JP4691220B2 - 電設部材の支持具 - Google Patents

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Description

本発明は、照明器具を固定する引掛シーリングや各種感知器等の電設部材を支持して建物の天井面等に固定するための電設部材の支持具に関するものである。
従来より、前記各種の電設部材の天井面への取付けにおいては、二重天井の空間である天井裏に電源ケーブルを配設し、これを天井面に設けられた挿通孔から引出して前記電設部材に接続したり、PC(プレキャストコンクリート)工法により、天井コンクリート内に予め電線管及び配線ボックスを埋設し、これらの電線管及び配線ボックス内に電源ケーブルを引込んだ後これをコンクリート天井面の引出開口から引出して前記電設部材に接続することが行なわれており、ケーブルは一般に天井内に隠蔽していた。
ところで、近年、集合住宅などで階高に余裕がなく、天井面の配線を隠蔽するだけの空間を確保できないなどの事情に鑑み、コンクリート天井面に厚さ1mm程度のフラットケーブルと称する平形導体合成樹脂絶縁電線を外付けで貼着し、コンクリート天井面に取付けられる電設部材に接続するとともに、前記フラットケーブルの上にはクロスを張る「テープケーブル工法」と称する施工方法が独立行政法人都市再生機構と社団法人電気設備学会との共同で施工マニュアルにまとめられている。この工法によれば、階高に余裕がなくても配線を隠蔽することができ、室内の意匠性を向上できる。また、コンクリート天井面にフラットケーブルを直に貼付けるので、PC工法において予め埋設された電線管及び配線ボックスによってコンクリート天井内に空間が生ずるためにコンクリート躯体の強度が低下する不具合を解消できる。更に、クロスを剥がしてフラットケーブルの貼着位置を変え、天井面への電設部材の取付位置を変えることもでき、室内レイアウト変更を簡単かつ柔軟に行なうことができる。なお、前記テープケーブル工法の施工マニュアルにおいて、配線に用いるケーブルをテープケーブルと称しているので、以下では、この種の住宅のコンクリート直天井面に施設する前記平形導体合成樹脂絶縁電線であるフラットケーブルを「テープケーブル」と言うこととする。
このようなテープケーブル工法において、電設部材をコンクリート天井面に固定するには、例えば電設部材が特開2005−38699公報に記載されているような引掛シーリングである場合、テープケーブルの端部が固定される絶縁体に係合する略C字板状の固定板の2箇所に形成された一対のビス挿通孔の孔位置に対応してコンクリート天井面に工具を使用してアンカー用の穴を設けた後、ビスを前記固定板の一対のビス挿通孔に挿通し、前記コンクリート天井面のアンカー用の穴に螺着して行なうことができる。
特開2005−38699公報
しかし、前記テープケーブル工法において、コンクリート天井面に工具を使用して一対のアンカー用の穴をあけたとき、前記アンカー用の穴の位置が正確でないために前記一対のアンカー用の穴の間隔と電設部材側に形成されている一対のビス挿通孔の間隔とが一致せず、コンクリート天井面への取付けに支障をきたすことがあった。
また、施工者によってアンカーの穴あけ精度にばらつきを生じ、アンカー用の穴の大きさ、深さが一定でなかったり、アンカー用の穴の周辺がくずれたりすることによって、ビスを強固にアンカー用の穴に固定できず、そのために、十分な支持強度を得られず、照明器具等を常に安定して吊下げ、支持することができないという不具合があった。
そこで、本発明は、電設部材をコンクリート天井面の所定位置に精度良く確実に固定できるとともに十分な支持強度を得ることができる電設部材の支持具の提供を課題とするものである。
請求項1の電設部材の支持具は、天井を構成するコンクリート内に埋設されるものであって、コンクリート型枠に固定可能な支持具本体を備えており、この支持具本体は、一対の固定部を備えている。そして、この固定部は、前記電設部材に形成された一対のビス挿通孔に挿通されたビスが螺合する雌ねじを有し、前記一対のビス挿通孔に対応する間隔をおいて配設されている。即ち、前記支持具本体は、コンクリート型枠に両面接着テープを貼着したり、フランジ等を設けてこれに釘打ちするなどによって固定可能となっており、コンクリート打設後は、前記コンクリート型枠から脱型できるようになっている。更に、前記支持具本体は、前記一対の固定部を少なくともその上部及び下部において連結する連結部と、前記一対の固定部の間隔をコンクリートによって維持すべく、前記一対の固定部の間に設けられ、コンクリート打設により該コンクリートが充填される充填空間とを備えている。前記電設部材は照明器具を取付けるための引掛シーリング、各種感知器など天井面に固定される各種の部材、器具が該当する。前記電設部材は通常コンクリート天井に固定するためのビスが挿通される一対のビス挿通孔を備えており、前記支持具の支持具本体には前記電設部材の一対のビス挿通孔の間隔に対応して、ビスが螺合する雌ねじを有した一対の固定部が配設されている。前記支持具の固定部は、例えば、支持具本体にナットを埋設して形成することができ、また、支持具本体に直接ねじ孔を設けて形成することもできる。なお、請求項1においては、前記支持具本体は、請求項2に記載する、打設時にコンクリートが充填される充填空間を備えていてもよく、または、これを備えていないものであってもよい。
請求項2の電設部材の支持具は、特に、支持具本体が、一対の固定部を2箇所に備え、各箇所の前記一対の固定部を通る中心線は、互いに直交し、前記2箇所の一対の固定部の間隔は、同一に形成されている。一対の固定部は、十文字形状に配置されるが、T字形状に配置してもよい。一般には、固定部は計4個備えられるが、うち1個の固定部を共用する場合は、計3個の固定部を有することとなる。
請求項3の電設部材の支持具は、請求項1に記載の一対の固定部を2箇所に備え、前記2箇所の一対の固定部の間隔は、2種類の一対のビス挿通孔の間隔と対応するように設定されている。
請求項4の電設部材の支持具は、請求項1または請求項3に記載の充填空間が、上方に開口して設けられたものである。
請求項5の電設部材の支持具は、各箇所の一対の固定部が、平面視十文字形状に配設されている。
請求項6の電設部材の支持具は、支持具本体が、下面にコンクリート型枠に当接する当接面を備え、前記当接面には前記コンクリート型枠に貼着可能な貼着部を備えている。
請求項7の電設部材の支持具は、その外側面が下方に向かうに従って内部側に後退する傾斜面となっている縦断面逆台形状に形成されている。
請求項8の電設部材の支持具は、支持具本体がアンカー体を備えており、このアンカー体は、コンクリート内で固定され、ボルトが螺着可能な螺着部を有している。前記アンカー体は1個或いは2個以上設けることができる。
請求項9の電設部材の支持具は、支持具本体の下面に、テープケーブルの接続端子を収納可能な収納空間を備えている。
請求項1の電設部材の支持具は、支持具本体の固定部が、前記電設部材の一対のビス挿通孔に挿通されたビスが螺合する雌ねじを有し、前記一対のビス挿通孔に対応する間隔をおいて配設されているから、コンクリート打設後、固定部を前記電設部材の一対のビス挿通孔と対応する位置に精度良く確実に設けることができ、電設部材をコンクリート天井面の所定位置に精度良く確実に固定できる。また、コンクリート天井面の形成後に工具によってアンカー用の穴をあけるものではなく、支持具をコンクリート内に埋設して形成した固定部にビスを螺着するものであるから、アンカー用の穴が切削時或いはビスの螺着時等においてくずれたりすることがなく、また、施工者によって穴の大きさ、深さがばらつくこともなく常に一定の大きさ、深さのアンカーとしての固定部を形成できるので、電設部材の十分な支持強度を得られる。
更に、支持具本体は、前記一対の固定部を少なくともその上部及び下部において連結する連結部を備えているから、固定部がコンクリート打設圧等によって傾斜するのを防止し、常にコンクリート天井面に対して一定の垂直姿勢に維持できる。これにより、ビスをコンクリート天井面に対して垂直に螺着することができる。
加えて、コンクリートが充填される充填空間を備えているので、充填空間にコンクリートが満たされることにより、コンクリート打設後の支持具本体の形状が安定化し、固定部間の間隔をより安定して一定寸法に維持することができる。
請求項2の電設部材の支持具は、特に、支持具本体が、一対の固定部を2箇所に備え、各箇所の一対の固定部を通る中心線は、互いに直交し、2箇所に設けられた一対の固定部の間隔が同一に形成されているから、2箇所に設けられた一対の固定部のいずれにもビスを介して電設部材を固定することができる。その結果、施工時或いは間仕切りレイアウトの変更時において、テープケーブルをコンクリート天井面に沿って電設部材まで最短距離で簡潔に配線できる。
請求項3の電設部材の支持具は、特に、支持具本体が、一対の固定部を2箇所に備え、前記2箇所の一対の固定部の間隔が2種類の一対のビス挿通孔の間隔と対応するように設定されているから、一対のビス挿通孔の間隔の異なる2種類の電設部材を取付けることができる。
請求項4の電設部材の支持具は、請求項1または請求項3に記載の充填空間が、上方に開口して設けられているので、コンクリートのトロを上方から充填空間内に円滑に流し込むことができるとともに密に充填することができる。
請求項5の電設部材の支持具は、2箇所の一対の固定部が、平面視十文字形状に配設されているので、請求項2または請求項3と同様の効果を得ることができる。
請求項6の電設部材の支持具は、支持具本体の下面にコンクリート型枠に当接する当接面を備え、前記当接面に前記コンクリート型枠に貼着可能な貼着部を備えているので、前記貼着部に両面接着テープ等を貼着し、前記支持具本体を簡易な構成でコンクリート型枠に取外し可能に固定できる。
請求項7の電設部材の支持具は、支持具本体の外側面が下方に向かうに従って内部側に後退する傾斜面となっている縦断面逆台形状に形成されているから、支持具本体の外側面のみでアンカーを形成することができ、コンクリート体からの抜け外れを防止できる。これにより、支持具本体を簡素な形状とすることができ、成形、加工が容易となって安価に形成できる。また、支持具本体の外側面全体がアンカーとして機能するので、簡易な形状、構造でアンカー強度を高めることができる。
請求項8の電設部材の支持具は、ボルトが螺着可能なアンカー体を備えているから、このアンカー体に螺着されたボルトに各種器具、部材を吊下げることができる。
請求項9の電設部材の支持具は、支持具本体の下面に、テープケーブルの接続端子を収納可能な収納空間を備えているので、コンクリート天井面にテープケーブルを貼着した後、一時的に前記テープケーブルの接続端子を収納しておくことができるため、前記テープケーブル上へのクロスの貼着作業が容易となる。
〈第一実施形態〉
以下、まず、本発明の第一実施形態の電設部材の支持具を図1乃至図4に基づいて説明する。ここで、図1は第一実施形態の支持具の斜視図であり、図2(a)はその平面図、図2(b)は同じく正面図、図2(c)は同じく側面図である。なお、以下の各実施形態において、本発明の支持具によって支持される電設部材としては照明器具が取付けられる引掛シーリングを示す。
図1及び図4において、支持具1はコンクリート天井41内に埋設され、照明器具が取付けられる引掛シーリング51や火災報知器、侵入警報器等の感知器などの各種電設部材を吊下げ支持してコンクリート天井面42に固定するためのものである。前記支持具1は全体が平面視十文字形状に形成された支持具本体2を備え、前記支持具本体2の下面4に両面接着テープ31が貼着され、また、前記支持具本体2の一対の固定部6,6の上面開口を防トロシール32で閉塞されたものである。更に、前記支持具本体2は電設部材に形成された一対のビス挿通孔に挿通されたビス54が螺着されて該電設部材を支持する前述の一対の固定部6,6を備えるとともに、平面視中央部に、コンクリート天井41内で固定され、ボルト55が螺着可能な螺着部8cを有するアンカー体8を備えている。前記支持具本体2は塩化ビニル樹脂等の合成樹脂材を成形することによって簡単に形成することができ、また、アルミニウム等の金属材、木材等によって形成することもできる。
前記支持具本体2を更に具体的に説明すると、底壁11と側部の周囲全体に形成された側壁12とを備え、上面3と下面4とは平行面となっている。前記下面4は全体的に平坦面に形成されてコンクリート型枠に当接する当接面となっており、この当接面は前記両面接着テープ31を貼着可能な貼着部を構成し、コンクリート型枠に固定できるようになっている。また、前記支持具本体2の側壁12における少なくとも外側面5は下方に向かうに従って内部側に直線的に後退する傾斜面に形成されており、前記支持具本体2全体が縦断面逆台形状に形成されている。
更に、平面視十文字形状における各端部側には前述した固定部6が計4個配設されており、この固定部6は十文字に直角に交差する各線上に、電設部材である引掛シーリング51に形成された図示しない一対のビス挿通孔に対応する間隔をおいて一対配設されている。即ち、相対向する一対の固定部6,6を結ぶ中心線が互いに直角に交差する該中心線上に各固定部6が配設されている。したがって、一対の固定部は十文字に計2箇所設けられていることになる。ここで、図2(a)の横方向に配設されている一対の固定部の間隔L1と縦方向に配設されている一対の固定部の間隔L2とは相違しており、前記間隔L1は前記引掛シーリング51に形成されている一対のビス挿通孔の間隔と一致し、前記間隔L2は別の引掛シーリング51或いは別種の電設部材に形成されている一対のビス挿通孔の間隔と一致する。これにより、この支持具1において、間隔がL1である一対の固定部とL2である一対の固定部とを適宜選択することにより、この1個の支持具1で、一対のビス挿通孔の間隔の異なる大小2種類の電設部材に対応することができる。なお、各一対の固定部の間隔の中心位置は前記中心線の交差点と一致しているのが均衡上望ましいが、必ずしもこれに限られるものではない。
前記固定部6は上下方向に設けられた貫通孔の略中間高さにビス54が螺合する雌ねじを有する六角ナット7が埋設されてなり、上部には前記六角ナット7が上方開口から挿入されるナット挿入部6aが形成され、中間部には前記ナットが埋設されるナット埋設部6bが、そして、下部には下方開口から前記ビス54の挿入を案内するビス案内部6cが形成されている。前記ナット挿入部6aは前記六角ナット7の外形寸法より大きい孔に形成され、上方開口にはコンクリート打設時に貫通孔内にトロが侵入するのを防止するために前記防トロシール32によって閉塞されている。前記ナット埋設部6bは六角ナット7の外形寸法より僅かに小さい孔に形成されており、ナット挿入部6a側から圧入することにより前記六角ナット7は前記ナット埋設部6b内に固定されるようになっている。前記ビス案内部6cは下方程孔径が大きく形成され、上端において前記六角ナット7のねじ孔と略同一径に形成されていて、下方開口からビス54が挿入されたとき、このビス54を六角ナット7内に導き、前記六角ナット7へのビス54の挿入を容易ならしめている。なお、支持具本体2の下面4の略全体に両面接着テープ31が貼着されているので、コンクリート型枠に取付けてコンクリートを打設したときに前記ビス案内部6cの下方開口からコンクリートのトロが内部に侵入するのが防止される。
前記支持具本体2の平面視中央部には上下方向に前記アンカー体8を固定するためのボス部9が設けられており、その内部には貫通するボス孔10が形成されている。前記アンカー体8は円筒部8aの一端部に該円筒部8aの外径より大きい外径を有し、水平方向に突出する円板状のアンカー部8bが一体に形成されており、更に、前記円筒部8aの内部にはボルト55が螺着可能な雌ねじを有する螺着部8cが形成されている。前記ボス孔10の上部は前記アンカー体8の円筒部8aの外径より僅かに小さい内径に形成されており、上部開口から前記アンカー体8の円筒部8aが圧入されることにより該アンカー体8は前記ボス部9に固定されるようになっている。前記アンカー体8はその円板部8bがコンクリート打設後コンクリート内に埋設、固定され、アンカーとして機能し、螺着部8cにボルト55が螺着されることによって該ボルト55をコンクリート天井41に垂直下方に吊下げできるようになっている。前記ボルト55には各種器具、部材を吊下げることができる。
但し、前記アンカー体8は必ずしも取付けを要するものではなく、必要でない場合は、前記ボス部9のボス孔10の上部開口をシール等で閉塞しておいてもよく、或いは、前記ボス部9自体を設けないものとしてもよい。これは以後の実施形態において同様であり、以後の実施形態の図においては、アンカー体8の記載を適宜省略している。
前記一対の固定部6,6は支持具本体2の底壁11及び両側壁12によって連結されているとともに、前記アンカー体8を挟んで前記一対の固定部6,6間には、コンクリートの充填空間13が設けられており、コンクリート打設時に前記充填空間13の上部開口13aからコンクリートを流し込めるようになっている。ここで、前記充填空間13は上部開口13が設けられていることにより、コンクリートのトロを上方から内部に円滑に流し込むことができるとともに密に充填することができる。そして、前記充填空間13にコンクリートが充填されることにより、支持具本体2の形状は安定化し、前記一対の固定部6,6の間隔を一定寸法に維持することができる。また、前記充填空間13へのコンクリートの充填によって前記側壁12の傾斜角度も一定に保つことができるので、前記側壁12の後述するアンカー機能を確実に保持することができ、コンクリート天井41からの支持具1の抜け外れを確実に防止できる。
なお、前記支持具本体2の底壁11及び両側壁12は請求項の一対の固定部を連結する連結部に相当し、前記一対の固定部6,6をその上部から下部において連結している。これにより、支持具本体2は補強され、固定部6を常に下面4に対して一定の垂直姿勢に維持することができ、ビス54をコンクリート天井面42に対して垂直方向に螺着することができる。
次に、このように構成された第一実施形態の支持具1をPC工法により工場でコンクリート天井41に埋設し、固定するには、まず、支持具本体2の下面4に貼着されている両面接着テープ31の剥離紙を剥がし、前記支持具本体2の下面4をコンクリート型枠に当接する。ここで、前記支持具本体2の下面4は、前述のように、コンクリート型枠に当接する平坦な当接面に形成され、かつ、前記当接面は両面接着テープ31を貼着可能な貼着部となっているので、支持具本体2の下面4の略全体を緊密にコンクリート型枠に当接させて固定することができる。
そこで、前記固定部6のナット挿入部6aの上部開口に防トロシールを貼着して閉塞した状態で、コンクリート型枠内にコンクリートを打設する。すると、コンクリートは支持具本体2の上部開口13aから充填空間内に流れ込むとともに、アンカー体8の円板状のアンカー部8bの下側に流れ込み、また、横断面が逆台形状に形成されている側壁12の周辺にも流入する。このとき、支持具本体2の充填空間13は上方に開口しているので、コンクリートのトロは上部開口13aから前記充填空間13内に円滑に流れ込み、かつ、密に充填される。その後、コンクリートが硬化したら、コンクリート型枠を取外すことにより、コンクリート天井41内への支持具1の埋設が完了する。
このように、コンクリート内に埋設された後は、支持具本体2の四方の側壁12が全体的に下方に向かうに従って内部側に後退する傾斜面に形成され、支持具本体2全体が逆角錐台形状に形成されているので、この側壁12がアンカーとして機能し、支持具1はコンクリート天井41から下方に抜け外れるのが防止される。これにより、ビス54は固定部6の六角ナット7に螺着することができ、支持具1とビス54を介して引掛シーリング51のコンクリート天井面42への固定が可能となる。また、アンカー体8の円板状のアンカー部8bもアンカーとして機能し、アンカー体8の螺着部8cにボルト55を螺着してコンクリート天井面42に垂設することが可能となる。
次に、このようにして工場で前記支持具1が埋設されたコンクリート天井板を現地に搬入し、引掛シーリング51をコンクリート天井面42に固定し、照明器具を取付ける方法を図3及び図4に基づいて説明する。なお、ここでは、図4に示すように、間隔をおいて平行する2枚のボード44からなる間仕切り43内に電源ケーブルが引込まれており、この内部に設けられた図示しない中継ボックス内でジョイントボックスを介して前記電源ケーブルとテープケーブル53とを電気的に接続し、このテープケーブル53をコンクリート天井面42に沿って照明器具の位置まで引き込むものとする。ここで、前記テープケーブル53はポリエステル樹脂などで絶縁被覆された厚さ1mm程度の配線用ケーブルであり、これをクロスの下に敷き込んで配電を行なうことができる。なお、前記テープケーブル53は押入れ、物入れ等に設けられた中継ボックス内でジョイントボックスを介して電源ケーブルとテープケーブル53とを電気的に接続され、間仕切りの上部を貫通して室内側に引込まれることもある。
なお、支持具1はコンクリートに埋設する際、間仕切り43及び照明器具の設置レイアウト、テープケーブル53の布設経路等を想定、考慮してコンクリート天井板内における所定の埋設位置、埋設方向に配置しておく。具体的には、前記支持具1は縦横十文字の2箇所に設けられた一対の固定部6,6のいずれかを引掛シーリング51の一対のビス挿通孔の間隔と合致するように埋設位置、埋設方向を設定し、配置する。図3及び図4においては、一対の固定部6,6の間隔L1が引掛シーリング51の一対のビス挿通孔の間隔と合致するものとなっている。なお、コンクリート天井板内において前記支持具1はその後のレイアウト変更等にも対処できるよう予備も含めて複数個埋設しておくとよい。
まず、テープケーブル53を間仕切り43の上部開口45から室内側に引き出し、コンクリート天井面42に沿って支持具1の埋設位置に向けて配線する。次に、前記テープケーブル53の先端部を引掛シーリング51の挿入口52から挿入して端子を引掛シーリング51の内部に設けられた接続部に接続し、コンクリート天井面42にテープケーブル53の上からクロスを貼着する。次いで、前記引掛シーリング51の一対のビス挿通孔にビス54を挿通した後、このビス54を支持具1の固定部6の下方のビス案内部6cから挿入し、六角ナット7に螺着する。このとき、支持具1の固定部6のビス案内部6cは挿入開口が大きく形成され、上端部が六角ナット7の内径と略同一に形成されているので、ビス54を円滑に六角ナット7に導いて螺着することができる。
ビス54を支持具1の固定部6の六角ナット7に螺着したら、引掛シーリング51内の接続部を絶縁カバーによって覆う。これにより、コンクリート天井41内の支持具1への前記引掛シーリング51の取付けが完了する。その後、照明器具の引掛具を前記引掛シーリング51の引掛部51aに引掛けるとともに、照明器具の接続端子を前記引掛シーリング51の接続孔51bに挿入し、所定角度回動して取付け、電気的接続を行なう。以上によって、前記支持具1が埋設されたコンクリート天井板を現地に搬入した後、引掛シーリング51をコンクリート天井面42に固定し、照明器具を取付ける作業が終了する。
次に、前記支持具1の作用を説明する。
支持具本体2の固定部6が、引掛シーリング51の一対のビス挿通孔に対応する間隔をおいて配設されているから、前記固定部6をコンクリート天井51内において前記引掛シーリング51の一対のビス挿通孔と対応する位置に精度良く確実に設けることができ、引掛シーリング51をコンクリート天井面42の所定位置に精度良く確実に固定することができる。また、コンクリート天井41内に埋設した支持具1の固定部6にビス54を螺着するものであるから、従来の工具によるアンカー用の穴の形成において生じる該アンカー用の穴周辺のくずれがないとともに、施工者によって前記穴の大きさ、深さがばらつくこともなく、常に十分な支持強度を得ることができる。
そして、支持具本体2の下面4及び外側面5はそれぞれ底壁11及び側壁12によって囲まれた形状となっており、一対の固定部6,6は前記底壁11及び側壁12によって連結されているので、支持具本体2全体の剛性が大きく変形しにくいものとなっている。
また、充填空間13にコンクリートが充填されることにより、支持具本体2の形状は安定化し、前記一対の固定部6,6の間隔は一定寸法に維持される。これにより、ビス54を介して引掛シーリング51を確実に前記支持具1に取付けることができる。また、前記充填空間13へのコンクリートの充填によって前記側壁12の傾斜角度も一定に保たれるので、前記側壁12によるアンカー機能が確実に得られる。これにより、コンクリート天井41からの支持具1の抜け外れを確実に防止できる。
更に、一対の固定部6,6が十文字の2箇所に形成され、一対の固定部6,6の間隔がL1とL2との2種類設定されているので、一対のビス挿通孔の間隔が異なる2種類の電設部材を支持することができる。即ち、間隔L1の一対の固定部6,6に支持される前記引掛シーリング51に代えて、一対のビス挿通孔の間隔がL2である別の電設部材を間隔L2の一対の固定部6,6に支持させることができる。
加えて、2箇所の一対の固定部6,6が、相対向する一対の固定部6,6を結ぶ中心線が互いに直交する十文字形状に配置されているから、小さいスペースに2箇所の一対の固定部6,6を形成することができる。また、全体が十文字形状に形成されているため、コンクリート型枠に安定した状態で固定され、コンクリート打設時に、支持具本体2がコンクリート打設圧によって側方に倒れて外れるのを確実に防止できる。
更に、支持具1は支持具本体2の側壁12における少なくとも外側面5が下方に向かうに従って内部側に後退する傾斜面となっている縦断面逆台形状に形成されているから、支持具本体2の外側面5の部分のみでアンカーを形成することができ、コンクリート体からの抜け外れを防止できる。これにより、支持具本体2を簡素な形状とすることができ、成形、加工が容易となって安価に形成できる。また、支持具本体2の外側面5の全体がアンカーとして機能するので、簡易な形状でアンカー強度を高めることができる。なお、前記傾斜面は側壁12の周囲全体の部分において形成するのが望ましいが、側壁12のうち一対の固定部6,6を連結している部分のみ、或いは、前記固定部6の外側部分のみに形成するのを妨げるものではない。また、側壁12の外側面5に加え、内側面も傾斜面に形成するのを妨げるものでもない。これらは、以下の各実施形態において同様である。
ところで、上記第一実施形態において、前記支持具本体2の一対の固定部6,6はその上部から下部において底壁11及び両側壁12によって連結されているが、支持具本体2を補強し、形状を安定化できれば、前記固定部6の上部及び下部のみにおいて連結していてもよい。また、固定部6の上部から下部に至るいずれかの位置において側壁12等によって連結されるのを妨げるものでもない。
更に、前記2箇所の一対の固定部6,6は相対向する一対の固定部6,6を結ぶ中心線が互いに直角に交差した十文字形状に配置したものを示しているが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、T字形状に配置してもよい。
また、前記支持具本体2の側面12は下方に向かうに従って内部側に後退し、直線的に傾斜する傾斜面となっているが、これに限られるものではなく、内部外部いずれか側に膨出する曲線的に傾斜するものであってもよい。或いは、図5に示すように、支持具本体2の側面12が高さ方向の中間部で略く字状に折曲した2段の傾斜面に形成されたものであってもよく、この場合は、樹脂成形型の構造がやや複雑になるが、下面4におけるコンクリート型枠との当接面積が増大する効果が得られる。また、前記側面12にはアンカー効果を高めるため、ローレット加工等による微細な凹凸面を形成してもよい。要するところ、支持具1がコンクリート天井面42から抜け外れるのを確実に防止できればその形態は問わない。
更に、前記支持具本体2の充填空間13を形成する周囲壁は、図2では、垂直壁に形成されているが、下方に向かうに従って内部空間が狭くなる傾斜面に形成してもよく、この場合は、コンクリート打設時にトロが充填空間13内に更に流れ込み易くなる。
〈第二実施形態〉
次に、本発明の第二実施形態の電設部材の支持具を図6及び図7に基づいて説明する。
第一実施形態の支持具1では、2箇所に設けられた一対の固定部6,6の間隔L1及び間隔L2が互いに相違しているのに対し、第二実施形態の支持具1はいずれの間隔も同一に設定されている点において相違し、他は異ならない。以下、相違点を中心に説明する。
図6及び図7において、支持具1は全体が十文字形状に形成されており、縦方向の中心線上で対向している一対の固定部6,6の間隔と横方向の中心線上で対向している一対の固定部6,6の間隔とはいずれも同一のLの大きさに設定されている。そして、この間隔Lは引掛シーリング51の一対のビス挿通孔の間隔に対応して設定されている。
第二実施形態の支持具1はこのように形成されているので、十文字形状に2箇所に設けられた一対の固定部6,6のいずれにおいても一対のビス54を螺着して同一の引掛シーリング51を固定することができる。即ち、前記引掛シーリング51は前記支持具1に対して直角2方向のいずれの向きにも取付けることができる。それに伴って、テープケーブル53の端部が接続される挿入口52も直角2方向のいずれにも向くこととなる。その結果、引掛シーリング51の取付向きを直角2方向のうちから適宜選択し、間仕切り43の上部開口45から引き出されて照明器具に向けて配線されるテープケーブル53の配線方向に向けて引掛シーリング51の挿入口52を対向させることが可能となる。それにより、間仕切り43の上部開口45から引掛シーリング51に至るテープケーブル53の布設距離を直線的な最短とすることができる。なお、図7においては、間仕切り43の上部開口45からテープケーブル53が引き出された場合の引掛シーリング51の取付状態を示し、一対のビス54は矢印で示す一対の固定部6,6に螺着される。
即ち、支持具1の一対の固定部6,6が1箇所のみに配設されている場合は、間仕切り43の上部開口45からのテープケーブル53の引出方向と前記一対の固定部6,6の配置方向とが対応しないことがあり、そのときは、前記テープケーブル53の引掛シーリング51までの配線経路に曲がり部や迂回部を生ずることとなり、布設距離が長くなるという不具合を生ずる。しかし、この第二実施形態の支持具1は、上述のように、直角2方向の2箇所に一対の固定部6,6が配設されているので、テープケーブル53の配線方向に対応させて引掛シーリング51を取付けることができ、これにより、前記テープケーブル53をコンクリート天井面42に沿って最短距離で簡潔に配線できる。
このことは、施工時に限らず、その後に間仕切りレイアウトの変更等が生じ、間仕切り43から引出されるテープケーブル53を該間仕切り43と直交する別の間仕切り46の上部開口47から引出すこととなったときも同様である。即ち、支持具1の固定部6における引掛シーリング51の取付位置を図7の矢印で示す一対の固定部6,6に対して90度変移させて他方の一対固定部6に変更することにより、前記変更後の間仕切り46の上部開口47から引出されるテープケーブル53を最短距離で簡潔に布設することができる。
〈第三実施形態〉
次に、本発明の第三実施形態の電設部材の支持具を図8に基づいて説明する。
図8において、支持具1は上面3を形成する天板14が十文字形状に形成され、下面4を形成する底板15が円環状に形成され、前記天板14と底板15との間にコンクリートが充填される充填空間13が形成されている。そして、前記上板14と底板15とが平面視で交差する部分に第一実施形態及び第二実施形態と同様の固定部6が配設されており、コンクリート打設時にトロは上方及び側方から前記充填空間13内に流れ込むようになっている。
前記支持具1は、縦方向の中心線上において相対向している一対の固定部6,6の間隔と横方向の中心線上で対向している一対の固定部6,6の間隔とはいずれも同一のLの大きさに設定され、この間隔Lは引掛シーリング51の一対のビス挿通孔の間隔に対応して設定されている。したがって、この第三実施形態は第二実施形態の変形例でもある。
第三実施形態の支持具1は、第二実施形態の支持具1と同様の作用効果を奏するとともに、特に、下面4が円環状の底板15によって形成されているので、コンクリート型枠に安定して固定でき、コンクリート打設圧によって倒れて外れるのをより確実に防止できる。
〈第四実施形態〉
第四実施形態の支持具1を図9に基づいて説明する。
図9において、支持具1の支持具本体2は全体が略船形に形成されており、前記支持具本体2には一対の固定部6,6が左右両端部に設けられている。したがって、前記各実施形態では、一対の固定部6,6は十文字形状に2箇所設けられているのに対し、この第四実施形態では、1箇所のみ設けられている点で相違する。
前記支持具1は、前記各実施形態の支持具1と同様に、支持具本体2の側壁12における少なくとも外側面5が下方に向かうに従って内部側に後退し、直線的に傾斜する傾斜面に形成され、縦断面が逆台形状に形成されている。また、前記一対の固定部6,6は引掛シーリング51に形成された一対のビス挿通孔に対応する間隔をおいて配設されている。更に、前記一対の固定部6,6は支持具本体2の底壁11及び両側壁12によって連結されているとともに、前記アンカー体8を挟んで前記一対の固定部6,6間には、コンクリートの充填空間13が設けられており、コンクリート打設時に前記充填空間13の上部開口13aからコンクリートを流し込めるようになっている。
このように、前記支持具1は全体が略船形に形成され、下面4及び外側面5がそれぞれ底壁11及び側壁12によって囲まれた形状となっているので、第一実施形態及び第二実施形態の支持具1と同様に、全体の剛性が大きく変形しにくいとともに、特に、略船形の薄形になっているので、取扱いが容易で、運搬、保管管理においてもスペースをとらない。
但し、下面4におけるコンクリート型枠との当接面積は前記各実施形態の支持具1と比較して小さいので、コンクリート打設圧によって倒れないよう留意する必要がある。そこで、例えば、図10に示すように、側壁12の長手方向における中間部に側方に向けて突出する倒れ防止突起16を上部から下部に至って垂直下方に設けてもよい。
〈第五実施形態〉
次に、第五実施形態の支持具を図11に基づいて説明する。
図11において、支持具1の支持具本体2には一対の固定部6,6が左右両端部に設けられており、前記一対の固定部6,6は、第四実施形態の支持具と同様に、1箇所のみに設けられている。但し、この第5実施形態の支持具1は各外側面5が傾斜面でなく垂直面に形成されており、上部には細板状の天板17が設けられ、左右一対の固定部6,6はその上端部において前記天板17によって連結されている。この天板17は請求項の連結部に相当する。一方、下部には矩形板状の底板18が前記天板17と平行に設けられており、その底面はコンクリート型枠と当接する下面4を構成している。なお、前記底板18は樹脂成形における脱型の関係から図11(c)の波線で囲まれた2つの矩形部分だけ除かれている。また、前記底板18は天板17より幅を大きくし、コンクリート型枠との当接面積を大きくしてある。
更に、前記底板18における長手方向の中間部2箇所に三角形状に切欠してなる罫書き指標19が設けられている。この罫書き指標19は支持具1をコンクリート型枠に固定するときに該支持具1を所定位置に配置すべく、2箇所の前記罫書き指標19の切欠先端部19aを前記コンクリート型枠に予め引かれた罫書き線に一致させて位置決めするためのものである。これにより、支持具1は間仕切り43または間仕切り46と平行に配置することができ、これに取付けられる引掛シーリング51の挿入口52を前記間仕切り43等の上部開口45等から引出されたテープケーブル53の端部に対向させることができる。
この支持具1は天板17の両側方からコンクリートのトロが充填される。そして、充填後は、前記天板17がアンカーとして機能する。なお、支持具1においては、前記天板17がアンカーとして機能するので、各側壁12には下方に向かうに従って内部側に後退する傾斜面は形成する必要はないが、前記傾斜面に形成することを妨げるものではない。
ところで、前記底板18に設けた罫書き指標19は他の実施形態の支持具1においても同様にして設けてもよい。
〈第六実施形態〉
更に、第六実施形態の支持具を図12に基づいて説明する。
この第六実施形態の支持具1は支持具本体2の底部にテープケーブル53の接続端子を収容可能な収容空間20を設けたものである。前記収容空間20はテープケーブル53の接続端子の大きさに対応させて薄型の矩形箱状に形成されており、予め支持具1の成形時に形成しておいてもよく、或いは、支持具1に別途型材を取付けた状態でコンクリートを打設し、打設後に前記型材を取外すことによって形成することもできる。
前記支持具1は、特に、テープケーブル53の接続端子を収納可能な収納空間20を備えているので、コンクリート天井面42に沿ってテープケーブル53を布設した後、一時的に前記テープケーブル53の接続端子を収納しておくことができる。このため、クロスの貼着作業を円滑に行なうことができる。そして、引掛シーリング51を支持具1に固定するときには、クロスの一部を除去して前記支持具1の収容空間20からテープケーブル53の接続端子を取出し、これを前記引掛シーリング51内の接続端部に接続すればよい。なお、予備の支持具1の場合、当分の間電設部材は取付けないのであるから、その間、前記収容空間20の下部に貼着されているクロスがぶかついたり、前記収容空間20内に凹んで見栄えを悪くすることがあるので、前記収容空間20内に暫定的な蓋材等を取付けておくとよい。
〈第七実施形態〉
第七実施形態の支持具を図13に基づいて説明する。
図13において、支持具1は固定部が3個形成されており、うち図13の左側端部に配設された固定部6Aは共通の固定部として用いられ、図の右側に配設された2個の固定部6B及び固定部6Cとの間で、同一線上に一対の固定部6,6が2箇所設けられたものとなっている。即ち、左側端部の固定部6Aと右側の固定部6Bとの間隔L3はある特定の引掛シーリング51に形成された一対のビス挿通孔の間隔に対応して設定されており、左側端部の固定部6Aと右側の固定部6Cとの間隔L4は別の電設部材に形成された一対のビス挿通孔の間隔に対応して設定されている。
したがって、1個の支持具1により、第一実施形態の支持具1と同様に、一対のビス挿通孔の間隔が異なる2種類の電設部材に対応することができるとともに、支持具1を薄形のものとすることができる。
〈第八実施形態〉
次に、第八実施形態の支持具を図14に基づいて説明する。
図14において、支持具1は全体が船形状に形成されているとともに、左側端部に固定部6が配設され、図14(a)の右側端部に可動固定部6Dが配設されている。前記左側端部の固定部6は前記各実施形態の固定部6と同様のものである。一方、右側端部の可動固定部6Dはその内部に収納されている六角ナット7が水平方向に自在に移動できるものとなっている。
具体的には、前記可動固定部6Dは支持具1の長さ方向に少し幅広に形成されており、高さ方向の中間部には前記六角ナット7を水平方向に一定距離移動可能に収納するナット収納空間21が支持具1の長さ方向に設けられている。前記ナット収納空間21は前記六角ナット7の対向する2辺の間隔より僅かに大きい幅に形成され、前記六角ナット7を廻り止め状態で往復移動できるようになっている。前記ナット収納空間21の上部は蓋部材22が上方から圧入して取付けられ、前記六角ナット7が上方に抜け出るのを防いでいる。固定部6Dの下部空間はビス54の挿入を案内するビス案内部6dとなっており、下面4の開口は上端部より幅広に形成されている。更に、前記六角ナット7はそのねじ孔7aの下側開口縁部7bが角をテーパに形成した面取り加工を施されており、ビス54を下面4の開口からビス案内部6d内に挿入したとき、前記ビス54を六角ナット7のねじ孔内に案内するようになっている。
このように、前記支持具1は右側端部の可動固定部6D内の六角ナット7が一定ストロークで水平方向に移動できるようになっているので、左側端部の固定部6との間隔L5を無段階に変化させることができる。これにより、一対のビス挿通孔の異なる複数種類の電設部材に対応することができる。また、仮に、支持具1の一対の固定部の間隔と電設部材に形成された一対のビス挿通孔の間隔との間に僅かな寸法的なずれが生じていたとしても、可動固定部6D内の六角ナット7を移動させることにより間隔L5を調整し、寸法誤差を吸収して電設部材を支持具1に固定することができる。
なお、第八実施形態の支持具1は支持具本体2が例えば前述の十文字形状に形成されたものであっても同様に可動固定部6Dを形成することができる。また、図15に示すように、4分の1円弧の略扇状に形成し、円弧中心側に固定部6を配設し、円弧側に可動固定部6Dを配設して六角ナット7が円弧に沿って移動するものとしてもよい。この場合は、固定部6と可動固定部6Dとの間隔L5は常に一定であるが、一対の固定部の配設方向を90度の範囲で無段階に変化させることができる。これにより、間仕切り43の上部開口から引出されるテープケーブル53の引出方向に対応して引掛シーリング51を取付けることが可能となる。
〈その他〉
ところで、上記各実施形態において、支持具本体2には、コンクリートのトロが充填される充填空間13が設けられているので、支持具本体2の形状を安定化し、全体的な剛性を高めることができるとともに、支持具1自体を軽量化し、材料費を低減できるなどの効果を得られるが、前記充填空間13は必ずしも設けなくてもよい。
また、上記各実施形態における固定部は、ビス54が螺着する六角ナット7を埋設して成るが、これに限られるものではなく、例えば、予め成形時に支持具本体2に直接雌ねじを螺刻して形成したものとしてもよい。
更に、支持具1は、下面4に両面接着テープ31を貼着し、コンクリート型枠に固定するものとしているが、例えば、支持具本体2に側方にフランジを突設し、このフランジに設けた釘孔に釘を挿通し、コンクリート型枠に釘打ちして固定してもよい。
そして、上記各実施形態においては、電設部材として引掛シーリング51を適用したものを示しているが、他の感知器等の電設部材にも同様に適用できることは言うまでもない。また、支持具1はコンクリート天井41に埋設されるものに限られるものでもなく、他のコンクリート躯体等に埋設されるものにも同様に適用できる。
本発明の第一実施形態の電設部材の支持具を示す斜視図である。 図1の支持具を示し、(a)はその平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。 図1の支持具に引掛シーリングを取付ける状態を示す断面図である。 図1の支持具に対する引掛シーリング及びテープケーブルの取付位置関係を示す斜視図である。 図1の支持具の変形例を示す正面図である。 本発明の第二実施形態の電設部材の支持具を示す平面図である。 図6の支持具に対する引掛シーリング及びテープケーブルの取付位置関係を示す斜視図である。 本発明の第三実施形態の電設部材の支持具を示し、(a)はその平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。 本発明の第四実施形態の電設部材の支持具を示し、(a)はその平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。 図9の支持具の変形例を示し、(a)はその平面図、(b)は正面図、(c)は底面図、(d)は側面図である。 本発明の第五実施形態の電設部材の支持具を示し、(a)はその平面図、(b)は正面図、(c)は底面図、(d)は側面図である。 本発明の第六実施形態の電設部材の支持具を示し、(a)はその平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。 本発明の第七実施形態の電設部材の支持具を示す平面図である。 本発明の第八実施形態の電設部材の支持具を示し、(a)はその縦断面図、(b)は(a)のE−E切断線による断面図である。 図14の支持具の変形例を示す平面図である。
1 支持具
2 支持具本体
3 上面
4 下面
5 側面
6、6A、6B、6C 固定部
6D 可動固定部
7 六角ナット
8 アンカー体
8c 螺着部
11 底壁
12 側壁
13 充填空間
13a 上部開口
20 収容空間
41 コンクリート天井
42 コンクリート天井面
51 引掛シーリング
53 テープケーブル
54 ビス
L、L1、L2、L3、L4、L5 間隔

Claims (9)

  1. 天井を構成するコンクリート内に埋設され、電設部材を支持する電設部材の支持具であって、
    コンクリート型枠に固定可能な支持具本体を備え、
    前記支持具本体は、
    前記電設部材に形成された一対のビス挿通孔に挿通されたビスが螺合する雌ねじを有し、前記一対のビス挿通孔に対応する間隔をおいて配設された一対の固定部と、
    前記一対の固定部を少なくともその上部及び下部において連結する連結部と、
    前記一対の固定部の間隔をコンクリートによって維持すべく、前記一対の固定部の間に設けられ、コンクリート打設により該コンクリートが充填される充填空間と
    を備えたことを特徴とする電設部材の支持具。
  2. 天井を構成するコンクリート内に埋設され、電設部材を支持する電設部材の支持具であって、
    コンクリート型枠に固定可能な支持具本体を備え、
    前記支持具本体は、前記電設部材に形成された一対のビス挿通孔に挿通されたビスが螺合する雌ねじを有し、前記一対のビス挿通孔に対応する間隔をおいて配設された一対の固定部を2箇所に備え、
    各箇所の前記一対の固定部を通る中心線は、互いに直交し、
    前記2箇所の一対の固定部の間隔は、同一に形成されたことを特徴とする電設部材の支持具。
  3. 前記支持具本体は、前記一対の固定部を2箇所に備え、
    前記2箇所の一対の固定部の間隔は、2種類の一対のビス挿通孔の間隔と対応するように設定されたことを特徴とする請求項1に記載の電設部材の支持具。
  4. 前記充填空間は、上方に開口して設けられたことを特徴とする請求項1または請求項3に記載の電設部材の支持具。
  5. 前記2箇所の一対の固定部は、平面視十文字形状に配設されたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の電設部材の支持具。
  6. 前記支持具本体は、下面にコンクリート型枠に当接する当接面を備え、前記当接面には前記コンクリート型枠に貼着可能な貼着部を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の電設部材の支持具。
  7. 前記支持具本体は、その外側面が下方に向かうに従って内部側に後退する傾斜面となっている縦断面逆台形状に形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の電設部材の支持具。
  8. 前記支持具本体は、コンクリート内で固定され、ボルトが螺着可能な螺着部を有するアンカー体を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の電設部材の支持具。
  9. 前記支持具本体の下面に、テープケーブルの接続端子を収納可能な収納空間を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の電設部材の支持具。
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