JP4213311B2 - 感熱性チオスルフェートポリマーを含む画像形成部材及びその使用方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は一般に、リソグラフィ(平版印刷)画像形成要素、特に、画像形成後に湿式処理を行っても行わなくてもよい感熱性画像形成部材に関する。本発明はまた、このような画像形成部材のデジタル画像形成方法、及びそれらを使用した印刷方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
リソグラフィ印刷の技術は、油と水との非混和性に基づくものであり、この技術では、油性材料またはインキは画像形成部に優先的に保持され、水または噴水(fountains)溶液は非画像形成部に優先的に保持される。しかるべく調製された表面を水で湿らせてからインキを適用する場合には、背景または非画像形成部は水を保持し且つインキをはじくが、画像形成部はインキを受理し且つ水をはじく。インキは最終的に適当な支持体、例えば、布、紙または金属の表面に転写され、それによって画像が再現される。
【0003】
極めて一般的なリソグラフィ印刷版は、金属またはポリマー支持体上に可視光線もしくは紫外線に感受性の画像形成層を含む。ポジ作用及びネガ作用印刷版はいずれもこのように製造できる。露光時及びおそらく後露光加熱時に、画像形成部または非画像形成部が湿式処理化学反応によって除去される。
【0004】
感熱性印刷版はそれほど一般的ではない。このような印刷版の例は、米国特許第5,372,915号に記載されている。これらは、可溶性ポリマーと赤外線吸収化合物との混合物を含む画像形成層を含む。これらの印刷版は、レーザー及びデジタル情報を用いて画像化できるが、アルカリ現像液を用いた湿式処理を必要とする。
【0005】
IR吸収層を含むリソグラフィ印刷版が作成できたことはわかっている。例えば、カナダ国特許第1,050,805号は、インキ受理性支持体、上に重なったシリコーンゴム層及び自己酸化性結合剤(例えば、ニトロセルロース)中のレーザーエネルギー吸収粒子(例えば、炭素粒子)からなる介在層を含む乾式平版印刷版を開示している。このような印刷版は、Nd++YAGレーザーを用いて集束近赤外線に暴露された。吸収層は赤外線エネルギーを熱に転化し、それによって、吸収剤層及び上に重なったシリコーンゴムを部分的に弛緩、気化または融蝕させた。印刷版は、ナフサ溶剤を適用して、露光画像部から破壊くずを除去することによって現像された。同様な印刷版が、Research Disclosure 19201, 1980 に記載されている。この印刷版は、レーザー光線を吸収してシリコーンゴム上塗り層の除去を促進する真空蒸発金属層を有する。これらの印刷版は、ヘキサンによる湿潤及び摩擦によって現像された。シリコーン層の融蝕のためのCO2 レーザーが、Nechiporenko & Markova, PrePrint 15th International IARIGAI Conference, June 1979, Lillehammer, Norway, Pira Abstract 02−79−02834 に記載されている。一般には、このような印刷版は、支持体上に少なくとも2層を必要とし、そ1層またはそれ以上は融蝕可能な材料から形成されている。他の融蝕画像形成法は例えば、米国特許第5,385,092号、同第5,339,737号、同第5,353,705号、US Reissue 35,512及び米国特許第5,378,580号に記載されている。
【0006】
デジタル無処理印刷に使用される前記印刷版は、より普通の感光性印刷版よりも優れた点がたくさんあるが、使用に伴う欠点もたくさんある。融蝕プロセスは、収集しなければならない破壊くず及び気化物質を生じる。融蝕に必要なレーザー出力はかなり高い場合があるし、このような印刷版の成分は高価であり、塗布が困難であり、または得られる印刷の質が許容され得ないものである場合がある。このような印刷版は一般に、支持体上に少なくとも2層の塗布層を必要とする。
【0007】
熱によって切り換え可能なポリマーを印刷版中に画像形成材料として使用することについての文献記載がある。「切り換え可能な(switchable)」とは、熱への暴露時に、ポリマーが親水性から比較的疎水性に、または疎水性から比較的親水性にすることを意味する。
【0008】
米国特許第4,634,659号は、疎水性ポリマー塗膜を画像に関して照射して、露光域をより親水性にすることを記載している。この概念は、印刷版の表面特性を変換する初期の応用の1つであるが、長いUV光暴露時間(最高60分間)を必要とするという欠点を有し、印刷版の使用はポジ使用方式のみに限られる。
【0009】
さらに、ヨーロッパ特許出願公開第0 652 483号は、IRレーザーを用いて画像形成可能で且つ湿式処理を必要としないリソグラフィ印刷版を記載している。これらの印刷版は、画像に関する熱暴露時により親水性になる画像形成層を含んでなる。この塗膜は、熱または酸の下で反応してより極性の高い親水基を形成できる側基(例えば、t−アルキルカルボキシレート)を有するポリマーを含む。このような組成物の画像化は、画像形成部を疎水性から比較的親水性に変換するので、一般に比較的大きい領域である印刷版の背景の画像化が必要である。これは、印刷版の縁まで画像化することが望ましい場合には問題となる。
【0010】
架橋されるUV感受性ポリマーを含むポジ作用フォトレジスト及び印刷版がヨーロッパ特許出願公開第0 293 058号に記載されている。このポリマーは、UV暴露時に分解してスルホン酸基を発生し且つポリマーに溶解性を与えるホミノスルホネート側基を含む。
【0011】
米国特許第5,512,418号は、熱による画像形成に、アンモニウム側基を含むポリマーを使用することを記載している。
【0012】
米国特許第4,693,958号はまた、湿式処理される印刷版の製造方法を記載している。画像形成層は、ポリアミド酸、及び第四アンモニウム基を含むビニルポリマーを含む。
【0013】
特開平9−197,671号公報は、画像形成層がスルホネート含有ポリマー、IR線吸収剤、ノボラック樹脂及びレゾール樹脂を含むネガ作用印刷版及び画像形成方法を記載している。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
従って、グラフィックアーツ業界は、融蝕及び前記の付随する問題を伴わずに画像形成できる直書式ネガ作用リソグラフィ印刷版を提供するための代替手段を探している。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記問題は、構造I:
【0016】
【化3】
【0017】
( 式中、Xは二価の結合基であり、Yは水素または陽イオンである)
で表される熱活性化可能なチオスルフェート基を含む反復単位を含む親水性感熱性ポリマーを含む親水性画像形成層を支持体上に有してなる画像形成部材によって克服される。
本発明はまた、
A)前記画像形成部材を用意し、そして
B)画像形成部材を像状露光して画像形成部材の画像形成層に露光域と未露光域を形成せしめることにより、像状露光によって生じた熱によって露光域を架橋させ且つ未露光域よりも疎水性にする
工程を含んでなる画像形成方法を含む。
好ましくは、この方法は、
C)像状露光された画像形成部材を、噴水溶液及びリソグラフィ印刷インキと接触させ、そして画像に関して印刷インキを画像形成部材からインキ受理材料に転写する
工程をさらに含むのが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の画像形成部材は多くの利点を有し、それによって公知の印刷版の問題が回避される。詳細には、融蝕画像化(すなわち、表面層を画像に関して除去すること)に関連する問題及び懸念が回避される。これは、適切なエネルギー源への暴露時に発生または提供される熱によって印刷表面の露光域をより疎水性にまたは油受理性になるように(好ましくは不可逆的に)「切り換える」ことによって画像化が行われるためである。得られた画像形成部材は露光域のインキ受理性が高く、優れたインキ/水識別力を有する。この画像形成部材はまた、未露光域を除去するための湿式化学処理を画像形成後に行っても行わなくても十分に機能する。好ましくは、本発明の実施には湿式化学処理(例えば、アルカリ現像液を用いた処理)を使用しない。この画像形成部材は、露光域が画像形成の間に架橋されるために耐久性がある。本発明の画像形成部材の画像形成によって得られる印刷部材は一般にネガ作用である。画像形成部材はまた、印刷中(on−press printing)の印刷シリンダーであることもできる。
【0019】
これらの利点は、親水性画像形成層中に特殊な親水性感熱性ポリマーを使用することによって達成される。これらのポリマーは、熱への暴露時に架橋部位を提供すると考えられる。熱によって活性化可能なチオスルフェート基(Bunte塩としても知られる)をポリマー主鎖の側基として有する。このような熱によって活性化可能な基を以下により詳細に説明する。
【0020】
本発明の画像形成部材は、支持体と支持体上の1層またはそれ以上の感熱層を含んでなる。支持体は、ポリマーフィルム、ガラス、金属もしくは薄板紙を含む任意の自立材料、またはこれらの任意の材料の貼り合わせであることができる。支持体の厚さは変化させることができる。ほとんどの用途では、厚さは、印刷による摩耗に耐えるのに充分であり、しかも印刷型に巻き付けるのに充分な薄さでなければならない。好ましい態様は、例えば、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートから製造された、厚さ100〜310μmのポリエステル支持体を使用する。別の好ましい態様は、厚さ100〜600μmの金属(例えば、アルミニウム)シートを使用する。支持体は、使用条件下で寸法変化を受けにくいものでなければならない。リゾグラフィ印刷版にはアルミニウム及びポリエステル支持体が最も好ましい。
【0021】
支持体は、感熱性画像形成ポリマー組成物が塗布された円筒面であることもでき、従って、印刷機の一部であることができる。このようなシリンダーの使用は例えば、米国特許第5,713,287号に記載されている。「円筒支持体」とは、印刷機上で使用される印刷シリンダー、及び印刷シリンダー上に装着される印刷スリーブを意味する。
【0022】
支持体には、最終アセンブリの接着を改良するために1層またはそれ以上の「下塗り」層を塗布することができる。下塗り層材料の例としては、ゼラチンならびに他の天然及び合成親水コロイド、さらに写真業界においてこのような目的のために知られたビニルポリマー(例えば、塩化ビニリデンから製造されるコポリマー)、ビニルホスホン酸ポリマー、アルコキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、ゾル−ゲル材料、エポキシ官能ポリマー及びセラミックスが挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】
支持体の裏側には帯電防止剤及び/またはスリップ層もしくは艶消し層を塗布して、画像形成部材の風合い及び「触感」を改良することができる。
【0024】
しかし、画像形成部材は、画像形成に必要な感熱層の1層のみを有する。親水性画像形成層は、1種またはそれ以上の感熱性ポリマーと、任意であるが好ましくは光熱転換材料(後述)を含み、好ましくは外側の印刷面を提供する。画像形成層に使用する感熱性ポリマーのために、層の露光域(画像形成部)は架橋し且つその性質をより疎水性にする。未露光域は親水性のままであり、印刷機上で噴水溶液で洗い落とされるか、画像形成後に水道水中で現像されることができる。
【0025】
画像形成部材の感熱層においては、感熱性ポリマーのみ及び場合によっては光熱転換材料が画像形成に必要か必須である。
【0026】
本発明に使用できる感熱性ポリマーは各々、少なくとも1000、好ましくは少なくとも5000の分子量を有する。ポリマーは、公知の重合技術及び反応体を用いて一緒に反応させられる1種またはそれ以上の重合性エチレン系不飽和モノマーから得られるビニルホモポリマーまたはコポリマーであることができる。あるいは、それらは、公知の重合技術及び反応体を用いて一緒に反応させられる1種またはそれ以上の複素環式モノマーから得られる付加ホモポリマーまたはコポリマー(例えば、ポリエステル)であることができる。さらに、それらは、公知の重合技術及び反応体を用いて得られる縮合型ポリマー(例えば、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミドまたはポリウレタン)であることができる。ポリマーの型が何であれ、ポリマー中の総反復単位の少なくとも10モル%が、必要である熱活性化可能なチオスルフェート基からなる。
【0027】
本発明の実施に使用できる感熱性ポリマーは、チオスルフェート基(またはBunte塩)が側基である構造II:
【0028】
【化4】
【0029】
( 式中、Aはポリマー主鎖であり、Xは二価結合基であり、Yは水素または陽イオンである)
で表すことができる。
【0030】
有用なポリマー主鎖としては、ビニルポリマー、ポリエーテル、ポリイミド、ポリアミド、ポリウレタン及びポリエステルが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、ポリマー主鎖はビニルポリマーまたはポリエーテルである。
【0031】
有用な「X」結合基としては、−(COO) n (Z) m −( 式中、nは0または1であり、mは0または1であり、Zは、鎖中に1個もしくはそれ以上の酸素、窒素もしくは硫黄原子を有することができる炭素数1〜6の置換もしくは非置換アルキレン基(例えば、メチレン、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、2−ヒドロキシプロピレン及び2−ヒドロキシ−4−アザヘキシレン)、芳香環中の炭素数が6〜14である置換もしくは非置換アリーレン基(例えば、フェニレン、ナフタレン、アントラシレン及びキシリレン)、または鎖中の炭素数が7〜20の置換もしくは非置換アリーレンアルキレン(またはアルキレンアリーレン)基(例えば、p−メチレンフェニレン、フェニレンメチレンフェニレン、ビフェニレン及びフェニレンイソプロピレンフェニレン)である) が挙げられる。さらに、Xは、Zに関して前に定義したアルキレン基、アリーレン基又はアリーレンアルキレン基であることができる。
【0032】
好ましくは、Xは炭素数1〜3のアルキレン基、芳香環の炭素数が6のアリーレン基、鎖中の炭素数が7または8のアリーレンアルキレン基、または−COO(Z)m ( 式中、Zはメチレン、エチレンまたはフェニレンである) である。最も好ましくは、Xはフェニレン、メチレンまたは−COO−である。
【0033】
Yは、水素、アンモニウムイオンまたは金属イオン(例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、セシウム、バリウム、亜鉛またはリチウムイオン)である。好ましくは、Yは、水素、ナトリウムイオンまたはカリウムイオンである。
【0034】
チオスルフェート基は一般に側基として主鎖に結合しているので、好ましくは、常法を用いて重合して、チオスルフェート含有反復単位のビニルホモポリマー、または1種またはそれ以上の別の重合性エチレン系不飽和モノマーと共重合される場合にはビニルコポリマーを形成できる重合性エチレン系不飽和モノマーの一部である。チオスルフェート含有反復単位は一般に、ポリマー中に全反復単位の少なくとも10モル%、好ましくは15〜100モル%、より好ましくは15〜50モル%を構成する。ポリマーは、ここに記載したチオスルフェート基を含む反復単位を1 種より多く含むこともできる。
【0035】
前記チオスルフェート基を有するポリマーは、加熱と水によって、架橋され且つ親水性チオスルフェートから疎水性ジスルフィド酸に切り換わる(スルフェートの損失時)と考えられる。このため、画像形成部材はネガ作用画像形成部材である。
【0036】
チオスルフェート含有分子(すなわちBunte塩)は、Bunte(Chem.Ber.7,646,1884)によって教示されたように、ハロゲン化アルキルとチオ硫酸塩との反応によって製造できる。チオスルフェート基を含むポリマーは、官能ポリマーまたは前もって形成されたポリマーから製造できる。ポリマーがビニルポリマーである場合には、重合性官能ビニルモノマーは以下のようにして製造できる:
【0037】
【化5】
【0038】
( 式中、R1 は水素またはアルキル基であり、Halはハロゲン化物であり、Xは二価結合基である) 。
【0039】
ポリマーはあらかじめ形成されたポリマーから、米国特許第3,706,706号に記載されたのと同様にして製造することもできる:
【0040】
【化6】
【0041】
チオスルフェート含有分子はまた、アルキルエポキシドとチオ硫酸塩との反応によって、またはアルキルエポキシドとチオスルフェート部分を含む分子(例えば、2−アミノエタンチオ硫酸)との反応によって製造することができる。この反応は、Thames[Surf. Coating, 3 (Waterborne Coat.), Chapter 3, pp. 125 〜153, Wilson et al (Eds.)]によって示されたようにしてモノマーまたはポリマーについて行うことができる:
【0042】
【化7】
【0043】
【実施例】
本発明の実施に使用できる重合性エチレン系不飽和モノマー及びポリマーの代表的な合成方法を以下に示す:
【0044】
合成例1
モノマーからのポリ[ビニルベンジルチオ硫酸ナトリウム塩−コ−N−(3−アミノプロピル)メタクリルアミドヒドロクロリド]:ポリマー9の合成
250ml丸底フラスコ中のエタノール50ml中にビニルベンジルクロリド(20g、0.131モル)を溶解させ、30℃の水浴中に入れた。チオ硫酸ナトリウム(18.8g、0.119モル)をエタノール:水2:1の混合物60ml中に溶解させ、添加漏斗に加え、そして60分間にわたってビニルベンジルクロリド溶液中に滴下した。反応混合物をさらに2時間、暖めながら撹拌した。次いで、溶剤を蒸発させ、白色固体を熱エタノールに溶解させ、熱時濾過した。白色結晶生成物が濾液中に形成された。
【0045】
得られたモノマー(2g、8ミリモル)、3−アミノプロピルメタクリルアミドヒドロクロリド(0.16g、0.8ミリモル)及び4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)(水中75%、30mg)を25ml丸底フラスコに添加した。この溶液を乾燥窒素で15分間パージし、次いで、一晩60℃において加熱した。室温に冷却後、溶液を一晩水に対して透析した。得られたポリマーについて、特定決定及び画像形成試験を行った。
【0046】
合成例2
ポリマーからのポリ(ビニルベンジルチオ硫酸ナトリウム塩):ポリマー7の合成
ビニルベンジルクロリド(21.5g、0.141モル)及びアゾビスイソブチロニトリル(以下、「AIBN」と称する)(0.25g、1.5ミリモル)をトルエン50ml中に溶解させた。この溶液を乾燥窒素でパージし、次いで、一晩65℃に加熱した。室温に冷却後、溶液を100mlに希釈し、イソプロパノール1000mlに滴加した。白色粉末ポリマーを濾取し、40℃において一晩減圧乾燥させた。
【0047】
このポリマー(10g)をN,N′−ジメチルホルムアミド150ml中に溶解させた。この溶液に、チオ硫酸ナトリウム(10.44g、0.066モル)及び水30mlを添加した。一部のポリマーが析出した。濁った反応混合物を95℃において12時間加熱した。室温に冷却後、濁りを帯びた混合物を水に対して透析した。得られたポリマー溶液を少量、元素分析のために凍結乾燥し、残りのポリマー溶液について画像形成試験を行った。元素分析から、反応の転化率が99モル%であることがわかった。
【0048】
合成例3
ポリマーからのポリ(クロロメチル−エチレンオキシド−コ−チオ硫酸ナトリウムメチル−エチレンオキシド):ポリマー1〜3の合成
ポリ(エピクロロヒドリン)(Aldrich Chemical Company, Mn=700,000)(10g)を無水ジメチルスルホキシド(DMSO)250ml中に溶解させ、無水チオ硫酸ナトリウム(17.0g)を添加した。この混合物を65℃において24時間加熱した。室温に冷却後、濁りを帯びた反応混合物を水に対して透析した。得られたポリマー(ポリマー2)溶液を少量、元素分析のために凍結乾燥し、残りのポリマー溶液について画像形成試験を行った。元素分析から、チオ硫酸ナトリウムへの反応転化率が16モル%であることがわかった。
【0049】
同じ規模の別の反応において、反応混合物を85℃において40時間加熱した。得られたポリマー(ポリマー3)の元素分析から、チオ硫酸ナトリウムへの転化率は26モル%であることがわかった。反応を65℃において18時間行った場合には、チオ硫酸ナトリウムへの転化率は13モル%であった(ポリマー1)。
【0050】
合成例4:ポリマー4〜6及び8の合成:
ポリマーからのポリ(ビニルベンジルチオ硫酸ナトリウム塩−コ−メチルメタクリレート):ポリマー6の合成
ビニルベンジルクロリド(10g、0.066モル)、メタクリル酸メチル(15.35g、0.153モル)及びAIBN(0.72g、4ミリモル)をトルエン120ml中に溶解させた。この溶液を乾燥窒素でパージし、次いで、一晩65℃において加熱した。室温に冷却後、溶液をイソプロパノール1200mlに滴加した。得られた白色粉末ポリマーを濾取し、60℃において一晩減圧乾燥させた。 1H NMR分析から、コポリマーはビニルベンジルクロリドを44モル%含むことがわかった。
【0051】
このポリマー(16g)をN,N′−ジメチルホルムアミド110mlに溶解させた。この溶液にチオ硫酸ナトリウム(12g)及び水(20ml)を添加した。一部のポリマーが析出した。濁った反応混合物を90℃において24時間加熱した。室温に冷却後、濁りを帯びた反応混合物を水に対して透析した。得られたポリマー溶液を少量、元素分析のために凍結乾燥し、残りのポリマー溶液について画像形成試験を行った。元素分析から、ビニルベンジルクロリドは全てチオ硫酸ナトリウム塩に転化されたことがわかった。
ポリマー4,5及び8も同様にして製造した。
【0052】
合成例5
ポリ(2−チオ硫酸ナトリウム−エチルメタクリレート):ポリマー13の合成
2−クロロエチルメタクリレート(10g、0.067モル)及びAIBN(0.11g、0.7ミリモル)をテトラヒドロフラン20ml中に溶解させた。この溶液を乾燥窒素でパージし、次いで、60℃において17時間加熱した。室温に冷却後、溶液を80mlに希釈し、メタノール800mlに滴加した。得られた白色粉末ポリマーを濾取し、40℃において一晩減圧乾燥させた。
【0053】
前記ポリマー(5g)をN,N′−ジメチルホルムアミド50ml中に溶解させた。この溶液に、チオ硫酸ナトリウム(5.3g)及び水(10ml)を添加した。一部のポリマーが析出した。濁った混合物を90℃において52時間加熱した。室温に冷却後、反応混合物を水に対して透析した。得られたポリマー溶液を少量、元素分析のために凍結乾燥し、残りのポリマー溶液について画像形成試験を行った。元素分析から、チオ硫酸ナトリウムへの転化率が90モル%であることがわかった。
【0054】
合成例6:ポリマー10〜12の合成:
ポリマーからのポリ(2−ヒドロキシ−3−チオ硫酸ナトリウム−プロピルメタキリレート−コ−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアセトアセテート):ポリマー12の合成
メタクリル酸グリシジル(20.8g、0.146モル)、(メタクリロイルオキシ)エチルアセトアセテート(2.72g、0.013モル)及びAIBN(0.52g)を、ゴム隔膜で蓋をした250ml丸底フラスコ中のN,N′−ジメチルホルムアミド110ml中に溶解させた。この溶液を乾燥窒素で15分間パージし、次いで、60℃において15分間加熱した。生成物をN,N′−ジメチルホルムアミド20mlで希釈し、イソプロパノール1200ml中への沈澱によって精製した。得られた白色粉末ポリマーを濾過し、40℃において一晩減圧乾燥させた。
【0055】
前記ポリマー(10g)をN,N′−ジメチルホルムアミド150ml中に溶解させた。この溶液に、チオ硫酸ナトリウム(11g)及び水(30ml)を添加した。一部のポリマーが析出した。濁った混合物を65℃において24時間加熱した。室温に冷却後、濁りを帯びた反応混合物を水に対して透析した。得られたポリマー溶液を少量、元素分析のために凍結乾燥し、残りのポリマー溶液について画像形成試験を行った。元素分析から、メタクリル酸グリシジルがチオ硫酸ナトリウム塩に完全に転化されたことがわかった。
ポリマー10及び11も同様にして製造した。
【0056】
合成例7
モノマーからのポリ(4−アザ−2−ヒドロキシ−6−チオ硫酸ナトリウム−ヘキシルメタクリレート):ポリマー14の合成
水酸化ナトリウム(4.5g、0.112モル)及び2−アミノエタンチオ硫酸(8.85g、0.056モル)を、100ml丸底フラスコ中の水15ml中に溶解させ、氷浴中で冷却した。メタクリル酸グリシジル(8g、0.056モル)をテトラヒドロフラン15ml中に溶解させ、温度を25℃未満に保ちながら前記溶液に徐々に添加した。反応を薄層クロマトグラフィーによって追跡した。反応の完了後、この反応フラスコに4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)(水中75%、0.52g、1.4ミリモル)を添加した。フラスコを隔膜で蓋をし、乾燥窒素で15分間パージし、次いで、60℃において17時間加熱した。室温に冷却後、この溶液を一晩水に対して透析した。得られたポリマーについて特性決定及び画像形成試験を行った。
【0057】
ポリマーの化学的性質または機能性を改良し、画像形成部材の性能を最適化し、またはさらに架橋能を加えるために、チオスルフェート官能基を含むモノマーを1種又はそれ以上の重合性エチレン系不飽和モノマーと共重合させることによって、ビニルポリマーを製造できる。
【0058】
使用できる追加の重合性エチレン系不飽和モノマーとしては、アクリル酸エステル(メタクリル酸エステルを含む)、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸メチル及びメタクリル酸t−ブチル、アクリルアミド(メタクリルアミドを含む)、アクリロニトリル(メタクリロニトリルを含む)、ビニルエーテル、スチレン、酢酸ビニル、ジエン(例えば、エチレン、プロピレン、1,3−ブタジエン及びイソブチレン)、ビニルピリジン及びビニルピロリドンが挙げられるが、これらに限定されない。アクリルアミド、アクリル酸エステル及びスチレンが好ましい。
【0059】
ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン及びポリエーテルは常用の出発原料から公知の方法及び条件を用いて製造する。
【0060】
本明細書中に記載した感熱性ポリマーの混合物を画像形成部材の画像形成層に使用することもできるが、ポリマーは1種類のみを使用するのが好ましい。画像形成層に使用する場合には、ポリマーは架橋されてもされなくてもよい。架橋される場合、ポリマーがビニルポリマーである場合には、架橋性部分は好ましくは1種またはそれ以上の追加の重合性エチレン系不飽和モノマーから提供される。架橋は、画像形成時のチオスルフェート基の熱活性化を妨げないはずである。
【0061】
画像形成部材の画像形成層は、1種またはそれ以上のこのようなホモポリマーまたはコポリマーを含むことができ、画像形成性に悪影響を与えない微小量(層全体の乾燥重量に基づき20重量%未満)の追加の結合剤またはポリマー材料を含んでも含まなくてもよい。しかし、画像形成層は、画像形成に必要とされている材料を、特にアルカリ性現像剤(例えば、ノボラックまたはレゾール樹脂)を用いた湿式処理に通常必要とされる材料を含まない。
【0062】
画像形成層中に使用される感熱性ポリマーの量は一般に、少なくとも0.1g/m2 、好ましくは0.1〜10g/m2 (乾燥重量)である。これは一般に0.1〜10μmの平均乾燥厚さを生じる。
【0063】
画像形成層はまた、濃度が充分に低くて画像形成性または印刷性に関して不活性であるならば、塗布性もしくは他の性質のための1種もしくはそれ以上の常用の界面活性剤、または書き込み画像を可視化させるための色素料もしくは着色剤、またはリソグラフィック・アートに通常使用される任意の他の添加剤を含むことができる。
【0064】
画像形成層中の感熱性組成物は好ましくは、適当な供給源(例えば、レーザー)から適当なエネルギーを吸収して、電磁線を熱に転換する1種またはそれ以上の光熱転換材料を含む。従って、このような材料は光子を熱光子に転換する。好ましくは、吸収される電磁線は、電磁スペクトルの赤外及び近赤外域にある。このような材料は色素、顔料、蒸発顔料、半導体、合金、金属、金属酸化物、金属硫化物もしくはそれらの組み合わせ、または屈折率及び厚さによって電磁線を吸収する材料のダイクロイック・スタックであることができる。硼化物、炭化物、窒化物、窒化炭素 (carbonitride)、ブロンズ構造酸化物、及びWO2.9 成分を含まない以外はブロンズ類と構造の関連した酸化物も有用である。特に有用な顔料はある形態の炭素(例えば、カーボンブラック)である。顔料粒子の大きさは、層の厚さより大きくてはいけない。粒子の大きさは、層の厚さの1/2またはそれ未満とするのが好ましい。近赤外ダイオードレーザービームに有用な吸収色素は、例えば、米国特許第4,973,572号に記載されている。対象となる色素は、「広帯域」色素、すなわち、スペクトルの広い帯域にわたって吸収を行うものである。顔料、色素または両者の混合物も使用できる。特に有用な赤外線吸収色素及び顔料としては次のものが挙げられる:
【0065】
【化8】
【0066】
光熱転換材料は一般に、画像形成レーザーの操作波長において少なくとも0.3、好ましくは少なくとも1.0の光学濃度を与えるのに充分な量で存在する。このために必要な量は、当業者ならば使用する材料に応じて容易に理解できるだあろう。
【0067】
あるいは、光熱転換材料は、感熱性画像形成層と接触する別の層に含ませることもできる。従って、画像形成の間に、光熱転換材料の作用は、それが感熱ポリマー層に最初に存在しなくても感熱ポリマー層に移されることができる。
【0068】
感熱性組成物は、任意の適当な装置及び操作、例えば、スピンコーティング、ナイフ塗布、グラビア塗布、浸漬被覆または押出機ホッパー塗布を用いて支持体に適用できる。さらに、感熱性組成物は、米国特許第5,713,287号(前記)に記載された適当な吹付装置を用いて支持体(印刷機上シリンダーを含む)上に吹き付けることができる。
【0069】
本発明の画像形成部材は、印刷版、印刷シリンダー、印刷スリーブ及び印刷テープ(軟質印刷ウェブを含む)を含む任意の有用な形態であることができるが、これらに限定されない。好ましくは、画像形成部材は印刷版である。
【0070】
印刷版は、適当な支持体上に必須の感熱性画像形成層が配置された任意の有効寸法及び形状(例えば、正方形または長方形)であることができる。印刷シリンダー及びスリーブは、円筒形の支持体及び感熱層を有する回転式印刷部材として知られる。印刷スリーブの支持体としては中空または中実金属コアを使用できる。
【0071】
使用の間に、本発明の画像形成部材は、典型的には画像形成装置に供給されるデジタル情報から、画像形成部において熱を発生するか与える任意の適当なエネルギー供給源(例えば、集束レーザービームまたは熱抵抗ヘッド)に暴露することができる。ダイオードレーザーシステムは信頼性が高く且つ維持費が安いため、本発明の画像形成部材の露光に使用されるレーザーはダイオードレーザーが好ましいが、ガスまたはソリッドステートレーザーのような他のレーザーも使用できる。レーザー画像形成のための出力、強度及び露光時間は当業者ならば容易にわかるであろう。近赤外域において発射されるレーザーに関する仕様ならびに適当な画像形成構成及び装置は米国特許第5,339,737号に記載されている。画像形成部材は一般に、レーザーの発射波長における応答性を最大にするために増感される。色素増感に関しては、色素は一般にそのλmax がレーザー操作波長とほぼ同じであるように選ばれる。
【0072】
画像形成装置はそれだけで働いて、もっぱら製版機として機能することもできるし、またはリソグラフィ印刷機中に直接組み込まれることもできる。後者の場合には、印刷は画像形成直後に開始することによって、印刷準備時間をかなり減少させることができる。画像形成装置は平台記録器またはドラム記録器として構成され、画像形成部材はドラムの円筒形内面または外面に取り付けられることができる。
【0073】
ドラム型の場合には、画像形成装置(例えば、レーザービーム)と画像形成部材との間の必要な相対運動は、ドラム(及びその上に取り付けられた画像形成部材)をその軸を中心に回転させ、そして画像形成装置を回転軸に平行に移動させ、それによって画像形成部材を円周方向に走査することによって行うことができ、その結果、画像は軸方向に「生長」する。あるいは、画像形成装置をドラム軸に平行に移動させ、画像形成部材を横切って一回走査する毎にその角度を増加させることができ、その結果、画像は円周方向に「生長」する。いずれの場合にも、走査完了後、もとの文書または写真や図表に対応する画像(ポジまたはネガ)を画像形成部材の表面に適用できる。
【0074】
平台型(flatbed configuration)の場合には、レーザービームは画像形成部材の一方の軸と交差して引かれ、走査毎に他方の軸に沿って割り出される。必要な相対運動は、レーザービームではなく画像形成部材を移動させることによって引き起こすことができることは明らかである。
【0075】
本発明の実施においてはレーザーによる画像形成が好ましいが、画像を形成する方法で熱エネルギーを生じる他の任意の画像形成手段を使用することもできる。例えば、画像形成は、例えば、米国特許第5,488,025号に記載されるように、「感熱印刷」として知られるものに熱抵抗ヘッド(または感熱印刷ヘッド)を用いて行うことができる。このような感熱印刷ヘッドは市販されている(例えば、Fujitsu Thermal Head FTP-040 MCS001 及びTDK Thermal Head F415 HH7-1089) 。
【0076】
印刷機シリンダー(またはスリーブ)上における感熱性組成物の画像形成は、例えば、米国特許第5,713,287号(前述)に教示されたような任意の適当な手段を用いて行うことができる。
【0077】
画像形成後には、画像形成部材(印刷機上吹付シリンダーを含む)は、ファウンテン溶液を用いてその印刷表面上の画像にリソグラフィインキを適用し、そして適当な受理材料(例えば、布、紙、金属、ガラスまたはプラスチック)にインキを転写して、その上に画像の目的とする刷り(impression)を形成することによって、印刷に使用できる。望ましくは、画像形成部材から受理材料へのインキの転写に中間「ブランケット」ローラーを使用できる。画像形成部材は、刷りの間に所望ならば常用のクリーニング手段を用いてクリーニングすることができる。
【0078】
以下の例は本発明の実施を説明するものであり、限定するものではない。
これらの実施例においては、印刷版の画像形成にサーマルIR−レーザープレートセッターを用い、プリンターは米国特許第5,168,288号に記載したのと同様とした。印刷版は、約450mW/チャンネル、9チャンネル/スワス、945インチ/cm、ドラム円周53cm及び画面の画像スポット(1/e2)25μmを用いて露光した。試験画像としては、テキスト、ポジ及びネガライン、ハーフトーンドットパターン及びハーフトーン画像を用いた。画像は最高1100回転/分の速度で印刷した(露光レベルは、試験した印刷版に最適な露光レベルに相当するとは限らない。)
【0079】
例1〜14
これらの例では、ポリエステル支持体に塗布されたホモポリマー及びコポリマーを含んでなる本発明の画像形成部材を調製し、印刷機上で画像形成した。
感熱性画像形成配合物を以下の成分から調製した:
【0080】
ポリマー1〜14(下記)のうち1種 0.2g
IR色素6 0.02g
水 4.00g
メタノール 1.00g
【0081】
【化9】
【0082】
固形分4.21重量%を含む各配合物を、ゼラチンを下塗りした0.10mmのポリ(エチレンテレフタレート)支持体上に100mg/ft2 (1.08g/m2 )の乾燥被覆量で塗布した。得られた印刷版を熱対流炉中で82℃において3分間乾燥させ、常用のプレートセッターの回転ドラム上に固定し、550〜1350mJ/cm2 の範囲の露光レベルで830nmレーザープリントヘッドにデジタル暴露した。得られた青緑色塗膜は、暴露された部分が急速に退色して典型的なオフホワイト色になった。
【0083】
次いで、市販のブラックインキ及びVarn Universal Pinkファウンテン溶液(Varn Products Co. )を用いて印刷機上で実際に運転するために、各レーザー暴露印刷版のサンプルを市販の全面A.B.Dick 9870複写機の版シリンダー上に取り付けた。ファウンテン溶液は印刷面の非画像形成部を同時に除去した。各版は、下記表Iに記載した枚数のシートを高速で巻き取り、最高濃度で満足に印刷できた。
【0084】
【表1】
【0085】
例15〜19
アルミニウム支持体上に塗布された画像形成部材
例1〜14に記載したのと同様な感熱性塗料を調製し、0.14mmのしぼ付けした(grained)アルマイト支持体上に塗布した。前記例中に記載したのと同様にして画像形成後、印刷版を水道水またはいくつかの通常の「現像」液で現像した。種々の現像方法及び印刷の試験結果を、表IIに要約する。1回の運転が40,000刷を超える印刷機も1つある。
【0086】
【表2】
【0087】
例20〜21
感熱層へのカーボンブラックの使用
これらの例は、本発明の画像形成部材中にカーボンブラックを使用できることを示している。光熱転換材料としてIR色素6の代わりにカーボンブラック(0.02g)を用いる以外は前記例1〜14に記載したのと同様にして、いくつかの感熱性画像形成配合物を調製し、ポリエステルフィルム支持体に塗布し、乾燥させた。得られた印刷版を各々、例1〜14と同様にして印刷機上で画像形成し、試験した。印刷版はいずれも、少なくとも1000枚のシートを満足に印刷するのに使用できた。
【0088】
例22〜25
直接印刷に使用できるアルミニウム支持体を有する画像形成要素
これらの例は、ここに記載した感熱性組成物が、吹付を含む種々の塗布方法を用いて適当な基材上に都合良く塗布でき、しかも直接印刷に使用できることを示している。
【0089】
一般に直接印刷に使用するには、吹付、浸漬またはローラー塗を含む、印刷機環境と適合する塗布方法を用いて感熱性組成物(水性または非水性組成物)を塗布することが必要である。塗布面(すなわち、支持体)は、シリンダーまたはスリーブの形態であることができ、一般に金属製(例えば、クロムまたはステンレススチール)である。得られた感熱層は、充分な均一性を示し、乾燥が速く、いつでも瞬時にレーザー画像形成できる。画像形成のためのエネルギー要件は理想的には約500mJ/cm2 である。画像形成部材は処理(すなわち、画像形成後の湿式処理)をしなくてもよいし、印刷機上で湿式処理してもよく、約15〜15,000刷が可能であるはずである。印刷後、塗膜は残留インキと共に除去することができ、印刷面を再利用できる。
【0090】
以下の感熱性組成物(ポリマー5及び15を各々含む組成物“5”及び組成物“15”)を調製し、これを使用して、吹付塗布によって画像形成部材を調製した。これらの画像形成部材は印刷版の形態であるが、米国特許第5,713,287号(前記)に記載したようにして印刷機上で塗布及び画像形成ができる円筒形支持体を有する画像形成部材を製造するために同一組成物及び操作を容易に変更できた。感熱性組成物中の各成分の量は「重量部」である。
【0091】
【表3】
* ポリマー15は、ポリマー5を改質したものであって、メタクリル酸メチル20モル%をN−メトキシメチルメタクリルアミドに代えて架橋性部分を与えた。
* FC−43は、3M Specialty Divisionから入手可能なフッ素化アルキルアルコキシレート界面活性剤である。
【0092】
組成物のほとんどは、常用の市販吹付装置、例えば、Pascheから入手できるアーティスト・エアブラシまたはニューヨーク州ヨンカーズのValve Corp.から入手できるPrevalスプレーを用いて、しぼ付けしたアルマイト上に約30〜40cm離れて吹付塗布した。場合によっては、感熱性塗膜はまた、組成物をアルミニウム支持体に単に塗布し(「重力塗布」)、そして支持体を横に傾けて過剰の流動体を重力によってはかせることによって該組成物を一様に分布させることによって調製した。塗膜の厚さは全て0.8〜1.5μmの範囲であった。各塗膜を82℃で3分間乾燥させ、レーザープリントヘッドを用いてエネルギー範囲300〜800mJ/cm2 において830nmで画像形成した。得られた各画像形成部材を市販の印刷機(Varn Universal ピンク噴水溶液を用いるA.B.Dick 9870膳写機、またはPrisco Alkaless 3000噴水溶液を用いるHeidelberg GTO/DI印刷機)に付けた。噴水溶液は最初は印刷機上現像液の役目もして、画像形成部材の非画像形成部を除去した。各画像形成部材は20〜25枚以内のシートを巻き取り、以下の表IVに示されるように少なくとも300〜1000枚は充分な濃度及びきれいなバックグラウンドで印刷できた。インキを塗られた画像もまた、市販のネガ用またはアルカリ性ポジ用現像液でこすることによって容易に除去された。
【0093】
【表4】
Claims (4)
- A)請求項1に記載の画像形成部材を用意し、そして
B)画像形成部材を像状露光して画像形成部材の表面に露光域と未露光域を形成せしめることにより、像状露光によって生じた熱によって露光域を架橋させ且つ未露光域よりも疎水性にする
工程を含んでなる画像形成方法。 - 前記支持体が印刷中の印刷シリンダーまたはスリーブである請求項3に記載の方法。
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