JP4692161B2 - 中継器及び光通信システム - Google Patents

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Description

本発明は、光パケットの伝送を中継する中継器と、中継器により光パケットを伝送する光通信システムに関する。
近年、光信号によってデータ通信を行う光通信システムが普及している。このような光通信システムにおいて、電気信号によるデータ通信と同様に、パケット通信が行われつつある(例えば、特許文献1〜3参照。)。データ通信におけるパケット通信とは、データをパケットと呼ばれる小さな塊に分けて送受信を行う通信のことである。
図4を参照して、従来の中継器による光パケットのスイッチングについて説明する。図4において、光パケットP1が光伝送路200(例えば、光ファイバ等の光導波路)によって伝送され、中継器201に入力される。中継器201は、光パケットP1のヘッダ部に含まれるあて先アドレス、送信元アドレスを参照して、光パケットP1を伝送する経路を選択する。中継器201は、例えば、光伝送路205を選択して後段の中継器203に光パケットP2を出力する。このように、光パケットの行き先制御、即ち、経路のスイッチングを行う中継器は、ネットワークスイッチと呼ばれる。
MPLS(Multi-Protocol Label Switching)等に代表されるラベルを用いた通信において、中継器間を転送される光パケットは、図5に示すように、ラベル部とペイロード部から構成される。ラベル部は、光パケットのヘッダ部に存在し、あて先アドレス、送信元アドレス、各種設定情報等が設定されている。ペイロード部には、データ情報又はイーサネット(登録商標)等の他通信規格のフレームが格納されている。
光パケットのラベル部(以下、単に「ラベル」と言う。)は中継器毎に付け替えることがある。図6に示すように、光伝送路200を伝送する光パケットP3はラベルAを有し、ラベルAは、あて先アドレスが中継器201を示しているものとする。光伝送路200を通った光パケットP3を受信した中継器201では、光パケットP3のラベルが、ラベルAからラベルBに付け替えられる。ここで、ラベルBは、あて先アドレスが中継器203を示し、送信元アドレスが中継器201を示すアドレス情報を有するものとする。ラベルBに付け替えられた光パケットP4は、光伝送路205を通って中継器203に転送される。以上のような流れによって、光パケットは、中継器によって選択された光伝送路へと転送される。
次に、図7を参照して、図6に示したパケット通信における中継器201での動作について説明する。
光伝送路200を通って中継器201に入力した光パケットP3は、光ポート206において光信号から電気信号に変換され、パケット処理部209へと取り込まれる。電気信号化された光パケットP3のラベルは、パケット処理部209又は記憶部210においてラベルAからラベルBに付け替えられ、ラベルBのあて先アドレスに対応する中継器203が接続されている光伝送路205に接続された光ポート208に転送される。なお、パケット処理部209が、一旦、記憶部210に電気信号化されたパケットを格納してから、転送先の光ポート208に転送する場合や、記憶部210にパケットを格納することなく、直接光ポート208に転送する場合もある。光ポート208では、ラベルBに付け替えられた光パケットが、電気信号から光信号へと変換され、光伝送路205へ光パケットP4として転送される。
なお、光パケット通信以外の電気的なパケット通信の場合においても、ラベル付け替えに関する動作は、上述の光電変換に関する内容を除いてほぼ同一のものとなる。
特開2001−24697号公報 特開2002−84228号公報 特開2005−64871号公報
図7に示すように、従来の中継器では、パケット処理部209、記憶部210が電気処理によってパケット処理を行うため、光ポートにおいて、光信号から電気信号への変換と、電気信号から光信号への変換が必須であった。これにより、以下のような問題点があった。
光パケットのラベルを付け替える際、光信号である光パケットを電気信号に変換した上で、電気処理によりラベルの付け替えを行い、ラベルが付け替えられた光パケットを電気信号から光信号に変換することにより、新たなラベルを有する光信号の光パケットに戻す。電気処理の速度は、光通信における速度に比べると遥かに低速であるため、ラベルの付け替えに長い処理時間を必要とし、中継器内で遅延が発生してしまう。従って、光パケットが複数の中継器を通過する場合、中継器毎に遅延が発生するため、中継にかかる時間が長くなり、光通信システム全体として大幅な遅延が発生してしまうという問題があった。
本発明の課題は、光パケットのラベルの付け替えを高速に行うことが可能な光通信を実現することである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、あて先情報を含むラベル部と、データ情報を含むペイロード部との間に、破損しても無害のギャップ部を有する光パケットから、当該光パケットのあて先を認識する認識手段と、
前記認識手段による認識結果に基づいて新たにラベル部を生成する生成手段と、
前記生成されたラベル部、前記ギャップ部及び前記ペイロード部を出力する出力手段と、を備え、
前記出力手段は、前記生成されたラベル部の出力後、前記ギャップ部の通過時間に、出力する光信号を前記光パケットに切り替え、当該光パケットのペイロード部を出力することを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の中継器において、前記出力手段は、
前記生成されたラベル部、前記ギャップ部、前記ペイロード部の中から、出力する光信号を選択する選択手段と、
前記選択手段の選択によって出力された光信号を合成する合波手段と、を備え、
前記選択手段は、前記生成されたラベル部の出力後、前記ギャップ部の通過時間に、出力する光信号を前記光パケットに切り替えることを特徴としている。
請求項3に記載の光通信システムは、請求項1又は2に記載の中継器を所定のネットワーク上に設け、当該中継器により前記光パケットを伝送することを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の光通信システムにおいて、前記中継器は、リング型ネットワーク上に設けられていることを特徴としている。
本発明によれば、ラベル部とペイロード部との間にギャップ部を備えた光パケットのラベルの付け替え処理を、光信号のままで行うことにより、ラベル部の付け替え処理を高速化することが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
図1に、本実施形態における光パケットの構造を示す。図1に示すように、本実施形態の光パケットは、ラベル部、ギャップ部、ペイロード部から構成される。ギャップ部は、通信中に破損しても害がなく、ラベル部とペイロード部の間に設けられている。ラベル部には、あて先アドレス、送信元アドレス、各種設定情報等が設定され、ペイロード部には、データ情報又はイーサネット(登録商標)等の他通信規格のフレームが格納されている。以下、ラベル部、ギャップ部、ペイロード部を、それぞれ、ラベル、ギャップ、ペイロードと呼ぶことにする。
図2に、本発明の実施形態に係る光通信システム1Sの構成と、光通信システム1Sを構成する中継器2の内部構成を示す。光通信システム1Sは、図2に示すように、光伝送路を介して接続された複数の中継器から構成され、これらの中継器は、例えば、リング型ネットワーク等のネットワーク上に設けられている。図2では、光通信システム1Sが、4台の中継器1〜4から構成された場合を示しているが、光通信システム1Sを構成する中継器の台数は限定されない。
次に、中継器2の内部構成について説明する。なお、光通信システム1Sを構成する各中継器の内部構成は同一である。中継器2は、図2に示すように、ラベル認識回路20、ラベル生成回路21、光スイッチ22、光スイッチ23、光カプラ24、光スイッチ25により構成される。以下では、光伝送路5により中継器2に入力された光パケットのラベルをラベルAとする。
ラベル認識回路20は、光伝送路5により入力された光パケットのラベルAを認識し、認識されたラベルAから、光パケットの行き先を決定し、その行き先に応じた新たなラベルBを決定し、決定されたラベルBの情報をラベル生成回路21に出力する。また、ラベル認識回路20は、決定された行き先の情報を光スイッチ25に出力する。
ラベル生成回路21は、ラベル認識回路20で決定されたラベルBを生成し、生成されたラベルBを光スイッチ22に出力する。
光スイッチ22は、ラベル生成回路21からラベルBが入力されている間、入力されたラベルBを光カプラ24に出力する。光スイッチ23は、光カプラ24へラベルBが出力されている間、光伝送路5により中継器2に入力された光パケットのラベルAを破棄する。そして、光スイッチ23は、光パケットのギャップが通過している間に、光信号の出力先を光カプラ24に切り替える。
光カプラ24は、光スイッチ22及び光スイッチ23から入力された光信号を合成し、合成された光信号を光スイッチ25に出力する。光スイッチ22及び光スイッチ23の動作により、光カプラ24では、図3に示すように、ラベルB、ギャップ、ペイロードの順に光信号が合流し、新たなラベルBを有する光パケットが生成されることになる。
光スイッチ25は、ラベル認識回路20から入力された行き先情報に基づいて、光パケットの光伝送路を選択し、光カプラ24から入力された光パケットを、その選択された光伝送路に転送する。図3では、光スイッチ25が、中継器4に接続された光伝送路6を選択した場合(図中の実線の矢印)を示しており、この場合、ラベルBを有する光パケットは、光伝送路6を経由して中継器4に到達することになる。
なお、中継器2を構成する光スイッチ22、光スイッチ23、光カプラ24、光スイッチ25を1つの光素子(例えば、8入力8出力の光素子等)で実現することも可能である。
従来のように光パケットにギャップがない場合(図5参照)、ラベル生成回路21と光スイッチ22と光スイッチ23の動作を、光パケットのビットクロックに完全に同期させる必要がある。同期していない場合、ラベルBとペイロードの接合部においてビット同期がなくなるため、余分な隙間ができたり、重なりが起きてしまうことにより、光パケットが破損してしまう。ラベル生成回路21と光スイッチ22と光スイッチ23の動作を、光パケットのビットクロックに完全に同期させるためには、ラベル認識回路20やラベル生成回路21等を高速に駆動させ、且つ、各部の動作クロックを同期させる必要があるが、各部の機能を、高速な同期系で設計することは極めて困難である。
これに対し、本実施形態のように、光パケットにギャップが存在する場合、このギャップを、光スイッチ22と光スイッチ23が切り替わるための時間に用いることが可能となる。光パケットのデータとして意味をもたないギャップが光スイッチ23を通過する間に、光スイッチ22と光スイッチ23を切り替えることにより、ラベル生成回路21と光スイッチ22と光スイッチ23の動作が、光パケットのビットクロックに完全に同期していなくても、ラベルBとペイロードは重なり合うことがなくなり、光カプラ24において、正しく合流することが可能となる。
ラベル生成回路21と光スイッチ22と光スイッチ23の動作が、光パケットのビットクロックに完全に同期していない場合、ラベルが付け替えられた新しい光パケット内では、ラベルBとペイロードの間でビットクロックが異なってしまう。最終的にこの光パケットを受信する受信器では、光パケットを電気信号に変換する必要があるが、ラベルBに合うビットクロック、ペイロードに合うビットクロックで正しく読み出す。又は、受信器側で、ペイロードのみを電気信号に変換し、ラベルを無視するようにしてもよい。
以上のように、本実施形態によれば、ラベルとペイロードの間にギャップを有する光パケットのラベルの付け替えを、電気処理によらずに光信号のままで行うことにより、ラベルの付け替え処理を高速化することが可能となる。即ち、ラベルの付け替えの際に電気変換をしない中継器又は最小限の電気変換のみを行う中継器の遅延要素は、中継器内部に存在する光伝送路分のみであるため、その遅延時間は、光パケットを光電変換する従来の中継器よりも遥かに短縮されることになる。従って、中継器1台あたりの転送遅延が短縮されるため、複数台の中継器を経由しても、光通信システム全体としての遅延時間は大幅に短縮される。
また、光パケットのギャップの通過時間を使用してラベルの付け替えを行うことにより、ラベルの付け替え処理が簡易化されるとともに、ラベルとペイロードとの間に余分な隙間ができたり、重なりが起きてしまうことがなく、光パケットの破損を防止することが可能となる。更に、光パケットを光電変換する従来の中継器のような大規模な電気回路を搭載させる必要がないため、中継器の回路規模を抑制するとともに、回路を単純化させることが可能となる。
本発明の実施形態における光パケットの構造を示す図。 本発明の実施形態に係る光通信システムを構成する中継器の内部構成と、当該中継器によるラベルの付け替え動作を示す図。 本実施形態の中継器によるラベルの付け替え動作を示す図。 従来の光通信システムの中継器による光パケットのスイッチングを説明するための図。 従来の光パケットの構造を示す図。 光パケットにおけるラベルの付け替えを説明するための図。 従来の中継器内の動作を示す図。
符号の説明
1、2、3、4 中継器
20 ラベル認識回路
21 ラベル生成回路
22、23、25 光スイッチ
24 光カプラ
1S 光通信システム

Claims (4)

  1. あて先情報を含むラベル部と、データ情報を含むペイロード部との間に、破損しても無害のギャップ部を有する光パケットから、当該光パケットのあて先を認識する認識手段と、
    前記認識手段による認識結果に基づいて新たにラベル部を生成する生成手段と、
    前記生成されたラベル部、前記ギャップ部及び前記ペイロード部を出力する出力手段と、を備え、
    前記出力手段は、前記生成されたラベル部を出力後、前記ギャップ部の通過時間に、出力する光信号を前記光パケットに切り替え、当該光パケットのペイロード部を出力することを特徴とする中継器。
  2. 前記出力手段は、
    前記生成されたラベル部、前記ギャップ部、前記ペイロード部の中から、出力する光信号を選択する選択手段と、
    前記選択手段の選択によって出力された光信号を合成する合波手段と、を備え、
    前記選択手段は、前記生成されたラベル部の出力後、前記ギャップ部の通過時間に、出力する光信号を前記光パケットに切り替えることを特徴とする請求項1に記載の中継器。
  3. 請求項1又は2に記載の中継器を所定のネットワーク上に設け、当該中継器により前記光パケットを伝送することを特徴とする光通信システム。
  4. 前記中継器は、リング型ネットワーク上に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の光通信システム。
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