JP4693692B2 - エアビーム構造物 - Google Patents

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Description

本発明は、エアビーム構造物に関する。
エアビーム構造物が知られている。
エアビーム構造物は、気密でありその内部に気体(多くの場合は空気である。)を充填することで強度を出すことのできる袋をビームとして用いた、多くの場合複数の袋を有する膜構造物である。なお、本願では、「ビーム」の語は、水平方向に伸びるもののみを意味するわけではなく、構造物の強度を出すためのものという程度の意味で用いられている。例えば、本願では、「ビーム」の語は、通常「ビーム」の語が意味する梁、桁のみならず、縦方向等の他の方向に伸びる柱も含む。
エアビーム構造物は、膜材を用いるため、美しい曲線を実現できるのに加えて、通常の構造物に比べて構築や撤去が簡易に行えるという特徴があり、例えば、学校の体育祭の際に用いられるアーチや、万博のパビリオンなどに応用されている。
従来のエアビーム構造物において、袋は、その内部に空気を入れることで一定の強度を有するものとなり、エアビーム構造物の強度を出すためのビームとしての機能を発揮するが、それ以外にも、エアビーム構造物の意匠の一部となるという機能を発揮する。それ故、従来のエアビーム構造物におけるビームは、多くの場合、非常に複雑な3次元的形状を有するものとされていることが多い。そのような複雑な形状を実現するため、従来のエアビーム構造物における袋は、立体裁断によって裁断された複数の膜材の縁部同士を溶着や融着などの適当な技術によって接続することによって作られている。
上述の如き従来のエアビーム構造物における袋は、立体裁断などによって、複雑な3次元的形状をしていることが多いため、裁断された膜材の縁部同士を接続するのが難しい。したがって、従来のエアビーム構造物では、袋の製造にかかるコストが高くなりがちである。また、従来のエアビーム構造物では、膜材の縁部の数多い接続をしっかりと行うことが難しく、その結果、空気を充填された袋からの空気漏れが発生することを避けられない場合が多いので、エアビーム構造物を設置した後でも、袋の中に継続的に空気を供給しつづけることが多い。袋に継続的に空気を供給しつづけるのは、コスト的に不利になる上、そのための設備が必要となるのでスペース的にも不利となる。
本発明は、エアビーム構造物におけるかかる不具合を解消することを課題とするものである。より詳細には、本発明は、エアビーム構造物をその袋からの気体の漏れをなくすように改良するための技術を提供することをその課題とする。
上述の課題を解決するための本発明は、以下のようなものである。
本発明は、少なくともその側面を膜材によって形成され、且つその内部と連通された気体注入口を備えているとともに、外力を受けない状態で、前記気体注入口を介してその内部に気体を充填されたときの形状が直線状となる略円筒状の気密な内袋と、それ単体では気密性を保つことができない、柔軟な素材でできている規制部材と、を備えており、前記内袋は、その内部に気体を充填させられたときに、前記内袋に対して外側から当接する規制部材によって規制され、所定の形状を維持するようになっている、エアビーム構造物である。
従来のエアビーム構造物は、それが有する袋に、強度を出すためのビームとしての機能に加えて、エアビーム構造物の意匠の一部となる、言い換えればエアビーム構造物の意匠を決定する機能の双方を担わせている。特に後者の機能が要求されるため、従来のエアビーム構造物の袋は非常に複雑な形状となり、膜材の接合個所が多くなるため、気体が漏れないようなものとするのが難しい。
この点を考慮したのが本発明である。即ち、本発明では、気密性を保つ機能を内袋に、エアビーム構造物の意匠を決定する機能を規制部材にそれぞれ割振るとともに、内袋と規制部材の相乗効果によってエアビーム構造物の強度を維持することとしている。それにより、本発明のエアビーム構造物では、気密性の要求されるエアビーム構造物において、気密性を保つ機能を内袋に任せ、且つその形状を略円筒形という単純な形状にすることにより、気密性が要求される接合箇所を少なくすることが可能になるため、その製造が非常に容易になる。他方、内袋の形状を規制する規制部材は、従来の袋がそうであったように複雑な形状とすることが可能であるが、気密性は必要とされない。
したがって、本発明のエアビーム構造物は、内袋を製造するのが容易であるから、それを製造する際のコストを抑えることが容易である。また、このエアビーム構造物は、その設置後に内袋の中に継続的に気体を供給しつづけることを不要にできる(或いは、少なくとも気体を供給しないでよい時間を従来よりも長くできる)ため、継続的な気体の供給が必要となることによる上述した不利益をなくせるようになる。
他方、複雑な形状となることが多い規制部材は、必ずしも気密性が必要でなく、気密性を気にせずに加工できるため、その製造が容易である。
なお、内袋は、少なくともその側面が膜材で作られていれば足りるが、例えばその両端面も含めて全体が膜材で作られていてもよい。また、内袋に用いる膜材は、内袋の気密性を保つことのできるものであればどのような素材によって形成されていても構わない。例えば、シート、フィルム等をこれに用いることができる。特にフィルムを用いた場合には、内袋の気密性が高くなるように加工し易い。
また、気体注入口は、バルブや、逆止弁等、気体を出入させられるものであれば、その詳細を問わない。
また、エアビーム構造中の内袋が維持する所定の形状は、一般的には直線状の円筒形状ではないが、直線状の円筒形状であってもよい。
本発明のエアビーム構造物における規制部材は、それ単体では気密性を保つことができない、柔軟な素材でできており、また、その内部に気体を充填させられた内袋に対して外側から当接することにより、内袋を直線状以外の所定の形状に維持するようなものとなっていれば、その詳細、例えば形状や素材は特には問わない。例えば、規制部材は、紐状であってもよい。また、規制部材は、フィルム状、シート状(いずれの場合も、ネット状や、メッシュ状を含む。)等とされた膜材であってもよい。或いは、規制部材は、これらを組合わせたものであってもよい。
エアビーム構造物の特徴の一つとなる意匠の自由度の高さは、膜材をその主な材料とすることによって達成される。規制部材を膜材とすることにより、或いは膜材を有するものとすることにより、エアビーム構造物の有するかかる特徴をそのまま生かすことができることになる。
規制部材が膜材で作られる場合、規制部材は、筒状とすることができる。この場合、膜材でできた筒状の規制部材の内部に前記内袋が入れられていてもよい。
膜材でできた筒状の規制部材の内部に内袋を入れる場合、筒状の規制部材の断面は必ずしも円形である必要はない。もっとも、前記筒状の規制部材は断面が略円形の部分を備えており、且つその断面が略円形の部分の直径を、内袋の直径と略同じか、又は前記内袋の直径より小さくすることができる。このようにすれば、規制部材の断面が略円形の部分で内袋を外側からしっかりと把持できるようになり、それにより規制部材によって規制された後の内袋の形状を常に同じにし易くなるため、エアビーム構造物の形状を所望の形状に保ち易くなる。
本発明のエアビーム構造物の規制部材が膜材でできている場合、規制部材は、外膜と、前記外膜と略相似形状とされ前記外膜と所定の個所で接続された内膜とから構成されていてもよい。この場合、前記内袋は、前記外膜と前記内膜の間に配されていてもよい。
エアビーム構造物の外膜と内膜の間隔を略一定に保つための構成は、どのようなものであってもよい。例えば、前記外膜と前記内膜は、それらにその一端と他端でそれぞれ接続された、連結材によって接続されていても構わない。連結材の素材、形状には特には制限がない。連結材は、例えば、紐(例えば、テープ状に切断の膜材やロープ)とすることができる。紐の一端と他端を、外膜と内膜に両者に対して垂直となるような関係で接続することにより、外膜と内膜の間隔を略一定に保つことができる。連結材は、また、所定幅の膜材である接続用膜材であってもよい。このような接続用膜材は、幅方向の一端で外膜と、幅方向の他端で内膜と接続される。接続用膜材は、例えば、フィルムやシートで構成される。
連結材は、少なくとも1つあればよいが複数であってもよい。連結材が複数である場合には、紐状の連結材であれば各連結材の長さが、所定幅の膜材である連結材(接続用膜材)であれば各接続用膜材の幅が等しくなっていてもよい。そのようになっていれば、外膜と内膜の間隔を略一定に保ちやすくなる。
エアビーム構造物の規制部材が、外膜と内膜を有する場合、前記外膜と前記内膜は、その間隔が前記内袋の直径と略同じか、又は前記内袋の直径より小さくなっていてもよい。これにより、外膜と内膜の間で、内袋を把持し易くなるので、内袋の固定を行い易くなる。外膜と内膜の間隔を、内袋の直径と略同じか、又は内袋の直径より小さくするための構成は特に制限はないが、連結材として紐が用いられる場合における紐の長さ、或いは接続用膜材が用いられる場合における接続用膜材の幅を、前記内袋の直径と略同じか、又は内袋の直径より小さくすればよい。
複数の連結材が使用される場合、前記内袋は、前記連結材のうちの隣接して配された所定の2つの連結材の間に配されるようになっていてもよい。その場合、複数の連結材は互いに平行にすることができ、また、前記連結材のうち1つの内袋を挟む関係にある隣接する連結材はそれらの間隔が前記内袋の直径に略等しいか、又は前記内袋の直径よりも小さくすることができる。このような構成により、規制部材に対する内袋の位置を更に固定し易くなるので、エアビーム構造物の形状を所望の形状に保ち易くなる。
本発明における内袋は、気密な袋を入れ子構造にした多重構造とされていてもよい。この場合、その最も内側の袋の中に気体が充填されるようになっていてもよい。このようにすれば、内袋の破損によって気体の漏れが発生する可能性を抑えられるようになる。
また、本発明におけるエアビーム構造物は、前記エアビーム構造物が設置される場所を覆うように敷くことのできるシートを更に備えていてもよい。
この場合、前記エアビーム構造物の前記シートの上に位置する部分である主構造部の下面の所定の場所が、前記シートに対して固定されていてもよい。このようなエアビーム構造物であれば、使用後に内袋から気体を抜いたエアビーム構造物をシートごと折畳んで片付けることが可能であり、便利である。また、このようなエアビーム構造物であれば、エアビーム構造物の中心となる主構造部の形状の再現性を良くすることができる。
シートを有するエアビーム構造物は、前記エアビーム構造物の前記シートの上に位置する部分である主構造部の下面の所定の場所に、前記シートに対する固定を着脱自在に行うことのできる固定手段が設けられているものとされていてもよい。このようなシートと固定手段を備えているエアビーム構造物であれば、上述のエアビーム構造物と同様に使用後の片付けに便利である。また、シートと主構造部を着脱自在にすることで、エアビーム構造物の取り回しを行い易くなる。なお、固定手段は、シートの所定の位置にのみ固定できるようなものとすることができる。このようになっていれば、エアビーム構造物の形状の再現性を良くすることができるようになる。
上述した内袋は、すべて、少なくともその側面を膜材によって形成され、且つその内部と連通された気体注入口を備えているとともに、外力を受けない状態で、前記気体注入口を介してその内部に気体を充填されたときの形状が直線状となる略円筒状の気密な小内袋であって、その長さが略揃えられた複数のものを、それら小内袋の両端を略揃えた状態で束ねてなる内袋体に置き換えることができる。
例えば、本願発明は、少なくともその側面を膜材によって形成され、且つその内部と連通された気体注入口を備えているとともに、外力を受けない状態で、前記気体注入口を介してその内部に気体を充填されたときの形状が直線状となる略円筒状の気密な小内袋であって、その長さが略揃えられた複数のものを、それら小内袋の両端を略揃えた状態で束ねてなる内袋体と、それ単体では気密性を保つことができない、柔軟な素材でできている規制部材と、を備えており、前記内袋体は、前記小内袋のそれぞれに気体を充填させられたときに、前記内袋体に対して外側から当接する規制部材によって規制され、所定の形状を維持するようになっている、エアビーム構造物とすることができる。
この発明によるエアビーム構造物は、これまでに説明したエアビーム構造物において内袋が担ってきた気密性を保つ機能を、内袋体に、より詳細には小内袋を有する内袋体に担わせることとしている。この場合、小内袋は、上述した内袋と同様の構成であるのでその製造が容易であり、また、規制部材も、これまでに説明したエアビーム構造物が有する規制部材と同様に気密性が要求されないので、その製造が容易である。
つまり、内袋を小内袋に置換えたエアビーム構造物は、ここまでに説明したエアビーム構造物と同様の効果を奏するものとなる。また、小内袋を複数備える内袋体は、小内袋のうちの例えば一つが破損してその内部の気体が漏れたとしても、単独の内袋の一部が破損した場合と比べれば気密性を維持できるから、内袋体を用いたエアビーム構造物は、内袋を用いたエアビーム構造物と比べて破損に強いという効果も有することになる。
なお、内袋体における小内袋は、内袋と同様に、気密な袋を入れ子構造にした多重構造とされており、且つその最も内側の袋の中に気体が充填されるようになっていてもよい。このようにすることで、内袋体が破れるおそれを更に小さくできることになると共に、内袋体の気密性を更に高くすることができるようになる。
内袋体は、長さの揃えられた小内袋を、それら小内袋の両端を略揃えた状態で束ねたものとなっていればその詳細を問わない。どのようにして、小内袋を束ねるかも自由である。
例えば、内袋体は、前記複数の小内袋をその内部に挿入することにより前記複数の小内袋を束ねることのできるものとされ、且つ前記小内袋の長手方向がその軸方向となる、膜材にて形成の筒状の外袋を備えていてもよい。このような外袋を用いれば小内袋を束ねるのが容易になる。
外袋は膜材にて形成されており、筒状であればその詳細は問わないが、例えば、メッシュ状、ネット状の膜材で形成されていてもよく、また、その形状が円筒形状とされていても構わない。
なお、外袋には、小内袋が備える気体注入口をその外部に露出させるための開口を設けておくのがよい。例えば、筒状の外袋の両端を開放しておき、その両端部分の開口から気体注入口を外部に露出させたり、膜材の一部に孔を開けておきそこから気体注入口を外部に露出させたりすることができる。
以下、本発明の第1〜第4実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態の説明では、重複する部材には同じ符号を付すものとし、また、重複する説明は場合により省略するものとする。
≪第1実施形態≫
図1は、本実施形態によるエアビーム構造物を応用した連結アーチ100の斜視図である。
この連結アーチ100は、複数のアーチ部110と、隣合うアーチ部110を接続する接続部120と、これもまた隣り合うアーチ部110を接続する接続棒130を含んでいる。
なお、以下の説明で明らかなように、この実施形態のエアビーム構造物100における接続部120と接続棒130は共通の役割を担うものであるため、それらの一方を他方に置き換えることができる。
アーチ部110は、凡そで、半周分の円弧形状を描くような形状とされている。
アーチ部110は、半周分の円弧形状を描くような形状とされたアーチ部外皮111を備えている。このアーチ部外皮111は、本発明における規制部材に相当するものである。
アーチ部外皮111は、その両端を斜めに切断された略円筒形状の部材111A〜Eを、繋ぎ合わせて構成されている。部材111A〜Eの隣接する他の部材111A〜Eと接続されている部分、乃至その近辺を除けば、アーチ部外皮111はその断面が円形となっている。
各部材111A〜Eは、それぞれ、それ単体では気密性を保つことができない、柔軟な素材でできている。この実施形態のアーチ部外皮111は、これには限られないが、テント用のシートを用いて作られている。アーチ部外皮111を形作るための各部材111A〜Eの接続は、この実施形態では熱溶着によって行われている。なお、アーチ部外皮111は、特に気密性は必要とはされておらず、実際、この実施形態のアーチ部外皮111は、気密性を有していない。なお、アーチ部外皮111は気密性を必要とされていないので、ネット状、メッシュ状の膜材によって形成されていてもよい。これは、アーチ部外皮111に限らず、気密性を要求されない他の部材にも共通である。
アーチ部外皮111の、他のアーチ部110と対向する側の面には、例えばベルクロテープである面ファスナ112が設けられている。面ファスナ112は、アーチ部110と接続部120を、又はアーチ部110と接続棒130とを接続するためのものである。したがって、面ファスナ112は、アーチ部外皮111の隣合うアーチ部110と対向する面のうち、接続部120又は接続棒130と接続されるべき部分(この実施形態だと3箇所)に設けられているが、図1では、手前から2つ目と3つ目のアーチ部110と接続棒130との接続を行うための、手前から3つめのアーチ部110のアーチ部外皮111に設けられた面ファスナ112のみを図示している。
アーチ部外皮111には、また、孔113が開けられている。この孔113は、後述する内袋に取付けられた筒状のバルブ115をアーチ部外皮111の外に露出させるためのものである。
アーチ部外皮111の内部には、図2に示したようなアーチ部内袋114が挿入されている。
アーチ部内袋114は、中空であり、気密に構成されている。アーチ部内袋114には、その内部に気体を充填し、或いはその内部に充填された気体をその外部に排出するための筒状のバルブ115が設けられている。バルブ115は、所定のポンプなどに接続可能とされており、そのポンプなどが上述した気体の充填、排気を行うようにされている。この実施形態では、図示せぬチューブを介して、バルブ115を図示せぬポンプに接続できるようになっている。なお、この実施形態では、アーチ部内袋114内に充填される気体は、空気とされている。また、バルブ115は、気体の充填、排気を行えるようなものであれば、逆止弁などの他の手段に置換することができる。
アーチ部内袋114は、この実施形態では、膜材により形成されている。アーチ部内袋114を形成する膜材は、必ずしもこの限りではないが、ポリエチレン製の、好ましくは厚さが5ミクロン以上とされたフィルムである。アーチ部内袋114は、この実施形態では、筒状の本体部と、本体部の両端部の縁に、その縁を接続される円形の2つの円形部とを有しており、外力を受けない状態で、バルブ115を介してその内部に気体を充填されたとき、図2に示されたような直線的な円筒形状となるようにされている。本体部と円形部は、必ずしもこの限りではないが、この実施形態では、インパルス溶着によって接続されている。
接続部120は、アーチ部110と類似した構造となっている。接続部120も、アーチ部110と同様に、2重構造となっており、アーチ部外皮111に対応する接続部外皮121と、アーチ部内袋114に対応する接続部内袋124とを備えている。
この実施形態の接続部内袋124は、アーチ部内袋114と略同じ構造とされている。接続部内袋124は、アーチ部内袋114同様、膜材によって、中空、気密に構成され、アーチ部内袋114が備えるのと同じバルブ125を備えている。バルブ125は、アーチ部外皮121から露出するようにされている。接続部内袋124は、外力を受けない状態で、バルブ125を介してその内部に気体を充填されたとき、アーチ部内袋114と同様に、直線的な円筒形状となるようにされている。
他方、接続部外皮121は、アーチ部外皮111とその基本的な構造は同じであるものの、その形状がアーチ部外皮111とは異なるものとされている。
接続部外皮121は、アーチ部外皮111と同様の膜材によりできており、その直径が接続部内袋124の直径よりも若干小さい程度とされた円筒形状とされている。なお、接続部外皮121は、特に気密性は必要とはされておらず、実際、この実施形態の接続部外皮121は、気密性を有していない。接続部外皮121には、また、孔123が設けられている。この孔123から、上述のバルブ125が、接続部外皮121の外側に露出するようになっている。
接続部外皮121の両端面には、図示を省略のベルクロテープにより形成の面ファスナが設けられている。この面ファスナは、アーチ部外皮111に設けられた面ファスナのうちの、図1における接続部120の両端面と当接している部分(アーチ部110の頂上部付近)に設けられた面ファスナと接続されるようになっている。つまり、アーチ部外皮111の両側面に設けられた面ファスナは、隣接するアーチ部110の対向する面に設けられた面ファスナと接続することができ、そうすることにより、隣接するアーチ部110同士を接続部120を介して接続できるようになっている。
接続棒130は、接続部120同様、隣接するアーチ部110同士を接続するためのものである。
接続棒130は、この実施形態では、棒状の本体部131と、その両端に設けられた円板状の円板部132とを備えている。この実施形態では、必ずしもそうである必要はないが、2つの円板部132と本体部131は一体的に構成されている。
両円板部132の外側の面には、ベルクロテープで形成の面ファスナ133が設けられている。この面ファスナ133は、アーチ部110の中程の高さに設けられた面ファスナ112と接続できるようになっている。言い換えれば、接続棒130が備える2つの円板部132の外側の面に設けられた面ファスナ133は、隣接するアーチ部110の対向する面に設けられた面ファスナ112と接続することができ、そうすることにより、隣接するアーチ部110同士を接続棒130を介して接続できるようになっている。
次に、この連結アーチ100の使用方法について説明する。
連結アーチ100を使用するにあたっては、まず、アーチ部110のうちの隣接するもの同士を、接続部120で接続していく。このとき、接続部120によるアーチ部110の接続は、アーチ部外皮111の両端面に設けられた面ファスナを、隣接するアーチ部110の対向する面に設けられた面ファスナと接続することにより行う。
次いで、連結アーチ100を構成するアーチ部110と、接続部120の内部にそれぞれ含まれているアーチ部内袋114と、接続部内袋124の中に空気を充填させる。なお、先にアーチ部内袋114に空気を充填すると接続部内袋124への空気の充填が難しくなるので、空気の充填は、接続部内袋124から先に行うのが好ましい。
接続部内袋124に空気を充填すると、接続部内袋124は膨らみ、一定の硬さとなる。このとき、接続部内袋124は、アーチ部内袋114と同様、接続部外皮121に外側から当接されて規制されるが、接続部外皮121の形状も直線状の略円筒形状であるため、直線状の略円筒形状になる。なお、このとき、接続部外皮121は、接続部内袋124が膨らんだ分だけ押し広げられることになる。結果として、接続部120は、図1に示されたような形状となり、その形状を維持する。
他方、アーチ部内袋114に空気を充填すると、アーチ部内袋114は膨らみ、一定の硬さを有することとなる。アーチ部内袋114は、上述したように、外力を受けない状態でその内部に気体を充填されたとき、直線状の略円筒形状になろうとするが、アーチ部内袋114に外側から当接するアーチ部外皮111により規制されて、その形状が、図1に示されたアーチ部110の如き半弧形状となる。つまり、アーチ部110は、図1に示されたような形状となり、その形状を維持する。
アーチ部内袋114と、接続部内袋124の中に空気を充填したら、次に、複数のアーチ部110のうちの隣接するもの同士を、接続棒130で接続していく。
このとき、接続部120によるアーチ部110の接続は、アーチ部外皮111の両端面に設けられた面ファスナを、隣接するアーチ部110の対向する面に設けられた面ファスナと接続することにより行う。接続棒130によるアーチ部110の接続は、両円板部132に設けられた面ファスナ133を、隣接するアーチ部110の対向する面に設けられた面ファスナ112と接続することにより行う。
以上のようにして、連結アーチ100が完成する。
連結アーチ100の使用が終わったら、上述の手順と逆の手順で、連結アーチ100を分解すればよい。
連結アーチ100の分解は、接続棒130を取外した後に、アーチ部内袋114と、接続部内袋124の中の空気を抜き、最後にアーチ部110と、接続部120とを分解すればよい。
<変形例1>
変形例1による連結アーチ100は、基本的に、第1実施形態の連結アーチ100と同様に構成されるが、図3にその平面図が示されたシートS1とともに用いられるようにされている。シートS1は、連結アーチ100の下方に敷かれるものである。
シートS1は、膜材であり、必ずしもこの限りではないが、この実施形態では、アーチ部外皮111と同じ素材により形成されている。
シートS1は、また、複数の固定部S11を備えている。この固定部S11は、連結アーチ100をシートS1に着脱自在に固定できるようにするためのものであり、この実施形態では、ベルクロテープによって構成されている。固定部S11のそれぞれは、必ずしもこの限りではないが円形とされている。固定部S11は、シートS1の上に連結アーチ100を配したときに、連結アーチ100が有するアーチ部110の下面が当接する部分に対応する位置に設けられている。
この実施形態における連結アーチ100の各アーチ部110が有するアーチ部外皮111の両端の下面には、ベルクロテープによって形成された図示を省略の固定部が設けられている。このアーチ部110の固定部は、シートS1の固定部S11に対して着脱自在な固定を行えるものとされている。
次に、この連結アーチ100の使用方法について説明する。
この連結アーチ100を用いるにあたっては、まず、シートS1を連結アーチ100を設置すべき適当な部分に敷く。次いで、シートS1の上に連結アーチ100のアーチ部110を固定していく。かかる固定は、上述のように、アーチ部110の固定部を、シートS1の固定部S11に対して押圧することにより行う。
次に、アーチ部110のうちの隣接するもの同士を、接続部120で接続する。この接続は、第1実施形態の場合と同様にして行う。
次いで、第1実施形態の場合と同様の方法で、連結アーチ100を構成するアーチ部110と、接続部120の内部にそれぞれ含まれているアーチ部内袋114と、接続部内袋124の中に空気を充填する。空気の充填を、接続部内袋124から先に行うのが好ましいのは上述のとおりである。
最後に、複数のアーチ部110のうちの隣接するもの同士を、接続棒130で接続していく。
これにより、連結アーチ100が完成する。
使用後、連結アーチ100を分解する場合には、基本的に、上述の場合と逆の手順を実行すればよい。即ち、接続棒130を取外した後に、アーチ部内袋114と、接続部内袋124の中の空気を抜き、次いで、アーチ部110と、接続部120とを分解し、最後にアーチ部110とシートS1を分解すればよい。その後、アーチ部110、接続部120、及び接続棒130を包み込みながらシートS1を折畳んで、連結アーチ100の片付けを終了する。なお、シートS1を折畳む際に、アーチ部110とシートS1の固定をそのまま維持しておいてもよい。なお、シートS1を折畳む際に、アーチ部110と、接続部120との接続を維持しておいても構わない。
なお、以上で説明した変形例1では、アーチ部110の下面をシートS1に対して着脱自在に固定するものとしていたが、アーチ部110の下面とシートS1とを完全に固定してしまうことも可能である。アーチ部110の下面とシートS1の完全な固定は、例えば、両者を溶着したり、縫合したりして行うことができる。
≪第2実施形態≫
以下、本発明の第2実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図4は、本実施形態によるエアビーム構造物を応用した連続アーチ200の破断図、透視図を含む斜視図である。
この連続アーチ200は、外皮210の内部に多数の内袋220を含んだものとなっている。
外皮210は、断面半円状の外皮部材211と、それよりも一回り小さい断面半円状の内皮部材212とを有している。また、外皮部材211と内皮部材212とは、複数の接続部材213により接続されている。
外皮部材211、内皮部材212、接続部材213はともに、膜材である。より詳細には、これらは、第1実施形態におけるアーチ部外皮111と同様の素材で構成されている。
外皮部材211と内皮部材212、及び隣接する接続部材213によって囲まれている空間の断面形状は、必ずしもそうである必要はないが、この実施形態では正方形とされている。また、その空間のそれぞれは、必ずしも気密である必要はなく、この実施形態では実際、気密とはされていない。内皮部材212には、また、断面正方形の上述の空間のそれぞれに対応して、孔214が開けられている。この孔214は、後述するバルブ221を外皮210の外側に(この実施形態では、内皮部材212の内側に)露出させるためのものである。
内袋220は、第1実施形態におけるアーチ部110が備えているアーチ部内袋114と同様、中空、且つ気密であり、その内部に気体(空気)を充填し、また、その内部から気体を排出できるようにされている。また、内袋220は、かかる気体の充填、排出を行えるように、第1実施形態におけるアーチ部110が備えていたのと同様のバルブ221(図7参照)を備えている。
内袋220は、第1実施形態のアーチ部内袋114と同様、外力を受けない状態で、バルブ221を介してその内部に気体を充填されたとき、第1実施形態のアーチ部内袋114と同様、直線的な円筒形状となるようにされている(図7参照)。
連続アーチ200が設置された状態では、内袋220は、図4、図5、及び図6に示したような状態で、外皮210の中に収まることになる。
図5は、連続アーチ200を接続部材213に沿って切った場合における断面図、図6は、連続アーチ200を接続部材213に垂直な方向で切った場合の断面図である。なお、図5の断面図は実際、その全体が緩やかな弧を描くことになるが、図5では簡単のため、その全体を直線状に描いている。
内袋220の詳細な構成を、図7、及び図8を用いて説明する。なお、図7は、内袋220の平面図、及び正面図である。図7の上側に示されたものが内袋220の正面図、その下に示されたのが内袋220の平面図である。また、図8は、内袋220の構成を示す破断図である。
第2実施形態の内袋220は、第1実施形態のアーチ部内袋114の場合と異なり多重構造、より詳細には2重構造となっている。もっとも、第2実施形態の内袋220を、第1実施形態のアーチ部内袋114の場合と同様1重構造にすることもできるし、第1実施形態のアーチ部内袋114を内袋220のように2重構造等の多重構造とすることもできる。
内袋220は、図8に示したように、外内袋222と、内内袋223を備えている。外内袋222と、内内袋223はともに、第1実施形態のアーチ部内袋114と同様の膜材によって構成することができ、この実施形態では、ポリエチレン製のフィルムで形成されている。外内袋222と、内内袋223はともに、気密である。外内袋222と、内内袋223はともに、円筒形状をしている。
内袋220の両端部、より詳細には、外内袋222と、内内袋223の両端部は、第1実施形態の場合と異なり、その両端部を内側に向かって折り曲げた状態で直線的に熱溶着した構成となっている。かかる接続は、これには限られないが、インパルス融着によって行うことができる。なお、内袋220の両端部についてのこのような構成は、第1実施形態のアーチ部内袋114に応用することも可能である。
この実施形態では、内袋220内に充填される空気は基本的に、内内袋223の内側に入れられる。それを可能とするため、バルブ221は、内内袋223の内側に空気を入れられるような構造となっている。
かかる連続アーチ200の使用法を説明する。
連続アーチ200を使用するにあたっては、外皮部材211、内皮部材212、及び隣接する接続部材213によって囲まれている断面正方形の上述の空間内にそれぞれ位置するようにして、その内部に内袋220を配された外皮210を、連続アーチ200を敷設すべき適当な位置に配する。
次いで、各内袋220の内部に空気を充填する。
そうすると内袋220は膨らみ、一定の硬さを有することとなる。内袋220は、上述したように、外力を受けない状態でその内部に気体を充填されたとき、直線状の略円筒形状になろうとするが、内袋220に外側から当接する外皮210により規制されて、その形状が、図4〜図6に示されたアーチ状の半弧形状となる。
これにより、連続アーチ200は、図4〜図6に示されたような形状となり、その形状を維持する。
連続アーチ200が必要なくなったら、各内袋220からバルブ221を介して空気を抜けばよい。
<変形例2>
変形例2による連続アーチ200は、基本的に、第2実施形態の連続アーチ200と同様に構成されるが、図9にその平面図が示されたシートS2とともに用いられるようにされている。シートS2は、連続アーチ200の下方に敷かれるものである。
シートS2は、シートS1と同様の素材により形成の膜材である。シートS2は、また、固定部S21を備えている。固定部S21は、連続アーチ200をシートS2に着脱自在に固定できるようにするためのものであり、固定部S11同様ベルクロテープによって構成されている。固定部S21は、平行に2列設けられており、いずれも細長い長方形の形状になっている。固定部S21は、シートS2の上に連続アーチ200を配したときに、連続アーチ200の両側の端部の下面(外皮部材211と内皮部材212の両端部同士を接続する2つの接続部材213)が当接する部分に対応して設けられている。
この実施形態における連続アーチ200の(より詳細には、外皮210の)両側の端部の下面には、ベルクロテープによって形成された図示を省略の固定部が設けられている。この連続アーチ200の固定部は、シートS2の固定部S21に対して着脱自在な固定を行えるものとされている。
次に、この連続アーチ200の使用方法について説明する。
この連続アーチ200を用いるにあたっては、まず、シートS2を連続アーチ200を設置すべき適当な部分に敷く。次いで、シートS2の上に連続アーチ200の外皮210を固定する。かかる固定は、上述のように、外皮210の固定部を、シートS2の固定部S21に対して押圧することにより行う。
次に、外皮210の内部に、第2実施形態の場合と同様にして、内袋220を入れる。なお、外皮210のシートS2への固定に先んじて、内袋220の外皮210への挿入を行ってもよい。
次いで、第2実施形態の場合と同様の方法で、内袋220の中に空気を充填する。
これにより、連続アーチ200が完成する。
使用後、連続アーチ200を分解する場合には、基本的に、上述の場合と逆の手順を実行すればよい。即ち、内袋220の中の空気を抜き、次いで、外皮210とシートS2を分解すればよい。その後、外皮210及び内袋220を包み込みながらシートS2を折畳んで、連続アーチ200の片付けを終了する。なお、外皮210とシートS2を分離せずに、外皮210及び内袋220を包み込みながらシートS2を折畳んでもよい。
なお、以上で説明した変形例2では、外皮210の下面をシートS2に対して着脱自在に固定するものとしていたが、外皮210の下面とシートS2とを完全に固定してしまうことも可能である。外皮210の下面とシートS2の完全な固定は、例えば、両者を溶着したり、縫合したりして行うことができる。
≪第3実施形態≫
以下、第3実施形態による連結アーチについて説明する。
第3実施形態による連結アーチは、基本的に、第1実施形態(変形例1も含む。)の連結アーチ100と同様に構成される。
第1実施形態の連結アーチ100と、第3実施形態による連結アーチで異なるのは、第1実施形態の連結アーチが備えていたアーチ部内袋114が図10に示されたようなアーチ部内袋体300に置き代えられているという点にある。
図10は、アーチ部内袋体300の側面図、及び正面図である。図10の上側に示されたものがアーチ部内袋体300の側面図、その右に示されたのがアーチ部内袋体300の正面図である。
第3実施形態におけるアーチ部内袋体300は、7本の小内袋310を束ねた構成となっている。7本の小内袋310のそれぞれは、第1実施形態で説明したアーチ部内袋114と略同様に形成されている。
小内袋310のそれぞれは、この実施形態では膜材によって略円筒形状に形成されている。その両端部には、円形の膜材が取付けられており全体として気密とされている。小内袋310は、また、バルブ311を備えており、それを介してその内部に空気を充填したり、空気を排出したりできるようにされている。小内袋310のそれぞれは、外力を受けずにその内部に気体を充填されたときの形状が直線状の略円筒形状となる。膜材、バルブ311の構成は、第1実施形態の場合と同様である。なお、バルブ311は、7つの小内袋310のうちの6つの小内袋310についてはその一端付近の側面に、1つの小内袋310についてはその一端に設けられた円形の膜材の中心に設けられている。
各小内袋310の長手方向の長さは、略同じ(この実施形態の場合は完全に同じ)にされている。
アーチ部内袋体300は、また、外袋320を備えている。この外袋320は、小内袋310をその内部に挿入することにより、小内袋310を束ねた状態にするものである。外袋320を用いずとも小内袋310を束ねた状態にできるのであればそれでも構わないが、この実施形態では、以上のような外袋320を用いて小内袋310を束ねている。
外袋320は、略円筒形状である。外袋320は、膜材によって形成されている。外袋320は、気密性を要しないので、それを形成する膜材は、メッシュ状、ネット状などでも構わない。外袋320の長さは、小内袋310の長さに略対応するようになっている。外袋320の一端には円形の膜材が取付けられており、他端は開放されている。外袋320の開放された他端側から、外袋320の中に小内袋310が挿入される。外袋320の中に小内袋310を入れた場合、図10の右側に図示したように、7本の小内袋310は、そのうちの1本を中心としてその周りを他の6本の小内袋310が6方から対称に取囲む。この状態で各小内袋310は、外袋320の中で互いに係止し合い、固定された状態となる。
外袋320には、各小内袋310が備えるバルブ311を外袋320の外部に露出させるための図示せぬ孔が開けられている。孔は、外袋320の一端の円形の膜材の中心に1つ、外袋320の一端付近の外周の対称な位置に6つ設けられている。外袋320に小内袋310を挿入したとき、その孔から各小内袋310のバルブ311を外袋320の外部に図10に示したようにして露出させる。
なお、アーチ部内袋体300は、図11に示したようなものでもよい。
図11に示したアーチ部内袋体300は、図10に示したアーチ部内袋体300と略同じであるが、各小内袋310に設けられたバルブ311の位置が上述のアーチ部内袋体300の場合と異なる。図11に示したアーチ部内袋体300では、バルブ311はすべて、外袋320の一端の円形の膜材から外袋320の外部に露出している。
つまり、この変形例では、各小内袋310のバルブ311はすべて、小内袋310の一端の円形の膜材に設けられており、また、外袋320の一端の円形の膜材に7つの孔が設けられている。
第3実施形態の連結アーチでは、第1実施形態の連結アーチが備えていた接続部内袋124が、上述したアーチ部内袋体300と同じ構成の接続部内袋体に置き代えられている。この点も、第1実施形態の連結アーチと、第3実施形態の連結アーチとの間にある相違である。
また、第1実施形態のアーチ部外皮111は、その内部に入れられるアーチ部内袋114が備えるバルブ115の数に対応させられており、そこを通してバルブ115をアーチ部外皮111の外側に露出させるための1つの孔113が設けられているが、第3実施形態のアーチ部外皮111には、その内部に配されるアーチ部内袋体300が7つのバルブ311を備えることに対応して、図示を省略するが、7つの孔が設けられている。
第3実施形態の連結アーチは、第1実施形態の連結アーチと略同様の使い方をする。
異なるのは、第1実施形態でアーチ部内袋114と、接続部内袋124の中に空気を充填させたのに代えて、第3実施形態では、アーチ部内袋体300と、接続部内袋体に空気を充填させることだけである。
なお、第3実施形態では、第1実施形態におけるアーチ部内袋114のすべてと、接続部内袋124のすべてを、複数本の小内袋310を有するアーチ部内袋体300、又は接続部内袋体としていたが、第1実施形態におけるアーチ部内袋114と、接続部内袋124のうちの任意のものだけを複数本の小内袋310を有するものに置き換えることももちろん可能である。
また、アーチ部内袋体300、或いは接続部内袋体の中の小内袋310を、第2実施形態の場合と同様に多重構造にすることも可能である。
≪第4実施形態≫
以下、第4実施形態について説明する。
第4実施形態は連続アーチに係る。第4実施形態の連続アーチは、第2実施形態の連続アーチ(変形例2も含む。)と略同様である。
第4実施形態の連続アーチが第2実施形態の連続アーチと異なるのは、第2実施形態の連続アーチの外皮210の中に配されていた内袋が、内袋体に置き換えられているという点である。第4実施形態における内袋体は、第3実施形態で説明したアーチ部内袋体300と同じ構成とされている。
なお、第4実施形態における連続アーチの外皮には、第3実施形態の場合と同様、その内部に配される内袋体が第2実施形態の外皮210の内部に配される内袋220よりも多くのバルブを備えていることに起因して、第2実施形態の外皮210よりも多くの孔が穿たれている。
第4実施形態の連続アーチは、第2実施形態の連続アーチと略同様の使い方をする。
異なるのは、第2実施形態において内袋220の中に空気を充填させたのに代えて、第4実施形態では、内袋体に空気を充填させることだけである。
なお、第4実施形態では、第2実施形態の連続アーチにおける内袋220のすべてを内袋体に置き換えることとしているが、第2実施形態の連続アーチに設けられた内袋220のうちの任意のものだけを、内袋体に置き換えることも可能である。
本発明の第1実施形態による連結アーチの構成を示す一部透視図を含む斜視図。 図1に示した連結アーチに含まれるアーチ部内袋の側面図。 本発明の第1実施形態の変形例による連結アーチとともに用いられるシートの構成を示す平面図。 第2実施形態の連続アーチの構成を示す破断図と透視図を含む斜視図。 図4で示した連続アーチの内部構成を示す断面図。 図4で示した連続アーチの内部構成を示す断面図。 図4で示した連続アーチに含まれる内袋の空気を充填した後の状態を示す図。 図4で示した連続アーチに含まれる内袋に空気を充填する前の状態を示す破断図。 本発明の第2実施形態の変形例による連続アーチとともに用いられるシートの構成を示す平面図。 本発明の第3実施形態の変形例による連結アーチが備えるアーチ部内袋体の一端付近の構成を示す正面図、及び透視側面図。 図10で示したアーチ部内袋体の変形例を示す斜視図。
符号の説明
100 連結アーチ
110 アーチ部
111 アーチ部外皮
114 アーチ部内袋
120 接続部
121 接続部外皮
124 接続部内袋
200 連続アーチ
210 外皮
211 外皮部材
212 内皮部材
213 接続部材
220 内袋
222 外内袋
223 内内袋
300 アーチ部内袋体
310 小内袋
S1 シート
S2 シート

Claims (14)

  1. 少なくともその側面を膜材によって形成され、且つその内部と連通された気体注入口を備えているとともに、外力を受けない状態で、前記気体注入口を介してその内部に気体を充填されたときの形状が直線状となる略円筒状の気密な内袋と、
    それ単体では気密性を保つことができない、柔軟な素材でできており、膜材を有する規制部材と、
    を備えており、
    前記規制部材は、筒状であり、その内部に前記内袋が入れられており、
    前記内袋と、前記規制部材とは、前記内袋の内部に気体を充填させたときに、互いに当接する前記内袋の外側面と前記規制部材の内側面とがテンションを与え合うことで、所定の形状を維持するようになっている、
    複数回の利用が可能とされた、エアビーム構造物。
  2. 前記筒状の規制部材は断面が略円形の部分を備えており、且つその断面が略円形の部分の直径は、前記内袋の直径と略同じか、又は前記内袋の直径より小さくなっている、
    請求項記載のエアビーム構造物。
  3. 前記規制部材は、外膜と、前記外膜と略相似形状とされ前記外膜と所定の個所で接続された内膜とを有しており、
    前記内袋は、前記外膜と前記内膜の間に配されている、
    請求項記載のエアビーム構造物。
  4. 前記外膜と前記内膜は、その間隔が前記内袋の直径と略同じか、又は前記内袋の直径より小さくなっている、
    請求項記載のエアビーム構造物。
  5. 前記外膜と前記内膜は、その一端と他端で前記外膜と前記内膜にそれぞれ接続された連結材によって接続されている、
    請求項記載のエアビーム構造物。
  6. 前記連結材は、前記外膜と前記内膜にその一端と他端でそれぞれ接続された、前記内袋の直径とその長さが略同じか、又はその長さが前記内袋の直径より小さくされた複数の紐である、
    請求項記載のエアビーム構造物。
  7. 前記連結材は、前記外膜と前記内膜にその幅方向の一端と他端でそれぞれ接続された、前記内袋の直径とその幅が略同じか、又はその幅が前記内袋の直径より小さくされた接続用膜材である、
    請求項記載のエアビーム構造物。
  8. 前記連結材は複数とされているとともに、前記内袋は、前記連結材のうちの隣接して配された所定の2つの連結材の間に配されるようになっており、且つ前記連結材のうち1つの内袋を挟む関係にある隣接する連結材は、それらの間隔が前記内袋の直径に略等しいか、又は前記内袋の直径よりも小さくなるようにされている、
    請求項のいずれかに記載のエアビーム構造物。
  9. 前記内袋は、気密な袋を入れ子構造にした多重構造とされており、且つその最も内側の袋の中に気体が充填されるようになっている、
    請求項1記載のエアビーム構造物。
  10. 前記エアビーム構造物が設置される場所を覆うように敷くことのできるシートを更に備えているとともに、
    前記エアビーム構造物の前記シートの上に位置する部分である主構造部の下面の所定の場所が前記シートに対して固定されている、
    請求項1記載のエアビーム構造物。
  11. 前記エアビーム構造物が設置される場所を覆うように敷くことのできるシートを更に備えているとともに、
    前記エアビーム構造物の前記シートの上に位置する部分である主構造部の下面の所定の場所に前記シートに対する固定を着脱自在に行うことのできる固定手段が設けられている、
    請求項1記載のエアビーム構造物。
  12. 少なくともその側面を膜材によって形成され、且つその内部と連通された気体注入口を備えているとともに、外力を受けない状態で、前記気体注入口を介してその内部に気体を充填されたときの形状が直線状となる略円筒状の気密な小内袋であって、その長さが略揃えられた複数のものを、それら小内袋の両端を略揃えた状態で束ねてなる内袋体と、
    それ単体では気密性を保つことができない、柔軟な素材でできており、膜材を有する規制部材と、
    を備えており、
    前記規制部材は、筒状であり、その内部に前記内袋体が入れられており、
    前記内袋体と、前記規制部材とは、前記小内袋のそれぞれの内部に気体を充填させたときに、互いに当接する前記内袋体の外側面と前記規制部材の内側面とがテンションを与え合うことで、所定の形状を維持するようになっている、
    複数回の利用が可能とされた、エアビーム構造物。
  13. 前記内袋体は、前記複数の小内袋をその内部に挿入することにより前記複数の小内袋を束ねることのできるものとされ、且つ前記小内袋の長手方向がその軸方向となる、膜材にて形成の筒状の外袋を備えている、
    請求項12記載のエアビーム構造物。
  14. 前記外袋は、円筒形状とされている、
    請求項13記載のエアビーム構造物。
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