ形状のグラファイトを用いたMICブレードとしている。テープ形状のグラファイトを用いることの利点の1つは、その型成形時に、合い接触のための平滑な低摩擦表面を提供することである。エンドリングの高密度表面70、72が大きな圧縮荷重力の下でプレフォームリングの低密度表面60、62と接触するとき、エンドリング表面70、72は、軟質のプレフォーム58材料が外側あるいは内側に摺動および滑動し易くなるよう平滑で相対的に滑り易いものでなければならない。もしエンドリング表面70、72が従来最もよく見られる型成形編組形式と共通の粗い表面生地を有していたとすると、合成摩擦がパッキンアセンブリの拡張品質の大半を無くしてしまうであろう。この粗いエンドリング表面70とプレフォーム材料との接触により、プレフォーム材料はその接触点に保持され、拘束されるであろう。
【0024】
半径方向の拡張がプレフォームリング58の主要な機能であるため、型成形MICブレードリングの強固さは全く不利とならず、それどころか実際には利点となる。非常に強固であるため、これらのエンドリング64、66は圧縮荷重力に影響されないまま留まり、平滑な接触表面70、72を、従来の可撓性グラファイトテープアダプタ(18、20、44、46)で可能な程度より良好に維持し、そうしてプレフォームリング58に対する支持体となる。各エンドリング64、66は、外側表面68が現在のところ好ましくはおよそ90度の角度でパッキンアセンブリの縦軸まで延び、内側表面が現在のところ好ましくは60度の角度をなして型成形される。エンドリング64の内側表面70は約60度の鋭角でパッキンアセンブリの縦軸まで延び、最上部プレフォームリングの角度付き表面60と協働して内径が角度を有する面形状を形成する。同様に、エンドリング66の内側表面72は約60度の鋭角でパッキンアセンブリの縦軸まで延び、最下部プレフォームリングの角度付き表面62と協働して外径が角度を有する面形状を形成する。MICブレードエンドリング64、66における金属成分により、該エンドリングはパッキングランド(図示せず)による圧縮を経るときリングの形状を保持するようになり、また先に述べたように、エンドリング64、66とプレフォームリング58との密度範囲が大きければ大きい程、得られるパッキンアセンブリ56における半径方向拡張ならびに密封性の向上範囲も大きいものとなる。
【0025】
エンドリング64、66を形成するMICブレードがかなりの可撓性グラファイト含有量を有し、かつ純粋な可撓性グラファイトで型成形されたテープリングの特徴である平滑仕上げ表面を有している一方、その金属インサート成形された編組構造がリングの耐押出し性を保証している。該MICブレード材料はまた、きわめて効果的なワイパリング材料でもある。可撓性グラファイトテープ材料は、それ自身を金属表面に粒子状に付着させる親和力を有している。ワイパリングがプレフォームリングの上や下に配置されていない場合、ステムがその開放位置や閉鎖位置に作動すると共に、グラファイト粒子はステム14に付着し、スタッフィングボックスから運び出されるであろう。その結果生じる可撓性グラファイトプレフォームリング58からのグラファイト材料の損失に起因して、パッキンアセンブリセット56における漏れ経路が早急に開発されることになろう。実施した試験において、MICブレードエンドリング64、66は、ステム14を測定できる程に顕著に全体的に清浄な拭取り状態に維持できる能力を示し、プレフォーム58からのグラファイト材料の損失はたとえあったとしても僅かなものであった。
【0026】
周知の通り、グラファイトは金属表面に対する天然の親和性を有しており、金属表面に付着し金属の小グルーブを埋め易い傾向を有している。上昇ステムと呼ばれるものにおいて、ステムは往復運動または垂直螺旋運動のいずれかを経て、結局ステムの全部分がワイパリングを通り過ぎることになるが、これによってグラファイト材料はステムから拭き取られた状態が維持され、かつグラファイト材料はスタッフィングボックス内に保有され続け、その結果グラファイトはシール機能を果たし続けることができる。エンドリングがなければ、グラファイトはスタッフィングボックスから運び出され、風のせいで、あるいは弁おおいの内表面やパッキン押えの外側最上面やステムが接触しうるその他の機械的部品との接触のせいで、おそらくステムから掻き取られるか、吹き飛ばされるかするであろう。このようなグラファイトの損失は、ついにはシールの損失を招き、保守要員が絶え間なくバルブへ向かい調整を行う必要を生じるであろう。
【0027】
MICブレードエンドリングにおける金属インサート材は、バルブステム14表面上の非摩耗性スクレーパとして作用する。適用分野によっては、媒体もしくは外部環境が金属ステム表面上にスケールの付着を発生させる場合もある。これらの適用用途においては、バルブステムがパッキンアセンブリセット56を貫いて作動するとき、このスケールの切削特性のために良好なシールを得ることがとくに困難である。このスケール/屑の堆積は、従来の圧縮性編組炭素またはグラファイトエンドリング(8、10、32、34、36、52、54)中においてグルーブを切り易い。しかしながら、MICブレードエンドリング64、66の内在的な耐摩耗性や靭性がスケールを取り除き、スケールのグルーブ切り作用に抵抗する。
【0028】
図4の5リング形スタッフィングボックスパッキンアセンブリ56をいくつかの方式で試験したところ、図1〜3の従来技術パッキンアセンブリに比べ大きな利点を提供することを示した。
【0029】
1)比較標準排出試験
この試験は、曝露媒体を750 F/500psiヘリウムとし、パッキンアセンブリについてバルブ機能試験を実施することで行った。ステム14を、定形動作1通りを1日500回として3日間反復する。熱間試験すなわち熱サイクルに各1日に6時間、合計3熱サイクルに供する。この試験手順は、製品の機能遂行能力を対象にした非常に難しい試験である。以下は、従来の7リング形パッキンアセンブリ(図3)、5リング形パッキンアセンブリ56(図4)、および5リング形フラット複合型パッキンアセンブリ(図1)において行われた試験の結果である。
【0030】
【表1】
【0031】
上記3製品のすべてに対し、性能比較を引き出すことができるように同じ押え荷重力(3800 psi)で圧縮した。上記従来技術の7リング形パッキンアセンブリおよび上記5リング形フラット複合型パッキンアセンブリを、2ステップで取り付けた。2ステップ取付けは最良のパフォーマンスを生むが、より多くの時間を費やす。新しい5リング形パッキンアセンブリ56では、取付けにワンステップ手順を用いた。図3および図4の両アセンブリの設計においては試験手順全体を通して検出できた漏れは0ppmであり、図1の5リング形フラット複合型パッキンアセンブリでは7ポイントの漏れが検出でき、最大漏れレベル800ppmが記録された。図3のパッキンアセンブリも図4の5リング形パッキンアセンブリのいずれも試験中にいかなる追跡調整も必要とならなったが、一方、図1の5リング形フラット複合型パッキンアセンブリは漏れレベルを500ppm目標値(「大気清浄法」による法規制)以下に維持するために1つの調整を要した。ステム摩擦力の測定は、制御バルブ業界の重大関心事であるが、5リング形パッキンアセンブリ56は、図3の7リング形パッキンアセンブリより21.2%低い平均摩擦を示し、図1の5リング形従来技術複合パッキンアセンブリより48.8%低い摩擦を示した。
【0032】
総括: 5リング設計によるスタッフィングボックスパッキンアセンブリ56(金属インサート成形された所望形状に適合可能な(conformable)編組エンドリング64、66を備えている)は、7リング形アセンブリ(図3)の密封性能と匹敵し、5リング形従来技術アセンブリ(図1)の性能を大きく凌いだ。図4の5リング形パッキンアセンブリ56はまた、より低いステム摩擦結果の点において、他のいずれのパッキンアセンブリをも大きく凌ぐ性能を示した。
【0033】
約3800psiが、従来技術の7リング形および11リング形アセンブリ、および従来技術の複合型5リング形フラットアセンブリを用いた排出試験の実施において好ましい結果を得るために必要な押え荷重の最小量である。これまで従来技術アセンブリと共に使用されている圧縮性編組炭素またはグラファイトエンドリングは、比較的軟質かつ可撓性である。バルブ用スタッフィングボックスにおいて圧縮すると、加えられた押え荷重力によってこれらの圧縮性編組エンドリングは急速に拡張し、ステム表面およびボックス穴表面に強く接触する。荷重力が約3800psiまで増大すると、最上部編組圧縮性エンドリング(8、32、52)は強い摩擦でバルブステム14表面上に把持される。この摩擦把持により、荷重力の一部がエンドリングを貫いて、パッキンアセンブリの中心に配されたシールリング(2、4、6、14、16、38)に効果的に伝達されることを妨げる。
【0034】
MICブレードは高密度エンドリング64または66に型成形されるが、圧縮性編組炭素の軟質の弾性を有していない。エンドリング64および66は効果的なワイパ/押出し防止リングとして働くのに十分な接触を得られるが、MICブレードリングは大きな荷重を加えてもステム表面に対し堅固な摩擦把持を生ぜしめることができない程に靭性が強過ぎる。摩擦把持の不足は、パッキンアセンブリの中心に位置する主要シールリング(プレフォーム58)に効率的に伝達される押え荷重力の割合が大きいことを意味する。この原理を立証するには、MICブレードエンドリングを備えた5リング形パッキンアセンブリ56がより低い押え荷重圧力で約500ppm未満のシーリングを達成することができるようにすればよい。
【0035】
約3000psiの押え荷重を用いる以外は前述と同じ実施条件で排出試験を行った。その結果は次の通りである。
【0036】
【表2】
*=初期値/最終値(調整後)
【0037】
MICブレードエンドリング64、66を備えた5リング形パッキンアセンブリ56は、押え荷重力をエンドリングを通してプレフォームシールリング58に一層効率的に伝達することができた。その最大漏れポイントは約350ppmであり、「大気清浄法」で指定されている500ppmレベルを十分下回っていた。調整は必要なく、続いてワンステップ取付け手順を行った。7リング形の従来技術パッキンアセンブリは、上記の優れた2ステップ取付け法および同じ約3000psiの押え荷重力を用いて取り付け、初期漏れは約1300ppmであり、漏れを約500ppm以下に抑えるためには約4038psiの押え荷重に調整する必要があった。上記7リング形パッキンアセンブリにおいて圧縮性編組エンドリングによって形成された摩擦把持は、約3000psiの初期押え荷重力の一部が効率的に中心プレフォームシールリング38に到達するのを阻害した。その結果、7リング形パッキンアセンブリのプレフォーム38は、半径方向に拡張して5リング形MICブレードパッキンアセンブリ56で得られるシールと同等のシールを発生させるのに必要な圧縮エネルギーを受けなかった。MICブレードエンドリング64、66を含有する5リング形パッキンアセンブリ56は、保有するリングは少ないが堅固で所望形状に適合可能なエンドリング64、66を有しているため、加えられた力をより効率的かつ効果的に使用している。
【0038】
ステム摩擦の比較:
次の表は、図3の7リング形パッキンアセンブリおよび図4の5リング形パッキンアセンブリにおけるいくつかの基本摩擦力の比較を示している。始動摩擦は、初期ストロークで移動するステムを始動させるのに必要な力である。第2列の値は滑りステム摩擦係数で、高温条件下で測定する。
【0039】
【表3】
【0040】
先の試験において見られるように、7リング形パッキンアセンブリは摩擦性能において図1の5リング形フラットリング複合型パッキンアセンブリを上回っている。この試験結果は、図4の5リング形パッキンアセンブリの方が始動摩擦(green)と高温摩擦の両方において7リング形パッキンアセンブリを上回っている。
【0041】
密度範囲特長─MIC対可撓性グラファイトテープ
次に示すのはいくつかの密度値、および約0.7g/cc(約43.7 lbs./ft3)の初期可撓性グラファイトテープ密度からそれらの密度値を得るために要する対応圧縮荷重力のリストである。
可撓性グラファイトによる型成形テープ材
密度値
メートル法(英) 圧縮荷重力
0.7g/cc(43.7 lbs/ft3) 0psi
1.0g/cc(62.4 lbs/ft3) 350psi
1.1g/cc(68.6 lbs/ft3) 750psi
1.4g/cc(87.3 lbs/ft3) 1900psi
1.5g/cc(93.6 lbs/ft3) 2900psi
1.6g/cc(99.6 lbs/ft3) 3650psi
1.7g/cc(106.0 lbs/ft3) 5000psi
1.8g/cc(112.3 lbs/ft3) 5850psi
1.812g/cc(113.0 lbs/ft3) 6000psi
【0042】
本出願人が型成形可撓性グラファイトテープにおいて目にしたこれまでで最大の独立(圧縮荷重力が加わることによって生じる引張力を受けていない)密度は約1.81g/cc(約113 lbs/ft3)である。約113 lbs/ft3の型成形テープリング密度を望む場合、約43.7 lbs/ft3の可撓性グラファイトテープの螺旋重ねを金型に設置し、およそ6000psiの圧力下で圧縮する。型から取り出すと、型成形テープ密度は約113 lbs/ft3となる。テープを約6000psiよりもっと高い圧力下で型成形すれば、上記圧縮荷重力の影響下に留まっている限り、テープリングの密度は約113 lbs/ft3より高レベルに至る。しかしながら、型から取り出すと、型成形テープリングはすぐにおよそ113 lbs/ft3の密度に戻る。約1.81g/cc(または約113 lbs/ft3)は、したがって、可撓性グラファイト材料を用いてアダプタリング(18、20、44、46)の密度を設計するときの臨界限界となる。可撓性グラファイトテープをアダプタリングの出発原材料として用いる限り、到達可能な最大密度は約113 lbs/ft3である。
【0043】
プレフォームリング(14、16、38)は、約1.1g/ccの密度で生産されるのが代表的である。前述の通り、プレフォームリングとアダプタリングとの密度差を最大化することが、パッキンアセンブリの半径方向拡張性および寿命の向上を最大化するためにきわめて重要である。可撓性グラファイト製の型成形テープリングは、前回受けた圧縮力を超える圧縮力を受けるまで変形も拡張も圧縮も起こり始めない。
【0044】
例えば、図2および図3の従来技術パッキンアセンブリのための約1.1g/ccの密度のプレフォームリングを約750psiの圧縮荷重下で型成形し、次いでバルブスタッフィングボックスにおける残りのリング要素と組み合わせる場合、そのプレフォームリングは、パッキン押えの圧縮荷重力が約750psiを超えるまで、変形もせず拡張動作を始めることもない。約750psiを超えるや否や、リングは内径もしくは外径のうち、設計がいずれに焦点をあてているかに応じて、そのいずれかへの拡張を優先的に行う。
【0045】
約3650psiの押え荷重圧縮力の結果として初期シールが得られたら、(約3650psiの押え荷重を受けた)プレフォームリングは、約1.6g/ccの密度となる。後日、漏れが生じてパッキンアセンブリが追加圧縮を必要とした場合、そのプレフォームリングは、それが受ける圧縮荷重力が約3650psiを超えるや否や拡張し、シールを回復する。
【0046】
従来技術のアダプタリングは、可撓性グラファイトテープから型成形し、約1.7g/cc(約106 lbs/ft3)の密度で生産するのが代表的である。約1.7g/ccというのは、最大到達可能密度レベル(約1.81g/cc)に可能な限り近く、製造の観点からみて実用的な値である。すべてのサイズにおけるすべての可撓性グラファイトは約1.7g/ccの密度に型成形することができるが、あらゆる生産注文において、あらゆるリング、あらゆるサイズで最大密度1.81g/ccを達成することは実際的でない。1.7g/ccは、製造の一貫性を得るために日常的に達成可能な最大密度として選択されたものである。この密度レベルは、型成形プロセスにおいておよそ5000psiの圧縮荷重力を必要とする。アダプタリングは、パッキンアセンブリにおいて他の構成要素と組み合わせたとき、約5000psiの荷重力を超えるまでいかなる顕著な変形も拡張も受けない。
【0047】
約1.1g/ccの可撓性グラファイトテープにより型成形されたプレフォームリングと、約1.7g/ccの可撓性グラファイトテープにより型成形されたアダプタとの間に存する密度における相異、すなわち密度差が、これらの新しい原材料を用いて実用的に達成可能な最大値である。図2または図3の従来技術パッキンアセンブリをバルブに取り付けて圧縮すると、圧縮荷重により、より軟らかいプレフォームリング(14、16、38)が変形し半径方向に拡張してバルブスタッフィングボックス表面に対して内径および外径のシール接触を形成する。上記密度差(約1.1g/cc対約1.7g/cc)および上記角度差(約45°対約60°)は、この拡張効率を、図1の標準的なフラット複合型リングパッキンアセンブリの拡張効率を数桁上回る大きさにまで向上させる。パッキンアセンブリを漸次高くなる荷重力の下で圧縮するにつれて、約45°のプレフォームリング(14、16、38)角度はアダプタ(18、20、44、46)の角度60°と匹敵するまでに変形するが、上記密度差は、約5000psi押え荷重圧縮圧力に到達するまでパッキンアセンブリ特性であり続ける。およそ5000psiで、プレフォームリング(14、16、38)の密度はアダプタリング(18、20、44、46)のそれと匹敵する。約5000psiポイントに達すると、これらの従来技術パッキンアセンブリ設計における拡張効率は、図1の従来のフラットリング複合型パッキンアセンブリのそれにまで低下する。この約5000psiの効率の障壁は、可撓性グラファイトテープ材料の使用に内在する制約の結果として必要なものであるが、適切に形成されたより高い密度のアダプタが利用可能であるとしたら業界が享受できたであろうような性能、寿命等に対する障壁となってきた。
【0048】
図4のエンドリング64、66において使用されるMICブレード材で行った型成形試作により、この編組材料の形態は、エンドリング形状に型成形されたとき、対向するプレフォームリング58の増強された拡張範囲を上記5000psiを十分に上回って広げることができることが明らかとなった。次のテーブルに、可撓性グラファイト製の型成形リングの能力をはるかに超えるMICブレード材における密度−荷重力値の例をいくつか挙げる。
MICブレード−型成形
密度値、
メートル法(英) 圧縮荷重力
1.44g/cc(90 lbs/ft3) 750psi
1.68g/cc(105 lbs/ft3) 1500psi
1.84g/cc(115 lbs/ft3) 2500psi
1.96g/cc(122 lbs/ft3) 3500psi
2.12g/cc(132 lbs/ft3) 4500psi
2.18g/cc(136 lbs/ft3) 5500psi
2.22g/cc(139 lbs/ft3) 6500psi
2.28g/cc(142 lbs/ft3) 7500psi
2.32g/cc(145 lbs/ft3) 8500psi
2.36g/cc(145 lbs/ft3) 9500psi
2.40g/cc(150 lbs/ft3) 10500psi
2.44g/cc(152 lbs/ft3) 11500psi
2.57g/cc(160+ lbs/ft3) 38000psi
【0049】
既に述べた通り、従来技術の7リング形および11リング形パッキンアセンブリの半径方向の拡張能力の向上における限界は、アダプタリングの生産に使用される可撓性グラファイトテープの密度限界に基づく。その限界は約5000〜約6000psiである。上記プレフォームリングは、この約6000psiの限界を超えてそれらの半径方向拡張能力を延長させる能力を有しているが、その延長は、圧縮を行う材料がそれに対応して上昇する材料値にまで密度を増大させるような材料である場合にのみ可能である。上記MICブレードに関する表に示す通り、MICブレードエンドリングは約160+ lbs/ft3の密度にまで型成形することができる能力を有している。この密度値を達成するためには、型成形において約38,000psiの圧縮荷重力が必要となる。約160+ lbs/ft3に対して示されている圧縮荷重力値は、約1インチ×約1 1/2インチのMICリングの型成形を行った結果として測定したものである。1インチ×約1 1/2インチのリングは約0.982平方インチの表面積を有している。これと同じ荷重力を約1/2インチ×約3/4インチのリング(表面積約0.245平方インチ)に加えると、実効型成形圧力は約150,000psi以上となり、約170 lbs/ft3のエンドリング密度が得られるであろう。パッキンアセンブリ寸法が約1×約1 1/2の場合、約160 lbs/ft3に型成形されたMICブレードエンドリングに対し、プレフォームで強化した半径方向拡張能力は約750psi〜約38,000psiの圧縮荷重圧力範囲をカバーするまで向上する。
【0050】
上記バルブパッキンアセンブリは、バルブの使用範囲および運用寿命能力において弱連結であることが多い。高性能バルブパッキンアセンブリであっても、図3の従来技術パッキンアセンブリと同様、約6000psiを超える拡張および材料の流れを提供することはできない。MICブレードエンドリング64、66と組み合わせ、それらと整合する標準のプレフォームリング58を用いた場合、図4の5リング形スタッフィングボックスパッキンアセンブリ56は約38,000psiの高レベルに至る性能特性の向上を提供することができ、これは現行の従来技術パッキンアセンブリの能力をはるかに上回っている。
【0051】
従来技術の炭素圧縮性編組エンドリングは、圧縮性グラファイト撚糸リングに比べて価格が安く、大きな押え荷重力を加えたときの破砕損傷に対する抵抗が高いが、炭素撚糸ブレードは、グラファイトのもつ高温曝露に対する抵抗を有していない。グラファイト撚糸ブレードは、不利益な影響を殆どあるいは全く伴わずに約1200Fへの曝露に耐えることができる一方、炭素撚糸は1100F以上に間断なく曝されるとわずかな劣化を被る。グラファイト撚糸ブレードは価格がかなり高いが、押え荷重圧力が4000psiを超えると破砕損傷を起こし易くなる。炭素圧縮性ブレードは4000psiをはるかに超えても破砕損傷を受けない。
【0052】
上記5リング形スタッフィングボックスパッキンアセンブリ56におけるエンドリング64、66は、純粋グラファイトとインコネルから成るインコネルMICブレードエンドリングである。より詳細には、MICブレードエンドリングは、約68%の可撓性グラファイト箔と約32%のインコネル(Inconel;登録商標)から成り、該可撓性グラファイトにおける炭素含有量が約95%以上であることが現在のところ好ましい。もっと低い約50%の可撓性グラファイトや、約70%〜約99.5%の炭素含有量をもつものを使用してもよい。可撓性グラファイトの使用量は、上は約85%、下は約50%の間で変化させることもでき、ここで該インコネル(Inconel;登録商標)の割合はそれに対応して調整する。
【0053】
上記MICブレードの温度抵抗特性は圧縮性グラファイト撚糸エンドリングと相等しいが、それらは金属インサートによりグラファイト圧縮性撚糸ブレードを超える破砕抵抗特性を有する。その結果、パッキンアセンブリ56は、従来利用可能ないかなる先行技術のパッキンアセンブリをも上回って高温/高抵抗への曝露に耐えることができる。
【0054】
元来予期されていた通り、上記の5リング形スタッフィングボックスパッキンアセンブリは、バルブステムの全長もしくはほぼ全長にわたって作動するバルブにおいて効果的であることが判明した。しかしながら、この特定の5リング形パッキンアセンブリは、例えば制御バルブのようなある種の用途におけるバルブに使用したとき、いくつかの欠点が見られた。制御バルブは通常、バルブステムが全開状態と全閉状態との間をその全長を通じて移動するような従来のオン/オフ型のバルブと異なり、配管系の流量を調節するのに用いられる。これらの調節用途においては、制御バルブのステムは、利用できるステムストローク長の約10%〜約20%のみを通して作動する時間の大半を費やしてしまう場合がある。この環境においては、パッキンアセンブリの最上部および最下部に編組エンドリングを用いてワイパ部として機能させ、グラファイト粒子がステム移動の結果としてボックスから運び出される機会を減じるようにした代表的な編組エンドリング/可撓性グラファイト中央リング複合型パッキンアセンブリが望ましいことが分かった。上に述べたように、バルブがそのステム長にわたって動作する場合、バルブを操作するたびにこのワイパ作用が働いて実効を発揮する。しかしながら、ステム移動長におけるリングの1〜2横断面(またはそれ以下)に過ぎない場合もあるような非常に短いステム動作に機能的な運用寿命の大半が帰着するような制御バルブでは、したがって、スタッフィングボックス室を貫通するステム表面の多くが、これらの短いステム動作の間、エンドワイパリングと接触しない。
【0055】
それ以後、エンドワイパリングしか使用しない場合は、ワイパ作用はパッキンアセンブリの端部にしか発生しない。グラファイト粒子がパッキンアセンブリの中央において可撓性グラファイトリング材料から分離し、ステム表面の移動によりワイパ作用が行われるパッキンアセンブリの端部へ運搬される場合、この運搬活動は、時間を経て、材料の置換によりパッキンアセンブリの中央領域に空隙を残す傾向がある。ユニットとしてのスタッフィングボックスから失われるグラファイト材料はなく、着実に増えるシーリング材の割合がワイパリングに隣り合うステム端部に集中するにつれてスタッフィングボックス全域におけるシーリング材の分布が徐々に変化してゆく。
【0056】
これらの問題を解消もしくは少なくとも最小化しようとする試みとして、本発明の一実施形態である図5に示す1つの代替デザインを開発した。この代替スタッフィングボックスパッキンアセンブリデザインは、ステム全長に比して比較的短い動作ストロークを有する制御バルブにおける使用を主眼としており、上記構成で述べたと同様なアダプタ部64、66とプレフォーム部58とを含有する。これらの構成要素に加え、通常約1.8インチ厚に型成形した金属強化可撓性グラファイト編組リングまたはMICブレードプレフォーム支持リング102、104、106をプレフォームリング58の各々の下部に配する。その結果、図5に示すように、各プレフォームリング58は一対のMICブレードプレフォーム支持リング102間に狭持される。このように配置されたMICブレードプレフォーム支持リング102、104、106は、それらが接触するプレフォームリング58と同じ45°の凹凸角を有する。現在のところ好ましくは、これらのMICブレードプレフォーム支持リング102、104、106の厚さは、特定のスタッフィングボックスパッキンアセンブリの特定の機能上・設計上の必要に応じて、(約1/16インチ厚から厚みの全横断面またはそれ以上まで)変化させることができる。図示の特定の実施形態では8つのリング要素(2つのアダプタまたはエンドリング64、66、3つのプレフォームリング58、そして3つのMICブレードプレフォーム支持リング102、104、106)を含み、5つの横断面+約3/8インチのパッキンアセンブリ積層高さを有しているが、プレフォームリング要素の数、MICブレードプレフォーム支持リング要素の数、およびリング個々の厚さまたは軸方向高さは、特定のバルブスタッフィングボックス寸法の機能上・設計上の必要ならびに関与する特定の用途に応じて変化させることができる。実際のところ、現在、図5に示すようにエンドリング66に隣り合う第3のMICブレードプレフォーム支持リング106を含めることは不必要であると考えられている。
【0057】
図4の5リング形スタッフィングボックスパッキンアセンブリ56のデザインを変更してMICブレードプレフォーム支持リング102、104、106を含めれば、上述の欠点が補正されることが分かっている。図5に示す構成では、編組支持リングは内部ワイパ部として働き、いずれかのステム14が1つのプレフォームリング58の約1/2〜約1横断面より大きな移動を行うと、そのステムの全表面がMICブレードプレフォーム支持リングまたはワイパリング102、104、106の少なくとも1つと接触することが分かっている。MICブレード支持リング102、104を個々のプレフォームリング58のいずれかの側に有することが、可撓性グラファイト材を個々のプレフォームリングの各々の横断面内に限定維持するため、パッキンアセンブリ100の最極端に向かっての可撓性グラファイト材料の移動は起こりえない。MICブレードプレフォーム支持リング102、104、106の約45°の凹凸角は、パッキンアセンブリの種々の角度や種々の密度設計における半径方向拡張性の向上を支持するものであって、減じるものではない。
【0058】
具体的には、エンドリング64、66は非常に硬質であり、したがって、最下部プレフォームリング58の底面および最上部プレフォームリング58の頂部は、プレフォームリングアセンブリの中央部にある支持物のない軟質の材料より大きく変形しようとする。図4に照らして図5の実施形態において予測されることとして、プレフォーム要素58間に配置されたMICブレードプレフォーム支持リング102、104は、MICブレードエンドリング64、66と同様、剛性または比較的剛性であり、プレフォームリング58よりはるかに高密度を有する。この結果、荷重が増加するにつれ、中央プレフォームリング58の45度角がアセンブリ100最上部のエンドリング64における60度角に近づくことを強いられ、両角間の接触によってそれらにきわめて近接した第1のプレフォームリング58が変形し始める。この結果、各プレフォーム58間の強化硬質MICブレードプレフォーム支持リング102、104のために、1つのプレフォームリング58から次のプレフォームリング58、さらに次のプレフォームリング58へとより一層均等かつ効率的な荷重の伝達が発生すると思われる。この結果、締付けを行うと、上記硬質のMICブレードプレフォーム支持リング102、104、106は、プレフォームリング58ど同様に、実際に移動する。より硬質の材料であるMICブレードプレフォーム支持リング102、104、106は、より軟質のプレフォーム58間およびそれに隣接して配置されており、3つの軟質プレフォーム要素58のすべてを、図4に示すように上記MICブレードプレフォーム支持リングが各プレフォーム58間に配置されていない場合に移動するよりも多く、60度角に向かって強制的に移動させる傾向を有する。
【0059】
MICブレードエンドリング64、66間で圧縮されると、5つのリングのすべて、少なくとも2つのMICブレードプレフォーム支持リング102、104、そしておそらく第3のリング106および3つのプレフォームリング58は、MICブレードエンドリング64、66間に配置されており、ステム14に対して相対的に回転し、その結果エンドリング64と第1のプレフォームリング間の間隙を閉鎖する。こうして、ステム14に最も近いMICブレードプレフォーム支持リング102/プレフォームリング58間の境界線112の部分110は、初期にはステム14に比して高い位置にあるが、下方に回動すると共に、MICブレードプレフォーム支持リング102/プレフォームリング58間の境界線の外側部分114は、スタッフィングボックスの開放部分に向かって上方に回動するであろう。言い換えると、上記境界線は、スタッフィングボックスの頂部から離れてステム表面に沿って低部に向かって移動し、45度角の外側端は、スタッフィングボックスの低部から離れて頂部に向かって上方に移動するであろう。したがって、必然的に、すべてのMICブレードリングとプレフォーム支持リング/プレフォームリングの境界線110、112、116〜126が移動し、そしておそらく、ある地点では、ステム14と垂直になる場合もあろう。上記各種の構成要素間における異なる角度の基本的な半径方向拡張性は、図示の各実施形態において重要であり、また図5の実施形態の利点を提供するのに役立つ。
【0060】
上述のように、可撓性グラファイトから成るMICブレードプレフォーム支持リング102、104、106は、型成形され、一般的にプレフォームリング58より大きな密度および剛性を有している。プレフォーム58の代表的な密度は約0.50〜約1.4g/ccである。現在好適とされているMICブレードプレフォーム支持リング102、104、106の密度は、約1.8g/ccもしくはそれ以上である。上記MICブレードプレフォーム支持リングをスタッフィングボックスパッキンアセンブリ内部に含有することは、ステムに対する案内/軸受支持という利得をも提供し、ステム14が動作中にその軸上の中心に保持されることを確実にするのに貢献する。プレフォームリング58の密度のみは、ステムに対する案内/軸受支持機能にいくらかでも意味のある貢献をするに足りないことが分かっている。
【0061】
実施例1
以下に、図5に示すスタッフィングボックスパッキンアセンブリの利点を数値化するための2種の機能試験例を説明する。1つの試験例は連続作動制御バルブ試験装置を用いたものであり、他の試験例は、バルブステムが全ストローク距離にわたって反復作動する試験装置を用いる。
【0062】
制御バルブ試験:
この試験に用いた試験装置は、4インチ、300ポンドクラスのサーク・グロコン(Serk Glocon)バルブを、ステムの移動がその中点に心合わせされた状態で、約10%のステム移動距離にわたって作動するようにセットアップした(通常の運用作動条件)。試験中、ステムは毎分約6サイクル半、サイクル間の休止期間約10秒で作動させた。試験中に記録された温度/圧力/媒体条件は、約392°F、約654psi、メタンの使用であった。排出漏れ率の測定にはFoxboroガス検知器を用いた。試験の目標は、3種の異なるスタッフィングボックスパッキンアセンブリにおいて漏れ排出読取値が10,000ppmを超えるまでに累積できたステム作動回数を測定し記録することであった。試験結果を以下に示す。
【0063】
1.図1の5リング形フラット複合型スタッフィングボックスパッキンアセンブリ:
漏れは32時間後1000ppmを超え、
漏れは52時間後5000ppmを超え、
漏れは72時間後10,000ppmを超えた。
【0064】
2.図3の7リング形スタッフィングボックスパッキンアセンブリ:
漏れは68時間後1000ppmを超え、
漏れは102時間後5000ppmを超え、
漏れは126時間後10,000ppmを超えた。
【0065】
3.図5に示すスタッフィングボックスパッキンアセンブリ:
漏れは355時間後1000ppmを超え、
漏れは410時間後5000ppmを超え、
漏れは455時間後10,000ppmを超えた。
【0066】
周知のように、グラファイト粒子のステムへの移行は可撓性グラファイトパッキンリングに対して研磨効果を及ぼし、パッキンリングの内径シール表面にグルーブを刻む。グラファイトのステム表面上への蓄積が継続して累積されると、これらのグルーブは次第に大きくなり、より多くの量の媒体を外部環境へ漏洩させる。上記比較試験結果に見られる通り、上記7リング形スタッフィングボックスアセンブリは、上記5リング形フラット複合型スタッフィングボックスアセンブリを凌ぐ有意な機能的性能改善を提供する。上記7リング形パッキンアセンブリデザインと上記5リング形複合型パッキンアセンブリデザインにおけるワイパリングはパッキンアセンブリの端部に配置されているので、それらの配置のために、パッキンアセンブリ/ステムシール領域の中央部においてグラファイト粒子の蓄積が発生することを防止するワイパリングの有用性が除去されてしまう。その結果、アセンブリ中央部におけるワイパ作用がよく見てもかなり制約されてしまう。さらに、ステム作動期間中にわたって、グラファイト材料の一部の移行がこれら両パッキンアセンブリの最極端に向かって起こっているはずである。
【0067】
見られるように、図5のパッキンアセンブリの性能は、上記5リング形フラット複合型パッキンアセンブリの結果を上回るきわめて顕著な改善、ならびに上記7リング形パッキンアセンブリの結果を上回る有意な改善を示した。この改善はMICブレードプレフォーム支持リングの3本の追加細片の内部ワイパ効果に基づくものと考えられ、結果として、ワイパ作用の向上、グラファイトの区画限定の向上、ステム案内支持の向上、そしてシール結果の向上につながる。
【0068】
バルブ試験−ステムの全ストローク長距離にわたる循環(モータ作動式バルブへの応用シミュレーション):
このバルブ試験には、モータ作動式アクチュエータを備えたパシフィック(Pacific)バルブ試験装置を用いた。使用した媒体は、約392°Fおよび約564psiにおけるメタンであった。バルブステムを、全開位置と全閉位置との間で、繰り返しサイクル循環させた。試験期間中は2回以上の再調整を許可しなかった。試験の目標は、試験対象の各スタッフィングボックスパッキンアセンブリにおいて漏れが10,000ppmを超えるまでに累積することのできたステムストローク回数を測定することであった。
【0069】
1.図1の5リング形フラット複合型パッキンアセンブリ:
漏れは2300サイクル後10,000ppmを超えた。
【0070】
2.図3の7リング形パッキンアセンブリ:
漏れは6000サイクル後10,000ppmを超えた。
【0071】
3.図4のパッキンアセンブリ:
漏れは6500サイクル後10,000ppmを超えた。
【0072】
4.図5のパッキンアセンブリ:
漏れは28,500サイクル後10,000ppmを超えた。
【0073】
図5のパッキンアセンブリの他のパッキンアセンブリに対しての性能改善の理由は、上記試験の結論で既に述べたのと同じである。区画限定制御の向上は、主として、先の試験で示された改善に対して、この試験で見られた改善の増大に起因するものと考えられた。これらの結果はまた、図5のパッキンアセンブリの有する図4の標準デザインを上回る機能上の利点をも立証した。
【0074】
第2の代替スタッフィングボックスパッキンアセンブリの実施形態を図6に示す。図6に示すパッキンアセンブリ130は、図4のパッキンアセンブリ56においてアダプタリング64、66の構成に用いられたのと同タイプの材料である型成形MICブレード編組材料で、全体が構成されている。これらのMICブレード内部また中央リング132、134、136と共に用いる撚糸材料で現在好適とされているのは、主に可撓性グラファイト箔または薄片材料から構成されるものである。該撚糸は、本体内、本体上、もしくは本体周囲に(例えば、箔状細片、線状体、等の)1本またはそれ以上の金属製ストランドをも組み入れている。
【0075】
知られているように、可撓性グラファイト自体、広範囲の耐温度性および耐薬品性を有する傑出したシール材である。可撓性グラファイトは金属表面に優れたシール接触を形成し、非摩耗性であり、形状可変である。しかしながら、可撓性グラファイトは一方で、例えば耐摩耗性に乏しく、側面荷重力を受けたときの半径方向の復元力に乏しい(軸受支持性が乏しい)、等のいくつかの否定的な属性も有しており、動的な運動や圧縮荷重力に曝されると微小間隙を通じて容易に押し出される。
【0076】
金属製強化材を上記可撓性グラファイト撚糸に付加すると、上記の否定的属性の大部分が解消される。図6のMICブレードに用いられている現在のところ好ましい撚糸の構造においては、可撓性グラファイト箔の芯を覆ってインコネル繊維(約0.0035インチ径)のワイヤを封止した骨格ニット、そしてその編組仕上げ品は非摩耗性で、良好なシール特性を有し、かつ高い耐摩耗性、優れた押出し抵抗を示すことが分かり、そしてまた優れた軸受支持材であった。
【0077】
図6のパッキンアセンブリは、そのアダプタあるいはエンドリング64、66およびプレフォーム要素/リング132、134、136のすべてに型成形MICブレード可撓性グラファイト編組リングを用いている。上記特定のパッキンアセンブリ130は、1/4回転(あるいはロータリ)バルブへの適用の場合に内在する問題の特性を打ち消すように開発されたものである。1/4回転バルブは、通常、(ナイフ、門、玉形弁において共通に使われている往復型または直線型ステムと対比して)ステム軸の周囲を90°円弧回転して作動するステムを有する。ステム14の頂部にある力を加えてこの回転運動を発生させる作用は、自ずと一定程度の側面荷重をステム14に加えることになり、パッキン材に対して半径方向圧縮力が行使される結果を生む。型成形された可撓性グラファイトリング類似品58(非強化)をシール材として用いた場合、この側面荷重が該シール材の半径方向圧縮力を生み出し、ステム14がその心合わせ位置に復帰する際に半径方向復元力が殆ど発生しない。その結果生じる間隙が見て明らかな漏れ通路を開けてしまい、これがパッキンアセンブリのシール寿命および運用寿命を早めることになる。アセンブリ中心部に可撓性グラファイトテープリングを用いた型成形複合型パッキンアセンブリは、直線型ステム運動へ適用する場合にしばしば選ばれるシーリングの選択肢であるが、上記問題点のためにそれらの回転型への適用に選択することは厳しく制限される。
【0078】
MICブレード可撓性グラファイトによる型成形編組リングを主要シール部材として有するパッキンアセンブリの変形例を提供することは、上記側面荷重の問題を効果的に解消する。図6のパッキンアセンブリにおけるMICブレードプレフォームリング132、134、136の強化密度は、ステム14に高度の軸受支持を与え、バルブ作動時にステムの半径方向運動を効果的に減殺する。これにより、乏しい半径方向復元力という不利益の減殺を受けることなく、ロータリバルブにおいて可撓性グラファイト材のシール特性の恩恵を最大に引き出すことができる。
【0079】
知られているように、グラファイトはグラファイト粒子移行と呼ばれる機能的属性をもっている。すなわち、グラファイトが移動金属表面に対して圧縮されると、グラファイトの粒子が刈り取られてその金属表面自体に付着する。この性質は多くの利点(例えば、摩擦低減、金属表面の微細研磨、等)を有する一方、門や球体やナイフ弁がするようなあらゆる直線作動に伴ってグラファイトがシール室から漸進的に運び出されるのを促進する。そのような場合に、このグラファイト粒子移行を打ち消すために可撓性グラファイト含有組織体の対向端に編組ワイパリングを使用することが一般に行われている。そのワイパリングは、可撓性グラファイト材をスタッフィングボックスの範囲内に閉じ込めた状態に保持する。ワイパシステムを追加することは、直線状に移動するステムを備えたバルブに対してきわめて良好に機能する一方、回転運動バルブにおけるグラファイト粒子移行を低減するために、図5のように、エンドワイパ部または内部ワイパ部102、104、106を使用することが無駄になる。ステム14の動きのために、アセンブリ100の端部のワイパ64、66は活動を始めない。ステム14上にグラファイト粒子の蓄積が起こるにつれ、ステムの移動は、残ったままの可撓性グラファイトシールリング58の内径シール表面内に周方向のグルーブを刻み付ける結果になる。可撓性グラファイト材はそれ自身をすり減らし、その結果生じるグルーブがシーリングパッキンアセンブリを貫いて漏れ通路を作り出す。
【0080】
図6のパッキンアセンブリ130において、ブレードを作るために用いられている可撓性グラファイト撚糸は、撚糸の各ストランドに親和的であってそれら自身の金属補強材ストランド構造を含んでいる。そのブレードの構造における前記金属補強材の存在は、回転運動ステムに対して効果的な内蔵ワイパシステムとして作用し、優れた仕事をする。ステム表面に付着するいかなるグラファイトも、1本の編組撚糸ストランドの幅を移動することができる前に拭き取られてしまう。
【0081】
従来、上記2つの問題領域のために、圧縮パッキン業界は従来の(炭素またはグラファイト繊維系撚糸システムを用いた)編組パッキンセットに大きく依存しなければならかった。可撓性グラファイト製品の秀でた性能は広く認識されているが、一方、上記2つの問題領域(低い半径方向復元力または軸受支持性と、効果的なワイパシステムの不在)が回転型の用途における可撓性グラファイトの使用を制限してきた。図6のパッキンアセンブリ130を用いれば、いずれの問題領域も効果的に解消され、可撓性グラファイトの性能利点をフルに活用できる。
【0082】
実施例2
比較機能試験評価において、次の2種の異なるパッキンアセンブリデザインについて業界で一般的なロータリバルブを用いて比較試験を行った:
1.図6のパッキンアセンブリと類似したパッキンアセンブリ、ただし中央リングは2個のみ備える;
2.図1のパッキンアセンブリと類似した4リング形フラット複合型パッキンアセンブリ、ただし中央可撓性グラファイトパッキンリングは2個のみ備える。
【0083】
最上部および最下部の編組炭素押出し防止エンドリングに、断面方形の2つの可撓性グラファイト中央リングを加えて複合型パッキンアセンブリ(図1)を構成した。上記可撓性グラファイトリングはリング金属補強材を含有せず、シール性と軸受支持性とのバランスを最大化するために約1.4g/ccの密度に型成形した。試験装置は、Unitorq M148 DA アクチュエータを備えたKuka 3インチ、150番クラスのボールバルブを使用した。水を用い、300psiでこのシステムを加圧した。試験の目標は、スタッフィングボックスから漏れ出す水の浸出が検知される時まで1/4回転ステムサイクル(6ステムサイクル/分または3000ステムサイクル/日)にわたってバルブを作動させることであった。その試験の結果を以下に示す。
【0084】
図1のものと類似の上記4リング形フラット複合型パッキンアセンブリにおいて、10,000ステムサイクルでスタッフィングボックス最上部において検出可能かつ回収可能な量の水の漏出が存在した。試験後のパッキングランドおよびステム表面の調査によって、有意な程度のグラファイト粒子の蓄積が上記ステム表面上で発生していたこと、および上記ステムはパッキン押えとの側面荷重接触の結果としてのゴーリング損傷を被っていたことが示された。
【0085】
図6のものと類似の上記パッキンアセンブリにおいて、100,059ステムサイクルの後は試験を最終的に切り上げて、水の浸出は検知されなかった。試験後のパッキングランドおよびステム表面の調査によって、水あるいはグラファイトの蓄積の痕跡は見られなかった。
【0086】
図6のものと類似の上記パッキンアセンブリは、ステム14を軸中心に保持するのに必要な軸受支持を与えることができ、可撓性グラファイトリング部における金属補強材は、グラファイト粒子の蓄積が発生するのを防止したと考えられる。
【0087】
直線型ステム運動バルブに関し、このステムの軸受支持特徴は、ロータリバルブの性能には決定的に重要であり、また多くの直線型ステム運動バルブにおける非常に価値の高い機能的特徴でもある。摩耗、加工制御や加工精度の間違いや誤り、バルブとアクチュエータ間の接続のミスアラインメント、等に起因して、直線型ステム移動バルブは、付加的な軸受支持要素(例えば、ブッシュ、押え輪、アングルブロック、等)をパッキンアセンブリに加えると、シール性能が改善されることが多い。スタッフィングボックスの深さが十分にあれば、これらの付加的要素のための必要スペースを取ることは容易である。但し、新たなスタッフィングボックスでは、浅い(5リング形またはそれ以下)スタッフィングボックス深さとするのが業界の通例となっている。
【0088】
図6のパッキンアセンブリ130は、シール部も軸受支持部として機能するという点で独自の長所を備えている。したがって、この点で、図6のものに類似したパッキンアセンブリを用いたときには、浅いボックスデザインということはもはや関心の対象にならない。図6のパッキンアセンブリ130は直線型および回転型のバルブ使用に長所を有しており、リング部の型成形厚およびパッキンアセンブリに組み込まれるリング数に応じて、パッキン積層の高さを2横断面深さのセットからそれ以上にどこでも変更することができる。図6のパッキンアセンブリは、種々の角度に基づく半径方向拡張性の向上という利点をも有していることが理解さるべきである。
【0089】
図7に示すスタッフィングボックスパッキンアセンブリ140は、図5(100)および図6(130)に示す各スタッフィングボックスパッキンアセンブリの組合わせである。図7に示すように、最上部142と最下部144のプレフォームリングはMICブレード型式#1303の型成形凹凸リングであり、中央プレフォームリング58のみが型成形可撓性グラファイトテープから構成されている。
【0090】
図5および図6のパッキンアセンブリの場合と同様、高密度に型成形したMICブレードプレフォーム支持リング142、144のこの特定の配置構成は、ワイパ作用の改善および軸受支持の向上をもたらす。この特定のパッキンアセンブリは、軸受支持設計の不足が原因でステムがその作動時に揺動運動を起こす傾向があるような非回転型の用途に有用である。図7に示すパッキンアセンブリ140は、ステムをスタッフィングボックス内に相対的に心合わせされた状態で保持するのに必要な付加的軸受支持を提供している。
【0091】
ときに、特定業界のバルブ適用用途においては、選ばれた用途に対して正しく選択された高性能バルブパッキンアセンブリデザインによってバルブが適切にパッキングされているにも拘らず、良好なシール性能を提供できないことがある。その性能不足の理由は、種々多様である(例えば、バルブ構成部品の機械的損傷、予期せぬ未計画の使用環境条件、等)。これらの場合によく遭遇する具体的な原因の1つは、ステムが作動したときスタッフィングボックスの中心軸から外れ出ることが関与している。この心外れを伴う作動の問題は、アクチュエータの力の結果として側面荷重または変位運動が誘発されることや、弁おおいヨークナットのねじ山の摩耗の結果としての揺動運動や、ステム加工時のスタッフィングボックスの心軸とのミスアラインメント、水平軸を有するバルブステムの直径が大きいこと(ステム重量の大半がスタッフィングボックスパッキンセットによって支持されている)、等に起因して起こる可能性がある。スタッフィングボックスが十分深ければ、これらのミスアラインメントの問題は、ブッシュ、アングルブロック等の付加的な軸受支持素子を使用することで補正することができる。残念ながら、また着実に増加していることであるが、これらのバルブは付加的な軸受支持要素の使用を組み入れるにはボックス深さが不十分な浅いものである。
【0092】
図7に示す通りの上記パッキンアセンブリ140のデザインは、この付加的なボックス深さに関する要求事項の必要性および/または付加的軸受支持要素の必要性をなくしてしまうことが分かった。図7に示されているように、上記パッキンアセンブリ140は、2つの高密度MICブレードアダプタエンドリング64、66と2つの高密度MICブレードプレフォームリング142、144を含む5つのリングを有している。これらの4つのリング64、66、142、144は、それらが接触するいずれかのステム、スリーブ材またはシャフト材に対する軸受支持度を向上させる。
【0093】
図7に示す上記パッキンアセンブリ140は、上記2つの高密度MICブレードプレフォームリング142、144、および1つの低密度中央可撓性グラファイトプレフォームリング58、はすべて上記MICブレードアダプタエンドリング64、66からの角度が異なっているという点でシール性特徴の向上をもたらす。その異なる角度が、加えられた圧縮荷重の結果としての半径方向拡張性の増大を保証している。図7に示す実施形態では、個別の各シール要素や個別の各軸受支持要素に対する必要性が、これらの両機能とも本デザインに存在する多機能要素によって与えられているためになくなっている。
【0094】
単一の可撓性グラファイト(非強化)プレフォームリング58がそのいずれかの側でMICブレード高密度プレフォームリング142、144により囲い込まれていることにより、図7のデザインは、図5のパッキンアセンブリ100の説明で開示した内部ワイパの恩恵が有利に働くような制御バルブにおける使用に適したものとなっている。
【0095】
図7に示すパッキンアセンブリのデザインはまた、摩耗性の高い適用環境(例えば、薬品スラリー用途)で最適なシール性結果が要求されるような浅いスタッフィングボックスを有するバルブに対して非常に適切な選択となるであろう。上記2つのMICブレードアダプタエンドリング64、66および上記2つのMICブレードプレフォームリング142、144は耐摩耗性を向上させる助けとなり、摩耗性媒体をより軟質の中央可撓性グラファイトプレフォームリング58との接触およびその劣化から守る。
【0096】
図7に示されている多種多様なリング64、66、142、144、58の個々の厚さを変化させて、特定のバルブスタッフィングボックスのデザインの要求事項に従い、パッキンアセンブリの仕上げ積層高さを変更することができる。
【0097】
明らかなことであるが、バルブ業界は、バルブ用スタッフィングボックスパッキンアセンブリから導き出すことのできる性能の着実な発展を見てきた。この発展は、アスベストブレード型式から、炭素およびグラファイトブレードへ、複合型パッキンアセンブリデザイン(図1)へ、カップアンドコーン複合型パッキンアセンブリ技術へ、例えば11個の構成要素から成るEVSPアセンブリ(図2)、7個の構成要素から成るEVSPアセンブリ(図3)等へと遷移してきた。いずれの場合にも性能の向上が達成されたが、殆どの場合、スタッフィングボックス内におけるパッキンアセンブリの位置決めがより簡単になり、時間や労力が少なくて済むようになったという点で、密封パッキンアセンブリの設計は、より簡素なものとなり、バルブ保守業務へ適用し易くなった。図4〜7に示されている各スタッフィングボックスパッキンアセンブリは更なる発展の数例であり、次第に浅くなるスタッフィングボックス空洞に適応可能な多機能構成要素を含む新規なパッキンアセンブリデザインを活用して運用性能の向上を生み出している。
【0098】
本明細書に記載の物品はこの発明の好ましい実施形態を構成するが、この発明はこれらの詳細な物品に限定されるものではないこと、および添付のクレームにおいて規定されるこの発明の範囲から逸脱することなく種々の変更を行うことが可能であることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来技術のスタッフィングボックス、ステム、およびフラットな5リング形スタッフィングボックスパッキンアセンブリの断面図である。
【図2】 従来技術の11リング形スタッフィングボックスパッキンアセンブリの断面図である。
【図3】 従来技術の7リング形スタッフィングボックスパッキンアセンブリの断面図である。
【図4】 参考例のスタッフィングボックス、ステム、および5リング形スタッフィングボックスパッキンアセンブリの断面図である。
【図5】 この発明のスタッフィングボックス、ステム、および代替スタッフィングボックスパッキンアセンブリの断面図である。
【図6】 この発明のスタッフィングボックス、ステム、および第2の代替スタッフィングボックスパッキンアセンブリの断面図である。
【図7】 この発明のスタッフィングボックス、ステム、および第3の代替スタッフィングボックスパッキンアセンブリの断面図である。
Claims (14)
- スタッフィングボックス用パッキンであって、
角度付き対向表面を有する少なくとも1つの低密度グラファイトプレフォームリングと、この低密度グラファイトプレフォームリングに隣り合って作用可能に配置され、上記低密度グラファイトプレフォームリングの対向表面と等しい角度付き対向表面を有するとともに、1.8g/cc以上の密度を有する編組グラファイトテープ基部と、この記編組グラファイトテープ基部全体にわたって作用可能に分散されたインサートとから成る少なくとも1つの追加リングとを備えた少なくとも1つの中央リングと、
軸方向の圧縮力が上記パッキンに加えられたとき応答し、上記少なくとも1つの中央リングの第1の端部の1つの半径方向縁部に隣接する上記低密度グラファイトプレフォームリングの一部を強制的に軸方向および半径方向において上記少なくとも1つの中央リングから遠ざかる方向に移動させ、さらに上記低密度グラファイトプレフォームリングを不浸透性でかつ効果的な密封状態に圧縮するエンドリングであって、1.8g/cc以上の密度を有する編組グラファイトテープ基部と、この編組グラファイトテープ基部全体にわたって作用可能に分散されたインサートとから成るエンドリングとを備えたことを特徴とするスタッフィングボックス用パッキン。 - 請求項1のパッキンにおいて、上記エンドリングの第1の端部が内径シールを形成し、この内径シールにおいて、その鋭角が軸方向内方に形成され、かつ上記少なくとも1つの中央リングおよびエンドリング対向表面の鋭角がそれぞれ約45°および60°であることを特徴とするパッキン。
- 請求項1のパッキンにおいて、上記エンドリングが高い耐押出し性および耐摩耗性を有していることを特徴とするパッキン。
- 請求項1のパッキンにおいて、上記エンドリングが上記少なくとも1つの中央リングを支持し、かつバルブステムを拭き取ることを特徴とするパッキン。
- 請求項1のパッキンにおいて、上記少なくとも1つの中央リングが、
2つのエンドリングの間に作用可能に配置された角度付き対向表面を有する3つの低密度グラファイトプレフォームリングから成ることを特徴とするパッキン。 - 請求項1のパッキンにおいて、上記少なくとも1つの中央リングが、
少なくとも2つの低密度グラファイトプレフォームリングと、
両リング間に作用可能に配置された少なくとも1つの追加リングとから成ることを特徴とするパッキン。 - 請求項1のパッキンにおいて、上記少なくとも1つの中央リングが、
2つのエンドリングの間に作用可能に配置された角度付き対向表面を有する少なくとも3つの低密度グラファイトプレフォームリングと、
隣接する低密度プレフォームリングの間に作用可能に配置された少なくとも1つの追加リングとから成ることを特徴とするパッキン。 - 請求項1のパッキンにおいて、上記少なくとも1つの中央リングが、
2つの追加リングの間に作用可能に配置された角度付き対向表面を有する1つの低密度グラファイトプレフォームリングから成り、上記追加リングが2つのエンドリングの間に作用可能に配置されていることを特徴とするパッキン。 - 請求項1のパッキンにおいて、上記少なくとも1つの中央リングが、
少なくとも3つの追加リングから成ることを特徴とするパッキン。 - 請求項1のパッキンにおいて、上記編組グラファイトテープ基部における上記インサートが、
支持スペーサおよびワイパ機能を果たすことのできる金属の細片、ワイヤ、線条、薄葉であることを特徴とするパッキン。 - 請求項10のパッキンにおいて、上記金属が、
スチール、銅、真鍮、アルミニウム、および亜鉛
から成るグループから選ばれたことを特徴とするパッキン。 - 請求項1のパッキンにおいて、上記エンドリングが、
ニッケルクロム合金ステンレス鋼を用いて金属インサートされた形状適合可能な編組基部を備えていることを特徴とするパッキン。 - 請求項1のパッキンにおいて、上記インサートが上記エンドリングをいかなる所望の形状にも適合させ堅固に保持させることを特徴とするパッキン。
- 請求項1のパッキンにおいて、各エンドリングが、約750psi〜約38,000psiの範囲内の圧縮荷重値で型成形されることを特徴とするパッキン。
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