JP4689565B2 - 液体の脱気方法及び脱気装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体の脱気方法及び脱気装置に係り、詳しくは、液体が貯留された貯留容器の液面に接する上方の空間を負圧状態として液体中の溶存気体を脱気する脱気方法及びその装置に関する。
周知のように、液体を使用する半導体、FPD(フラットパネルディスプレイ)分野を始めとする化学分野、一般産業機分野においては、その使用に供される液体中に溶け込んだ溶存気体が原因となって様々な不具合を招来するに至っている。
その一例として、インクジェットプリンタに使用される液体としてのインク中に空気等の気体が溶け込んでいると、当該プリンタからインクを噴出する場合に、溶け込んだ気体がインク噴出時に泡としてインク中に発生し、その結果、プリンタのインクを噴出するノズルが気体によって詰まり、インクが噴出しなくなるという不具合を招く。
このような不具合を防止するためには、液体中に溶け込んだ溶存気体を除去する所謂脱気を行うことが有効であり、そのための方策としては以下に示すような種々のものが提案され或いは実用化されている。
すなわち、下記の特許文献1によれば、液体の液面上の空間を負圧状態として、2種類の攪拌羽根を液体中に入れ、それらの攪拌羽根をモータで相互に反対方向に回転をさせることにより、液体を流動させると共に乱流化させることが開示されている。この場合、液体中の複数の気泡は、液面上の空間が負圧状態であるためにそれぞれが膨張して液面に浮上すると共に、これらの気泡は液面で結合し合うことにより大型化した後に破裂し、これにより脱気が行われる。
また、下記の特許文献2によれば、液体の液面上の空間を負圧状態として、液体中に永久磁石と多孔質材料とから成る攪拌子を入れ、それを液外から磁力により回転させることにより、撹拌子の多孔質部分から気体の泡を発生させると共に、その泡を液面に浮上させて破裂させることにより脱気を行う構成が開示されている。
更に、下記の特許文献3によれば、気体を透過させ且つ液体を透過させない特性を有する膜を使用して中空糸膜を作製し、この中空糸膜を数万本束ねた状態で、中空糸膜の内部に液体を流しつつ、中空糸膜の外部を減圧することが開示されている。このような手法によれば、液体中の気体が中空糸膜を透過してその外側に出て行くことにより脱気が行われる構成となっている。
また、下記の特許文献4によれば、上述のような負圧(或いは減圧)を利用せずに、常圧下で送液路中の液体中に窒素を噴出させることにより、窒素の微小気泡を発生させると共に超音速の気液混合状態を生成し、液体中の酸素を窒素気泡中に吸収させて取り除くことにより酸素の脱気を行うことが開示されている。
特開2004−290859号 特開平9−155177号 特開平5−317605号 特開平5−184811号
ところで、上記の特許文献1に開示の手法では、攪拌羽根や回転軸等の摺動部分から発生したパーティクル(小さな異物)が液体を汚染する。同様に、上記の特許文献2に開示の手法によるにしても、液体中の撹拌子と液体を入れている容器の底が擦れることから発生するパーティクルが液体を汚染する。
一方、上記の特許文献3に開示の手法では、中空糸膜チューブが高価であるという致命的な欠陥に加えて、内径がミクロンオーダの数万本の中空糸膜チューブを束ねて製作するため圧力損失が大きく液体の脱気処理速度が遅いという問題をも有している。更に、上記の特許文献4に開示の手法によるにしても、液体中の酸素を窒素気泡中に吸収させるための長い送液路が必要であることから高価になるという致命的な欠陥が生じることに加えて、常圧下で窒素を液中に吸収させることを骨子としていることから、常圧下であれば窒素が問題を引き起こす液体には使用できず、脱気処理が不当な制約を受けることになる。
そこで、本発明は、可能な限り安価で、かつ、パーティクルによる汚染がなく、しかも不当な制約を受けることなく円滑に処理を行い得る液体の脱気方法及び脱気装置を提供することを技術的課題とする。
上記技術的課題を解決するために創案された本発明に係る方法は、インクジェットプリンタに使用されるインクからなる液体が貯留された貯留容器の液面に接する上方の空間を負圧状態として液体中の溶存気体を脱気する脱気方法であって、単一の貯留空間を有する前記貯留容器の上端に開口部を形成すると共に、該貯留容器を真空容器の内部空間に収容し、且つ該真空容器の蓋壁に、液体を供給する液体供給手段と、前記貯留容器内の液体の下部に開口端が位置して脱気後の液体を取り出す液体取出管を有する液体取出手段と、前記貯留容器の液面に接する上方の空間を負圧空間にする負圧吸引手段と、前記貯留容器内の液体の下部に開口端が位置して前記貯留容器の液体中に外部気体を供給する外部気体供給管を有する外部気体供給手段とを設置した状態で、前記外部気体供給管の開口端を通じて前記貯留容器内の液体中に外部気体を導入することにより、前記液体の内部で気泡を上昇させ、該気泡の上昇に伴って気泡周辺の液体を上昇させて、該液体を全域に亘って順次液面に向かわせると共に液面が常に入れ替わるような上方に向かう液体流動を生じさせ、その液体流動と共に該液体中の溶存気体を上昇させて液面を通じて上方の前記負圧空間に移動させることにより脱気を行い、脱気後の液体を前記貯留容器から前記液体取出管の開口端を通じて回収することに特徴づけられる。
このような方法によれば、液体中に導入された外部気体(気泡)の動作によって、液体の内部に上方に向かう液体流動が生じるため、液体中に溶け込んでいる溶存気体(例えば空気)が液面から負圧空間に移動し、これにより液体の脱気処理が行われる。この場合、液体中への外部気体の導入に伴って上方に向かう液体流動が連続して行われることにより、脱気処理が行われ得る液面が常に入れ替わることになり、脱気処理の効率が向上する。そして、この処理は、単に液体中に外部気体を導入して上方に向かう液体流動を生じさせ且つ液体中の溶存気体を負圧空間に移動させるだけで済むことから、大幅なコストダウンを図ることが可能であると共に、液体中に回転部材や移動部材等を含む駆動部品が存在しないことから、パーティクルによる汚染等を抑止することができる。しかも、多数本の中空糸膜を使用する必要もないことから、脱気処理時の圧力損失が極めて少なく且つ処理速度も大幅に迅速化される。
尚、液体中に導入する外部気体としては、パーティクルが存在しないクリーンな窒素を使用することが好適である。すなわち、液面と接する空間が既述のように常圧(大気圧)であると、液体中に導入されて上方空間に移動しようとする窒素が再び液体中に取り込まれるおそれがあるが、この場合のように液面と接する上方空間が負圧状態であると、窒素は液面から円滑に負圧空間に移動し、再び液体中に取り込まれることが抑制される。また、液体中に導入する外部気体(例えば窒素)の量は、過多であると液体が飛散して脱気処理に支障を来たすおそれがあるばかりでなく、液体中の気体が負圧空間側に移動する速度は液体の種類に応じて異なるため、この移動する速度の飽和点を考慮した外部気体の量とすることが好適である。尚、液体と負圧空間との接する面積は、脱気効率を高めるために、広くすることが好ましい。
この場合、前記貯留容器の上端に開口部形成されると共に、該貯留容器真空容器の内部空間に収容され、且つ該真空容器には、液体供給手段と、液体取出手段と、負圧吸引手段と、外部気体供給手段とが設置された状態で、該外部気体供給手段を通じて前記貯留容器内の液体中に外部気体導入されることになる
これにより、貯留容器の液面上方空間を負圧状態とすること、及び貯留容器内の液体中に外部気体を導入すること等を、簡易に且つ確実に行う上で極めて有利となる。
一方、上記技術的課題を解決するために創案された本発明に係る装置は、インクジェットプリンタに使用されるインクからなる液体を貯留する貯留容器と、該貯留容器の液面に接する上方の空間を負圧状態にする負圧吸引手段とを備えた液体の脱気装置であって、単一の貯留空間を有する前記貯留容器の上端に開口部を形成すると共に、該貯留容器を真空容器の内部空間に収容し、且つ該真空容器の蓋壁に、液体を供給する液体供給手段と、前記貯留容器内の液体の下部に開口端が位置して脱気後の液体を取り出す液体取出管を有する液体取出手段と、前記貯留容器の液面に接する上方の空間を負圧空間にする負圧吸引手段と、前記貯留容器内の液体の下部に開口端が位置して前記貯留容器の液体中に外部気体を供給する外部気体供給管を有する外部気体供給手段とを設置した状態で、前記外部気体供給手段を通じて前記貯留容器内の液体中に導入された外部気体の動作により該液体の内部で気泡を上昇させ、該気泡の上昇に伴って気泡周辺の液体を上昇させて、該液体を全域に亘って順次液面に向かわせると共に液面が常に入れ替わるような上方に向かう液体流動を生じさせ、その液体流動と共に該液体中の溶存気体を上昇させて液面を通じて上方の負圧空間に移動させることにより脱気を行い、脱気後の液体を前記貯留容器から前記液体取出管の開口端を通じて回収するように構成したことに特徴づけられる。
このような構成によれば、負圧吸引手段や外部気体供給手段等の動作によって、既に述べた脱気方法と同様の作用効果を享受することができる。
この場合においても、前記貯留容器の上端に開口部形成されると共に、該貯留容器真空容器の内部空間に収容され、且つ該真空容器には、液体供給手段と、液体取出手段と、負圧吸引手段と、外部気体供給手段とが設置されている
これにより、既述の場合と同様に、貯留容器の液面上方空間を負圧状態とすること、及び貯留容器内の液体中に外部気体を導入すること等を、簡易に且つ確実に行う上で極めて有利となる。
また、本発明に係る装置においては、前記外部気体供給手段、前記貯留容器内の液体の下部に開口端を有する外部供給管を有している
このようにすれば、外部気体は、外部気体供給管の開口端を通じて貯留容器内の液体中に下部から侵入することになるので、上方への液体流動を含む液体の対流や攪拌が好適に生成され、適切な脱気処理が行われることになる。
この場合、前記負圧空間の圧力は、50kpa〜10kpaであることが好ましい。
すなわち、負圧空間の圧力が過度に低いと、充分な脱気を行うことができず、その一方負圧空間の圧力が過度に高いと、液体が気化するおそれがあるばかりでなく、処理する液体の飽和点を超えた場合には無駄が生じる。したがって、負圧空間の圧力は、上記の数値範囲内にあることが好都合である。
また、本発明に係る装置においては、前記液体は、インクジェットプリンタに使用されるインクである
更に詳述すると、前記液体は、粘度が5〜18cpであることが好ましい。このような粘度の材料としては、基板(例えば液晶表示装置の透明基板)上に膜(例えば配向膜)を形成する際に使用される膜材料(例えば配向膜材料)を一例として挙げることができる。
以上のように本発明に係る液体の脱気方法及び脱気装置によれば、真空容器に収容された単一の貯留空間を有する貯留容器内で、単に液体(インクジェットプリンタに使用されるインクからなる液体)中に外部気体を導入することにより、気泡を上昇させることに伴って気泡周辺の液体を上昇させて、該液体を全域に亘って順次液面に向かわせると共に液面が常に入れ替わるような上方に向かう液体流動を生じさせ且つ液体中の溶存気体を前記液体流動と共に上昇させて負圧空間に移動させるだけで脱気処理を行うことができ、且つ脱気後の液体は液体取出手段の液体取出管の開口端を通じて回収するため、大幅なコストダウンを図ることが可能であると共に、液体中に回転部材や移動部材等を含む駆動部品が存在しないことから、パーティクルによる汚染等を抑止することができる。しかも、多数本の中空糸膜を使用する必要もないことから、脱気処理時の圧力損失が極めて少なく且つ処理速度も大幅に迅速化される。更に、外部気体として窒素を使用しても、液面と接する上方空間が負圧状態であることから、窒素は液面から円滑に負圧空間に移動し、再び液体中に取り込まれることが抑制され、良好な脱気処理が行われ得る。加えて、貯留容器の上端には開口部が形成されると共に、該貯留容器は真空容器の内部空間に収容され、且つ該真空容器の蓋壁には、液体供給手段と、液体取出手段と、負圧吸引手段と、外部気体供給手段とが設置された状態で、該外部気体供給手段を通じて貯留容器内の液体中に外部気体が導入されるため、貯留容器の液面上方空間を負圧状態とすること、及び貯留容器内の液体中に外部気体を導入すること等を、簡易に且つ確実に行う上で極めて有利となる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係る液体の脱気装置の縦断正面図である。
この脱気装置1は、液体(処理液体)2を貯留する貯留容器3と、この貯留容器3を気密状態の内部空間に完全に収容する真空容器4とを備え、真空容器4は重量計5の上面に載置されている。そして、貯留容器3の上壁3aと真空容器4の蓋壁4aとの間には、隙間が設けられている。また、貯留容器3は、その上壁3a(上端)に開口部3bを有し、高さ方向略中央またはそれ以上の高さまで液体2を貯留している。
真空容器4には、貯留容器3に液体2を供給する液体供給手段6と、その液体を取り出す液体取出手段7と、貯留容器3の液面に接する上方空間(負圧空間)3cを負圧状態とする負圧吸引手段8と、貯留容器3の液体2中に外部気体(窒素)10を供給する外部気体供給手段9とが設置されている。
液体供給手段6は、真空容器4の上方から蓋壁4aを気密状態で貫通して貯留容器3の内部空間に達する液体供給管61を有し、この液体供給管61の蓋壁4a上方に液体供給弁62が設置されている。また、液体取出手段7も、真空容器4の上方から蓋壁4aを気密状態で貫通して貯留容器3の内部空間に達する液体取出管71を有し、この液体取出管71の蓋壁4a上方にも液体取出弁72が設置されている。尚、液体供給管61及び液体取出管71の両者の下端開口部は、貯留容器3の底部周辺(液体2の下部)に位置している。
負圧吸引手段8は、真空容器4の上方から蓋壁4aを気密状態で貫通して蓋壁4aの内面(蓋壁4aと貯留容器3の上壁3aとの間の隙間)に開口する負圧吸引管81を有し、この負圧吸引管81の蓋壁4a上方に負圧吸引弁82が設置されている。
外部気体供給手段9は、真空容器4の上方から蓋壁4aを気密状態で貫通して貯留容器3の内部空間に達する外部気体供給管91を有し、この外部気体供給管91の蓋壁4a上方に、上側から順に気体絞り弁92と気体流量計93と気体供給弁94とが設置されている。そして、外部気体供給管91の下端開口部(開口端)は、貯留容器3の底部周辺(液体2の下部)に位置している。また、外部気体供給管91の気体絞り弁92よりも上方からは大気圧戻し用外部気体供給管95が分岐されると共に、この大気圧戻し用外部気体供給管95は、蓋壁4aを気密状態で貫通して貯留容器3の上壁3aと蓋壁4aとの間に開口し、この大気圧戻し用外部気体供給管95の蓋壁4a上方に大気圧戻し用外部気体開放弁96が設置されている。
尚、矢印Aは、負圧吸引管81を通じて排気される空気または窒素10の流れの方向を示す。矢印Bは、液体取出管71を通じて回収される液体2の流れの方向を示す。矢印Cは、液体供給管61を通じて供給される液体2の流れの方向を示す。矢印Dは、外部気体供給管91を通じて供給される気体10の流れの方向を示す。
以上のような構成を備えた液体の脱気装置1によれば、以下に示すような処理が実行される。
先ず、液体供給弁62を開弁することにより、液体供給管61を通じて貯留容器3に脱気処理を行なう液体2を導入すると共に、重量計5によって液体2の重量を計測し、所定量の液体2が導入された時点で液体供給弁62を閉弁する。この後、負圧吸引弁82を開弁することにより、負圧吸引管81を通じて貯留容器3の液面に接する上方空間を負圧状態にする。
更に、外部気体供給弁94を開弁することにより、外部気体供給管91を通じて貯留容器3内の液体2の下部に窒素10を導入していくが、この液体2中に導入される窒素10の流量は、気体流量計93を見ながら、気体絞り弁92で調整すると共に、その調整後においては固定する。
このような状態で、所定時間放置しておくことにより、液体2中に導入される窒素10に起因して発生した気泡11の上昇に伴って、気泡11の周辺の液体2も上昇し、この上昇した液体2が液面で負圧により脱気される。また、気泡11の上昇により、液体2中に矢印で示したような流れが生じて、液体2が全域に亘って順次液面に向かい、その液面で負圧により脱気されることになるため、液体2全体の脱気が効率的に行なわれる。
所定時間が経過した後は、外部気体供給弁94を閉弁させ、且つ負圧吸引弁82を閉弁させた後、大気圧戻し用外部気体開放弁96を開弁させることにより、大気圧戻し用外部気体供給管95を通じて負圧空間3cが大気圧になるまで外部気体を導入する。その後、液体取出弁72を開弁させて、貯留容器3内の液体2を液体取出管71を通じて回収する。
この場合、脱気処理のためには、真空容器4内の気圧は、負圧が不十分だと脱気に時間がかかり、負圧が過度だと液体2が気化してしまうことから、約50kPa〜10kPa程度が好ましい。また、液体2には、負圧による脱気の効果に限度があり(液体の種類により限度は違う)、その限度に達した後の更なる減圧は無駄である。
更に、脱気処理のためには、液体2内に導入される窒素10の流量は、不十分だと攪拌の効果がなく、過多だと液体15が飛散することから、約10mL/sec〜100mL/sec程度が好適である。
また、液体の脱気は、主として、貯留容器3内の液体2の液面で生じるため、この種の理由からは貯留容器3内の液体2の液面面積は広いほど良く、換言すれば、貯留容器3の内面の水平方向の断面積が広いほど良い。しかし、広くなるにつれて、気泡11による攪拌の効果が薄れるので、そのことを、考慮して貯留容器3の内面の水平方向の断面積を設定するべきである。
脱気処理時間は、液体2中の溶存空気量の目標値により設定する。液体2中の溶存空気量の目標値は、液体2の用途によっても決まるが、それ以上脱気が不可能となる程度の溶存空気量を目標値としてもよい。
窒素10は、例えば、液体2への溶解度が少なくて、安価であるという理由から、クリーン窒素が考えられる。しかし、液体2への溶解度が少なければ特にこれに限定されるものではない。
実際に、図1の脱気装置1を用いて、脱気処理を行なった。その条件は、液体2としてインクジェットプリンタのインクを使用すると共に、外部気体10としてクリーン窒素を使用し、真空容器4内の気圧を40kPa、気体流量を50mL/secとした。その結果、脱気処理時間20分で、溶存空気量が、それ以上脱気が不可能な溶存空気量4.0ppmとなった。すなわち、本実施形態では、十分な脱気の効果が得られることが判明した。
更に、パーティクルの有無の確認の為に、液体2として純水を使用し、図1の脱気装置1を用いて、脱気処理を行なった。回収した純水を液中パーティクルカウンタで測定したが、パーティクルは測定されなかった。すなわち、本実施形態では、パーティクルの発生を阻止できることが判明した。
また、図1の脱気装置1を2台以上設置し、それぞれの処理時間をずらせば、全体として、脱気処理を連続して行なうことが可能である。
また、図1の脱気装置1台でも、以下に述べる方法で、脱気処理を連続して行なうことが可能である。すなわち、負圧状態にある真空容器4内で、貯留容器3内の液体2に気体10を導入して、液体2を貯留容器3に導入する一方で液体2を貯留容器3から回収することにより、脱気処理を連続して行なうことができる。
本発明の実施の形態に係る液体の脱気装置の縦断正面図である。
符号の説明
1 脱気装置
2 液体
3 貯留容器
3a 貯留容器の上端(上壁)
3b 開口部
3c 負圧空間
4 真空容器
8 負圧吸引手段
9 外部気体供給手段

Claims (3)

  1. インクジェットプリンタに使用されるインクからなる液体が貯留された貯留容器の液面に接する上方の空間を負圧状態として液体中の溶存気体を脱気する脱気方法であって、
    単一の貯留空間を有する前記貯留容器の上端に開口部を形成すると共に、該貯留容器を真空容器の内部空間に収容し、且つ該真空容器の蓋壁に、液体を供給する液体供給手段と、前記貯留容器内の液体の下部に開口端が位置して脱気後の液体を取り出す液体取出管を有する液体取出手段と、前記貯留容器の液面に接する上方の空間を負圧空間にする負圧吸引手段と、前記貯留容器内の液体の下部に開口端が位置して前記貯留容器の液体中に外部気体を供給する外部気体供給管を有する外部気体供給手段とを設置した状態で、前記外部気体供給管の開口端を通じて前記貯留容器内の液体中に外部気体を導入することにより、前記液体の内部で気泡を上昇させ、該気泡の上昇に伴って気泡周辺の液体を上昇させて、該液体を全域に亘って順次液面に向かわせると共に液面が常に入れ替わるような上方に向かう液体流動を生じさせ、その液体流動と共に該液体中の溶存気体を上昇させて液面を通じて上方の前記負圧空間に移動させることにより脱気を行い、脱気後の液体を前記貯留容器から前記液体取出管の開口端を通じて回収することを特徴とする液体の脱気方法。
  2. インクジェットプリンタに使用されるインクからなる液体を貯留する貯留容器と、該貯留容器の液面に接する上方の空間を負圧状態にする負圧吸引手段とを備えた液体の脱気装置であって、
    単一の貯留空間を有する前記貯留容器の上端に開口部を形成すると共に、該貯留容器を真空容器の内部空間に収容し、且つ該真空容器の蓋壁に、液体を供給する液体供給手段と、前記貯留容器内の液体の下部に開口端が位置して脱気後の液体を取り出す液体取出管を有する液体取出手段と、前記貯留容器の液面に接する上方の空間を負圧空間にする負圧吸引手段と、前記貯留容器内の液体の下部に開口端が位置して前記貯留容器の液体中に外部気体を供給する外部気体供給管を有する外部気体供給手段とを設置した状態で、前記外部気体供給手段を通じて前記貯留容器内の液体中に導入された外部気体の動作により該液体の内部で気泡を上昇させ、該気泡の上昇に伴って気泡周辺の液体を上昇させて、該液体を全域に亘って順次液面に向かわせると共に液面が常に入れ替わるような上方に向かう液体流動を生じさせ、その液体流動と共に該液体中の溶存気体を上昇させて液面を通じて上方の負圧空間に移動させることにより脱気を行い、脱気後の液体を前記貯留容器から前記液体取出管の開口端を通じて回収するように構成したことを特徴とする液体の脱気装置。
  3. 前記負圧空間の圧力は、50kpa〜10kpaであることを特徴とする請求項に記載の液体の脱気装置。
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