JP4690088B2 - Gpsサイクルスリップ自動補正装置、gps受信機、その自動補正方法、そのプログラム、及び記録媒体 - Google Patents
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Description
従って、本発明の目的は、サイクルスリップの発生を経済的かつ精度良く検知し、同時に、そのサイクルスリップ量を迅速に計算して、観測したGPS搬送波の位相データを補正することにより、GPS受信機の搬送波位相計測に関する信頼性の向上と性能向上とを図ることが可能なGPSサイクルスリップ自動補正装置、GPS受信機、GPSサイクルスリップ自動補正方法、GPSサイクルスリップ自動補正プログラム及びプログラム記録媒体を提供することにある。
前記受信したGPS信号に対して1次スプラインフィルタリング処理を施すことによって前記サイクルスリップを検出するとともに搬送波位相を補正するGPSサイクルスリップ自動補正装置。
(2)前記1次スプラインフィルタリング処理として、観測した搬送波位相データと、現在までの受信状況に基づいて予測した予測位相データとの比較結果が予め設定した閾値に収まっているか否かに基づいて、サイクルスリップの発生の有無を検出すると共に、施すべく補正量を算出して、算出した補正量により、観測した搬送波位相データを補正するGPSサイクルスリップ自動補正装置。
(3)GPS信号を受信するGPS受信機において、請求項1または2に記載のGPSサイクルスリップ自動補正装置を外部接続する接続手段を備えて、該GPSサイクルスリップ自動補正装置により、受信したGPS信号の搬送波位相のサイクルスリップの検出と補正を行うGPS受信機。
(4)受信したGPS信号の搬送波位相のサイクルスリップを検出して、搬送波位相を補正するために、前記受信したGPS信号に対して1次スプラインフィルタリング処理を施す自動補正手段を内蔵しているGPS受信機。
(5)前記1次スプラインフィルタリング処理として、観測した搬送波位相データと、現在までの受信状況に基づいて予測した予測位相データとの比較結果が予め設定した閾値に収まっているか否かに基づいて、サイクルスリップの発生の有無を検出すると共に、施すべく補正量を算出して、算出した補正量により、観測した搬送波位相データを補正するGPS受信機。
(6)受信したGPS信号の搬送波位相のサイクルスリップを検出して、搬送波位相を補正するGPSサイクルスリップ自動補正方法において、
前記受信したGPS信号に対して1次スプラインフィルタリング処理を施すことによって前記サイクルスリップを検出するとともに搬送波位相を補正するGPSサイクルスリップ自動補正方法。
(7)前記1次スプラインフィルタリング処理として、観測した搬送波位相データと、現在までの受信状況に基づいて予測した予測位相データとの比較結果が予め設定した閾値に収まっているか否かに基づいて、サイクルスリップの発生の有無を検出すると共に、施すべく補正量を算出して、算出した補正量により、観測した搬送波位相データを補正するGPSサイクルスリップ自動補正方法。
(8)上記(6)または(7)のGPSサイクルスリップ自動補正方法をコンピュータにより実行することが可能なプログラムとして実現するGPSサイクルスリップ自動補正プログラム。
(9)上記(8)のGPSサイクルスリップ自動補正プログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録するプログラム記録媒体。
搬送波位相データのサイクルスリップ現象の発生を瞬時に検出して、短時間で、測位システムに用いるGPS衛星/GPS受信機の距離の変化を直線的な変化として十分な精度で近似できる技術として、GPS受信機の搬送波位相計測回路が出力する観測データ(搬送波位相データ)に対して1次スプラインフィルタを適用することにより、更新前の予測データと取得した観測データとの比較から、サイクルスリップ現象の発生を瞬時に検知すると共に、サイクルスリップによるデータの飛躍量が量子化されていることを利用して、補正量を瞬時に算出して、該補正量を観測した実際の搬送波位相データに加える補間処理を施すことにより、正確に補正した搬送波位相データを出力するように構成する。
filter)とは、有限要素法における定義域全体を最も単純に1つの区分多項式により近似することにより、取得した搬送波位相データを線形補間して出力するフィルタであり、計算処理負荷が軽く高速化を図ることができる。一般に、スプラインフィルタは、ガウシアンフィルタよりも鋭い遮断特性を示し、データ始点あるいはデータ終点領域における変形の発生を抑えることができる他、測定データに含まれる周期の長いうねり成分に対する追随性も良いことが知られており、より正確にサイクルスリップの発生を検出して補正を行うことができる。
図1は、本発明によるGPS受信機の構成の一実施例を示す構成概念図である。図1に例示するように、本実施例によるGPS受信機1は、既存のGPS受信機と全く同様の構成のGPS受信部10に対して、本発明によるGPSサイクルスリップ自動補正装置20を外部接続して構成する例を示している。従って、GPS受信部10は、方式のバリエーションは兎も角、従来のGPS受信機と同様の回路ブロックを備えている。
次に、本発明によるGPSサイクルスリップ自動補正プログラムに適用する1次スプラインフィルタのアルゴリズムについて、図2−図7に示すフローチャートを参照して説明する。ここに、図2は、本発明によるGPSサイクルスリップ自動補正プログラムに適用する1次スプラインフィルタの動作の一例を説明するためのフローチャートであり、図3は、本発明によるGPSサイクルスリップ自動補正プログラムの初期設定処理の一例を説明するためのフローチャートである。また、図4は、本発明によるGPSサイクルスリップ自動補正プログラムの1次スプラインフィルタ動作としてデータ観測時刻まで伝搬させる観測時刻伝搬処理の一例を説明するためのフローチャートである。また、図5は、本発明によるGPSサイクルスリップ自動補正プログラムにおいてサイクルスリップ発生の有無を判定するサイクルスリップ判定処理の一例を説明するためのフローチャートであり、図6は、本発明によるGPSサイクルスリップ自動補正プログラムにおいてサイクルスリップによる搬送波位相データの補正を行うサイクルスリップ補正処理の一例を説明するためのフローチャートである。また、図7は、本発明によるGPSサイクルスリップ自動補正プログラムにおける1次スプラインフィルタリング状態の更新を行うスプラインフィルタ状態更新処理の一例を説明するためのフローチャートである。
更には、前述したように、1次スプラインフィルタリングアルゴリズムを含むGPSサイクルスリップ自動補正プログラムを、GPS受信機そのもののソフトウェアとして内蔵するか、図1に例示のように該GPSサイクルスリップ自動補正プログラムを装備したGPSサイクルスリップ自動補正装置20を従来のGPS受信機に外部接続して構成するか、あるいは、該GPSサイクルスリップ自動補正装置20そのものをGPS受信機に内蔵させて構成するか、あるいは、1次スプラインフィルタ処理アルゴリズムをプログラム論理ではなく、ゲートアレイ論理などのワイヤードロジックで構成するか、など、補正後の搬送波位相データを出力するまでのGPS受信機の回路構成に関しては、種々のバリエーションを採用することが可能である。
本発明の本質は、観測した搬送波位相データに対して、1次スプラインフィルタを利用したサイクルスリップの検知及び補正機構を適用する手段を備えていることである。
10 GPS受信部
11 受信部
12 復調部
13 相関器・位相カウンタ
14 原振・シンセサイザ
20 GPSサイクルスリップ自動補正装置
21 MPU(Micro Processing Unit)
Claims (5)
- GPS受信機により取得された搬送波位相データに対して1次スプラインフィルタ処理を施すフィルタリング手段と、
ある時点の前記GPS受信機による搬送波位相データの実測値と、当該時点前に取得された前記搬送波位相データに基づいて前記フィルタリング手段により生成された当該時点における予測値との差が基準値を超える場合に、サイクルスリップが発生したと判定する判定手段と、
前記差を量子化した数値を用いて、前記サイクルスリップ発生時における前記実測値を補正する補正手段と、
を有し、
前記基準値は、前記1次スプラインフィルタの共分散行列のアプリオリ推定における共分散値、及び前記GPS受信機による前記搬送波位相データの実測値に含まれる観測ノイズの共分散値に基づいて決定される、
GPSサイクルスリップ自動補正装置。 - 前記基準値は、更に、ユーザが任意に定義する係数に基づいて決定される、
請求項1に記載のGPSサイクルスリップ自動補正装置。 - GPS信号を受信するGPS受信機において、請求項1又は2に記載のGPSサイクルスリップ自動補正装置を外部接続する接続手段を備えて、該GPSサイクルスリップ自動補正装置により、受信したGPS信号の搬送波位相のサイクルスリップの検出と補正を行うことを特徴とするGPS受信機。
- GPS受信機により取得された搬送波位相データに対して1次スプラインフィルタ処理を施すフィルタリングステップと、
ある時点の前記GPS受信機による搬送波位相データの実測値と、当該時点前に取得された前記搬送波位相データに基づいて前記フィルタリングステップにより生成された当該時点における予測値との差が基準値を超える場合に、サイクルスリップが発生したと判定する判定ステップと、
前記差を量子化した数値を用いて、前記サイクルスリップ発生時における前記実測値を補正する補正ステップと、
を有し、
前記基準値は、前記1次スプラインフィルタの共分散行列のアプリオリ推定における共分散値、及び前記GPS受信機による前記搬送波位相データの実測値に含まれる観測ノイズの共分散値に基づいて決定される、
GPSサイクルスリップ自動補正方法。 - コンピュータに、
GPS受信機により取得された搬送波位相データに対して1次スプラインフィルタ処理を施すフィルタリング処理と、
ある時点の前記GPS受信機による搬送波位相データの実測値と、当該時点前に取得された前記搬送波位相データに基づいて前記フィルタリングステップにより生成された当該時点における予測値との差が基準値を超える場合に、サイクルスリップが発生したと判定する判定処理と、
前記差を量子化した数値を用いて、前記サイクルスリップ発生時における前記実測値を補正する補正処理と、
を実行させ、
前記基準値は、前記1次スプラインフィルタの共分散行列のアプリオリ推定における共分散値、及び前記GPS受信機による前記搬送波位相データの実測値に含まれる観測ノイズの共分散値に基づいて決定される、
GPSサイクルスリップ自動補正プログラム。
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