JPH09204187A - アルミニウム多孔質吸音材 - Google Patents
アルミニウム多孔質吸音材Info
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- JPH09204187A JPH09204187A JP8010801A JP1080196A JPH09204187A JP H09204187 A JPH09204187 A JP H09204187A JP 8010801 A JP8010801 A JP 8010801A JP 1080196 A JP1080196 A JP 1080196A JP H09204187 A JPH09204187 A JP H09204187A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】結露等による水滴の付着など防ぎ、結露に起因
する腐食等を好適に防止することができ、長寿命で初期
吸音特性を長期に渡って発揮することができるアルミニ
ウム多孔質吸音材を提供する。 【解決手段】アルミニウム系エクスパンドメタルとアル
ミニウム系金属繊維不織布との積層体を圧着してなる多
孔率30〜40%のアルミニウム多孔質材の表面の少な
くとも一部を、フッ素系樹脂もしくはシリコーン系樹脂
で被覆することにより、あるいは更にアルカリ珪酸塩で
被覆することにより、前記課題を解決する。
する腐食等を好適に防止することができ、長寿命で初期
吸音特性を長期に渡って発揮することができるアルミニ
ウム多孔質吸音材を提供する。 【解決手段】アルミニウム系エクスパンドメタルとアル
ミニウム系金属繊維不織布との積層体を圧着してなる多
孔率30〜40%のアルミニウム多孔質材の表面の少な
くとも一部を、フッ素系樹脂もしくはシリコーン系樹脂
で被覆することにより、あるいは更にアルカリ珪酸塩で
被覆することにより、前記課題を解決する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔質吸音材の技
術分野に属し、詳しくは、耐候性および結露等に起因す
る腐食に対する耐蝕性に優れ、あるいはさらに抗菌およ
び抗カビ性に優れたアルミニウム多孔質吸音材に関す
る。
術分野に属し、詳しくは、耐候性および結露等に起因す
る腐食に対する耐蝕性に優れ、あるいはさらに抗菌およ
び抗カビ性に優れたアルミニウム多孔質吸音材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、吸音材としては多孔質材が利
用されており、特に、グラスウールが多用されている。
一方で、軽量で、機械的特性、加工性、耐久性に優れ、
しかもグラスウール等に比して薄くても好適な吸音特性
を得ることができる吸音材として、アルミニウム多孔質
吸音材が知られており、各種の建築物等に利用されてい
る。
用されており、特に、グラスウールが多用されている。
一方で、軽量で、機械的特性、加工性、耐久性に優れ、
しかもグラスウール等に比して薄くても好適な吸音特性
を得ることができる吸音材として、アルミニウム多孔質
吸音材が知られており、各種の建築物等に利用されてい
る。
【0003】ところが、アルミニウムは中性元素である
ため、アルミニウム製品は酸にもアルカリにも侵され易
い。しかも、アルミニウム多孔質吸音材は、多孔質材で
あるので、屋外に使用された場合には雨や雪等で、また
屋内でも空気中の水分の結露により、気孔内にまで水滴
が付着してしまい、それが大気中の酸化窒素等と反応し
て腐食がより進行し易い。
ため、アルミニウム製品は酸にもアルカリにも侵され易
い。しかも、アルミニウム多孔質吸音材は、多孔質材で
あるので、屋外に使用された場合には雨や雪等で、また
屋内でも空気中の水分の結露により、気孔内にまで水滴
が付着してしまい、それが大気中の酸化窒素等と反応し
て腐食がより進行し易い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような問題点を解
決するために、アルミニウム多孔質材の表面にセラミッ
クコーティング、例えば、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン等のオルガノアルコキシシラ
ンをコーティングしたアルミニウム多孔質材吸音材が提
案されている(特開平6−37681号公報参照)。こ
の方法によれば、アルミニウム多孔質吸音材の耐蝕性を
向上することはできる。しかしながら、結露等による気
孔内の水滴付着を防止することはできず、これに起因す
る前述の腐食を防止することはできない。しかも、水滴
が大量になると、結果的に吸音材の多孔率を変化させる
ことになり、吸音特性が変化して、所望の吸音特性を発
揮することができないという問題点もある。
決するために、アルミニウム多孔質材の表面にセラミッ
クコーティング、例えば、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン等のオルガノアルコキシシラ
ンをコーティングしたアルミニウム多孔質材吸音材が提
案されている(特開平6−37681号公報参照)。こ
の方法によれば、アルミニウム多孔質吸音材の耐蝕性を
向上することはできる。しかしながら、結露等による気
孔内の水滴付着を防止することはできず、これに起因す
る前述の腐食を防止することはできない。しかも、水滴
が大量になると、結果的に吸音材の多孔率を変化させる
ことになり、吸音特性が変化して、所望の吸音特性を発
揮することができないという問題点もある。
【0005】本発明の目的は、前記従来技術の問題点を
解決することにあり、通常の耐蝕性のみならず、結露等
による水滴の付着など防ぎ、屋外、屋内プールやアイス
アリーナ等の結露し易い場所に利用した際においても、
結露に起因する腐食等を好適に防止することができ、長
寿命で初期吸音特性を長期に渡って発揮することができ
るアルミニウム多孔質吸音材、および、このような耐食
性に加え、優れた抗菌および抗カビ性を有するアルミニ
ウム多孔質材を提供することにある。
解決することにあり、通常の耐蝕性のみならず、結露等
による水滴の付着など防ぎ、屋外、屋内プールやアイス
アリーナ等の結露し易い場所に利用した際においても、
結露に起因する腐食等を好適に防止することができ、長
寿命で初期吸音特性を長期に渡って発揮することができ
るアルミニウム多孔質吸音材、および、このような耐食
性に加え、優れた抗菌および抗カビ性を有するアルミニ
ウム多孔質材を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明者は鋭意検討を重ねた結果、アルミニウム多
孔質吸音材の表面をフッ素系樹脂もしくはシリコーン系
樹脂で被覆(コーティング)することにより、アルミニ
ウム多孔質吸音材の多孔率を殆ど低下させることなく、
気孔内まで好適な撥水性を付与することができ、これに
より、耐蝕性のみならず優れた結露対策をも施した吸音
材を実現できることを見出し、本発明を成すに至った。
しかも、フッ素系樹脂に染料や含量等の着色剤を混合し
てコーティングを行うことにより、アルミニウム多孔質
吸音材の表面を美しく着色することができ、美麗で装飾
性に優れる吸音材が実現できることも同時に見出した。
に、本発明者は鋭意検討を重ねた結果、アルミニウム多
孔質吸音材の表面をフッ素系樹脂もしくはシリコーン系
樹脂で被覆(コーティング)することにより、アルミニ
ウム多孔質吸音材の多孔率を殆ど低下させることなく、
気孔内まで好適な撥水性を付与することができ、これに
より、耐蝕性のみならず優れた結露対策をも施した吸音
材を実現できることを見出し、本発明を成すに至った。
しかも、フッ素系樹脂に染料や含量等の着色剤を混合し
てコーティングを行うことにより、アルミニウム多孔質
吸音材の表面を美しく着色することができ、美麗で装飾
性に優れる吸音材が実現できることも同時に見出した。
【0007】さらに、前記吸音材の樹脂被覆の上および
/または非樹脂被覆部(すなわちアルミニウム表面)
を、水溶性アルカリ珪酸塩で被覆することにより、前記
結露対策および耐蝕性に加え、優れた抗菌および抗カビ
性をも発現することができ、極めて衛生的な吸音材を実
現できることも見出した。
/または非樹脂被覆部(すなわちアルミニウム表面)
を、水溶性アルカリ珪酸塩で被覆することにより、前記
結露対策および耐蝕性に加え、優れた抗菌および抗カビ
性をも発現することができ、極めて衛生的な吸音材を実
現できることも見出した。
【0008】すなわち、本発明は、アルミニウム系エク
スパンドメタルとアルミニウム系金属繊維不織布との積
層体を圧着してなる多孔率30〜40%のアルミニウム
多孔質材の表面の少なくとも一部を、フッ素系樹脂もし
くはシリコーン系樹脂で被覆してなることを特徴とする
アルミニウム多孔質吸音材を提供する。
スパンドメタルとアルミニウム系金属繊維不織布との積
層体を圧着してなる多孔率30〜40%のアルミニウム
多孔質材の表面の少なくとも一部を、フッ素系樹脂もし
くはシリコーン系樹脂で被覆してなることを特徴とする
アルミニウム多孔質吸音材を提供する。
【0009】また、前記フッ素系樹脂もしくはシリコー
ン系樹脂が着色剤を含有するのが好ましい。
ン系樹脂が着色剤を含有するのが好ましい。
【0010】さらに、本発明の別の態様は、前記本発明
のアルミニウム多孔質吸音材において、前記フッ素系樹
脂もしくはシリコーン系樹脂表面、もしくは前記樹脂に
被覆されないアルミニウム多孔質材表面、あるいは両表
面を、水溶性アルカリ珪酸塩で被覆してなるアルミニウ
ム多孔質吸音材を提供する。
のアルミニウム多孔質吸音材において、前記フッ素系樹
脂もしくはシリコーン系樹脂表面、もしくは前記樹脂に
被覆されないアルミニウム多孔質材表面、あるいは両表
面を、水溶性アルカリ珪酸塩で被覆してなるアルミニウ
ム多孔質吸音材を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明のアルミニウム多孔
質吸音材について詳細に説明する。本発明のアルミニウ
ム多孔質吸音材(以下、吸音材とする)は、基材となる
アルミニウム多孔質材として、図1の概略断面図に示さ
れるような、アルミニウム系エクスパンドメタル(以
下、エクスパンドメタルとする)12とアルミニウム系
繊維不織布(以下、アルミニウム不織布とする)14と
の積層体、好ましくは、エクスパンドメタル12で金属
不織布14を挟持してなる積層体を、ロールプレス等で
圧着してなる板状のアルミニウム多孔質材(以下、多孔
質材とする)10を用いる。なお、このような多孔質材
は、本出願人による特公平4−13142号公報に詳述
されている。
質吸音材について詳細に説明する。本発明のアルミニウ
ム多孔質吸音材(以下、吸音材とする)は、基材となる
アルミニウム多孔質材として、図1の概略断面図に示さ
れるような、アルミニウム系エクスパンドメタル(以
下、エクスパンドメタルとする)12とアルミニウム系
繊維不織布(以下、アルミニウム不織布とする)14と
の積層体、好ましくは、エクスパンドメタル12で金属
不織布14を挟持してなる積層体を、ロールプレス等で
圧着してなる板状のアルミニウム多孔質材(以下、多孔
質材とする)10を用いる。なお、このような多孔質材
は、本出願人による特公平4−13142号公報に詳述
されている。
【0012】エクスパンドメタルは、図2の概略斜視図
に示されるように、金属薄板に多数の切込みを入れ、切
込みを略直角方向に引張って全体を網状にしたものであ
る。本発明においては、アルミニウムもしくはアルミニ
ウム系合金製のエクスパンドメタル12を用いる。この
ようなエクスパンドメタル12は、金属網のように金属
細線を編んだ物ではないため、金属薄板の切込み断面が
引張り力によってねじれ、金属薄板平面と直角方向のみ
ならず平行方向、斜方向等にずれているねじれ部分16
を有する。そのため、アルミニウム不織布14を積層し
て圧着すると両者のからみ合いが良い。本発明で用いる
多孔質材10は、このようなエクスパンドメタル12の
形状特性を利用したものである。
に示されるように、金属薄板に多数の切込みを入れ、切
込みを略直角方向に引張って全体を網状にしたものであ
る。本発明においては、アルミニウムもしくはアルミニ
ウム系合金製のエクスパンドメタル12を用いる。この
ようなエクスパンドメタル12は、金属網のように金属
細線を編んだ物ではないため、金属薄板の切込み断面が
引張り力によってねじれ、金属薄板平面と直角方向のみ
ならず平行方向、斜方向等にずれているねじれ部分16
を有する。そのため、アルミニウム不織布14を積層し
て圧着すると両者のからみ合いが良い。本発明で用いる
多孔質材10は、このようなエクスパンドメタル12の
形状特性を利用したものである。
【0013】エクスパンドメタル12の板厚は特に制限
はないが、通常0.2mm〜1mmのものが好適に用いられ
る。また、金属薄板に入れる切込み、引張り等の加工程
度、すなわちエクスパンドメタル12の開口18の長目
および短目の中心距離や両者のバランスを、金属繊維の
形状と種類に応じて適切に選択すれば、エクスパンドメ
タル12とアルミニウム不織布14との圧接状態が良好
な多孔質材10が得られる。なお、本発明に用いる多孔
質材においては、エクスパンドメタルの代わりにアルミ
ニウム系金網を用いてもよい。
はないが、通常0.2mm〜1mmのものが好適に用いられ
る。また、金属薄板に入れる切込み、引張り等の加工程
度、すなわちエクスパンドメタル12の開口18の長目
および短目の中心距離や両者のバランスを、金属繊維の
形状と種類に応じて適切に選択すれば、エクスパンドメ
タル12とアルミニウム不織布14との圧接状態が良好
な多孔質材10が得られる。なお、本発明に用いる多孔
質材においては、エクスパンドメタルの代わりにアルミ
ニウム系金網を用いてもよい。
【0014】本発明においては、このようなエクスパン
ドメタル12とアルミニウム不織布金属16との積層体
を圧着してなる多孔質材10を用いる。アルミニウム不
織布16としては、公知の方法で製造あるいは市販され
たアルミニウム製もしくはアルミニウム系合金製の金属
繊維不織布が各種利用可能であり、特に溶融アルミニウ
ムから紡糸されたアルミニウム不織布を用いると、アル
ミニウム繊維が細く柔軟で、エクスパンドメタルとのか
み合いが良く、利用に際して曲げ加工等を行っても細か
い金属が欠け落ちることなく、環境衛生上も安全であ
る。また、原料として用いるアルミニウム不織布14の
面密度には特に限定はないが、後述する多孔質材10の
多孔率や厚さ等を考慮すると、面密度550g/m2〜20
00g/m2、特に、600g/m2〜1650g/m2のアルミニ
ウム不織布が好適に用いられる。
ドメタル12とアルミニウム不織布金属16との積層体
を圧着してなる多孔質材10を用いる。アルミニウム不
織布16としては、公知の方法で製造あるいは市販され
たアルミニウム製もしくはアルミニウム系合金製の金属
繊維不織布が各種利用可能であり、特に溶融アルミニウ
ムから紡糸されたアルミニウム不織布を用いると、アル
ミニウム繊維が細く柔軟で、エクスパンドメタルとのか
み合いが良く、利用に際して曲げ加工等を行っても細か
い金属が欠け落ちることなく、環境衛生上も安全であ
る。また、原料として用いるアルミニウム不織布14の
面密度には特に限定はないが、後述する多孔質材10の
多孔率や厚さ等を考慮すると、面密度550g/m2〜20
00g/m2、特に、600g/m2〜1650g/m2のアルミニ
ウム不織布が好適に用いられる。
【0015】本発明に用いる多孔質材10は、このよう
なエクスパンドメタル12およびアルミニウム不織布1
4を用いて以下のように製造される。まず、アルミニウ
ム不織布14の片面あるいは両面にエクスパンドメタル
12を張り、アルミニウム不織布14とエクスパンドメ
タル12との積層体を作製する。この積層体をプレスあ
るいはロール圧延により圧着する。この圧着により、エ
クスパンドメタル12がアルミニウム不織布14に噛み
込み、また、両者がアルミニウムの展延性により密着
し、多孔質材10となる。なお、圧着の際の力には特に
限定はなく、後述する多孔質材10の多孔率や厚さを考
慮して、目的に応じたものとすればよいが、通常、30
0Kg/cm2〜2000Kg/cm2程度である。
なエクスパンドメタル12およびアルミニウム不織布1
4を用いて以下のように製造される。まず、アルミニウ
ム不織布14の片面あるいは両面にエクスパンドメタル
12を張り、アルミニウム不織布14とエクスパンドメ
タル12との積層体を作製する。この積層体をプレスあ
るいはロール圧延により圧着する。この圧着により、エ
クスパンドメタル12がアルミニウム不織布14に噛み
込み、また、両者がアルミニウムの展延性により密着
し、多孔質材10となる。なお、圧着の際の力には特に
限定はなく、後述する多孔質材10の多孔率や厚さを考
慮して、目的に応じたものとすればよいが、通常、30
0Kg/cm2〜2000Kg/cm2程度である。
【0016】本発明の吸音材に用いられる多孔質材10
としては、後述するフッ素系樹脂やシリコーン系樹脂に
よる被覆性(すなわち、多孔質材10の多孔率の低減が
少なく、かつ気孔内のアルミニウム不織布14表面まで
好適にコーティングできること)と吸音特性とのバラン
スを考慮すると、多孔率30〜40%のものを用い、特
に多孔率33%〜39%の多孔質材10が好適に用いら
れる。なお、多孔質材10の厚さには特に限定はない
が、多孔率と同様の理由で、0.8mm〜1.6mmのもの
が好適に用いられる。
としては、後述するフッ素系樹脂やシリコーン系樹脂に
よる被覆性(すなわち、多孔質材10の多孔率の低減が
少なく、かつ気孔内のアルミニウム不織布14表面まで
好適にコーティングできること)と吸音特性とのバラン
スを考慮すると、多孔率30〜40%のものを用い、特
に多孔率33%〜39%の多孔質材10が好適に用いら
れる。なお、多孔質材10の厚さには特に限定はない
が、多孔率と同様の理由で、0.8mm〜1.6mmのもの
が好適に用いられる。
【0017】本発明の吸音材の第1の態様は、このよう
な多孔質材10をフッ素系樹脂もしくはシリコーン系樹
脂で被覆(コーティング)、好ましくは、多孔質材10
の多孔率をほとんど低下させることなくコーティングし
てなるものである。
な多孔質材10をフッ素系樹脂もしくはシリコーン系樹
脂で被覆(コーティング)、好ましくは、多孔質材10
の多孔率をほとんど低下させることなくコーティングし
てなるものである。
【0018】用いられるフッ素系樹脂としては、四フッ
化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン−六フ
ッ化プロピレン共重合樹脂(FEP)、四フッ化エチレ
ン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂
(PFA)、四フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂
(ETFE)、三フッ化塩化エチレン樹脂(CTF
E)、フッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、三フッ化塩
化エチレン−ビニルエーテル共重合樹脂(FEVE)
等、分子中にフッ素原子を含有する高分子物質が各種利
用可能である。また、このようなフッ素系樹脂として
は、市販品を用いてもよく、例えば、ノバフッソ PF
−250(フッ化ビニリデン三元重合体樹脂 大日本色
材工業社製)等が好適に例示される。
化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン−六フ
ッ化プロピレン共重合樹脂(FEP)、四フッ化エチレ
ン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂
(PFA)、四フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂
(ETFE)、三フッ化塩化エチレン樹脂(CTF
E)、フッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、三フッ化塩
化エチレン−ビニルエーテル共重合樹脂(FEVE)
等、分子中にフッ素原子を含有する高分子物質が各種利
用可能である。また、このようなフッ素系樹脂として
は、市販品を用いてもよく、例えば、ノバフッソ PF
−250(フッ化ビニリデン三元重合体樹脂 大日本色
材工業社製)等が好適に例示される。
【0019】シリコーン系樹脂としては、ジクロロシラ
ンおよびトリクロロシランから生成される2官能性もし
くは3官能性シロキサンの二次元もしくは三次元の重合
体が例示される。また、これを含有する塗料であるスト
レートシリコーンワニスKR311(信越化学工業社
製)等も好適に利用される。また、共重合成分としてエ
ポキシ、アルキド、ポリエステル、ウレタン、アクリル
等を用い、あるいはこれらで変性してなるシリコーン系
樹脂も好適に使用可能である。なお、フッ素系樹脂およ
びシリコーン系樹脂は、必要に応じて複数を併用しても
よい。
ンおよびトリクロロシランから生成される2官能性もし
くは3官能性シロキサンの二次元もしくは三次元の重合
体が例示される。また、これを含有する塗料であるスト
レートシリコーンワニスKR311(信越化学工業社
製)等も好適に利用される。また、共重合成分としてエ
ポキシ、アルキド、ポリエステル、ウレタン、アクリル
等を用い、あるいはこれらで変性してなるシリコーン系
樹脂も好適に使用可能である。なお、フッ素系樹脂およ
びシリコーン系樹脂は、必要に応じて複数を併用しても
よい。
【0020】前述の多孔質材10の表面を、このような
フッ素系樹脂もしくはシリコーン系樹脂でコーティング
する方法には特に限定はなく、例えば、これらの樹脂
(あるいはその組成物)を、粉体、水性ディスパージョ
ン、水性エマルジョン、有機溶剤溶液、有機溶剤分散液
等の形態として、スプレー塗布、浸漬塗布、刷毛塗布等
により多孔質材10の表面(片面でも可 好ましくは両
面)に塗布し、多孔質材10の表面に適当量を付着させ
た後、乾燥することによって行うことができる。なお、
乾燥は、常温で放置して行ってもよいが、好ましくは、
乾燥中および/または乾燥後に40℃〜400℃で加熱
処理を行う。水あるいは有機溶剤を用いて、塗料として
フッ素系樹脂もしくはシリコーン系樹脂を多孔質材10
に塗布する際の樹脂濃度は、目的とするコーティング層
の厚さや塗布方法等に応じて適宜決定すればよい。
フッ素系樹脂もしくはシリコーン系樹脂でコーティング
する方法には特に限定はなく、例えば、これらの樹脂
(あるいはその組成物)を、粉体、水性ディスパージョ
ン、水性エマルジョン、有機溶剤溶液、有機溶剤分散液
等の形態として、スプレー塗布、浸漬塗布、刷毛塗布等
により多孔質材10の表面(片面でも可 好ましくは両
面)に塗布し、多孔質材10の表面に適当量を付着させ
た後、乾燥することによって行うことができる。なお、
乾燥は、常温で放置して行ってもよいが、好ましくは、
乾燥中および/または乾燥後に40℃〜400℃で加熱
処理を行う。水あるいは有機溶剤を用いて、塗料として
フッ素系樹脂もしくはシリコーン系樹脂を多孔質材10
に塗布する際の樹脂濃度は、目的とするコーティング層
の厚さや塗布方法等に応じて適宜決定すればよい。
【0021】フッ素系樹脂もしくはシリコーン系樹脂に
よるコーティング層(被覆層)の厚さには特に限定はな
いが、十分な結露対策(気孔内外の水滴付着防止)を施
すことができ、かつ多孔質材10の多孔率の低減が小さ
く所定(すなわち多孔質材10が有する)の吸音特性を
発揮できる等の点で、0.5μm〜2μm、特に、1μ
m〜1.5μmとするのが好ましい。なお、コーティン
グ層厚の調整は、例えば、前述の塗料を用いる場合であ
れば塗布量を調整する方法等、公知の方法によればよ
い。
よるコーティング層(被覆層)の厚さには特に限定はな
いが、十分な結露対策(気孔内外の水滴付着防止)を施
すことができ、かつ多孔質材10の多孔率の低減が小さ
く所定(すなわち多孔質材10が有する)の吸音特性を
発揮できる等の点で、0.5μm〜2μm、特に、1μ
m〜1.5μmとするのが好ましい。なお、コーティン
グ層厚の調整は、例えば、前述の塗料を用いる場合であ
れば塗布量を調整する方法等、公知の方法によればよ
い。
【0022】また、フッ素系樹脂あるいはシリコーン系
樹脂(あるいは、これを含有する塗料)に染料や顔料、
着色塗料等の着色剤を混合し、これを多孔質材10に塗
布してコーティング層を形成することにより、本発明の
吸音材を着色してもよい。これにより、装飾性に優れる
美麗な吸音材を実現することができ、特に、プールやア
イスアリーナ等の装飾性と結露防止性との両者を要求さ
れる用途に好適に利用可能である。
樹脂(あるいは、これを含有する塗料)に染料や顔料、
着色塗料等の着色剤を混合し、これを多孔質材10に塗
布してコーティング層を形成することにより、本発明の
吸音材を着色してもよい。これにより、装飾性に優れる
美麗な吸音材を実現することができ、特に、プールやア
イスアリーナ等の装飾性と結露防止性との両者を要求さ
れる用途に好適に利用可能である。
【0023】ここで、アルミニウム多孔質材のみなら
ず、多孔質材全般が有する問題点として、多孔質材であ
るが故に、気孔の中に雑菌やカビ等が繁殖し易く、衛生
面で不利であるという問題がある。これに対し、本発明
の吸音材の第2の態様においては、前述の本発明の第1
の態様の吸音材のフッ素系樹脂コーティング層もしくは
シリコーン系樹脂コーティング層上(以下、両者をまと
めて樹脂層と称する)、もしくは樹脂に被覆されていな
い部分すなわち多孔質材10表面、あるいは樹脂層およ
び非樹脂被覆部の両者を、水溶性アルカリ珪酸塩(以
下、アルカリ珪酸塩とする)でコーティングする。本態
様の吸音材によれば、このアルカリ珪酸塩層を有するこ
とにより、前述の結露対策に加え、優れた抗菌および抗
カビ性を発揮することができ、極めて衛生的な吸音材を
実現することができる。
ず、多孔質材全般が有する問題点として、多孔質材であ
るが故に、気孔の中に雑菌やカビ等が繁殖し易く、衛生
面で不利であるという問題がある。これに対し、本発明
の吸音材の第2の態様においては、前述の本発明の第1
の態様の吸音材のフッ素系樹脂コーティング層もしくは
シリコーン系樹脂コーティング層上(以下、両者をまと
めて樹脂層と称する)、もしくは樹脂に被覆されていな
い部分すなわち多孔質材10表面、あるいは樹脂層およ
び非樹脂被覆部の両者を、水溶性アルカリ珪酸塩(以
下、アルカリ珪酸塩とする)でコーティングする。本態
様の吸音材によれば、このアルカリ珪酸塩層を有するこ
とにより、前述の結露対策に加え、優れた抗菌および抗
カビ性を発揮することができ、極めて衛生的な吸音材を
実現することができる。
【0024】本発明に用いられるアルカリ珪酸塩とは、
一般式M2 0・nSiO2[上記式において、MはL
i,Na,K,Cs等のアルカリ金属を、nは1〜5の
整数をそれぞれ示す。]で示される物質を主構成分とす
るものであり、珪酸リチウム(Li2 O・nSi
O2 )、珪酸ナトリウム(Na2 O・nSiO2 )、珪
酸カリウム(K2 O・nSiO2 )、珪酸セシウム(C
s2 O・nSiO2 )等が知られている。特に、珪酸リ
チウムおよび珪酸ナトリウムは好適に利用され、中でも
特に、被覆性および抗菌・抗カビ性の点で、n=3〜4
のものが好適に利用される。
一般式M2 0・nSiO2[上記式において、MはL
i,Na,K,Cs等のアルカリ金属を、nは1〜5の
整数をそれぞれ示す。]で示される物質を主構成分とす
るものであり、珪酸リチウム(Li2 O・nSi
O2 )、珪酸ナトリウム(Na2 O・nSiO2 )、珪
酸カリウム(K2 O・nSiO2 )、珪酸セシウム(C
s2 O・nSiO2 )等が知られている。特に、珪酸リ
チウムおよび珪酸ナトリウムは好適に利用され、中でも
特に、被覆性および抗菌・抗カビ性の点で、n=3〜4
のものが好適に利用される。
【0025】前述の本発明の第1の態様の吸音材の表面
に、浸漬塗布、刷毛塗り等の公知の方法でアルカリ珪酸
塩の水溶液、好ましくは、3〜4倍程度に希釈した水溶
液を塗布し、自然乾燥するか、好ましくは100℃〜3
00℃で加熱乾燥することにより、本発明の第1の態様
の吸音材の表面にアルカリ珪酸塩層を形成する。これに
より、特にアルカリ珪酸塩のアルカリの作用によって優
れた抗菌および抗カビ性を有する吸音材を実現すること
ができる。なお、アルカリ珪酸塩をコーティングする際
には、複数のアルカリ珪酸塩の混合物を用いてもよい
し、多種類のアルカリ珪酸塩の多層被膜としてもよい。
に、浸漬塗布、刷毛塗り等の公知の方法でアルカリ珪酸
塩の水溶液、好ましくは、3〜4倍程度に希釈した水溶
液を塗布し、自然乾燥するか、好ましくは100℃〜3
00℃で加熱乾燥することにより、本発明の第1の態様
の吸音材の表面にアルカリ珪酸塩層を形成する。これに
より、特にアルカリ珪酸塩のアルカリの作用によって優
れた抗菌および抗カビ性を有する吸音材を実現すること
ができる。なお、アルカリ珪酸塩をコーティングする際
には、複数のアルカリ珪酸塩の混合物を用いてもよい
し、多種類のアルカリ珪酸塩の多層被膜としてもよい。
【0026】また、樹脂被覆部分はアルカリ珪酸塩の水
溶液の濡れ性が悪いので、必要に応じて、樹脂被覆部分
を、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エス
テル、これらのポリエチレンオキシド付加物等のいわゆ
る防曇剤で処理して、樹脂被覆の濡れ性を確保してもよ
い。この場合、前述の結露対策性は低下するものの、樹
脂層とアルカリ珪酸塩層との作用により、非常に優れた
腐食防止性を確保でき、前記結露対策性に優れた本発明
の第1の態様と同等の耐蝕性を得ることができる。他
方、例えば、多孔質材10の一方の面に樹脂層を形成し
他方の面にアルカリ珪酸塩層を形成する、樹脂層とアル
カリ珪酸塩層とをランダムに形成する、樹脂層を表面に
形成してアルカリ珪酸塩層を気孔内に形成する等、非樹
脂被覆部分にアルカリ珪酸塩層を形成した場合には、多
孔質材10の表面にAl2 O3 ・SiO2 の強固な化合
物が生成し、優れた耐蝕性を発現できると共に、アルカ
リ珪酸塩が有するアルカリ酸化物が微粒子となって多孔
質材10表面に分散され、空気中の水分等と反応して水
酸化アルカリが生成し、優れた抗菌および抗カビ性を発
現すると考えられる。
溶液の濡れ性が悪いので、必要に応じて、樹脂被覆部分
を、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エス
テル、これらのポリエチレンオキシド付加物等のいわゆ
る防曇剤で処理して、樹脂被覆の濡れ性を確保してもよ
い。この場合、前述の結露対策性は低下するものの、樹
脂層とアルカリ珪酸塩層との作用により、非常に優れた
腐食防止性を確保でき、前記結露対策性に優れた本発明
の第1の態様と同等の耐蝕性を得ることができる。他
方、例えば、多孔質材10の一方の面に樹脂層を形成し
他方の面にアルカリ珪酸塩層を形成する、樹脂層とアル
カリ珪酸塩層とをランダムに形成する、樹脂層を表面に
形成してアルカリ珪酸塩層を気孔内に形成する等、非樹
脂被覆部分にアルカリ珪酸塩層を形成した場合には、多
孔質材10の表面にAl2 O3 ・SiO2 の強固な化合
物が生成し、優れた耐蝕性を発現できると共に、アルカ
リ珪酸塩が有するアルカリ酸化物が微粒子となって多孔
質材10表面に分散され、空気中の水分等と反応して水
酸化アルカリが生成し、優れた抗菌および抗カビ性を発
現すると考えられる。
【0027】アルカリ珪酸塩層の厚さには特に限定はな
いが、多孔質材10の多孔率の低減が小さく所定(すな
わち多孔質材10が有する)の吸音特性を発揮でき、優
れた抗菌および抗カビ性を得られる等の点で、1〜5μ
m程度とするのが好ましい。
いが、多孔質材10の多孔率の低減が小さく所定(すな
わち多孔質材10が有する)の吸音特性を発揮でき、優
れた抗菌および抗カビ性を得られる等の点で、1〜5μ
m程度とするのが好ましい。
【0028】以上、本発明のアルミニウム多孔質吸音材
について説明したが、本発明はこれに限定はされず、本
発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良およ
び変更を行ってもよいのは勿論である。
について説明したが、本発明はこれに限定はされず、本
発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良およ
び変更を行ってもよいのは勿論である。
【0029】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明
をより詳細に説明する。 [実施例]下記の3種の吸音材を用意した。 <吸音材A(比較例)>繊維径100μmで面密度16
50g/m2のアルミニウム不織布14を、(アルミニウ
ム)エクスパンドメタル12(短目方向の中心距離3mm
×長目方向の中心距離4mm、板厚0.5mm)で挟持した
積層体を作製し、この積層体をプレスローラを用いて8
00Kg/cm2で圧着してなる、サイズが80mm×120m
m、厚さ1.6mmで、多孔率37%の、図1に示される
ような吸音材(多孔質材10)。 <吸音材B(発明例)>前記吸音材Aの片面に、ノバフ
ッソPF−250(フッ化ビニリデン三元重合体樹脂
大日本色材工業社製)をシンナー系溶剤に溶解してなる
有機溶剤型塗料をスプレー塗布し、350℃で加熱乾燥
することにより、表面に1μmのフッ素系樹脂層を形成
してなる吸音材(多孔率は、ほぼ変化なく約37%)。 <吸音材C(発明例)>前記吸音材Aの片面に、ストレ
ートシリコーンワニスKR311(信越化学工業社製)
をキシレンに溶解してなる有機溶剤型塗料をスプレー塗
布し、350℃で加熱乾燥することにより、表面に1μ
mのフッ素系樹脂層を形成してなる吸音材(多孔率は、
ほぼ変化なく約37%)。これらの吸音材を用い、下記
の各試験を行った。
をより詳細に説明する。 [実施例]下記の3種の吸音材を用意した。 <吸音材A(比較例)>繊維径100μmで面密度16
50g/m2のアルミニウム不織布14を、(アルミニウ
ム)エクスパンドメタル12(短目方向の中心距離3mm
×長目方向の中心距離4mm、板厚0.5mm)で挟持した
積層体を作製し、この積層体をプレスローラを用いて8
00Kg/cm2で圧着してなる、サイズが80mm×120m
m、厚さ1.6mmで、多孔率37%の、図1に示される
ような吸音材(多孔質材10)。 <吸音材B(発明例)>前記吸音材Aの片面に、ノバフ
ッソPF−250(フッ化ビニリデン三元重合体樹脂
大日本色材工業社製)をシンナー系溶剤に溶解してなる
有機溶剤型塗料をスプレー塗布し、350℃で加熱乾燥
することにより、表面に1μmのフッ素系樹脂層を形成
してなる吸音材(多孔率は、ほぼ変化なく約37%)。 <吸音材C(発明例)>前記吸音材Aの片面に、ストレ
ートシリコーンワニスKR311(信越化学工業社製)
をキシレンに溶解してなる有機溶剤型塗料をスプレー塗
布し、350℃で加熱乾燥することにより、表面に1μ
mのフッ素系樹脂層を形成してなる吸音材(多孔率は、
ほぼ変化なく約37%)。これらの吸音材を用い、下記
の各試験を行った。
【0030】<結露試験>図3に示されるように、デシ
ケータ20内に、底板22が浸されないように硫酸ソー
ダ飽和水溶液24を充填し、底板22の上に筐体26を
載置して、その中に氷水を充填した袋28を収容した。
このデシケータ20の内部を20℃に保持した。これに
より、内部雰囲気は湿度93%、蒸気圧16.1mmHgに
保持される(化学便覧参照)。この状態で、図3に示さ
れるように、筐体26上に各吸音材Aを載置し、30分
毎に重量[g]を測定した。各経化時間における重量
[g]および重量の増加率[%]を下記表1に示す。
ケータ20内に、底板22が浸されないように硫酸ソー
ダ飽和水溶液24を充填し、底板22の上に筐体26を
載置して、その中に氷水を充填した袋28を収容した。
このデシケータ20の内部を20℃に保持した。これに
より、内部雰囲気は湿度93%、蒸気圧16.1mmHgに
保持される(化学便覧参照)。この状態で、図3に示さ
れるように、筐体26上に各吸音材Aを載置し、30分
毎に重量[g]を測定した。各経化時間における重量
[g]および重量の増加率[%]を下記表1に示す。
【0031】
【0032】表1に示される結果より明らかなように、
コーティングをしていない吸音材Aは、結露による重量
増加が多く、90分で1.35%も増加しているのに対
し、コーティングを行った本発明の吸音材BおよびCで
は、共に0.3%台の重量増加率であり結露による水滴
の付着が少ない。特に、フッ素系樹脂をコーティングし
た吸音材Bは増加率0.3%と極めて優れた結露対策と
なる。
コーティングをしていない吸音材Aは、結露による重量
増加が多く、90分で1.35%も増加しているのに対
し、コーティングを行った本発明の吸音材BおよびCで
は、共に0.3%台の重量増加率であり結露による水滴
の付着が少ない。特に、フッ素系樹脂をコーティングし
た吸音材Bは増加率0.3%と極めて優れた結露対策と
なる。
【0033】<塩水噴霧試験>前記吸音材Bを用いてJ
IS Z 2371に準拠して塩水噴霧試験を行い、3
36時間経過後の垂直入射法吸音率(背後空気層50m
m)をJIS A 1405に準拠して測定した。塩水
噴霧試験前および336時間経過後の吸音特性を図4に
示すが、本発明にかかる吸音材Bは、塩水噴霧試験前後
でほとんど吸音特性に変化が無く、耐蝕性に優れたもの
である。なお、塩水噴霧試験を行わない吸音材Aと吸音
材Bの吸音特性はほぼ同様であった。
IS Z 2371に準拠して塩水噴霧試験を行い、3
36時間経過後の垂直入射法吸音率(背後空気層50m
m)をJIS A 1405に準拠して測定した。塩水
噴霧試験前および336時間経過後の吸音特性を図4に
示すが、本発明にかかる吸音材Bは、塩水噴霧試験前後
でほとんど吸音特性に変化が無く、耐蝕性に優れたもの
である。なお、塩水噴霧試験を行わない吸音材Aと吸音
材Bの吸音特性はほぼ同様であった。
【0034】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
アルミニウム多孔質吸音材は、通常の耐蝕性のみなら
ず、結露等による水滴の付着など防ぎ、屋外、屋内プー
ルやアイスアリーナ等の結露し易い場所に利用した際に
おいても、結露に起因する腐食等を好適に防止すること
ができ、長寿命で初期吸音特性を長期に渡って発揮する
ことができる。また、本発明の第2の態様のアルミニウ
ム多孔質吸音材は、前記第1の態様の吸音材が有する防
食性に加え、優れた抗菌および抗カビ性を有し、極めて
衛生的な吸音材を実現することができる。
アルミニウム多孔質吸音材は、通常の耐蝕性のみなら
ず、結露等による水滴の付着など防ぎ、屋外、屋内プー
ルやアイスアリーナ等の結露し易い場所に利用した際に
おいても、結露に起因する腐食等を好適に防止すること
ができ、長寿命で初期吸音特性を長期に渡って発揮する
ことができる。また、本発明の第2の態様のアルミニウ
ム多孔質吸音材は、前記第1の態様の吸音材が有する防
食性に加え、優れた抗菌および抗カビ性を有し、極めて
衛生的な吸音材を実現することができる。
【図1】本発明のアルミニウム多孔質吸音材に用いられ
る(アルミニウム)多孔質材の概略断面図である。
る(アルミニウム)多孔質材の概略断面図である。
【図2】エクスパンドメタルの概略斜視図である。
【図3】本発明の実施例における結露試験を説明するた
めの概念図である。
めの概念図である。
【図4】本発明のアルミニウム多孔質吸音材の吸音特性
を示すグラフである。
を示すグラフである。
10 (アルミニウム)多孔質材 12 (アルミニウム)エクスパンドメタル 14 (アルミニウム繊維)不織布 16 ねじれ部分 18 開口 20 デシケータ 22 底板 24 硫酸ソーダ飽和水溶液 26 筐体 28 袋 A 吸音材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G10K 11/162 G10K 11/16 A
Claims (3)
- 【請求項1】アルミニウム系エクスパンドメタルとアル
ミニウム系金属繊維不織布との積層体を圧着してなる多
孔率30〜40%のアルミニウム多孔質材の表面の少な
くとも一部を、フッ素系樹脂もしくはシリコーン系樹脂
で被覆してなることを特徴とするアルミニウム多孔質吸
音材。 - 【請求項2】前記フッ素系樹脂もしくはシリコーン系樹
脂が着色剤を含有する請求項1に記載のアルミニウム多
孔質吸音材。 - 【請求項3】請求項1または2に記載のアルミニウム多
孔質吸音材において、前記フッ素系樹脂もしくはシリコ
ーン系樹脂表面、もしくは前記樹脂に被覆されないアル
ミニウム多孔質材表面、あるいは両表面を、水溶性アル
カリ珪酸塩で被覆してなるアルミニウム多孔質吸音材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8010801A JPH09204187A (ja) | 1996-01-25 | 1996-01-25 | アルミニウム多孔質吸音材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8010801A JPH09204187A (ja) | 1996-01-25 | 1996-01-25 | アルミニウム多孔質吸音材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09204187A true JPH09204187A (ja) | 1997-08-05 |
Family
ID=11760446
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8010801A Withdrawn JPH09204187A (ja) | 1996-01-25 | 1996-01-25 | アルミニウム多孔質吸音材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09204187A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4942172A (en) * | 1987-09-25 | 1990-07-17 | Ss Pharmaceutical Co., Ltd. | Method of curing hepatic disease |
JP2007324389A (ja) * | 2006-06-01 | 2007-12-13 | Tokyo Electric Power Co Inc:The | 防音パネルおよびこれを用いた変圧器防音システム |
JP2007324388A (ja) * | 2006-06-01 | 2007-12-13 | Tokyo Electric Power Co Inc:The | 低周波吸音材およびこれを用いた変圧器防音システム |
-
1996
- 1996-01-25 JP JP8010801A patent/JPH09204187A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4942172A (en) * | 1987-09-25 | 1990-07-17 | Ss Pharmaceutical Co., Ltd. | Method of curing hepatic disease |
JP2007324389A (ja) * | 2006-06-01 | 2007-12-13 | Tokyo Electric Power Co Inc:The | 防音パネルおよびこれを用いた変圧器防音システム |
JP2007324388A (ja) * | 2006-06-01 | 2007-12-13 | Tokyo Electric Power Co Inc:The | 低周波吸音材およびこれを用いた変圧器防音システム |
JP4690254B2 (ja) * | 2006-06-01 | 2011-06-01 | 東京電力株式会社 | 防音パネルおよびこれを用いた変圧器防音システム |
JP4690253B2 (ja) * | 2006-06-01 | 2011-06-01 | 東京電力株式会社 | 低周波吸音材およびこれを用いた変圧器防音システム |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20030401 |