JP4690253B2 - 低周波吸音材およびこれを用いた変圧器防音システム - Google Patents

低周波吸音材およびこれを用いた変圧器防音システム Download PDF

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本発明は、低周波吸音材およびこれを用いた変圧器防音システムに係り、特に、商用周波数の2倍、4倍、6倍の周波数騒音を発生する集合住宅用変圧器の騒音を制御することができる低周波吸音材およびこれを用いた変圧器防音システムに関する。
近年、市街地においては、住宅、ビル、マンションなどが過密状態で建設されるため、マンションなどの周辺に設置した集合住宅用変圧器から発生する騒音が住民の生活に大きな影響を与える虞がある。
このため、住民の生活環境を保全する観点から、集合住宅用変圧器に対しては騒音低減対策が望まれている。
従来、この種の変圧器の騒音低減手段としては、変圧器の周囲を鋼板やコンクリートなどにより構成された防音タンクなどの防音壁で完全に密閉したものや、一部に開放部を有する防音壁で取り囲んで成るものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このような構成の防音壁においては、集合住宅用変圧器から発生する音が防音壁内で反射するため、集合住宅用変圧器から発生する騒音を効果的に吸収することができず、ひいては周囲への騒音の伝播を抑制することができないという難点があった。
このため、集合住宅用変圧器の周囲をグラスウール等か成る低周波吸音材から成る防音壁で覆うことも試みられているが、このような構成の防音壁においては、集合住宅用変圧器から発生する卓越騒音を十分に低減することができないという難点があった。すなわち、集合住宅用変圧器は運転時に100Hz、200Hz、300Hzといった商用周波数の2倍、4倍、6倍の卓越騒音が発生するところ、このような集合住宅用変圧器を300Hz程度の周波数帯域の騒音を吸収する低周波吸音材で覆っても、100Hz、200Hzの周波数帯域の騒音を十分に吸収することができないという難点があった。従って、集合住宅用変圧器の騒音制御を行なうためには、低周波吸音材の100Hz、200Hzの周波数帯域における吸音特性を向上させることが望まれている。また、集合住宅用変圧器は屋外に設置されることから、集合住宅用変圧器の周囲に音を反射する構造物が存在すると、集合住宅用変圧器の設置環境によっては、構造物からの反響音が特定の場所、例えば集合住宅用変圧器の周辺に存在するマンションに集中し、当該マンションにおける騒音レベルが高くなるという難点がある。従って、集合住宅用変圧器から発生する騒音レベルは所定値まで低下させることが望まれている。
特開2003−45726号公報(段落「0002」)
本発明は、集合住宅用変圧器の運転時に発生する商用周波数の2倍、4倍、6倍の周波数騒音を制御するとともに、集合住宅用変圧器の周辺における騒音レベルを低減することができる低周波吸音材およびこれを用いた変圧器防音システムを提供することを目的としている。
本発明の第1の態様である低周波吸音材は、面密度が0.68〜0.78kg/mまたは1.75〜1.85kg/mのシリコーンを主成分とする樹脂から成る皮膜と、皮膜の音源側と反対側の面に積層される多孔質体層とを備えるものである。
本発明の第2の態様は、第1の態様である低周波吸音材において、多孔質体層は、グラスウールから成るものである。
本発明の第3の態様である変圧器防音システムは、変圧器を収容する筺体を備え、筺体内の床面上には第1の態様または第2の態様の低周波吸音材が多孔質体層を床面側に向けて載置されているものである。
本発明の第4の態様は、変圧器を収容する筺体を備え、筺体内の床面上には第1の態様または第2の態様の低周波吸音材が多孔質体層を床面側に向けて載置され、筺体の外側には防音パネルが筺体を囲むように離間して立設されているものである。
本発明の第5の態様は、第4の態様であるである変圧器防音システムにおいて、防音パネルは、第1の態様または第2の態様の低周波吸音材と、低周波吸音材の外表面を覆う防水層と、防水層の音源側に当接され、音を透過させる性質を有する金属製の保護層とを備えものである。
本発明の第6の態様は、第5の態様であるである変圧器防音システムにおいて、保護層は、パンチングメタルまたはエキスパンドメタルで構成されているものである。
本発明の第1の態様乃至第6の態様の低周波吸音材およびこれを用いた変圧器防音システムによれば、低周波吸音材の皮膜の面密度を0.68〜0.78kg/m2または1.75〜1.85kg/m2とすることで、低周波吸音材の吸音率のピーク周波数を低周波数帯域側にシフトさせることができると共に200Hzの周波数帯域における吸音率も向上させることができ、また、皮膜の面密度が0.68〜0.78kg/m2または1.75〜1.85kg/m2の低周波吸音材を背後剛壁層としての筺体の床面上に設置することで、卓越騒音を低減することができ、ひいてはマンションなどの周辺への騒音の伝播を抑制することができる。
以下、本発明の低周波吸音材およびこれを用いた変圧器防音システムを適用した好ましい実施の形態例について、図面を参照して説明する。
[実施例1]
図1は、本発明における低周波吸音材の断面図を示している。
同図において、本発明の低周波吸音材1は、後述する変圧器の音響特性に合わせてチューニングされたシート状の積層体で構成されている。具体的には、面密度が0.68〜0.78kg/m2または1.75〜1.85kg/m2でシリコーン系の樹脂から成る皮膜2と、皮膜2の音源側(変圧器と対向する側)と反対側の面(以下「背面」という。)に積層される多孔質体層3とを備えている。
ここで、皮膜2としてシリコーン系の樹脂から成るものを使用するのは、後述するようにシリコーン系の樹脂から成る皮膜2は60℃〜80℃の高温雰囲気中においても吸音率が変化せず、また外観が劣化しないからである。また、皮膜2の面密度を0.68〜0.78kg/m2または1.75〜1.85kg/m2としたのは、後述するように当該密度におけるシリコーン系の樹脂から成る皮膜によるものがピーク周波数を低周波数帯域側にシフトさせることができるからである。なお、皮膜2の厚さは50μm程度とされている。
多孔質体層3は、難燃性を有する材料で形成されている。具体的には、密度が32kg/m3のグラスウールで形成されている。なお、多孔質体層3の厚さは、1〜50mm、望ましくは10〜25mm程度とされている。
ここで、皮膜2に多孔質体層3を積層するのは、皮膜2部分が付加質量、すなわち錘の役割として作用し、多孔質体層3がバネ、すなわち空気バネの役割として作用し、皮膜振動による吸音を行わせるためである。
なお、皮膜2は、製品形態の自由度を向上させ、現場における施工を簡単にするため、接着やシリコーングラフト反応等により、多孔質体層3と一体化される。
次に、本発明の低周波吸音材1として好適する皮膜について説明する。
図2は、本発明の低周波吸音材1の皮膜2の候補として選定した4種類の供試材料の厚さ、目標耐熱温度、面密度等を示している。ここで、各供試材料としてはシート状に形成した皮膜を円形(直径90mm)に打ち抜いたものを使用している。
図3は、図2に示す4種類の供試材料について垂直入射管吸音率を用いて吸音率測定を行った結果を示している。ここで、垂直入射管吸音率はJISA1405:1998「音響−インピーダンス管による吸音率及びインピーダンスの測定−定在波比法」に基づき測定を行った。
なお、変圧器の卓越騒音が100Hz、200Hz、300Hzであることは、本出願人が別途行なった「変圧器伝搬音周波数特性」の試験において確認している。また、変圧器は機種によって発生する騒音の周波数特性が異なることから、吸音率のピーク周波数としては200〜300Hz若しくは100〜200Hzの範囲内にあるものを選定することが好ましい。
図3より、面密度が0.65kg/m2でシリコーン系の樹脂から成るタイプFの皮膜の吸音率のピーク周波数が315Hzであり、また面密度が1.00kg/m2でウレタン系の樹脂から成るタイプLの皮膜の吸音率のピーク周波数が400Hzであるのに対し、面密度が1.80kg/m2でシリコーン系の樹脂から成るタイプSの皮膜の吸音率のピーク周波数が200Hzであり、また面密度が0.73kg/m2でシリコーン系の樹脂から成るタイプF´の皮膜の吸音率のピーク周波数が250Hzであることが分かる。
ここで、本発明において、タイプF´の皮膜の面密度を0.68〜0.78kg/m2としたのは、面密度が0.68kg/m2未満では300Hzにおける吸音率が低下してしまい、0.78kg/m2を越えると200Hzにおける吸音率が低下してしまうからである。また、タイプSの皮膜の面密度を1.75〜1.85kg/m2としたのは、面密度が1.75kg/m2未満となるかあるいは1.85kg/m2を越えると200Hzでの吸音率が低下してしまうからである。
以上より、面密度が0.68〜0.78kg/m2または1.75〜1.85kg/m2のシリコーン系の樹脂から成る皮膜を使用することで吸音率のピーク周波数を低周波数帯域側にシフトさせることができるとともに、200Hzの周波数帯域における吸音率を向上させることができる。
次に、皮膜2として、シリコーン系の樹脂から成るタイプF´、タイプSおよびタイプFの試料を選定し、これらの試料について耐熱特性評価、屋外環境評価および音響特性評価を行なった。
[耐熱特性評価]
先ず、耐熱特性評価については、恒温槽を用いて60℃および80℃において60日間加熱した後、タイプF´、タイプSおよびタイプFの試料について加熱前後の試料の外観を確認したところ、いずれの試料においても、加熱による溶解や欠落などの損傷は認められなかった。また、加熱前後の各試料について、垂直入射法による吸音率の測定を行ったところ、いずれの試料においても、加熱による吸音率の変化は認められなかった。
[屋外環境評価]
次に、屋外環境評価については、タイプFの試料を用いて後述の防音パネルを作成して所定の試験を行なった。具体的には、面密度が0.65kg/m2でシリコーン系の樹脂から成るタイプFの皮膜の音源側に厚さ25mmのガラスウールから成る多孔質体層を、背面側に厚さ50mmのガラスウールから成る多孔質体層をそれぞれ積層した低周波吸音材(以下「屋外環境評価試料(25F50)」という。)を、定型寸法(縦607mm×横910mm×厚さ75mm)で作成し、当該屋外環境評価試料(25F50)を厚さ21μmの屋外用保護フィルム(旭硝子製フッ素フィルム)で袋綴じし、さらに定型寸法(縦610mm×横920mm×厚さ80mm)の防音パネルに収納した上で屋外環境に設置した。
設置後3箇月経過した時点で防音パネルを撤去し、垂直入射法によって吸音率の測定を行い特性の劣化の有無を確認した。なお、本試験では、皮膜の試料としてタイプFを用いているが、このタイプFの試料はシリコーン系の樹脂である点でタイプF´の試料と同一であることから、すなわちタイプFとタイプF´とは皮膜の面密度のみが相違することから同一の素材(シリコーン系の樹脂)を用いた屋外環境評価試験を行っているものと考えることができる。
しかして、屋外環境評価試料(25F50)を屋外用保護フィルムによる梱包から取り出してその外観を確認したところ、外部からの水の浸入や紫外光による外観の変化は認められなかった。また、皮膜について、垂直入射法により吸音率の測定を行ったところ、ピーク周波数における吸音率は0.87であり、特性の低下の兆候は認められなかった。さらに、屋外用保護フィルム(フッ素フィルム)について、外観を確認したところ、色あせや貫通性の外傷は認められなかった。
[音響特性評価]
最後に、音響特性評価については、面密度が0.68〜0.78kg/m2でシリコーン系の樹脂から成るタイプF´および面密度が1.75〜1.85kg/m2でシリコーン系の樹脂から成るタイプSの2種類の試料を用いて4種類の防音パネルを作成し、音源側および背面側の多孔質体層(グラスウール)の配置状態を変化させながら残響室法により吸音率を測定した。ここで、4種類の試料としては、第1に、タイプF´の皮膜の両側に厚さ25mmのガラスウールから成る多孔質体層をそれぞれ積層した低周波吸音材(以下「第1の音響特性評価試料(25F´25)」という。)を2×3版サイズ(607mm×910mm)で作成し、第2に、タイプF´の皮膜の背面側に厚さ50mmのガラスウールから成る多孔質体層を積層した低周波吸音材(以下「第2の音響特性評価試料(F´50)」という。)を2×3版サイズ(607mm×910mm)で作成し、第3に、タイプSの皮膜の両側に厚さ25mmのガラスウールから成る多孔質体層をそれぞれ積層した低周波吸音材(以下「第3の音響特性評価試料(25S25)」という。)を2×3版サイズ(607mm×910mm)で作成し、第4に、タイプSの皮膜の背面側に厚さ50mmのガラスウールから成る多孔質体層を積層した低周波吸音材(以下「第4の音響特性評価試料(S50)」という。)を2×3版サイズ(607mm×910mm)で作成し、これらの4種類の試料について、JISA1509:1998「残響室法吸音率の測定方法」に基づき、残響室吸音率を測定した。なお、測定に当たっては定型の吸音材18枚(合計面積9.9m2)を用いて測定を行った。
図4は、第1から第4の音響特性評価試料の残響室法吸音率の測定結果を示している。同図から、皮膜2の両側(音源側および背面側)にグラスウールを配置した第1の音響特性評価試料(25F´25)は500Hzをピークとして、また皮膜2の両側(音源側および背面側)にグラスウールを配置した第3の音響特性評価試料(25S25)は400Hzをピークとして、それぞれ広帯域(特に1000Hz以上の周波数帯域)において吸音特性が優れていることが分かる。これに対して、皮膜2の音源側を露出した第2の音響特性評価試料(F´50)および第4の音響特性評価試料(S50)は低周波帯域側に集中して吸音率が高くなっていることが分かる。従って、変圧器からの卓越騒音は100、200、300Hzであることから、これらの周波数領域における吸音材としては、皮膜2のピーク周波数が低周波数帯域側にシフトしている低周波型である第2の音響特性評価試料(F´50)が適しており、また、変圧器から発生する騒音のうち100Hz成分が高い場合は皮膜2のピーク周波数が低周波数帯域側にシフトしている第4の音響特性評価試料(S50)が適しているといえる。
以上の吸音率測定結果及び耐熱温度を考慮すれば、本発明の低周波吸音材1の皮膜2としては、面密度が0.68〜0.78kg/m2でシリコーン系の樹脂から成るタイプF´の皮膜、若しくは面密度が1.75〜1.85kg/m2でシリコーン系の樹脂から成るタイプSの皮膜が好適するといえる。
[実施例2]
次に、本発明の低周波吸音材1を用いた変圧器防音システムについて説明する。
図5(a)は変圧器を収納する筺体の斜視図、図5(b)は筺体内の床面上に本発明の低周波吸音材1を設置した状態の正面図、図5(c)は図5(b)のA−A線に沿う断面図を示している。
図5(a)において、変圧器(不図示)を収容する金属製(鋼板)の筺体5は直方体状を呈しており、その前面には扉5a、5bが設けられている。ここで、筺体の床面は金属製(鋼板)であることから、本発明における低周波吸音材1に対しては背後剛壁層としての機能を有することになる。
このような構成の筺体5の床面51上には、図5(b)に示すように、前述のタイプF´またはタイプSの皮膜2を用いた低周波吸音材(第2の音響特性評価試料(F´50)または第4の音響特性評価試料(S50に相当する低周波吸音材)1が多孔質体層3を床面51に向けて載置されている。ここで、低周波吸音材1は床面51の略全表面を覆うに等しい面積を有するものを使用することが好ましいところ、本実施例では3相の幹線ケーブル6が存在することから、低周波吸音材1としては矩形状に2分割された第1、第2の低周波吸音材1a、1bが使用されている。すなわち、本実施例においては、筺体5の下方位置から3相の幹線ケーブル6が上方に向けて立ち上げ布設されていることから、図5(c)に示すように、第1、第2の低周波吸音材1a、1bがこれらの第1、第2の低周波吸音材1a、1bで幹線ケーブル6を挟むようにして床面51上に載置されている。なお、図中、符号7は変圧器を示している。
このような構成の変圧器防音システムによれば、後述するように、筺体5の床面51上に低周波吸音材1を設置することで、4.0dB程度の騒音を低減することができる。
[実施例3]
次に、本発明の低周波吸音材1を用いた他の変圧器防音システムについて説明する。
図6は防音パネルを設置する前の変圧器設置部分の状況を示す平面図である。
同図において、変圧器を収容する筺体5は、例えば厚さが200mm程度のコンクリート壁等から成る剛壁8より囲まれている。ここで、筺体の背面側の剛壁は筺体5の背面より150mm程度離間した位置に、筺体の左側面側の剛壁は筺体5の左側面より290mm程度離間した位置に、筺体の右側面側の剛壁は筺体5の右側面より430mm程度離間した位置にそれぞれ筺体5の壁面と平行するように立設され、全体として上面から視てコ字状を呈するように配設されている。なお、筺体5の横幅は1300mm程度、縦幅は1100mm程度とされている。
このような変圧器の設置環境においては、図中、筺体5の正面方向約20m程度離間した位置(以下「高騒音ポイント」という。)Pに住むマンションなどの住民から騒音に対する苦情が発生する場合がある。この原因としては、変圧器から発生した音が筺体の左側面側の剛壁によって反響し、高騒音ポイントPに到達するためと考えられる。
図7は後述する本発明の防音パネルを設置した後の変圧器設置部分の状況を示す平面図である。なお、同図において、図6と共通する部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図7において、先ず、剛壁8の音源側(変圧器側)には図8に示す防音パネル9が各剛壁の壁面と平行に配設されている。
防音パネル9は、図9に示すように前述のタイプF´またはタイプSの皮膜2を用いた低周波吸音材(第2の音響特性評価試料(F´50)または第4の音響特性評価試料(S50)に相当する低周波吸音材)低周波吸音材)1と、低周波吸音材1の外表面を覆うフッ素フイルムなどから成る防水層10と、防水層10の音源側に当接され、パンチングメタルやエキスパンドメタルなどから成る保護層11とを備えており、これらの低周波吸音材1を覆う防水層10および保護層11は例えばU字状のステンレス製のパネル枠部材12に収納され蓋体13の冠着により一体にユニット化されている。
なお、防音パネル9の寸法は縦610mm、横920mm、高さ55mmとされ、低周波吸音材1の寸法は縦607mm、横910mm、高さ55mmとされている。このような構成のユニット式の防音パネル9を使用することで、現場において短時間での取付けが可能となり、屋外の環境下において特性の劣化が少なくなる。
図10は、防音パネルや低周波吸音材の設置条件を変えた場合の説明図である。ここで、条件1においては、筺体の背面側および両側面側の剛壁8にそれぞれ6枚の防音パネル9を2列に配設し、さらに、筺体5内の床面51上に低周波吸音材1を設置している。条件2においては、条件1において、筺体5内の低周波吸音材1がカットされている。条件3においては、条件2において、全ての防音パネル9がカットされている。
このような防音パネルや低周波吸音材の設置条件において、「リオン製普通騒音計NL−22」を用いて200Hzの音圧レベル値(F特性)を測定した。なお、測定点は、変圧器(筺体)の正面中央から0.3と1m離間した位置でかつ当該位置の地上1mの高さおいて設定した。また、高騒音ポイントPにおいても地上1mの高さで測定を行った。
図11は、このような測定方法によって得られたタイプF´およびタイプSにおける200Hzの音圧レベル値(F特性)を示している。
同図より、筺体5の床面上に低周波吸音材を設置することで、200Hz卓越騒音の低減を図ることができ、さらに、変圧器を収容する筺体の周りにも防音パネルを設置することで、より一層200Hz卓越騒音の低減を図ることができる。具体的には、第1に、筺体5の前面では10dBを超える顕著な低減効果が認められる。第2に、防音パネルや低周波吸音材の設置条件を変えた場合でも、タイプF´およびタイプSともに同様の傾向が見られる。第3に、条件1と条件2を比較した場合、筺体5内部に低周波吸音材を設置することで2.3乃至4.5dBの騒音低減効果があることが分かる。第4に、騒音低減効果は全体的にタイプSが高いことが分かる。第5に、高騒音ポイントPでの200Hzの音圧レベルはタイプF´で3.7乃至5.2dB、タイプSで7.6乃至9.1dBの低減効果が認められる。
本発明は、特許請求の範囲内で、次のように、変更、修正を加えることができる。
第1に、前述の実施例においては、変圧器を収容する筺体の幹線ケーブル側にのみ低周波吸音材を配設しているが、分岐ケーブル側の床面上にも設置することが好ましい。
第2に、前述の実施例においては、集合住宅用変圧器について述べているが、変圧器を収容するキュービクル式高圧受電設備などに適用しても本発明と同様の効果を奏することができる。
本発明の第1の実施例における低周波吸音材の断面図。 低周波吸音材の皮膜の候補として選定した4種類の供試材料の目標耐熱温度や面密度等を示す説明図。 4種類の供試材料における吸音率の測定結果を示す説明図。 4種類の音響特性評価試料における残響室法吸音率の測定結果を示す説明図。 本発明の第2の実施例における変圧器防音システムの説明図で、分図(a)は変圧器を収納する筺体の斜視図、分図(b)は筺体内の床面上に低周波吸音材を設置した状態の正面図、分図(c)は分図(b)のA−A線に沿う断面図。 防音パネルを設置する前の変圧器設置部分の状況を示す平面図。 防音パネルを設置した後の変圧器設置部分の状況を示す平面図。 防音パネルの正面図。 防音パネルの組立状況を示す説明図。 防音パネルや低周波吸音材の設置条件を変えた場合の説明図。 本発明の防音パネルにおける200Hzの音圧レベル値(F特性)を示す説明図。
符号の説明
1・・・低周波吸音材
2・・・皮膜
3・・・多孔質体層
5・・・筺体
51・・・床面
9・・・防音パネル

Claims (6)

  1. 面密度が0.68〜0.78kg/mまたは1.75〜1.85kg/mのシリコーンを主成分とする樹脂から成る皮膜と、前記皮膜の音源側と反対側の面に積層される多孔質体層とを備えることを特徴とする低周波吸音材。
  2. 前記多孔質体層は、グラスウールから成ることを特徴とする請求項1記載の低周波吸音材。
  3. 変圧器を収容する筺体を備え、
    前記筺体内の床面上には請求項1または請求項2記載の低周波吸音材が前記多孔質体層を前記床面側に向けて載置されていることを特徴とする変圧器防音システム。
  4. 変圧器を収容する筺体を備え、
    前記筺体内の床面上には請求項1または請求項2記載の低周波吸音材が前記多孔質体層を前記床面側に向けて載置され、
    前記筺体の外側には防音パネルが前記筺体を囲むように離間して立設されていることを特徴とする変圧器防音システム。
  5. 前記防音パネルは、請求項1または請求項2記載の低周波吸音材と、前記低周波吸音材の外表面を覆う防水層と、前記防水層の音源側に当接され、音を透過させる性質を有する金属製の保護層とを備えることを特徴とする請求項4記載の変圧器防音システム。
  6. 前記保護層は、パンチングメタルまたはエキスパンドメタルで構成されていることを特徴とする請求項5記載の変圧器防音システム。
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