JP4689918B2 - 熱スイッチ性ポリマーを含む画像形成部材及びその使用 - Google Patents
熱スイッチ性ポリマーを含む画像形成部材及びその使用 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に、リソグラフ印刷版に関し、特に、画像形成後に湿式処理を必要としないリソグラフ印刷版に関する。本発明はまた、そのような画像形成部材に画像をデジタル的に形成する方法及びそれを用いた印刷方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
リソグラフ印刷技術は油と水との非混和性に基づいており、油性物質又はインクは画像領域に優先的に保持され、水又は湿し水は非画像領域に優先的に保持される。適切に製造されたネガ型印刷板は水で湿され、次にインクが塗布され、背景又は非画像領域は水を保持してインクをはじく一方で画像領域はインクを受け入れて水をはじく。ポジ型では逆のことが行われ、背景が画像化される。インクは次に、衣服、紙、又は金属等の適当な基板の表面に転写されて画像が再生される。
【0003】
非常に一般的なリソグラフ印刷版は可視光又はUV光に感受性の画像形成層をその上に有する金属又はポリマー基体を含む。ポジ型及びネガ型印刷版の両方ともこの形態で製造することができる。露光、そしておそらくは露光後加熱が済むと、湿式化学処理を用いて画像領域又は非画像領域のいずれかが除去される。
【0004】
熱感受性の印刷版はあまり一般的ではないが着実に成長しているマーケットを代表している。現在のところ、これらの印刷版の多くはUV画像形成版と類似の物質及び類似の画像形成方法を利用している。例えば、光酸生成剤の代わりに熱酸生成剤が使用され、並びに、これまでと同じ予備加熱及び現像工程が採用されているようである。マスクの生成及びブランケットUV露光が関わるアナログ工程に比較した場合のこれらのデジタル版の主な利点は熱的な画像形成が早く、安価であるという点である。そのような版の例は米国特許第5372915号(Haley et al)に記載されている。それは可溶性ポリマーと赤外線吸収化合物の混合物を含む画像形成層を含有している。この版はレーザー及びデジタル情報を用いて画像形成することができるが、アルカリ性現像剤溶液を用いて湿式処理する必要がある。
【0005】
ところでIR吸収層をアブレーティング(ablating)することによってリソグラフ印刷版を製造しうるかもしれないと認識されている。例えば、カナダ国特許第1050805(Eames)はインク受容性基板、被覆シリコーンゴム層、及び、自己酸化バインダー(ニトロセルロース等)中のレーザーエネルギー吸収性粒子(炭素粒子等)から構成される中間層を含むドライプラノグラフィック印刷版を開示している。そのような版はNd++YAGレーザーによる集束近IR照射に露光される。吸収性層は赤外エネルギーを熱に変換し、当該吸収性層と被覆シリコーンゴムは部分的にゆるみ、気化し、又はアブレーティングされる。版はナフサ溶媒を塗布することによって現像され、露光領域から残骸が除去される。類似の版はResearch Disclosure 19201 (1980)にも記載されており、シリコーンゴム被覆層の除去を容易とするためにレーザー照射を吸収する真空蒸発金属層を有している。この版はヘキサンを用いた湿式処理及び摩擦によって現像される。また、Nechiporenko&Markova, PrePrint 15th International IARIGAI Conference, June 1979, Lillehammer, Norway, Pira Abstract 02-79-02834にはシリコーン層のアブレーション(ablation)のためのCO2レーザーが記載されている。典型的には、それらの版は基板上に少なくとも2つの層を必要とし、1以上がアブレーション可能な物質から形成されている。アブレーション可能な印刷版を記載する他の文献としては、米国特許第5385092号(Lewis et al)、米国特許第5339737号公報(Lewis et al)、米国特許第5353705号(Lewis et al)、米国再発行特許第35512号(Nowak et al)及び米国特許第5378580号(Leenders)が挙げられる。
【0006】
デジタル及びプロセスレス印刷に使用される上記の印刷版は従来の光感受性印刷版よりも多くの利点を有しているが、その使用に際して多くの欠点をも有している。アブレーション工程は収集しなければならない気化金属及び残骸を生成する。アブレーションに必要なレーザー出力はかなり高く、そのような印刷版の成分は高価で、被覆が困難で、結果的に得られる印刷品質は許容できないものであるかもしれない。そのような版は一般に基板上に少なくとも2つの被覆層を必要とする。
【0007】
非プロセス、非アブレーション印刷版への一つのアプローチは「スイッチ(性)ポリマー」の使用である。このポリマーは熱的に進む化学反応を受け、そこでは、画像形成条件に応じて高極性部分が生成又は破壊される。これは、画像データの保持を親水性化により行い、並びに、連続ポリマー表面を疎水性領域とする結果となる。湿式処理が不要であるのに加えて、そのような版はアブレーション型の版が必要とする物質収集装置を何ら必要としない利点を有する。アブレーション型版とは異なり、スイッチポリマー版はその理想形態では1層のみからなり、被覆装置を1回通すだけで製造することができる。
【0008】
米国特許第4034183号(Uhlig)には、親水性表面層を疎水性表面層に変換するために高出力レーザーを使用することが記載されている。ポリアミック酸(polyamic acids)をポリアミドに変換するための類似のプロセスが米国特許第4081652号(Pacansky)に記載されている。出力要件並びに冷却そして頻繁なメンテナンスのために高出力レーザーの使用は工業的には望ましくない。
【0009】
米国特許第4634659号(Esumi et al)は疎水性ポリマー被覆に画像照射して露光領域をより親水性の性質とすることを記載している。この概念は印刷版の表面特性を変換するという初期の研究成果の一つであったが、長時間のUV露光(60分以下)を必要とする欠点があり、印刷版の用途はポジ型のみである。
【0010】
米国特許第4405705号(Etoh et al)及び米国特許第4548893号(Lee et al)は非熱工程で使用される光感受性物質用のアミン含有ポリマーを記載している。画像形成された物質は画像形成後にやはり湿式処理を必要とする。
【0011】
ポリアミック酸、及び、ペンダント型第4級アンモニウム基を有するビニルポリマーを使用した熱的プロセスが米国特許第4693958号(Schwartz et al)に記載されているが、画像形成後の湿式処理が必要である。しかも、この発明におけるポリアミック酸スイッチポリマーは低い識別度しか示さず、第4級アンモニウムをベースとした例は前景及び背景の両方において流失問題に悩まされている。
【0012】
米国特許第5512418号(Ma)はカチオン性第4級アンモニウム基を有する熱感受性のポリマーの使用を記載している。しかし、そこに記載されている多くの物質は、画像形成後に湿式処理が必要である。
【0013】
WO92/09934(Vogel et al)は光酸生成剤と酸に不安定なテトラヒドロピラニル又は活性化エステル基を有するポリマーを含む光感受性組成物を記載している。しかし、これらの組成物の画像形成は画像領域を疎水性から親水性の性質に変換し、画像領域はスカミング(scumming)によって損なわれやすい。
【0014】
更に、欧州特許出願公開第652483号(Ellis et al)には、IRレーザーを用いて画像形成可能であり、湿式処理不要なリソグラフ印刷版が記載されている。この版は熱への曝露による画像形成の際により親水性になる画像形成層を含んでいる。この被覆は熱又は酸の存在下での反応によって、より極性の親水性基を形成することのできるペンダント基(t-アルキルカルボキシレート等)を有するポリマーを含んでいる。そのような組成物に画像形成すると、画像領域は疎水性から相対的により親水性の性質へ変換するので一般により広い領域である版の背景を画像形成する必要がある。これは、印刷版の端部に画像形成することが望ましい場合に問題となる。WO92/09934に記載の版と同様に、Ellisらによるこの版もスカミングによって損なわれやすい。
【0015】
多くのスイッチポリマーをベースとする印刷版が知られているが、商業的に実践可能な製品にこの技術を利用するには幾つかの技術的な障害が残っている。スイッチポリマーをベースとする印刷版のデザインにおいて経験される共通の3つの問題は、版の物理的摩滅、関連する背景のスカミングの問題、並びに、ブランケットのトーニング(toning)である。
【0016】
「物理的摩滅」とは、印刷工程中の印刷版の機械的な浸食を指す。物理的摩滅に対する充分な耐性は、しばしば、印刷版が非常に長時間の印刷に有用かどうかを決定する主要な要素となる。
【0017】
スカミングの問題(「トーニング」としても知られている)及びブランケットのトーニングは、版のインク拒絶性領域が充分に極性でない場合に典型的に生じる。版の望ましくない領域でのインクの取り込みは、結果的に、最終印刷物へのインクの望ましくない転移を生じる。これは、最終印刷物の背景領域での望んでいない灰色又は黒色となって現れる。スカミングはネガ型版(の非画像領域)及びポジ型版(の画像領域)の両方に起こりうる。関連するブランケットのトーニングの問題とは、印刷プレスブランケットシリンダーの背景領域におけるインクの蓄積をさす。過剰なブランケットのトーニングは、印刷を定期的に停止し、インクをブランケットから手作業で拭き取る必要性を生じさせる。これは、印刷工程の生産効率に悪影響を与える。
【0018】
従来開発された印刷版では、粗面化、陽極酸化されたアルミニウムが信頼性の高い背景基板としてあるとされている。それは機械的にタフであり、非常に長時間の印刷でも摩耗がほとんど生じないことを示している。この物質はスカミングや過剰なブランケットのトーニングなしに色々な印刷条件に耐えることもできる。一般に、画像形成工程は、湿式現像後に粗面化、陽極酸化されたアルミニウム表面が選択的に露出するように版の画像領域の溶解性の変化を与える。しかし、スイッチポリマーをベースとする版は、版の画像形成層から何も除去されないようにデザインされる。したがって、アルミニウム支持基板の好ましい背景特性は利用することができない。驚くまでもないが、スカミング挙動は多くのスイッチポリマーをベースとする版に観察され、特許文献にも報告されている。
【0019】
欧州特許公開第924102号では、画像形成層中にスイッチポリマーを含む公知の印刷版のいくつかにスカミングが起こるかもしれないと報告されている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
スイッチポリマーをベースとする印刷版では、適切な物理的強靱性及びトーニングに対する耐性の両者を有する合成ポリマー表面の生成に主要な労力が注がれている。一般に、インクをよくはじく表面は非常に高い親水性となる傾向があるので、水性の湿し水に曝露されたときに、当該表面は溶解するか又は支持基体への接着性を失うかもしれない。或いは、当該表面は膨張して摩滅しやすくなるかもしれない。更に、トーニングに最も耐性を有する合成ポリマー表面の多くは固有に長時間の印刷版の使用に不向きな物理特性を有することが予期される。スイッチポリマー版のスカミング挙動を画像形成層の親水性を増大させることによって改善するアプローチが版の物理的耐性を低下させる結果となることはよくあることである。同様に、版の物理的強靱性を改善する努力がスカミング傾向を増大させる結果となりうる。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記の問題は、画像形成部材に組み入れられた場合に、物理的強靱性とスカミング及びブランケットのトーニングへの耐性との良好なバランスを提供する旧来の種類の熱感受性のスイッチ性ポリマーを使用することによって克服される。スイッチ性ポリマーは幾つかのカルボン酸含有ポリマー(又は無水物等の等価な基を含むポリマー)を水酸化第4級アンモニウムと単に反応させることによって得ることができる。好ましい態様では、水酸化第4級アンモニウムは置換された−アルキレン(C 1 −C 3 )−フェニル基を含む。光熱変換物質及び好ましくは架橋剤と共に配合された場合、熱感受性ポリマーは、スカミング及びブランケットのトーニングに優れた耐性を示す、機械的に耐久性のある、赤外線感受性の画像形成部材を提供する。
【0022】
本発明の一態様は、第4級アンモニウムカルボキシレート基を含む繰り返し単位を含む親水性、熱感受性のポリマーを含む親水性の画像形成層をその上に有する基体を含む画像形成部材である。好ましくは、第4級アンモニウムカルボキシレート基は少なくとも1つの置換された−アルキレン(C1−C3)−フェニル基を含む。
【0023】
また、本発明は、
(A)上記の画像形成部材を準備する工程;
(B)前記画像形成部材をエネルギーに曝露することにより画像露光して前記画像形成部材の画像形成層に露光及び非露光領域を提供し、前記露光領域が前記画像露光により提供された熱によって前記非露光領域よりも親油性となる工程
を含む画像形成方法をも提供する。
【0024】
更に、この画像形成方法は、工程(A)及び(B)の後に更に
(C)水又は湿し水の存在下、前記画像露光された画像形成部材をリソグラフ印刷インキに接触させ、該インクを受容物質に画像として転写する工程
を行うことによって印刷方法へ拡張することができる。
【0025】
本発明の好ましい態様では、アンモニウムイオンは、4つの炭素−窒素結合を完全なものとするように以下の置換基を1以上含む:置換又は非置換のベンジル基、置換又は非置換のフェニル基、5又は6員環及びインドリン又はイソインドリン環。
【0026】
特に好ましい態様では、熱感受性ポリマーに使用されるアンモニウムカチオンは1以上の置換−アルキレン(C1−C3)−フェニル基(好ましくはベンジル基)を含み、結果的に、そのような基を有さない多くの熱感受性ポリマーよりも画像形成速度及び巻き上げが改善される。1以上の注目すべきアルキレンフェニル基はアルキレン及びフェニル部分のいずれか又は両方に1以上の置換基を含む。以下に詳細に説明されるが、置換は幅広いパターン及び化学成分を任意にとることができる。
【0027】
本発明の他の態様では、特定のアンモニウムイオンが悪臭を有する放出物の問題を軽減する。多くの汎用の第4級アンモニウムカルボキシレートポリマーが熱的画像形成を受ける場合、小分子のアミン類(ベンジルトリメチルアンモニウムカチオンが使用される場合はトリメチルアミン)が反応副成生物として放出される。これらの多くのアミンは悪臭を放ち、おそらくは毒性を有する。この問題は2つのアプローチを用いることで緩和された。最初のアプローチは窒素原子が交差する環の第4級の交点に位置するスピロ−第4級アンモニウムカチオンを利用することである。第2のアプローチは3又は4のベンジル基或いは3又は4のヒドロキシエチル基を含む特定のカチオンを使用することである。
【0028】
本発明の画像形成部材(例えば印刷版)は他の「スイッチ(性)ポリマー」プロセスレス印刷版の機械的耐久性を改善した。本発明の画像形成部材はブランケットのトーニング及びスカミングを実質的に低減する効果を奏する。幾つかの態様では、悪臭を放つガスの放出が低減される。更に、幾つかの態様では、あまり高価でない材料を用いて容易にポリマーを製造することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の画像形成部材は基体と、熱感受性である1以上の層をその上に含む。基体は自己支持性のあらゆる物質であってよく、当該物質には、ポリマー性フィルム、ガラス、セラミックス、金属又は堅い紙、或いは、これらの物質のどのような積層体をも含む。基体の厚みは変動してもよい。多くの用途では、その厚みは、印刷による摩滅を耐えるほど充分であり、印刷フォーム周囲を巻回するのに充分なほど薄いべきである。好ましい態様では、例えば、ポリエチレンテレフタレート又はポリエチレンナフタレートから製造されたポリエステル支持体であって、約100〜約310μmの厚さを有するものが使用される。別の好ましい態様では、約100〜約600μmの厚さを有するアルミニウム箔が使用される。支持体は使用条件下でのサイズ変化に耐えるべきである。
【0030】
支持体は熱感受性ポリマー組成物をその上に有するシリンダー状表面であってもよく、その場合は印刷プレスの必須部分を構成する。そのような画像形成されたシリンダーの使用は例えば米国特許第5713287号(Gelbart)に記載されている。
【0031】
支持体は、最終的な組立体の接着性を改善するために1以上の「下塗り(subbing)」層で被覆されてもよい。下塗り層材料の例には、これに限定されるものではないが、ゼラチン、及び他の天然及び合成の親水性コロイド、並びに、写真産業でそのような目的のために知られているビニルポリマー類(塩化ビニリデン共重合体)、ビニルホスホン酸ポリマー、例えばアミノプロピルトリエトキシシラン又はグリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン等から製造されたケイ素ベースのゾルゲル物質、チタニウムゾルゲル物質、エポキシ官能性ポリマー類及びセラミックスが含まれる。
【0032】
支持体の裏面は、画像形成部材の操作性及び「感触」を改善するために、帯電防止剤及び/又はスリッピング層又はマット層で被覆されてもよい。
【0033】
しかし、画像形成部材は好ましくは画像形成に必要な熱感受性層を唯一つ有する。この親水性層は1以上の熱感受性ポリマー、そして任意ではあるが好ましくは光熱変換物質(下記で記述)を含み、好ましくは画像形成部材の外側の印刷表面を提供する。画像形成層に使用される特別なポリマーのために、当該層の露光(画像形成された)領域はより親油性の性質とされる。
【0034】
本発明で有用な熱感受性ポリマーはランダムな繰り返し単位を含み、そのうちの少なくとも幾つかはカルボン酸の第4級アンモニウム塩を含む。このポリマーは一般に少なくとも3000ダルトン、好ましくは少なくとも20,000ダルトンの分子量を有している。
【0035】
このポリマーはランダムに1以上のタイプのカルボキシレート含有繰り返し単位(又は等価な無水物単位)を含み、当該単位は以下の式1で「A」として同定されており、また、任意に、1以上の他の繰り返し単位(非カルボキシレート化)は式1で「B」と表されている。
【0036】
第4級アンモニウムカルボキシレート基は、「A」モノマーに由来するポリマー骨格に直接結合しているか、又は、下記の式1で「X」と同定されているスペーサー単位によって結合している。このスペーサー単位は、ポリマーの熱感受性に悪影響を与えないあらゆる2価の脂肪族、脂環式又は芳香族基とすることができる。例えば、「X」は1から16の炭素原子を有する置換又は非置換のアルキレン基(メチレン、エチレン、イソプロピレン、n-プロピレン及びn-ブチレン等)、アリーレン環に6から10の炭素原子を有する置換又は非置換のアリーレン基(m-又はp-フェニレン及びナフチレン等)、アルキレン基及びアリーレン基の置換又は非置換の組み合わせ(アリーレンアルキレン、アリーレンアルキレンアリーレン、及び、アルキレンアリーレンアルキレン基等)、及び、置換又は非置換のN−含有複素環基とすることができる。これらで定義された基のいずれも、1以上のアミノ、カルボンアミド、オキシ、チオ、アミド、オキシカルボニル、アミノカルボニル、アルコキシカルボニル、アルカノイルオキシ、アルカノイルアミノ又はアルカミノカルボニル基と共に鎖に結合することができる。特に、有用な「X」スペーサーは、例えばエステル及びアミド基が直接「A」に結合している場合に、(上記の)アルキレン基又はアリーレン基に結合するエステル又はアミドを含む。
式1:
【化3】
【0037】
上記式1で「B」として表現される繰り返し単位を提供する他のモノマー(非カルボキシレートモノマー)には、画像形成層の表面の望ましい物理又は印刷特性或いは架橋官能性を提供しうるあらゆる有用な親水性又は親油性のエチレン性不飽和重合性コモノマーが含まれる。1以上の「B」モノマーがこれらの繰り返し単位を提供するために使用されることができ、それには、これに限定されるものではないが、アクリレート類、メタクリレート類、スチレン及びその誘導体、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、オレフィン類、ハロゲン化ビニル類、及びカルボキシ基(第4級化されていない)を含むあらゆるモノマー(又はモノマー前駆体)が含まれる。
【0038】
第4級アンモニウムカルボキシレート含有ポリマーは各種のポリマー及びコポリマー群から選択乃至誘導することができ、それには、これに限定されるものではないが、ポリアミック酸、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリウレタン類、シリコーン類、蛋白質(修飾ゼラチン等)、ポリペプチド、並びに、アクリレート類、メタクリレート類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、アルキルビニルエーテル類、マレイン酸/無水マレイン酸、イタコン酸/無水イタコン酸、スチレン類、アクリロニトリル、及びブタジエン、イソプレン、プロピレン及びエチレン等のオレフィン類といったエチレン性不飽和重合性モノマーをベースとするポリマー及びコポリマーが含まれる。親カルボン酸含有ポリマー(すなわち、反応して第4級アンモニウムカルボキシレート基を形成するポリマー)は1以上のタイプのカルボン酸含有モノマーを含んでも良い。マレイン酸/マレイン酸無水物、及び、イタコン酸/イタコン酸無水物などのある種のモノマーは1以上のカルボン酸単位を含んでも良い。好ましくは、親カルボン酸含有ポリマーはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸又はその無水物、またはイタコン酸又はその無水物、或いは、その加水分解生成物の共役塩基を含む付加ポリマー又はコポリマーである。
【0039】
式1では、nは約25から100mol%(好ましくは約50から100mol%)を表し、mは0から約75mol%(好ましくは0から約50mol%)を表す。
【0040】
式1は2つのエチレン性不飽和重合性モノマーのみに由来するポリマーを示しているように解釈しうるかもしれないが、それは、2つのモノマーより多くのモノマーに由来するターポリマー及び他のポリマーをも含むことを意図する。
【0041】
第4級アンモニウムカルボキシレート基は本発明で有用な熱感受性ポリマーに存在しなければならず、その量は最低でも1300g、好ましくは1000g、のポリマーに対して第4級アンモニウムカルボキシレート基が1モルであり、最大で、45gのポリマー、好ましくは132g、のポリマーに対して第4級アンモニウムカルボキシレート基が1モルとなる量で存在する。好ましくは、この比(ポリマーのグラムに対する第4級アンモニウムカルボキシレート基のモル)は約1:600〜約1:132であり、好ましくは、この比は約1:500〜約1:132であるか、又は、約1:500〜1:45であり、より好ましくは、約1:300〜1:45である。このパラメーターは与えられたポリマーの分子式の知識から容易に決定される。
【0042】
カルボキシレート官能性の第4級アンモニウムカウンターイオンは、窒素原子がトータルで4つの下記のアルキル又はアリール置換基と共有的に結合しているあらゆるアンモニウムイオンとすることができる。好ましい態様では、4つの置換基の少なくとも1つが置換−アルキレン(C1−C3)−フェニル基である。
【0043】
より具体的には、上記の式1では、R1、R2、R3及びR4は、独立して、置換又は非置換の、炭素数1から12のアルキル基(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、t-ブチル、ヘキシル、ヒドロキシエチル、2−プロパノニル、エトキシカルボニルメチル、ベンジル、置換ベンジル(4−メトキシベンジル、o-ブロモベンジル及びp-トリフルオロメチルベンジル等)及びシアノアルキル等)、或いは、置換又は非置換の、炭素環の炭素数が6から14のアリール基(例えば、フェニル、ナフチル、キシリル、p-メトキシフェニル、p-メチルフェニル、m-メトキシフェニル、p-クロロフェニル、p-メチルチオフェニル、p-N,N−ジメチルアミノフェニル、メトキシカルボニルフェニル、及び、シアノフェニル等)である。若しくは、R1、R2、R3及びR4のいずれか2、3又は4つは第4級窒素原子と共に組み合わされて環(4つの置換基に代えて1又は2の環)を形成してもよく、当該環は5から14の炭素原子、酸素、硫黄及び窒素原子を環中に有する。そのような環には、これらに限定されるものではないが、モルホリン、ピペリジン、ピロリジン、カルバゾール、インドリン及びイソインドリン環が含まれる。窒素原子は縮合環の第3級位に位置してもよい。これらの様々な基に有用な他の置換基は当業者には自明であり、ここに記載された置換基のあらゆる組み合わせも含まれる。
【0044】
好ましくは、R1、R2、R3及びR4の少なくとも1つは置換−アルキレン(C1−C3)−フェニル基である。残った置換基の2つ又は3つ全部のいずれかは組み合わされて上記の環を形成してもよい。
【0045】
若しくは、互いに共有的に結合し、+1を越える電荷を有する、1以上の第4級アンモニウム単位を含む多カチオン性種が本発明で使用されてもよい。
【0046】
好ましくは、第4級アンモニウムイオンの窒素は1以上のベンジル基又は1又は2のフェニル基に直接結合する。若しくは、窒素原子は1又は2の5員環、又は1又は2のインドリン又はイソインドリン環の一部であり、400ダルトン未満の分子量を有する。
【0047】
2つの交差環の交差点に窒素原子が位置するスピロアンモニウムカチオンの使用は特に好ましい。そのようなアンモニウム対イオンを含むカルボキシレートポリマーに熱的に画像形成されると、小分子のアミンは放出されず、したがって、画像形成中の悪臭の問題が低減される。同様に、ベンジル−トリス−ヒドロキシエチルアンモニウムイオンの使用は無臭で比較的温和なトリエタノールアミンが放出される。本発明のこの態様も好ましい。
【0048】
好ましい態様では、R1、R2及びR3は独立して直鎖又は分岐の炭素数1から3の非置換アルキル基であるか、又は、直鎖又は分岐の炭素数1から3のヒドロキシアルキル基であり置換基のみとして1から3のヒドロキシ基(一般に、炭素原子毎に1つだけのヒドロキシ基)を含むものである。より好ましくは、これらの基は独立してメチル、ヒドロキシメチル、エチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチル又は1,2−ジヒドロキシエチルであり、最も好ましくは、メチル又は2−ヒドロキシエチルのいずれかである。
【0049】
R4は基のアルキレン又はフェニル部分のいずれかに少なくとも1つの置換基を有する置換アルキレンフェニル基である。より好ましくは、1以上の置換基はフェニル部分上にある。アルキレン部分は直鎖又は分岐であってよく、1から3の炭素原子を有する(メチレン、エチレン、n-プロピレン又はイソプロピレン等)。好ましくは、R4のアルキレン部分は1又は2の炭素原子を有し、より好ましくは、それはメチレンである。アルキレン部分は炭素原子から除去されうる水素原子と同じ数だけ置換基を有することができる。有用なアルキレン置換基はフェニル置換基を定義するために下記に記載するものと同じであるが、アルキレン部分の最も好ましい置換基はフルオロ又はアルコキシである。
【0050】
R4のフェニル部分はあらゆる有用な置換パターンで1から5の置換基を有することができる。有用な置換基には、これに限定されるものではないが、ハロ基(フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨード等)、置換又は非置換の炭素数1から12のアルキル基(メチル、エチル、イソプロピル、t-ブチル、n-ペンチル及びn-プロピル等)であってここに挙げられる置換基のいずれかで更に置換されてもよいもの(トリハロメチル基を含むハロアルキル基等)、置換又は非置換の炭素数1から12のアルコキシ基(メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n-ペントキシ及びn-プロポキシ基等)、シアノ、ニトロ、置換又は非置換の、芳香炭素環中に炭素数6から14を有するアリール基(R1、R2及びR3用に定義されたもの等)、置換又は非置換の炭素数2から12のアルキレンオキシカルボニル基(メチレンオキシカルボニル、エチレンオキシカルボニル、及びi-プロピレンオキシカルボニル等)、置換又は非置換の炭素数2から12のアルキルカルボニルオキシ基(メチレンカルボニルオキシ、エチレンカルボニルオキシ及びイソプロピレンカルボニルオキシ等)、置換又は非置換の炭素数2から12のアルキルカルボニル基(メチレンカルボニル、エチレンカルボニル及びイソプロピレンカルボニル等)、アミド基、アミノカルボニル基、トリハロメチル基、ペルフルオロアルキル基、ホルミル基、メルカプト、及び、環中に5から14の原子を有する置換又は非置換の複素環基であって、当該環が1以上の窒素、硫黄、酸素又はセレン原子を残りの炭素原子とともに含む置換又は非置換の複素環基(ピリジル、オキサゾリル、チフェニル、イミダゾリル及びピペリジニル等)、が含まれる。
【0051】
好ましくは、R4は1から5の置換基(好ましくは1又は2の置換基)をフェニル部分に有しており、当該置換基はハロ基、置換又は非置換メチル又はエチル基、或いは置換又は非置換メトキシ又は2−エトキシ基のいずれかである。より好ましくは、R4は1から3のメチル、フルオロ、クロロ、ブロモ又はメトキシ基、或いは、これらの基のあらゆる組み合わせをアルキレン又はフェニル部分のいずれかの上に含む。
【0052】
R1〜R3の全てが2−ヒドロキシエチル基である特別なアンモニウムイオンの使用は熱感受性ポリマーの画像形成中の悪臭の発生を低減しうる。
【0053】
特に、これらの発明の有用な熱感受性ポリマーはポリマー11〜23及び24として以下に記述されている。
【0054】
熱感受性ポリマーは当業者に自明の多くの方法を用いて容易に調製することができる。多くの第4級アンモニウム塩及びカルボン酸又は無水物含有ポリマーが商業的に利用可能である。他のものは当業者に自明の調製方法を用いて容易に合成することができる。置換されたベンジルトリアルキルアンモニウム塩は当業者に自明の調製方法を用いて容易に合成することができる。1つの簡便な方法は、置換されたベンジルアミンを所望のアルキルハライド、アルキルスルホネートエステル又は適当な脱離基を有する他のアルキル含有化合物と反応させることに係わる。他の有用な方法は、置換ベンジルハライドをトリアルキルアミンと反応させることに係わる。
【0055】
カルボン酸又は無水物含有ポリマーは、これらに限定されるものではないが、以下のものを含む様々な方法によって所望の第4級アンモニウムカルボキシレートに変換することができる:
(1)カルボン酸又は酸無水物含有ポリマーと所望の第4級アンモニウムイオンの水酸化物塩との反応;
(2)所望の第4級アンモニウムイオンを含むイオン交換樹脂の使用;
(3)カルボン酸含有ポリマーの溶液又はその塩への所望のアンモニウムイオンの付加及びその後の分離;
(4)カルボン酸含有ポリマーへの所望の第4級アンモニウムイオンの揮発性酸塩(酢酸又は蟻酸の塩等)の付加及びその後の揮発成分の気化による乾燥;
(5)電子化学イオン交換技術;
(6)所望の第4級アンモニウムカルボキシレート単位を含むモノマーの重合;
(7)望まない対イオンが不溶性のイオン性化合物を選択された溶媒で形成し沈澱するように選択された、カルボン酸含有ポリマーの特定の塩と特定の第4級アンモニウム塩の組み合わせ。
【0056】
好ましくは、最初の方法が採用される。
【0057】
ポリマーのカルボン酸(又は潜在的なカルボン酸)官能性の全てが所望の第4級アンモニウム塩に変換されることが特に好ましいが、ポリマーが完全には変換されていない画像形成性組成物でも満足のいく画像形成性を保持することができる。好ましくは、モノマーを含むカルボン酸(又は等価な無水物)の少なくとも50%のモノマーが反応して所望の第4級アンモニウム基を形成する。
【0058】
本発明の好ましい態様では、熱感受性ポリマーは架橋される。架橋は多くの方法で提供することができる。架橋のための多くのモノマーや架橋方法が当業者には知られている。架橋手法の代表的なものの幾つかは、これらに限定されるものではないが、以下のものを含む:
(1)ポリマー中のルイス塩基単位(カルボン酸、カルボキシレート、アミン及びチオール単位)と、多官能性エポキシド含有架橋剤又は樹脂との反応;
(2)ポリマー中のエポキシド単位と、多官能性アミン、カルボン酸、又は他の多官能性ルイス塩基単位との反応;
(3)アクリレート、メタクリレート、シンナメート又はビニル基等の二重結合含有単位の放射線又はラジカル開始架橋;
(4)多価金属塩とポリマー中での結紮(ligating)基との反応(例えば、カルボン酸含有ポリマーと亜鉛塩との反応);
(5)クネーフェナーゲル縮合反応を介して反応する、(2−アセトアセトキシ)エチルアクリレートとメタクリレート等の架橋性モノマーの使用;
(6)アミン、チオール、又はカルボン酸基とジビニル化合物(ビス(ビニルスルホニル)メタン等)とのマイケル付加反応を介する反応;
(7)カルボン酸単位と多価アジリジン又はオキサゾリン単位を含む架橋剤との反応;
(8)アクリル酸単位とメラミン樹脂との反応;
(9)ポリマー中でのジイソシアネート架橋剤とアミン、チオール、又はアルコールとの反応;
(10)インターチェイン(interchain)ゾルゲル結合の形成が関連するメカニズム(3−(トリメチルシリル)プロピルメタクリレートモノマーの使用等);
(11)添加されたラジカル開始剤(ペルオキシド又はヒドロペルオキシド等)の使用による酸化的架橋;
(12)アルキド樹脂を採用すること等による自動酸化架橋;
(13)硫黄加硫;及び
(14)イオン化放射線が関連するプロセス。
【0059】
架橋可能基(又は架橋添加剤に付加点を提供する基)を有するエチレン性不飽和重合性モノマーは上記の他のモノマーと共に共重合されることができる。そのようなモノマーには、これらに限定されるものではないが、3−(トリメチルシリル)プロピルアクリレート又はメタクリレート、シンナモイルアクリレート又はメタクリレート、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−アミノプロピルメタクリルアミド塩酸塩、アクリル酸又はメタクリル酸及びヒドロキシエチルメタクリレートが含まれる。
【0060】
好ましくは、架橋はエポキシ含有樹脂の第4級アンモニウムカルボキシレートポリマーへの付加又はポリマー内でのビスビニルスルホニル化合物とアミン含有単位(例えばN−アミノプロピルメタクリルアミド)との反応によって提供される。最も好ましくは、CR−5L(Esprit Chemicals社より市販のエポキシド樹脂)がこの目的のために使用される。
【0061】
画像形成部材の画像形成層は1以上のそのようなホモポリマー又はコポリマーを含むことができ、50重量%(当該層の総乾燥重量に基づく)までの画像形成特性に悪影響を与えない追加のバインダー又は重合性物質を含んでもよく又は含まなくともよい。
【0062】
画像形成層に使用される熱感受性ポリマーの量は一般に少なくとも0.1g/m2、好ましくは約0.1〜約10g/m2(乾燥重量)である。これは一般に約0.1から約10μmの平均乾燥厚さを提供する。
【0063】
画像形成層は被覆性又は他の特性のために1以上の従来の界面活性剤を、形成された画像を視覚化するために1以上の染料又は着色剤を、また、濃度が画像形成又は印刷特性に関して不活性であるほど低い限りにおいて、リソグラフ印刷で広く使用されている他のあらゆる添加剤を含むことができる。
【0064】
好ましくは、熱感受性画像形成層は適切なエネルギー源(IRレーザー等)からの適当な照射を吸収するために1以上の光熱変換物質をも含み、当該照射は熱に変換される。好ましくは、吸収される放射は電磁スペクトルの赤外及び近赤外領域にある。そのような物質は、染料、顔料、エバポレートされた顔料、半導体物質、合金、金属、金属酸化物、金属硫化物又はその組み合わせ、或いは、その屈折率及び厚みによって照射を吸収する物質のダイクロイック(dichroic)積層体とすることができる。ホウ化物、炭化物、窒化物、炭化窒素化物、ブロンズ構造の酸化物及びブロンズ属に関連する構造の酸化物(但しWO2.9成分を欠く)も有用である。
【0065】
ある特に有用な顔料はいくつかの形態の炭素(例えば、カーボンブラック)である。可溶化基で表面官能化されたカーボンブラックは当該分野で周知であり、このタイプの物質は本発明の光熱変換物質に好ましい。親水性の非イオン性ポリマーでグラフト化されたカーボンブラック(FX−GE−003(日本触媒製)等)或いはアニオン性基で表面官能化されたもの(CAB−O−JET(登録商標)200又はCAB−O−JET(登録商標)300(カボット社製))が特に好ましい。
【0066】
近赤外ダイオードレーザービーム用の有用な吸収染料が例えば米国特許第4973572号(DeBoer)に記載されており、その記載は参照としてここに組み込まれる。特に利点のある染料は「ブロードバンド」染料であり、スペクトルの幅広いバンドを吸収する。顔料、染料又はその両者の混合物も有用である。とくに有用な赤外線吸収染料は下記のものを含む。
IR染料1
【化4】
IR染料2
染料1と同じであるが、アニオンは塩化物イオンである。
IR染料3
【化5】
IR染料4
【化6】
IR染料5
【化7】
IR染料6
【化8】
IR染料7
【化9】
IR染料8
【化10】
IR染料9
【化11】
【0067】
赤外線感受性の有用なオキソノール化合物は上記の染料5と共継続中で本出願人に譲渡されている「Thermal Switchable Composition and Imaging Member Containing Oxonol IR Dye and Methods of Imaging and Printing」のタイトルの1999年11月22日出願の米国特許出願第09/444695号(DoMinh et al)に記載されている他のものを含む。
【0068】
光熱変換物質は、一般に、画像形成レーザーの操作波長で少なくとも0.3(好ましくは少なくとも0.5、そしてより好ましくは少なくとも1.0)の光学密度を提供するのに十分な量で存在する。この目的のために必要な特定の量は、使用される特定の物質に依存して、当業者にはそもそも自明であろう。
【0069】
若しくは、光熱変換物質は熱感受性画像形成層に熱的に接触する別の層中に含まれていても良い。この場合、画像形成中、光熱変換物質の作用は、熱感受性層に当該物質が含まれていなくとも当該層に伝達される。
【0070】
熱感受性組成物は基体上に、スピンコーティング、ナイフコーティング、グラビアコーティング、ディップコーティング又は押出ホッパーコーティング等のあらゆる適当な装置又は手法を用いて塗布することができる。当該組成物は米国特許第5713287号公報に記載の適当な支持体(オンプレス印刷シリンダー等)上にスプレーすることによっても塗布することができる。
【0071】
本発明の画像形成部材は、これらに限定されるものではないが、印刷版、印刷シリンダー、印刷スリーブ及び印刷テープ(フレキシブル印刷ウェブを含む)を含むあらゆる形態とすることができる。好ましくは、画像形成部材は印刷版である。
【0072】
印刷版は、必要な熱感受性画像形成層が適当な支持体上に配置されて、あらゆる有用なサイズ及び形状(例えば正方形または長方形)とすることができる。印刷シリンダー及びスリーブは支持体と円筒状の熱感受性層を有する回転式の印刷部材として知られている。中空又は中実金属コアを印刷スリーブの基体として使用することができる。
【0073】
使用中、本発明の画像形成部材は、典型的にはデジタル情報(機器)から画像形成装置への、集束レーザービーム又は熱抵抗ヘッド等の熱を、インクが印刷イメージとして望まれる前景領域に生成し又は提供する適当なエネルギー源に曝露される。印刷操作前には、追加の加熱、湿式処理、又は機械的又は溶媒クリーニングは全く不要である。ダイオードレーザーシステムの信頼性と低いメンテナンスのために、本発明の画像形成部材の露光に使用されるレーザーは好ましくはダイオードレーザーであるが、ガス又は固体状態レーザー等もまた使用することができる。レーザー画像形成用の出力、強度及び露光時間の組み合わせは当業者には自明であろう。近赤外領域で発光するレーザーの仕様及び適当な画像形成配置及びデバイスは米国特許第5339737号(Lewis et al)に記載されており、当該記載は参照としてここに組み込まれる。画像形成部材は典型的にはレーザーの放射波長で最大の反応性を示すように増感されている。染料増感では、典型的には、当該染料はそのλmaxがレーザー操作波長にかなり近いように選択される。
【0074】
画像形成装置は、プレートセッターのみとして機能するように、それ自体で操作することができ、また、リソグラフ印刷プレスに直接組み込むことも可能である。後者の場合、印刷は画像形成直後に開始しうるので、プレス準備時間をかなり短縮することができる。画像形成装置は、平床記録装置、又は、画像形成部材がドラムの内部又は外部のシリンダー状表面に取り付けられたドラム記録装置として配置することもできる。
【0075】
ドラム配置では、画像形成デバイス(レーザー等)と画像形成部材との間で必要な相対動作がドラム(及びその上に取り付けられた画像形成部材)を軸に関して回転し、画像形成デバイスを回転軸に平行に移動させることによって達成され、それにより、画像が軸方向に「成長」するように画像形成部材が回転して走査される。若しくは、熱エネルギー源がドラム軸に平行に移動し、画像形成部材を横断する毎に画像が周方向に「成長」するようにアンギュラ的(angularly)に増大する。両者の場合において、レーザービームによる完全な走査後にオリジナルの文書又は写真に対応する画像が画像形成部材の表面に適用される。
【0076】
平床配置では、レーザービームは画像形成部材のいずれかの軸を横切って照射され、各照射パス後に他の軸に沿ってインデックス化される。明らかに、必要な相対動作はレーザービームよりも寧ろ画像形成部材を動かすことで生成される。
【0077】
本発明の実行ではレーザー画像形成が好ましいが、画像様式で熱エネルギーを提供する他のあらゆる手段によっても画像形成は行うことができる。例えば、米国特許第5488025号(Martin et al)に記載されるようないわゆる「サーマルプリンティング」として知られる熱抵抗ヘッド(熱印刷ヘッド)を用いても画像形成は達成することができる。熱印刷ヘッドは例えば富士通熱ヘッドFTP−040 MCS001及びTDK熱ヘッド F415 HH7−1089のように商業的に入手可能である。
【0078】
画像形成後には何らの湿式処理も必要ではなく、画像形成部材の印刷表面にリソグラフインク及び湿し水を適用し、次にインクを適当な受容物質(衣服、紙、金属、ガラス又はプラスチック等)に転写することで印刷を実行することができ、その上に所望の印刷画像を提供することができる。もし所望であれば、中間の「ブランケット」ローラーがインクを画像形成部材から受容物質に転写するために使用される。所望であれば、従来のクリーニング手段を用いて画像形成部材を印刷の間に清掃することができる。
【0079】
【実施例】
以下の実施例は本発明の実施を例証するためのものであり、決して、それらに限定されるものではない。
【0080】
有用なスイッチ(性)ポリマーの調製
【化12】
【0081】
【化13】
【0082】
【化14】
下記で調製されたポリマーは下記の表1で示される、ポリマーのグラムに対する第4級アンモニウムカルボキシレート基のモル比を有するという特徴を有していた。
【0083】
【表1】
【0084】
ポリマー1溶液の調製
ポリアクリル酸(ポリサイエンス社から入手可能。MW〜90000)の水性溶液(25%(W/W)の60.00g)が60.0gの蒸留水及び84.63gの41.5%(W/W)のベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシドのメタノール溶液(アルドリッチケミカル社)と組み合わされた。ゴム状の沈殿物が最初に形成され、30分かけて徐々に溶解した。得られたポリマーは水/メタノール混合物の32%(W/W)溶液として保管された。
【0085】
ポリマー2溶液の調製
ポリメタクリル酸(ポリサイエンス社から入手可能。MW〜30000)のサンプル(3.00g)が23.00gの蒸留水及び14.04gの41.5%(W/W)のベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシドのメタノール溶液(アルドリッチケミカル社)と組み合わされた。ゴム状の沈殿物が最初に形成され、30分かけて徐々に溶解した。得られたポリマーは水/メタノール混合物の21%(W/W)溶液として保管された。
【0086】
ポリマー3溶液の調製
A]アクリル酸(1.00g)の窒素脱気された溶液と水(10ml)中の3−アミノプロピルメタクリルアミド塩酸塩(0.13g)が、水(20ml)中で2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(0.056g)が高速撹拌されている窒素脱気された溶液に、60℃で、ポンプを用いて徐々に1時間以上かけて添加された。反応溶液は60℃で更に1時間撹拌され、アセトニトリル中で沈澱させられた。固体が真空濾過で収集され、60℃で真空オーブン中で1晩乾燥され、白色粉末として共重合体を0.85g得た。
【0087】
B]ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(アルドリッチケミカル社)のメタノール溶液(40%(W/W)の4.7ml)が8.5mlの蒸留水中の工程Aからの共重合体(0.85g)の溶液に添加された。ゴム状の沈殿物が最初に形成され、30分かけて徐々に溶解した。溶液は水で希釈されて総体積23mlとされた(9.2%の固体分)。
【0088】
ポリマー4溶液の調製
A]Rengan et al (J. Chem. Soc. Chem. Commun., 10, 1992, 757)の方法で合成された26.78gのベンジル トリス(ヒドロキシエチル)アンモニウム ブロミドが500mlの丸底フラスコ中で250mlのメタノールと5mlの水に溶解された。酸化銀(I)(20.56g)が添加され、混合物は室温で72時間撹拌された。不溶物は濾別され、濾液は回転式エバポレーターで80mlの濃度まで濃縮された。清澄な溶液が、メタノールを展開液とする300cm3のDOWEX(登録商標)550A OH樹脂でパックされたフラッシュクロマトグラフィーカラムを通過し、回転式エバポレーターで50ml以下に濃縮された。HCL滴定により溶液中のヒドロキシドアニオンの濃度は 1.353.meq/gと決定された。
【0089】
B]ポリアクリル酸(ポリサイエンス社から入手可能。MW〜90000)の水性溶液(25%(W/W)の12g)が13.30gのメタノール及び30.75gの工程Aからの溶液と組み合わされた。得られたポリマーは水/メタノール混合物の25%(W/W)溶液として保管された。
【0090】
ポリマー5溶液の調製
ポリアクリル酸(ポリサイエンス社から入手可能。MW〜90000)の水性溶液(25%(W/W)の8.00g)が10.00gのメタノール及び12.31gの2.254meq/gの(38.5%W/W)のフェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(TCIアメリカ社より入手可能)のメタノール溶液と組み合わされた。ゴム状の沈殿物が最初に形成され、30分かけて徐々に溶解した。得られたポリマーは水/メタノール混合物の21%(W/W)溶液として保管された。
【0091】
ポリマー6溶液の調製
A]ピロリジン(48.93g。アルドリッチケミカル社)が滴下漏斗を用いてジエチルエーテル(408g)中のα,α’−ジブロモ−o−キシレン(45.40g。アルドリッチ社)の溶液に30分間かけて添加された。白色の沈澱が直ちに生成した。溶媒が沈澱した固体からデカンタされ、粗生成物がイソプロパノールで再結晶され、ジエチルエーテルで3回洗浄され、真空オーブンで60℃で1晩乾燥されると、非常に吸湿性の粉体が得られた。精製物は25.4%の固体分のメタノール溶液として保管された。
【0092】
B]工程Aで生成した溶液が500mlの丸底フラスコ中で9:1のメタノール:水(130ml)及び酸化銀(I)(16.59g)と組み合わされた。フラスコは僅かに温まり、酸化銀(I)が黒から鈍い灰色に変化した。反応溶液は1時間室温で撹拌され、不溶物は濾別された。濾液は、メタノールを展開液とする300cm3のDOWEX(登録商標)550A OH樹脂でパックされたフラッシュクロマトグラフィーカラムを通過した。収集されたフラクションは回転式エバポレーターで36gに濃縮された。HCL滴定によりヒドロキシドアニオンの濃度は 2.218meq/gと決定された。
【0093】
C]ポリアクリル酸(ポリサイエンス社から入手可能。MW〜90000)の水性溶液(25%(W/W)の12.00g)が11.44gのメタノール及び18.77gの工程Bの溶液と組み合わされた。ゴム状の沈殿物が最初に形成され、30分かけて徐々に溶解した。得られたポリマーは水/メタノール混合物の18%(W/W)溶液として保管された。
【0094】
ポリマー7溶液の調製
A]無水アンモニア(アルドリッチ社)が無水エタノール(300ml)中のα,α’−ジブロモ−o−キシレン(26.36g。アルドリッチケミカル社)の懸濁液に、高速で撹拌しながら2.5時間かけて通気された。反応混合物は2時間フリーザー中に載置し、次いで濾過された。収集された白色の沈澱はイソプロパノール1回、ジエチルエーテルで1回洗浄されると、7.95gの第4級アンモニウムブロミド生成物が細かい白色結晶として得られた。
【0095】
B]工程Aで生成したサンプル(7.39g)が5.65gの酸化銀(I)及び70mlの9:1のメタノール:水混合物を用いて、ポリマー6(工程B)で用いられたものと類似の方法で、ブロミド(臭化物)からヒドロキシド(水酸化物)に変換された。1.452meq/gのヒドロキシドアニオンの溶液(14.50g)が得られた。
【0096】
C]ポリアクリル酸(ポリサイエンス社から入手可能。MW〜90000)の水性溶液(25%(W/W)の5.02g)が14.14gのメタノール及び12.00gの工程Bの溶液と組み合わされた。ゴム状の沈殿物が最初に形成され、30分かけて徐々に溶解した。得られたポリマーは水/メタノール混合物の16%(W/W)溶液として保管された。
【0097】
ポリマー8溶液の調製
A]インドリン(14.06g。アルドリッチ社)、1,4−ブロモブタン(25.48g。アルドリッチ社)及び水酸化アンモニウム(28%水性溶液。アルドリッチ社。45.0g)が滴下漏斗及び濃縮器を取り付けた500mlの丸底フラスコ中で組み合わされた。反応混合物は加熱環流され、23.0gの追加の水酸化アンモニウム溶液が30分かけて滴下された。反応混合物は1晩加熱環流され、回転エバポレーターを用いて液体が粗生成物から蒸発除去された。残った茶色の固体は熱イソプロパノールに溶解され、残渣の臭化アンモニウムを除去するために濾過された。濾液はオレンジ色の油にまるまで濃縮され、200mlのメタノールに溶解され、約100cm3のシリカゲル上に吸収され、約1000cm3のシリカゲルで充填されたフラッシュクロマトグラフィーカラムの最上部に載置された。カラムは、最初は1:1の酢酸エチル:ヘキサンで展開されて有機溶解性不純物を除去し、次に、メタノールで展開し所望の生成物を溶離した。収集されたメタノール溶液は黄色の油になるまで回転エバポレーターで濃縮され、15.0gの純粋なスピロ−インドリニウム臭化物塩が得られた。
【0098】
B]工程Aからの純粋な生成物全部が150mlの9:1のメタノール:水混合物に溶解された。ポリマー6(工程B)で用いられたものと類似の方法で、酸化銀(I)(27.34g)を用いて、それは対応する水酸化物塩に変換された。1.300meq/gのヒドロキシドアニオンの溶液(41.9g)が得られた。
【0099】
C]ポリアクリル酸(ポリサイエンス社から入手可能。MW〜90000)の水性溶液(25%(W/W)の5g)が13.34gの工程Bの溶液と組み合わされた。ゴム状の沈殿物が最初に形成され、30分かけて徐々に溶解した。得られたポリマーは水/メタノール混合物の23.28%(W/W)溶液として保管された。
【0100】
ポリマー9溶液の調製
GANTREZ(登録商標)AN-139 ポリマー(ISPテクノロジーズ社。1.00g)が蒸留水(10g)と5.36gのベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(アルドリッチケミカル社)の40%(W/W)水性溶液を含む溶液に添加された。得られた混合物は、清澄で均一な17.80%(W/W)の溶液が形成されるまで、12時間激しく撹拌された。
【0101】
ポリマー10溶液の調製
ポリアクリル酸(ポリサイエンス社から入手可能。MW〜90000)の水性溶液(25%(W/W)の60.00g)が60gの蒸留水及び84.63gの41.5%(W/W)のベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシドのメタノール溶液(アルドリッチケミカル社)と組み合わされた。ゴム状の沈殿物が最初に形成され、30分かけて徐々に溶解した。得られたポリマー1は水/メタノール混合物の32%(W/W)溶液として保管された。このポリマーは本発明の範囲外(ベンジル基に置換基がない)なので、このポリマーはコントロール(比較対象)の印刷版を製造するために使用された。
【0102】
ポリマー11−23溶液の調製
ポリマー11〜23は基本的に3つのステップを用いて全て合成された。これらは全て本発明の範囲内である。最初のステップは、置換されたベンジルハライドを1.5〜3.0当量のトリメチルアミンとエーテル中で反応させることに関し、置換ベンジルトリメチルアンモニウムハライド塩を生成した。この塩はプロトンNMR及びエレクトロスプレーMSで特徴づけられ、純度は逆相HPLCで更にチェックされた。
【0103】
第2のステップは、メタノール−水中の1.0当量のAg2Oを用いて上記ハライド塩を対応する水酸化物に変換し、その後、HCl滴定で0.5から5.0mEq/gと決定されるヒドロキシド含量を有する溶液を提供するために揮発性成分を除去することに関連していた。この水酸化物塩はエレクトロスプレーMSで特徴づけられ、純度は逆相HPLCで更にチェックされた。
【0104】
第3のステップは、ポリアクリル酸(MW=90000)を様々な置換ベンジルトリメチルアンモニウム水酸化物で中和し、MeOH/水(2:1〜1:2の重量比)中のポリマー溶液(通常、20%W/W)を生成することに関連していた。代表的な手順が下記にポリマー11を製造するために記載される。
【0105】
ポリマー11溶液の調製(3ステップ)
A]500mlの丸底フラスコ内で221gのジエチルエーテル中に3−メチルベンジルブロミド(24.64g。1.33×10-1mol。アルドリッチ社)が溶解された。33%(W/W)のトリメチルアミンのメタノール溶液(35.80g。2.00×10-1mol。アクロス社)が1回で全て添加されると、直ちに白色の沈澱が生成した。反応混合物は室温で1晩撹拌され、次に濾過され、ジエチルエーテルで3回洗浄された。得られた白色粉末は真空オーブン中で1晩乾燥され、29.38g(収率90%)の3−メチルベンジル トリメチルアンモニウムブロミドが得られた。
【0106】
B]工程Aのブロミド塩(臭化物塩)(10g)が250mlの丸底フラスコ中で100mlの9:1のメタノール/水に溶解された。酸化銀(I)(9.5g。4.10×10-1mol。アルドリッチ社)が1回で全て添加され、酸化銀が暗黒色から鈍い灰色に変化する点まで2時間撹拌された。次に、最初に標準的な濾紙を用い手、次に、0.5μmのMillipore FC膜フィルターを用いて固体が濾別された。濾液は回転エバポレーターで40ml以下の容積まで濃縮された。溶液中のヒドロキシアニオンの濃度はHCl滴定によって1.237meq/gと決定された。
【0107】
C]ポリアクリル酸(ポリサイエンス社から入手可能。MW〜90000)の水性溶液(25%(W/W)の6.04g)が1.79gのメタノール及び17.17gの工程Bからの溶液と組み合わされた。ゴム状の沈殿物が最初に形成され、30分かけて徐々に溶解した。得られたポリマーは水−メタノールの20%(W/W)溶液として保管された。
【0108】
ポリマー12〜23は類似の方法で合成された。代表的な方法から変更された点が下記の表2に記載されている。
【0109】
ポリマー24溶液の調製(3ステップ)
A]Rengan et al (J. Chem. Soc. Chem. Commun., 10, 1992, 757)の方法を用いて、トリエタノールアミン及びベンジルブロミドから、ベンジル トリス(ヒドロキシエチル)アンモニウム ブロミドが合成された。
B]500mlの丸底フラスコ中で250mlのメタノールと5mlの水にベンジル トリス(ヒドロキシエチル)アンモニウム ブロミド(26.78g。8.36×10-2mol)が溶解された。酸化銀(I)(20.56g。8.87×10-2mol)が添加され、混合物は室温で72時間撹拌された。不溶物は濾別され、濾液は回転式エバポレーターで80mlの濃度まで濃縮された。清澄な溶液が、メタノールを展開液とする300cm3のDOWEX(登録商標)550A OH樹脂でパックされたフラッシュクロマトグラフィーカラムを通過し、回転式エバポレーターで50ml以下に濃縮された。HCL滴定により溶液中のヒドロキシドアニオンの濃度は 1.353.meq/gと決定された。
【0110】
C]ポリアクリル酸(ポリサイエンス社から入手可能。MW〜90000)の水性溶液(25%(W/W)の12g)が13.30gのメタノール及び30.75gの工程Aからの溶液と組み合わされた。得られたポリマーは水/メタノール混合物の25%(W/W)溶液として保管された。
【0111】
ポリマー25溶液の調製(3ステップ)
A]環流濃縮器及び窒素導入管を備えた200mlの丸底フラスコ中で2−メチルベンジルブロミド(10.00g。5.40×10-2mol。アルドリッチ社)、トリエタノールアミン(10.48g。7.02×10-2mol。アルドリッチ社)及びテトラヒドロフラン(54ml)が組み合わされた。反応混合物は、大量の白色固体が形成されるまで環流下で14時間撹拌された。真空吸引で固体が収集され、エタノールで再結晶化され、真空オーブン中で60℃で1晩乾燥されて、1067g(収率59%)の微細な白色粉末が得られた。
【0112】
B]10.00g(2.99×10-2mol)の工程Aからの生成物がポリマー2(工程B)で記載された方法を用いて対応するヒドロキシドに変換された。ヒドロキシド濃度が0.906mEq/gの溶液が30ml得られた。
【0113】
C]ポリアクリル酸(ポリサイエンス社から入手可能。MW〜90000)の水性溶液(25%(W/W)の3.38g)が1.60gのメタノール及び15.02gの工程Aからの溶液と組み合わされた。得られたポリマーは水/メタノール混合物の20%(W/W)溶液として保管された。
【0114】
【表2】
【0115】
実施例1:
ポリマー1を用いて調製された印刷版
ポリマー1溶液(3.74g)、CR−5L(0.12g。Esprit Chemicals社から販売されているエポキシ樹脂)、FLUORAD FC−135 カチオン性界面活性剤(イソプロパノールの50%溶液を0.024g。3M社)、FX−GE−003(1.80g。日本触媒(株)が製造しているポリマーグラフト化カーボンブラックの10%分散液)、メタノール(9.66g)及び水(0.66g)を含む被覆配合物が調製された。これらの成分はガラス瓶中で約1時間激しく撹拌され、機械的に粗面化され陽極酸化されたアルミニウム支持体上に被覆され、2.36ml/ft2(25.5ml/m2)の濡れた被覆を与えた。それは、100mg/ft2(1.08g/m2)のポリマー、15mg/ft2(162mg/m2)のカーボンブラック、10mg/ft2(108mg/m2)のCR−5Lの乾燥した被覆を与えるのに十分であった。得られた印刷プレスは、機械的に耐久性のある、黒い画像形成層を得るために100℃のオーブン中で20分加熱された。
【0116】
印刷版は、次に、それぞれが23μmのスポット径に集束された830nmの波長で操作される複数のレーザーダイオードの列を有するプレートセッター(市販のCREO TRENDSETTER(商標)に類似しているがサイズが小さい)上で露光された。各チャンネルは記録表面上で356mWの入射パワーを最大で供給した。印刷版は回転速度が変化するドラム上に取り付けられ、下記表3に挙げられる様々な露光でセットされた画像の組を提供した。レーザービームはハーフトーンドットイメージを生成するように調節された。
【0117】
【表3】
【0118】
画像形成された印刷版は市販のA.B.Dick9870 duplicator press上に取り付けられ、Vanson Diamond Blackリソグラフ印刷インク及びPAR アルコール代替物(Varn Products社)を含むUniversal Pink湿し水を用いて紙に印刷された。明らかに、印刷版は2つの高い方の露光レベルで良好な品質のベタのイメージを生成した。
【0119】
実施例2:
ポリマー2を用いて調製された印刷版
実施例1の場合と同様に、印刷版が調製され、画像形成され、印刷に使用された。画像形成層の被覆配合物はポリマー2溶液(5.68g)、CR−5L(0.12g)、FLUORAD FC−135 カチオン性界面活性剤(0.024g)、FX−GE−003(1.80g)、メタノール(8.69g)及び水(8.69g)を含んでいた。
【0120】
印刷では、2つの高い方の露光レベルで良好な品質のベタのイメージを印刷版が生成した。背景はスカミングがなく、2000回以上印刷しても、ブランケットのトーニングは観察されなかった。
【0121】
実施例3:
ポリマー3を用いて調製された印刷版
ポリマー3溶液(11.04g)、CAB−O−JET(登録商標)(0.51g。Cabot社から販売されているアニオン性官能化カーボンブラックの20%分散液)、ビス(ビニルスルホニル)メタン(1.8%の水溶液を1.26g)、メタノール(5.39g)及び水(1.80g)を含む被覆配合物が調製された。これらの成分はバイアル中で組み合わされ、バイアルの高さの半分までジルコニウムビーズが添加された。この混合物は1晩ロールミルにかけられ、ゼラチンが下塗りされた(gelatin-subbed)ポリエチレンテレフタレート支持体上に被覆され、2.36ml/ft2(25.5ml/m2)の濡れた被覆を与えた。それは、100mg/ft2(1.08g/m2)のポリマー、及び、10mg/ft2(108mg/m2)のカーボンブラックの乾燥した被覆を与えるのに十分であった。印刷版は、80℃の対流オーブン中で4分加熱された。
【0122】
次に、実施例1の場合と同様に、印刷版は画像形成され、印刷に使用された。印刷では、最高の露光レベルで良好な品質のベタのイメージを印刷版が生成した。背景はスカミングがなく、1000回以上印刷しても、ブランケットのトーニングは観察されなかった。
【0123】
実施例4:
ポリマー4を用いて調製された印刷版
実施例1の場合と同様に、印刷版が調製され、画像形成され、印刷に使用された。画像形成層の被覆配合物はポリマー4溶液(4.76g)、CR−5L(0.12g)、FLUORAD FC−135 カチオン性界面活性剤(0.024g)、FX−GE−003(1.80g)、メタノール(9.15g)及び水(9.15g)を含んでいた。画像形成露光の組が下記の表4に示されている。
【0124】
印刷では、2つの高い方の露光レベルで良好な品質のベタのイメージを印刷版が生成した。背景はスカミングがなく、2000回以上印刷しても、ブランケットのトーニングは観察されなかった。
【0125】
【表4】
【0126】
実施例5:
ポリマー5を用いて調製された印刷版
実施例1の場合と同様に、印刷版が調製されたが、ただし、印刷版は80℃で10分間架橋された。画像形成層の被覆配合物はポリマー5溶液(5.83g)、CR−5L(0.12g)、FLUORAD FC−135 カチオン性界面活性剤(0.024g)、FX−GE−003(1.80g)、メタノール(8.62g)及び水(8.62g)を含んでいた。
【0127】
得られた印刷版は実施例4と同様に画像形成され、実施例1と同様に印刷に使用された。印刷版は全ての露光レベルで良好な品質のベタのイメージを生成した。2000回以上印刷しても、摩滅は全く観察されなかった。印刷版の弾性とスカミングへの耐性をテストするために、A.B.Dick9870 duplicator press上でのインクセッティングは3に維持され、湿し水のセッティングは20から序々に12(標準セッティング)まで減少させられた。背景は14のセッティングに至るまで非常にクリーンな状態を維持した。湿し水のレベルが20に戻されると、印刷版は急速にクリーンになり、良好な品質の印刷を提供し続けた。
【0128】
実施例6:
ポリマー6を用いて調製された印刷版
実施例1の場合と同様に、印刷版が調製された。画像形成層の被覆配合物はポリマー6溶液(6.73g)、CR−5L(0.12g)、FLUORAD FC−135 カチオン性界面活性剤(0.024g)、FX−GE−003(1.80g)、メタノール(8.16g)及び水(8.16g)を含んでいた。
【0129】
印刷版は実施例4と同様に画像形成され、実施例1と同様に印刷に使用された。印刷版は3つの高い方の露光レベルで良好な品質のベタのイメージを生成した。2000回以上印刷しても、スカミング、ブランケットのトーニング、又は摩滅は全く観察されなかった。
【0130】
別の印刷では、印刷版の弾性とスカミングへの耐性をテストするために、A.B.Dick9870 duplicator press上でのインクセッティングは3に維持され、湿し水のセッティングは20から序々に12(標準セッティング)まで減少させられた。背景は14のセッティングに至るまで非常にクリーンな状態を維持した。湿し水のレベルが20に戻されると、印刷版は急速にクリーンになり、良好な品質の印刷を提供し続けた。
【0131】
実施例7:
ポリマー7を用いて調製された印刷版
実施例1の場合と同様に、印刷版が調製されたが、ただし、印刷版は80℃で20分間架橋された。画像形成層の被覆配合物はポリマー7溶液(7.30g)、CR−5L(0.12g)、FLUORAD FC−135 カチオン性界面活性剤(0.024g)、FX−GE−003(1.80g)、メタノール(7.88g)及び水(7.88g)を含んでいた。
【0132】
得られた印刷版は実施例4と同様に画像形成され、実施例1と同様に印刷に使用された。印刷版は全ての露光レベルで良好な品質のベタのイメージを生成した。2000回以上印刷しても、摩滅は全く観察されなかった。印刷版の弾性とスカミングへの耐性をテストするために、A.B.Dick9870 duplicator press上でのインクセッティングは3に維持され、一方、湿し水のセッティングは20から序々に12(標準セッティング)まで減少させられた。背景は14のセッティングに至るまで非常にクリーンな状態を維持した。湿し水のレベルが20に戻されると、印刷版は急速にクリーンになり、良好な品質の印刷を提供し続けた。
【0133】
実施例8:
ポリマー8を用いて調製された印刷版
実施例1の場合と同様に、印刷版が調製されたが、ただし、印刷版は80℃で3.5分間架橋された。画像形成層の被覆配合物はポリマー8溶液(5.12g)、CR−5L(0.12g)、FC−135(0.024g)、FX−GE−003(1.80g)、メタノール(8.95g)及び水(8.95g)を含んでいた。
【0134】
得られた印刷版は実施例4と同様に画像形成され、実施例1と同様に印刷に使用された。印刷版は全ての露光レベルで良好な品質のベタのイメージを生成した。2000回以上印刷しても、摩滅は全く観察されなかった。印刷版の弾性とスカミングへの耐性をテストするために、A.B.Dick9870 duplicator press上でのインクセッティングは3に維持され、一方、湿し水のセッティングは20から序々に12(標準セッティング)まで減少させられた。背景は14のセッティングに至るまで非常にクリーンな状態を維持した。湿し水のレベルが20に戻されると、印刷版は急速にクリーンになり、良好な品質の印刷を提供し続けた。
【0135】
実施例9:
ポリマー9を用いて調製された印刷版
実施例1の場合と同様に、印刷版が調製されたが、ただし、印刷版は80℃で5分間架橋された。画像形成層の被覆配合物はポリマー9溶液(6.74g)、CR−5L(0.12g)、FC−135(0.024g)、FX−GE−003(1.80g)、メタノール(8.16g)及び水(8.16g)を含んでいた。
【0136】
得られた印刷版は実施例4と同様に画像形成され、実施例1と同様に印刷に使用された。印刷版は全ての露光レベルで良好な品質のベタのイメージを生成した。2000回以上印刷しても、摩滅は全く観察されなかった。
【0137】
実施例10:
ポリマー10〜25を用いて調製された印刷版
ここに記載された、ポリマー10〜25を用いた、配合物、被覆及び画像形成は、ポリマー1〜9について既に記載されたものと類似するものである。被覆配合物は熱感受性スイッチ性ポリマー10〜25のそれぞれを用いて調製され、25gの被覆混合物が約6%の固形分を提供するように追加の成分も使用され、2.36cm3/ft2(25.5cm3/m2)の割合で湿った被覆を行った場合に、下記の表5に挙げられる目標の乾燥レイダウン(dry Laydowns)を生じた。希釈溶媒はエーテル1:1メタノール(ポリマー10〜18)又はメタノール(ポリマー19〜23)であった。成分はガラス瓶中で組み合わされ、1時間マグネティックスターラーで激しく撹拌されて被覆混合物が生成した。被覆混合物は、デジタル制御されたシリンジドライブコーティングマシーンを用いて、機械的に粗面化され、陽極酸化されたアルミニウム支持体上に被覆され、オーブン中で80℃で20分乾燥された。
【0138】
【表5】
【0139】
赤外露光及び印刷
印刷版は、それぞれが23μmのスポット径に集束された830nmの波長で操作される複数のレーザーダイオードの列を有するプレートセッター実験機(市販のCREO TRENDSETTER(商標)に類似しているがサイズが小さい)上で露光された。各チャンネルは記録表面上で450mWの入射パワーを最大で供給した。印刷版は回転速度が変化するドラム上に取り付けられ、下記表6に挙げられる様々な露光でセットされた画像の組を提供した。レーザービームはハーフトーンドットイメージを生成するように調節された。
【0140】
【表6】
【0141】
露光された印刷版は市販のA.B.Dick9870 duplicator press上に取り付けられ、Vanson Diamond Blackリソグラフ印刷インク及びPAR アルコール代替物(Varn Products社)を含むUniversal Pink湿し水を用いて紙に印刷された。各印刷版は約1000回の印刷に使用された。
【0142】
各印刷版について、ロールアップ(roll-up。許容可能な密度のイメージが得られる前の印刷回数)及びイメージングスピード(imaging speed。許容可能な密度のイメージが得られた最低限の露光)が記録された。結果は下記の表7に纏められている。明らかに、ポリマー11〜23の全てが、第4級アンモニウムカチオンに非置換のベンジル基を含む比較対象(ポリマー10)よりも両方において改善を示した。同様に、2−メチル 置換−N,N,N−トリス(ヒドロキシエチル)アンモニウムポリマー(ポリマー25)は、芳香環上に置換基を有さない比較対象のポリマー24に対して顕著な改善を示した。
【0143】
【表7】
【0144】
以上、特定の好ましい実施態様を参照しつつ本発明を詳細に説明したが、本発明の精神と範囲内において変更と修正がなされてもよいことが理解されるべきである。
Claims (10)
- 骨格を有し、且つ、第4級アンモニウムカルボキシレート基を含む繰り返し単位を含む、架橋された親水性の熱感受性ポリマーを含む親水性画像形成層をその上に有する基体を備えた画像形成部材であって、
前記カルボキシレート基が直接又は間接的に前記ポリマー骨格に結合しており、
前記第4級アンモニウムカルボキシレート基が、少なくとも1つの、アルキレン及びフェニル部分のそれぞれに1以上の置換基を含むか又はフェニル部分に1以上の置換基を含む置換された−アルキレン(C1−C3)−フェニル基を含む画像形成部材。 - 光熱変換物質を更に含む、請求項1記載の画像形成部材。
- 前記熱感受性ポリマーが下記:
式1
で表される、請求項1又は2記載の画像形成部材。 - R1、R2、R3及びR4のいずれか2つ、3つ又は4つは結合して荷電窒素原子と共に1又は2の置換又は非置換の複素環を形成している、請求項3記載の画像形成部材。
- R1、R2、R3及びR4の少なくとも1つがアルキレン及びフェニル部分のそれぞれに1以上の置換基を含むか又はフェニル部分に1以上の置換基を含む置換された−アルキレン(C1−C3)−フェニル基であることを条件として、R1、R2、R3及びR4の少なくとも1つが置換又は非置換のベンジル又はフェニル基である、請求項3又は4記載の画像形成部材。
- R1、R2及びR3が独立に1から3の炭素原子を有するアルキル基又は1から3の炭素原子を有するヒドロキシアルキルであり、並びに、R4が1又は2のメチル、フルオロ、クロロ、ブロモ、メトキシ又は2−エトキシ置換基により置換されたアルキレン(C1−C3)−フェニル基である、請求項3又は4記載の画像形成部材。
- 前記画像形成層が前記基体上の唯一の層である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成部材。
- 前記親水性画像形成層が前記親水性熱感受性ポリマーを架橋するためのエポキシ含有樹脂を更に含む、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成部材。
- 以下の工程を含む画像形成方法:
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像形成部材を準備する工程;および
前記画像形成部材をエネルギーに曝露することにより画像露光して前記画像形成部材の画像形成層に露光及び非露光領域を提供し、前記露光領域が前記画像露光により提供された熱によって前記非露光領域よりも親油性となる工程。 - 前記画像露光された画像形成部材を湿し水及びリソグラフ印刷インキに接触させ、該インクを受容物質に画像として転写する工程をさらに含む請求項9記載の方法。
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