JP4693493B2 - キャブチルト装置 - Google Patents
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Description
シリンダ室内のキャブ側端部には、ピストンロッドを摺動自在に支承するためのブッシュが嵌入されており、ピストンロッドにはグリースが塗布されている。ブッシュにはパッキンがブッシュの内周とピストンロッドの外周とのクリアランスをシールするように装着されている。
(1)キャブとフレームとの間に介設されてキャブをチルトさせるチルト用シリンダ装置を備えており、前記チルト用シリンダ装置はシリンダ本体と、このシリンダ本体のシリンダ室内に摺動自在に嵌入されたピストンと、このピストンに一端部が固定されて外周にグリースが塗布されたピストンロッドと、前記シリンダ室内の一端部に嵌入されて前記ピストンロッドを摺動自在に支承するブッシュと、このブッシュに保持されて内周面が前記ピストンロッドの外周面に押接するパッキンと、を備えているキャブチルト装置において、 前記ブッシュは蓋部材と本体部材とによって構成されており、前記パッキンが前記蓋部材と前記本体部材との間に形成された収納室に収納されており、
前記蓋部材の内周面にはグリース溜め溝が没設されており、
前記蓋部材の内周面における前記グリース溜め溝の前記キャブ側の片脇にはグリース均しリングが嵌着されている、
ことを特徴とするキャブチルト装置。
(2)キャブとフレームとの間に介設されてキャブをチルトさせるチルト用シリンダ装置を備えており、前記チルト用シリンダ装置はシリンダ本体と、このシリンダ本体のシリンダ室内に摺動自在に嵌入されたピストンと、このピストンに一端部が固定されて外周にグリースが塗布されたピストンロッドと、前記シリンダ室内の一端部に嵌入されて前記ピストンロッドを摺動自在に支承するブッシュと、このブッシュに保持されて内周面が前記ピストンロッドの外周面に押接するパッキンと、を備えているキャブチルト装置において、 前記パッキンが前記ブッシュに形成された収納室に収納されており、
前記ブッシュの内周面における前記キャブ側端部にはグリース溜め溝が没設されており、
前記ブッシュの内周面における前記グリース溜め溝の前記キャブ側の片脇にはグリース均しリングが嵌着されており、
前記シリンダ室の内周面の前記キャブ側端部には、前記キャブ側が大径となる雌テーパ形状に形成された雌係合部と、環状溝形状に形成された抜け止め溝とが奥側から順次に間隔を置かれて並設されており、
前記ブッシュの外周面の中間部には前記キャブ側が大径になるテーパ形状の雄係合部が形成されており、前記ブッシュのキャブ側端の外周面には面取り部が形成されており、
前記ブッシュが前記シリンダ室内の前記キャブ側端部に嵌入された状態において、前記雄係合部が前記雌係合部に前記キャブ側から係合することにより、前記ブッシュが前記フレーム側端を位置規制し、前記抜け止め溝にストッパリングが嵌入され、このストッパリングが前記面取り部に前記キャブ側から係合されることにより、前記ブッシュは前記キャブ側端を位置規制している、
ことを特徴とするキャブチルト装置。
(3)前記シリンダ室の内周面の前記キャブ側端部には、前記キャブ側が大径となる雌テーパ形状に形成された雌係合部と、環状溝形状に形成された抜け止め溝とが奥側から順次に間隔を置かれて並設されており、
前記本体部材の外周面の中間部には前記キャブ側が大径になるテーパ形状の雄係合部が形成されており、前記蓋部材のキャブ側端の外周面には面取り部が形成されており、
前記ブッシュが前記シリンダ室内の前記キャブ側端部に嵌入された状態において、前記雄係合部が前記雌係合部に前記キャブ側から係合することにより、前記ブッシュが前記フレーム側端を位置規制し、前記抜け止め溝にストッパリングが嵌入され、このストッパリングが前記面取り部に前記キャブ側から係合されることにより、前記ブッシュは前記キャブ側端を位置規制している、
ことを特徴とする前記(1)に記載のキャブチルト装置。
グリースの塗布膜に破断が発生するのを防止することにより、パッキンとピストンロッドとの間でスティックスリップが起こるのを防止することができるので、それに伴う振動や発音現象が発生するのを未然に防止することができる。
ピストン23にはピストンロッド25の一端部が固定されており、ピストンロッド25はキャブ側油圧室22bを貫通して本体21のキャブ側端から外部に突出されている。
シリンダ室22内のキャブ側端部には、ピストンロッド25を摺動自在に支承するためのブッシュ28が嵌入されている。
ブッシュ28はキャブ側端部に大径部29aを有する円筒形状の本体部材29と、フレーム側端部に小径部30aを有する円筒形状の蓋部材30とを備えており、蓋部材30の小径部30aが本体部材29の大径部29aに圧入されることによって、本体部材29と蓋部材30とは一体的に固定されている。
本体部材29の大径部29aと蓋部材の小径部30aとが画成した収納室31には、ウレタン樹脂またはゴムによって形成されたパッキン32が収納されている。パッキン32は断面が略U字形のリング形状に形成されており、U字の立ち上がり面の一方が形成するリングの内周面がピストンロッド25の外周面に全体にわたって均一に押接するようになっている。このパッキン32のピストンロッド25との押接により、ブッシュ28の内周とピストンロッド25の外周とのクリアランスがシールされている。
この状態で、ストッパリング35がシリンダ室22の抜け止め溝27に嵌入され、このストッパリング35が蓋部材30のキャブ側端の外周面に形成された面取り部34にキャブ側から係合されることにより、ブッシュ28はキャブ側端を位置規制している。
本実施の形態においては、グリース溜め溝38の半径は、0.5mm、半円形の断面積は、約0.39mm2 に設定されている。
グリース溜め溝38の半円形の半径の許容範囲は、0.5mm±0.15mm程度である。したがって、グリース溜め溝38の断面積の許容範囲は、0.19mm2 〜0.66mm2 程度である。
蓋部材30の内周面のグリース溜め溝38のキャブ側寄りの部位には、収納溝39が環状溝形状に没設されており、収納溝39にはグリース均しリング40が収納されている。グリース均しリング40はピストンロッド25の外周面に塗布されたグリース41(図4参照)を均しながらグリース溜め溝38に溜めて行く機能を発揮するように構成されている。
また、シリンダ室22のフレーム側開口部には弁ユニット43が、シリンダ室22の開口を閉塞するように嵌着されている。
上げ側油路51は本体21のフレーム側油圧室(以下、上げ側油圧室という。)22aに流体的に接続されており、下げ側油路52は本体21のキャブ側油圧室(以下、下げ側油圧室という。)22bに流体的に接続されている。
切換弁55は4ポート・2位置・手動操作形切換弁として構成されており、切換レバー55aによって切換操作されるようになっている。切換弁55は、通常時にはキャブチルトダウンの位置に設定される。
すなわち、上げ側油路51の負荷ポートaがタンクポートTに、かつ、下げ側油路52の負荷ポートbがポンプポートPにそれぞれ接続される。キャブをチルトアップさせるために切換レバー55aをチルトアップの位置に切り換えた時には、上げ側油路51の負荷ポートaがポンプポートPに、かつ、下げ側油路52の負荷ポートbがタンクポートTにそれぞれ接続されるように構成されている。
第一上げ側パイロット逆止弁56、第二上げ側パイロット逆止弁58および下げ側パイロット逆止弁57は、油圧が予め設定されたパイロット圧力値未満である時にチルト用シリンダ装置20側から切換弁55側への流れを阻止し、設定されたパイロット圧力値以上になるとその流れを許容するようにそれぞれ構成されている。
第一上げ側パイロット逆止弁56、第二上げ側パイロット逆止弁58および下げ側パイロット逆止弁57は、チルト用シリンダ装置20の本体21のフレーム側端部に嵌着された弁ユニット43に配設されている(図2参照)。
なお、図5中、60は非常用の手動ポンプ、61はタンク54に設置されたフィルタ、62はリリーフ弁、63は安全弁である。
次いで、ポンプスイッチがオンにされてモータMが回転してポンプ53が駆動されると、図5において、ポンプ53の圧油が切換弁55により上げ側油路51の負荷ポートaに圧送される。上げ側油路51の負荷ポートaに圧送された圧油は、第二上げ側パイロット逆止弁58および第一上げ側パイロット逆止弁56を通じてチルト用シリンダ装置20の本体21の上げ側油圧室22aに流入し、ピストンロッド25を伸長作動させることにより、キャブ13をフレーム11から持ち上げて行きチルトアップさせて行く。
この際、ピストンロッド25を伸長作動させるためには、本体21の下げ側油圧室22bの圧油を排出させる必要がある。
本実施の形態においては、上げ側油路51のパイロット通路の油圧が下げ側パイロット逆止弁57に設定されたパイロット圧力値以上になると、下げ側パイロット逆止弁57が開かれるため、本体21の下げ側油圧室22bの圧油は、下げ側油路52の下げ側パイロット逆止弁57、切換弁55の負荷ポートbおよびタンクポートTを経由してタンク54に排出される。したがって、チルト用シリンダ装置20のピストンロッド25は伸長作動してキャブ13をチルトアップさせることができる。
次に、ポンプスイッチがオンされて、ポンプ53がモータMによって駆動されると、ポンプ53の圧油が下げ側油路52の負荷ポートbに圧送される。下げ側油路52の負荷ポートbに圧送された圧油はチルト用シリンダ装置20の本体21の下げ側油圧室22bに下げ側パイロット逆止弁57を通じて流入し、伸長したピストンロッド25を短縮作動させることにより、キャブ13をチルトダウンさせて行く。
この際、ピストンロッド25が短縮作動するためには、本体21の上げ側油圧室22aの圧油を排出させる必要がある。
本実施の形態においては、第一上げ側パイロット逆止弁56のパイロット通路の圧力が第一上げ側パイロット逆止弁56に設定されたパイロット圧力値以上になると、第一上げ側パイロット逆止弁56が開かれるため、本体21の上げ側油圧室22aの圧油は、第一上げ側パイロット逆止弁56、第二上げ側パイロット逆止弁58および切換弁55の負荷ポートaを経由してタンク54に排出される。したがって、チルト用シリンダ装置20のピストンロッド25は短縮作動してキャブ13をチルトダウンさせることができる。
このように大きな推力を備えた従来のキャブチルト装置においては、チルト用シリンダ装置の短縮作動に際して、図4(a)に示されているように、ピストンロッド25の外周面に塗布されたグリース41が掻き取られて、グリース41の塗布膜に破断が発生することにより、パッキン32のピストンロッド25の露出面との摩擦によってスティックスリップが起こるために、振動や発音現象が発生する場合がある。
しかし、本実施の形態においては、ブッシュ28におけるパッキン32のキャブ側の片脇にグリース溜め溝38が没設されているとともに、グリース溜め溝38のキャブ側の片脇にグリース均しリング40が嵌着されていることにより、グリース41の塗布膜に破断が発生するのを防止することができるので、パッキン32とピストンロッド25との間でスティックスリップが起こるのを防止することができ、それに伴う振動や発音現象が発生するのを未然に防止することができる。
すなわち、本実施の形態によれば、図4(b)に示されているように、ピストンロッド25の短縮作動に伴って、グリース均しリング40がピストンロッド25の外周面に塗布されたグリース41を均しながらグリース溜め溝38に溜めるとともに、グリース溜め溝38に溜められたグリース41を均一に塗布して行くので、グリース41の塗布膜に破断が発生するのを防止することができる。
この場合も、各グリース溜め溝は浅く形成することが望ましい。
Claims (3)
- キャブとフレームとの間に介設されてキャブをチルトさせるチルト用シリンダ装置を備えており、前記チルト用シリンダ装置はシリンダ本体と、このシリンダ本体のシリンダ室内に摺動自在に嵌入されたピストンと、このピストンに一端部が固定されて外周にグリースが塗布されたピストンロッドと、前記シリンダ室内の一端部に嵌入されて前記ピストンロッドを摺動自在に支承するブッシュと、このブッシュに保持されて内周面が前記ピストンロッドの外周面に押接するパッキンと、を備えているキャブチルト装置において、
前記ブッシュは蓋部材と本体部材とによって構成されており、前記パッキンが前記蓋部材と前記本体部材との間に形成された収納室に収納されており、
前記蓋部材の内周面にはグリース溜め溝が没設されており、
前記蓋部材の内周面における前記グリース溜め溝の前記キャブ側の片脇にはグリース均しリングが嵌着されている、
ことを特徴とするキャブチルト装置。 - キャブとフレームとの間に介設されてキャブをチルトさせるチルト用シリンダ装置を備えており、前記チルト用シリンダ装置はシリンダ本体と、このシリンダ本体のシリンダ室内に摺動自在に嵌入されたピストンと、このピストンに一端部が固定されて外周にグリースが塗布されたピストンロッドと、前記シリンダ室内の一端部に嵌入されて前記ピストンロッドを摺動自在に支承するブッシュと、このブッシュに保持されて内周面が前記ピストンロッドの外周面に押接するパッキンと、を備えているキャブチルト装置において、
前記パッキンが前記ブッシュに形成された収納室に収納されており、
前記ブッシュの内周面における前記キャブ側端部にはグリース溜め溝が没設されており、
前記ブッシュの内周面における前記グリース溜め溝の前記キャブ側の片脇にはグリース均しリングが嵌着されており、
前記シリンダ室の内周面の前記キャブ側端部には、前記キャブ側が大径となる雌テーパ形状に形成された雌係合部と、環状溝形状に形成された抜け止め溝とが奥側から順次に間隔を置かれて並設されており、
前記ブッシュの外周面の中間部には前記キャブ側が大径になるテーパ形状の雄係合部が形成されており、前記ブッシュのキャブ側端の外周面には面取り部が形成されており、
前記ブッシュが前記シリンダ室内の前記キャブ側端部に嵌入された状態において、前記雄係合部が前記雌係合部に前記キャブ側から係合することにより、前記ブッシュが前記フレーム側端を位置規制し、前記抜け止め溝にストッパリングが嵌入され、このストッパリングが前記面取り部に前記キャブ側から係合されることにより、前記ブッシュは前記キャブ側端を位置規制している、
ことを特徴とするキャブチルト装置。 - 前記シリンダ室の内周面の前記キャブ側端部には、前記キャブ側が大径となる雌テーパ形状に形成された雌係合部と、環状溝形状に形成された抜け止め溝とが奥側から順次に間隔を置かれて並設されており、
前記本体部材の外周面の中間部には前記キャブ側が大径になるテーパ形状の雄係合部が形成されており、前記蓋部材のキャブ側端の外周面には面取り部が形成されており、
前記ブッシュが前記シリンダ室内の前記キャブ側端部に嵌入された状態において、前記雄係合部が前記雌係合部に前記キャブ側から係合することにより、前記ブッシュが前記フレーム側端を位置規制し、前記抜け止め溝にストッパリングが嵌入され、このストッパリングが前記面取り部に前記キャブ側から係合されることにより、前記ブッシュは前記キャブ側端を位置規制している、
ことを特徴とする請求項1に記載のキャブチルト装置。
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