JP4693312B2 - 道路標識用カバー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路工事の際に既設の標識の表示を一時的に覆うためのカバーに関する。
【0002】
【従来の技術】
道路に沿って設置されている標識には、規制標識、指示標識、案内標識、誘導標識など各種の標識があるが、道路工事の際に当該工事区間において既設標識の表示内容の変更を要するのは主として規制標識である。たとえば速度規制標識は、通行車輌の規制最高速度を表示した標識であるが、工事区間においては速度制限が必要であり、既設標識の表示をそのままにしてはおけないので、工事期間中は既設標識の表示を覆うことが行われている。
【0003】
既設標識の表示を覆うために従来は、不透明な合成樹脂製または布製の袋を表示板に被せて、表示板全体を覆うようにしていた。表示板全体を覆うことで、表示内容が目隠しされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、既設標識の表示板に袋を被せる従来の方法は、高い位置にある表示板に袋を被せて紐で縛るなどの作業が非能率的であり、また、強風により袋が膨らんで飛ばされることがある。また、袋の形態ではなんらかの表示を施すこともできないので、たんに目隠しだけの効果しかなく、工事期間中に既設標識を利用してなんらかの表示をすることもできない。さらに、袋を被せた標識は異様な外観となるので、道路沿いにいくつもの袋を被せた標識が現れるのは通行車輌の運転者にとって不快なものである。
【0005】
本発明の目的は、工事期間中の既設標識の表示板を覆うカバーとして、表示板への取り付けが簡単確実で、表示板としても利用できる道路標識用カバーを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の道路標識用カバーは、道路に沿って設置された標識の表示板を一時的に覆うための板状体からなるカバーであって、合成樹脂製または金属製の板状体の周縁部の複数箇所にスリットを形成し、既設標識の表示板の周縁部の一部を前記スリットに嵌め込むことによって板状体を既設標識の表示板に取り付ける構成としたことを特徴とする。
【0007】
本発明の道路標識用カバー(以下、たんにカバーという)においては、既設表示板の周縁部の一部を板状体に形成したスリットに嵌め込むことによって板状体を表示板に取り付ける構成としたので、表示板への板状体の取り付けを簡単に行うことができる。また、従来の袋の場合のように風で膨らむこともないので、強風が吹いても表示板から外れることはない。
【0008】
ここで、前記板状体の外郭形状を既設標識の表示板の外郭形状と異なる形状とするのが望ましい。たとえば、既設標識の表示板が円形の場合、カバーの板状体を表示板より大きい四角形とすることにより、このカバーが既設標識の表示板とは異なるものであることが一見してわかるので、工事終了後にカバーの取り外しを忘れたままとなることがない。
【0009】
また、前記板状体に既設標識の表示板とは異なる表示を施すことができる。たとえば、カバーの板状体に「作業中」の表示を施して通行車輌の運転者に対して当該区間でなんらかの工事が行われていることを視認させることができ、また、「右に寄れ」の表示を施して通行車輌を誘導することもできる。
また、既設標識の表示が液晶表示によるものである場合は、本発明のカバーの板状体は非透光性の材料で作成するものとする。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態における道路標識用カバーを示す図であり、図2は図1の道路標識用カバーの使用状態を示す図である。
【0011】
図1において、(a)は正面図で、(b)はA−A線断面図である。カバー10は、ポリプロピレン製のプレート11の上下にそれぞれスリット12aと12bを形成し、表面に表示を施したものである。
【0012】
プレート11の形状寸法は、一辺約600〜900mmの正方形で厚さは約1mmである。スリット12a,12bは、後述する表示板20(図2参照)の上下の一部がスリット12a,12bを通してプレート11の表面側に現れる位置に形成する。スリット12a,12bの大きさは、本実施形態では幅約10mm、長さ約300〜500mmである。プレート11の表面には「作業中」の文字13aと、表示板20の表示の一部と重なるリング状のマーク13bを印刷により表示している。
【0013】
図2において、(a)はカバー10を既設標識の表示板20に取り付けた状態を示し、(b)は(a)のB−B線断面図で、表示板20の上下の一部をプレート11のスリット12a,12bに通した状態を示す。
【0014】
この実施形態における既設標識は速度規制標識であり、表示板20には速度規制値をリング状のマーク21で囲んだ表示がなされている。工事期間中は速度制限の必要があり、表示板20の速度規制は適用されないので、表示板20にカバー10を被せて速度規制の表示が見えないようにする。
【0015】
カバー10の表示板20への取り付けは、図2に示すように、カバー10の弾性を利用して、カバー10のスリット12a,12bに表示板20の上下の一部を通すことにより、カバー10の上部のスリット12aが表示板20の上部周縁に係止され、下部のスリット12bが表示板20の下部周縁に係止されて、カバー10が表示板20に固定される。
【0016】
カバー10の取り付けにより、表示板20の表示は隠されて見えなくなり、カバー10には「作業中」の文字13aが表示されているので、通行中の車輌の運転手にはカバー10の表示が明瞭に視認され、工事に支障のないように速度調整がなされる。工事終了後は表示板20からカバー10を取り外し、次の工事の際に繰り返し使用することができる。
【0017】
図3の(a),(b)は本発明に係るカバーに形成するスリットの他の形状の例を示す図である。(a)において、Pはプレート、Sはスリットであり、一点鎖線で示す円形または四角形は既設標識の表示板Rであり、図1の実施形態のカバーを90度回転させたものである。(b)は別の実施形態のカバーであり、プレートPの対角線上の2箇所にスリットSを形成したものであり、既設標識の表示板Rの角部の一部をスリットSに通して係止できるようになっている。
【0018】
【発明の効果】
(1)本発明の道路標識用カバーは、既設の表示板の周縁部の一部を板状体の複数箇所に形成したスリットに嵌め込むことによって板状体を表示板に取り付ける構成としたので、表示板への板状体の取り付けを簡単に行うことができる。また、従来の袋の場合のように風で膨らむこともないので、強風が吹いても表示板から外れることはない。
【0019】
(2)カバーの板状体の外郭形状を既設標識の表示板の外郭形状と異なる形状とすることにより、カバーが既設標識の表示板とは異なるものであることが一見してわかるので、工事終了後にカバーの取り外しを忘れたままとなることがない。
また板状体に既設標識の表示板とは異なる表示を施すことにより、通行車輌の運転者に対して工事に関連した情報を伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態における道路標識用カバーを示す図である。
【図2】 図1の道路標識用カバーの使用状態を示す図である。
【図3】 カバーに形成するスリットの他の形状の例を示す図である。
【符号の説明】
10 カバー
11 プレート
12a,12b スリット
13a 文字
13b マーク
20 表示板
21 マーク
P プレート
S スリット
R 表示板
Claims (3)
- 道路に沿って設置された標識の表示板を一時的に覆い、前記表示板の表示を見えなくすると共に、前記表示板の表示内容を変更する板状体からなるカバーであって、合成樹脂製または金属製の板状体の周縁部の複数箇所にスリットを形成し、既設標識の表示板の周縁部の一部を前記スリットに嵌め込むことによって板状体を既設標識の表示板に取り付ける構成とした道路標識用カバー。
- 前記板状体の外郭形状を既設標識の表示板の外郭形状と異なる形状とした請求項1記載の道路標識用カバー。
- 前記板状体に既設標識の表示板とは異なる表示を施した請求項1または2記載の道路標識用カバー。
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